JP5761132B2 - 感熱記録体 - Google Patents

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Description

本発明は、ロイコ染料と呈色剤との発色反応を利用した感熱記録体に関するものである。
無色または淡色のロイコ染料と呈色剤との発色反応を利用し、熱により両発色物質を接触させて記録像を得るようにした感熱記録体は良く知られている。かかる感熱記録体は比較的安価であり、また、記録機器がコンパクト、且つその保守も容易であるため、ファクシミリや各種計算機等の記録媒体としてのみならず、巾広い分野において使用されている。
その利用分野のひとつとして、小売店等のPOS(point of sales)システムのプリンターに用いられる感熱記録体が挙げられる。同システムの拡大に伴って、商品価値を高めるために表面光沢に優れた感熱記録体が強く要望されている。表面光沢に優れた感熱記録体を得るため、感熱記録層上に紫外線硬化性化合物に紫外線を照射して硬化された樹脂を含有する保護層を設けた感熱記録体が種々提案されている(特許文献1〜6参照)が、記録時に保護層がサーマルヘッドに貼り付く現象、即ちスティッキングが発生し、均一な記録画像が得られない問題や、サーマルヘッドにカスが付着し、印字障害が起こる問題等があり、ヘッドマッチング性に必ずしも満足すべき結果が得られていないのが現状である。
特開平2−192988号公報 特開平6−344664号公報 特開平7−40658号公報 特開平8−142508号公報 特開平9−156222号公報 特開平9−220855号公報
本発明は、光沢度が高く、スティッキングやカス付着を抑制し、ヘッドマッチング性に優れた感熱記録体を提供することを主な目的とする。
本発明者等は、上記従来技術の鑑み、鋭意検討を重ねた結果、上記問題点を解決するに至った。即ち、本発明は、下記の感熱記録体に係る。
項1:支持体上に、少なくともロイコ染料と呈色剤を含有する感熱記録層、前記感熱記録層上に顔料と接着剤を含有する保護層、前記保護層上に紫外線硬化性樹脂の架橋硬化物を含有する最上層を備えた感熱記録体において、前記最上層が炭酸カルシウムと焼成カオリンを含有し、前記炭酸カルシウムの含有割合が最上層の全固形量中5〜20質量%であり、前記焼成カオリンの含有割合が最上層の全固形量中0.5〜3.0質量%であることを特徴とする感熱記録体。
項2:前記最上層中の炭酸カルシウムと焼成カオリンの含有割合の質量比率が、炭酸カルシウム:焼成カオリン=3:1〜15:1である、項1に記載の感熱記録体。
項3:前記保護層中に、接着剤としてアセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール及びカルボキシ変性ポリビニルアルコールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する、項1または2に記載の感熱記録体。
項4:前記感熱記録層中に、更にヒドラジン系化合物を含有する、項3に記載の感熱記録体。
本発明の感熱記録体は、光沢度が高く、スティッキングやカス付着等を抑制し、ヘッドマッチング性に優れる。
本発明では、支持体上に、少なくともロイコ染料と呈色剤を含有する感熱記録層、感熱記録層上に顔料と接着剤を含有する保護層、保護層上に紫外線硬化性樹脂の架橋硬化物を含有する最上層を備えた感熱記録体において、最上層が炭酸カルシウムと焼成カオリンを含有している。最上層中の炭酸カルシウムの含有割合は、最上層の全固形量中5〜20質量%であり、より好ましくは7〜15質量%である。一方、焼成カオリンの含有割合は、最上層の全固形量中0.5〜3.0質量%であり、より好ましくは1.0〜2.0質量%である。
最上層中の炭酸カルシウムの含有割合を5質量%以上とすることにより、スティッキングとカス付着を効果的に抑制できる。一方、20質量%以下とすることにより、記録濃度、光沢度及び耐可塑剤性に優れ、最上層を形成する際に紫外線硬化性樹脂の架橋硬化を効果的に行なうことができる。また、焼成カオリンの含有割合を0.5質量%以上とすることにより、カス付着を効果的に抑制できる。一方、3.0質量%以下とすることにより、記録濃度、光沢度及び耐可塑剤性を向上でき、また、ヘッド摩耗に起因するヘッド切れによる印字障害の発生を防ぎ、更に最上層を形成する際に紫外線硬化性樹脂の架橋硬化を効果的に行なうことができる。
更に、本発明では、最上層中の炭酸カルシウムと焼成カオリンの含有割合の質量比率を炭酸カルシウム:焼成カオリン=3:1〜15:1の範囲とすることが好ましく、4:1〜10:1の範囲とすることがより好ましい。これにより、光沢度を高めて、ヘッドカス付着とヘッド切れを効果的に改善することができる。
従来、滑剤として高級脂肪酸塩、シリコーンオイル、シリコン成分をグラフト状またはブロック状に共重合した樹脂等を紫外線硬化性樹脂と共に最上層中に含有させることによって、ヘッドマッチング性を向上することが検討されてきたが、必ずしも満足すべき結果が得られていない。この理由については明らかでないが、最上層を形成する際、紫外線硬化性樹脂の架橋が進む過程で、これらの滑剤成分が表面へブリードし、裏移りするなどして裏面側の滑り性を高めるため、紙送りに支障をきたし、記録時に最上層がサーマルヘッドに貼り付いてスティッキングが発生し易くなると考えられる。また、感熱記録体の表裏が接触している状態では、裏面側の凹凸が転写され易いため、表面光沢が低下する問題もある。一方、本発明では、製造過程あるいは製品の使用形態において、表裏が接触しているロール状またはシート状の感熱記録体においても、紫外線硬化性樹脂の有する光沢性を損なうことなく、優れたヘッドマッチング性を発揮することができる。
