JP5209115B2 - ニッケル合金スパッタリングターゲット、Ni合金薄膜及びニッケルシリサイド膜 - Google Patents

ニッケル合金スパッタリングターゲット、Ni合金薄膜及びニッケルシリサイド膜 Download PDF

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Description

本発明のターゲットは、エロージョンが進むに従って、選択的にエロージョンがより進む部分と、余り進まない部分との差を極力小さくしてターゲットに厚みのばらつきを減少させ、ターゲットの寿命を長くして使用効率を増加させることができるターゲットに関する。
また、本発明は、熱的に安定なニッケルシリサイド(NiSi)膜の形成が可能であり、またターゲットへの塑性加工性が良好である、特にゲート電極材料(薄膜)の製造に有用なニッケル合金スパッタリングターゲット、スパッタリングにより形成されたNi合金薄膜及びシリコン基板とNi合金薄膜との反応により形成されたニッケルシリサイド膜に関する。
近年、ゲート電極材料としてサリサイドプロセスによるNiSi膜の利用が注目されている。ニッケルはコバルトに比べてサリサイドプロセスによるシリコンの消費量が少なくシリサイド膜を形成することができるという特徴がある。また、NiSiはコバルトシリサイド膜と同様に、配線の微細化による細線抵抗の上昇が起り難いという特徴がある。
このようなことから、ゲート電極材料として高価なコバルトに替えてニッケルを使用することが考えられる。しかし、NiSiの場合は、より安定相であるNiSiへ相転移し易く、界面ラフネスの悪化と高抵抗化する問題がある。また、膜の凝集や過剰なシリサイド化が起り易いという問題もある。
従来、ニッケルシリサイド等の膜を用いるものとして、NiあるいはCo膜の上にTiNなどの金属化合物膜をキャップしてアニールすることによって、シリサイド膜形成時に酸素と反応して絶縁膜を形成してしまうことを防止する技術がある。この場合、酸素とNiが反応して凹凸のある絶縁膜が形成されるのを防ぐために、TiNが使用されている。
凹凸が小さいとNiSi膜とソース/ドレイン拡散層の接合までの距離が長くなるので、接合リークを抑制できるとされている。他にキャップ膜としてはTiC、TiW、TiB、WB、WC、BN、AlN、Mg、CaN、Ge、TaN、TbNi、VB、VC、ZrN、ZrBなどが示されている(特許文献1参照)。
また従来技術では、基板上に形成されたNiSiはシリサイド材料中でも非常に酸化され易くNiSi膜とSi基板との界面領域には凹凸が大きく形成され、接合リークが生じるという問題があることが指摘されている。
この場合、Ni膜上にキャップ膜としてTiN膜をスパッタし、かつこれを熱処理することによりNiSi膜の表面を窒化させる提案がなされている。これによってNiSiが酸化されるのを防ぎ、凹凸の形成を抑制することを目的としている。しかし、TiNをNi上に堆積して形成したNiSi上の窒化膜は薄いため、バリア性を長時間保つことは難しいという問題がある。
そこで窒素ガスを添加した混合ガス(2.5〜10%)雰囲気中でシリサイド膜を形成することにより、シリサイド膜のラフネスを40nm以下、粒径200nm以上とする提案がある。さらにNi上にTi、W、TiNx、WNxのうち一つをキャップすることが望ましいとする。
この場合、窒素ガスを含まないアルゴンガスのみでNiをスパッタし、続いてTiNのキャップ膜をスパッタした後、NイオンをNi膜中にイオン注入することによってNi膜中にNを添加してもよいということが示されている(特許文献2参照)。
また、従来技術として半導体装置とその製造方法が開示され、第一金属:Co、Ni、Pt又はPdと、第二金属:Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta又はCrの組合せが記述されている。実施例では、Co−Tiの組合せがある。
コバルトは、チタンに比べてシリコン酸化膜を還元させる能力が低く、コバルトを堆積する際にシリコン基板やポリシリコン膜表面に存在する自然酸化膜が存在する場合はシリサイド反応が阻害される。さらに耐熱性がチタニウムシリサイド膜より劣り、サリサイドプロセス終了後の層間膜用のシリコン酸化膜の堆積時の熱で、コバルトダイシリサイド(CoSi)膜が凝集して抵抗が上昇してしまう問題があるということが示されている(特許文献3参照)。
また、従来技術として、「半導体装置の製造方法」の開示があり、サリサイド形成の際のオーバーグロースによる短絡を防止するために、コバルトあるいはニッケルにチタン、ジルコニウム、タンタル、モリブデン、ニオブ、ハフニウム及びタングステンより選択された金属との非晶質合金層を形成する技術が示されている。この場合、コバルトの含有量50〜75at%、Ni40Zr60の実施例があるが、非晶質膜とするために合金の含有量が多い(特許文献4参照)。
以上の開示されている従来技術については、いずれも成膜プロセスに関するものでありスパッタリングターゲットに関するものではない。また、従来の高純度ニッケルとしては、ガス成分を除いて〜4N程度であり酸素は100ppm程度と高いものであった。このような従来のニッケルを基としたニッケル合金ターゲットを作製したところ、塑性加工性が悪く品質の良いターゲットを作製することが出来なかった。またスパッタの際にパーティクルが多く、ユニフォーミティも良くないという問題があった。
以上のゲート電極材料の問題点に鑑みて、本出願人は、特に優れた材料としてニッケルをベースとして、これにチタン又は白金を添加したスパッタリングターゲット材を開発し、安定相であるNiSiへ相転移するのを抑制する提案を行った(特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8参照)。
この提案の中で、白金を添加したニッケル合金が最も効果的であり、この提案時点では非常に有用であったが、最近では配線幅の縮小と共に、プロセス温度の上昇は避けられず、さらに高温での熱安定性が求められるようになった。この点を改良したのが、前記特許文献8であり、この点の特徴的特性を備えており、Ptと添加したNi合金の特性と有用性は群を抜いていると言える。
一方、白金を添加したニッケル合金(Ni−Pt合金)の場合、問題となるのは白金が高価であること、またスパッタリングターゲットとして利用する場合に、高透磁率のためにスパッタリング性が悪いという欠点を有することである。透磁率が高いターゲットは、漏洩磁束(PTF)が低いために、スパッタリング時にターゲットの表面に局部的に磁力線が集中し、ターゲットのエロージョン領域が小さいという傾向がある。
