JP5203294B2 - 薄板状積層ベーカリー製品 - Google Patents

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本発明は、焼き上げた後に曲げ加工を行っても、ひび割れを起こさない薄板状積層ベーカリー製品に関する。
パイやデニッシュに代表される層状ベーカリー製品は、通常は、シート状のロールイン油脂をベーカリー生地に積載し、包み込み、圧延及び折りたたみの操作を複数回行なうことによって折り込み、複合積層状生地を製造した後、これに各種の成形加工をし、次いで、必要に応じホイロをとった後、焼成することによって得られる。その風味は、古くからバター風味の商品が好まれ、現在もこれが主流となっているが、最近、嗜好の変化から、バター風味以外に、チーズ風味、チョコレート風味、コーヒー風味等の呈味を有する層状ベーカリー製品も販売されるようになってきている。
これらの呈味を有する層状ベーカリー製品を得るためには、通常は、上記シート状のロールイン油脂と、呈味を有するシート状のフラワーペーストをベーカリー生地中にロールインした複合積層状生地を使用する。最近はより容易に呈味を有する層状ベーカリー製品を得るため、ロールイン油脂上に小片状の呈味素材を散布して折り込む方法(例えば特許文献1参照)、呈味素材をヘテロに含有するロールイン油脂を折り込み使用する方法(例えば特許文献2〜4参照)、フラワーペースト層の層数より、ロールイン油脂層の層数が小である複合積層状ベーカリー生地を使用する方法(例えば特許文献5参照)等により、呈味生地層を有する層状ベーカリー製品を製造することが行われている。
さらに、これらの層状ベーカリー製品について、最近は、焼き上げた後に各種の成形加工をすることが多くなってきている。その際は、上記複合積層状生地を薄く圧延し、焼成した薄板状積層ベーカリー製品に対し、曲げ加工が行われる。例えば、焼成した薄板状積層ベーカリー製品をロール状に巻き上げてロールケーキとしたり、焼成した薄板状積層ベーカリー製品をカップに敷き込こんだり、カップの壁面に沿わせた後、ムースやゼリーやクリームを流し込こんでカップケーキとしたりすることが行われる。
しかし、従来の方法で得られた呈味を有する薄板状積層ベーカリー製品は、浮きが不均一となるために形状が不均一で、また、曲げ加工をした場合に割れが生じやすいという問題があった。
特開2001−321064号公報 特開平11−289978号公報 特開2001−178354号公報 特開2006−000066号公報 特開2006−333735号公報
従って、本発明の目的は、呈味生地層を有する層状ベーカリー製品であって、焼き上げた後に曲げ加工を行っても、ひび割れを起こさない薄板状積層ベーカリー製品を提供することにある。
本発明者等は、上記目的を達成すべく種々検討した結果、シート状フラワーペーストを折り込み使用した複合積層状生地をいったんスライスして、そのスライス断面が垂直方向となるように展板上に離間して並べ、これを焼成することで得られた、層の方向が垂直方向である薄板状積層ベーカリー製品により、上記目的を達成可能なことを知見した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、ベーカリー生地層及び呈味素材層からなる複合積層状生地を、層を横切るようにスライスして板状生地とし、該板状生地を、スライス断面が平板と平行になるように、平板上に並列配置して焼成し、焼成時の膨張により互いに結着させてなる薄板状積層ベーカリー製品を提供するものである。
本発明の薄板状積層ベーカリー製品は、焼き上げた後に曲げ加工を行っても、ひび割れを起こさず、ロールケーキの製造に好適である。
まず、本発明で使用する複合積層状生地について以下に述べる。
上記複合積層状生地は、ベーカリー生地層及び呈味素材層を有する。
上記複合積層状生地の呈味素材層を構成する呈味素材としては、通常、ベーカリー生地に風味を付与するために使用される食品素材であって、積置、塗布、散布可能なものであれば特に制限なく使用することができ、例えば、各種呈味成分を含有するフラワーペースト;ジャム、ゼリー等のゲル化食品;カスタードクリーム、アーモンドクリーム、マロンペースト、あん、チョコペースト、ヌガー等のペースト状食品;シュー生地やバターケーキ生地等の塗布可能なベーカリー生地等が挙げられる。
