JP5218638B2 - 感熱記録体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ロイコ染料と顕色剤との発色反応を利用した感熱記録体及びその製造方法に関するものである。
従来、ロイコ染料と顕色剤との熱による発色反応を利用した感熱記録体はよく知られている。かかる感熱記録体は比較的安価であり、また記録機器がコンパクトで且つその保守も比較的容易であるため、ファクシミリや各種ラベル、その他の出力用記録媒体としてのみならず、超音波画像診断やX線画像診断等の医療診断装置のプリンターに使用される記録媒体としても広く使用されている。
また、記録画像の均一性、高解像度が必要な医療診断装置のプリンターでは、複層構造を有する合成紙や、必要に応じて無機顔料を含有する二軸延伸した熱可塑性樹脂フィルムを支持体とする感熱記録体が使用されている。近年では、低濃度から高濃度に至る階調再現性に優れ、且つ銀塩写真に匹敵するような高画質及び高光沢の記録画像が得られる感熱記録体への要望が高まっている。
印字の保存性及び印刷適性を向上するため、感熱記録層上に水性樹脂を含有する中間層を設け、しかる後に電子線によって硬化せしめた樹脂を含有する保護層を設け、更に、顔料を含有するオーバーコート層を設けた感熱記録体(特許文献1参照)が提案されている。しかし、電子線で硬化せしめた樹脂を含有する保護層は、一般に疎水性が高く、濡れ張力が低いため、水を分散媒体とする顔料分散液を、保護層上に塗布ムラなく均一に塗布して、塗膜として形成することが非常に困難である。また、均一な塗膜を形成するために、オーバーコート層を厚くすると、光沢度、記録濃度、塗膜密着性等が著しく低下する問題がある。
均一な塗膜を形成して光沢度を向上するため、感熱記録層上に第1の中間層、電子線により硬化された樹脂を含有する第2の中間層、及び顔料と水性樹脂を主成分とするオーバーコート層が積層された感熱記録体(特許文献2参照)、感熱記録層上に水性樹脂を含有する第1中間層、電離放射線により硬化された第2中間層、及び水性樹脂を含有する最上層を順次設けた感熱記録体(特許文献3参照)が提案されている。しかし、いずれの場合も、最外となる層を支持体とは別の高平滑な面を有する基材上に一旦設け、しかる後に最外となる層を感熱記録層側へ転写して設けるため、部分的な転写ムラにより記録面の面質、記録画質、光沢度等が低下する問題がある。また、工程が煩雑であるため生産性に劣り、高平滑な面を有する基材の廃棄処分等の問題がある。更に、最外となる層の表面が高平滑に形成されるため、感熱記録体の表面に素手で触れた場合、表面に付着した皮脂や汗等の汚れが、記録する際にプリンターのサーマルヘッド表面に転移し易く、印字傷や白筋といった印字障害を引き起こす恐れがある。
感熱記録材料の成分がサーマルヘッド表面に粕として付着するのを抑制するため、保護層がシリコーン変性ポリマーと粒径0.1μm以下の無機超微粒子を含有する感熱記録材料(特許文献4参照)が提案されている。しかし、シリコーン変性ポリマーを使用することにより、保護層表面の濡れ張力が下がるため、感熱記録材料の外部から保護層表面に付着したゴミ、異物、特に素手で触れた場合の皮脂や汗等の汚れが、記録する際にサーマルヘッド表面へ転移し易く、また、印字時に保護層表面とサーマルヘッドとの滑性が上がるため、一旦転移した汚れ等を容易に掻き取ることができない。このために、皮脂や汗等の汚れがサーマルヘッド表面に粕となって蓄積し、印字傷や白筋といった印字障害が発生し易く、しかも、一旦発生すると解消し難くなる問題がある。また、粒径0.1μm以下の無機超微粒子が配合される塗布液は、塗布ムラを生じ易い等、必ずしも満足すべき結果が得られていないのが現状である。
また、高記録画質、高光沢の記録画像を得るために、水性樹脂を含有する中間層上に電子線硬化性樹脂組成物に電子線を照射して硬化された保護層を設けることが提案されている(特許文献5参照)。しかしながら、保護層表面のJIS P 8142−1993に基づく75度の光沢度が90%以上、且つ20度の光沢度が35%以上の高い光沢性を有する感熱記録体の場合、素手で感熱記録体に触れて付着した皮脂や汗等の汚れが、記録する際にサーマルヘッドに付着して、筋状の記録障害を引き起こす問題があり、記録走行性と光沢性を両立するものが得られていない。
さらに、支持体上に、感熱記録層及び第1中間層を設け、その上に電離放射線硬化性化合物を含有する第2中間層を塗布して塗布面を設け、支持体とは異なるフィルム上に水性樹脂を含有する最上層を設け、第2中間層の塗布面と最上層を密着させて電離放射線を照射して第2中間層を硬化させた後、フィルムを剥離することによって、記録走行性、高記録画質及び光沢性を両立する感熱記録体の製造方法が提案されている(特許文献6参照)。しかしながら、剥離ムラによる品質低下や、工程用フィルムを必要とする等、その生産性について更なる改良の余地がある。
特開平3−166984号公報 特開平9−234957号公報 特開2001−310557号公報 特開2000−118138号公報 特公平2−53239号公報 特許第3714112号公報
本発明は、光沢度が高く、皮脂汚れの吸取り性及び掻取り性に優れた感熱記録体及びその製造方法を提供することを主な目的とする。
本発明者らは、上記従来技術に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、上記問題点を解決するに至った。即ち、本発明は下記の感熱記録体及びその製造方法に係る。
項1:支持体上にロイコ染料と顕色剤を含有する感熱記録層、水性接着剤を含有する中間層、並びに紫外線又は電子線硬化性樹脂組成物に紫外線又は電子線を照射することにより硬化された保護層を順次設けた感熱記録体において、更に前記保護層上に水性接着剤及び平均粒子径100nm以下の顔料を含有する最上層を備え、前記最上層側表面のJIS P 8142−1993に基づく75度の光沢度が90%以上、且つ20度の光沢度が35%以上であることを特徴とする感熱記録体。
項2:前記最上層がポリウレタンアイオノマーからなる水性接着剤を含有する、項1に記載の感熱記録体。
項3:前記顔料として層状珪酸塩化合物及びコロイダルシリカから選ばれる少なくとも1種を、前記最上層の全固形量に対して20〜70質量%含有する、項1又は2に記載の感熱記録体。
項4:前記最上層が水性接着剤として少なくとも一相にウレタン樹脂成分を含有する異相粒子構造のポリマーラテックスから得られる樹脂を含有する、項1〜3のいずれか1項に記載の感熱記録体。
項5:前記最上層の平均厚さが0.02〜0.4μmであり、且つ前記顔料の平均粒子径以上である、項1〜4のいずれか1項に記載の感熱記録体。
項6:前記保護層が累積体積分布より求めた50%体積平均粒子径(D50)が2.0μm未満、且つ90%体積平均粒子径(D90)との比(D90/D50)が3.0以下であるフィラーを含有し、前記保護層の平均厚さが0.5〜5μm、且つ前記フィラーの平均粒子径以上である、項1〜5のいずれか1項に記載の感熱記録体。
項7:前記保護層が合成ゼオライト及び球状シリカから選ばれる少なくとも1種のフィラーを含有する、項1〜6のいずれか1項に記載の感熱記録体。
項8:前記保護層の表面のJIS P 8142−1993に基づく75度の光沢度が90%以上、且つ濡れ張力が50mN/m以上である、項1〜7のいずれか1項に記載の感熱記録体。
項9:前記最上層がアルキルリン酸エステル塩;ピロリン酸アルカリ金属塩;並びにアクリル系アルカリ増粘型増粘剤、ポリエチレンオキサイド、キサンタンガム及びポリアクリル酸ナトリウムから選ばれる少なくとも1種の増粘剤を含有する最上層用塗液を用いて形成されたものであり、前記アルキルリン酸エステル塩の含有量が前記最上層の全固形量に対して0.5〜10質量%であり、前記ピロリン酸アルカリ金属塩の含有量が前記顔料に対して3〜20質量%である項1〜8のいずれか1項に記載の感熱記録体。
項10:前記アクリル系アルカリ増粘型増粘剤の含有量が、前記最上層の全固形量に対して0.1〜3質量%である、項9に記載の感熱記録体。
項11:前記ポリエチレンオキサイド、キサンタンガム及びポリアクリル酸ナトリウムから選ばれる少なくとも1種の含有量が、前記最上層の全固形量に対して0.05〜0.5質量%である、項9又は10に記載の感熱記録体。
項12:支持体上に、ロイコ染料と顕色剤を含有する感熱記録層、水性接着剤を含有する中間層、並びに紫外線又は電子線硬化性樹脂組成物に紫外線又は電子線を照射することにより硬化された保護層を順次設けた感熱記録体の製造方法において、更に前記保護層上に水性接着剤及び平均粒子径100nm以下の顔料を含有する最上層用塗液を塗布及び乾燥して最上層を設ける工程を含み、前記最上層側表面のJIS P 8142−1993に基づく75度の光沢度が90%以上、且つ20度の光沢度が35%以上である、項1〜11のいずれか1項に記載の感熱記録体の製造方法。
本発明の感熱記録体は、光沢度が高く、皮脂汚れの吸取り性及び掻取り性に優れている。また、記録画質、スティッキング適性に優れる。
本発明における支持体としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂と白色無機顔料を加熱混練して、ダイから押し出し、縦方向に延伸したものの両面にポリオレフィン系樹脂と白色無機顔料からなるフィルムを片面当たり1〜2層積層し、横方向に延伸して半透明化あるいは不透明化して製造される合成紙、及びポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエステル等の熱可塑性樹脂単独又は混合物を加熱混練して、ダイから押し出し2軸延伸して得られたフィルム、これらの樹脂に白色無機顔料を混合し、2軸延伸した不透明フィルムのほか、上質紙、中質紙、中性紙、再生紙、塗工紙等のパルプ繊維から製造されたもの、及びこれらを貼合あるいは積層した複合基材、あるいはこれら紙の一方の面あるいは両面に、熱可塑性樹脂を被覆した熱可塑性樹脂被覆紙等を使用できる。かかる支持体の坪量としては、20〜250g/m程度である。
本発明における感熱記録層は、加熱により記録画像を形成できるものであればいかなるものであってもよく、発色成分として各種公知の電子供与性化合物と電子受容性化合物を含有することができる。また、必要に応じて、保存性改良剤、増感剤等を含有していてもよい。発色成分としては、例えば、ロイコ染料と顕色剤との組合せ、イミノ化合物とイソシアナート化合物との組合せ、長鎖脂肪酸金属塩と多価フェノールとの組合せ、鉄、コバルト、銅等の遷移元素とキレート化合物との組合せ等が挙げられる。以下、記録感度及び記録濃度に優れた特性を有するロイコ染料と顕色剤との組合せについて詳細に述べる。