このため、エロージョンが進むに従って、選択的にエロージョンがより進む部分と、余り進まない部分との差がより大きくなる。この結果、ターゲットに厚みのばらつきが生じることになる。最もエロージョンが進んだ部分がターゲットの寿命となるので、使用効率が著しく低下するという問題を生ずる。また、エロージョン部分の形状の変化が極端になるため、スパッタ膜の均一性にも影響がでる可能性がある。以上から、ニッケルシリサイド膜の形成に有用なニッケル合金ターゲットとしては、透磁率が極力低く、すなわち漏洩磁束(PTF)が高い材料が求められる。
ニッケルは高透磁率材料の典型とも言える材料であり、このニッケルに白金を添加することにより、透磁率はやや低下する。しかし、上記のようなニッケル合金ターゲットとして、透磁率が極力低く、漏洩磁束(PTF)が高い材料とは言えず、問題の解決に至っていないのが現状である。
従来技術としては、上記の特許文献1−8以外に、ニッケル合金をベースにした技術が、下記特許文献9−17に示すように、いくつか存在する。例えば特許文献9では、Pt−Ni合金ターゲットが、特許文献10−13では、ニッケルシリサイド焼結体ターゲットが、特許文献14には、シリコンを固溶するニッケル合金ターゲットが、特許文献15には、Ni−Si合金ターゲット、高純度ニッケル合金ターゲットが、特許文献17には、Ti−Cu−Ni合金ターゲットが記載されているが、いずれも特性に優れたニッケル−白金合金の上記の問題を解決するものではない。
特開平7−38104号公報 特開平9−153616号公報 特開平11−204791号公報(USP5989988) 特開平5−94966号公報 特開2003−213405号公報 特開2003−213406号公報 WO2005−083138号公報 特開2009−167530号公報 特開昭63−335563号公報 特開平8−144053号公報 特開平8−144054号公報 特開平8−144055号公報 特開平8−67972号公報 特開平10−251848号公報 特表2001−523767号公報 特開2003−213407号公報 特開2005−171341号公報
本発明は、透磁率が高いNi−Pt合金ターゲットの欠点である漏洩磁束(PTF)が低いこと、このためスパッタリング時にターゲットの表面に局部的に磁力線が集中し、ターゲットのエロージョン領域が小さいという傾向があること、そしてターゲットのエロージョンが進むに従って、選択的にエロージョンがより進む部分と、余り進まない部分との差がより大きくなることを抑制することを課題とするものである。
そして、熱的に安定なシリサイド(NiSi)膜の形成が可能であり、膜の凝集や過剰なシリサイド化が起り難く、またスパッタ膜の形成に際してパーティクルの発生が少なく、ユニフォーミティも良好である、特にゲート電極材料(薄膜)の製造に有用なニッケル合金スパッタリングターゲット、Ni合金薄膜及び前記ターゲットにより形成されたニッケルシリサイド膜を提供することを目的としたものである。
上記問題点を解決するため、本発明は高純度ニッケルに白金と共に、特殊な金属元素を添加することにより、選択的にエロージョンがより進む部分と、余り進まない部分との差を極力小さくしてターゲットに厚みのばらつきを減少させ、ターゲットの寿命を長くして使用効率を増加させることができ、さらに熱的に安定したシリサイド(NiSi)成膜が可能であり、スパッタリングの際にパーティクルの発生が少なく、ユニフォーミティも良好であり、さらに透磁率を低下させ、漏洩磁束(PTF)を増大させてスパッタリングを容易にすると共に、さらにこのターゲットを用いた成膜によりNiSiからNiSiへの相変化を抑制できるニッケルシリサイド膜を得ることができるとの知見を得た。
この知見に基づき、本発明は
1)Ptを5〜30at%、V,Al,Cr,Ti,Mo,Siから選択した1成分以上を合計1〜5at%含有し、残部がNi及び不可避不純物からなることを特徴とするNi合金スパッタリングターゲット、を提供する。
また本発明は、
2)Ptを5〜30at%、V,Al,Cr,Ti,Mo,Siから選択した1成分以上を合計1〜5at%含有し、残部がNi及び不可避不純物である組成を有し、スパッタリング法によって成膜されたことを特徴とするNi合金薄膜、を提供する。
また、本発明は、
3)Ptを5〜30at%、V,Al,Cr,Ti,Mo,Siから選択した1成分以上を合計1〜5at%含有し、残部がNi及び不可避不純物からなるNi合金スパッタリングターゲットを用いてスパッタリングすることにより、シリコン基板上にニッケル合金膜を形成し、このニッケル合金膜とシリコン基板との反応により形成したニッケルシリサイド膜、を提供する。
上記問題点を解決するため、高純度ニッケルに白金と共に、上記の特殊な金属元素を添加することにより、熱的に安定したシリサイド(NiSi)成膜が可能であり、スパッタリングの際にパーティクルの発生が少なく、ユニフォーミティも良好であるという効果を有する。
また、白金を添加したニッケル合金(Ni−Pt合金)の場合の高価な白金の添加を極力少なくすると共に、あくまでNi−Pt合金としての特性を維持すると共に、透磁率を低下させ、漏洩磁束(PTF)を増大化させることにより、スパッタリング時にターゲットの表面に局部的に磁力線が集中するのを抑制し、ターゲットのエロージョン領域を極力増加させることができるという著しい効果を有する。
これによって、本願発明のターゲットは、エロージョンが進むに従って、選択的にエロージョンがより進む部分と、余り進まない部分との差を極力小さくしてターゲットの厚みのばらつきを減少させ、ターゲットの寿命を長くして使用効率を増加させることができる効果を備えている。また、エロージョン部分の形状の変化が極端に大きくなるのを防止できるため、スパッタ膜の均一性も良好となる効果がある。このような総合的な効果を有するものであり、さらにこのターゲットを用いた成膜によりNiSiからNiSiへの相変化を抑制できるニッケルシリサイド膜を得ることができる著しい効果を有するものである。
ターゲットを100kWhのライフまでスパッタリングしたときのエロージョンプロファイルの概要を示す図である。
本発明のターゲットは、粗Ni(〜4N程度)を電解精製にて、金属不純物成分を除去したのち、EB溶解にてさらに精製して高純度ニッケルインゴットとし、このインゴットと高純度白金及び高純度のV,Al,Cr,Ti,Mo,Siから選択した1成分以上を1〜5at%添加して、これらを真空溶解し、高純度ニッケル合金インゴットを作製する。