本発明においては、これらの中でも、均質な層状構造を有する複合積層状生地の製造が容易であること、及び、焼成後に得られるベーカリー生地層との結着力が高く、曲げ加工を行っても剥れがおきにくいこと、更には、可塑性のあるシート状から軟らかいペースト状まで適度の硬さに調整することが可能であり、且つ所望の各種風味を付与することが可能である点において、フラワーペーストを使用するのが好ましい。
上記フラワーペーストの組成は特に制限されるものではなく、一般的なものを採用することができるが、その代表例は以下の通りである。
(フラワーペーストの組成例)
澱粉類2〜10質量%、好ましくは2.5〜8質量%
油脂5〜45質量%、好ましくは15〜45質量%
糖類8〜30質量%、好ましくは10〜27質量%、さらに好ましくは10〜25質量%
なお、上記澱粉類としては、一般的な小麦粉、コーンスターチの他、各種澱粉から得られる化工澱粉を用いることができる。
また、水分含量は30〜85質量%であることが好ましい。
また、これらの呈味素材は、それらの中に固形物が存在していても、呈味素材全体の物性が複合積層状生地製造時の障害にならない限りは、問題なく使用可能である。この場合の固形物としては、例えば、果肉、つぶあんに含まれる小豆、チョコチップ、ナッツのダイスカット品、ザラメ糖、グラニュー糖等が挙げられる。
上記複合積層状生地のベーカリー生地層を構成するベーカリー生地としては、特に制限されるものではなく、食パン、菓子パン、パイ、デニッシュ、クロワッサン、フランスパン、セミハードロール、ドーナツ、クラッカー、クッキー、ハードビスケット、ワッフル、スコーン等の製造に一般的に用いられるベーカリー生地が挙げられるが、得られた薄板状積層ベーカリー製品を曲げ加工した際により割れにくい点で、食パン、菓子パン、デニッシュ、クロワッサン、フランスパン、セミハードロール等のイーストを含有する生地を使用することが好ましい。
本発明においては、上記ベーカリー生地が、該ベーカリー生地に使用する穀粉類100質量部に対し、糖類を15〜50質量部、及び、油脂を10〜50質量部含有するものであると、得られた薄板状積層ベーカリー製品を曲げ加工した際により割れにくい点で好ましい。
本発明においては、上記複合積層状生地にロールイン油脂を使用してもよい。上記複合積層状生地にロールイン油脂を使用する場合、方法としては以下の2法がある。即ち、上記ベーカリー生地として、パイ生地、デニッシュ生地、クロワッサン生地等のロールイン油脂を使用したベーカリー生地を使用する方法と、上記呈味素材及び上記ベーカリー生地に加えて、ロールイン油脂を別途使用する方法である。
本発明においては、上記の2法のどちらも使用することができるが、ここで、上記複合積層状生地にロールイン油脂を使用した場合、浮きが良好ではっきりした層状構造が視認できるものの、得られた薄板状積層ベーカリー製品を曲げ加工した際に、ロールイン油脂の使用量や折り数(層数)によっては割れやすくなるおそれがある。そのため、本発明においては、上記複合積層状生地はロールイン油脂を含まないことが好ましい。
また、上記複合積層状生地における、上記ベーカリー生地と上記呈味素材の比率は、ベーカリー生地100質量部に対し、呈味素材が好ましくは5〜100質量部、より好ましくは10〜50質量部である。呈味素材の供給量が5質量部未満であると、得られる薄板状積層ベーカリー製品が呈味素材の風味を感じないものとなってしまうことがあり、100質量部を超えると、製造時の生地伸展性が悪化することに加え、得られる薄板状積層ベーカリー製品の火抜けが悪く、また、曲げ加工した際に割れやすくなる。
また、上記複合積層状生地における、上記呈味素材層の層数は、好ましくは2層〜584層、より好ましくは4層〜64層、さらに好ましくは6〜21層である。上記層数の合計が2層未満であると、得られる薄板状積層ベーカリー製品も層の結着性が悪く、曲げ加工した際に割れやすくなってしまう。また、584層を超えると、生地製造時に層同士が練り込まれやすいため、得られる薄板状積層ベーカリー製品に層状構造が視認できず、いわゆるパン目状になりやすい。
次に、上記複合積層状生地の製造方法について述べる。
上記複合積層状生地は、上記の呈味素材及びベーカリー生地を積層することによって得ることができる。好ましくは層の比率や層数が上記条件となるように積層する。