ロイコ染料としては、例えば、3−[2,2−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)ビニル]−3−(4−ジエチルアミノフェニル)フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6,8−ジメチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン(PSD−HR)、3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチル)アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3,3−ビス[1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル]−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3−p−(p−ジメチルアミノアニリノ)アニリノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−p−(p−アニリノアニリノ)アニリノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジメチルアミノ)フタリド、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(3−トルイジノ)フルオラン、3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−(p−トルイジノ)フルオラン等が挙げられる。これらは1種単独又は2種以上を組合せて使用することができる。
ロイコ染料の含有量は、特に限定されず、感熱記録層の全固形量に対して、好ましくは5〜45質量%程度、より好ましくは10〜40質量%程度である。
顕色剤としては、例えば、4,4’−イソプロピリデンジフェノール、4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジルエステル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、3,3’−ジアリル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,2’−[4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ]ジエチルエーテル、1,4−ビス〔α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン等のフェノール性化合物;4,4’−ビス[(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド]ジフェニルスルホン、N−(p−トルエンスルホニル)−N’−(3−p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレア、N,N’−ジ−m−クロロフェニルチオ尿素、N−p−トリルスルホニル−N’−フェニルウレア、N−(p−トリルスルホニル)−N’−p−ブトキシフェニルウレア、4,4’−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン等の分子内にスルホニル基とウレイド基を有する化合物;4−[2−(p−メトキシフェノキシ)エチルオキシ]サリチル酸亜鉛、4−[3−(p−トリルスルホニル)プロピルオキシ]サリチル酸亜鉛、5−[p−(2−p−メトキシフェノキシエトキシ)クミル]サリチル酸亜鉛等の芳香族カルボン酸の亜鉛塩化合物等が挙げられる。これらは1種単独又は2種以上を組合せて使用することができる。
顕色剤の含有量は特に限定されず、使用するロイコ染料及び顕色剤の種類に応じて適宜選択すればよいが、ロイコ染料1質量部に対して、好ましくは0.8〜10質量部、より好ましくは0.8〜6質量部程度である。
感熱記録層は、保存性改良剤を含有していてもよい。これにより、記録部の保存性を高めることができる。保存性改良剤としては、例えば1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、1,3−ビス[α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、4,4’−チオビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸等のフェノール類;4−(2−メチル−1,2−エポキシエチル)ジフェニルスルホン、4−(2−エチル−1,2−エポキシエチル)ジフェニルスルホン、4−ベンジルオキシ−4’−(2−メチル−グリシジルオキシ)ジフェニルスルホン等のジフェニルスルホン系エポキシ化合物類;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤等が挙げられる。
感熱記録層は、必要に応じて、増感剤を含有していてもよい。これにより、記録感度を高めることができる。増感剤としては、例えばステアリン酸アミド、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、パラベンジルビフェニル、ナフチルベンジルエーテル、ベンジル−4−メチルチオフェニルエーテル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステル、シュウ酸ジベンジルエステル、シュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステル、シュウ酸ジ−p−クロロベンジルエステル、テレフタル酸ジブチルエステル、テレフタル酸ジベンジルエステル、イソフタル酸ジブチルエステル等が挙げられる。
感熱記録層は、水溶性接着剤及び水分散性接着剤から選ばれる少なくとも1種の水性接着剤を含有することができる。水溶性接着剤としては、例えば、完全鹸化又は部分鹸化ポリビニルアルコール及びその誘導体、澱粉及びその誘導体、カゼイン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、アクリル酸重合体のアルカリ塩、エチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、スチレン−無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、アクリルアミド−アクリル酸共重合体等が挙げられる。水分散性接着剤としては、例えば、酢酸ビニル系ラテックス、ウレタン系ラテックス、アクリル系ラテックス、スチレン−ブタジエン系ラテックスが挙げられる。これらは、1種単独又は2種以上を組合せて使用することができる。水性接着剤の含有量は、特に限定されないが、感熱記録層の全固形量に対して5〜40質量%程度が好ましい。
感熱記録層は、一般に水を分散媒体とし、例えばロイコ染料、顕色剤、必要により増感剤、保存性改良剤等の添加剤を、共にあるいは別々にボールミル、アトライター、サンドミル等の撹拌・粉砕機により平均粒子径が好ましくは3μm以下、より好ましくは2μm以下となるように微粉砕した分散液と接着剤、好ましくは水性接着剤を混合することにより調製された感熱記録層用塗液を、支持体上に乾燥後の塗布量が好ましくは2〜20g/m程度、より好ましくは3〜10g/m程度となるように塗布及び乾燥して設けられる。
記録感熱層に使用する添加剤の平均粒子径の測定方法は、例えばレーザー回折・散乱法によるもの(島津製作所社製SALD2200、堀場製作所製LB−500、日機装社製MT3300等)、遠心沈降方式、コールターカウンター、電子顕微鏡等の通常用いられている測定装置により測定することができる。
感熱記録層用塗液に用いられる水性接着剤としては、最上層に使用されるものの中から適宜選択して使用することができる。水性接着剤の含有量は、特に限定されないが、感熱記録層の全固形量に対して5〜40質量%程度が好ましい。
更に、感熱記録層用塗液には上記以外のその他の慣用されている添加剤を含有することもできる。その他の添加剤としては、例えば、界面活性剤、ワックス類、滑剤類、顔料、耐水化剤(架橋剤)、消泡剤、蛍光増白剤、着色染料等が挙げられる。界面活性剤としては、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、ラウリルアルコール硫酸エステルナトリウム塩、ステアリン酸ナトリウム等の脂肪酸アルカリ金属塩、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物等のフッ素系界面活性剤等が挙げられる。ワックス類としては、カルナバロウ、パラフィンワックス、エステルワックス等が挙げられる。滑剤類としては、ステアリルリン酸エステルカリウム等のアルキルリン酸塩、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩、ポリエチレンワックス等が挙げられる。顔料としては、カオリン、クレー、タルク、炭酸カルシウム、焼成カオリン、酸化チタン、無定形シリカ、水酸化アルミニウム等が挙げられる。耐水化剤(架橋剤)としては、グリオキザール、ホルマリン、グリシン、グリシジルエステル、グリシジルエーテル、ジメチロール尿素、ケテンダイマー、ジアルデヒド澱粉、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミド−エピクロルヒドリン樹脂、ケトン−アルデヒド樹脂、ホウ砂、ホウ酸、炭酸ジルコニウムアンモニウム、エポキシ系化合物、ヒドラジン系化合物、オキサゾリン基含有化合物等が挙げられる。
本発明では、感熱記録層上に水性接着剤を含有する中間層を設けることにより、サーマルヘッドの熱により感熱記録層が溶融軟化して生じる光沢度の低下を抑制できる。また、紫外線又は電子線硬化性樹脂組成物に対するバリア性を発揮し、耐地肌カブリ性等の保存性を向上できる。
中間層を構成する水性接着剤としては、例えば感熱記録層に含有される水性接着剤が挙げられる。これら水性接着剤の中でも、各種変性ポリビニルアルコールが好ましく、特に成膜性及びバリア性に優れる点から完全鹸化ポリビニルアルコール、部分鹸化ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール及びカゼインが好ましい。水性接着剤の使用量は、特に限定するものではないが、バリア性と共に記録感度に優れる点で、中間層の全固形量に対し20〜80質量%程度が好ましい。
更に、中間層には前記感熱記録層に含有される界面活性剤、ワックス類、滑剤類、顔料、耐水化剤(架橋剤)等の各種添加剤を使用することもできる。
顔料の具体例としては、例えばカオリン、クレー、水酸化アルミニウム、焼成クレー、コロイダルシリカ、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化チタン、珪藻土、無定形シリカ、硫酸バリウム、タルク等の無機顔料、スチレン樹脂フィラー、ナイロン樹脂フィラー、尿素−ホルマリン樹脂フィラー等の有機顔料が挙げられる。
