JP2010120232A - なだらかな起伏を有する材料及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ブラスト加工した母材に高エネルギー加工を施すことによって、表面において適度になだらかな起伏を有する材料を安価かつ短時間に実現する。
【解決手段】母材1の表面2をブラスト加工した後に、ブラスト加工後の中間体4の表面5に電子ビーム加工、レーザ加工、又は、プラズマ加工のうちいずれかの高エネルギー加工を施す。例えば電子ビーム加工を施すことにより、ブラスト加工によって中間体4の表面5に形成された多数の鋭い凹部6と多数の鋭い凸部7とにおいて、表面5が短時間に溶融した後に凝固する。したがって、多数のなだらかな谷部11と多数のなだらかな山部12とを有する表面10を備えるなだらかな起伏を有する材料9が得られる。
【選択図】図1

Description

本発明は、なだらかな起伏を有する材料及びその製造方法に関するものである。
従来から、樹脂成形型に使用される材料には、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂からなる硬化樹脂に対する低密着性が要求されている。そして、樹脂成形型を製造するに当たっては、工具鋼等の金属材料を放電加工することによって、適度になだらかな凹凸を有する型面を形成している。また、ガラスや樹脂のような材料からなる成形品を成形する成形型の材料として、ガラス材料が提案されている(例えば、特許文献1参照)。更に、建材、浴槽、衛生陶器、台所用什器やこれらに類する機器等に使用される材料には、防汚性という観点から有機物からなる汚れに対する低密着性が要求される。これらの要求に応じて、セラミックス材料からなる低密着性材料が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2004−090326号公報(第1、第4、第7頁、図2) 特開2007−197251号公報(第1〜2頁、第18頁、図4)
しかし、上述した従来の技術によれば、次のような問題があった。第1の問題は、金属材料を放電加工する場合には加工時間が長くなることに起因する。このことにより、加工費の低減と納期の短縮とが困難であるという問題が発生する。第2の問題は、ガラス材料とセラミックス材料とを放電加工することは通常できないことに起因する。このことにより、ガラス材料又はセラミックス材料を使用する場合には、適度になだらかな凹凸を有する被加工面を形成することが困難であるという問題が発生する。
本発明が解決しようとする課題は、なだらかな起伏を有する材料を製造するに当り、安価かつ短納期で製造することが困難であること、及び、ガラス材料又はセラミックス材料を使用することが困難であることである。
以下の説明における()内の数字・記号は、図面における符号を示しており、説明における用語と図面に示された構成要素とを対比しやすくする目的で記載されたものである。また、これらの数字は、「説明における用語を、図面に示された構成要素に限定して解釈すること」を意味するものではない。
上述の課題を解決するために、本発明に係るなだらかな起伏を有する材料は、なだらかな起伏を有する材料(9、14、21)であって、母材(1)に対して粗面化加工が施された後に高エネルギー加工を使用して追加工された表面(10、15、22)と、表面(10、15、22)に各々形成された谷部(11、16、23)及び山部(12、17、24)とを備えるとともに、谷部(11、16、23)及び山部(12、17、24)は粗面化加工によって形成された凹部(6)及び凸部(7)が高エネルギー加工を使用してなだらかにされることによって形成され、なだらかな起伏は谷部(11、16、23)及び山部(12、17、24)からなることを特徴とする。
また、本発明に係るなだらかな起伏を有する材料は、上述したなだらかな起伏を有する材料(9、14、21)において、高エネルギー加工は電子ビーム加工、レーザ加工、又は、プラズマ加工のいずれかであることを特徴とする。
また、本発明に係るなだらかな起伏を有する材料は、上述したなだらかな起伏を有する材料(9、14、21)において、母材(1)は金属材料、セラミックス材料、又は、ガラス材料のいずれかであることを特徴とする。
