JP2022129584A - 複合積層状ベーカリー生地、層状ベーカリー食品及び複合積層状ベーカリー生地の製造方法 - Google Patents

複合積層状ベーカリー生地、層状ベーカリー食品及び複合積層状ベーカリー生地の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】呈味素材層が厚く、呈味素材の風味がしっかり感じられ、良好な浮きと食感を有する層状ベーカリー食品を製造することができる複合積層状ベーカリー生地、及び、該ベーカリー生地を、特殊な形態のロールイン油脂を使用することなく製造することのできる、複合積層状ベーカリー生地の製造方法を提供すること。【解決手段】呈味素材層、ロールイン油脂層及びベーカリー生地層を含む複合積層状ベーカリー生地であって、呈味素材層が3層以下であり、且つ、該呈味素材層の層数より、該ロールイン油脂層の層数が10倍以上大であることを特徴とする複合積層状ベーカリー生地。【選択図】なし

Description

本発明は、呈味素材とロールイン油脂を含有する複合積層状ベーカリー生地、該複合積層状ベーカリー生地を加熱してなる層状ベーカリー食品、及び、複合積層状ベーカリー生地の製造方法に関する。
層状ベーカリー食品は、通常は、シート状のロールイン油脂をベーカリー生地に積載し、包み込み、圧延及び折りたたみの操作を複数回行なうことによって折り込み、複合積層状ベーカリー生地を製造した後、これを各種成形し、次いで、必要に応じホイロをとった後、焼成することによって得られる。その風味は、古くからバター風味の商品が好まれ、現在もこれが主流となっているが、最近は嗜好の変化から、バター風味以外に、チーズ風味、チョコレート風味、コーヒー風味等の呈味を有する層状ベーカリー食品も販売されるようになってきている。
これらの呈味を有する層状ベーカリー食品を得るためには、ベーカリー生地中に、チーズ、チョコレート、カスタード、コーヒー等の呈味素材を練込使用する方法、ロールイン油脂を包み込み、折り込んだベーカリー生地とロールイン油脂との積層物に、小片状の呈味素材を散布、あるいはシート状のフラワーペーストを供給し、さらに折り込んだ複合積層状ベーカリー生地を使用する方法が用いられてきた。
しかし、ベーカリー生地中に呈味素材を練込使用する方法は、呈味素材の風味が弱く感じられる問題に加え、グルテンの形成阻害やイーストの発酵阻害が発生し易くなることに加え、層状ベーカリー食品の浮きが悪化する問題もあった。
また、ベーカリー生地とロールイン油脂との積層物に、小片状の呈味素材を散布、あるいはシート状のフラワーペーストを供給し、さらに折り込んだ複合積層状ベーカリー生地を使用する方法は、小片状の呈味素材を用いた場合は浮きが不均一になる等、良好な浮きの層状ベーカリー食品が得られず、また、食感がねちゃつきやすいといった欠点がある。一方、シート状のフラワーペースを用いた場合は浮きが阻害されたり、ベーカリー生地から発生した水蒸気が抜けないため中央部分だけが浮くなど浮きが不均一となったり、空洞が生じたりすることに加え、層状ベーカリー食品の下部の火通りが悪く、底だまりと言われる目の詰まった部分が生じ、更には厚い暗色の単一層となり生焼けのような食感になってしまう問題もあった。
このため、ロールイン油脂及び呈味素材を、浮きを阻害しない形態でベーカリー生地に折り込み、しかも焼成品において食感も良好である層状ベーカリー食品を得ることを可能とするために種々の開発検討が行なわれてきた。例えば呈味素材をロールイン油脂中に乳化する方法(例えば特許文献1参照)、シート状ロールイン油脂に溝孔を施し、呈味素材を充填、塗布あるいは散布したロールイン油脂組成物を使用する方法(例えば特許文献2参照)、呈味素材を層状ベーカリー食品の各層に偏在させる方法(例えば特許文献3参照)、ベーカリー生地の上にロールイン油脂を配置した後、予め所定の形状に成型した呈味素材をロールイン油脂上に配置し、これを折りたたんで作製する方法(例えば特許文献4参照)が提案されてきた。