中間層は、例えば、水を媒体とし、水性接着剤、必要により界面活性剤、ワックス類、滑剤類、顔料、耐水化剤(架橋剤)等の添加剤を混合することにより調製された中間層用塗液を、乾燥後の塗布量が1〜10g/m程度、好ましくは1〜7g/m程度、より好ましくは2〜5g/m、さらに好ましくは2〜4g/m程度となるように感熱記録層上に塗布及び乾燥して形成される。1g/m以上とすることにより塗膜が均一に形成され、バリア性を向上できる。一方、10g/m以下とすることにより記録感度を向上できる。なお、界面活性剤の具体例としては、前記感熱記録層用塗液中に含有してもよい界面活性剤として挙げたものが使用できる。
感熱記録層用塗液及び中間層用塗液は、1層ずつ塗布及び乾燥してもよいし、同一の塗液を2層以上に分けて塗布してもよい。また、2層以上の複数の層を同時に塗布することもできる。塗布方法としては、例えば、スロットダイコーティング、スライドビードコーティング、カーテンコーティング、エアナイフコーティング、ブレードコーティング、グラビアコーティング、マイクログラビアコーティング、バーコーティング、ロッドコーティング、ロールコーティング等が用いられる。
各層を形成した後、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー等の既知の平滑化処理を施してもよい。この処理により、光沢度と記録画質をより一層向上することができる。平滑化処理は、感熱記録層側を金属ロール及び弾性ロールのいずれに接触させて処理してもよい。なお、支持体としてプラスチックフィルム等を使用する場合、支持体表面にコロナ放電、紫外線又は電子線照射等の処理を施すことによって、保護層の塗布適性を向上させ、均一な厚さの保護層を形成することもでき、さらに、感熱記録層の塗布欠陥を減少し、支持体と感熱記録層の密着性を高めることもできる。
本発明における保護層は、紫外線又は電子線硬化性樹脂組成物に、紫外線又は電子線を照射することにより硬化されている。これにより、最上層側表面のJIS P 8142−1993に基づく75度の光沢度が90%以上、好ましくは93%以上、且つ20度の光沢度が35%以上、好ましくは45%以上の感熱記録体を得ることができる。
紫外線又は電子線硬化性樹脂組成物を構成する樹脂としては、例えば、プレポリマーやモノマーが挙げられる。プレポリマーとしては、例えば、(a)脂肪族、脂環族、芳香脂肪族2〜6価の多価アルコール及びポリアルキレングリコールのポリ(メタ)アクリレート;(b)脂肪族、脂環族、芳香脂肪族、芳香族2〜6価の多価アルコールにアルキレンオキサイドを付加させた形の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート;(c)ポリ(メタ)アクリロイルオキシアルキルリン酸エステル;(d)ポリエステルポリ(メタ)アクリレート;(e)エポキシポリ(メタ)アクリレート;(f)ポリウレタンポリ(メタ)アクリレート;(g)ポリアミドポリ(メタ)アクリレート;(h)ポリシロキサンポリ(メタ)アクリレート;(i)側鎖及び/又は末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有するビニル系又はジエン系低重合体;(j)前記(a)〜(i)記載のオリゴエステル(メタ)アクリレート変性物等が挙げられる。
モノマーとしては、例えば、(a)エチレン性不飽和モノ又はポリカルボン酸等で代表されるカルボキシル基含有単量体及びそれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等のカルボン酸塩基含有単量体;(b)エチレン性不飽和(メタ)アクリルアミド又はアルキル置換(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドンのようなビニルラクタム類で代表されるアミド基含有単量体;(c)脂肪族又は芳香族ビニルスルホン酸類で代表されるスルホン酸基含有単量体及びそれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等のスルホン酸塩基含有単量体;(d)エチレン性不飽和エーテル等で代表される水酸基含有単量体;(e)ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート−2−ビニルピリジン等のアミノ基含有単量体;(f)4級アンモニウム塩基含有単量体;(g)エチレン性不飽和カルボン酸のアルキルエステル;(h)(メタ)アクリロニトリル等のニトリル基含有単量体;(i)スチレン;(j)酢酸ビニル、酢酸(メタ)アリル等のエチレン性不飽和アルコールのエステル;(k)活性水素を含有する化合物のアルキレンオキシド付加重合体のモノ(メタ)アクリレート類;(l)多塩基酸と不飽和アルコールとのジエステルで代表されるエステル基含有2官能単量体;(m)活性水素を含有する化合物のアルキレンオキシド付加重合体と(メタ)アクリル酸とのジエステルよりなる2官能単量体;(n)N,N−メチレンビスアクリルアミド等のビスアクリルアミド;(o)ジビニルベンゼン、ジビニルエチレングリコール、ジビニルスルホン、ジビニルエーテル、ジビニルケトン等の2官能単量体;(p)ポリカルボン酸と不飽和アルコールとのポリエステルで代表されるエステル基含有多官能単量体;(q)活性水素を含有する化合物のアルキレンオキシド付加重合体と(メタ)アクリル酸とのポリエステルよりなる多官能単量体;(r)トリビニルベンゼンのような多官能不飽和単量体;(s)活性水素を含有するエステル化合物と(メタ)アクリル酸とのエステル化物等が挙げられる。これらのプレポリマー及びモノマーは、1種単独又は2種以上を組合せて使用することができる。これらの中でも、活性水素を含有するエステル化合物と(メタ)アクリル酸とのエステル化物が好ましく、耐折性を向上する観点から水酸基を有するカルボン酸とアルキレングリコールのエステル化物と(メタ)アクリル酸とのエステル化物がより好ましく、水酸基を有するカルボン酸とアルキレングリコールのエステル化物と(メタ)アクリル酸とのジエステル化物が更に好ましい。より具体的には、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバリン酸エステルジアクリレートを主体として使用することが特に好ましい。ここで、主体とは全体の中で最も多い成分の一つを意味し、2成分の場合では全体の50質量%程度以上含有することを意味し、「(メタ)アクリル酸」とは、「メタクリル酸」及び/又は「アクリル酸」を意味する。
保護層の平均厚さは、硬化後において0.5μm以上、5μm以下が好ましい。0.5μm以上とすることにより、より一層高い光沢度が得られ、JIS P 8142−1993に基づく保護層の表面の75度の光沢度を90%以上とし、最上層側表面の75度の光沢度が90%以上、且つ20度の光沢度が35%以上となるように好適に調整することができる。一方、5μm以下とすることにより、耐折性に優れ、感熱記録体を折り曲げたときの記録面のひび割れ、いわゆる折り曲げ割れを改善でき、また、皮脂汚れの掻取り性をより一層向上できる。より好ましくは1.0〜4μm程度である。なお、保護層の平均厚さは、電子顕微鏡を使用して感熱記録体の断面を1000倍から3000倍の倍率で撮影した反射電子組成像の任意の5箇所から厚さを測定し、その最大値及び最小値を除いた3箇所の平均値を求めたものである。より簡単には、保護層の固形分塗布量を保護層の硬化後の密度で除して求めても構わない。
本発明における保護層は、フィラーを含有することが好ましい。これにより、感熱記録体表面とサーマルヘッドとの熱融着による、いわゆるスティッキング現象を抑制し、サーマルヘッド表面に付着した皮脂汚れの掻取り性をより一層向上できる。また、保護層の平均厚さは、光沢度を向上する観点から、フィラーの平均粒子径以上であることが好ましい。
フィラーの形状は、一次粒子の形状が球状あるいはそれに準ずる形状のものが好ましい。具体的には球状、紡錘形、立方体、直方体、六角柱状、金平糖形又は不定形のものが、ヘッド汚れを掻き取る効果がより一層優れるため好ましい。これらのフィラーは1種単独又は2種以上を組合せて使用できる。また、本発明の効果を妨げない範囲で板状や針状、棒状、扁平形等のフィラーを含有させてもよい。
フィラーの具体例としては、例えば、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化チタン、二酸化珪素、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、硫酸亜鉛、珪酸カルシウム、タルク、無定形シリカ、球状シリカ、アルミナ、ケイソウ土、焼成ケイソウ土、マイカ、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、アルミノ珪酸塩、活性白土、モンモリロナイト、合成ゼオライト、コロイダルシリカ等の無機顔料や、これらの無機顔料を有機酸で表面処理した顔料、カーボンブラック、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、尿素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、小麦粉、澱粉、その他有機顔料等の微粒子、多孔質微粒子、及び中空微粒子等の有機顔料が挙げられる。これらの中でも、立方体形状の合成ゼオライト、球状シリカが、光沢度と記録画質を向上する観点から特に好ましい。
フィラーの含有量は、保護層の全固形量に対して1〜15質量%が好ましく、2〜12質量%がより好ましい。1質量%以上とすることにより、スティッキングを抑制し、皮脂汚れの掻取り性を著しく向上することができる。15質量%以下とすることにより、光沢度をより一層高めることができ、JIS P 8142−1993に基づく保護層の表面の75度の光沢度を90%以上とし、最上層側表面の75度の光沢度が90%以上、且つ20度の光沢度が35%以上となるように好適に調整することができる。また、記録画質と耐折性も向上できる。
本発明では、フィラーの累積体積分布より求めた50%体積平均粒子径(D50)が2.0μm未満、且つ90%体積平均粒子径(D90)と50%体積平均粒子径(D50)との比(D90/D50)が3.0以下であることが好ましい。これにより、光沢度と記録画質をより一層向上できる。
保護層に使用するフィラーの平均粒子径の測定方法は、例えばレーザー回折・散乱法によるもの(島津製作所社製SALD2200、堀場製作所製LB−500、日機装社製MT3300等)、遠心沈降方式、コールターカウンター、電子顕微鏡等の通常用いられている測定装置により測定することができる。
保護層は、例えば、紫外線又は電子線硬化性樹脂、必要によりフィラーをスリーロールミル、ミキサー等の適当な混合撹拌機によって混合して調製された保護層用塗液を、中間層上に塗布して形成される。保護層用塗液の塗布に先立ち、中間層と保護層との密着性を高めるため、中間層表面にコロナ放電処理等を施すこともできる。塗布法としては、例えば、オフセットグラビアコーティング、エアナイフコーティング、メイヤーバーコーティング、ブレードコーティング、リバースロールコーティング、スリットダイコーティング等の各種公知の塗布法を利用することができる。保護層用塗液中には、本発明の効果を阻害しない範囲で必要に応じて、例えばアクリル樹脂、シリコン樹脂、アルキッド樹脂、フッ素樹脂、ブチラール樹脂等の紫外線又は電子線硬化性樹脂以外の樹脂、消泡剤、レベリング剤、滑剤、界面活性剤、可塑剤、紫外線吸収剤、蛍光染料、着色染料、蛍光顔料、着色顔料等の添加剤を適宜添加することができる。さらに、スティッキングを防止する観点から、滑剤としてステアリン酸亜鉛等を含有してもよい。
