JP6146604B2 - 感熱記録媒体の保護層形成用コーティング剤及び感熱記録媒体 - Google Patents

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Description

本発明は、もっぱら感熱記録媒体を構成する保護層を形成可能なコーティング剤に関するものである。
感熱記録媒体は、一般に紙やプラスチックフィルム等の基材上に、ロイコ染料等の発色性物質と、フェノール系化合物等の顕色剤と、ポリビニルアルコール等のバインダー樹脂等とを含む感熱発色層を有するものであって、前記発色性物質が、加熱溶融された顕色剤と反応することによって発色し、所望の文字や画像等を形成することができる。
前記感熱記録媒体は、一般にコンパクトで、印字の際の騒音が少ない感熱プリンターを用いて印刷可能であることから、現在、例えばファクシミリ用紙、各種レシート、鉄道等の乗車券、食料品や弁当類の値札、ガスや水道料金等の検針表等の非常に広範な用途で使用されている。
しかし、従来の感熱記録媒体は、外的な要因によって、感熱記録媒体上に印字された文字等の経時的な退色や消失等を引き起こすという実用上大きな問題を有していたため、その保存環境条件には十分に注意する必要があった。
具体的には、感熱記録媒体に印字された文字等の発色部にプラスチック製品等が一定期間接触した場合、該プラスチック製品中に含まれる可塑剤等が、感熱記録媒体を構成する感熱発色層に移行し、文字等の退色等を引き起こすという問題が挙げられる。この問題は、例えば感熱記録媒体からなる食品表示ラベルに、一般的な食品包装用ラップが一定期間接触した場合にも引き起こされる場合がある。
また、感熱記録媒体からなる食品表示ラベルに、水や消毒用のエタノール等が付着した場合にも、やはり文字などの退色等を引き起こす場合がある。
また、感熱記録媒体からなる食品ラベルが貼付した状態の食品容器等を、例えば電子レンジなどを用いて加熱した場合に、食品ラベルの白色部が発色し、印字された文字等を判別できなくなる場合がある。
このように、従来の感熱記録媒体では、感熱印字された文字等の退色や、加熱による未発色部の発色等を引き起こすことなく、鮮明な文字等を実用上十分な期間維持することが困難であった。
前記問題を改善する方法は、従来から検討されており、例えば感熱記録媒体の感熱発色層上に保護層を設ける方法が知られている。具体的には、メタアクリルアミドおよびカルボキシル基を有するビニル単量体を重合して得られる共重合樹脂が、実質的に、ビニル単量体を重合して得られる樹脂粒子の表面に分布していることを特徴とする感熱記録材料用エマルションを前記保護層に使用する方法が知られている(例えば特許文献1参照。)。
しかし、前記保護層を備えた感熱記録媒体は、依然として水やエタノールの影響により感熱発色した文字の退色を引き起こす場合があり、特に可塑剤の影響による文字等の退色を十分に防止することができない場合があった。また、前記感熱記録媒体の耐熱性が十分でないため、電子レンジなどによる加熱によって、未発色部が発色してしまう場合があった。
このように、可塑剤や水、エタノール等の移行を防止し、感熱印字された文字の退色等を防止可能な耐可塑剤性、耐水性、耐エタノール性、及び耐熱性を備えた保護層を形成可能なコーティング剤の開発が求められているものの、未だ見出されていない。
特開2001−270251号公報
本発明が解決しようとする課題は、感熱印字された文字等の経時的な退色を引き起こさないレベルの耐可塑剤性、耐水性及び耐エタノール性を備え、かつ、加熱により未発色部が発色することを防止可能なレベルの耐熱性を備えた感熱記録媒体の製造に使用可能な保護層形成用コーティング剤を提供することである。
本発明者等は、3級アミノ基またはピリジニル基のいずれか一方または両方と、酸基とを組み合わせ有するビニル重合体を含有するコーティング剤であれば、前記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は、3級アミノ基またはピリジニル基と、酸基とを有するビニル重合体(A)、及び、水性媒体(B)を含有する感熱記録媒体の保護層形成用コーティング剤であって、前記ビニル重合体(A)の酸基が、アンモニアによって中和され形成したものであることを特徴とする感熱記録媒体の保護層形成用コーティング剤に関するものである。
本発明の保護層形成用コーティング剤は、感熱印字された文字等の経時的な退色を引き起こさないレベルの耐可塑剤性、耐水性及び耐エタノール性を備え、かつ、耐熱性に優れた感熱記録媒体の製造に好適に使用することができる。
本発明は、3級アミノ基またはピリジニル基と、酸基とを有するビニル重合体(A)、水性媒体(B)、及び、必要に応じてその他の成分を含有する感熱記録媒体の保護層形成用コーティング剤である。
本発明の保護層形成用コーティング剤が含有するビニル重合体(A)は、例えば(メタ)アクリル単量体やオレフィン等の重合性不飽和二重結合を有する単量体を重合して得られるものである。前記「(メタ)アクリル」の表記は、メタクリル及びアクリルのいずれか一方または両方を指す。
前記ビニル重合体(A)としては、3級アミノ基またはピリジニル基のいずれか一方または両方と、酸基とを組み合わせ有するものを使用する。
ここで、前記ビニル重合体(A)の代わりに、前記3級アミノ基及びピリジニル基を有さず、酸基のみを有するビニル重合体を含有する保護層形成用コーティング剤を使用した場合、保護層の耐可塑剤性、耐エタノール性の著しい低下を引き起こす場合がある。また、加熱により未発色部の発色を引き起こす等、耐熱性の低下を引き起こす場合がある。
一方、前記ビニル重合体(A)の代わりに、酸基を有さず、前記3級アミノ基またはピリジニル基を有するビニル重合体を含有する保護層形成用コーティング剤を使用した場合、保護層の耐可塑剤性や耐水性や耐エタノール性や耐熱性の著しい低下を引き起こす場合がある。また、前記保護層形成用コーティング剤を使用した場合には、感熱印字された文字等の経時的な退色(消失)を引き起こす場合がある。
前記3級アミノ基やピリジニル基は、従来、感熱印字された文字等の経時的な退色を引き起こすと考えられているため、通常、感熱記録媒体の保護層を形成する際に、かかる官能基を導入しようとすることは避けられていたのが実情である。
本発明では、前記3級アミノ基またはピリジニル基を導入するとともに、かつ、それを酸基と組み合わせることによって、文字等の経時的な退色だけでなく、可塑剤や水やエタノールに起因した文字等の退色を防止できることを見出した。また、加熱により未発色部が発色することを防止可能なレベルの耐熱性を付与できることを見出した。
前記ビニル重合体(A)は、前記3級アミノ基またはピリジニル基のうち、3級アミノ基を有するものを使用することが、前記耐可塑剤性や耐水性や耐エタノール性のより一層の向上を図るうえで好ましい。