しかし、特許文献1に記載の方法は、呈味素材がロールイン油脂中に均一に乳化されていること及び呈味素材の配合量が制限されてしまうことから呈味が不充分となる問題があり、さらに食感がねちゃつきやすいものであった。特許文献2及び特許文献3に記載の方法は、油脂を連続層とするために呈味素材の配合量が制限されてしまうため呈味が不充分となる問題に加え、特殊な形態のロールイン油脂を使用する必要があるため一般的に汎用し得る方法ではなく、また、折り込み時に油脂切れを起こす等、均質な複合積層状ベーカリー生地を得ることができず、浮きや風味が不均質になりやすいという問題があった。特許文献4に記載の方法は、呈味素材を均一に層状ベーカリー食品に分散させることが難しい上に、浮きが不均質になりやすいという問題もあった。
また、均質な浮きの阻害要因であるフラワーペーストをロールイン油脂の層数よりも多層となるように折り込むことで、浮きの問題と食感の問題を同時に解決する方法(例えば特許文献5参照)も提案された。しかし、この方法であると、呈味素材層が薄くなりすぎて呈味素材の風味が感じられにくくなってしまう問題があった。
特開平01-231841号公報 特開平11-289978号公報 特開2001-178354号公報 特開2001-321064号公報 特開2006-333735号公報
従って、本発明の目的は、呈味素材層が厚く、呈味素材の風味がしっかり感じられ、良好な浮きと食感を有する層状ベーカリー食品を製造することができる複合積層状ベーカリー生地、及び、該ベーカリー生地を、特殊な形態のロールイン油脂を使用することなく製造することのできる、複合積層状ベーカリー生地の製造方法を提供することである。
本発明者等は、種々検討した結果、層状ベーカリー食品を製造する際に呈味素材層の層数を大幅に減少させ、更に、呈味素材層の層数より、上記ロールイン油脂層の層数を大幅に増やすことにより、上記目的を達成し得ることを知見した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、「呈味素材層、ロールイン油脂層及びベーカリー生地層を含む複合積層状ベーカリー生地であって、呈味素材層が3層以下、且つ、上記呈味素材層の層数より、上記ロールイン油脂層の層数が10倍以上大であることを特徴とする複合積層状ベーカリー生地」、「該複合積層状ベーカリー生地を加熱してなる層状ベーカリー食品」及び「ベーカリー生地とロールイン油脂との積層物を製造した後、該積層物に呈味素材を供給し、折り込むことを特徴とする複合積層状ベーカリー生地の製造方法」を提供するものである。
本発明によれば、呈味素材層が厚く、呈味素材の風味がしっかり感じられ、良好な浮きと食感を有する層状ベーカリー食品を製造することができる。
以下、本発明の複合積層状ベーカリー生地について好ましい実施形態に基づき詳述する。
本発明の複合積層状ベーカリー生地は、呈味素材層、ロールイン油脂層及びベーカリー生地層を有する。
本発明の複合積層状ベーカリー生地の呈味素材層を構成する呈味素材としては、通常、ベーカリー生地に風味を付与するために使用する食品素材であって、塗布、積置、折り込み可能なものであれば特に制限なく使用することができ、例えば、各種呈味成分を含有するフラワーペースト、あるいは、ゲル化剤や増粘多糖類を使用して得られるジャム、ゼリー等のゲル化食品、カスタードクリーム、アーモンドクリーム、マロンペースト、あん、チョコペースト、ヌガー等のペースト状食品等が挙げられる。
本発明においては、これらの中でも、得られる層状ベーカリー食品の呈味素材層を厚く残すのが容易である点、均質な浮きが得られる点に加え、呈味素材としても、可塑性のあるシート状から軟らかいペースト状まで適度の硬さに調整することが可能であり、且つ所望の各種風味を付与することが可能である点において、フラワーペーストを使用するのが好ましい。
