JP5205090B2 - リチウム二次電池用正極及びこれを用いたリチウム二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウム二次電池用正極及びこれを用いたリチウム二次電池に関し、特に、非水系電解液を用いたリチウム二次電池用正極及びこれを用いたリチウム二次電池に関する。
エネルギーを効率的に利用できるハイブリッド自動車用電源として、高出力・高エネルギー密度の電池が求められている。リチウム二次電池は、電池電圧が高く、軽量で高エネルギー密度であるため、ハイブリッド自動車用電池として有望である。ハイブリッド自動車用二次電池は、自動車の減速時にエネルギーを回生して電池に蓄え、このエネルギーを高率放電して加速アシストすることが求められている。ここで、ハイブリッド自動車応用では、10秒間の加速で所望の速度に到達するため、電池として必要な特性は、10秒間の優れた出力特性である。放電の場合は、10秒間、電解液に含まれる電解質のLiを正極活物質に供給しなければならない。このため、個々の正極活物質一次粒子近傍に電解液が空隙或いは導電材中に存在することが必要となる。
一般に、高出力化のためには電極の比表面積を増大させるために電極を構成する活物質の小粒径化及び電極中に空隙を構成することが行われる。しかしながら、活物質を小粒径化した場合、個々の活物質粒子間と集電体を結ぶ導電ネットワークを形成することが難しくなる。
このため、小粒径活物質を用いた電極構成に関しては、以下のような検討がなされてきた。例えば、特許文献1では、電極の比表面積を増大させるため、BET比表面積が1.5m2/g以上で一次粒子径が0.1μm以上0.5μm未満の正極活物質粉末で構成された電極を用い、高容量化が可能でレート特性及び出力特性に優れたリチウム二次電池を開示した。しかしながら、小一次粒径正極活物質に適した導電材の粒子径については明らかにしていない。
また、特許文献2でも、一次粒子径が0.01μm以上0.2μm未満のスピネル型リチウムマンガン正極活物質粉末で構成された電極を用い、高容量化が可能でレート特性及び出力特性に優れたリチウム二次電池を開示した。しかしながら、小一次粒径正極活物質に適した導電材の粒子径については明らかにしていない。
一方、特許文献3では、小粒径導電材を開示し、正極活物質を構成する一次粒子径と二次粒子径の範囲を規定している。しかし、小一次粒子径で構成される小二次粒子径の正極活物質に関しては開示していない。この発明で開示された正極活物質と導電材の構成では、電極中の導電ネットワークを構成することができず、ハイブリッド自動車に適した電池の出力特性を得ることができない。
特開2005−141983号公報 特開2002−104827号公報 特開2005−251684号公報
本発明の目的は、高出力化を達成するリチウム二次電池用正極、およびこれを用いたリチウムイオン二次電池を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、正極活物質の一次粒子径と導電材粒子径の相関関係の検討により、正極内での導電ネットワークが改善され、リチウム二次電池の高出力化を達成できることを見出し、本発明を完成した。
本発明の概要は以下の通りである。
(1)リチウム二次電池に用いる正極であって、一次粒子径が0.1μm以上0.3μm未満の一次粒子が凝集した3μm以上6μm以下の二次粒子径を有する正極活物質と、平均粒子径が4μm以上6μm以下の塊状導電材で構成される正極。
(2)(1)に記載の正極において、水銀圧入法で測定した正極の細孔径0.1以上7μm以下の範囲における細孔体積が、0.29cm3/g以上0.47cm3/g未満であることを特徴とする正極。
(3)(1)に記載の正極活物質が、化学式LiaMnxNiyCoz2(0<a≦1.2,0.1≦x,0.1≦y,0.1≦z≦0.34,x+y+z=1)で表される層状複合酸化物である正極活物質。
(4)(3)に記載の正極活物質の比表面積が1.1m2/g以上1.5m2/g未満であることを特徴とする正極。
(5)導電材として中空炭素材がさらに含まれる正極。
また、本発明は、リチウムを吸蔵放出する正極と、リチウムを吸蔵放出する負極と、が電解液を介して形成されるリチウム二次電池において、正極が、正極活物質と、塊状導電材を含み、正極活物質が、一次粒子径が0.1μm以上0.3μm未満の一次粒子が凝集した3μm以上6μm以下の二次粒子径を有する層状複合酸化物であり、層状複合酸化物が、化学式LiaMnxNiyCoz2(0<a≦1.2,0.1≦x,0.1≦y,0.1≦z≦0.34,x+y+z=1)で表され、塊状導電材の平均粒子径が4μm以上6μm以下であって、正極活物質の比表面積が1.1m2/g以上1.5m2/g未満であることを特徴とする。