また、本発明に係るなだらかな起伏を有する材料は、上述したなだらかな起伏を有する材料(9、14、21)において、型用材料、防汚性材料、又は、摺動部材用材料のいずれかとして使用されることを特徴とする。
本発明に係るなだらかな起伏を有する材料の製造方法は、なだらかな起伏を有する材料(9、14、21)の製造方法であって、母材(1)の表面(2)に粗面化加工を施す工程と、粗面化加工が施された表面(5)に高エネルギー加工を施す工程とを備えるとともに、高エネルギー加工を施す工程では、粗面化加工によって形成した凹部(6)及び凸部(7)を高エネルギー加工を使用してなだらかにすることを特徴とする。
また、本発明に係るなだらかな起伏を有する材料の製造方法は、上述したなだらかな起伏を有する材料(9、14、21)の製造方法において、高エネルギー加工は電子ビーム加工、レーザ加工、又は、プラズマ加工のいずれかであることを特徴とする。
また、本発明に係るなだらかな起伏を有する材料の製造方法は、上述したなだらかな起伏を有する材料(9、14、21)の製造方法において、母材(1)は金属材料、セラミックス材料、又は、ガラス材料のいずれかであることを特徴とする。
また、本発明に係るなだらかな起伏を有する材料の製造方法は、上述したなだらかな起伏を有する材料(9、14、21)の製造方法において、なだらかな起伏を有する材料(9、14、21)は型用材料、防汚性材料、又は、摺動部材用材料のいずれかとして使用されることを特徴とする。
本発明によれば、なだらかな起伏を有する材料(9、14、21)の表面(10、15、22)に、谷部(11、16、23)と山部(12、17、24)とが形成される。それらの谷部(11、16、23)と山部(12、17、24)とは、粗面化加工によって形成された凹部(6)と凸部(7)とが高エネルギー加工を使用してなだらかにされることによって形成される。これにより、粗面化加工によって形成された鋭い(鋭利な)凹部(6)と凸部(7)とがなだらかにされる。したがって、表面(10、15、22)においてそれぞれ適度になだらかな谷部(11、16、23)と山部(12、17、24)とを有するなだらかな起伏を有する材料(9、14、21)が得られる。
また、本発明によれば、電子ビーム加工、レーザ加工、又は、プラズマ加工のうちのいずれかの高エネルギー加工を使用して、粗面化加工によって形成された鋭い凹部(6)と凸部(7)とをなだらかにすることができる。したがって、多数の凹部(6)と多数の凸部(7)とを短時間になだらかにすることができるので、安価かつ短納期でなだらかな起伏を有する材料(9、14、21)を製造することができる。
また、本発明によれば、母材(1)として金属材料、セラミックス材料、又は、ガラス材料のいずれかを使用する。これにより、金属材料からなる母材を対象として、放電加工を使用する場合よりも安価かつ短納期でなだらかな起伏を有する材料(9、14、21)を製造することができる。また、セラミックス材料又はガラス材料からなる母材(1)を対象として、放電加工を使用することなく、表面(10、15、22)においてそれぞれ適度になだらかな谷部(11、16、23)と山部(12、17、24)とを有するなだらかな起伏を有する材料(9、14、21)を製造することができる。
また、本発明によれば、表面(10、15、22)においてそれぞれ適度になだらかな谷部(11、16、23)と山部(12、17、24)とを有するなだらかな起伏を有する材料(9、14、21)を、型用材料、防汚性材料、又は、摺動部材用材料のいずれかとして使用することができる。
母材(1)の表面(2)をブラスト加工した後に、ブラスト加工後の中間体(4)の表面(5)に電子ビーム(8)を照射することによって、電子ビーム加工を施す。これにより、ブラスト加工によって中間体(4)の表面(5)に形成された多数の鋭い凹部(6)と多数の鋭い凸部(7)とにおいて、表面(5)が短時間に溶融した後に凝固する。したがって、各々多数の適度になだらかな谷部(11)と山部(12)とからなるなだらかな起伏を有する表面(10)を備えるなだらかな起伏を有する材料(9)が得られる。