紫外線を使用して硬化させる場合、紫外線又は電子線硬化性樹脂組成物に光重合開始剤を含有させることにより硬化を促進させることができる。光重合開始剤は限定的でなく、各種公知のものを使用できる。例えば、ベンゾイル安息香酸メチル、ベンゾイン、ベンジルジメチルケタール、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、カンファーキノン、アントラセン、ベンジル、フェニルメチルグリオキシレート等が挙げられる。これらの光重合開始剤は、それぞれ1種単独又は2種以上を組み合わせて使用できる。
光重合開始剤の含有量は、紫外線又は電子線硬化性樹脂100質量部に対して、0.05〜10質量部程度が好ましい。より好ましくは0.1〜5質量部程度である。0.05質量部以上とすることにより、硬化を効果的に促進させることができる。一方、10質量部を超えると硬化性は飽和してしまうため、10質量部以下とすることにより、製造コストを抑えることができる。
本発明では、保護層に使用する紫外線又は電子線硬化性樹脂の反応官能基数、分子量などを調整して架橋密度を調節することにより、保護層の
ISO 14577に基づくマルテンス硬さを100〜200N/mmの範囲にすることが好ましい。100N/mm以上とすることにより、スティッキングを抑制し、皮脂汚れの掻取り性をより一層向上できる。また、最上層用塗液を塗布する際に、保護層表面に擦過傷を付き難くして、光沢度の低下を防ぐことができる。一方、200N/mm以下とすることにより、耐折性に優れる。
本発明では、紫外線を使用して硬化させる場合、紫外線の光源としては、例えば、1〜50個の紫外線ランプ、キセノンランプ、タングステンランプ等が挙げられる。これにより、40〜240W/cm程度、好ましくは60〜180W/cm程度の強度を有する紫外線が照射できる。一方、電子線を使用する場合、照射する電子線の吸収線量は、10〜200kGy、より好ましくは20〜100kGy程度の範囲が好ましい。10kGy以上とすることにより樹脂成分を十分に硬化させることができ、200kGy以下とすることにより過度の電子線による感熱記録体の発色や変色を生じる恐れがない。電子線の照射方式としては、例えばスキャンニング方式、カーテンビーム方式、ブロードビーム方式等を採用でき、照射する際の加速電圧は70〜300kV程度が好ましい。紫外線及び電子線は、支持体の記録面及び裏面のいずれの側から照射してもよく、紫外線又は電子線硬化性樹脂組成や塗布量に応じて照射条件を適宜選択すればよい。より高い光沢度を得る観点からは、電子線を照射することにより硬化されることが好ましい。
本発明では、保護層上に水性接着剤及び平均粒子径100nm以下の顔料を含有する最上層を備えている。これにより、最上層の薄膜を均一に形成し、保護層表面の高い光沢度を有し、皮脂汚れの吸取り性及び掻取り性に優れた感熱記録体を得ることができる。
最上層に含有される水性接着剤としては、例えば感熱記録層に含有される水性接着剤が挙げられる。これらは、1種単独又は2種以上を組合せて使用することができる。水性接着剤の合計含有量は、最上層の全固形量に対して、20〜70質量%が好ましい。20質量%以上とすることにより、成膜性に優れた均一な薄膜を形成できる。70質量%以下とすることにより、スティッキングを抑制する効果に優れる。
最上層に使用される水性接着剤としては、水溶性接着剤及び水分散性接着剤のいずれの水性接着剤も使用できる。水溶性接着剤としては、例えば、澱粉類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、アラビアゴム、完全鹸化ポリビニルアルコール、部分鹸化ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、ジイソブチレン−無水マレイン酸共重合体塩、スチレン−無水マレイン酸共重合体塩、エチレン−アクリル酸共重合体塩、スチレン−アクリル酸共重合体塩、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体塩、イソプロピレン−無水マレイン酸共重合体塩、ポリアクリルアマイド等が挙げられる。水分散性接着剤としては、例えば、酢酸ビニル系ラテックス、スチレン−ブタジエン系ラテックス、アクリル系ラテックス、ウレタン系ラテックス等が挙げられる。これらの中でも、紫外線又は電子線硬化性樹脂組成物に紫外線又は電子線を照射することにより硬化された保護層との密着性を向上させる点から、酢酸ビニル系ラテックス、スチレン−ブタジエン系ラテックス、アクリル系ラテックス、ウレタン系ラテックス等の水分散性接着剤が好ましい。
前記水性接着剤以外に、最上層に使用される水性接着剤としては、ポリウレタンアイオノマーからなる水性接着剤を含有することが好ましい。これにより、より一層優れた成膜性を発揮して均一な最上層を形成でき、光沢度を高めることができ、保護層と最上層の密着性を高め、耐水性を向上することができる。また、スティッキングを抑制する効果に優れる。かかる水性接着剤の含有量としては、最上層の全固形量に対して20〜60質量%が好ましく、30〜50質量%がより好ましい。20質量%以上とすることにより、最上層と保護層の密着性を向上し、最上層成分が剥離してヘッド粕となるのを抑制できる。また、耐水性を高める効果も得られる。一方、60質量%以下とすることにより、スティッキングを効果的に抑制できる。
本発明で使用するポリウレタンアイオノマーからなる水性接着剤は、従来の乳化剤等によりポリウレタン樹脂を水中に分散させたエマルジョンタイプとは異なり、イオン性を有するウレタン樹脂、すなわちポリウレタンアイオノマーが有するイオン基により、乳化剤や有機溶剤を使用することなく、水中に溶解ないし極めて微細な粒子状に分散させたいわゆるコロイド分散型の水性ウレタン樹脂である。ポリウレタンアイオノマーからなる水性接着剤の具体的な例としては、例えば、DIC社製のハイドラン(登録商標)AP−40、AP−30、AP−20等、第一工業製薬社製のスーパーフレックスシリーズ等として市販されており、容易に入手し利用することができる。
更に、本発明における最上層は、水性接着剤として少なくとも一相にウレタン樹脂成分を含有する異相粒子構造のポリマーラテックスから得られる樹脂を含有することが好ましい。これにより、最上層と保護層の密着性をより一層向上できる。かかる水性接着剤の含有量としては、最上層の全固形量に対して5〜30質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましい。5質量%以上とすることにより、最上層と保護層の密着性をより一層向上できる。一方、30質量%以下とすることにより、スティッキングを抑制する効果に優れる。
かかる異相粒子構造のポリマーラテックスは、特にその異相粒子構造は限定されない。異相粒子構造の構造例及び調製法は「合成ラテックスの応用(杉村孝明・片岡靖男・鈴木聡一・笠原啓司編集(株)高分子刊行会発行(1993)」に記載されている。異相粒子構造の例としては、コア−シェル構造、複合構造、局在構造、だるま状構造、ラズベリー状構造、多粒子複合構造、みかずき状構造、IPN(相互貫入網目構造)等がある。本発明においては、コア−シェル構造、複合構造、ラズベリー状構造、多粒子複合構造のポリマーラテックスが好ましい。
少なくとも一相にウレタン樹脂成分を含有する異相粒子構造のポリマーラテックスは、ウレタン樹脂以外の成分として、例えば天然ゴム、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン系重合体、アクリロニトリル−ブタジエン系重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン系重合体、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチルアクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル等を含むことができる。これらの中でも、スチレン−ブタジエン系重合体、アクリロニトリル−ブタジエン系重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン系重合体を含むものが好ましい。特に、ウレタン樹脂成分としてポリウレタンアイオノマーを含有する水性媒体中で、スチレンモノマー及びブタジエンモノマーを重合して得られたラテックスがより好ましい。少なくとも一相にウレタン樹脂成分を含有する異相粒子構造のポリマーラテックス中のウレタン樹脂成分の含有割合は、3〜90質量%が好ましく、より好ましくは20〜80質量%である。少なくとも一相にウレタン樹脂成分を含有する異相粒子構造のポリマーラテックスの具体的な例としては、例えば、パテラコール(登録商標)H2090、H2020A(DIC社製)等として市販されており、容易に入手し利用することができる。
少なくとも一相にウレタン樹脂成分を含有する異相粒子構造のポリマーラテックスから得られる樹脂の含有量は、ポリウレタンアイオノマーからなる水性接着剤と併用する場合、ポリウレタンアイオノマーからなる水性接着剤100質量部に対して、10〜60質量部程度が好ましく、10〜55質量部程度がより好ましい。10質量部以上とすることにより、最上層と保護層の密着性をより一層高められる。一方、60質量部以下とすることにより、スティッキングを抑制する効果に優れる。
本発明では、平均粒子径100nm以下の顔料を含有することにより、光沢度を低下させることなく、感熱記録体の表面に付着したゴミ、異物、特に素手で触れた場合の皮脂汚れ等を吸着して、記録する際に皮脂汚れ等がサーマルヘッド表面へ転移するのを抑制できる。しかも、皮脂汚れ等がサーマルヘッド表面へ転移した場合でも、記録を進めることにより、皮脂汚れ等を吸着してサーマルヘッド表面から容易に掻き取ることができる。特に、本発明では、保護層表面の疎水性が高く、濡れ張力が低いため、最上層の薄膜においてハジキを生じ易く、平均粒子径100nm以下の顔料が塗布ムラとなり易いところ、成膜性に優れた均一な最上層を形成できることから、サーマルヘッド表面に皮脂汚れ等が蓄積することによって生じる印字傷や白筋といった印字障害を改善できる。
最上層中に含有される顔料は、平均粒子径が100nm以下、好ましくは80nm以下、より好ましくは50nm以下である。100nmを超えると保護層表面の高い光沢度を損ない、最上層側表面の光沢度が低下し、記録画質を損なう恐れがある。なお、平均粒子径の下限値は、特に限定されないが、工業用材料として入手可能なことから5nm程度以上である。粒子径を更に小さくして5nm未満にした場合は、粒子の安定性が損なわれ、2次凝集体の生成などにより、記録画質を損なう恐れがある。