さらに、リチウムを吸蔵放出する正極と、リチウムを吸蔵放出する負極と、が電解液を介して形成されるリチウム二次電池において、正極が、正極活物質と、導電材を含み、正極活物質が、0.1μm以上0.3μm未満の一次粒子が凝集した3μm以上6μm以下の二次粒子径を有する層状複合酸化物であり、水銀圧入法で測定した正極の細孔径0.1以上7μm以下の範囲における細孔体積が、0.29cm3/g以上0.47cm3/g未満であることを特徴とする。
本発明によれば、ハイブリッド車、または工具用二次電池などの高出力が必要とされる機器応用に適したリチウム二次電池を提供できる。
〔リチウム二次電池用正極材料〕
本発明のリチウム二次電池用正極は以下の特徴を有する一次粒子が結合或いは凝集した正極活物質二次粒子で構成されている。即ち、正極活物質の二次粒子を構成する一次粒子の粒径が主として0.1μmより大きく、0.3μm未満の粒径を有する粒子である。ここで、「主として」とは、粒径が0.1μmより大きく、0.3μm未満の一次粒子が、粒子体積で一次粒子全体の95%以上を占めることをいう。一次粒子の粒径が0.3μm以上であると二次粒子を構成する一次粒子が大きいために二次粒子の比表面積が低下して電池出力が低下する。一方、一次粒子径が0.1μmより小さい正極活物質では、正極活物質合成時にハンドリングが困難となり、工業的に作製することが難しい。ここで、正極活物質の比表面積は1.1m2/g以上1.5m2/g未満であることが高出力電池を得るために望ましい。比表面積が1.5m2/g以上では、正極の塗布工程(後述)で凝集物が発生し、正極作製が困難となる。また、正極活物質の二次粒子径は、3μm以上6μm以下が好ましい。正極活物質の二次粒子径が3μm未満では前記の小粒径一次粒子で二次粒子を構成することが困難となり、6μmを越えれば比表面積が低下し、高出力電池を得ることができない。
上記正極活物質の組成は、化学式LiaMnxNiyCoz2(0<a≦1.2,0.1≦x,0.1≦y,0.1≦z≦0.34,x+y+z=1)で表される層状複合酸化物であり、この組成は一次粒子の小粒径化に適した組成である。
一般に、正極活物質に用いる導電材の粒子径は、図1に示すように正極活物質二次粒子1の粒径よりも大きく、一つの導電材粒子2に対して数多くの正極活物質二次粒子が接することにより複数の正極活物質と導電ネットワークを形成している。図1に示すように、この正極構成であれば、個々の正極活物質近傍に存在する空隙が少ない。これに対して、本発明の図面2に示す正極では、小粒径の導電材に対し、数個の正極活物質粒子が接して導電ネットワークを形成している。また、この正極構成では、個々の正極活物質二次粒子近傍に微小な空隙が数多く存在する。このため、正極活物質二次粒子近傍の電解液中の電解質が正極活物質と反応し易く、正極の低抵抗化に有効である。ここで、正極活物質二次粒子を構成する一次粒子径が小さい場合、より電解質と正極活物質が反応し易く、正極の低抵抗化に有利となる。また、ここで用いる導電材の比表面積が高く、電解液の保液性が高ければ、正極活物質近傍からの電解質が正極活物質に供給されるため、正極の低抵抗化に有利となる。
以上のように、正極活物質粒子を構成する一次粒子径,正極活物質二次粒子径,正極活物資二次粒子径に対する導電材の粒子径及び正極内空隙体積を考慮することにより正極の抵抗を低減することができる。ここで、正極内の空隙体積は後述する水銀圧入法で評価でき、0.1μm以上7μm以下の細孔範囲で細孔体積が0.29cm3/g以上0.47cm3/g以下であることが望ましい。ここで、細孔体積が0.29cm3/g未満では正極の抵抗が高く、また、0.47cm3/gを越えれば、正極活物質,導電材及びバインダーで構成される正極合剤と集電体が剥離し易くなるために電池出力が低下する。
以下に、正極中の粒子径評価方法,比表面積評価法及び細孔構造評価方法を説明する。
正極内の正極活物質一次粒子及び二次粒子径,導電材粒径は、正極の断面あるいは破面の電子顕微鏡観察で評価することができる。
次に、正極活物質の比表面積評価法を以下に示す。予め120℃で乾燥させ、試料セルに充填し、これを窒素ガス中、300℃で30分間乾燥させる。次いで、試料セルを測定部に装着し、He/N2混合ガスによる脱着時の信号をカウント後、BET法により比表面積を算出する。
また、正極に形成される細孔を評価する手法として水銀圧入法が用いられる。一般に、正極に形成される細孔を水銀圧入法で測定する場合、正極活物質に形成された細孔径を評価することとなる。水銀圧入法では、開口部から水銀が進入し、細孔径及び細孔体積を評価することができる。以下に水銀圧入法による細孔分布測定の原理を示す。
円筒状細孔2rに水銀を進入させる場合、水銀の圧力をP、水銀の表面張力をγ(0.48N/m)としたとき、以下の数式(1)から細孔半径rが求められる。
r=−2rγcosθ/P (1)
上記関係から、水銀は、約3.7kPa〜200MPaの圧力で約7nm〜400μmの直径の細孔に進入でき、その範囲の細孔分布の解析が可能である。