前記ビニル重合体(A)としては、前記ビニル重合体(A)1gに対して、前記3級アミノ基及びピリジニル基からなる群より選ばれる1種以上の官能基を合計0.005mmol〜0.7mmolの範囲で存在するものを使用することが好ましく、0.005mmol〜0.1mmolの範囲で存在するものを使用することが、前記耐可塑剤性や耐水性や耐エタノール性や耐熱性のより一層優れた保護層を形成するうえでより好ましい。なお、前記官能基の物質量は、以下の計算式によって算出された値である。〔{(3級アミノ基を有するビニル単量体の質量/3級アミノ基を有するビニル単量体の分子量)×(前記ビニル単量体が有する3級アミノ基数)+(ピリジニル基を有するビニル単量体の質量/ピリジニル基を有するビニル単量体の分子量)×(前記ビニル単量体が有するピリジニル基数)}/(ビニル重合体(A)の製造に使用するビニル単量体の合計質量)〕×1000
また、前記ビニル重合体(A)としては、前記3級アミノ基またはピリジニル基とともに酸基を有するものを使用する。
前記酸基としては、例えばカルボキシル基、スルホン酸基、それらの一部または全部が塩基性化合物等によって中和されたカルボキシレート基、スルホネート基を使用することができる。なかでもカルボキシル基やカルボキシレート基を使用することが、良好な水分散性をビニル重合体(A)に付与するとともに、前記耐可塑剤性や耐水性や耐エタノール性のより一層優れた保護層を形成するうえで好ましい。
前記カルボキシル基等の中和に使用可能な塩基性化合物としては、例えばアンモニア、トリエチルアミン、ピリジン、モルホリン等の有機アミンや、モノエタノールアミン等のアルカノールアミンや、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム等を含む金属塩基化合物が挙げられる。なかでも、アンモニアを使用することが、感熱発色層の退色を防止できるとともに、耐水性のより一層優れた保護層を形成するうえで好ましい。
前記酸基は、前記ビニル重合体(A)全体に対して1.1mmol/g〜7mmol/gの範囲で存在することが、水性媒体(B)中における前記ビニル重合体(A)の良好な水分散安定性と、前記耐可塑剤性や耐水性や耐エタノール性のより一層優れた保護層を形成するうえで好ましく、1.1mmol/g〜2.1mmol/gの範囲で存在するものを使用することがより好ましい。なお、前記酸基の物質量は、以下の計算式によって算出された値である。〔{(酸基を有するビニル単量体の質量/酸基を有するビニル単量体の分子量)×(前記ビニル単量体が有する酸基数)}/(ビニル重合体(A)の製造に使用するビニル単量体の合計質量)〕×1000
また、前記ビニル重合体(A)としては、前記した官能基の他に、アミド基を有するものを使用することが、より一層、耐可塑剤性に優れた保護層を形成できるため好ましい。
前記アミド基は、前記ビニル重合体(A)1gに対して、0.1mmol/g〜7mmol/gの範囲で存在するものを使用することが好ましい。なお、前記アミド基の物質量は、以下の計算式によって算出された値である。〔{(アミド基を有するビニル単量体の質量/アミド基を有するビニル単量体の分子量)×(前記ビニル単量体が有するアミド基数)}/(ビニル重合体(A)の製造に使用するビニル単量体の合計質量)〕×1000
また、前記ビニル重合体(A)としては、前記した官能基の他に、ニトリル基を有するものを使用することが、より一層、耐可塑剤性や耐水性に優れた保護層を形成できるため好ましい。
前記ニトリル基は、前記ビニル重合体(A)1gに対して、0.1mmol/g〜10mmol/gの範囲で存在するものを使用することが好ましい。なお、前記ニトリル基の物質量は、以下の計算式によって算出された値である。〔{(ニトリル基を有するビニル単量体の質量/ニトリル基を有するビニル単量体の分子量)×(前記ビニル単量体が有するニトリル基数)}/(ビニル重合体(A)の製造に使用するビニル単量体の合計質量)〕×1000
前記ビニル重合体(A)としては、より一層優れた耐可塑剤性や耐水性や耐エタノール性を備えた保護層を形成する観点から、100,000〜2,000,000の範囲の重量平均分子量を有するものを使用することが好ましく、1,000,000〜2,000,000の範囲の重量平均分子量を有するものを使用することがより好ましい。
前記ビニル重合体(A)は、例えば重合開始剤及び水性媒体(B)等の存在下、各種ビニル単量体混合物を重合することによって製造することができる。具体的には、前記ビニル重合体(A)は、3級アミノ基を有するビニル単量体及びピリジニル基を有するビニル単量体からなる群より選ばれる1種以上のビニル単量体と、酸基を有するビニル単量体と、必要に応じてその他のビニル単量体とを含有するビニル単量体混合物を、ラジカル重合することによって製造することができる。
前記3級アミノ基を有するビニル単量体としては、例えばN,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル単量体を使用することができる。
前記3級アミノ基を有するビニル単量体は、前記ビニル単量体混合物の1gに対して、0.005mmol/g〜0.7mmol/gとなる範囲で使用することが好ましく、0.005mmol/g〜0.1mmol/gとなる範囲で使用することがより好ましい。
また、前記ビニル重合体(A)としてアミド基を有するものを使用する場合には、前記3級アミノ基とアミド基とを有するビニル単量体を使用することができる。
前記3級アミノ基とアミド基とを有するビニル単量体としては、例えばN,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドやN,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリル単量体を使用することができる。
本発明では、前記3級アミノ基とアミド基とを有する(メタ)アクリル単量体を使用することが好ましく、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドを使用することが、より一層優れた耐可塑剤性を備えた保護層を形成するうえでより好ましい。
前記3級アミノ基とアミド基とを有する(メタ)アクリル単量体を使用する場合には、それが前記ビニル単量体混合物の1gに対して、0.005mmol/g〜0.7mmol/gとなる範囲で使用することが好ましく、0.005mmol〜0.1mmolとなる範囲で使用することがより好ましい。
また、前記ピリジニル基を有するビニル単量体としては、例えばN−〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕ピペリジン、N−〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕ピロリジン、N−〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕モルホリン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン等を使用することができる。