最上層に使用する顔料の平均粒子径の測定方法は、例えばレーザー回折・散乱法によるもの(島津製作所社製SALD2200、堀場製作所製LB−500、日機装社製MT3300等)、遠心沈降方式、コールターカウンター、電子顕微鏡等の通常用いられている測定装置により測定することができる。
かかる顔料の具体例としては、例えば、雲母、ヘクトライト及びスメクタイト等の層状珪酸塩化合物、並びにコロイダルシリカ、アルミナゾル、酸化亜鉛、酸化チタン等の無機顔料微粒子が挙げられる。これらの中でも、層状珪酸塩化合物、コロイダルシリカは、感熱記録体の表面に付着した皮脂汚れ等を吸着させ、サーマルヘッド表面に粕が堆積するのを抑制する効果に優れ好ましい。特に、層状珪酸塩化合物の中でも、合成ヘクトライトが好ましい。
かかる顔料の含有量は、最上層の全固形量に対し20〜70質量%が好ましく、20〜60質量%がより好ましい。20質量%以上とすることにより、より一層優れた皮脂汚れの吸取り性及び掻取り性を発揮できる。一方、70質量%以下とすることにより、光沢度と記録画質をより一層高めることができる。
また、かかる顔料の含有量は、最上層中の水性接着剤の合計の含有量100質量部に対して45〜180質量部が好ましく、45〜160質量部がより好ましい。45質量部以上とすることにより、より一層優れた皮脂汚れの吸取り性及び掻取り性を発揮できる。一方、180質量部以下とすることにより、光沢度と記録画質をより一層高めることができる。
更に、かかる顔料の含有量は、最上層中にポリウレタンアイオノマーからなる水性接着剤を含有する場合、ポリウレタンアイオノマーからなる水性接着剤100質量部に対して50〜200質量部が好ましく、60〜190質量部がより好ましい。50質量部以上とすることにより、より一層優れた皮脂汚れの吸取り性及び掻取り性を発揮できる。一方、200質量部以下とすることにより、光沢度と記録画質を高め、最上層と保護層の密着性を向上できる。
最上層は、更に前記顔料及び水性接着剤以外の添加剤として、例えば、水を媒体とし、アルキルリン酸エステル塩、ピロリン酸アルカリ金属塩、及び特定の増粘剤を混合することにより調製された最上層用塗液を保護層上に塗布及び乾燥して形成されることが好ましい。
増粘剤としては、アクリル系アルカリ増粘型増粘剤、ポリエチレンオキサイド、キサンタンガム及びポリアクリル酸ナトリウムから選ばれる少なくとも1種の増粘剤が挙げられる。
本発明では、保護層表面の疎水性が高く、濡れ張力が低いことから、最上層用塗液中に特定の増粘剤を含有させて、塗液のハジキや乾燥時の不均一な流動に起因する乾燥ムラを抑制し、更に、ピロリン酸アルカリ金属塩を含有させて、特定の増粘剤による経時的な塗液の増粘を抑え、塗布ムラを減少することにより、均一な最上層の薄膜を形成して記録画質と光沢度を高め、アルキルリン酸エステル塩と平均粒子径100nm以下の顔料を含有することによる優れた記録走行性を得ることができる。
ステアリルリン酸エステルカリウム塩等のアルキルリン酸エステル塩の含有量は、最上層の全固形量に対して0.5〜10質量%であり、0.5〜8質量%がより好ましく、1〜5質量%が更に好ましい。0.5質量%以上とすることにより、サーマルヘッドと最上層の間の粘着性を減少させ、特に、例えば30℃、85%RHの高湿環境下において、印画傷の発生を抑制する効果に優れる。一方、10質量%以下とすることにより、最上層用塗液が経時的に増粘するのを抑制し、塗布ムラを減少できる。
本発明では、最上層用塗液のドライヤー乾燥前における粘度上昇を低く保ちつつ、特定の増粘剤によって塗液を適度な粘度に調整し、最上層の薄膜を形成するために、固形分濃度の低い最上層用塗液を調製する場合においても、ドライヤー乾燥時に早く粘度が立ち上がることで塗液の流動性を制御し、乾燥ムラを抑え、記録部の微小な印画ムラを減少して記録画質を向上できる。
かかる増粘剤としてのアクリル系アルカリ増粘型増粘剤は、非架橋型のアルカリ可溶性エマルジョンや架橋型のアルカリ膨潤性エマルジョンをアクリル系ポリマーの主成分とするものであり、これらはアンモニア水やカセイソーダ等のアルカリ添加によって溶解や膨潤を起こし、ポリマーと水分子との化学的な結合(水素結合)による作用や、ポリマーが水分子を包含する物理的な作用によって、塗液の粘度を高める効果を発揮する。特に、これらのアクリル系増粘型増粘剤は、エマルジョンタイプであるため、比較的固形分濃度が高く、少量の添加で充分な増粘効果を発揮するため、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、アルギン酸ソーダ等の通常使用される増粘剤に比較して耐水性を損なう度合いが極めて低い。
ポリエチレンオキサイドは、好ましい粘度平均分子量を100,000以上、より好ましくは500,000以上とすることにより、塗液の粘度を効果的に高められる。塗液中での混ざりを向上する観点から、粘度平均分子量は5000,000以下が好ましい。
キサンタンガムは、醗酵性の炭水化物、窒素源及びその他の適切な栄養源を含有する培地の種々の条件下での全培養によって、ヘテロポリサッカライドを生産する菌のキサントモナス カンベストリスによって細胞外に生産されるガムを意味し、米国特許第4316012号明細書に記載されている。キサンタンガムの具体的な例としては、例えば、三晶社製のケルザンシリーズ等として市販されており、容易に入手し利用することができる。
かかる増粘剤の含有量は、アクリル系アルカリ増粘剤を使用する場合、最上層の全固形量に対して0.1〜3質量%の範囲が好ましく、0.1〜2質量%の範囲がより好ましい。ポリエチレンオキサイド、キサンタンガム及びポリアクリル酸ナトリウムから選ばれる少なくとも1種を使用する場合、単独の含有量は、最上層の全固形量に対して0.05〜0.5質量%の範囲が好ましく、0.05〜0.4質量%の範囲がより好ましい。含有量を好適な範囲とすることにより、乾燥ムラと経時的な増粘による塗布ムラを効果的に抑制し、最上層表面の未記録部の20度の光沢度を好ましくは55%以上、より好ましくは65%以上とすることができ、より鏡面光沢に近づけて記録画質を向上できる。また、耐水性を向上できる。これらの増粘剤を併用する場合、主体となる増粘剤に対して併用する増粘剤の含有量を20質量%以下となるように調節するのが望ましい。
本発明では、最上層用塗液中にピロリン酸ナトリウム等のピロリン酸アルカリ金属塩を含有させることにより、塗液の安定性を向上し、経時的な塗液の増粘を抑制して塗布ムラを減少できる。特に、最上層の顔料として層状珪酸塩化合物を用いる場合、水を媒体とした分散液の状態で最上層用塗液の調製に使用されるため、分散剤として優れた安定性を得ることができる。
ピロリン酸アルカリ金属塩の含有量は、最上層に含有される顔料に対して3〜20質量%の範囲であり、5〜15質量%がより好ましい。3質量%以上とすることにより、経時的な塗液の増粘を抑え、塗布ムラを減少できる。一方、20質量%以下とすることにより、耐水性を向上できる。
更に最上層には、添加剤として界面活性剤、ワックス類、滑剤、耐水化剤(架橋剤)、消泡剤、蛍光染料、着色染料等を必要に応じて使用することができる。界面活性剤としては、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、ラウリルアルコール硫酸エステルナトリウム塩、ステアリン酸ナトリウム等の脂肪酸アルカリ金属塩、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物等のフッ素系界面活性剤等が挙げられる。ワックス類としては、カルナバロウ、パラフィンワックス、エステルワックス等が挙げられる。滑剤類としては、ステアリルリン酸エステルカリウム等のアルキルリン酸塩、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩、ポリエチレンワックス等が挙げられる。ステアリン酸亜鉛は、最上層の全固形量に対して好ましくは1〜20質量%程度、より好ましくは5〜10質量%程度の範囲で含有させることにより、記録走行性を向上できる。特に、滑剤としては、平均粒子径の小さいステアリン酸亜鉛の乳化分散物が好ましい。耐水化剤としては、グリオキザール、ホルマリン、グリシン、グリシジルエステル、グリシジルエーテル、ジメチロール尿素、ケテンダイマー、ジアルデヒド澱粉、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミド−エピクロルヒドリン樹脂、ケトン−アルデヒド樹脂、ホウ砂、ホウ酸、炭酸ジルコニウムアンモニウム、エポキシ系化合物、ヒドラジン系化合物、オキサゾリン基含有化合物等が挙げられる。
最上層は、例えば、水を媒体とし、水性接着剤、平均粒子径100nm以下の顔料、必要により添加剤等を混合することにより調製された最上層用塗液を保護層上に塗布及び乾燥して設けられる。
最上層用塗液の塗布量は、特に限定されないが、乾燥後の最上層の平均厚さが好ましくは0.02〜0.4μm、より好ましくは0.05〜0.35μm、且つ最上層に使用する顔料の平均粒子径以上となるように塗布される。0.02μm以上とすることにより、塗布欠陥を防止でき、より一層優れた皮脂汚れの吸取り性を発揮できる。一方、0.4μm以下の薄膜とすることにより、0.4μmより大きいと強く現れる最上層表面の干渉縞(虹ムラ)を抑制して、記録面の面質を高めることができる。また、最上層の平均厚さを顔料の平均粒子径以上とすることにより、光沢度と記録画質をより一層高めることができる。なお、最上層の平均厚さは、電子顕微鏡を使用して感熱記録体の断面を1000倍から3000倍の倍率で撮影した反射電子組成像の任意の5箇所から厚さを測定し、その最大値及び最小値を除いた3箇所の平均値を求めたものである。より簡単には、最上層の固形分塗布量を最上層の乾燥後の密度で除して求めても構わない。
最上層用塗液は、例えばスロットダイコーティング、スライドビードコーティング、カーテンコーティング、エアナイフコーティング、ブレードコーティング、グラビアコーティング、マイクログラビアコーティング、バーコーティング、ロッドコーティング、ロールコーティング等の塗布法により保護層上に塗布される。これらの中でも、塗液の泳ぎムラを抑制し、最上層の平均厚さが0.02〜0.4μmの範囲でハジキ等の塗布欠陥のない均一な薄膜を形成する観点から、マイクログラビア塗布法により塗布する態様が好ましい。マイクログラビア塗布法としては、例えば、特開平2−119977号公報に記載された方法が挙げられる。本発明では、最上層を保護層上に塗布及び乾燥して設けることができるため、最上層を支持体とは別の基材上に塗布及び乾燥して一旦形成し、更に最上層を支持体側へ転写する等の煩雑な工程を経ることなく、簡便な方法によって生産性を高めることができる。