本発明の最上層に用いる紫外線硬化性樹脂は、紫外線の照射により硬化反応し得る二重結合を1個以上有する液体のモノマーまたはオリゴマーであり、例えば(a)脂肪族、脂環族、芳香脂肪族2〜6価の多価アルコール及びポリアルキレングリコールのポリ(メタ)アクリレート;(b)脂肪族、脂環族、芳香脂肪族、または芳香族の2〜6価の多価アルコールにアルキレンオキサイドを付加させた多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート;(c)ポリ(メタ)アクリロイルオキシアルキルリン酸エステル;(d)ポリエステルポリ(メタ)アクリレート;(e)エポキシポリ(メタ)アクリレート;(f)ポリウレタンポリ(メタ)アクリレート;(g)ポリアミドポリ(メタ)アクリレート;(h)ポリシロキサンポリ(メタ)アクリレート;(i)側鎖及び/または末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有するビニル系またはジエン系低重合体;(j)前記(a)〜(i)記載のオリゴエステル(メタ)アクリレート変性物等のプレポリマー等が挙げられる。なかでも、エポキシポリ(メタ)アクリレートオリゴマーが耐スティッキング性に優れており、特に好ましい。
また、モノマ−としては、(a)エチレン性不飽和モノまたはポリカルボン酸等で代表されるカルボキシル基含有単量体;(b)エチレン性不飽和(メタ)アクリルアミドまたはアルキル置換(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドンのようなビニルラクタム類で代表されるアミド基含有単量体;(c)脂肪族または芳香族ビニルスルホン酸類で代表されるスルホン酸基含有単量体;(d)エチレン性不飽和エーテル等で代表される水酸基含有単量体;(e)ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート−2−ビニルピリジン等のアミノ基含有単量体;(f)4級アンモニウム塩基含有単量体;(g)エチレン性不飽和カルボン酸のアルキルエステル;(h)(メタ)アクリロニトリル等のニトリル基含有単量体;(i)スチレン;(j)酢酸ビニル、酢酸(メタ)アリル等のエチレン性不飽和アルコールのエステル;(k)活性水素を含有するアルキレンオキシド付加重合体のモノ(メタ)アクリレート類;(l)多塩基酸と不飽和アルコールとのジエステルで代表されるエステル基含有2官能単量体;(m)活性水素を含有する化合物のアルキレンオキシド付加重合体と(メタ)アクリル酸とのジエステルよりなる2官能単量体;(n)N,N−メチレンビスアクリルアミド等のビスアクリルアミド;(o)ジビニルベンゼン、ジビニルエチレングリコール、ジビニルスルホン、ジビニルエーテル、ジビニルケトン等の2官能単量体;(p)ポリカルボン酸と不飽和アルコールとのポリエステルで代表されるエステル基含有多官能単量体;(q)活性水素を含有する化合物のアルキレンオキシド付加重合体と(メタ)アクリル酸とのポリエステルよりなる多官能単量体;(r)トリビニルベンゼンのような多官能不飽和単量体等が挙げられる。なお、上記の如き紫外線硬化性化合物は2種以上を併用してもよい。また、最上層用塗液の媒体が水の場合、疎水性の紫外線硬化性樹脂は、ラテックスの状態で用いればよい。
最上層を形成するための最上層用塗液中には、紫外線硬化性樹脂の架橋硬化を開始するため、紫外線照射されることによりラジカルを発生する光重合開始剤が含有される。光重合開始剤の含有割合は、紫外線硬化性樹脂に対して0.2〜10質量%の範囲が好ましい。また、紫外線硬化用の光源としては、1〜50個の紫外線ランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプ等が用いられ、40〜200W/cm程度の強度を有する紫外線が照射される。
かかる光重合開始剤としては、例えばチオキサントン、ベンゾイン、ベンゾインアルキルエーテルキサントン、ジメチルキサントン、ベンゾフェノン、アントラセン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、アントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン等が挙げられる。最上層用塗液の媒体が水の場合、疎水性の光重合開始剤は、あらかじめ紫外線硬化性樹脂と乳化重合させて、エマルションの状態で用いることもできる。
最上層は、例えば、水を媒体として、紫外線硬化性樹脂、炭酸カルシウム、焼成カオリン及び光重合開始剤を混合することにより調製された最上層用塗液を、乾燥後の塗布量が0.5〜5.0g/m、より好ましくは1.0〜3.0g/m程度となるように、保護層上に塗布及び乾燥した後、紫外線を照射することにより架橋硬化させて形成される。また、最上層用塗液の塗布面に紫外線を照射した後、乾燥してもよい。
最上層用塗液は、無溶剤系として調製することもでき、本発明の所望の効果を損なわない限りにおいて有機溶剤で希釈したり、加温したりすることにより、粘度を下げることができる。最上層用塗液中に各種材料を分散または溶解させて含有させる方法としては、例えば、3本ロールミル(スリーロールミル)、2本ロールミル(ツーロールミル)、カウレスディゾルバー、ホモミキサー、サンドミル、プラネタリーミキサー及び超音波分散機等を使用する方法が挙げられる。
本発明における保護層は、顔料と接着剤を含有している。これにより、アルコール等の接触による未発色部分の発色、各種油、可塑剤等の接触による画像の変色及び最上層用塗液の感熱記録層への浸透による発色阻害、未発色部分の発色を防ぐことができる。