本発明に係るなだらかな起伏を有する材料及びその製造方法の実施例1を、図1を参照して説明する。図1(1)〜(4)は本実施例に係るなだらかな起伏を有する材料の製造方法を工程順に示す概略断面図である。また、図1(4)には本実施例に係るなだらかな起伏を有する材料が示されている。なお、本出願書類に含まれるいずれの図についても、わかりやすくするために、適宜省略し又は誇張して模式的に描かれている。
図1(1)に示すように、まず、セラミックス材料からなる母材1の表面2に対して、粒子3を高速で衝突させる。具体的には、母材1の表面2に対して、圧縮空気を使用して粒子3を高速で噴射してそれらの粒子3を表面2に衝突させる、いわゆるブラスト加工を施す。このことによって、図1(2)に示すように、ブラスト加工された中間体4の表面5には、急な傾斜でくぼんでいる多数の鋭い凹部6と、急な傾斜で突出する多数の鋭い凸部7とが形成される。また、表面5付近には、オーバーハングしている(表面5から深く入るほど拡がっている)断面形状を有するアンカー部Aが形成される。ここで、粒子3は投射材とも呼ばれており、粒子3の形状は球状でも破砕状でもよい。
次に、図1(3)に示すように、中間体4の表面5に対して高エネルギー加工を施す。具体的には、表面5に対して電子ビーム8を照射する。ここで、表面5の一定の面積に対して電子ビーム8を同時に一括して照射すること、又は、表面5に対して電子ビーム8をスポット状に照射しながら走査させることが好ましい。また、母材1が固定されたステージ(図示なし)を移動させてもよく、ステージの移動と電子ビーム8の走査とを組み合わせてもよい。これらによって、図1(4)に示されているなだらかな起伏を有する材料9を短時間に製造することができる。
電子ビーム8を照射する工程においては、中間体4の表面5に対して電子ビーム8を照射することにより、ブラスト加工によって形成された鋭い凹部6と鋭い凸部7とを次のように変化させることができる。まず、鋭い凹部6に関しては、鋭く刻まれた谷底及びその周囲の部分において断面形状をなだらかにする。また、鋭い凸部7に関しては、尖った山頂(ピーク)及びその周囲の部分において断面形状をなだらかにする。これらの変化は、電子ビーム8が有する高いエネルギーによって鋭い凹部6と鋭い凸部7とにおける表面が短時間に溶融した後に凝固することによって発生する。
以上の工程によって、図1(4)に示されているなだらかな起伏を有する材料9が完成する。なだらかな起伏を有する材料9の表面10には、なだらかな断面形状を有する谷部11となだらかな断面形状を有する山部12とが形成されている。これらの谷部11と山部12とは、有機物、例えば流動性樹脂が硬化して形成された硬化樹脂に対する低密着性という観点から適度ななだらかさを有する。谷部11と山部12とがそれぞれ適度ななだらかさを有することによって、次の効果が得られる。それは、図1(2)に示された多数の鋭い凹部6、特にアンカー部Aに硬化樹脂が浸入固化することによってその硬化樹脂がくぎ又はくさびのように作用する、いわゆる投錨効果(アンカー効果)が抑制されるという効果である。これにより、硬化樹脂に対して低密着性を有するなだらかな起伏を有する材料9が得られる。なお、ここでいう「低密着性」とは、工具鋼に代表される従来の成形型用材料と硬化樹脂との間の密着性よりも低い密着性をいう。
ここで、「適度ななだらかさ」として、例えば、次の値が提案されている(特開昭60−074457号公報の第1頁参照)。その値とは、面粗さHmaxが5〜15μmでかつHmax/ピッチが1/10〜1/200の範囲である。この値は一例であって、「なだらかさ」は硬化樹脂・有機物の種類や要求される低密着性の程度に応じて適宜選択されるべきものである。例えば、上述した面粗さHmax(断面曲線の最大断面高さ)が5〜15μmである範囲に限らず、算術平均粗さRaが0.05μm以上10.0μm以下の適当な値であってもよい。
ここまで説明したなだらかな起伏を有する材料9は、次のような用途に使用される。それは、樹脂成形型、打抜き機に使用される抜き型等に使用される型用材料である。なだらかな起伏を有する材料9が樹脂成形型に使用された場合には、流動性樹脂が硬化して形成された硬化樹脂に対して低密着性を有する樹脂成形型が得られる。