また、これらの呈味素材は、それらの中に固形物が存在していても、全体の物性が複合積層状ベーカリー生地製造時の障害にならない限りは、問題なく使用可能である。この場合の固形物としては、例えば、果肉、果皮、つぶあん、チョコチップ、ナッツのダイスカット品、ゴマ、香辛料などが挙げられる。
本発明の複合積層状ベーカリー生地のロールイン油脂層を構成するロールイン油脂としては、バターや、水中油型マーガリン、油中水型マーガリン、ショートニング等のペースト状~可塑性のロールイン油脂を使用でき、その油相に使用する油脂についても特に限定されずに使用することができ、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大豆油、菜種油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、カカオ脂、サル脂、牛脂、豚脂、乳脂、魚油、鯨油等の各種の植物油脂及び動物油脂、並びにこれらに水素添加、分別及びエステル交換から選択された一又は二以上の処理を施した加工油脂や、MCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)等が挙げられ、これらの油脂の中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
なお、上記ロールイン油脂は、一般的なロールイン油脂に含まれる各種の食塩、糖類、着色料、着香料、酸化防止剤等を含有するものであってもよい。
上記ロールイン油脂は、その油相のSFCが、好ましくは10℃で30~70、20℃で20~55、さらに好ましくは10℃で35~60、20℃で30~45となるように調整するのがよい。該SFCが10℃で30未満又は20℃で20未満であると、ロールイン油脂が軟らかいため、折り込み時に良好な伸展性が得られにくい。一方、該SFCが10℃で70超又は20℃で55超であると、生地製造時に硬すぎて伸展せず塊状に残ってしまうため、焼成中に油脂漏れがひどく、良好な層状構造を示すベーカリー食品が得られないおそれがある。
なお、上記のSFCは次のようにして測定する。配合油を60℃に30分保持し、油脂を完全に融解し、そして0℃に30分保持して固化させる。さらに25℃に30分保持し、テンパリングを行い、その後、0℃に30分保持する。これを順次SFCの各測定温度に30分保持後、SFCを測定する。
本発明の複合積層状ベーカリー生地のベーカリー生地層を構成するベーカリー生地としては、特に制限されるものではなく、食パン、菓子パン、パイ、イーストパイ、デニッシュ、クロワッサン、フランスパン、セミハードロール、ドーナツ、デニッシュドーナツ、クラッカー、クッキー、ハードビスケット、ワッフル、スコーン等の製造に用いられる生地が挙げられる。なお、上記ベーカリー生地のうち、パイ、デニッシュ、クロワッサン等の製造に用いられる生地のように、通常ロールイン油脂を使用する生地の場合は、ここではロールイン油脂添加前の生地を指す。
なお、本発明では、良好な浮きの層状ベーカリー食品が得られる点、及び、底面に底だまりが生成しにくい点で、イーストを含む生地であることが好ましい。
すなわち、本発明では、上記ベーカリー生地が食パン、菓子パン、イーストパイ、デニッシュ、クロワッサン、フランスパン、セミハードロール、ワッフル、スコーン等の製造に用いられる生地であることが好ましく、なかでも、良好な食感の層状ベーカリー食品が得られる点で、イーストパイ、デニッシュ、クロワッサンの製造に用いられる生地であることが好ましい。