また本発明の正極に、アセチレンブラックをさらに含めてもよい。中空炭素材の中空部により、正極活物質への電解質供給効果が期待できる。中空炭素材は、アセチレンブラックなどの中空炭素材、より好ましくは両端部が開口した中空繊維状炭素材である。中空炭素材の長さは、例えば1μm以上10μm以下、より好ましくは2μm以上8μm以下であり、中空繊維状炭素材は、例えば直径が10nm以上300nm未満、より好ましくは20nm以上80nm未満で、長さが3μm以上8μm以下の範囲のものが好ましい。
〔リチウム二次電池用正極材料の製造方法〕
小一次粒子径の正極活物質を形成するためには、原料として小粒径化した一次粒子が必要であり、この一次粒子が凝集した二次粒子の焼成条件制御による一次粒子の成長制御が必要となる。また、粒子の結晶成長に関して、用いる正極活物質組成においても、一次粒子の成長速度が大きく異なる。特に、LiaMnxNiyCoz2(0<a≦1.2,0.1≦x,0.1≦y,0.1≦z≦0.34,x+y+z=1)で示す正極活物質組成は、粒成長が少ないため小一次粒子径正極活物質を形成することができる。例えば、Ni:Mn:Coの原子比が3:3.5:3.5のようにCo含有量が多いと、一次粒子が粒成長し、所望の粒子構造を作製することが難しいことがある。
本発明の正極材料の具体的な製造方法は以下の通りである。
<正極材料の製造方法>
以下の工程(a)〜(e)で正極材料を製造することができる。
(a)正極活物質の原料の金属酸化物を、例えばMnxNiyCoz20.1≦x,0.1≦y,0.1≦z≦0.34,x+y+z=1)となるように混合し、ビーズミルなどで粉砕して、主として0.1μmより大きく、0.3μm未満の粒径を有する一次粒子を作製する。好ましくは、0.1μmより大きく、0.3μm未満の粒径の一次粒子が、金属酸化物の体積比で98%以上を占めるように粉砕する。
(b)一次粒子に、二次粒子を造粒するための公知の結着剤、例えばポリビニルアルコール(以下、PVAと略す)を添加して、スプレードライヤーなどで造粒する。造粒後、上述のように徐々に乾燥させることが好ましい。
(c)造粒した粒子にリチウム化合物、例えば水酸化リチウム,炭酸リチウムなどを、例えば好ましくはリチウム:(ニッケル,コバルトおよびマンガン)=1より大きく1.2以下:1になるように添加する。
(d)リチウム化合物添加後の粒子を大気中で好ましくは750℃以上850℃以下で、好ましくは3〜10時間、焼成する。
(e)焼成した粒子を解砕して二次粒子を作製する。解砕後、分級して粗大粒子を除くことが好ましい。
〔リチウムイオン二次電池の製造方法〕
本発明のリチウムイオン二次電池は、円筒型,積層型,コイン型,カード型等のいずれでもよく、特に限定されないが、例として、以下に円筒型リチウムイオン二次電池の製造方法を説明する。
1)正極の作製方法
上述のようにして作製した正極活物質の二次粒子に、黒鉛,カーボンブラック等の導電材を添加して混合する。ここで本発明では、小粒径正極活物質に対する小粒径導電材の分散状態が電極抵抗の低減のため重要となる。また、本発明で用いる正極活物質は高比表面積で電極作製時に用いる有機溶媒の吸液性が高い。このため、予め有機溶媒であるN−メチル−2−ピロリジノン(以下、NMPと略す)を正極活物質と混合して正極活物質にNMPを吸液させた後、正極活物質に導電材を分散させる。この後、この混合物にNMPなどの溶媒に溶解させたポリフッ化ビニリデン(以下、PVDFと略す)などの結着剤を加えて混練し、正極スラリーを得た。次に、このスラリーをアルミニウム金属箔上に塗布した後、乾燥して正極板を作製する。
2)負極の作製方法
負極活物質である非晶質炭素材に、アセチレンブラック及び炭素繊維などの導電材を加え、混合する。これに結着剤としてNMPに溶解したPVDF或いはゴム系バインダー(SBR等)を加えた後に混練し、負極スラリーを得る。次に、このスラリーを銅箔上に塗布した後、乾燥して正極板を作製する。
3)電池の形成方法
上記正極及び負極板は、電極の両面にスラリーを塗布した後に乾燥する。さらに、圧延加工により緻密化し、所望の形状に裁断して電極を作製する。次に、これらの電極に電流を流すためのリード片を形成する。これら正極及び負極の間に多孔質絶縁材のセパレータを挟みこみ、これを捲回した後、ステンレスやアルミニウムで成型された電池缶に挿入する。次に、リード片と電池缶を接続した後、非水系電解液を注入し、最後に、電池缶を封缶してリチウムイオン二次電池を得る。
4)電池のモジュール化
上記リチウムイオン二次電池を使用する形態として、複数個の電池を直列に接続したリチウムイオン電池モジュールが挙げられる。本発明のリチウムイオン二次電池を用いた電池モジュールは、高出力化することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、これらの実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