不純物の量を特に制限しないことも可能であるが、不純物の存在は、それだけ成膜したNi合金薄膜の膜質に影響を与えるので、極力純度を維持することが望ましいと言える。真空溶解に際しては、水冷銅製坩堝を用いたコールドクルーシブル溶解法が適している。この合金インゴットを鍛造、圧延などの工程で板状にして、最終的に再結晶温度(約500°C)〜950°Cで熱処理することによりターゲットを作製する。
上記の組成を持つ本願発明のターゲットは、エロージョンが進むに従って、選択的にエロージョンがより進む部分と、余り進まない部分との差を極力小さくすることが可能であり、これによってターゲットの厚みのばらつきを減少させ、ターゲットの寿命を長くして使用効率を増加させることができる。このため、エロージョン部分の形状の変化が極端になるのを防止できるため、スパッタ膜の均一性も良好となる効果がある。上記の添加元素は、このような総合的な効果を有する。
また、白金(Pt)の添加量は5〜30at%とするものであるが、この白金の添加量が少なすぎると、高温でのニッケル合金層の熱安定性が向上しない。添加量が多すぎると、膜抵抗が大きくなりすぎて適当でないばかりか、金属間化合物の量が多くなり塑性加工が困難となって、スパッタ時のパーティクルも多くなるという問題がある。上記の数値は特性を維持する上限値と下限値である。
さらに、本願発明は、V,Al,Cr,Ti,Mo,Siから選択した1成分以上を1〜5at%(総量で)含有させる。これらの添加元素は、Ni中に固溶した状態で存在する。この添加は、非常に大きな意味を持つ、これらの合金元素は、Ni−Pt合金の透磁率を低下させ、漏洩磁束(PTF)を増大させる大きな役割を有する。この合金元素は、スパッタリング時にターゲットの表面に局部的に磁力線が集中するのを抑制し、ターゲットのエロージョン領域を極力増加させることができるという著しい効果を有する。
上記の通り、白金(Pt)の添加量を5〜30at%、好ましくは5at%超20at%未満とすることに加えて、V,Al,Cr,Ti,Mo,Siから選択した1成分以上を1〜5at%(総量で)含有させることにより、高温でのニッケル合金層の熱安定性をさらに向上させる効果を有する。
V,Al,Cr,Ti,Mo,Siから選択した1成分以上の添加量が1at%未満であるとこの効果は少ない。また、添加量が5at%を超えるとNi−Pt合金としての特性を低下させる可能性があるので、上記の範囲とする。
すなわち、上記の添加量であれば、合金元素の添加は、Ni合金薄膜の特性を低下させるものではない。さらにこの合金元素の添加により、Ptを単独で添加する場合に比べて、サリサイドプロセスにおけるNiSiからNiSiへの相変化を効果的に抑制できるという付加的効果もある。
すなわち、本発明の白金添加ニッケル合金を用いてSi基板上にスパッタリングし、さらにこのスパッタ成膜を窒素雰囲気中で加熱した後、XRD(X線回折法)により結晶構造の変化温度を測定したところ、Ptを5〜30at%、V,Al,Cr,Ti,Mo,Siから選択した1成分以上を1〜5at%添加することにより50〜100°Cの相変化温度が上昇し、明らかな熱安定性が確認できた。
すなわち、サリサイドプロセスによるニッケルシリサイド膜を形成した場合、NiSiからNiSiへの相変化温度750°C以上を達成し、さらにはNiSiからNiSiへの相変化温度が800°C以上とすることが可能となった。
その他、スパッタリングの際のパーティクル発生を減少させ、ユニフォーミティを良好にするために、ガス成分を除く不可避不純物を100wtppm以下とすることが望ましい。より好ましくはガス成分を除く不可避不純物を10wtppm以下とする。
また、ガス成分もパーティクル発生を増加させる要因となるので、酸素50wtppm以下、より好ましくは10wtppm以下、窒素、水素及び炭素をそれぞれ10wtppm以下とするのが望ましい。
ターゲットの初透磁率が50以上(好ましくは100程度)、さらには最大透磁率100以上にすることがスパッタ特性に対して重要である。
再結晶温度以上(約500°C)〜950°Cで最終熱処理を行い実質的な再結晶組織とする。熱処理温度が500°C未満であると十分な再結晶組織が得られない。また、透磁率及び最大透磁率の向上も無い。
本発明のターゲットにおいては、多少の未再結晶の存在は特性に影響しないが、多量の存在は好ましくない。ターゲットの平均結晶粒径が80μm以下であることが望ましい。
950°Cを超える最終熱処理は、平均結晶粒径を粗大化させるので好ましくない。平均結晶粒径が粗大化すると、結晶粒径のばらつきが大きくなり、ユニフォーミティの低下となる。
次に、本発明の実施例及び比較例について説明する。なお、本実施例はあくまで一例であり、この例に制限されるものではない。すなわち、本発明の技術思想の範囲内で、実施例以外の態様あるいは変形を全て包含するものである。
(実施例1)
粗Ni(〜4N程度)を電解精製にて、金属不純物成分を除去したのち、EB溶解にてさらに精製して高純度ニッケルインゴット(99.999wt%)とした。
添加元素として、このインゴットと同程度の純度の高純度白金10at%、同様の純度のVを選択し、これを1at%添加した。次に、これらを真空溶解して高純度ニッケル合金インゴットを作製した。
この材料の真空溶解に際しては、水冷銅製坩堝を用いたコールドクルーシブル溶解法を用いた。ターゲットへの塑性加工性は良好であり、特に問題はなかった。
溶解、鋳造して得た合金インゴットを鍛造及び圧延工程で板状にし、最終的に500〜950°Cで熱処理した後、機械加工することによりターゲットを作製した。このターゲットのサイズはφ440mm×3mmtである。ターゲットの透磁率は、100〜110H/mであった。なお、参考までに示すと、Niの透磁率は250H/mであり、本実施例の約2.5倍である。
なお、透磁率の測定は、ターゲットを放射状に均一に17点測定し、その平均値とした。以下の実施例及び比較例は、同様にして測定した。
このようにして得たニッケル合金ターゲットを用い、マグネトロンスパッタリング装置を使用して、シリコン基板上にスパッタリングした。ターゲットを100kWhのライフまでスパッタリングしたときのエロージョンプロファイルの概要を図1の(2)に示す。
被エロージョン体積は、元のターゲットと比較すると1/4で、後述する比較例に比べると、全体的にエロージョンされているのが確認できる。
この図1の(2)に示すように、ターゲットの裏側に磁石のある部分と無い部分とで、エロージョン部に大きな高低差が少なく、それだけ使用効率が増大した。また、500Å成膜までの時間は、20s(秒)であった。これは、透磁率が小さいために、成膜時間が20s(秒)とスパッタレートが速くなったことを意味する。また、スループットの効率がアップしたので、単位時間の処理枚数は増加した。