また、なだらかな起伏を有する材料9が打抜き加工用の抜き型に使用された場合には、被加工物の表面に存在する有機物に対して低密着性を有する抜き型が得られる。例えば、プラスチックからなる被加工物を打ち抜く場合には、そのプラスチックに含まれ有機物からなる成分が汚れとして抜き型に付着するので、その汚れに対して低密着性を有する抜き型が得られる。なお、ここでいう「低密着性」とは、従来の抜き型用材料と有機物からなる汚れとの間の密着性よりも低い密着性をいう。
本実施例によれば、なだらかな起伏を有する材料9の表面10には、それぞれなだらかな断面形状を有する谷部11と山部12とが形成されている。そして、谷部11と山部12とは、ブラスト加工によって形成された鋭い凹部6と鋭い凸部7とが電子ビーム加工を使用してなだらかにされることによって形成される。したがって、表面10においてそれぞれ適度になだらかな谷部11と山部12とを有し低密着性を有するなだらかな起伏を有する材料9が得られる。
また、本実施例によれば、電子ビーム加工を使用することによって、多数の鋭い凹部6と多数の鋭い凸部7とを短時間になだらかにすることができる。したがって、安価かつ短納期でなだらかな起伏を有する材料9を製造することができる。
また、本実施例によれば、セラミックス材料からなる母材1を対象としてなだらかな起伏を有する材料9を製造する。これにより、放電加工を使用することなく、表面10において適度になだらかな谷部11、山部12を有し低密着性を有するなだらかな起伏を有する材料9を製造することができる。
また、本実施例によれば、表面10においてそれぞれ適度になだらかな谷部11と山部12とを有し有機物に対する低密着性を有するなだらかな起伏を有する材料9を、型用材料として使用することができる。
本発明に係るなだらかな起伏を有する材料及びその製造方法の実施例2を、図2を参照して説明する。図2(1)〜(4)は本実施例に係るなだらかな起伏を有する材料の製造方法を工程順に示す概略断面図である。また、図2(4)には本実施例に係るなだらかな起伏を有する材料が示されている。
本実施例の特徴は、ブラスト加工によって形成された鋭い凹部6と鋭い凸部7とをなだらかにするために、レーザ加工を使用することである。図2(3)に示すように、中間体4の表面5に対してレーザ光13を照射する。これにより、ブラスト加工によって形成された鋭い凹部6と鋭い凸部7とをなだらかにすることができる。ここで、一定の面積に対して同時に一括して照射するレーザ加工を使用することが好ましい。
ここまでの工程により、図2(4)に示されているなだらかな起伏を有する材料14が完成する。なだらかな起伏を有する材料14の表面15には、それぞれなだらかな断面形状を有する谷部16と山部17とが形成されている。これらの谷部16と山部17とは、有機物に対する低密着性という観点から適度ななだらかさを有する。したがって、本実施例によれば実施例1と同様の効果が得られる。また、照射条件により、複数の鋭い凸部7を統合して、鋭い凸部7の数よりも少数の山部17を形成することができる。図2(4)にはその例が示されている。なお、照射条件によって複数の鋭い凸部7の数よりも少数の山部17を形成することができることは、他の実施例においても同様である。
なお、本実施例では、レーザ加工として、レーザ光を高速で走査して母材1を照射するレーザ加工、又は、複数のレーザ光を同時に照射するレーザ加工を使用してもよい。これらを使用した場合においても、なだらかな起伏を有する材料14を短時間に製造することができる。
本発明に係るなだらかな起伏を有する材料及びその製造方法の実施例3を、図3を参照して説明する。図3(1)〜(4)は本実施例に係るなだらかな起伏を有する材料の製造方法を工程順に示す概略断面図である。また、図3(4)には本実施例に係るなだらかな起伏を有する材料が示されている。
本実施例の特徴は、ブラスト加工によって形成された鋭い凹部6と鋭い凸部7とをなだらかにするためにプラズマ加工を使用することである。まず、図2(3)に示すように、中間体4を真空チャンバ18に収容する。真空チャンバ18には、配管19を経由して減圧ポンプ20が接続されている。次に、真空雰囲気中に中間体4が配置された状態において、中間体4の表面5に対してプラズマ加工を施す。これにより、ブラスト加工によって形成された鋭い凹部6と鋭い凸部7とをなだらかにすることができる。