本発明では、保護層を設けた後、最上層を塗布する前に、保護層表面にコロナ放電、電子線又は紫外線照射、フレーム処理等の処理を施すことによって、保護層の表面の濡れ張力を50mN/m以上とすることが好ましい。これにより、塗布欠陥のない均一な最上層を効果的に形成することができ、記録画質をより一層高めることができる。また、保護層と最上層の密着性を向上させるためにも表面処理による改質が有効である。なお、濡れ張力は、JIS K 6768−1999の試験法に準じて測定される。
本発明の感熱記録体には、記録走行性を改良したり、静電気による貼り付きやサーマルヘッドの損傷を防止するために、支持体裏面に、顔料、接着剤及び帯電防止剤等を含む裏面層用塗液を用いて形成された裏面層を備えることもできる。また、その他、感熱記録体の製造分野における各種の公知技術が必要に応じて付加し得るものである。
本発明を実施例により更に詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。なお、特に断わらない限り、「部」及び「%」はそれぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。実施例及び比較例で使用したロイコ染料及び顕色剤の平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置SALD2200(島津製作所社製)を用いて体積平均粒子径を測定した。また、保護層に使用したフィラーの平均粒子径は、マイクロトラック粒度分布測定装置MT3300(日機装社製)を用いて体積平均粒子径を測定した。更に、最上層に使用した顔料の平均粒子径は、動的光散乱式粒径分布測定装置LB−500(堀場製作所製)を用いて体積平均粒子径を測定した。マルテンス硬度は、最上層を形成する前の硬化された保護層の表面上を超微小硬さ試験装置(商品名:フィッシャースコープHM2000、フィッシャー・インストルメンツ社製)を用いて測定した。
実施例1
・ロイコ染料分散液(A液)の調製
3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン20部、スルホン変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセランL−3266、日本合成社製)の10%水溶液10部、及び水20部からなる組成物をサンドミルで体積平均粒子径が1.0μmとなるように分散してA液を得た。
・顕色剤分散液(B液)の調製
4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン50部、スルホン変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセランL−3266、日本合成社製)の10%水溶液20部、及び水60部からなる組成物をサンドミルで体積平均粒径が1.3μmとなるように分散してB液を得た。
・感熱記録層用塗液の調製
A液70部、B液75部、無定形シリカ(商品名:ニップシールE−743、日本シリカ工業社製)の25%スラリー40部、完全鹸化ポリビニルアルコール(商品名:PVA105、クラレ社製)の10%水溶液50部、スチレン−ブタジエン系ラテックス(商品名:L−1571、固形分濃度48%、旭化成工業社製)30部、ステアリン酸アミド(商品名:ハイミクロンL−271、固形分濃度25%、中京油脂社製)20部、及び水30部からなる組成物を混合して感熱記録層用塗液を得た。
・中間層用塗液の調製
カオリン(商品名:UW−90、エンゲルハード社製)の60%スラリー70部、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセファイマー(登録商標)Z−200、日本合成社製)の10%水溶液180部、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩の10%水溶液2部、及び水150部からなる組成物を混合して中間層用塗液を得た。
・保護層用塗液の調製
電子線硬化性樹脂として、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバリン酸エステルジアクリレート(商品名:KAYARAD MANDA、日本化薬社製)60部、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名:KAYARAD DPCA−60、日本化薬社製)40部からなる組成物と、50%体積平均粒子径(D50)が1.0μm、且つ90%体積平均粒子径(D90)が2.0μmの立方体形の合成ゼオライト(商品名:シルトンAMT−08L、水澤化学工業社製)5部、50%体積平均粒子径(D50)が0.7μmのステアリン酸亜鉛の微粉末1部を混合してスリーロールミルで分散し、保護層用塗液を得た。
・合成ヘクトライト分散液の調製
水2600部中に、ピロリン酸ナトリウム4部を溶解し、合成ヘクトライト(商品名:ラポナイトB、ロックウッド社製、体積平均粒子径40nm)50部を添加、強撹拌して合成ヘクトライト分散液を得た。
・最上層用塗液の調製
上記の合成ヘクトライト分散液270部、ポリウレタンアイオノマーからなる水性接着剤(商品名:ハイドラン(登録商標)AP−40、固形分濃度22.5%、DIC社製)25部、ポリウレタンアイオノマーを含有する水性媒体中でスチレンモノマー及びブタジエンモノマーが重合されたラテックス(商品名:パテラコール(登録商標)H2020A、固形分濃度41%、DIC社製)1.5部、及びステアリン酸亜鉛(商品名:ハイミクロンL−111、固形分濃度20%、中京油脂社製)2部からなる組成物を混合して最上層用塗液を得た。
・感熱記録体の作製
支持体としての合成紙(商品名:ユポFPG−80、ユポコーポレーション社製)の片面に、感熱記録層用塗液及び中間層用塗液を、それぞれ乾燥後の塗布量が6.0g/m、2.5g/mとなるようにバー塗布方法により順次塗布及び乾燥して、感熱記録層及び中間層を設け、中間層面をスーパーカレンダー処理し、中間層上に保護層用塗液を固形分塗布量で1.5g/mとなるようにオフセットグラビアコーティング法により塗布し、エレクトロカーテン型電子線加速器(ESI社製)により加速電圧175KV、吸収線量40kGyの電子線を照射することにより硬化された保護層を設けた後、保護層の表面をコロナ放電処理し、濡れ張力を70mN/mとした。更に保護層上に、最上層用塗液を乾燥後の塗布量が0.15g/mとなるようにマイクログラビアコーティング法で塗布及び乾燥して最上層を設け、感熱記録体を得た。保護層の平均厚さは1.5μm、最上層の平均厚さは0.15μmであった。また、保護層を設けた後のマルテンス硬さは160N/mmであった。
実施例2
実施例1の最上層用塗液の調製において、合成ヘクトライト分散液300部、ポリウレタンアイオノマーからなる水性接着剤35部、ポリウレタンアイオノマーを含有する水性媒体中でスチレンモノマー及びブタジエンモノマーが重合されたラテックス10部、ステアリン酸亜鉛15部、更にステアリルリン酸エステルカリウム塩(商品名:ウーポール1800、固形分濃度35%、松本油脂社製)5部を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例3
実施例1の最上層用塗液の調製において、合成ヘクトライト分散液350部、ポリウレタンアイオノマーからなる水性接着剤16部、ポリウレタンアイオノマーを含有する水性媒体中でスチレンモノマー及びブタジエンモノマーが重合されたラテックス1.5部、ステアリン酸亜鉛3部を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例4
実施例1の最上層用塗液の調製において、合成ヘクトライト分散液270部に代えてコロイダルシリカ(商品名:スノーテックスN、固形分濃度20%、日産化学社製、体積平均粒子径15nm)25部、及び水100部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。最上層の平均厚さは0.15μmであった。
実施例5
実施例1の感熱記録体の作製において、最上層用塗液の乾燥後の塗布量を0.3g/mとした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。最上層の平均厚さは0.3μmであった。
実施例6
実施例1の保護層用塗液の調製において、合成ゼオライトに代えて、50%体積平均粒子径(D50)が1.5μm、90%体積平均粒子径(D90)が2.5μmの球状シリカ(商品名:SO−E3、アドマテックス社製)12部を使用し、保護層用塗液の固形分塗布量を1.5g/mに代えて3.5g/mとし、保護層の表面の濡れ張力をコロナ放電処理により70mN/mに代えて55mN/mとした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。保護層の平均厚さは3.5μmであった。また、保護層を設けた後のマルテンス硬さは165N/mmであった。
比較例1
実施例1の最上層用塗液の調製において、合成ヘクトライト分散液270部に代えて、水100部を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例2
実施例1の最上層用塗液の調製において、合成ヘクトライト分散液270部に代えて、体積平均粒子径が1.5μmの焼成カオリンの40%スラリー12部、及び水100部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例3
実施例1の感熱記録体の作製において、保護層の表面をコロナ放電処理せず、最上層を設けなかった以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
かくして得られた感熱記録体について以下の評価を行った。その結果を表1に示す。
(光沢度)
光沢度計(商品名:GM−26D、村上色彩技術研究所製)を用いて、感熱記録体の最上層側表面の未記録部の光沢度(JIS P 8142−1993に基づく)を入射角75度及び20度で測定した。また、同様にして最上層を塗布する前の硬化された保護層表面の光沢度を入射角75度で測定した。
(吸取り性)
感熱記録体の記録面に手汗・顔の皮脂汚れを付着させた後、プリンター(商品名:UP−880、ソニー社製)によりハーフトーン印画を行い、グレーベタ画面に皮脂が吸い取られた程度を下記のごとく評価した。皮脂汚れがグレーベタ画面にシミとなって濃く現れ、尾引きしないほど吸取り性が良好である。
◎:グレーベタ画面に皮脂汚れがシミとなって濃く現れ、尾引きしない。
○:グレーベタ画面に皮脂汚れがシミとなって濃く現れるが、尾引きする。
△:グレーベタ画面に皮脂汚れがシミとなって薄く現れ、尾引きする。
×:グレーベタ画面に皮脂汚れがシミとなって現れない。
(掻取り性)
感熱記録体の記録面に手汗・顔の皮脂汚れを付着させた後、プリンター(商品名:UP−880、ソニー社製)によりハーフトーン連続印画を行い、印字障害(白筋状の印画欠陥)の程度を下記のごとく評価した。
◎:印画開始から印字障害が発生しないか、数cm以内で印字障害が消える。