上記呈味素材層を形成するために供給する呈味素材としては、ペースト状、粉体、小片状、シート状等の各種形態・形状のものを使用することができるが、シート状のものであると、呈味素材を上記複合積層状生地中に均一に分散させることが容易であること、及び、得られる薄板状積層ベーカリー製品の浮きが、より良好である点で好ましい。
また、呈味素材のベーカリー生地への供給方法としては、その物性によって、積置、塗布、散布のうちの1種以上の方法を適宜選択することができる。
積層方法は特に制限されず、従来の複合積層状生地の製造方法においてと同様に、リバースシーター他、公知の機械や麺棒等により生地を延展し、これを折り畳む方法や、延展した生地を切断して積み重ねる方法、あるいは自動のラミネーターで積層する方法等、各種公知の方法を採ることが可能である。
続いて、上記のようにして得られた複合積層状生地を、必要に応じ、圧延したり、ロール状に巻いたり、3つ折り、パルミエ成形等の成形をしてから、層を横切るようにスライスして板状生地とする。スライスされる複合積層状生地のサイズは、目的とする薄板状積層ベーカリー製品のサイズ等を考慮して適宜選択すればよく、特に制限されるものではないが、例えば圧延した後スライスする場合は、曲げ加工時の割れにくさ、製造上の効率、食感等の観点から、厚さ5〜30mmまで圧延することが好ましい。また、スライスされる複合積層状生地の形状は、目的とする薄板状積層ベーカリー製品の外観によって適宜選択すればよい。
スライスする厚さ(板状生地の厚さ)は、ベーカリー生地がイーストを含有しない生地である場合は、好ましくは2〜30mm、より好ましくは5〜20mmであるが、ベーカリー生地がイーストを含有する生地である場合は、ホイロ時に、上方へ(平板から垂直方向)へ生地が伸びる(呈味素材層によって平板と平行方向への拡大が抑制される)ため、好ましくは2〜20mm、より好ましくは5〜15mmとする。
上記下限未満であると、得られた薄板状積層ベーカリー製品を曲げ加工する際に割れやすくなってしまう。また、上記上限を超えると、得られる層状ベーカリー製品が厚くなってしまい、曲げ加工する際に極めて割れやすくなってしまう。
スライスする厚さを適宜選択することによって、得られる薄板状積層ベーカリー製品の厚さを調節することができる。
上記複合積層状生地を層を横切るようにスライスする際、層を横切る角度は、層と垂直方向の±45°以内であることが好ましく、より好ましくは±30°以内、さらに好ましくは±15°以内、最も好ましくは±5°以内である。尚、「層を横切るようにスライスする」とは、スライス断面に積層構造が現れるようにスライスすることを意味する。ロール状に巻いたり、3つ折り、パルミエ成形等の成形をしてからスライスする場合は、うず巻き、3つ折り、パルミエ等の形状がスライス断面に現れるようにスライスする。
得られた板状生地は、スライス断面が平板と平行になるように、該平板上に並列配置する。ここで、スライスした板状生地は、焼成時の膨張により互いに結着するように、適度の離間をとって並列配置することが必要である。
これは、層状生地である上記板状生地が、その層の垂直方向(平板と平行方向)に焼成時に拡大するためであり、適度の離間をもたずに、接触させた状態で焼成すると、激しく波打った形状の層状ベーカリー製品となってしまうからである。
ここで、板状生地が、単純な棒状であれば、その層の広がる方向に適度の離間をとって、並列配置する。離間の間隔は、棒の太さ(スライスされる複合積層状生地の厚さと同じ)やベーカリー生地の種類等に応じて適宜選択すればよく、特に制限されるものではないが、目安としては、棒の太さの好ましくは0.3〜2.5倍、より好ましくは0.5〜1.5倍の離間をとることが望ましい。尚、ここで言う単純な棒状の板状生地は、複合積層状生地をロール状に巻いたり、3つ折り、パルミエ成形等の成形をせずにスライスしたもので、スライス断面において各層が棒の長さ方向に概ね直線状に延びているものである。
また、板状生地が単純な棒状である場合は、全ての棒状生地を同じ長さとし且つ互いに平行となるように並列配置するのが好ましい。さらに、配置する複数の棒状生地の端が一直線上に並ぶように、且つ該直線と棒状生地の長さ方向とが直角をなすように並列配置することが好ましい。このように並列配置することで、長方形や正方形の薄板状積層ベーカリー製品を得ることができる。