ここまでの工程により、図3(4)に示されているなだらかな起伏を有する材料21が完成する。なだらかな起伏を有する材料21の表面22には、それぞれなだらかな断面形状を有する谷部23と山部24とが形成されている。これらの谷部23と山部24とは、有機物に対する低密着性という観点から、適度ななだらかさを有する。したがって、本実施例によれば実施例1と同様の効果が得られる。
なお、本実施例では、プラズマ加工として真空雰囲気中におけるプラズマ加工を使用した。これに限らず、大出力のプラズマトーチ、大気圧プラズマ、又は、準大気圧プラズマを使用してもよい。例えば、高密度な水素プラズマによる準大気圧プラズマを使用することができる。
なお、ここまでの各実施例においては、母材1としてセラミックス材料(超硬材料を含む)を使用した。これに代えて、母材1として工具鋼等の金属材料を使用してもよい。この場合には、ブラスト加工された母材1の一定の面積を同時に処理できる電子ビーム加工又はプラズマ加工を使用することによって、放電加工を使用する場合よりも安価かつ短納期でなだらかな起伏を有する材料を製造することができる。また、一定の面積に対して同時に一括して照射するレーザ加工、レーザ光を高速で走査して母材1を照射するレーザ加工、又は、複数のレーザ光を同時に照射するレーザ加工を使用することにより、放電加工を使用する場合に比較して安価かつ短納期でなだらかな起伏を有する材料を製造することができる。
また、各実施例では粗面化加工としてブラスト加工を使用したが、ブラスト加工以外の粗面化加工を使用することもできる。例えば、適当な加工条件による放電加工やレーザ加工等を使用して、母材1に対する粗面化加工を施してもよい。
また、各実施例においてなだらかさとして適度な値を採用することにより、次の効果が得られる。それは、硬化樹脂にフィラーとして含まれるシリカの粒子が鋭い凹部6(図1(2)参照)に引っかかることが抑制されるという効果である。シリカの粒子が鋭い凹部6に引っかかると、その粒子が表面5から除去されにくくなる。したがって、適度ななだらかさを採用することによってシリカの粒子が鋭い凹部6に引っかかりにくくなるので、無機物に対する低密着性を有するなだらかな起伏を有する材料9が得られる。
また、従来においては、硬化樹脂にフィラーとして含まれるシリカの粒子が流動して凸部7(図1(2)参照)にぶつかることによって、尖った山頂(ピーク)を有する凸部7が欠けるおそれがある。凸部7が欠けた場合には、材料の表面5においてチッピングが発生する。本発明によれば、各実施例においてなだらかさとして適度な値を採用することによって、チッピングの発生という問題が解消される。
また、従来においては、凸部7(図1(2)参照)が有する尖った山頂が硬化樹脂に引っかかるおそれがある。この場合には、材料の表面5と硬化樹脂とが引き離される際に、硬化樹脂によって凸部7の尖った山頂が引きちぎられて欠損するという問題が発生する。本発明によれば、各実施例においてなだらかさとして適度な値を採用することによって、凸部7の尖った山頂が欠損するという問題が解消される。
また、樹脂成形型の型面をなだらかな起伏を有する材料9、14、21によって構成する場合には、ブロック状(直方体状)のなだらかな起伏を有する材料9、14、21を、キャビティの底面又は天面を構成するキャビティブロックとして使用してもよい。また、キャビティの側面(抜き勾配を有する部分)に対して各実施例で説明した加工を施すこともできる。
また、本発明に係るなだらかな起伏を有する材料9、14、21は、型用材料以外の用途であって有機物・無機物に対する低密着性が要求される用途に使用されることが可能である。例えば、このようななだらかな起伏を有する材料9、14、21を、有機物・無機物からなる汚れの付着を防止する機能、又は、有機物・無機物からなる汚れが付着した場合にその汚れが容易に除去される機能を有する材料として使用することができる。この場合には、本発明に係るなだらかな起伏を有する材料9、14、21は防汚性材料として機能する。具体的には、建物の外壁等に使用される建材、浴槽、衛生陶器、台所用什器やこれらに類する機器等の材料として、本発明に係るなだらかな起伏を有する材料9、14、21を使用してもよい。