さらに、このスパッタ成膜を窒素雰囲気で加熱し、シート抵抗値の変化温度を測定したところ、熱処理温度400〜850°Cでは、シート抵抗値の上昇はほとんど認められず、70Ω/□(Ohm/square)未満、通常30〜60Ω/□(Ohm/square)程度であり、単なる白金添加の場合に比較して、遜色のない結果が得られた。高温に加熱してもシート抵抗値が上がらないことは、NiSiからNiSiへの相変化が起こらないことを意味している。
この実施例1においては、Vを1〜5at%添加する限りにおいて、同様の結果が得られた。
(実施例2)
実施例1と同様に、粗Ni(〜4N程度)を電解精製にて、金属不純物成分を除去したのち、EB溶解にてさらに精製して高純度ニッケルインゴット(99.999wt%)とした。
添加元素として、このインゴットと同程度の純度の高純度白金10at%、同様の純度のAlを選択し、これを2at%添加した。次に、これらを真空溶解して高純度ニッケル合金インゴットを作製した。
この材料の真空溶解に際しては、水冷銅製坩堝を用いたコールドクルーシブル溶解法を用いた。ターゲットへの塑性加工性は良好であり、特に問題はなかった。
溶解、鋳造して得た合金インゴットを鍛造及び圧延工程で板状にし、最終的に500〜950°Cで熱処理した後、機械加工することによりターゲットを作製した。このターゲットのサイズはφ440mm×3mmtである。ターゲットの透磁率は、90〜100H/mであった。なお、参考までに示すと、Niの透磁率は250H/mであり、本実施例の約3倍である。
このようにして得たニッケル合金ターゲットを用い、マグネトロンスパッタリング装置を使用して、シリコン基板上にスパッタリングした。ターゲットを100kWhのライフまでスパッタリングしたときのエロージョンプロファイルの概要を図1の(2)に示す。
被エロージョン体積は、元のターゲットと比較すると1/4で、後述する比較例に比べると、全体的にエロージョンされているのが確認できる。
実施例1と同様に、図1の(2)に示すように、ターゲットの裏側に磁石のある部分と無い部分とで、エロージョン部に大きな高低差が少なく、それだけ使用効率が増大した。また、500Å成膜までの時間は、20s(秒)であった。これは、透磁率が小さいために、成膜時間が20s(秒)とスパッタレートが速くなったことを意味する。また、スループットの効率がアップしたので、単位時間の処理枚数は増加した。
さらに、このスパッタ成膜を窒素雰囲気で加熱し、シート抵抗値の変化温度を測定したところ、熱処理温度400〜850°Cでは、シート抵抗値の上昇はほとんど認められず、70Ω/□(Ohm/square)未満、通常30〜60Ω/□(Ohm/square)程度であり、単なる白金添加の場合に比較して、遜色のない結果が得られた。高温に加熱してもシート抵抗値が上がらないことは、NiSiからNiSiへの相変化が起こらないことを意味している。
この実施例2においては、Alを1〜5at%添加する限りにおいて、同様の結果が得られた。
(実施例3)
実施例1と同様に、粗Ni(〜4N程度)を電解精製にて、金属不純物成分を除去したのち、EB溶解にてさらに精製して高純度ニッケルインゴット(99.999wt%)とした。
添加元素として、このインゴットと同程度の純度の高純度白金10at%、同様の純度のCrを選択し、これを3at%添加した。次に、これらを真空溶解して高純度ニッケル合金インゴットを作製した。
この材料の真空溶解に際しては、水冷銅製坩堝を用いたコールドクルーシブル溶解法を用いた。ターゲットへの塑性加工性は良好であり、特に問題はなかった。
溶解、鋳造して得た合金インゴットを鍛造及び圧延工程で板状にし、最終的に500〜950°Cで熱処理した後、機械加工することによりターゲットを作製した。このターゲットのサイズはφ440mm×3mmtである。ターゲットの透磁率は、90〜100H/mであった。なお、参考までに示すと、Niの透磁率は250H/mであり、本実施例の約3倍である。
このようにして得たニッケル合金ターゲットを用い、マグネトロンスパッタリング装置を使用して、シリコン基板上にスパッタリングした。ターゲットを100kWhのライフまでスパッタリングしたときのエロージョンプロファイルの概要を図1の(2)に示す。
被エロージョン体積は、元のターゲットと比較すると1/4で、後述する比較例に比べると、全体的にエロージョンされているのが確認できる。
実施例1と同様に、図1の(2)に示すように、ターゲットの裏側に磁石のある部分と無い部分とで、エロージョン部に大きな高低差が少なく、それだけ使用効率が増大した。また、500Å成膜までの時間は、20s(秒)であった。これは、透磁率が小さいために、成膜時間が20s(秒)とスパッタレートが速くなったことを意味する。また、スループットの効率がアップしたので、単位時間の処理枚数は増加した。
さらに、このスパッタ成膜を窒素雰囲気で加熱し、シート抵抗値の変化温度を測定したところ、熱処理温度400〜850°Cでは、シート抵抗値の上昇はほとんど認められず、70Ω/□(Ohm/square)未満、通常30〜60Ω/□(Ohm/square)程度であり、単なる白金添加の場合に比較して、遜色のない結果が得られた。高温に加熱してもシート抵抗値が上がらないことは、NiSiからNiSiへの相変化が起こらないことを意味している。
この実施例3においては、Crを1〜5at%添加する限りにおいて、同様の結果が得られた。
(実施例4)
実施例1と同様に、粗Ni(〜4N程度)を電解精製にて、金属不純物成分を除去したのち、EB溶解にてさらに精製して高純度ニッケルインゴット(99.999wt%)とした。
添加元素として、このインゴットと同程度の純度の高純度白金10at%、同様の純度のTiを選択し、これを4at%添加した。次に、これらを真空溶解して高純度ニッケル合金インゴットを作製した。
この材料の真空溶解に際しては、水冷銅製坩堝を用いたコールドクルーシブル溶解法を用いた。ターゲットへの塑性加工性は良好であり、特に問題はなかった。
溶解、鋳造して得た合金インゴットを鍛造及び圧延工程で板状にし、最終的に500〜950°Cで熱処理した後、機械加工することによりターゲットを作製した。このターゲットのサイズはφ440mm×3mmtである。ターゲットの透磁率は、80〜90H/mであった。なお、参考までに示すと、Niの透磁率は250H/mであり、本実施例の約3倍である。
このようにして得たニッケル合金ターゲットを用い、マグネトロンスパッタリング装置を使用して、シリコン基板上にスパッタリングした。ターゲットを100kWhのライフまでスパッタリングしたときのエロージョンプロファイルの概要を図1の(2)に示す。
被エロージョン体積は、元のターゲットと比較すると1/4で、後述する比較例に比べると、全体的にエロージョンされているのが確認できる。