ここで、本発明の複合積層状ベーカリー生地は、上記呈味素材層の層数が3層以下であることが必要である。4層以上であると、得られる層状ベーカリー食品の呈味素材層が薄くなり、呈味を強く感じることができなくなってしまうことに加え、均質な浮きとならなくなるおそれがある。
本発明の複合積層状ベーカリー生地は、上記呈味素材層の層数より、上記ロールイン油脂層の層数が10倍以上、好ましくは20倍以上、さらに好ましくは40倍以上、最も好ましくは70倍以上大であることを特徴とする。
ロールイン油脂層の層数が呈味素材層の層数の9倍以下であると、得られる層状ベーカリー食品は、浮きが不均一になってしまう問題に加え、とくにロールイン油脂量が多い場合には底だまりが生成しやくなってしまう問題がある。
なお、上記倍数の上限は特に制限はないが、層状ベーカリー食品らしい内相とするためには、584倍以下であることが好ましく、より好ましくは292倍以下である。
また、本発明の複合積層状ベーカリー生地は、十分な浮きが得られる点で、ロールイン油脂層の層数は、ベーカリー生地がイーストを含まないものである場合、好ましくは16~1024層、より好ましくは64~516層である。また、ベーカリー生地層がイーストを含むものである場合、好ましくは16~516層、より好ましくは32~256層である。
また、本発明の複合積層状ベーカリー生地は、得られる層状ベーカリー食品において十分な呈味素材の風味を感じることができる点で、複合積層状ベーカリー生地に占める上記呈味素材層の割合が、5~45質量%であることが好ましく、10~35質量%であることがより好ましい。
また、本発明の複合積層状ベーカリー生地は、得られる層状ベーカリー食品において十分な浮きが得られる点で、複合積層状ベーカリー生地に占める上記ロールイン油脂層の割合が、5~60質量%であることが好ましく、10~40質量%であることがより好ましい。
また、本発明の複合積層状ベーカリー生地は、呈味素材層、ロールイン油脂層、ベーカリー生地層の層間又は層内に固形物が存在していても、全体の物性が複合積層状ベーカリー生地製造時の障害にならない限りは、問題なく使用可能である。この場合の固形物としては、例えば、果肉、果皮、つぶあん、チョコチップ、ナッツのダイスカット品、ゴマ、胡椒、ガーリックなどの香辛料、さらにはケーキクラム、パイクラム、パンクラム、クッキークラム等のベーカリー製品破砕物などが挙げられる。
次に、本発明の複合積層状ベーカリー生地の製造方法について述べる。
上記の本発明の複合積層状ベーカリー生地は、上記の呈味素材、ロールイン油脂及びベーカリー生地を用いて、各層の層数、及び、層数の比が上記条件となるように積層することによって得ることができるが、例えば、好ましくは、上記ベーカリー生地と上記ロールイン油脂とを積層、あるいは、上記ベーカリー生地で上記ロールイン油脂を包みこんだ後、得られた積層物に上記呈味素材を供給し、折り込む方法により得ることができる。
本発明において、上記呈味素材層を製造するために供給する呈味素材としては、ペースト状、小片状、シート状等の各種形態・形状のものを使用することができるが、シート状のものであると、呈味素材を複合積層状ベーカリー生地中に均一に分散させることが容易であること、及び、得られる層状ベーカリー食品の浮きが、より良好である点で好ましい。
また、上記ロールイン油脂層を製造するために供給するロールイン油脂としては、バターや、水中油型マーガリン、油中水型マーガリン、ショートニング等のペースト状~可塑性のロールイン油脂を使用でき、可塑性ロールイン油脂においては、その形状についても、小片状、シート状等の各種形状のものを使用することができるが、本発明では、上記ロールイン油脂がシート状のものであると、得られる層状ベーカリー食品の浮きを安定化することができる点で好ましい。
