JPH08336843A - 成形品及びその製造方法並びに成形用金型装置 - Google Patents

成形品及びその製造方法並びに成形用金型装置

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JPH08336843A
JPH08336843A JP14787395A JP14787395A JPH08336843A JP H08336843 A JPH08336843 A JP H08336843A JP 14787395 A JP14787395 A JP 14787395A JP 14787395 A JP14787395 A JP 14787395A JP H08336843 A JPH08336843 A JP H08336843A
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Yasuhiko Ogisu
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Abstract

(57)【要約】 【目的】成形品の表面の低グロス化を図り、当該低グロ
ス化された成形品を容易に、かつ、長期に渡って安定し
て得られる製造方法等を提供する。 【構成】SCM系素材よりなる可動型2の成形面3は、
予めシボ加工が施されているとともに、その上からさら
に一酸化炭素を導入したイオン窒化処理が施される。成
形面3には所定のイオンが衝突し、その運動エネルギー
や拡散層の形成等によって成形面3の表面が粗化され
る。従って、その粗化状態は非常に微細なものとなり、
かかる成形面3により転写成形された樹脂成形品は、い
わゆるつや消しの表面を有するとともに、その表面は低
グロス化されたものとなる。また、窒素イオン等が可動
型2の表層内に拡散してゆくため、成形面3表層の硬度
が高められ、磨滅されにくくなる。さらに、イオンの衝
突に伴う化学反応により、成形面3の表面に窒化層が形
成され、表面が酸化されにくいものとなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形品に係り、特に、
樹脂成形品において、その表面の光沢の程度の低い、い
わゆるつや消しの成形品(低グロス成形品)及びその製
造方法並びに当該成形品を得るための成形用金型装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、このような低グロス成形品を得る
ための技術として、グリッドブラスト、又はサンドブラ
ストと称されるブラスト処理法を挙げることができる。
このブラスト処理法においては、金型の成形面に対し、
金属粗粒、砂、或いは研磨材が照射される。そして、上
記粒子の運動エネルギーによって成形面が削られ、表面
が粗化される。このように、成形面表面が粗化された金
型が用いられることによって、いわゆるつや消しの表面
を有する成形品が転写成形される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術では、以下に示すような問題があった。すなわ
ち、上記技術では、照射する粒子として最も粒径の小さ
い砂を用いた場合であっても、その粒径は数μmのもの
であった。このため、図5に示すように、金型51の成
形面52の粗化を図るのにも限界があり、それ以上低グ
ロスの製品を得るのは困難であった。
【0004】また、同図に示すように、粗化された金型
51の成形面52が剥き出しとなっているため、金型5
1を構成する素材によっては、すぐに錆が生じたり腐食
が起こったりしてしまうおそれがあった。従って、金型
装置の非使用時には、防錆剤を成形面52に塗布してお
く必要があった。
【0005】さらに、成形面52の粗化された部分は、
非常に脆く、樹脂等の当接により摩滅されやすかった。
そのため、成形を繰り返すうちに、成形面52の微細な
凹凸が削られて消滅してしまい、当初期待していた低グ
ロス製品が得られなくなってしまうおそれがあった。
【0006】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的は、表面の低グロス化が図
られた成形品を提供するとともに、当該低グロス化され
た成形品が容易に、かつ、長期に渡って安定して得られ
る成形品の製造方法を提供することにある。さらには、
本発明の別の目的は、かかる低グロス化された成形品を
得ることでき、かつ、耐食性、耐久性の向上を図ること
のできる成形用金型装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明においては、少なくとも2つ