前記ピリジニル基を有するビニル単量体を使用する場合には、それが前記ビニル単量体混合物の1gに対して、0.005mmol/g〜0.7mmol/gとなる範囲で使用することが好ましく、0.005mmol〜0.1mmolとなる範囲で使用することがより好ましい。
また、酸基を有するビニル単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸、アリルスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸等の(メタ)アクリル単量体を使用することができ、なかでも(メタ)アクリル酸を使用することが好ましい。
前記酸基を有するビニル単量体は、前記ビニル単量体混合物の1gに対して、1.1mmol/g〜7mmol/gとなる範囲で使用することが好ましく、1.1mmol/g〜2.1mmol/gとなる範囲で使用することが、保護層の耐可塑剤性と耐水性の性能を両立する上で特に好ましい。
また、前記その他のビニル単量体としては、例えばアミド基を有するビニル単量体、ニトリル基を有するビニル単量体、ヒドロキシル基を有するビニル単量体等を使用することができる。
また、前記アミド基を有するビニル単量体としては、前記3級アミノ基とアミド基とを有するビニル単量体の他に、例えば(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド等を使用することもできる。
また、前記ニトリル基を有するビニル単量体としては、(メタ)アクリロニトリルを好適に使用することができる。
前記ニトリル基を有するビニル単量体は、前記ビニル単量体混合物の1gに対して、0.1mmol/g〜10mmol/gとなる範囲で使用することが好ましい。
前記その他のビニル単量体としては、前記したもの以外に、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n−ウンデシル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート、n−トリデシル(メタ)アクリレート、n−テトラデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルマレイミド、イソプロピルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、イタコンイミド、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレートをはじめ、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、スチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、α−メチルスチレン、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、N−メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、アミノメチルアクリレート、アミノエチルアクリレート、アミノプロピル(メタ)アクリレート、アミノ−n−ブチル(メタ)アクリレート等を使用することができる。
前記その他のビニル単量体としては、保護層へより一層優れた耐水性を付与する観点から、アルキル(メタ)アクリレートを使用することが好ましく、なかでもn−ブチル(メタ)アクリレートを使用することが好ましい。
前記n−ブチル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレートは、前記ビニル単量体混合物の1gに対して、0.08mmol/g〜7mmol/gの範囲で使用することが好ましい。
前記ビニル単量体の重合は、水性媒体(B)中に前記ビニル単量体及び重合開始剤をそれぞれ別々に、またはそれらの混合物を、一括または分割して供給することで行うことができる。
前記ビニル重合体(A)を製造する際に使用可能な重合開始剤としては、例えば過硫酸塩、有機過酸化物、過酸化水素等のラジカル重合開始剤や、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩等のアゾ開始剤を使用することができる。また、前記ラジカル重合開始剤は、後述する還元剤と併用しレドックス重合開始剤として使用しても良い。
前記重合開始剤の代表的なものである過硫酸塩としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等が挙げられ、有機過酸化物として、具体的には、例えば、過酸化ベンゾイル、ラウロイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート等のパーオキシエステル、クメンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド等を使用することができる。
また、前記還元剤としては、例えば、アスコルビン酸及びその塩、エリソルビン酸及びその塩、酒石酸及びその塩、クエン酸及びその塩、ホルムアルデヒドスルホキシラートの金属塩、チオ硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、塩化第二鉄等を使用することができる。
また、前記重合の際には、重合反応の安定化を目的として、乳化剤を使用しても良い。前記乳化剤は、ビニル重合体(A)を安定して形成する観点から、過剰に使用することは適切でなく、前記ビニル重合体(A)の製造に使用する原料の全量に対して、0.3質量%〜10質量%の範囲で使用することが好ましい。
前記方法で得られたビニル重合体(A)は、本発明の保護層形成用コーティング剤の全量に対して、1質量%〜90質量%の範囲で含まれることが好ましい。
また、本発明で使用する水性媒体(B)としては、水、水と混和する有機溶剤、及び、これらの混合物が挙げられる。水と混和する有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−及びイソプロパノール等のアルコール;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のポリアルキレングリコール;ポリアルキレングリコールのアルキルエーテル;N−メチル−2−ピロリドン等のラクタム等が挙げられる。本発明では、水のみを用いても良く、また水及び水と混和する有機溶剤との混合物を用いても良く、水と混和する有機溶剤のみを用いても良い。安全性や環境に対する負荷の点から、水のみ、又は、水及び水と混和する有機溶剤との混合物が好ましく、水のみが特に好ましい。
本発明では、前記ビニル重合体(A)を製造する過程で、溶媒として前記水性媒体(B)を使用した場合には、かかる水性媒体(B)を引き続き使用することができる。
前記水性媒体(B)は、製造の際の急激な粘度上昇を抑制し、かつ、保護層形成用コーティング剤の生産性や、その塗工のしやすさや乾燥性等を向上する観点から、本発明の保護層形成用コーティング剤の全量に対して5質量%〜80質量%の範囲で使用することが好ましい。