実施例1と同様に、図1の(2)に示すように、ターゲットの裏側に磁石のある部分と無い部分とで、エロージョン部に大きな高低差が少なく、それだけ使用効率が増大した。また、500Å成膜までの時間は、20s(秒)であった。これは、透磁率が小さいために、成膜時間が20s(秒)とスパッタレートが速くなったことを意味する。また、スループットの効率がアップしたので、単位時間の処理枚数は増加した。
さらに、このスパッタ成膜を窒素雰囲気で加熱し、シート抵抗値の変化温度を測定したところ、熱処理温度400〜850°Cでは、シート抵抗値の上昇はほとんど認められず、70Ω/□(Ohm/square)未満、通常30〜60Ω/□(Ohm/square)程度であり、単なる白金添加の場合に比較して、遜色のない結果が得られた。高温に加熱してもシート抵抗値が上がらないことは、NiSiからNiSiへの相変化が起こらないことを意味している。
この実施例4においては、Tiを1〜5at%添加する限りにおいて、同様の結果が得られた。
(実施例5)
実施例1と同様に、粗Ni(〜4N程度)を電解精製にて、金属不純物成分を除去したのち、EB溶解にてさらに精製して高純度ニッケルインゴット(99.999wt%)とした。
添加元素として、このインゴットと同程度の純度の高純度白金10at%、同様の純度のMoを選択し、これを5at%添加した。次に、これらを真空溶解して高純度ニッケル合金インゴットを作製した。
この材料の真空溶解に際しては、水冷銅製坩堝を用いたコールドクルーシブル溶解法を用いた。ターゲットへの塑性加工性は良好であり、特に問題はなかった。
溶解、鋳造して得た合金インゴットを鍛造及び圧延工程で板状にし、最終的に500〜950°Cで熱処理した後、機械加工することによりターゲットを作製した。このターゲットのサイズはφ440mm×3mmtである。ターゲットの透磁率は、70〜80H/mであった。なお、参考までに示すと、Niの透磁率は250H/mであり、本実施例の約3倍である。
このようにして得たニッケル合金ターゲットを用い、マグネトロンスパッタリング装置を使用して、シリコン基板上にスパッタリングした。ターゲットを100kWhのライフまでスパッタリングしたときのエロージョンプロファイルの概要を図1の(2)に示す。
被エロージョン体積は、元のターゲットと比較すると1/4で、後述する比較例に比べると、全体的にエロージョンされているのが確認できる。
実施例1と同様に、図1の(2)に示すように、ターゲットの裏側に磁石のある部分と無い部分とで、エロージョン部に大きな高低差が少なく、それだけ使用効率が増大した。また、500Å成膜までの時間は、20s(秒)であった。これは、透磁率が小さいために、成膜時間が20s(秒)とスパッタレートが速くなったことを意味する。また、スループットの効率がアップしたので、単位時間の処理枚数は増加した。
さらに、このスパッタ成膜を窒素雰囲気で加熱し、シート抵抗値の変化温度を測定したところ、熱処理温度400〜850°Cでは、シート抵抗値の上昇はほとんど認められず、70Ω/□(Ohm/square)未満、通常30〜60Ω/□(Ohm/square)程度であり、単なる白金添加の場合に比較して、遜色のない結果が得られた。高温に加熱してもシート抵抗値が上がらないことは、NiSiからNiSiへの相変化が起こらないことを意味している。
この実施例5においては、Moを1〜5at%添加する限りにおいて、同様の結果が得られた。
(実施例6)
実施例1と同様に、粗Ni(〜4N程度)を電解精製にて、金属不純物成分を除去したのち、EB溶解にてさらに精製して高純度ニッケルインゴット(99.999wt%)とした。
添加元素として、このインゴットと同程度の純度の高純度白金10at%、同様の純度のSiを選択し、これを2.5at%添加した。次に、これらを真空溶解して高純度ニッケル合金インゴットを作製した。
この材料の真空溶解に際しては、水冷銅製坩堝を用いたコールドクルーシブル溶解法を用いた。ターゲットへの塑性加工性は良好であり、特に問題はなかった。
溶解、鋳造して得た合金インゴットを鍛造及び圧延工程で板状にし、最終的に500〜950°Cで熱処理した後、機械加工することによりターゲットを作製した。このターゲットのサイズはφ440mm×3mmtである。ターゲットの透磁率は、80〜90H/mであった。なお、参考までに示すと、Niの透磁率は250H/mであり、本実施例の約3倍である。
このようにして得たニッケル合金ターゲットを用い、マグネトロンスパッタリング装置を使用して、シリコン基板上にスパッタリングした。ターゲットを100kWhのライフまでスパッタリングしたときのエロージョンプロファイルの概要を図1の(2)に示す。
被エロージョン体積は、元のターゲットと比較すると1/4で、後述する比較例に比べると、全体的にエロージョンされているのが確認できる。
実施例1と同様に、図1の(2)に示すように、ターゲットの裏側に磁石のある部分と無い部分とで、エロージョン部に大きな高低差が少なく、それだけ使用効率が増大した。また、500Å成膜までの時間は、20s(秒)であった。これは、透磁率が小さいために、成膜時間が20s(秒)とスパッタレートが速くなったことを意味する。また、スループットの効率がアップしたので、単位時間の処理枚数は増加した。
さらに、このスパッタ成膜を窒素雰囲気で加熱し、シート抵抗値の変化温度を測定したところ、熱処理温度400〜850°Cでは、シート抵抗値の上昇はほとんど認められず、70Ω/□(Ohm/square)未満、通常30〜60Ω/□(Ohm/square)程度であり、単なる白金添加の場合に比較して、遜色のない結果が得られた。高温に加熱してもシート抵抗値が上がらないことは、NiSiからNiSiへの相変化が起こらないことを意味している。
この実施例6においては、Siを1〜5at%添加する限りにおいて、同様の結果が得られた。
(実施例7)
実施例1と同様に、粗Ni(〜4N程度)を電解精製にて、金属不純物成分を除去したのち、EB溶解にてさらに精製して高純度ニッケルインゴット(99.999wt%)とした。
添加元素として、このインゴットと同程度の純度の高純度白金10at%、同様の純度のVとAlを選択し、これらをそれぞれ1at%、1.5at%添加した。次に、これらを真空溶解して高純度ニッケル合金インゴットを作製した。
この材料の真空溶解に際しては、水冷銅製坩堝を用いたコールドクルーシブル溶解法を用いた。ターゲットへの塑性加工性は良好であり、特に問題はなかった。