の金属製の分割型を備え、各分割型の少なくとも1つは
SCM系素材よりなり、当該分割型に形成された成形面
の少なくとも一部には、一酸化炭素ガスを導入してなる
イオン窒化処理により微細な凹凸が形成されるととも
に、表層部に窒化層が形成されてなる成形用金型装置が
用いられることにより得られた成形品をその要旨として
いる。
【0008】また、請求項2に記載の発明では、請求項
1に記載の成形品において、前記イオン窒化処理は、前
記成形面のうちの、ブラスト加工及びシボ加工の少なく
とも一方が施された面に対して施されていることをその
要旨としている。
【0009】さらに、請求項3に記載の発明では、請求
項1又は2に記載の成形品において、前記イオン窒化処
理においては、さらに、水素ガスが導入されるととも
に、水素ガス1に対する一酸化炭素ガスの流量比が0よ
りも多く、かつ、0.2よりも少ないことをその要旨と
している。
【0010】併せて、請求項4に記載の発明では、請求
項1〜3のいずれかに記載の成形品において、前記成形
品は樹脂材料よりなることをその要旨としている。加え
て、請求項5に記載の発明においては、少なくとも2つ
の金属製の分割型を備え、各分割型の少なくとも1つは
SCM系素材よりなり、当該分割型に形成された成形面
により成形品を成形するための成形用金型装置であっ
て、前記成形面の少なくとも一部に一酸化炭素ガスを導
入してなるイオン窒化処理により微細な凹凸を形成する
とともに、表層部に窒化層を形成したことをその要旨と
している。
【0011】また、請求項6に記載の発明では、請求項
5に記載の成形用金型装置において、前記イオン窒化処
理は、前記成形面のうちの、ブラスト加工及びシボ加工
の少なくとも一方が施された面に対して施されているこ
とをその要旨としている。
【0012】さらに、請求項7に記載の発明では、請求
項6に記載の成形用金型装置において、前記イオン窒化
処理においては、さらに、水素ガスが導入されるととも
に、水素ガス1に対する一酸化炭素ガスの流量比が0よ
りも多く、かつ、0.2よりも少ないことをその要旨と
している。
【0013】併せて、請求項8に記載の発明において
は、請求項5〜7のいずれかに記載の成形用金型装置の
前記成形面により形成されてなるキャビティ内に可塑化
された樹脂材料を充填する工程と、前記樹脂材料を固化
させたものを、前記成形用金型装置から取り出す工程と
を備えた成形品の製造方法をその要旨としている。
【0014】なお、上記イオン窒化処理においては、窒
素ガスが用いられる必要があることはいうまでもない。
また、SCM系素材というのは、クロム及びモリブデン
の混入された炭素鋼であって、JIS G4105及び
JIS G4103に規定された鋼材である。
【0015】
【作用】上記の発明、特に、請求項5に記載の発明によ
れば、成形用金型装置を構成する分割型のうちの少なく
ともSCM系素材よりなる分割型の成形面の少なくとも
一部に、一酸化炭素ガスが導入されてイオン窒化処理が
施される。このため、上記成形面には、所定のイオンが
衝突し、エッチング作用により表面が粗化され、微細な
凹凸が形成される。また、これとともに、イオンの衝突
に伴い、型の表面温度が上昇し、窒素原子が分割型の表
層内に拡散してゆく。さらに、イオンの衝突に伴う化学
反応により、成形面の表面に窒化層が形成される。従っ
て、これらの作用があいまって、表面の粗化状態は非常
に微細なものとなる。特に、本発明では一酸化炭素ガス
が導入されることから、成形面の表面に微細な凹凸表面
を有する窒化層がより一層形成されやすいものとなる。
【0016】さらに、上記の化学反応により、成形面の
表面に窒化層が形成されることから、表面が酸化されに
くいものとなるとともに、分割型の表層の硬度が高めら
れる。
【0017】また、請求項6に記載の発明によれば、請
求項5に記載の発明の作用に加えて、成形面の所定の箇
所に、ブラスト加工及びシボ加工の少なくとも一方が施
される。そして、その加工の施された面に対してイオン
窒化処理が施される。このため、一旦、ブラスト加工や
シボ加工でもって比較的大まかに粗化された成形面は、
上記イオン窒化処理にてさらに微細な粗化処理がなされ
ることとなる。
【0018】さらに、請求項7に記載の発明によれば、
請求項5又は6に記載の発明の作用に加えて、イオン窒
化処理においては、さらに、水素ガスが導入されるとと
もに、一酸化炭素ガスとしては、水素ガス1に対する一
酸化炭素ガスの流量比が0よりも多く、かつ、0.2よ
りも少ない状態で導入されることとなる。このため、上
記作用がより一層確実なものとなる。