保護層に含有される顔料としては、例えば、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化チタン、無定形シリカ、合成マイカ、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、タルク、カオリン、クレー、焼成カオリン等の無機顔料、ナイロン樹脂フィラー、尿素・ホルマリン樹脂フィラー、生澱粉粒子等の有機顔料が挙げられる。
これらの顔料の中でも、カオリン、水酸化アルミニウムは、可塑剤や油等の薬品に対するバリア性の低下が少なく、しかも記録濃度の低下も小さいため、好ましい。
保護層に含有される接着剤としては、例えば、水溶性接着剤及び水分散性接着剤のいずれの水性接着剤も使用できる。水溶性接着剤としては、例えば、完全鹸化または部分鹸化ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール及び珪素変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコール、澱粉及びその誘導体、メトキシセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、及びエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体の塩やアルカリ中和物、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体の塩やアルカリ中和物、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、及びカゼイン等が挙げられる。水分散性接着剤としては、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン−酢酸ビニル共重合体、シリル化ウレタン、アクリル−シリコン複合体、及びアクリル−シリコン−ウレタン複合体等の疎水性重合体のラテックス等が挙げられる。これらの接着剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの接着剤の中でも、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール及びカルボキシ変性ポリビニルアルコールは、保護層表面のバリア性を向上させ、耐薬品性等の保存性を向上させることができ、好ましく用いられる。
また、保護層には助剤として、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレンワックス、カルナバロウ、パラフィンワックス、エステルワックス等の滑剤、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、スルホン酸変性ポリビニルアルコール、アセチレングリコール系、フッ素系、シリコン系、リン酸エステル系、エーテル型等の界面活性剤、あるいはベタイン、アミノカルボン酸塩、イミダゾリン誘導体等の両性系界面活性剤等の界面活性剤、グリオキザール、硼酸、ジアルデヒド澱粉、メチロール尿素、エポキシ系化合物、ヒドラジン系化合物等の耐水化剤(架橋剤)、疎水性ポリカルボン酸共重合物、紫外線吸収剤、蛍光染料、着色染料、離型剤、酸化防止剤等を含有することもできる。
保護層は、例えば、水を媒体として、顔料、接着剤、必要により助剤等を混合することにより調製された保護層用塗液を、乾燥後の塗布量が0.5〜15g/m程度、好ましくは1.0〜8g/m程度となるように、感熱記録層上に塗布及び乾燥して形成される。
本発明における感熱記録層は、ロイコ染料と呈色剤を含有している。感熱記録層には、必要に応じて、増感剤、保存性改良剤、顔料、各種助剤等を含有してもよい。ロイコ染料の具体例としては、例えば、黒色発色を与えるロイコ染料として、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アリニノフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−(N−イソアミル−N−エチルアミノ)−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−2−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−(N−n−ヘキシル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−〔N−(3−エトキシプロピル)−N−エチルアミノ〕−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−〔N−(3−エトキシプロピル)−N−メチルアミノ〕−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジ(n−ブチルアミノ)−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン等が挙げられる。また、必要に応じて、黒とは異なる色調に発色する、例えば赤、赤紫、オレンジ、青、緑等の発色色調を与えるロイコ染料を使用してもよい。
ロイコ染料は、これらに限定されるものではなく、2種以上を併用することもできる。かかるロイコ染料の含有割合としては特に限定されず、感熱記録層の全固形量中、3〜30質量%程度が好ましい。