ロール状に巻いてからスライスした板状生地である場合は同心円状に、3つ折り、パルミエ成形等の成形をしてからスライスした板状生地である場合は長円形〜楕円形に拡がるため、それを考慮して、適度の離間をとって並列配置することが必要である。並列配置する際には、板状生地が平板上で概ね均等に分布するように(例えば千鳥状に)配置することが好ましい。使用する板状生地の量は、複合積層状生地の成形方法やベーカリー生地の種類等によっても異なり、特に制限されるものではないが、目安としては、使用する全板状生地の合計面積が、目的とする薄板状積層ベーカリー製品の面積の40〜80%の範囲となるようにすることが好ましい。
並列配置する板状生地の数は、特に制限されるものではなく、板状生地のサイズ及び種類、目的とする薄板状積層ベーカリー製品のサイズ等に応じて適宜選択すればよい。
次いで、ベーカリー生地がイーストを含まない生地である場合は、必要に応じレストタイムをとった後、焼成する。また、ベーカリー生地がイーストを含む生地である場合は、ホイロをとった後、焼成する。
焼成条件は特に制限されず、ベーカリー製品の種類によって異なるが、例えばオーブンを使用する場合、好ましくは150〜240℃で4〜40分、さらに好ましくは180〜230℃で8〜30分である。
この焼成時の膨張により、離間して並列配置した板状生地が互いに結着して1枚の板状となることで、本発明の薄板状積層ベーカリー製品を得ることができる。
続いて、本発明のロールケーキについて述べる。
本発明のロールケーキは、上記の本発明の薄板状積層ベーカリー製品を使用して得られたものである。
具体的には、本発明の薄板状積層ベーカリー製品を冷却後、例えば、ジャム;あん;カスタードクリーム、生クリーム、ホイップクリーム、シャルロットクリーム、フルーツクリーム、バタークリーム、アーモンドクリーム等のクリーム類;ペースト状のフラワーペースト;ゼリー等のゲル化食品;マロンペースト、チョコペースト、ファットスプレッド、カレーペースト、マーガリン、バター、ヌガー等のペースト状食品を塗布したり、シート状プリン、シート状フラワーペースト等のシート状食品素材を積置した後、巻き上げることによって得ることができる。
巻き上げる方向は、層が平行である場合など、等方向性がある場合は、その層と垂直方向とし、層の方向がロールケーキの長さ方向となるようにすることが、割れにくい点で好ましい。なお、層が同心円状の組み合わせである場合等、方向性がない場合は、どのような方向であっても同様の結果である。
また、巻き上げる際には外巻き(焼成時の上面が外側になる巻き方)であっても内巻き(焼成時の上面が内側になる巻き方)のどちらであってもよいが、割れが生じにくい点、及び、得られるロールケーキの外観がゆるやかに波打った形状で見た目にも楽しいものとなる点からは、外巻きが好ましい。
なお、得られた薄板状積層ベーカリー製品やロールケーキは、その形状の安定化や装飾のために、ナパージュやグラサージュ、あるいはチョコレート掛けをすることも可能である。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例等により何等制限されるものではない。なお、下記実施例及び比較例中の「%」は、「質量%」を意味する。
〔実施例1〕
<シート状フラワーペーストの製造>
パーム油24.5%及びナタネ極度硬化油0.5%に、キサンタンガム0.01%及びペクチン0.3%を添加し、油相とした。水30%、デンプン4%、小麦粉3%、ゼラチン2%、砂糖混合果糖ブドウ糖液糖27%、脱脂粉乳3%、乾燥全卵5%及び香料0.69%を混合し、水相とした。この油相と水相とを混合、乳化、均質化した後、加熱殺菌し、次いで、22℃まで冷却した後、長さ400mm、幅200mm、厚さ8mmのシート状に成形し、カスタード風味のシート状フラワーペーストを得た。
<ベーカリー生地の製造>
練り込み油脂(マーガリン)30質量部、上白糖25質量部、全卵20質量部をミキサーボールに投入し、縦型ミキサーにて低速3分、中速4分クリーミングした。次いで、強力粉80質量部、薄力粉20質量部、食塩1.0質量部、イースト6質量部、イーストフード0.1質量部、水30質量部を投入し、さらに低速3分、中速8分ミキシングし、スイートロール生地を得た。
<複合積層状生地の製造>