【0019】一方、請求項1に記載の発明によれば、上
記請求項5に記載の発明の作用を奏する成形用金型装置
が用いられることから、成形品は、その成形面に転写さ
れた表面形状を有することとなる。従って、成形品の表
面は、光沢の程度の低い、低グロス化されたものとな
る。
【0020】また、請求項2に記載の発明によれば、上
記請求項6に記載の発明の作用を奏する成形用金型装置
が用いられることから、上記請求項1に記載の発明の作
用に加えて、さらに質感の飛躍的な向上が図られうる。
【0021】さらに、請求項3に記載の発明によれば、
請求項1又は2に記載の発明の作用に加えて、成形品は
樹脂材料よりなり、このようにして得られる樹脂成形品
は、防眩性に優れたものとなる。
【0022】さらにまた、請求項8に記載の発明によれ
ば、請求項5〜7のいずれかに記載の成形用金型装置の
前記成形面により形成されてなるキャビティ内に可塑化
された樹脂材料が充填され、その樹脂材料が固化したも
のが、成形用金型装置から取り出され、樹脂成形品が得
られる。従って、かかる金型装置を用いるのみで、容易
に上述の作用を奏する成形品を得ることが可能となる。
【0023】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図面に
基づいて説明する。図1に示すように、本実施例におけ
る成形用金型装置1は、分割型を構成する可動型2及び
図示しない固定型を備えている。これら可動型2及び固
定型は、SCM系素材よりなっている(例えば、大同特
殊鋼株式会社製 グレードPX5 表面シボ加工仕上
げ)。これら可動型2及び固定型の一部には、所定の樹
脂製品を成形するための成形面3が形成されている。こ
の成形面3は、固定型の成形面とともに、所定の樹脂製
品を成形するためのキャビティを構成している。また、
成形面3は、予めシボ加工が施されているとともに、そ
の上からさらにイオン窒化処理が施されている。
【0024】かかるイオン窒化処理に際しては、図2に
示すようなイオン窒化装置4が使用される。すなわち、
イオン窒化装置4は、炉壁5を有するとともに、該炉壁
5内に台座状の直流電極6が設置されている。また、炉
壁5には減圧パイプ7が設けられ、該パイプ7は図示し
ない真空ポンプに連結されている。さらに、前記炉壁5
内には、少なくとも窒素ガスと水素ガスの混合されてな
る原料ガスが供給されるようになっている。
【0025】次に、上記のイオン窒化装置4を用いた、
可動型2の成形面3のイオン窒化処理方法の一例につい
て、説明する。まず、図3に示すように、成形面3が予
めシボ加工されてなる可動型2を用意し、前処理として
トリクロロエタンによる超音波洗浄を約30分間行う。
この洗浄は脱脂をも兼ねている。なお、かかる洗浄・脱
脂に際してはアセトン、イソプロピルアルコール等を用
いてもよい。その後、可動型2を室温で乾燥させる。
【0026】次に、前処理工程を経た可動型2を、上記
直流電極6上に載置固定する。そして、真空ポンプにて
炉壁5内を所定圧力(例えば26.6Pa)まで減圧し
た後原料ガス[ガス圧…260〜400Pa、流量…5
L/min、ガス流量比…N 2 :H2 :N2 (80%)
+CO(20%)=1.2:2:1(N2 :H2 :CO
=1:1:0.1)]を炉壁5内に導入する。
【0027】さらに、上記直流電極6を陽極とし、炉壁
5を陰極として、直流電流8A(電圧500V)にてプ
ラズマを発生させ、可動型2を約30分間で575℃ま
で昇温せしめる。その後、可動型2の温度をその一定値
に保持し、所定時間(例えば3時間)、イオン窒化処理
を施す[このときの電流約4A(電圧約600V)]。
そして、所定時間経過後、放電のみを停止させ、一定時
間(例えば1.5時間)冷却した後、可動型2を炉壁5
から取り出す。
【0028】このようにして得られた可動型2は、成形
面3にイオン窒化処理が施されるため、上記成形面3に
は、所定のイオン(窒素イオン、水素イオン等)が衝突
し、その運動エネルギーによるエッチング作用により表
面が粗化され、微細な凹凸が形成される。また、これと
ともに、イオンの衝突に伴い、可動型2の表面温度が上
昇し、窒素原子が分割型の表層内に拡散してゆく。さら
に、イオンの衝突に伴う化学反応により、成形面3の表
面に窒化層が形成される。従って、これらの作用があい
まって、表面の粗化状態は非常に微細なものとなる。特
に、本実施例では、一酸化炭素ガスが導入されることか
ら、成形面3の表面に微細な凹凸表面を有する窒化層が
より一層形成されやすいものとなる。
【0029】上記効果を確認するため、従来のブラスト