本発明では、ロイコ染料を固体分散微粒子状態として使用する場合、水を分散媒体として、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、スルホン変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、スチレン−無水マレイン酸共重合体塩及びこれらの誘導体等の水溶性高分子のほか、必要に応じて界面活性剤、消泡剤等と共に、サンドミル、アトライター、ボールミル、コボーミル等の各種湿式粉砕機によって粉砕し、分散媒体中に分散させた分散液とし、この分散液を感熱記録層用塗液の調製に用いることができる。また、ロイコ染料を溶剤に溶解した後、この溶液を水中で上記水溶性高分子を安定化剤として乳化分散後、この乳化液から溶剤を蒸発させロイコ染料を固体微粒子化して使用することもできる。いずれの場合も固体分散微粒子状態で使用するロイコ染料の分散粒子の平均粒子径は、適切な記録感度を得るために0.2〜3.0μmであることが好ましく、より好ましくは0.3〜1.0μmである。
本発明におけるロイコ染料の使用方法として、前記固体分散微粒子状態で使用する以外に、有機高分子とロイコ染料とからなる複合粒子としても使用することができる。複合粒子の作製については、公知の方法により可能である。例えば、前記有機高分子がポリウレア及びポリウレア−ポリウレタンの少なくとも1種である複合粒子の作製方法について以下に述べる。前記複合粒子は、ロイコ染料、並びに重合によりポリウレア及びポリウレア−ポリウレタンの少なくとも1種を形成することができる多価イソシアネート化合物等の高分子形成性原料を、100℃以下の沸点を有する水不溶性有機溶剤に溶解混合し、この有機溶剤溶液をポリビニルアルコール等の親水性保護コロイド溶液中に平均粒子径が0.5〜3μm程度となるように乳化分散し、更に必要によりポリアミン等の反応性物質を混合後、この乳化分散液を加熱して前記有機溶剤を揮発除去し、その後、前記高分子形成性原料を高分子化することにより調製されたもの、あるいは前記ロイコ染料を高分子形成性原料に溶解し、この溶解液を前記の方法で平均粒子径が0.5〜3μm程度に乳化分散後、前記高分子形成性原料を高分子化することにより調製される。
本発明における呈色剤としては、公知の化合物を使用することができる。かかる呈色剤の具体例としては、例えば、4−tert−ブチルフェノール、4−アセチルフェノール、4−tert−オクチルフェノール、4,4’−sec−ブチリデンジフェノール、4−フェニルフェノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−イソプロピリデンジフェノール、4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホン、3,3’−ジアリル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル等のフェノール性化合物、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、4−ヒドロキシ安息香酸プロピル、4−ヒドロキシ安息香酸−sec−ブチル、4−ヒドロキシ安息香酸フェニル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸トリル、4−ヒドロキシ安息香酸クロロフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル等のフェノール性化合物、または安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、トリクロル安息香酸、テレフタル酸、サリチル酸、3−tert−ブチルサリチル酸、3−イソプロピルサリチル酸、3−ベンジルサリチル酸、3−(α−メチルベンジル)サリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸等の芳香族カルボン酸、及びこれらフェノール性化合物、芳香族カルボン酸と例えば亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム等の多価金属との塩等の有機酸性物質、N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレア、N−p−トルエンスルホニル−N’−p−ブトキシカルボニルフェニルウレア、N−p−トリルスルホニル−N’−フェニルウレア、4,4’−ビス[(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド]ジフェニルスルホン、4,4’−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン等のウレア化合物が挙げられる。
本発明において、感熱記録層中のロイコ染料と呈色剤の使用比率は、ロイコ染料と呈色剤の種類に応じて適宜選択すべきもので、特に限定するものではないが、一般にロイコ染料1質量部に対して好ましくは1〜7質量部程度、より好ましくは1〜6質量部程度の呈色剤が使用される。
更に、感熱記録層には、白色度及び画像均一性を向上させるため、白色度が高く、平均粒径が10μm以下の微粒子顔料を含有させることもできる。顔料の具体例としては、例えばカオリン、クレー、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、タルク、焼成クレー、焼成カオリン、酸化チタン、酸化亜鉛、珪藻土、微粒子状無水シリカ、活性白土等の無機顔料、スチレンマイクロボール、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、尿素−ホルマリン樹脂フィラー、スチレン−メタクリル酸共重合樹脂、ポリスチレン樹脂、生澱粉粒子等の有機顔料が挙げられる。顔料の含有割合は、発色濃度を低下させない程度の量、即ち感熱記録層の全固形量中、50質量%以下が好ましい。