溶解、鋳造して得た合金インゴットを鍛造及び圧延工程で板状にし、最終的に500〜950°Cで熱処理した後、機械加工することによりターゲットを作製した。このターゲットのサイズはφ440mm×3mmtである。ターゲットの透磁率は、80〜90H/mであった。なお、参考までに示すと、Niの透磁率は250H/mであり、本実施例の約3倍である。
このようにして得たニッケル合金ターゲットを用い、マグネトロンスパッタリング装置を使用して、シリコン基板上にスパッタリングした。ターゲットを100kWhのライフまでスパッタリングしたときのエロージョンプロファイルの概要を図1の(2)に示す。
被エロージョン体積は、元のターゲットと比較すると1/4で、後述する比較例に比べると、全体的にエロージョンされているのが確認できる。
実施例1と同様に、図1の(2)に示すように、ターゲットの裏側に磁石のある部分と無い部分とで、エロージョン部に大きな高低差が少なく、それだけ使用効率が増大した。また、500Å成膜までの時間は、20s(秒)であった。これは、透磁率が小さいために、成膜時間が20s(秒)とスパッタレートが速くなったことを意味する。また、スループットの効率がアップしたので、単位時間の処理枚数は増加した。
さらに、このスパッタ成膜を窒素雰囲気で加熱し、シート抵抗値の変化温度を測定したところ、熱処理温度400〜850°Cでは、シート抵抗値の上昇はほとんど認められず、70Ω/□(Ohm/square)未満、通常30〜60Ω/□(Ohm/square)程度であり、であり、単なる白金添加の場合に比較して、遜色のない結果が得られた。高温に加熱してもシート抵抗値が上がらないことは、NiSiからNiSiへの相変化が起こらないことを意味している。
この実施例7においては、VとAlを総量で1〜5at%添加する限りにおいて、同様の結果が得られた。
(実施例8)
実施例1と同様に、粗Ni(〜4N程度)を電解精製にて、金属不純物成分を除去したのち、EB溶解にてさらに精製して高純度ニッケルインゴット(99.999wt%)とした。
添加元素として、このインゴットと同程度の純度の高純度白金10at%、同様の純度のCrとTiを選択し、これらをそれぞれ2at%、1.5at%添加した。次に、これらを真空溶解して高純度ニッケル合金インゴットを作製した。
この材料の真空溶解に際しては、水冷銅製坩堝を用いたコールドクルーシブル溶解法を用いた。ターゲットへの塑性加工性は良好であり、特に問題はなかった。
溶解、鋳造して得た合金インゴットを鍛造及び圧延工程で板状にし、最終的に500〜950°Cで熱処理した後、機械加工することによりターゲットを作製した。このターゲットのサイズはφ440mm×3mmtである。ターゲットの透磁率は、80〜90H/mであった。なお、参考までに示すと、Niの透磁率は250H/mであり、本実施例の約3倍である。
このようにして得たニッケル合金ターゲットを用い、マグネトロンスパッタリング装置を使用して、シリコン基板上にスパッタリングした。ターゲットを100kWhのライフまでスパッタリングしたときのエロージョンプロファイルの概要を図1の(2)に示す。
被エロージョン体積は、元のターゲットと比較すると1/4で、後述する比較例に比べると、全体的にエロージョンされているのが確認できる。
実施例1と同様に、図1の(2)に示すように、ターゲットの裏側に磁石のある部分と無い部分とで、エロージョン部に大きな高低差が少なく、それだけ使用効率が増大した。また、500Å成膜までの時間は、20s(秒)であった。これは、透磁率が小さいために、成膜時間が20s(秒)とスパッタレートが速くなったことを意味する。また、スループットの効率がアップしたので、単位時間の処理枚数は増加した。
さらに、このスパッタ成膜を窒素雰囲気で加熱し、シート抵抗値の変化温度を測定したところ、熱処理温度400〜850°Cでは、シート抵抗値の上昇はほとんど認められず、70Ω/□(Ohm/square)未満、通常30〜60Ω/□(Ohm/square)程度であり、単なる白金添加の場合に比較して、遜色のない結果が得られた。高温に加熱してもシート抵抗値が上がらないことは、NiSiからNiSiへの相変化が起こらないことを意味している。
この実施例8においては、CrとTiを総量で1〜5at%添加する限りにおいて、同様の結果が得られた。
(実施例9)
実施例1と同様に、粗Ni(〜4N程度)を電解精製にて、金属不純物成分を除去したのち、EB溶解にてさらに精製して高純度ニッケルインゴット(99.999wt%)とした。
添加元素として、このインゴットと同程度の純度の高純度白金10at%、同様の純度のMoとSiを選択し、これらをそれぞれ1.5at%、2at%添加した。次に、これらを真空溶解して高純度ニッケル合金インゴットを作製した。
この材料の真空溶解に際しては、水冷銅製坩堝を用いたコールドクルーシブル溶解法を用いた。ターゲットへの塑性加工性は良好であり、特に問題はなかった。
溶解、鋳造して得た合金インゴットを鍛造及び圧延工程で板状にし、最終的に500〜950°Cで熱処理した後、機械加工することによりターゲットを作製した。このターゲットのサイズはφ440mm×3mmtである。ターゲットの透磁率は、80〜90H/mであった。なお、参考までに示すと、Niの透磁率は250H/mであり、本実施例の約3倍である。
このようにして得たニッケル合金ターゲットを用い、マグネトロンスパッタリング装置を使用して、シリコン基板上にスパッタリングした。ターゲットを100kWhのライフまでスパッタリングしたときのエロージョンプロファイルの概要を図1の(2)に示す。
被エロージョン体積は、元のターゲットと比較すると1/4で、後述する比較例に比べると、全体的にエロージョンされているのが確認できる。
実施例1と同様に、図1の(2)に示すように、ターゲットの裏側に磁石のある部分と無い部分とで、エロージョン部に大きな高低差が少なく、それだけ使用効率が増大した。また、500Å成膜までの時間は、20s(秒)であった。これは、透磁率が小さいために、成膜時間が20s(秒)とスパッタレートが速くなったことを意味する。また、スループットの効率がアップしたので、単位時間の処理枚数は増加した。
さらに、このスパッタ成膜を窒素雰囲気で加熱し、シート抵抗値の変化温度を測定したところ、熱処理温度400〜850°Cでは、シート抵抗値の上昇はほとんど認められず、70Ω/□(Ohm/square)未満、通常30〜60Ω/□(Ohm/square)程度であり、単なる白金添加の場合に比較して、遜色のない結果が得られた。高温に加熱してもシート抵抗値が上がらないことは、NiSiからNiSiへの相変化が起こらないことを意味している。
この実施例9においては、MoとSiを総量で1〜5at%添加する限りにおいて、同様の結果が得られた。
(実施例10)