処理のみが施された金型装置の分割型のテストピース
(比較例1)と、本実施例の金型装置の分割型のテスト
ピース(実施例1)と、イオン窒化処理に際してのガス
流量比を実施例の条件に対し変更させた金型装置の分割
型のテストピース[一酸化炭素なし/N2 :H2 =1:
1で得た成形品(比較例2)]について、60°の角度
からみたときの光沢度合いを測定した。なお、光沢度合
いの評価に際してはデジタル変角光沢計UGV−5K及
びSMカラーコンピュータSM−5を使用し、JIS
Z8741に従って測定した。
【0030】実施例1のテストピースのグロス値は
「0.3」であった。これに対し、比較例1のテストピ
ースのグロス値は「1.5」であり、また、比較例2の
テストピースのグロス値は「1.0」であった。上記の
結果からもわかるように、本実施例の金型装置は、成形
面を、光沢度合いが低く、いわゆる低グロスのものとす
ることができることができる。また、本実施例のSCM
系素材の分割型においては、イオン窒化処理を施すに際
して一酸化炭素を導入することにより、飛躍的に低グロ
ス化を図ることができることがわかる。
【0031】本実施例のさらなる作用効果について言及
すると、上記化学反応により可動型2の表面温度が上昇
し、窒素原子が可動型2の表層内に拡散してゆく。従っ
て、可動型2の表層の硬度が高められる。その結果、成
形面3の微細な凹凸の磨滅を抑制することができ、金型
装置1の耐久性の向上を図ることができる。
【0032】また、イオンの衝突に伴う化学反応によ
り、成形面3の表面に窒化層(Fe2N,Fe3 N,F
4 N)が形成される。従って、かかる窒化層の存在に
より、表面が酸化されにくいものとなる。その結果、防
錆剤等を成形面に塗布する必要がなくなり、その分だけ
生産性の向上及びコストダウンを図ることができる。
【0033】次に、上記のようにして得られた可動型2
等を用いて、樹脂成形品を射出成形した場合の効果につ
いて説明する。本実施例では、図4に示すように、成形
品として例えばインストルメントパネル11のアウタピ
ース12を公知の射出成形法を用い、ポリプロピレンに
よって製造することとした。かかるアウタピース12
は、一般に、図示しないフロントガラス近傍に位置する
ため、フロントガラスへの映り込み防止の要請が高い内
装品である。
【0034】本実施例によれば、可動型2の成形面3に
イオン窒化処理が施されるため、上述した如く、成形面
3の粗化状態は非常に微細なものとなる。このため、か
かる成形面3により転写成形された樹脂成形品(アウタ
ピース12)は、いわゆるつや消しの表面を有するとと
もに、その表面は低グロス化されたものとすることがで
きる。
【0035】また、本実施例では、特に、予めシボ加工
が施された可動型2を用いているので、一旦、シボ加工
でもって比較的大まかに粗化された成形面3は、上記イ
オン窒化処理にてさらに微細な粗化処理がなされること
となる。このため、得られる成形品の質感の飛躍的な向
上が図られうる。すなわち、単に低グロスの成形品(ア
ウタピース12)が得られるのみならず、その表面の明
度も低いものとなる。
【0036】これらのことからも、本実施例の成形品に
よれば、優れた防眩性を奏し、特に、自動車の内装品
(例えばインストルメントパネル11のアウタピース1
2)として使用した場合には、フロントガラス等への映
り込みによる不具合を解消することができるという効果
を奏する。
【0037】尚、本発明は上記実施例に限定されず、例
えば次の如く構成してもよい。 (1)前記実施例では、樹脂成形品、特に、インストル
メントパネル11のアウタピース12を得る場合に具体
化したが、その他の内装品をはじめとする各種樹脂成形
品に具体化してもよい。また、例えば金属等のその他の
成形品を成形する場合に具体化してもよい。
【0038】(2)前記実施例では、可動型2の成形面
3にイオン窒化処理を施す場合に具体化したが、固定
型、その他の分割型の成形面にイオン窒化処理を施す場
合に具体化することもできる。また、成形面3の全てを
イオン窒化処理する必要はなく、少なくとも一部に処理
を施した場合であってもよい。
【0039】(3)イオン窒化処理に際しての処理条件
は、上記実施例の数値等に何ら限定されるものではな
い。例えば、窒素ガスの流量比を適宜変更しても差し支
えない。
【0040】(4)前記実施例では、予めシボ加工を施
した成形面3にイオン窒化処理を施すようにしたが、上
記シボ加工を省略してもよい。また、シボ加工の代わり
にブラスト処理を施してもよい。かかる処理を施した場
合にも、シボ加工と同等の質感の向上を図ることができ