前記方法で得られた本発明の保護層形成用のコーティング剤は、耐可塑剤性や耐エタノール性をより一層向上するため、8〜13の範囲の水素イオン濃度(pH)に調整されたものであることが好ましく、8を超え13以下であることがより好ましい。
また、本発明の保護層形成用コーティング剤には、前記したものの他に必要に応じて、例えば無機充填材、滑剤、増粘剤、架橋剤、分散剤、成膜助剤、チキソトロピー付与剤、顔料等を、本発明の目的を阻害しない範囲で使用することができる。
前記無機充填材としては、例えば炭酸カルシウム、クレー、タルク、酸化チタン、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、ケイ酸アルミニウム、シリカ、水酸化アルミニウム等を使用することができる。なかでもクレー、シリカ、水酸化アルミニウムを使用することが好ましく、特に、水性媒体(B)中に分散しやすいこと、感熱記録媒体を構成する感熱発色層の発色を阻害しないこと、及び可塑剤等の移行を防止し、感熱印字された文字等の退色防止性を更に向上させることから、クレーを使用することがより好ましい。
前記無機充填剤は、前記ビニル重合体(A)の全量に対して0.1倍〜9.0倍の範囲で使用することが好ましい。
前記滑剤としては、高級脂肪酸、高級脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム等ステアリン酸アミドエマルジョン等の高級脂肪酸金属塩を使用することが好ましい。
前記増粘剤としては、例えばアルカリ性に調整することによって増粘可能なアクリル重合体や合成ゴムラテックス、分子が会合することによって増粘可能なウレタン樹脂、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、水添加ヒマシ油、アマイドワックス、酸化ポリエチレン、金属石鹸、ジベンジリデンソルビトール等を使用することができる。前記増粘剤としては、アルカリ性で増粘性を示すアルカリ増粘剤を使用することが好ましく、アクリル増粘剤を使用することがより好ましい。
前記アクリル増粘剤としては、(メタ)アクリル単量体またはその混合物を重合して得られるビニル重合体を使用することができ、例えば酸基を有するビニル単量体と炭素数1〜2のアルキル基を有する(メタ)アクリル単量体とを含有する(メタ)アクリル単量体混合物を重合して得られるアクリル増粘剤(D)を使用することが好ましい。
前記酸基を有するビニル単量体は、前記(メタ)アクリル単量体混合物の全量に対して20質量%〜50質量%の範囲で使用することが好ましい。また、前記炭素数1〜2のアルキル基を有する(メタ)アクリル単量体は、前記(メタ)アクリル単量体混合物の全量に対して50質量%〜80質量%の範囲で使用することが好ましい。
前記酸基を有するビニル単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸、アリルスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸等の(メタ)アクリル単量体を使用することができ、なかでも(メタ)アクリル酸を使用することが好ましい。
前記炭素数1〜2のアルキル基を有する(メタ)アクリル単量体としては、(メタ)アクリル酸メチルまたは(メタ)アクリル酸エチルを使用することができる。
前記アクリル増粘剤(D)の製造に使用可能な前記(メタ)アクリル単量体混合物としては、前記したもの以外のその他の(メタ)アクリル単量体を含有するものを使用することもできる。但し、前記(メタ)アクリル単量体混合物は、3級アミノ基を有する(メタ)アクリル単量体やピリジニル基を有する(メタ)アクリル単量体の含有量が(メタ)アクリル単量体混合物の全量に対して0質量%〜1質量%であるものを使用することが好ましく、0質量%であるものを使用することが、アクリル増粘剤(D)の増粘効果を最大限に発揮するうえでより好ましい。
また、前記増粘剤を増粘させる際に使用可能なアルカリ成分としては、例えばアンモニア、トリエチルアミン、ピリジン、モルホリン等の有機アミンや、モノエタノールアミン等のアルカノールアミンや、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム等を含む金属塩基化合物を使用することができる。なかでもアンモニアを使用することが、感熱発色層の画像濃度の低下を防止できるとともに、耐水性のより一層優れた保護層を形成するうえで好ましい。
前記増粘剤は、前記ビニル重合体(A)の全量に対して0.01質量%〜10質量%の範囲で使用することが好ましく、さらに、0.01質量%〜2質量%使用することがより好ましく、コーティング方法に適合した粘度に調整すればよい。また、前記増粘剤は、前記無機充填剤と組み合わせて使用することが好ましい。
また、前記架橋剤としては、例えば、メラミン系化合物、エポキシ系化合物、グリオキザール系化合物、メチロールウレア系化合物、アルデヒド系化合物、ジルコニウム系化合物、イソシアネート系化合物、アジリジン系化合物等の架橋剤を使用することができる。なかでも炭酸ジルコニウムアンモニウムを使用することが、保護層の耐可塑剤性や耐水性や耐エタノール性をより一層向上させるうえで好ましい。
前記架橋剤を使用する場合、前記架橋剤は、前記ビニル重合体(A)の全量に対して、0.1質量%〜10質量%の範囲で使用することが好ましい。
前記分散剤としては、例えばジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸塩、アルキルナフタレンスルフォン酸塩、およびヘキサメタリン酸塩等の低分子型の界面活性剤;デンプン、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、およびスチレン−マレイン酸モノアルキルエステル共重合体のアンモニウム塩等のポリカルボン酸塩等の水溶性高分子等を使用することができる。
前記成膜助剤としては、特に限定しないが、例えば、アニオン系界面活性剤(ジオクチルスルホコハク酸エステルソーダ塩など)、疎水性ノニオン系界面活性剤(ソルビタンモノオレエートなど)、ポリエーテル変性シロキサン、シリコーンオイル等が挙げられる。
前記チキソトロピー付与剤としては、例えば、脂肪酸、脂肪酸金属塩、脂肪酸エステル、パラフィン、樹脂酸、界面活性剤、ポリアクリル酸等で表面処理された前記充填材、ポリ塩化ビニルパウダー、水添ヒマシ油、微粉末シリカ、有機ベントナイト、セピオライト等が挙げられる。
前記顔料としては、公知慣用の無機顔料や有機顔料を使用することができる。
前記無機顔料としては、例えば酸化チタン、アンチモンレッド、ベンガラ、カドミウムレッド、カドミウムイエロー、コバルトブルー、紺青、群青、カーボンブラック、黒鉛等を使用することができる。
次に、本発明の感熱記録媒体について説明する。
本発明の感熱記録媒体は、基材上に、少なくとも、感熱発色層(c1)と、該感熱発色層(c1)上に、前記保護層形成用コーティング剤を用いて形成された保護層(c2)とを有するものである。