実施例1と同様に、粗Ni(〜4N程度)を電解精製にて、金属不純物成分を除去したのち、EB溶解にてさらに精製して高純度ニッケルインゴット(99.999wt%)とした。
添加元素として、このインゴットと同程度の純度の高純度白金10at%、同様の純度のV、Cr、Moを選択し、これらをそれぞれ1.0at%、1.5at%、1at%添加した。次に、これらを真空溶解して高純度ニッケル合金インゴットを作製した。
この材料の真空溶解に際しては、水冷銅製坩堝を用いたコールドクルーシブル溶解法を用いた。ターゲットへの塑性加工性は良好であり、特に問題はなかった。
溶解、鋳造して得た合金インゴットを鍛造及び圧延工程で板状にし、最終的に500〜950°Cで熱処理した後、機械加工することによりターゲットを作製した。このターゲットのサイズはφ440mm×3mmtである。ターゲットの透磁率は、80〜90H/mであった。なお、参考までに示すと、Niの透磁率は250H/mであり、本実施例の約3倍である。
このようにして得たニッケル合金ターゲットを用い、マグネトロンスパッタリング装置を使用して、シリコン基板上にスパッタリングした。ターゲットを100kWhのライフまでスパッタリングしたときのエロージョンプロファイルの概要を図1の(2)に示す。
被エロージョン体積は、元のターゲットと比較すると1/4で、後述する比較例に比べると、全体的にエロージョンされているのが確認できる。
実施例1と同様に、図1の(2)に示すように、ターゲットの裏側に磁石のある部分と無い部分とで、エロージョン部に大きな高低差が少なく、それだけ使用効率が増大した。また、500Å成膜までの時間は、20s(秒)であった。これは、透磁率が小さいために、成膜時間が20s(秒)とスパッタレートが速くなったことを意味する。また、スループットの効率がアップしたので、単位時間の処理枚数は増加した。
さらに、このスパッタ成膜を窒素雰囲気で加熱し、シート抵抗値の変化温度を測定したところ、熱処理温度400〜850°Cでは、シート抵抗値の上昇はほとんど認められず、70Ω/□(Ohm/square)未満、通常30〜60Ω/□(Ohm/square)程度であり、単なる白金添加の場合に比較して、遜色のない結果が得られた。高温に加熱してもシート抵抗値が上がらないことは、NiSiからNiSiへの相変化が起こらないことを意味している。
この実施例10においては、VとCrとMoを総量で1〜5at%添加する限りにおいて、同様の結果が得られた。
(実施例11)
実施例1と同様に、粗Ni(〜4N程度)を電解精製にて、金属不純物成分を除去したのち、EB溶解にてさらに精製して高純度ニッケルインゴット(99.999wt%)とした。
添加元素として、このインゴットと同程度の純度の高純度白金10at%、同様の純度のAl、Ti、Siを選択し、これらをそれぞれ1.5at%、1.0at%、1.5at%添加した。次に、これらを真空溶解して高純度ニッケル合金インゴットを作製した。
この材料の真空溶解に際しては、水冷銅製坩堝を用いたコールドクルーシブル溶解法を用いた。ターゲットへの塑性加工性は良好であり、特に問題はなかった。
溶解、鋳造して得た合金インゴットを鍛造及び圧延工程で板状にし、最終的に500〜950°Cで熱処理した後、機械加工することによりターゲットを作製した。このターゲットのサイズはφ440mm×3mmtである。ターゲットの透磁率は、80〜90H/mであった。なお、参考までに示すと、Niの透磁率は250H/mであり、本実施例の約3倍である。
このようにして得たニッケル合金ターゲットを用い、マグネトロンスパッタリング装置を使用して、シリコン基板上にスパッタリングした。ターゲットを100kWhのライフまでスパッタリングしたときのエロージョンプロファイルの概要を図1の(2)に示す。
被エロージョン体積は、元のターゲットと比較すると1/4で、後述する比較例に比べると、全体的にエロージョンされているのが確認できる。
実施例1と同様に、図1の(2)に示すように、ターゲットの裏側に磁石のある部分と無い部分とで、エロージョン部に大きな高低差が少なく、それだけ使用効率が増大した。また、500Å成膜までの時間は、20s(秒)であった。これは、透磁率が小さいために、成膜時間が20s(秒)とスパッタレートが速くなったことを意味する。また、スループットの効率がアップしたので、単位時間の処理枚数は増加した。
さらに、このスパッタ成膜を窒素雰囲気で加熱し、シート抵抗値の変化温度を測定したところ、熱処理温度400〜850°Cでは、シート抵抗値の上昇はほとんど認められず、70Ω/□(Ohm/square)未満、通常30〜60Ω/□(Ohm/square)程度であり、単なる白金添加の場合に比較して、遜色のない結果が得られた。高温に加熱してもシート抵抗値が上がらないことは、NiSiからNiSiへの相変化が起こらないことを意味している。
この実施例11においては、AlとTiとSiを総量で1〜5at%添加する限りにおいて、同様の結果が得られた。
(比較例1)
実施例1と同様に、粗Ni(〜4N程度)を電解精製にて、金属不純物成分を除去したのち、EB溶解にてさらに精製して高純度ニッケルインゴット(99.999wt%)とした。
このインゴットと同程度の純度の、高純度白金10at%添加した。副成分の添加はしていない。次に、これらを真空溶解して高純度ニッケル合金インゴットを作製した。
この材料の真空溶解に際しては、水冷銅製坩堝を用いたコールドクルーシブル溶解法を用いた。ターゲットへの塑性加工性は良好であり、特に問題はなかった。
溶解、鋳造して得た合金インゴットを鍛造及び圧延工程で板状にし、最終的に500〜950°Cで熱処理した後、機械加工することによりターゲットを作製した。このターゲットのサイズはφ440mm×3mmtである。ターゲットの透磁率は、140H/mであった。なお、参考までに示すと、Niの透磁率は250H/mであり、本実施例の約1.5倍である。
このようにして得たニッケル合金ターゲットを用い、マグネトロンスパッタリング装置を使用して、シリコン基板上にスパッタリングした。ターゲットを100kWhのライフまでスパッタリングしたときのエロージョンプロファイルの概要を図1の(1)に示す。
被エロージョン体積は、元のターゲットと比較すると1/5でエロージョンの深い部分は、断面三角形にドーナツ型にエロージョンされていた。
図1の(1)に示すように、ターゲットの裏側に磁石のある部分と無い部分とで、エロージョン部の高低差が大きく、実施例と明らかに相違した。また、それだけ使用効率が減少した。また、500Å成膜までの時間は、30s(秒)であった。これは、透磁率が大きいために、成膜時間が30s(秒)とスパッタレートが遅くなったことを意味する。また、スループットの効率が低下したので、単位時間の処理枚数は減少した。