る。さらに、シボ加工とブラスト処理を併用した上で本
発明の処理を施すようにしてもよい。
【0041】特許請求の範囲の各請求項に記載されない
ものであって、上記実施例から把握できる技術的思想に
ついて以下にその効果とともに記載する。 (a)請求項1〜8のいずれかに記載の成形品及びその
製造方法並びに成形用金型装置において、前記成形品
は、車両用インストルメントパネルの一部を構成するも
のであることを特徴とする。このような構成とすること
により、優れた防眩性を奏し、特に、フロントガラス等
への映り込みによる不具合を解消することができるとい
う効果を奏する。
【0042】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の成形品及
びその製造方法によれば、表面の低グロス化が図られた
成形品を得ることができるとともに、当該低グロス化さ
れた成形品が容易に、かつ、長期に渡って安定して得ら
れるという優れた効果を奏する。
【0043】また、本発明の成形用金型装置によれば、
上記低グロス化された成形品を得ることができるととも
に、耐食性、耐久性の向上を図ることができるという優
れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例における可動型の成形面を示す断面模
式図である。
【図2】イオン窒化処理装置を示す模式図である。
【図3】シボ加工を施した可動型を模式的に示す断面図
である。
【図4】インストルメントパネル等を示す斜視図であ
る。
【図5】従来技術における金型を模式的に示す断面図で
ある。
【符号の説明】
1…成形用金型装置、2…分割型としての可動型、3…
成形面、12…成形品としてのアウタピース。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2つの金属製の分割型(2)
    を備え、各分割型(2)の少なくとも1つはSCM系素
    材よりなり、当該分割型(2)に形成された成形面
    (3)の少なくとも一部には、一酸化炭素ガスを導入し
    てなるイオン窒化処理により微細な凹凸が形成されると
    ともに、表層部に窒化層が形成されてなる成形用金型装
    置(1)が用いられることにより得られたことを特徴と
    する成形品。
  2. 【請求項2】 前記イオン窒化処理は、前記成形面
    (3)のうちの、ブラスト加工及びシボ加工の少なくと
    も一方が施された面に対して施されていることを特徴と
    する請求項1に記載の成形品。
  3. 【請求項3】 前記イオン窒化処理においては、さら
    に、水素ガスが導入されるとともに、水素ガス1に対す
    る一酸化炭素ガスの流量比が0よりも多く、かつ、0.
    2よりも少ないことを特徴とする請求項1又は2に記載
    の成形品。
  4. 【請求項4】 前記成形品は樹脂材料よりなることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の成形品。
  5. 【請求項5】 少なくとも2つの金属製の分割型(2)
    を備え、各分割型(2)の少なくとも1つはSCM系素
    材よりなり、当該分割型(2)に形成された成形面
    (3)により成形品を成形するための成形用金型装置で
    あって、 前記成形面(3)の少なくとも一部に一酸化炭素ガスを
    導入してなるイオン窒化処理により微細な凹凸を形成す
    るとともに、表層部に窒化層を形成したことを特徴とす
    る成形用金型装置。
  6. 【請求項6】 前記イオン窒化処理は、前記成形面
    (3)のうちの、ブラスト加工及びシボ加工の少なくと
    も一方が施された面に対して施されていることを特徴と
    する請求項5に記載の成形用金型装置。
  7. 【請求項7】 前記イオン窒化処理においては、さら
    に、水素ガスが導入されるとともに、水素ガス1に対す
    る一酸化炭素ガスの流量比が0よりも多く、かつ、0.
    2よりも少ないことを特徴とする請求項5又は6に記載
    の成形用金型装置。
  8. 【請求項8】 請求項5〜7のいずれかに記載の成形用
    金型装置(1)の前記成形面(3)により形成されてな
    るキャビティ内に可塑化された樹脂材料を充填する工程
    と、 前記樹脂材料を固化させたものを、前記成形用金型装置
    から取り出す工程とを備えたことを特徴とする成形品の
    製造方法。
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