前記保護層(c2)は、前記感熱記録媒体の保護層形成用コーティング剤を前記感熱発色層(c1)上に塗布した後、該塗布層中に含まれる水性媒体(B)を揮発することによって形成されたものである。なお、前記感熱記録媒体は、必要に応じて、前記した感熱発色層(c1)及び保護層(c2)以外の層を有していてもよい。
前記基材としては、例えば紙、プラスチックフィルム、及び合成紙等が挙げられる。これらは感熱記録媒体が用いられる用途に応じて適切なものを用いることができる。
本発明の感熱記録媒体を構成する感熱発色層(c1)は、一般に、発色性物質と顕色剤とバインダー樹脂とを含有するものである。感熱発色層(c1)は、例えば感熱プリンター等のサーマルヘッドによって加熱溶融された顕色剤と、発色性物質とが反応することで発色し、感熱記録媒体に所望の文字や絵柄等を形成する。
前記発色性物質としては、例えば、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−フェニルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバゾール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、および3−p−ジメチルアミノフェニル−3−(1−メチルピロール−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド等のトリアリールメタン系化合物(1)、4,4’−ビス(ジメチルアミノフェニル)ベンズヒドリルベンジルエーテル、N−クロロフェニルロイコオーラミン、およびN−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミン等のジフェニルメタン系化合物(2)、ローダミンBアニリノラクタム、ローダミンB−p−クロロアニリノラクタム、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェニルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3,4−ジクロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−トリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−トリル)アミノ−6−メチル−7−フェネチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(4−ニトロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−プロピル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、および3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン等のキサンテン系化合物(3)、ベンゾイルロイコメチレンブルー、およびp−ニトロベンゾイルロイコメチレンブルー等のチアジン系化合物(4)、3−メチルスピロジナフトピラン、3−エチルスピロジナフトピラン、3,3’−ジクロロスピロジナフトピラン、3−ベンジルスピロジナフトピラン、3−メチルナフト−(3−メトキシベンゾ)スピロピラン、および3−プロピルスピロベンゾピラン等のスピロ系化合物(5)を、単独で使用または2種以上を併用することができる。
また、前記顕色剤としては、例えば、4−フェニルフェノール、4−t−ブチルフェノール、4−ヒドロキシアセトフェノン、2,2’−ジヒドロキシジフェニル、2,2’−メチレンビス(4−クロロフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−エチレンビス(2−メチルフェノール)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−シクロヘキシリデンビス(2−イソプロピルフェノール)、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸エステル、没食子酸アルキルエステル、ノボラック型フェノール樹脂等のフェノール性化合物、フタル酸モノアニリドパラエトキシ安息香酸、パラベンジロキシ安息香酸、3−5−ジ−t−ブチルサリチル酸、3−5−ジ−α−メチルベンジルサリチル酸、3−メチル−5−t−ブチルサリチル酸、4−n−オクチルオキシカルボニルアミノサリチル酸、および4−n−デシルオキシカルボニルアミノサリチル酸等の芳香族カルボン酸、及びこれらの多価金属塩等を使用することができる。
また、感熱発色層(c1)の前記バインダー樹脂としては、例えばポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、デンプン、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸3元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、およびエチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩等の水溶性接着剤、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸エステル、スチレン/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル/ブタジエン共重合体、およびエチレン/酢酸ビニル共重合体等のラテックス等を使用することができる。
また、前記感熱発色層(c1)は、発色感度を向上させることを目的として、増感剤を含んでいることが好ましい。
前記増感剤としては、例えばステアリン酸アミド、N−ヒドロキシメチルステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、N−ヒドロキシメチルベヘン酸アミド、N−ステアリルステアリン酸アミド、およびエチレンビスステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド、N−ステアリル尿素等の尿素誘導体、2−ベンジルオキシナフタレン等のナフトール誘導体、m−ターフェニル、4−ベンジルビフェニル、および4−アリルオキシビフェニル等のビフェニル誘導体、2,2’−ビス(4−メトキシフェノキシ)ジエチルエーテル、およびビス(4−メトキシフェニル)エーテル等のポリエーテル化合物、アジピン酸ジフェニル、蓚酸ジベンジル、蓚酸ジ(4−クロルベンジル)エステル、テレフタル酸ジメチル、およびテレフタル酸ジベンジル等のカルボン酸エステル、ベンゼンスルホン酸フェニルエステル等のスルホン酸エステル、ビス(4−アリルオキシフェニル)スルホン等のジフェニルスルホン、4−アセチルアセトフェノン等のジケトン、アセト酢酸アニリド、脂肪酸アニリド、および1,2−ビス(3,4−ジメチルフェニル)エタン等を、単独で使用または2種以上併用することができる。