感熱記録層には、記録感度を高めるための増感剤を含有させることもできる。増感剤の具体例としては、例えばステアリン酸アミド、メトキシカルボニル−N−ステアリン酸ベンズアミド、N−ベンゾイルステアリン酸アミド、N−エイコサン酸アミド、エチレンビステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、N−メチロールステアリン酸アミド、テレフタル酸ジベンジル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジオクチル、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、2−ナフチルベンジルエーテル、m−ターフェニル、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸−ジ−p−メチルベンジル、シュウ酸−ジ−p−クロロベンジル、p−ベンジルビフェニル、トリルビフェニルエーテル、ジ(p−メトキシフェノキシエチル)エーテル、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メトキシフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−クロロフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、1−(4−メトキシフェノキシ)−2−(2−メチルフェノキシ)エタン、p−メチルチオフェニルベンジルエーテル、1,4−ジ(フェニルチオ)ブタン、p−アセトトルイジド、p−アセトフェネチジド、N−アセトアセチル−p−トルイジン、ジ(β−ビフェニルエトキシ)ベンゼン、p−ジ(ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、1−イソプロピルフェニル−2−フェニルエタン等が例示される。これらの増感剤の含有量は特に限定されないが、一般に呈色剤1質量部に対して4質量部以下程度の範囲で調節するのが望ましい。
感熱記録層には、記録像の保存性を高めるための保存性改良剤を含有させることもできる。かかる保存性改良剤の具体例としては、例えば2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−(2,2−プロピリデン)ビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メトキシ−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(5−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−クロロ−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メトキシ−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、1−〔α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−〔α’,α’−ビス(4’’−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、4,4’−チオビス(3−メチルフェノール)、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラブロモジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルジフェニルスルホン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン等のヒンダードフェノール化合物、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)リン酸ソーダ等が挙げられる。
感熱記録層中には、接着剤を含有させることもできる。かかる接着剤としては、保護層に使用できるものの中から適宜選択することができる。更に、感熱記録層中には、必要に応じて下記の架橋剤、ワックス類、金属石鹸、有色染料、有色顔料、蛍光染料、撥油剤、消泡剤及び粘度調節剤等の助剤を含有させることができる。
架橋剤としては、例えばグリオキザール等のアルデヒド系化合物、ポリエチレンイミン等のポリアミン系化合物、エポキシ系化合物、ポリアミド樹脂、メラミン樹脂、ジメチロールウレア化合物、アジリジン化合物、ブロックイソシアネート化合物、ヒドラジン系化合物としてアジピン酸ジヒドラジド等のカルボン酸ジヒドラジド系化合物、グリオキシル酸ナトリウム、ジ(グリオキシル酸)カルシウム、グリオキシル酸アンモニウム、過硫酸アンモニウム、並びに塩化第二鉄、塩化マグネシウム、四硼酸ソーダ、四硼酸カリウム等の無機化合物、硼酸、硼酸トリエステル、硼素系ポリマー等から選ばれる少なくとも1種の架橋性化合物が挙げられる。これらの中でも、ヒドラジン系化合物は、保護層中の接着剤としてアセトアセチル変性ポリビニルアルコール及びジアセトン変性ポリビニルアルコールから選ばれる少なくとも1種と組み合わせることにより、耐水性、耐薬品性等のバリア性を効果的に向上することができるため好ましい。これらの架橋剤は、感熱記録層の全固形量中、0.1〜10質量%の範囲で用いることが好ましい。