さらに、このスパッタ成膜を窒素雰囲気で加熱し、シート抵抗値の変化温度を測定したところ、熱処理温度400〜850°Cでは、シート抵抗値の上昇が認められ、単なる白金添加では、悪い結果が得られた。高温に加熱してシート抵抗値が上がることは、NiSiからNiSiへの相変化が起っていることを意味している。この比較例1においては、白金のみを添加する場合であるが、この場合は、実施例に比べて悪い結果となった。
(比較例2)
実施例1と同様に、粗Ni(〜4N程度)を電解精製にて、金属不純物成分を除去したのち、EB溶解にてさらに精製して高純度ニッケルインゴット(99.999wt%)とした。
添加元素として、このインゴットと同程度の純度の高純度白金10at%、同様の純度のAlを選択し、これを10at%添加した。次に、これらを真空溶解して高純度ニッケル合金インゴットを作製した。この材料の真空溶解に際しては、水冷銅製坩堝を用いたコールドクルーシブル溶解法を用いた。
溶解、鋳造して得た合金インゴットを鍛造及び圧延工程で板状にし、最終的に500〜950°Cで熱処理した後、機械加工することによりターゲットを作製しようとした。しかし、副成分であるAlの含有量が10at%と多量に含有されているために金属間化合物が形成され加工時に割れてしまいターゲットを製作することができなかった。その結果ターゲットの評価ができなかった。
たとえ、亀裂の入ったターゲットが製作できたとしても、このターゲット中の亀裂と金属間化合物の存在は、パーティクルの著しい発生原因となるので、ターゲットとしては、全く不適合と考えられる。
この比較例2においては、Alを10at%を単独添加した場合であるが、同様にV、Al、Cr、Ti、Mo、Siから選択した1成分(重複するAlを除く)又はこれらの複成分を総量で10at%添加する場合にも、前記Alを10at%単独添加した場合と同様の結果となった。
(比較例3)
実施例1と同様に、粗Ni(〜4N程度)を電解精製にて、金属不純物成分を除去したのち、EB溶解にてさらに精製して高純度ニッケルインゴット(99.999wt%)とした。
このインゴットと同程度の純度の高純度白金8at%(22wt%)及び高純度イリジウム5wtppm、高純度ルテニウム5wtppm、高純度パラジウム5wtppmを添加した。なお、この場合、イリジウム、ルテニウム、パラジウムの総量は15wtppmとなる。
次に、これらを真空溶解して高純度ニッケル合金インゴットを作製した。この材料の真空溶解に際しては、水冷銅製坩堝を用いたコールドクルーシブル溶解法を用いた。ターゲットへの塑性加工性は良好であり、特に問題はなかった。
溶解、鋳造して得た合金インゴットを鍛造及び圧延工程で板状にし、最終的に500〜950°Cで熱処理した後、機械加工することによりターゲットを作製した。このターゲットのサイズはφ440mm×3mmtである。ターゲットの透磁率は、140H/mであった。なお、参考までに示すと、Niの透磁率は250H/mであり、本実施例の約1.5倍である。
このようにして得たニッケル合金ターゲットを用い、マグネトロンスパッタリング装置を使用して、シリコン基板上にスパッタリングした。ターゲットを100kWhのライフまでスパッタリングしたときのエロージョンプロファイルの概要を図1の(1)に示す。
被エロージョン体積は、元のターゲットと比較すると1/5でエロージョンの深い部分は、断面三角形にドーナツ型にエロージョンされていた。
図1の(1)に示すように、ターゲットの裏側に磁石のある部分と無い部分とで、エロージョン部の高低差が大きく、実施例と明らかに相違した。また、それだけ使用効率が減少した。また、500Å成膜までの時間は、30s(秒)であった。これは、透磁率が大きいために、成膜時間が30s(秒)とスパッタレートが遅くなったことを意味する。また、スループットの効率が低下したので、単位時間の処理枚数は減少した。
なお、このスパッタ成膜を窒素雰囲気で加熱し、シート抵抗値の変化温度を測定したところ、熱処理温度400〜850°Cでは、シート抵抗値の上昇はほとんど認められなかったが、上記の通りターゲットの裏側に磁石のある部分と無い部分とで、エロージョン部の高低差が大きいという問題があり、好ましくない結果となった。
以上に示すように、高純度ニッケルに白金と共に、上記の金属元素を添加することにより、熱的に安定したシリサイド(NiSi)成膜が可能であり、スパッタリングの際にパーティクルの発生が少なく、ユニフォーミティも良好であるという効果を有する。また、白金を添加したニッケル合金(Ni−Pt合金)の場合の高価な白金の添加を極力少なくすると共に、あくまでNi−Pt合金としての特性を維持すると共に、透磁率を低下させ、漏洩磁束(PTF)を増大化させることにより、スパッタリング時にターゲットの表面に局部的に磁力線が集中するのを抑制し、ターゲットのエロージョン領域を極力増加させることができるという著しい効果を有する。
これによって、本願発明のターゲットは、エロージョンが進むに従って、選択的にエロージョンがより進む部分と、余り進まない部分との差を極力小さくしてターゲットに厚みのばらつきを減少させ、ターゲットの寿命を長くして使用効率を増加させることができる効果を備えている。また、エロージョン部分の形状の変化が極端になるのを防止できるため、スパッタ膜の均一性も良好となる効果がある。このような総合的な効果を有するものであり、さらにこのターゲットを用いた成膜によりNiSiからNiSiへの相変化を抑制できるニッケルシリサイド膜を得ることができる著しい効果を有するものである。
したがって、特にゲート電極材料(薄膜)の製造に有用なニッケル合金スパッタリングターゲットを提供できる。

Claims (3)

  1. Ptを5〜30at%、V,Al,Cr,Ti,Mo,Siから選択した1成分以上を合計1〜5at%含有し、残部がNi及び不可避不純物からなることを特徴とするNi合金スパッタリングターゲット。
  2. Ptを5〜30at%、V,Al,Cr,Ti,Mo,Siから選択した1成分以上を合計1〜5at%含有し、残部がNi及び不可避不純物である組成を有し、スパッタリング法によって成膜されたことを特徴とするNi合金薄膜。
  3. Ptを5〜30at%、V,Al,Cr,Ti,Mo,Siから選択した1成分以上を合計1〜5at%含有し、残部がNi及び不可避不純物からなるNi合金スパッタリングターゲットを用いてスパッタリングすることにより、シリコン基板上にニッケル合金膜を形成し、このニッケル合金膜とシリコン基板との反応により形成したニッケルシリサイド膜。
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