また、前記感熱発色層(c1)は、白色度を向上させるために、顔料を含んでいることが好ましい。
前記顔料としては、例えばクレー、タルク、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、シリカ、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛等の無機顔料や、尿素−ホルマリン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、およびホルマリン樹脂等を用いた有機顔料等を使用することができる。
前記感熱発色層(c1)を形成する際に使用可能な、前記発色性物質、顕色剤、バインダー樹脂、及びその他の各種添加剤を含有する感熱発色層形成用組成物は、例えばボールミルやサンドグラインダー等の分散機を用いて、水系媒体中に分散されていることが好ましい。その際には、発色を阻害しない範囲で、分散剤を使用してもよい。
前記分散剤としては、例えばジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸塩、アルキルナフタレンスルフォン酸塩、およびヘキサメタリン酸塩等の低分子型の界面活性剤;デンプン、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、およびスチレン−マレイン酸モノアルキルエステル共重合体のアンモニウム塩等のポリカルボン酸塩等の水溶性高分子等を使用することができる。
また、前記感熱発色層形成用組成物は、前記した成分以外の他の成分を含有していてもよい。前記他の成分としては、例えばウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等の各種樹脂成分を使用することができる。
本発明の感熱記録媒体は、各種基材上に、前記感熱発色層形成用組成物を塗布し、次いで乾燥することによって、基材上に感熱発色層(c1)を形成した後、更に本発明の保護層形成用コーティング剤を、前記感熱発色層(c1)上に塗布、乾燥し、保護層(c2)を形成することによって製造することができる。
前記感熱発色層形成用組成物及び本発明の保護層形成用コーティング剤の塗布は、例えばエアナイフコーターやブレードコーターやカーテンコーターやバーコーター等の塗布装置を用いて行うことができる。
前記感熱発色層形成用組成物の塗布量は、基材上に、不揮発分で2g/m〜12g/mの範囲であることが好ましい。また、本発明の保護層形成用コーティング剤の塗布量は、感熱発色層(c1)上に、不揮発分で1g/m〜10g/mの範囲であることが好ましい。
前記感熱発色層形成用組成物及び本発明の保護層形成用コーティング剤を前記方法で塗布した後、それらを乾燥する方法としては、例えば乾燥機等を使用する方法がある。前記乾燥工程における温度は、本発明の感熱記録媒体を構成する感熱発色層の発色を防止する観点から、70℃以下であることが好ましい。感熱発色層の発色は、使用する発色性物質と顕色剤等に依存するため、感熱発色層が発色しない範囲であれば、できるだけ高温で乾燥することが、感熱記録媒体の製造効率を向上させる観点から好ましい。
本発明の感熱記録媒体は、熱応答性や、基材と感熱発色層(c1)との密着性を向上させることを目的として、前記感熱発色層(c1)と前記基材との間に、必要に応じて、周知慣用のアンダーコート層を有していてもよい。
また、本発明の感熱記録媒体は、基材裏面からの可塑剤等の移行を防止すること、及び感熱記録媒体の湾曲を抑制することを目的として、感熱記録媒体の裏面に、周知慣用のバックコート層を有していてもよい。また、本発明の感熱記録媒体の裏面には、粘着層を有していてもよい。
以下、実施例と比較例とにより、本発明を具体的に説明する。
[合成例1]
メタクリル酸40質量部(4.65mmol/g)と、アクリル酸エチル60質量部(5.99mmol/g)とレベノールWZ(花王株式会社製、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、不揮発分25質量%)12質量部及び蒸留水50質量部を混合したものをプレエマルジョンXとした。
攪拌機及び還流冷却機付きのセパラブルフラスコに蒸留水を151質量部入れ、セパラブルフラスコ内を窒素ガスで置換した後、50℃に昇温した。攪拌下、前記プレエマルジョンXの一部である8質量部、10質量%の過硫酸アンモニウム水溶液を1質量部供給し、80℃に昇温した。
その後、前記プレエマルジョンXの残り全量と、1質量%の過硫酸アンモニウム10質量部を、セパラブルフラスコ内を80℃±2℃に保持して60分間で滴下重合させた。滴下終了後、80℃±2℃にて30分間攪拌した。
その後、内容物を冷却し、蒸留水で希釈することで不揮発分23.5質量%、pH2のアクリル増粘剤を得た。
[実施例1]
攪拌機及び還流冷却機付きのセパラブルフラスコに蒸留水を250質量部及びアクアロンKH−10(第一工業製薬(株)製の反応性界面活性剤)5質量部を混合し、セパラブルフラスコ内を窒素ガスで置換した後、80℃に昇温し、10質量%の過硫酸アンモニウム水溶液8質量部を供給した。
次いで、下記ビニル単量体混合物1を前記セパラブルフラスコに6時間かけて滴下した後、さらに80℃で2時間重合させ、室温まで冷却した。その後イオン交換水を供給することによって不揮発分20質量%のビニル重合体組成物(X−1)を得た。
(ビニル単量体混合物1)
下記のカッコ内は、重合して得られたビニル重合体1gに対する各ビニル単量体の物質量を表す。
ジメチルアミノプロピルアクリルアミド;0.1質量部(0.0064mmol/g)
アクリル酸ブチル;30質量部(2.34mmol/g)
メタクリル酸メチル;45質量部(4.49mmol/g)
スチレン;9質量部(0.86mmol/g)
メタクリル酸;11質量部(1.28mmol/g)
アクリルアミド;5質量部(0.70mmol/g)
次いで、前記ビニル重合体組成物(X−1)29質量部と、UW−90[BASF製、カオリンクレー]13質量部をイオン交換水9質量部に分散させた分散液と、ハイドリンZ−7−30[中京油脂(株)製、ステアリン酸亜鉛の31.5質量%の水分散体]1.3質量部と、前記合成例1で得たアクリル増粘剤を0.37質量部と、イオン交換水とアンモニア水を供給することによって水素イオン濃度(pH)を9に調整し、15分間攪拌することによって、感熱記録媒体の保護層形成用コーティング剤I(不揮発分15質量%、pH9)を得た。
[実施例2]
前記ビニル単量体混合物1の代わりに、後述するビニル単量体混合物2を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で、保護層形成用コーティング剤II(不揮発分15質量%、pH9)を得た。
(ビニル単量体混合物2)
下記のカッコ内は、重合して得られたビニル重合体1gに対する各ビニル単量体の物質量を表す。