ワックスとしては、パラフィンワックス、カルナバロウワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリオレフィンワックス、及びポリエチレンワックス等のワックス類、並びに例えばステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド等の高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステル、及びその誘導体等を挙げることができる。
金属石鹸としては、高級脂肪酸多価金属塩、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、及びオレイン酸亜鉛等を挙げることができる。
感熱記録層は、例えば、水を媒体として、ロイコ染料の分散液、呈色剤の分散液、必要により増感剤や保存性改良剤の分散液、接着剤、架橋剤、その他助剤等を混合することにより調製された感熱記録層用塗液を、乾燥後の塗布量が2〜12g/m程度、好ましくは3〜10g/m程度となるように、支持体上、あるいは必要により形成された下塗層上に塗布及び乾燥して形成される。
本発明における支持体は、特に限定しないが、例えば、中性または酸性の上質紙、合成紙、透明または半透明のプラスチックフィルム、白色のプラスチックフィルム等が挙げられる。支持体の厚みは、特に限定しないが、通常、20〜200μm程度である。
本発明では、必要に応じて、支持体と感熱記録層との間に、下塗層を設けることもできる。これにより、記録感度をより高めることができる。下塗層は、吸油量が70ml/100g以上、特に80〜150ml/100g程度の吸油性顔料、及び/または有機中空粒子、及び/または熱膨張性粒子、並びに接着剤を含有する下塗層用塗液を支持体上に塗布及び乾燥して形成される。ここで、吸油量はJIS K 5101に記載の方法に従い、求められる値である。
吸油性顔料としては、各種のものが使用できるが、具体例としては、焼成カオリン、無定形シリカ、軽質炭酸カルシウム、タルク等の無機顔料が挙げられる。これら吸油性顔料の一次粒子の平均粒子径は0.01〜5μm程度、特に0.02〜3μm程度であるのが好ましい。吸油性顔料の含有割合は、広い範囲から選択できるが、一般に下塗層の全固形量中、2〜95質量%程度、特に5〜90質量%程度であるのが好ましい。
また、有機中空粒子としては、従来公知のもの、例えば、膜材がアクリル系樹脂、スチレン系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂等からなる体積中空率が40〜95%程度の粒子が例示できる。有機中空粒子の平均粒子径は0.5〜10μm程度、特に1〜3μm程度であるのが好ましい。前記有機中空粒子の含有割合は、広い範囲から選択できるが、一般に下塗層の全固形量中、2〜90質量%程度、特に5〜70質量%程度であるのが好ましい。
なお、前記吸油性顔料を有機中空粒子と併用する場合、吸油性顔料と有機中空粒子とは前記の含有割合の範囲で使用し、且つ吸油性顔料と有機中空粒子の合計量が下塗層の全固形量中、5〜90質量%程度、特に10〜80質量%程度であるのが好ましい。
下塗層中には、接着剤を含有させることもできる。かかる接着剤としては、保護層に使用できるものの中から適宜選択することができる。これらの接着剤の中でも、澱粉−酢酸ビニルグラフト共重合体、ポリビニルアルコール、スチレン−ブタジエン系ラテックス等が好ましい。
下塗層中に含有される接着剤の含有割合は、広い範囲から選択できるが、一般には下塗層の全固形量中、5〜30質量%程度が好ましく、10〜20質量%程度がより好ましい。
本発明の感熱記録体において、下塗層、感熱記録層、保護層及び最上層の形成方法については、特に限定されず、例えば、エアナイフコーティング、バリバーブレードコーティング、ピュアブレードコーティング、ロッドブレードコーティング、ショートドウェルコーティング、カーテンコーティング、ダイコーティング、グラビアコーティング等の適当な塗布方法により形成することができる。特に、最上層は、オーバープリント(OP)ニス加工と同様に、印刷方式により形成することもできる。また、各層を形成し終えた後、あるいは全ての層を形成し終えた後の任意の過程で、スーパーカレンダー等による平滑化処理を施すこともできる。
なお、必要に応じて、感熱記録体の裏面側にも保護層を設けて、保存性をより一層高めることもできる。あるいは、感熱記録体の裏面側に粘着剤処理を施して粘着ラベルに加工したり、磁気記録層、印刷用塗被層、熱転写記録層等を設けたり、感熱記録体の製造分野における各種の公知技術を必要に応じて付加し得るものである。また、各層を形成し終えた任意の過程で、記録面側に印刷インキにより所望のパターンを印刷することもできる。
本発明を実施例により更に詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。なお、特に断わらない限り、「部」及び「%」は、それぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。また、実施例及び比較例で使用したものの平均粒子径は、レーザ回折式粒度分布測定装置SALD2200(島津製作所社製)を用いて、体積平均粒子径を測定した。
実施例1
・下塗層用塗液の調製