〔実施例1〕
<正極活物質の二次粒子の作製>
原料として、二酸化マンガン,酸化コバルト及び酸化ニッケルを使用し、原子比でNi:Mn:Co比を3.5:3.5:3となるように秤量した後に純水を加えスラリーとした。このスラリーを平均粒径が0.1μmとなるまでジルコニアのビーズミルで粉砕し、一次粒子を作製した。このスラリーにPVA溶液を固形分比に換算して1.1wt%添加し、更に1時間混合し、スプレードライヤーにより造粒及び乾燥させて3〜20μmの粒子を作製した。この造粒粒子に対し、Li:(NiMnCo)比が1.05:1となるように水酸化リチウム及び炭酸リチウムを加えた。次に、この粉末を850℃で3〜10時間焼成することにより層状構造の結晶を有し、その後、解砕し、分級により粒径6μm以上の粗大粒子を除去した後の粒子を二次粒子Aとし、電極作製に用いた。
<正極活物質の粒径測定方法>
上記二次粒子Aをレーザー回折式粒度分布計で平均二次粒子径を測定した結果、メジアン径が5μmであった。また、電子顕微鏡により1000倍の視野でこの粒子を観察した結果、全視野の90%で二次粒子径は3〜6μmであった。さらに、電子顕微鏡により6000倍の視野でこの粒子を観察した結果、平均一次粒子径は0.2μmであった。
<比表面積測定方法>
上記二次粒子Aを、予め120℃で乾燥させ、試料セルに充填し、これを窒素ガス中、300℃で30分間乾燥させた。次いで、試料セルを測定部に装着し、He/N2混合ガスによる脱着時の信号をカウント後、BET法により比表面積を算出した。その結果、二次粒子の比表面積は1.4m2/gであった。
<細孔分布の評価>
上記二次粒子Aを用い、正極板を以下の手順で作製した。あらかじめ結着剤のPVDFを溶媒のNMPに溶解した溶液と、二次粒子A及び平均粒子径4μmの炭素系導電材を前述の方法で混合して正極合材スラリーを作製した。このとき、二次粒子A,炭素系導電材及び結着剤を重量百分率比で表してそれぞれ、85:10.7:4.3の割合となるように前述の方法で混合した。このスラリーを、厚み20μmのアルミシート上に均一に塗布した後、100℃で乾燥し、プレスにて1.5ton/cm2で加圧し、約100μm厚の塗膜を形成し、正極板7を得た。
上記正極板を2cm角に切り出し、マイクロメリティックス社製のポアサイザー9320を用い、水銀圧入法による細孔径分布測定を行った。その結果、0.1μm以上,7μm以下の細孔径分布容積は0.42cm3/gであった。
<円筒型電池評価>
円筒型電池を作製するため、二次粒子Aを用いた正極板7を塗布幅5.4cm,塗布長さ50cmとなるよう切断し、電流を取り出すためにアルミニウム箔製のリード片を溶接し正極板を作製した。
次に、正極板と組み合わせて円筒型電池を作製するため、負極板を作製した。負極活物質の非晶質炭素材を結着剤のNMPに溶解して混合した負極合材スラリーを作製した。このとき、非晶質炭素材と結着剤の乾燥重量比が92:8となるようにした。このスラリーを10μmの圧延銅箔に均一に塗布した。その後、ロールプレス機により圧縮整形し、塗布幅5.6cm,塗布長さ54cmとなるよう切断し、銅箔製のリード片を溶接して負極板を作製した。
上述のようにして作製した正極板と負極板を用いて、図4に模式的に示す円筒型電池を以下の手順で作製した。始めに、正極板7と負極板8が直接接触しないように間にセパレータ9を配置して捲回して電極群を作製した。このとき、正極板のリード片13と負極板のリード片11とが電極群の互いに反対側の両端面に位置するようにした。さらに、正極板7と負極板8の配置で、正極の合材塗布部が負極の合材塗布部からはみ出すことがないようにした。また、ここで用いたセパレータ9は厚さ25μm,幅5.8cmの微多孔性ポリプロピレンフィルムとした。次に、電極群をSUS製の電池缶10に挿入し、負極板リード片11を缶底部に溶接し、正極電流端子を兼ねる密閉蓋部12に正極板リード片13を溶接した。この電極群を配置した電池缶10に非水電解液(エチレンカーボネート(EC),ジメチルカーボネート(DMC)の体積比で1:2の混合溶媒に1.0モル/リットルのLiPF6を溶解させたもの)を注入した後、パッキン15を取り付けた密閉蓋部12を電池缶10にかしめて密閉し、直径18mm,長さ65mmの円筒型電池とした。ここで、密閉蓋部12には電池内の圧力が上昇すると開裂して電池内部の圧力を逃がす開裂弁があり、密閉蓋部12と電極群の間に絶縁板14を配した。
この小型円筒型電池を0.3Cで上限電圧4.2V,下限電圧2.7Vまでの充放電を3回繰り返して初期化した。さらに、0.3Cで上限電圧4.2V,下限電圧2.7Vまでの充放電を行い、電池放電容量を測定した。次に、0.3C相当で上限電圧4.2V,5時間の定電流定電圧充電を行った後、1C相当で下限電圧2.7Vまでの定電流放電を実施し、放電前の開回路電圧と放電10秒後の電圧とを測定し、両者の差である電圧降下(ΔV)を求めた。さらに、放電電流を3C,6C相当と変え、同様の充放電を行い各放電電流(I)の電圧降下を測定した。これらの放電電流(I)と電圧降下(ΔV)をプロットし、傾きから電池抵抗を算出した。次に、電池充電状態が50%の開回路電圧と電池抵抗から電池出力を求めた。