ビニルピリジン;7質量部(0.67mmol/g)
アクリル酸エチル;6質量部(0.60mmol/g)
アクリル酸ブチル;22質量部(1.72mmol/g)
メタクリル酸メチル;13質量部(1.30mmol/g)
スチレン;18質量部(1.73mmol/g)
アクリル酸;25質量部(3.47mmol/g)
メタクリロニトリル;8質量部(1.19mmol/g)
メタクリルアミド;1質量部(0.12mmol/g)
[実施例3]
前記ビニル単量体混合物1の代わりに、後述するビニル単量体混合物3を使用し、かつ、前記10質量%の過硫酸アンモニウム水溶液8質量部の代わりに、4質量%の過硫酸カリウム水溶液25質量部を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で、保護層形成用コーティング剤III(不揮発分15質量%、pH9)を得た。
(ビニル単量体混合物3)
下記のカッコ内は、重合して得られたビニル重合体1gに対する各ビニル単量体の物質量を表す。
ジメチルアミノプロピルアクリルアミド;1質量部(0.064mmol/g)
アクリル酸ブチル;27質量部(2.11mmol/g)
メタクリル酸;12質量部(1.39mmol/g)
メタクリル酸2−ヒドロキシエチル;5質量部(0.38mmol/g)
アクリロニトリル;50質量部(9.42mmol/g)
メタクリルアミド;5質量部(0.59mmol/g)
[実施例4]
前記ビニル単量体混合物1の代わりに、後述するビニル単量体混合物4を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で、保護層形成用コーティング剤IV(不揮発分15質量%、pH9)を得た。
(ビニル単量体混合物4)
下記のカッコ内は、重合して得られたビニル重合体1gに対する各ビニル単量体の物質量を表す。
ジメチルアミノプロピルアクリルアミド;2質量部(0.13mmol/g)
アクリル酸ブチル;20質量部(1.56mmol/g)
メタクリル酸メチル;9質量部(0.9mmol/g)
スチレン;20質量部(1.92mmol/g)
メタクリル酸;14質量部(1.63mmol/g)
アクリル酸2−ヒドロキシエチル;5質量部(0.43mmol/g)
アクリロニトリル;20質量部(3.77mmol/g)
アクリルアミド;10質量部(1.41mmol/g)
[実施例5]
前記ビニル単量体混合物1の代わりに、後述するビニル単量体混合物5を使用し、かつ、前記10質量%の過硫酸アンモニウム水溶液8質量部の代わりに、4,4−アゾビス(4−シアノ吉草酸)0.8質量部を25質量%のアンモニア1.6質量部で中和して得た中和物及びイオン交換水80質量部を含む水溶液を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で、保護層形成用コーティング剤V(不揮発分15質量%、pH9)を得た。
(ビニル単量体混合物5)
下記のカッコ内は、重合して得られたビニル重合体1gに対する各ビニル単量体の物質量を表す。
ジメチルアミノエチルメタクリレート;10質量部(0.64mmol/g)
アクリル酸ブチル;25質量部(1.95mmol/g)
アクリル酸;50質量部(6.94mmol/g)
アクリロニトリル;10質量部(1.88mmol/g)
アクリルアミド;5質量部(0.70mmol/g)
[実施例6]
前記ビニル単量体混合物1の代わりに、後述するビニル単量体混合物6を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で、保護層形成用コーティング剤VI(不揮発分15質量%、pH9)を得た。
(ビニル単量体混合物6)
下記のカッコ内は、重合して得られたビニル重合体1gに対する各ビニル単量体の物質量を表す。
ジメチルアミノプロピルアクリルアミド;1質量部(0.064mmol/g)
アクリル酸ブチル;32質量部(2.50mmol/g)
メタクリル酸;11質量部(1.28mmol/g)
アクリロニトリル;6質量部(1.13mmol/g)
アクリルアミド;50質量部(7.03mmol/g)
[実施例7]
前記ビニル重合体組成物(X−1)29質量部と、UW−90[BASF製、カオリンクレー]13質量部をイオン交換水9質量部に分散させた分散液と、ハイドリンZ−7−30[中京油脂(株)製、ステアリン酸亜鉛の31.5質量%の水分散体]1.3質量部と、イオン交換水とアンモニア水を供給することによって水素イオン濃度(pH)を9に調整し、15分間攪拌することによって、感熱記録媒体の保護層形成用コーティング剤VII(不揮発分15質量%、pH9)を得た。
[実施例8]
前記ビニル重合体組成物(X−1)29質量部と、UW−90[BASF製、カオリンクレー]13質量部をイオン交換水9質量部に分散させた分散液と、ハイドリンZ−7−30[中京油脂(株)製、ステアリン酸亜鉛の31.5質量%の水分散体]1.3質量部と、前記合成例1で得たアクリル増粘剤を0.37質量部と、イオン交換水を供給することによって、感熱記録媒体の保護層形成用コーティング剤III’(不揮発分15質量%、pH6.5)を得た。
[比較例1]
攪拌機及び還流冷却機付きのセパラブルフラスコに蒸留水を250質量部及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.3質量部を混合し、セパラブルフラスコ内を窒素ガスで置換した後、70℃に昇温し、4質量%の過硫酸カリウム水溶液25質量部を供給した。
次いで、後述するビニル単量体混合物1’を、前記セパラブルフラスコに4時間かけて滴下した後、さらに80℃で2時間重合させ、室温まで冷却し、不揮発分20質量%のビニル重合体組成物(X’−1)を得た。
(ビニル単量体混合物1’)
下記のカッコ内は、重合して得られたビニル重合体1gに対する各ビニル単量体の物質量を表す。
メタクリル酸メチル;31質量部(3.10mmol/g)
メタクリル酸ブチル;39質量部(2.74mmol/g)
メタクリル酸;7質量部(0.81mmol/g)
アクリロニトリル;18質量部(3.39mmol/g)
メタクリルアミド;5質量部(0.59mmol/g)
次いで、前記ビニル重合体組成物(X’−1)29質量部と、製紙用カオリンクレー[BASF製、UW−90]13重量部をイオン交換水9質量部に分散させた分散液と、ハイドリンZ−7−30[中京油脂(株)製、ステアリン酸亜鉛の31.5質量%の水分散体]1.3質量部と、前記合成例1で得たアクリル増粘剤を 0.37質量部と、イオン交換水とアンモニア水を供給することによって水素イオン濃度(pH)を9に調整し、感熱記録媒体の保護層形成用コーティング剤I’(不揮発分15質量%、pH9)を得た。
[比較例2]
前記ビニル単量体混合物1の代わりに、後述するビニル単量体混合物2’を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で、保護層形成用コーティング剤II’(不揮発分15質量%、pH9)を得た。