吸油量110ml/100gの焼成カオリン40部、プラスチック中空粒子エマルジョン(商品名:AE852、固形分濃度26%、中空率80%、平均粒子径1.0μm、JSR社製)230部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:L−1571、固形分濃度45%、旭化成社製)30部、完全鹸化ポリビニルアルコール(商品名:PVA124、重合度2400、鹸化度98.0〜99.0mol%、クラレ社製)の15%水溶液30部、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩(商品名:SNウェットOT−70、サンノプコ社製)の5%水溶液2部、及び水60部からなる組成物を混合して下塗層用塗液を得た。
・ロイコ染料及び増感剤の混合分散液(A液)の調製
3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン10部、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン15部、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの15%水溶液10部、及び水30部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が1μmになるまで粉砕して、ロイコ染料と増感剤の混合分散液(以下、A液ともいう)を得た。
・呈色剤の分散液(B液)の調製
4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン15部、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの15%水溶液10部、及び水30部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が1.5μmになるまで粉砕して、呈色剤の分散液(以下、B液ともいう)を得た。
・感熱記録層用塗液の調製
A液55部、B液165部、微粒子状無水シリカ(商品名:ミズカシルP−527、水澤化学社製)25部、軽質炭酸カルシウム(商品名:ブリリアントS−15、白石カルシウム社製)5部、ジアセトン変性ポリビニルアルコール(商品名:DF−17、鹸化度98.5mol%、日本酢ビ・ポバール社製)の10%水溶液120部、アジピン酸ジヒドラジドの30%水分散液10部、ステアリン酸亜鉛の30%水分散液10部、及び水55部からなる組成物を混合して感熱記録層用塗液を得た。
・保護層用塗液の調製
カオリン(商品名:UW−90、BASF社製)の60%スラリー70部、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセファイマー(登録商標)Z−200、日本合成化学工業社製)の10%水溶液180部、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩の10%水溶液2部、及び水150部からなる組成物を混合して保護層用塗液を得た。
・最上層用塗液の調製
エポキシアクリレートオリゴマー(商品名:CN124、巴工業社製)60部、トリメチロールプロパントリアクリレート40部、2−tert−ブチルアントラキノン2部、炭酸カルシウム(商品名:ブリリアント−15、白石工業社製)10部、焼成カオリン(商品名:アンシレックス90、BASF社製)1.5部からなる組成物を3本ロールミルにて混練して最上層用塗液を得た。
・感熱記録体の作製
坪量58g/mの上質紙を支持体として用いて、この片面上に下塗層用塗液、感熱記録層用塗液、保護層用塗液の順に、それぞれ乾燥後の塗布量が7g/m、4g/m、2g/mとなるようにブレードコーターにて塗布及び乾燥して、下塗層、感熱記録層、保護層を形成した後、スーパーカレンダー処理を行い、更に保護層上に最上層用塗液を、紫外線照射装置を有するグラビア印刷機を用いて、塗布量が2g/mとなるように塗布後、この塗布面に紫外線を照射して、紫外線硬化性樹脂の架橋硬化物を含有する最上層を形成し、グラビア印刷機のワインダーで巻き取ることによって、表裏が接触しているロール状の感熱記録体を得た。
実施例2
実施例1の保護層用塗液の調製において、アセトアセチル変性ポリビニルアルコールの10%水溶液に代えて、ジアセトン変性ポリビニルアルコール(商品名:DF−20、日本酢ビ・ポバール社製)の10%水溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例3
実施例1の保護層用塗液の調製において、アセトアセチル変性ポリビニルアルコールの10%水溶液に代えて、完全鹸化ポリビニルアルコール(商品名:PVA−117、クラレ社製)の10%水溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例4
実施例1の最上層用塗液の調製において、炭酸カルシウムの量を10部に代えて17部、焼成カオリンの量を1.5部に代えて2.0部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例5
実施例1の最上層用塗液の調製において、炭酸カルシウムの量を10部に代えて6部、焼成カオリンの量を1.5部に代えて1.0部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例6
実施例1の最上層用塗液の調製において、炭酸カルシウムの量を10部に代えて25部、焼成カオリンの量を1.5部に代えて3.0部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例1
実施例1の最上層用塗液の調製において、炭酸カルシウムの量を10部に代えて30部として以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例2
実施例1の最上層用塗液の調製において、炭酸カルシウムを用いなかった以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例3