二次粒子Aを用いた円筒型電池の試験電池出力を表1の実施例1の欄に示す。
Figure 0005205090
実施例1の正極板を用いた電池の出力は3400W/kgであった。以上のように、実施例1の正極板を用いた円筒型電池では電池を高出力させることができた。
次に、この電池を直列に10本接続し、高出力化させた電池モジュールを得ることができた。
〔比較例1〕
原料として、二酸化マンガン,酸化コバルト及び酸化ニッケルを使用し、原子比でNi:Mn:Co比を3:3:4となるように秤量した後に純水を加えスラリーとした。このスラリーを平均粒径が0.1μmとなるまでジルコニアのビーズミルで粉砕し、一次粒子を作製した。このスラリーにPVA溶液を固形分比に換算して1.1wt%添加し、更に1時間混合し、スプレードライヤーにより造粒及び乾燥させて3〜20μmの粒子を作製した。この造粒粒子に対し、Li:(NiMnCo)比が1.05:1となるように水酸化リチウム及び炭酸リチウムを加えた。次に、この粉末を850℃で3〜10時間焼成することにより層状構造の結晶を有し、その後、解砕し、分級により粒径6μm以上の粗大粒子を除去した後の粒子を二次粒子Bとし、電極作製に用いた。
<正極活物質の粒径測定方法>
上記二次粒子Bをレーザー回折式粒度分布計で平均二次粒子径を測定した結果、メジアン径が5μmであった。また、電子顕微鏡により1000倍の視野でこの粒子を観察した結果、全視野の90%で二次粒子径は3〜6μmであった。さらに、電子顕微鏡により6000倍の視野でこの粒子を観察した結果、平均一次粒子径は0.5μmであった。
<比表面積測定方法>
上記二次粒子Bの比表面積を、実施例1で開示した方法で測定した結果、二次粒子の比表面積は1.0m2/gであった。
<細孔分布の評価>
上記二次粒子Bを用い、正極板を以下の手順で作製した。あらかじめ結着剤のPVDFを溶媒のNMPに溶解した溶液と、二次粒子B及び平均粒子径4μmの炭素系導電材を前述の方法で混合して正極合材スラリーを作製した。このとき、二次粒子B,炭素系導電材及び結着剤を重量百分率比で表してそれぞれ、85:10.7:4.3の割合となるように前述の方法で混合した。このスラリーを、厚み20μmのアルミシート上に均一に塗布した後、100℃で乾燥し、プレスにて1.5ton/cm2で加圧し、約100μm厚の塗膜を形成し、正極板を得た。
上記正極板を実施例1で開示した細孔評価法で細孔径容積を測定した結果、0.1μm以上,7μm以下の細孔径分布容積は0.27cm3/gであった。
<円筒型電池評価>
円筒型電池を作製するため、二次粒子Bを用いた正極板を塗布幅5.4cm,塗布長さ50cmとなるよう切断し、電流を取り出すためにアルミニウム箔製のリード片を溶接し正極板を作製した。
次に、実施例1で開示した方法で負極を作製した後、正極板と組み合わせて実施例1と同様の方法で円筒型電池を作製した。
この小型円筒型電池を実施例1に開示した方法で電池出力を求めた。二次粒子Bを用いた円筒型電池の試験電池出力を表1の比較例1の欄に示す。
比較例1の正極板を用いた電池の出力は2810W/kgであった。以上のように、比較例1の正極板を用いた円筒型電池では高出力化を行うことができなかった。
〔比較例2〕
原料として、二酸化マンガン,酸化コバルト及び酸化ニッケルを使用し、原子比でNi:Mn:Co比を3.5:3.5:3となるように秤量した後に純水を加えスラリーとした。このスラリーを平均粒径が0.1μmとなるまでジルコニアのビーズミルで粉砕し、一次粒子を作製した。このスラリーにPVA溶液を固形分比に換算して1.1wt%添加し、更に1時間混合し、スプレードライヤーにより造粒及び乾燥させて3〜30μmの粒子を作製した。この造粒粒子に対し、Li:(NiMnCo)比が1.05:1となるように水酸化リチウム及び炭酸リチウムを加えた。次に、この粉末を850℃で3〜10時間焼成することにより層状構造の結晶を有し、その後、解砕し、分級により粒径8μm以上の粗大粒子を除去した後の粒子を二次粒子Cとし、電極作製に用いた。
<正極活物質の粒径測定方法>
上記二次粒子Cをレーザー回折式粒度分布計で平均二次粒子径を測定した結果、メジアン径7μmであった。また、電子顕微鏡により1000倍の視野でこの粒子を観察した結果、全視野の90%で二次粒子径は4〜7μmであった。さらに、電子顕微鏡により6000倍の視野でこの粒子を観察した結果、平均一次粒子径は0.2μmであった。
<比表面積測定方法>
上記二次粒子Cの比表面積を、実施例1で開示した方法で測定した結果、二次粒子の比表面積は0.9m2/gであった。