得られたベーカリー生地(スイートロール生地)は、フロアタイムを30分(25℃)とった後、2℃で12時間静置した。次いで、リバースシーターを用いて、空折りとして4つ折りを1回行ない、この生地200質量部上に、シート状フラワーペースト60質量部を積置して、更に3つ折りを2回(9層)実施した後、厚さ15mmまで圧延し、ベーカリー生地層100質量部に対し呈味素材層が30質量部であり、呈味素材層の層数が9層である複合積層状生地を得た。
<板状生地の製造>
得られた複合積層状生地は、層を横切るように垂直方向に幅7mmにスライス(長さは300mm)し、板状生地を得た。
<薄板状積層ベーカリー製品の製造>
6取り展板上にベーキングシートを敷き、得られた板状生地を、断面が平板と平行になるように、中心間距離で35mmの間隔(離間距離=20mm)で15本を長手方向に等間隔に並列配置し、38℃、相対湿度80%、60分のホイロをとった後、180℃の固定窯で12分焼成した。この焼成時の膨張により、離間して並列配置した板状生地は互いに結着し、1枚の本発明の薄板状積層ベーカリー製品が得られた。
<ロールケーキの製造>
放冷後、得られた薄板状積層ベーカリー製品を表裏を反転させ、その表面にホイップした生クリームを250g塗布し、その上にラムレーズン80gを散布し、そして層と垂直方向に巻いていき(外巻き)、層の方向がロールケーキの長さ方向であるロールケーキを得た。得られたロールケーキは表面の割れもなく、2℃で3日間保管してもソフトで良好な口溶けを保っていた。
〔実施例2〕
ベーカリー生地として、下記の配合・製法で得られたベーカリー生地を使用した以外は、実施例1の配合・製法と同様にして、複合積層状生地を製造し、得られた複合積層状生地をスライスして板状生地とし、該板状生地を用いて薄板状積層ベーカリー製品を製造し、さらに得られた薄板状積層ベーカリー製品を用いてロールケーキを製造した。
得られたロールケーキは表面の割れもなく、2℃で3日間保管してもソフトで良好な口溶けを保っていた。
<ベーカリー生地の製造>
強力粉50質量部、薄力粉50質量部、脱脂粉乳3質量部、イーストフード0.1質量部、20℃に調温しておいた練込用マーガリン10質量部、冷凍しておいた小片状マーガリン70質量部をミキサーボールに投入し、縦型ミキサーを用い低速で各材料が均一になるまで3分混合した後、食塩1.5質量部、イースト5質量部、冷水48質量部、全卵15質量部をミキサーボールに入れ、低速で2分混合し、捏ね上げ温度を20℃とした。次いで、20分フロアタイムを取った後、−20℃の冷凍庫にて60分生地を冷却し、リバースシーターにて生地の3つ折りを3回行ない、デニッシュ生地を得た。
〔比較例1〕
実施例1で製造した複合積層状生地をスライスすることなく、そのまま厚さ5mmまでさらに圧延し、ピケをうったあと、6取り展板上に配置し、38℃、相対湿度80%、60分のホイロをとった後、180℃の固定窯で12分焼成し、比較例の薄板状積層ベーカリー製品を得た。該薄板状積層ベーカリー製品を使用した以外は実施例1と同様にしてロールケーキを製造したところ、得られたロールケーキは表面に微細なひび割れが発生し、また、口溶けが悪くねちゃついた不良な食感であった。

Claims (5)

  1. ベーカリー生地層及び呈味素材層からなる複合積層状生地を、層を横切るようにスライスして板状生地とし、該板状生地を、スライス断面が平板と平行になるように、平板上に並列配置して焼成し、焼成時の膨張により互いに結着させてなる薄板状積層ベーカリー製品。
  2. 上記呈味素材層がフラワーペーストである請求項1記載の薄板状積層ベーカリー製品。
  3. 上記複合積層状生地がロールイン油脂を含まない請求項1又は2記載の薄板状積層ベーカリー製品。
  4. 上記ベーカリー生地層が、穀粉類100質量部に対し、糖類15〜50質量部及び油脂10〜50質量部を含有するベーカリー生地からなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の薄板状積層ベーカリー製品。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の薄板状積層ベーカリー製品を使用したロールケーキ。
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