○:印画開始から数十cm程度で印字障害が消える。
△:印画開始から数m程度で印字障害が徐々に消える。
×:印画開始から数mを越えて印字障害が消えない。
(記録画質)
感熱記録体をプリンター(商品名:UP−880、ソニー社製)によりハーフトーン印画を行い、記録部の画質を下記のごとく評価した。
◎:均一であり、白抜けがない。
○:白抜けがほとんどなく、実用上問題がない。
△:白抜けがあり、実用上問題である。
×:著しく不均一で問題がある。
(スティッキング)
感熱記録体をプリンター(商品名:UP−880、ソニー社製)により黒ベタ印画を行い、スティッキング(印画が跳んで横線が見られること)の程度を評価した。
◎:スティッキングがなく良好である。
○:スティッキングがほとんど見られず良好である。
△:スティッキングがところどころで見られ、実用上問題である。
×:スティッキングが激しく問題である。
Figure 0005218638
実施例7
・ロイコ染料分散液(A液)の調製
3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン20部、ポリビニルアルコールの10%水溶液10部、及び水20部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が1.0μmとなるように分散してA液を得た。平均粒子径はレーザー回折式粒度分布測定装置SALD2000(島津製作所社製)を用いて体積平均粒子径を測定した。
・顕色剤分散液(B液)の調製
4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン50部、ポリビニルアルコールの10%水溶液20部、及び水60部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が1.2μmとなるように分散してB液を得た。平均粒子径はレーザー回折式粒度分布測定装置SALD2000(島津製作所社製)を用いて体積平均粒子径を測定した。
・感熱記録層用塗液の調製
A液70部、B液75部、無定形シリカ(商品名:ニップシールE−743、日本シリカ社製)の25%スラリー40部、ポリビニルアルコールの10%水溶液50部、スチレン・ブタジエン系ラテックス(商品名:L−1537、固形分濃度50%、旭化成社製)30部、ステアリン酸アミド(商品名:ハイミクロンL−271、固形分濃度25%、中京油脂社製)20部、フッ素系界面活性剤(商品名:メガファックF−445、大日本インキ化学工業社製)の10%水溶液2部、及び水35部からなる組成物を混合して感熱記録層用塗液を得た。
・中間層用塗液の調製
カオリン(商品名:UW−90、エンゲルハード社製)の60%スラリー70部、ステアリン酸亜鉛(商品名:ハイドリンZ−8−36、固形分濃度36%、中京油脂社製)13部、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセファイマーZ−200、日本合成化学工業社製)の10%水溶液180部、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩の10%水溶液2部、及び水120部からなる組成物を混合して中間層用塗液を得た。
・保護層用塗液(電子線硬化性樹脂組成物)の調製
電子線硬化性樹脂として、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバリン酸エステルジアクリレート(商品名:KAYARAD MANDA、日本化薬社製)60部、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名:KAYARAD DPCA−60、日本化薬社製)40部からなる組成物と、50%体積平均粒子径(D50)が1.0μm、且つ90%体積平均粒子径(D90)が2.0μmの立方体形の合成ゼオライト(商品名:シルトンAMT−08L、水澤化学工業社製)5部、50%体積平均粒子径(D50)が0.7μmのステアリン酸亜鉛の微粉末1部を混合してスリーロールミルで分散し、保護層用塗液を得た。
・最上層用塗液の調製
水446部中に、ピロリン酸ナトリウム塩5部を溶解し、合成ヘクトライトである層状珪酸塩化合物(商品名:ラポナイトB、平均粒子径40nm、ロックウッド社製)50部を添加、強撹拌して層状珪酸塩化合物10%分散液を調製し、水性ポリウレタン樹脂(ポリウレタンアイオノマーからなる水性接着剤)(商品名:ハイドランAP−40、固形分濃度22.5%、大日本インキ化学工業社製)200部、スチレン−ブタジエン系ラテックス(商品名:スマーテックスPA−9281、固形分濃度40%、日本A&L社製)5部、ステアリン酸亜鉛(商品名:ハイミクロンL−111、固形分濃度20%、中京油脂社製)25部、ノニオン系界面活性剤(商品名:オルフィンE1010、日信化学社製)の10%水溶液10部、アルキルリン酸エステルカリウム塩(商品名:ウーポール1800、固形分濃度35%、松本油脂社製)0.94部、アクリル系アルカリ増粘型増粘剤 (商品名:ソマレックス440、固形分濃度30%、ソマール社製)4.1部、及び水1350部からなる組成物を混合して最上層用塗液を得た。
・感熱記録体の作製
支持体として合成紙(商品名:ユポFPG−80、厚さ80μm、ユポコーポレーション社製)の一方の面に、感熱記録層用塗液及び中間層用塗液を、乾燥後の塗布量がそれぞれ、8.0g/m、3.0g/mとなるようにバー塗布方法で順次塗布及び乾燥して感熱記録層及び中間層を形成し、スーパーカレンダー処理した後、中間層上に保護層用塗液を塗布量が3.5g/mとなるようオフセットグラビア塗布方法で塗布し、エレクトロカーテン型電子線加速器(ESI社製)により加速電圧175kV、吸収線量35kGyの電子線を照射して電子線硬化性樹脂組成物からなる保護層を硬化させた。更に、保護層上に最上層用塗液を乾燥後の塗布量が0.15g/mとなるようマイクログラビア塗布方法で塗布及び乾燥して感熱記録体を得た。
実施例8
実施例7の最上層用塗液の調製において、アルキルリン酸エステルカリウム塩の量を7.4部に代えて55.1部とした以外は、実施例7と同様にして感熱記録体を得た。
実施例9
実施例7の最上層用塗液の調製において、ピロリン酸ナトリウムの量を5部に代えて1部とした以外は、実施例7と同様にして感熱記録体を得た。
実施例10
実施例7の最上層用塗液の調製において、ピロリン酸ナトリウムの量を5部に代えて12.5部とした以外は、実施例7と同様にして感熱記録体を得た。
かくして得られた感熱記録体について、以下の評価を行った。その結果を表2に示す。
(光沢度)
実施例1と同様の方法にて、最上層表面の未記録部のJIS P 8142−1993に基づく75度と20度の光沢度を光沢度計(商品名:GM−26D、村上色彩技術研究所)で測定した。75度の光沢度は、90%以上が好ましく、95%以上がより好ましい。20度の光沢度は、より鏡面光沢に近づけて記録画質を向上する観点から、45%以上が好ましく、55%以上がより好ましく、65%以上が特に好ましい。
(吸取り性)
実施例1と同様の方法にて、吸取り性を評価した。
(掻取り性)
実施例1と同様の方法にて、掻取り性を評価した。
(記録画質)
実施例1と同様の方法にて、記録画質を測定し、評価した。
(スティッキング)
実施例1と同様の方法にて、スティッキングについて、評価した。
(記録走行性)
感熱記録体を30℃、85%RH環境下で30分間調湿し、同じく30℃、85%RH環境下で感熱記録プリンター(商品名:UP−D897、ソニー社製)の内蔵パターンでベタ黒印画した印画面を、目視で観察し、下記の如く記録走行性を目視判定した。
◎:印画傷が全くない。
○:印画傷がほとんど発生していない。
△:印画傷が発生しており、実用上問題である。
×:印画傷が強く発生しており、問題である。
(乾燥ムラ)
感熱記録体をプリンター(商品名:UP−D897、ソニー社製)の内蔵パターンでベタ黒印画し、その印画面を乾燥ムラの観察し易い単一の蛍光灯下で観察し、印画面の乾燥ムラを下記の如く目視判定した。
◎:乾燥ムラがない。
○:乾燥ムラがほとんど発生していない。
△:乾燥ムラが発生しており、実用上問題である。
×:乾燥ムラが強く発生しており、問題である。
(耐水性)
感熱記録体をプリンター(商品名:UP−D897、ソニー社製)の内蔵パターンでベタ黒印画し、その印画面に水を滴下した後、直ちに指で100回擦り、最上層の耐水性を目視判定した。
◎:最上層に変化がない。
○:最上層が膨潤してわずかに白化するが、実用上問題ない。
△:最上層が部分的に溶解して剥がれる。
×:最上層が完全に溶解して消失する。
(塗液の安定性)
それぞれの最上層用塗液を常温で保管し、調製直後から一日ごとに、B型粘度計(商品名:BM、東京計器社製)で各塗液の粘度を測定し、調製直後に比べ粘度が5mPa・s以上上昇するのに要する日数を評価した。
◎:10日を超える。
○:7日を超えて、10日以内。
△:3日を超えて、7日以内。
×:3日以内。
7日を超える塗液は、安定性が良好で塗布ムラの発生がなく、生産上問題ない。
Figure 0005218638
実施例11
・ロイコ染料分散液(A液)の調製
3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン20部、ポリビニルアルコールの10%水溶液10部、及び水20部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が1.0μmとなるように分散してA液を得た。平均粒子径はレーザー回折式粒度分布測定装置SALD2000(島津製作所社製)を用いて体積平均粒子径を測定した。
・顕色剤分散液(B液)の調製
4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン50部、ポリビニルアルコールの10%水溶液20部、及び水60部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が1.2μmとなるように分散してB液を得た。平均粒子径はレーザー回折式粒度分布測定装置SALD2000(島津製作所社製)を用いて体積平均粒子径を測定した。
・感熱記録層用塗液の調製
A液70部、B液75部、無定形シリカ(商品名:ニップシールE−743、日本シリカ社製)の25%スラリー40部、ポリビニルアルコールの10%水溶液50部、スチレン・ブタジエン系ラテックス(商品名:L−1537、固形分濃度50%、旭化成社製)30部、ステアリン酸アミド(商品名:ハイミクロンL−271、固形分濃度25%、中京油脂社製)20部、フッ素系界面活性剤(商品名:メガファックF−445、大日本インキ化学工業社製)の10%水溶液2部、及び水35部からなる組成物を混合して感熱記録層用塗液を得た。
・中間層用塗液の調製