<細孔分布の評価>
上記二次粒子Cを用い、正極板を以下の手順で作製した。あらかじめ結着剤のPVDFを溶媒のNMPに溶解した溶液と、二次粒子C及び平均粒子径4μmの炭素系導電材を前述の方法で混合して正極合材スラリーを作製した。このとき、二次粒子C,炭素系導電材及び結着剤を重量百分率比で表してそれぞれ、85:10.7:4.3の割合となるように前述の方法で混合した。このスラリーを、厚み20μmのアルミシート上に均一に塗布した後、100℃で乾燥し、プレスにて1.5ton/cm2で加圧し、約100μm厚の塗膜を形成し、正極板を得た。
上記正極板を実施例1で開示した細孔評価法で細孔径容積を測定した結果、0.1μm以上,7μm以下の細孔径分布容積は0.273cm3/gであった。
<円筒型電池評価>
円筒型電池を作製するため、二次粒子Cを用いた正極板3を塗布幅5.4cm,塗布長さ50cmとなるよう切断し、電流を取り出すためにアルミニウム箔製のリード片を溶接し正極板を作製した。
次に、実施例1で開示した方法で負極を作製した後、正極板と組み合わせて実施例1と同様の方法で円筒型電池を作製した。
この小型円筒型電池を実施例1に開示した方法で電池出力を求めた。二次粒子Cを用いた円筒型電池の試験電池出力を表1の比較例2の欄に示す。
比較例2の正極板を用いた電池の出力は2900W/kgであった。以上のように、比較例2の正極板を用いた円筒型電池では高出力化を行うことができなかった。
〔比較例3〕
原料として、二酸化マンガン,酸化コバルト及び酸化ニッケルを使用し、原子比でNi:Mn:Co比を3.5:3.5:3となるように秤量した後に純水を加えスラリーとした。このスラリーを平均粒径が0.1μmとなるまでジルコニアのビーズミルで粉砕し、一次粒子を作製した。このスラリーにPVA溶液を固形分比に換算して1.1wt%添加し、更に1時間混合し、スプレードライヤーにより造粒及び乾燥させて3〜10μmの粒子を作製した。この造粒粒子に対し、Li:(NiMnCo)比が1.05:1となるように水酸化リチウム及び炭酸リチウムを加えた。次に、この粉末を850℃で3〜10時間焼成することにより層状構造の結晶を有し、その後、解砕し、分級により粒径3μm以上の粗大粒子を除去した後の粒子を二次粒子Dとし、電極作製に用いた。
<正極活物質の粒径測定方法>
上記二次粒子Dをレーザー回折式粒度分布計で平均二次粒子径を測定した結果、メジアン径2μmであった。また、電子顕微鏡により1000倍の視野でこの粒子を観察した結果、全視野の90%で二次粒子径は1〜3μmであった。さらに、電子顕微鏡により6000倍の視野でこの粒子を観察した結果、平均一次粒子径は0.2μmであった。
<比表面積測定方法>
上記二次粒子Dの比表面積を、実施例1で開示した方法で測定した結果、二次粒子の比表面積は1.7m2/gであった。
<細孔分布の評価>
上記二次粒子Dを用い、正極板を以下の手順で作製した。あらかじめ結着剤のPVDFを溶媒のNMPに溶解した溶液と、二次粒子D及び平均粒子径4μmの炭素系導電材を前述の方法で混合して正極合材スラリーを作製した。このとき、二次粒子D,炭素系導電材及び結着剤を重量百分率比で表してそれぞれ、85:10.7:4.3の割合となるように前述の方法で混合した。このスラリーを、厚み20μmのアルミシート上に均一に塗布した後、100℃で乾燥し、プレスにて1.5ton/cm2で加圧し、約100μm厚の塗膜を形成し、正極板を得た。
上記正極板を実施例1で開示した細孔評価法で細孔径容積を測定した結果、0.1μm以上,7μm以下の細孔径分布容積は0.5cm3/gであった。
<円筒型電池評価>
円筒型電池を作製するため、二次粒子Dを用いた正極板4を塗布幅5.4cm,塗布長さ50cmとなるよう切断し、電流を取り出すためにアルミニウム箔製のリード片を溶接し正極板を作製した。
次に、実施例1で開示した方法で負極を作製した後、正極板と組み合わせて実施例1と同様の方法で円筒型電池を作製した。
この小型円筒型電池を実施例1に開示した方法で電池出力を求めた。二次粒子Dを用いた円筒型電池の試験電池出力を表1の比較例3の欄に示す。
比較例3の正極板を用いた電池の出力は2700W/kgであった。以上のように、比較例3の正極板を用いた円筒型電池では高出力化を行うことができなかった。
〔比較例4〕
<細孔分布の評価>
正極活物質として実施例1で用いた二次粒子Aを用い、正極板を以下の手順で作製した。あらかじめ結着剤のPVDFを溶媒のNMPに溶解した溶液と、二次粒子A及び平均粒子径7μmの炭素系導電材を前述の方法で混合して正極合材スラリーを作製した。このとき、二次粒子A,炭素系導電材及び結着剤を重量百分率比で表してそれぞれ、85:10.7:4.3の割合となるように前述の方法で混合した。このスラリーを、厚み20μmのアルミシート上に均一に塗布した後、100℃で乾燥し、プレスにて1.5ton/cm2で加圧し、約100μm厚の塗膜を形成し、正極板を得た。