なお、小片状とは、立方体状、直方体状、角柱状、円柱状、半円柱状、球状等の形状で、その大きさが、立方体状又は直方体状のものは一辺の長さが35mm以下、角柱状のものは断面となる多角形の一辺が35mm以下で長さが100mm以下、円柱状又は半円柱状のものは直径が35mm以下で長さが100mm以下、球状のものは直径が35mm以下程度のものである。
小片状に成形する方法としては、特に限定されるものではないが、包丁や自動ラインでカットする方法や、小穴をあけた口金を通す押し出し成形で吐出させた後にカットする方法等が挙げられる。
なお、上記ロールイン油脂は、一般的なロールイン油脂に含まれる食塩、糖類、着色料、着香料、酸化防止剤等を含有するものであってもよい。
また、本発明の複合積層状ベーカリー生地の製造方法においては、呈味素材の供給量は、ベーカリー生地100質量部に対し、好ましくは5~100質量部、より好ましくは10~50質量部である。呈味素材の供給量が5質量部未満であると、得られる層状ベーカリー食品が呈味素材の風味を感じないものとなってしまい、100質量部を超えると、浮きが悪化することに加え、底だまりが生成しやすくなる。
また、本発明の複合積層状ベーカリー生地の製造方法においては、ロールイン油脂の供給量は、ベーカリー生地100質量部に対し、好ましくは10~50質量部、より好ましくは20~40質量部である。ロールイン油脂の供給量が10質量部未満であると、層状ベーカリー食品らしい内相とすることができないことに加え、浮きが悪くなるおそれがあり、50質量部を超えると、得られる層状ベーカリー食品の食感が油っぽいものになってしまうことに加え、底だまりが生成しやすくなる。
また、ロールイン油脂と呈味素材の供給量の好ましい比率は、呈味素材1質量部に対し、ロールイン油脂が0.2~5質量部、より好ましくは0.4~2質量部である。ロールイン油脂が0.2質量部未満であると、得られる層状ベーカリー食品の浮きが悪くなるおそれがあり、5質量部を超えると、得られる層状ベーカリー食品の食感が油っぽいものになってしまうことに加え、底だまりが生成しやすくなる。
なお、積層方法は特に制限されず、リバースシーター他、公知の機械や麺棒等により生地を延展し、これを折り畳む方法や、延展した生地を切断して積み重ねる方法、あるいは自動のラミネーターで積層する方法等、各種公知の方法を採ることが可能である。
また、呈味素材やロールイン油脂のベーカリー生地への供給方法としては、その物性によって、積置、塗布、散布のうちの1種又は2種の方法を適宜選択することができる。
ここで、固形物を層間に分散させる場合は、上記の呈味素材、ロールイン油脂及びベーカリー生地を用いて、積層、折り込み操作をする間のいずれかの段階で、層間に積置、塗布、散布のうちの1種又は2種の方法を適宜選択することができる。
なお、ここで、複合積層状ベーカリー生地において、呈味素材層の占める割合が高い場合や、ロールイン油脂量が多く且つロールイン油脂層の層数が少ないなど、浮きが悪化しやすいことが予見される場合は、(1)生地だけにピケを入れる、(2)固形物としてケーキクラム、パイクラム、パンクラムなどのベーカリー製品破砕物を最下部の呈味素材層の下に集中的に供給する方法、(3)最下部の呈味素材層の下になるベーカリー生地層を他のベーカリー生地層よりも厚くする方法、(4)上記ロールイン油脂の供給量を減じる方法、などの方法によって、呈味素材層の沈下を防ぎ、且つ、最下層のベーカリー生地層とロールイン油脂層との積層生地のパフ力を増加させ、底だまりの生成を抑制することが望ましい。
本発明の層状ベーカリー食品は、上記の本発明の複合積層状ベーカリー生地を、常法により、成形、ホイロ等の処理をした後、焼成及び/又はフライ等の加熱処理をしたものである。
本発明の層状ベーカリー食品は、呈味素材層が厚く、呈味素材の風味がしっかり感じられ、良好な浮きと食感を有するという特徴を有する。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例等により何等制限されるものではない。なお、下記実施例及び比較例中の「%」は、「質量%」を意味する。