カオリン(商品名:UW−90、エンゲルハード社製)の60%スラリー70部、ステアリン酸亜鉛(商品名:ハイドリンZ−8−36、固形分濃度36%、中京油脂社製)13部、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセファイマーZ−200、日本合成化学工業社製)の10%水溶液180部、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩の10%水溶液2部、及び水120部からなる組成物を混合して中間層用塗液を得た。
・保護層用塗液(電子線硬化性樹脂組成物)の調製
電子線硬化性樹脂として、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバリン酸エステルジアクリレート(商品名:KAYARAD MANDA、日本化薬社製)60部、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名:KAYARAD DPCA−60、日本化薬社製)40部からなる組成物と、50%体積平均粒子径(D50)が1.0μm、且つ90%体積平均粒子径(D90)が2.0μmの立方体形の合成ゼオライト(商品名:シルトンAMT−08L、水澤化学工業社製)5部、50%体積平均粒子径(D50)が0.7μmのステアリン酸亜鉛の微粉末1部を混合してスリーロールミルで分散し、保護層用塗液を得た。
・最上層用塗液の調製
水446部中に、ピロリン酸ナトリウム塩5部を溶解し、合成ヘクトライトである層状珪酸塩化合物(商品名:ラポナイトB、平均粒子径40nm、ロックウッド社製)50部を添加、強撹拌して層状珪酸塩化合物10%分散液を調製し、水性ポリウレタン樹脂(商品名:ハイドランAP−40、固形分濃度22.5%、大日本インキ化学工業社製)200部、スチレン−ブタジエン系ラテックス(商品名:スマーテックスPA−9281、固形分濃度40%、日本A&L社製)5部、ステアリン酸亜鉛(商品名:ハイミクロンL−111、固形分濃度20%、中京油脂社製)25部、ノニオン系界面活性剤(商品名:オルフィンE1010、日信化学社製)の10%水溶液10部、アルキルリン酸エステルカリウム塩(商品名:ウーポール1800、固形分濃度35%、松本油脂社製)7.4部、アクリル系アルカリ増粘型増粘剤 (商品名:ソマレックス440、固形分濃度30%、ソマール社製)4.1部、及び水1350部からなる組成物を混合して最上層用塗液を得た。
・感熱記録体の作製
支持体として合成紙(商品名:ユポFPG−80、厚さ80μm、ユポコーポレーション社製)の一方の面に、感熱記録層用塗液及び中間層用塗液を、乾燥後の塗布量がそれぞれ、8.0g/m、3.0g/mとなるようにバー塗布方法で順次塗布及び乾燥して感熱記録層及び中間層を形成し、スーパーカレンダー処理した後、中間層上に保護層用塗液を塗布量が3.5g/mとなるようオフセットグラビア塗布方法で塗布し、エレクトロカーテン型電子線加速器(ESI社製)により加速電圧175kV、吸収線量35kGyの電子線を照射して電子線硬化性樹脂組成物からなる保護層を硬化させた。更に、保護層上に最上層用塗液を乾燥後の塗布量が0.15g/mとなるようマイクログラビア塗布方法で塗布及び乾燥して感熱記録体を得た。
実施例12
実施例11の最上層用塗液の調製において、アルキルリン酸エステルカリウム塩の量を7.4部に代えて1.9部とした以外は、実施例11と同様にして感熱記録体を得た。
実施例13
実施例11の最上層用塗液の調製において、アルキルリン酸エステルカリウム塩の量を7.4部に代えて30.9部とした以外は、実施例11と同様にして感熱記録体を得た。
実施例14
実施例11の最上層用塗液の調製において、アクリル系アルカリ増粘型増粘剤の量を4.1部に代えて0.53部とした以外は、実施例11と同様にして感熱記録体を得た。
実施例15
実施例11の最上層用塗液の調製において、アクリル系アルカリ増粘型増粘剤の量を4.1部に代えて10.3部とした以外は、実施例11と同様にして感熱記録体を得た。
実施例16
実施例11の最上層用塗液の調製において、アクリル系アルカリ増粘型増粘剤4.1部に代えて、ポリエチレンオキサイド(商品名:PEO−3Z、粘度平均分子量600,000〜1100,000、住友精化社製)の1%水溶液6.6部を用いた以外は、実施例11と同様にして感熱記録体を得た。
実施例17
実施例11の最上層用塗液の調製において、アクリル系アルカリ増粘型増粘剤4.1部に代えて、ポリエチレンオキサイド(商品名:PEO−3Z、粘度平均分子量600,000〜1100,000、住友精化社製)の1%水溶液11部を用いた以外は、実施例11と同様にして感熱記録体を得た。
実施例18
実施例11の最上層用塗液の調製において、アクリル系アルカリ増粘型増粘剤4.1部に代えて、ポリエチレンオキサイド(商品名:PEO−3Z、粘度平均分子量600,000〜1100,000、住友精化社製)の1%水溶液50部を用いた以外は、実施例11と同様にして感熱記録体を得た。
実施例19
実施例11の最上層用塗液の調製において、アクリル系アルカリ増粘型増粘剤4.1部に代えて、キサンタンガム(商品名:ケルザンASX−T、三晶社製)の1%水溶液6.6部を用いた以外は、実施例11と同様にして感熱記録体を得た。
実施例20
実施例11の最上層用塗液の調製において、アクリル系アルカリ増粘型増粘剤4.1部に代えて、キサンタンガム(商品名:ケルザンASX−T、三晶社製)の1%水溶液11部を用いた以外は、実施例11と同様にして感熱記録体を得た。
実施例21
実施例11の最上層用塗液の調製において、アクリル系アルカリ増粘型増粘剤4.1部に代えて、キサンタンガム(商品名:ケルザンASX−T、三晶社製)の1%水溶液50部を用いた以外は、実施例11と同様にして感熱記録体を得た。
実施例22
実施例11の最上層用塗液の調製において、アクリル系アルカリ増粘型増粘剤4.1部に代えて、ポリアクリル酸ナトリウム(商品名:アクアリックFH−G、日本触媒社製)の1%水溶液6.6部を用いた以外は、実施例11と同様にして感熱記録体を得た。
実施例23
実施例11の最上層用塗液の調製において、アクリル系アルカリ増粘型増粘剤4.1部に代えて、ポリアクリル酸ナトリウム(商品名:アクアリックFH−G、日本触媒社製)の1%水溶液11部を用いた以外は、実施例11と同様にして感熱記録体を得た。
実施例24
実施例11の最上層用塗液の調製において、アクリル系アルカリ増粘型増粘剤4.1部に代えて、ポリアクリル酸ナトリウム(商品名:アクアリックFH−G、日本触媒社製)の1%水溶液50部を用いた以外は、実施例11と同様にして感熱記録体を得た。
実施例25
実施例11の最上層用塗液の調製において、ピロリン酸ナトリウムの量を5部に代えて2部とした以外は、実施例11と同様にして感熱記録体を得た。
実施例26
実施例11の最上層用塗液の調製において、ピロリン酸ナトリウムの量を5部に代えて9部とした以外は、実施例11と同様にして感熱記録体を得た。
かくして得られた感熱記録体について、光沢度、吸取り性、掻取り性、記録画質、スティッキング、記録走行性、乾燥ムラ、耐水性、及び塗液の安定性について、実施例1及び7と同様の方法により評価を行った。その結果を表3に示す。
Figure 0005218638
本発明の感熱記録体は、光沢度が高く、皮脂汚れの吸取り性及び掻取り性に優れている。また、記録画質、スティッキング適性に優れる。このため、本発明の感熱記録体は、超音波画像診断用、磁気共鳴画像診断用、X線画像診断用等の医療機器用又は画像診断用の感熱記録体として、好適に用いられる。

Claims (11)

  1. 支持体上にロイコ染料と顕色剤を含有する感熱記録層、水性接着剤を含有する中間層、並びに紫外線又は電子線硬化性樹脂組成物に紫外線又は電子線を照射することにより硬化された保護層を順次設けた感熱記録体において、更に前記保護層上に水性接着剤及び平均粒子径100nm以下の顔料、及びポリウレタンアイオノマーからなる水性接着剤を含有する最上層を備え、前記最上層側表面のJIS P 8142−1993に基づく75度の光沢度が90%以上、且つ20度の光沢度が35%以上であることを特徴とする感熱記録体。
  2. 前記顔料として層状珪酸塩化合物及びコロイダルシリカから選ばれる少なくとも1種を、前記最上層の全固形量に対して20〜70質量%含有する、請求項1に記載の感熱記録体。
  3. 前記最上層が水性接着剤として少なくとも一相にウレタン樹脂成分を含有する異相粒子構造のポリマーラテックスから得られる樹脂を含有する、請求項1又は2に記載の感熱記録体。
  4. 前記最上層の平均厚さが0.02〜0.4μmであり、且つ前記顔料の平均粒子径以上である、請求項1〜のいずれか1項に記載の感熱記録体。
  5. 前記保護層が累積体積分布より求めた50%体積平均粒子径(D50)が2.0μm未満、且つ90%体積平均粒子径(D90)との比(D90/D50)が3.0以下であるフィラーを含有し、前記保護層の平均厚さが0.5〜5μm、且つ前記フィラーの平均粒子径以上である、請求項1〜のいずれか1項に記載の感熱記録体。
  6. 前記保護層が合成ゼオライト及び球状シリカから選ばれる少なくとも1種のフィラーを含有する、請求項1〜のいずれか1項に記載の感熱記録体。
  7. 前記保護層の表面のJIS P 8142−1993に基づく75度の光沢度が90%以上、且つ濡れ張力が50mN/m以上である、請求項1〜のいずれか1項に記載の感熱記録体。
  8. 前記最上層がアルキルリン酸エステル塩;ピロリン酸アルカリ金属塩;並びにアクリル系アルカリ増粘型増粘剤、ポリエチレンオキサイド、キサンタンガム及びポリアクリル酸ナトリウムから選ばれる少なくとも1種の増粘剤を含有する最上層用塗液を用いて形成されたものであり、前記アルキルリン酸エステル塩の含有量が前記最上層の全固形量に対して0.5〜10質量%であり、前記ピロリン酸アルカリ金属塩の含有量が前記顔料に対して3〜20質量%である請求項1〜のいずれか1項に記載の感熱記録体。
  9. 前記アクリル系アルカリ増粘型増粘剤の含有量が、前記最上層の全固形量に対して0.1〜3質量%である、請求項に記載の感熱記録体。
  10. 前記ポリエチレンオキサイド、キサンタンガム及びポリアクリル酸ナトリウムから選ばれる少なくとも1種の含有量が、前記最上層の全固形量に対して0.05〜0.5質量%である、請求項又はに記載の感熱記録体。
  11. 支持体上に、ロイコ染料と顕色剤を含有する感熱記録層、水性接着剤を含有する中間層、並びに紫外線又は電子線硬化性樹脂組成物に紫外線又は電子線を照射することにより硬化された保護層を順次設けた感熱記録体の製造方法において、更に前記保護層上に水性接着剤及び平均粒子径100nm以下の顔料を含有する最上層用塗液を塗布及び乾燥して最上層を設ける工程を含み、前記最上層側表面のJIS P 8142−1993に基づく75度の光沢度が90%以上、且つ20度の光沢度が35%以上である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の感熱記録体の製造方法。
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