上記正極板を実施例1で開示した細孔評価法で細孔径容積を測定した結果、0.1μm以上,7μm以下の細孔径分布容積は0.41cm3/gであった。
<円筒型電池評価>
円筒型電池を作製するため、二次粒子Aを用いた正極板を塗布幅5.4cm,塗布長さ50cmとなるよう切断し、電流を取り出すためにアルミニウム箔製のリード片を溶接し正極板を作製した。
次に、実施例1で開示した方法で負極を作製した後、正極板と組み合わせて実施例1と同様の方法で円筒型電池を作製した。
この小型円筒型電池を実施例1に開示した方法で電池出力を求めた。二次粒子Aを用いた正極板による円筒型電池の試験電池出力を表1の比較例4の欄に示す。
比較例4の正極板を用いた電池の出力は2940W/kgであった。以上のように、比較例4の正極板を用いた円筒型電池では高出力化を行うことができなかった。
〔比較例5〕
<細孔分布の評価>
正極活物質として実施例1で用いた二次粒子Aを用い、正極板を以下の手順で作製した。あらかじめ結着剤のPVDFを溶媒のNMPに溶解した溶液と、二次粒子A及び平均粒子径2μmの炭素系導電材を前述の方法で混合して正極合材スラリーを作製した。このとき、二次粒子A,炭素系導電材及び結着剤を重量百分率比で表してそれぞれ、85:10.7:4.3の割合となるように前述の方法で混合した。このスラリーを、厚み20μmのアルミシート上に均一に塗布した後、100℃で乾燥し、プレスにて1.5ton/cm2で加圧し、約100μm厚の塗膜を形成し、正極板を得た。
上記正極板を実施例1で開示した細孔評価法で細孔径容積を測定した結果、0.1μm以上,7μm以下の細孔径分布容積は0.5cm3/gであった。
<円筒型電池評価>
円筒型電池を作製するため、二次粒子Aを用いた正極板を塗布幅5.4cm,塗布長さ50cmとなるよう切断し、電流を取り出すためにアルミニウム箔製のリード片を溶接し正極板を作製した。
次に、実施例1で開示した方法で負極を作製した後、正極板と組み合わせて実施例1と同様の方法で円筒型電池を作製した。
この小型円筒型電池を実施例1に開示した方法で電池出力を求めた。二次粒子Aを用いた正極板による円筒型電池の試験電池出力を表1の比較例5の欄に示す。
比較例5の正極板を用いた電池の出力は2800W/kgであった。以上のように、比較例5の正極板を用いた円筒型電池では高出力化を行うことができなかった。
〔実施例2〕
<細孔分布の評価>
正極活物質として実施例1で用いた二次粒子Aを用い、正極板を以下の手順で作製した。あらかじめ結着剤のPVDFを溶媒のNMPに溶解した溶液と、二次粒子A及び平均粒子径6μmの炭素系導電材を前述の方法で混合して正極合材スラリーを作製した。このとき、二次粒子A,炭素系導電材及び結着剤を重量百分率比で表してそれぞれ、85:10.7:4.3の割合となるように前述の方法で混合した。このスラリーを、厚み20μmのアルミシート上に均一に塗布した後、100℃で乾燥し、プレスにて1.5ton/cm2で加圧し、約100μm厚の塗膜を形成し、正極板を得た。
上記正極板を実施例1で開示した細孔評価法で細孔径容積を測定した結果、0.1μm以上,7μm以下の細孔径分布容積は0.415cm3/gであった。
<円筒型電池評価>
円筒型電池を作製するため、二次粒子Aを用いた正極板を塗布幅5.4cm,塗布長さ50cmとなるよう切断し、電流を取り出すためにアルミニウム箔製のリード片を溶接し正極板を作製した。
次に、実施例1で開示した方法で負極を作製した後、正極板と組み合わせて実施例1と同様の方法で円筒型電池を作製した。
この小型円筒型電池を実施例1に開示した方法で電池出力を求めた。二次粒子Aを用いた正極板による円筒型電池の試験電池出力を表1の比較例5の欄に示す。
実施例2の正極板を用いた電池の出力は3100W/kgであった。以上のように、実施例2の正極板を用いた円筒型電池では高出力化を行うことができた。
次に、この電池を直列に10本接続し、高出力化させた電池モジュールを得ることができた。
〔実施例3〕
<細孔分布の評価>
正極活物質として実施例1で用いた二次粒子Aを用い、正極板を以下の手順で作製した。あらかじめ結着剤のPVDFを溶媒のNMPに溶解した溶液と、二次粒子A及び平均粒子径4μmの炭素系導電材と粒径70〜110nmのアセチレンブラックを前述の方法で混合して正極合材スラリーを作製した。このとき、二次粒子A,炭素系導電材及び結着剤を重量百分率比で表してそれぞれ、85:10.7:4.3の割合となるように前述の方法で混合した。このスラリーを、厚み20μmのアルミシート上に均一に塗布した後、100℃で乾燥し、プレスにて1.5ton/cm2で加圧し、約100μm厚の塗膜を形成し、正極板を得た。
上記正極板を実施例1で開示した細孔評価法で細孔径容積を測定した結果、0.1μm以上,7μm以下の細孔径分布容積は0.425cm3/gであった。
<円筒型電池評価>