また、本発明に係るなだらかな起伏を有する材料9、14、21は、摺動部材用材料として使用されることが可能である。この場合には、摺動部材が有するなだらかで丸みを帯びた断面形状を有する山部12、17、24(図1(4)、図2(4)、図3(4)参照)が相手側の部材にそれぞれ点接触した状態で、その摺動部材が小さな摩擦係数でもって摺動する。また、摺動部材と相手側の部材との間において谷部11、16、23に潤滑油が保油されることが可能になる。これらにより、高い摺動性能を有する摺動部材用材料が実現される。
また、本発明は、上述の各実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、必要に応じて、任意にかつ適宜に組み合わせ、変更し、又は選択して採用できるものである。
図1(1)〜(4)は本発明の実施例1に係るなだらかな起伏を有する材料の製造方法を工程順に示す概略断面図である。 図2(1)〜(4)は本発明の実施例1に係るなだらかな起伏を有する材料の製造方法を工程順に示す概略断面図である。 図3(1)〜(4)は本発明の実施例1に係るなだらかな起伏を有する材料の製造方法を工程順に示す概略断面図である。
符号の説明
1 母材(金属材料、セラミックス材料)
2 表面
3 粒子
4 中間体
5 表面
6 凹部
7 凸部
8 電子ビーム
9、14、21 なだらかな起伏を有する材料(型用材料、防汚性材料、摺動部材用材料)
10、15、22 表面
11、16、23 谷部
12、17、24 山部
13 レーザ光
18 真空チャンバ
19 配管
20 減圧ポンプ
A アンカー部

Claims (8)

  1. なだらかな起伏を有する材料であって、
    母材に対して粗面化加工が施された後に高エネルギー加工を使用して追加工された表面と、
    前記表面に各々形成された谷部及び山部とを備えるとともに、
    前記谷部及び前記山部は前記粗面化加工によって形成された凹部及び凸部が前記高エネルギー加工を使用してなだらかにされることによって形成され、
    前記なだらかな起伏は前記谷部及び前記山部からなることを特徴とするなだらかな起伏を有する材料。
  2. 請求項1に記載されたなだらかな起伏を有する材料において、
    前記高エネルギー加工は電子ビーム加工、レーザ加工、又は、プラズマ加工のいずれかであることを特徴とするなだらかな起伏を有する材料。
  3. 請求項1又は2に記載されたなだらかな起伏を有する材料において、
    前記母材は金属材料、セラミックス材料、又は、ガラス材料のいずれかであることを特徴とするなだらかな起伏を有する材料。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載されたなだらかな起伏を有する材料において、
    型用材料、防汚性材料、又は、摺動部材用材料のいずれかとして使用されることを特徴とするなだらかな起伏を有する材料。
  5. なだらかな起伏を有する材料の製造方法であって、
    母材の表面に粗面化加工を施す工程と、
    前記粗面化加工が施された前記表面に高エネルギー加工を施す工程とを備えるとともに、
    前記高エネルギー加工を施す工程では、前記粗面化加工によって形成した凹部及び凸部を前記高エネルギー加工を使用してなだらかにすることを特徴とするなだらかな起伏を有する材料の製造方法。
  6. 請求項5に記載されたなだらかな起伏を有する材料の製造方法において、
    前記高エネルギー加工は電子ビーム加工、レーザ加工、又は、プラズマ加工のいずれかであることを特徴とするなだらかな起伏を有する材料の製造方法。
  7. 請求項5又は6に記載されたなだらかな起伏を有する材料の製造方法において、
    前記母材は金属材料、セラミックス材料、又は、ガラス材料のいずれかであることを特徴とするなだらかな起伏を有する材料の製造方法。
  8. 請求項5〜7のいずれかに記載されたなだらかな起伏を有する材料の製造方法において、
    前記なだらかな起伏を有する材料は型用材料、防汚性材料、又は、摺動部材用材料のいずれかとして使用されることを特徴とするなだらかな起伏を有する材料の製造方法。
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