(ビニル単量体混合物2’)
下記のカッコ内は、重合して得られたビニル重合体1gに対する各ビニル単量体の物質量を表す。
アクリル酸ブチル;20質量部(1.56mmol/g)
メタクリル酸メチル;39質量部(3.90mmol/g)
メタクリル酸;20質量部(2.32mmol/g)
メタクリル酸2−ヒドロキシエチル;5質量部(0.38mmol/g)
アクリロニトリル;12質量部(2.26mmol/g)
アクリルアミド;4質量部(0.56mmol/g)
[比較例3]
Z−200[日本合成化学工業(株)製のアセトアセトキシ基変性ポリビニルアルコール]を温水に溶解させ、15質量%の水溶液を調製した。その後、UW−90[BASF製、カオリンクレー]13質量部をイオン交換水9質量部に分散させた分散液と、ハイドリンZ−7−30[中京油脂(株)製、ステアリン酸亜鉛の31.5質量%の水分散体]1.3質量部と、グリオキザール0.05質量部、イオン交換水を供給することによって、感熱記録媒体の保護層形成用コーティング剤III’(不揮発分15質量%、pH7)を得た。
〔感熱記録媒体の作製方法〕
実施例または比較例で得た保護層形成用コーティング剤を、保護層を有さないファックス用感熱紙(松下電器株式会社製のUG−0010A4)上に、それぞれワイヤーバーの10番を用いて乾燥被膜が3g/mとなるよう塗布した後、乾燥機を用いて60℃で90秒間乾燥することによって、表面に保護層が形成された感熱記録媒体を得た。
[耐可塑剤性の評価方法]
前記で得た感熱記録媒体に、シャープ株式会社製のワープロ(書院WD−220F)を用いて、四角(6mm×30mm)の黒色の1cm各のベタ画像を印字し試験片を作製した。各試験片に印刷された黒色の発色濃度をグレタグマクベス社製の反射発色濃度計D186を用いて測定した。
次いで、前記試験片の保護層の表面に、塩化ビニルからなるラップ(信越ポリマー株式会社製のポリマラップ)を、各試験片の印字部分を覆うように密着させ、40℃で24時間放置した。放置後の、印字部分の発色濃度を、前記同様の方法で測定した。放置前後の感熱発色濃度保持率を下記式にしたがって算出し、かかる値に基づいて耐可塑剤性を評価した。
保持率=[(放置後の感熱発色濃度)/(放置前の感熱発色濃度)]×100
前記保持率が概ね90%以上であるものを、耐可塑剤性に優れるものと評価した。
〔耐水性の評価方法〕
[耐水ブロッキング性の評価方法]
1種類の保護層を形成した感熱記録媒体を2枚用意し、一方の感熱記録媒体の保護層表面に、水道水を1滴(およそ1ml)付着させた後、該付着面上に、他方の感熱記録媒体の保護層が接触するように載置した状態で5kgの荷重をかけ10秒間貼り合わせた。
その後、前記2枚の感熱記録媒体を剥離した際の、保護層の状態を目視で評価した。
1:保護層の表面に破れが見られず、また、感熱紙の破れも見られなかった。
2:保護層の表面に、若干ブロッキングが発生したものの、感熱記録媒体の破れは見られなかった。
3:保護層の表面に、若干ブロッキングが発生し、保護層の表面の荷重をかけた部分の面積の5%以下の範囲で保護層の破れが見られたが、感熱記録媒体の破れは見られなかった。
4:保護層の表面の荷重をかけた部分の面積の5%以上の範囲で破れが見られたが、感熱記録媒体の破れは見られなかった。
5:感熱記録媒体が破れた。
[耐水ラビング性の評価方法]
各感熱記録媒体の保護層表面のうち、未発色部及び発色部分を、水を含ませた綿棒を用いて500gの荷重で20回こすり、その表面状態を目視で評価した。
1:ラビング前後で全く変化がなかった。
2:ラビング後に、保護層の溶解を確認した。
3:ラビング後に、保護層表面で発色部分の若干の欠落が確認できた。
4:ラビング後に、保護層表面で発色部分の著しい欠落が確認できた。
5:ラビング後に、感熱紙が材破した。
〔耐エタノール性の評価方法〕
各感熱記録媒体の保護層表面のうち、未発色部及び発色部分を、エタノールをしみこませた絵筆を接触させ、前記保護層表面に塗布した。
塗布後における、皮膜表面の状態を目視で観察し、前記皮膜の耐エタノール性を下記基準で評価した。
[評価基準]
1:エタノール塗布前後で全く変化がなかった。
2:エタノール塗布後に、保護層表面の発色部分の5%未満の範囲の欠落が確認できた。
3:エタノール塗布後に、保護層表面の発色部分の5%以上30%未満の範囲の欠落が確認できた。
4:エタノール塗布後に、保護層表面の発色部分の30%以上50%未満の範囲の欠落が確認できた。
5:エタノール塗布後に、保護層表面の発色部分の50%以上の範囲が欠落した。
〔耐熱性の評価方法〕
前記で作製した感熱記録媒体を70℃の乾燥機に24時間入れ、乾燥機に入れる前に未発色であった部分の色の変化をグレタグマクベス社製の反射発色濃度計D186を用いて測定した。発色濃度が低い程良好な結果であることを示す。
Figure 0006146604
Figure 0006146604

Claims (8)

  1. 3級アミノ基またはピリジニル基と、酸基とを有するビニル重合体(A)、及び、水性媒体(B)を含有する感熱記録媒体の保護層形成用コーティング剤であって、
    前記ビニル重合体(A)の酸基が、アンモニアによって中和され形成したものであることを特徴とする感熱記録媒体の保護層形成用コーティング剤。
  2. 前記ビニル重合体(A)が、前記ビニル重合体(A)1gに対して、前記アミノ基及びピリジニル基からなる群より選ばれる1種以上の官能基を合計0.005mmol〜0.7mmolの範囲で有し、かつ、前記酸基を1.1mmol〜7mmolの範囲で有するものである請求項1に記載の感熱記録媒体の保護層形成用コーティング剤。
  3. 前記ビニル重合体(A)が、さらにアミド基を有するものである請求項1に記載の感熱記録媒体の保護層形成用コーティング剤。
  4. 前記ビニル重合体(A)が、前記ビニル重合体(A)1gに対して、前記アミド基を0.1mmol〜7mmolの範囲で有するものである請求項に記載の感熱記録媒体の保護層形成用コーティング剤。
  5. 前記ビニル重合体(A)が、3級アミノ基及びアミド基を有する(メタ)アクリル単量体と、酸基を有する(メタ)アクリル単量体とを含有するビニル単量体混合物を重合して得られるものである請求項に記載の感熱記録媒体の保護層形成用コーティング剤。
  6. 水素イオン濃度(pH)が、8〜13の範囲である請求項1に記載の感熱記録媒体の保護層形成用コーティング剤。
  7. さらに、酸基を有するビニル単量体と炭素数1〜2のアルキル基を有する(メタ)アクリル単量体とを含有するアクリル単量体混合物を重合して得られるアクリル増粘剤(D)を含有する請求項1記載の感熱記録媒体の保護層形成用コーティング剤。
  8. 基材上に、少なくとも、感熱発色層(c1)と、該感熱発色層(c1)上に、請求項1〜のいずれかに記載のコーティング剤を用いて形成された保護層(c2)とを有することを特徴とする感熱記録媒体。
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