実施例1の最上層用塗液の調製において、焼成カオリンの量を1.5部に代えて5.0部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例4
実施例1の最上層用塗液の調製において、焼成カオリンを用いなかった以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例5
実施例1の感熱記録体の作製において、保護層を形成しなかった以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
かくして得られた感熱記録体について、シート状に断裁して、以下の評価を行い、その結果を表1に示した。
・記録濃度
感熱記録評価機(商品名:TH−PMD、大倉電機社製)を用いて、印加エネルギー0.34mJ/dotにて、各感熱記録体を印字し、記録部及び未記録部(地肌部)の濃度をマクベス濃度計(商品名:RD−914型、マクベス社製)のビジュアルモードで測定した。数値が大きい程、印字の濃度が濃いことを示しており、記録部については、実用上、1.50以上であることが好ましく、1.60以上がより好ましい。一方、地肌部については、数値が小さい程好ましく、0.2を超えると、地肌カブリが問題となる。
・光沢度
各感熱記録体の未記録部の75°光沢度(JIS P 8142−1993)を光沢度計(商品名:GM−26D、村上色彩技術研究所社製)で測定した。75°光沢度は、90%以上が好ましく、95%以上がより好ましい。
・耐可塑剤性
ポリカーボネイトパイプ(40mmΦ)上にラップフィルム(商品名:ハイラップKMA−W、三井化学社製)を3重に巻付け、その上に記録濃度測定用で発色させた各感熱記録体を載せ、更にその上にラップフィルムを3重に巻付けて、40℃で24時間放置した後の記録部の濃度をマクベス濃度計(商品名:RD−914型、マクベス社製)のビジュアルモードで測定した。また、下記式により、記録部の保存率を求めた。耐可塑剤性処理後の記録濃度が1.4以上、且つ保存率90%以上が好ましく、95%以上がより好ましい。
保存率(%)=[測定値(処理後の記録濃度)]÷[処理前の記録濃度]×100
・耐スティッキング性
感熱記録評価機(商品名:TH−PMD、大倉電機社製)を用いて、市松パターン(印字部の印加エネルギーは0.34mJ/dot)で印字した際の、耐スティッキング性を下記の基準で評価した。感熱記録体の最上層がプリンターのヘッドに粘着して、部分的に印字できないことを「白跳び」といい、感熱記録体の最上層がプリンターのヘッドに粘着することにより引き起こされるプリンターの騒音を「騒音」という。
○:白跳びの発生がなく、騒音も殆どない。
△:極僅かに白跳びが見られるが、実用上問題のない程度で、騒音は殆どない。
×:白跳びが頻発し、騒音も大きい。
・サーマルヘッドへのカス付着テスト
感熱記録評価機(商品名:TH−PMD、大倉電機社製)を用いて、市松パターン(印字部の印加エネルギーは0.34mJ/dot)で100m印字し、印字後のサーマルヘッドと印字物を目視で観察し、下記のように評価した。印字障害は、記録面の傷や白筋となって現れる。
○:サーマルヘッド上にカスの付着は見られず、印字障害も発生しない。
△:サーマルヘッド上に僅かにカスの付着が見られるが、印字障害は発生せず、実用上問題ない。
×:サーマルヘッドにカスが付着し、印字障害が発生しており、実用上問題がある。
・サーマルヘッドのヘッド切れテスト
感熱記録評価機(商品名:TH−PMD、大倉電機社製)を用いて、ベタ黒(印字部の印加エネルギーは0.34mJ/dot)で100m印字し、白筋の発生状態からヘッド切れを評価した。
○:ヘッド切れが発生しない。
×:ヘッド切れが発生する。
Figure 0005761132
本発明の感熱記録体は、光沢度が高く、スティッキングやカス付着等を抑制し、ヘッドマッチング性に優れる。このため、本発明の感熱記録体は、表面光沢に優れたPOSシステム用の感熱記録体としてだけでなく、本発明における最上層を耐摩擦強度の向上を目的としたオーバープリント(OP)ニスとして広く感熱記録体に適用できるものである。また、感熱記録体の表裏が接触しているロール状またはシート状の感熱記録体として好適に用いられるものである。

Claims (4)

  1. 支持体上に、少なくともロイコ染料と呈色剤を含有する感熱記録層、前記感熱記録層上に顔料と接着剤を含有する保護層、前記保護層上に紫外線硬化性樹脂の架橋硬化物を含有する最上層を備えた感熱記録体において、前記最上層が炭酸カルシウムと焼成カオリンを含有し、前記炭酸カルシウムの含有割合が最上層の全固形量中5〜20質量%であり、前記焼成カオリンの含有割合が最上層の全固形量中0.5〜3.0質量%であることを特徴とする感熱記録体。
  2. 前記最上層中の炭酸カルシウムと焼成カオリンの含有割合の質量比率が、炭酸カルシウム:焼成カオリン=3:1〜15:1である、請求項1に記載の感熱記録体。
  3. 前記保護層中に、接着剤としてアセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール及びカルボキシ変性ポリビニルアルコールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する、請求項1または2に記載の感熱記録体。
  4. 前記感熱記録層中に、更にヒドラジン系化合物を含有する、請求項3に記載の感熱記録体。
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