円筒型電池を作製するため、二次粒子Aを用いた正極板を塗布幅5.4cm,塗布長さ50cmとなるよう切断し、電流を取り出すためにアルミニウム箔製のリード片を溶接し正極板を作製した。
次に、実施例1で開示した方法で負極を作製した後、正極板と組み合わせて実施例1と同様の方法で円筒型電池を作製した。
この小型円筒型電池を実施例1に開示した方法で電池出力を求めた。二次粒子Aを用いた正極板による円筒型電池の試験電池出力を表1の実施例3の欄に示す。
実施例3の正極板を用いた電池の出力は3430W/kgであった。以上のように、実施例3の正極板を用いた円筒型電池では高出力化を行うことができた。
次に、この電池を直列に10本接続し、高出力化させた電池モジュールを得ることができた。
本発明によれば、ハイブリッド車,工具用二次電池などの、高出力が必要とされる機器応用に適したリチウム二次電池を提供できる。
従来の正極を構成する正極活物質粒子と導電材粒子の関係を示す。 本発明の正極を構成する正極活物質粒子と導電材粒子の関係を示す。 本発明の円筒型リチウム二次電池の切り欠き断面図である。
符号の説明
1 正極活物質二次粒子
2 導電材粒子
7 正極板
8 負極板
9 セパレータ
10 電池缶
11 負極板リード片
12 密閉蓋部
13 正極板リード片
14 絶縁板
15 パッキン

Claims (7)

  1. 一次粒子が凝集した二次粒子を有する正極活物質と、平均粒子径が4μm以上6μm以下の塊状導電材と、を有し、
    前記正極活物質が、化学式LiaMnxNiyCoz2(0<a≦1.2,0.1≦x,0.1≦y,0.1≦z≦0.34,x+y+z=1)で表される層状複合酸化物であり、
    前記一次粒子は、0.1μmより大きく、0.3μm未満の粒子が、粒子体積で一次粒子全体の95%以上を占め、
    前記正極活物質を電子顕微鏡により1000倍の視野で観察した結果、全視野の90%で二次粒子径は3〜6μmであり、
    水銀圧入法で測定した正極の、細孔径0.1以上7μm以下の範囲における細孔体積が、0.415cm3/g以上0.425cm3/g未満であることを特徴とするリチウム二次電池用正極。
  2. 前記正極活物質の比表面積が1.1m 2 /g以上1.5m 2 /g未満であることを特徴とする請求項1に記載の正極。
  3. 前記正極が、さらに中空炭素材を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の正極。
  4. 請求項1または2に記載の正極が用いられたリチウムイオン二次電池。
  5. 請求項4に記載のリチウムイオン二次電池が電気的に複数接続された電池モジュール。
  6. リチウムを吸蔵放出する正極と、リチウムを吸蔵放出する負極と、が電解液を介して形成されるリチウム二次電池において、
    前記正極が、正極活物質と、塊状導電材を含み、
    前記正極活物質が、一次粒子が凝集した二次粒子を有する層状複合酸化物であり、
    前記層状複合酸化物が、化学式LiaMnxNiyCoz2(0<a≦1.2,0.1≦x,0.1≦y,0.1≦z≦0.34,x+y+z=1)で表され、
    前記塊状導電材の平均粒子径が4μm以上6μm以下であって、
    前記一次粒子は、0.1μmより大きく、0.3μm未満の粒子が、粒子体積で一次粒子全体の95%以上を占め、
    前記正極活物質を電子顕微鏡により1000倍の視野で観察した結果、全視野の90%で二次粒子径は3〜6μmであり、
    水銀圧入法で測定した正極の、細孔径0.1以上7μm以下の範囲における細孔体積が、0.415cm3/g以上0.425cm3/g未満であり、
    前記正極活物質の比表面積が1.1m2/g以上1.5m2/g未満であることを特徴とするリチウム二次電池。
  7. リチウムを吸蔵放出する正極と、リチウムを吸蔵放出する負極と、が電解液を介して形成されるリチウム二次電池において、
    前記正極が、正極活物質と、塊状導電材を含み、
    前記塊状導電材の平均粒子径が4μm以上6μm以下であって、
    前記正極活物質が、一次粒子が凝集した二次粒子を有する層状複合酸化物であり、
    前記層状複合酸化物が、化学式LiaMnxNiyCoz2(0<a≦1.2,0.1≦x,0.1≦y,0.1≦z≦0.34,x+y+z=1)で表され、
    前記一次粒子は、0.1μmより大きく、0.3μm未満の粒子が、粒子体積で一次粒子全体の95%以上を占め、
    前記正極活物質を電子顕微鏡により1000倍の視野で観察した結果、全視野の90%で二次粒子径は3〜6μmであり、
    水銀圧入法で測定した前記正極の細孔径0.1以上7μm以下の範囲における細孔体積が、0.415cm3/g以上0.425cm3/g未満であることを特徴とするリチウム二次電池。
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