〔製造例1〕
<シート状フラワーペーストの製造>
パーム油24.5%及びナタネ極度硬化油0.5%に、キサンタンガム0.01%及びペクチン0.3%を添加し、油相とした。水30%、デンプン4%、小麦粉3%、ゼラチン2%、砂糖混合果糖ブドウ糖液糖27%、脱脂粉乳3%、乾燥全卵5%及び香料0.69%を混合し、水相とした。この油相と水相とを混合、乳化、均質化した後、加熱殺菌し、次いで、22℃まで冷却した後、長さ400mm、幅200mm、厚さ8mmのシート状に成形し、カスタード風味のシート状フラワーペーストを得た。
〔製造例2〕
<シート状ロールイン油脂の製造>
豚脂、大豆極度硬化油及びパーム中部油を75:5:20の質量割合で配合した混合油脂81%、レシチン0.5%並びにステアリン酸モノグリセリド0.5%からなる油相と、水17%及び食塩1%からなる水相とを、常法により、油中水型乳化後、急冷可塑化し、可塑性油脂(マーガリン)を得た。この可塑性油脂(マーガリン)を2℃で7日間冷蔵後、長さ400mm、幅200mm、厚さ8mmのシート状に成形し、シート状ロールイン油脂を得た。このシート状ロールイン油脂の油相のSFCは10℃で50、20℃で35であった。
〔実施例1〕
強力粉100質量部、ベーキングパウダー0.4質量部、イースト4質量部、イーストフード0.1質量部、上白糖15質量部、食塩1.7質量部、全卵12質量部、脱脂粉乳2質量部、水40質量部、及び練込油脂(マーガリン)8質量部をミキサーボウルに投入し、たて型ミキサーにて低速で3分、中速で4分混合し、ベーカリー生地を得た。得られたベーカリー生地は、フロアタイム30分(27℃)とった後、2℃で16時間静置した。次いで、この生地上に、10℃に調温した製造例2で得られたシート状ロールイン油脂50質量部を積置してふろしき状に包み込み、リバースシーターを用いて、4つ折り、2つ折り、4つ折りを順に実施した後、さらに2℃で8時間静置した。この積層生地を再びリバースシーターを用いて厚さ約5mmまで圧延し、ピケを入れた後、積層生地上に、製造例1で得られたシート状フラワーペースト30質量部を中央部に積置してふろしき状に包み込み、2つ折りを1回実施した後、厚さ15mmまで圧延し、呈味素材層の層数が2層、ロールイン油脂層の層数が128層、呈味素材層の層数より、上記ロールイン油脂層の層数が64倍大である複合積層状ベーカリー生地を得た。
この生地を2℃で16時間レストをとった後、5mmまで圧延し、これを70mm×70mmの大きさに切り出し、天板に並べ、38℃、相対湿度80%、60分のホイロをとった後、155℃の固定窯で30分焼成し、本発明の層状ベーカリー食品であるカスタードデニッシュを得た。
得られたカスタードデニッシュは呈味素材層が厚く、カスタードの風味がしっかりと強く感じられる上に、デニッシュ様の良好な内層と食感を示し、わずかに底だまりは見られるが底部の生焼けもなく、均質で高い浮きを示し、形状の安定性も良好であった。
〔実施例2〕
積層生地でシート状フラワーペーストを包み込む際に、ふろしき状に包み込む代わりに、フラワーペーストの片面が積層生地2層、もう片面が積層生地1層となるように三つ折り包みを行い、続いて行う2つ折り時に、2層側が外側になるように2つ折りを1回実施した以外は、実施例1の配合及び製法で、呈味素材層の層数が2層、ロールイン油脂層の層数が192層、呈味素材層の層数より、上記ロールイン油脂層の層数が96倍大である複合積層状ベーカリー生地を得た。
この複合積層状ベーカリー生地を使用して、実施例1と同様の製法で層状ベーカリー食品(カスタードデニッシュ)を製造した。
得られたカスタードデニッシュは呈味素材層が厚く、カスタードの風味がしっかりと強く感じられる上に、デニッシュ様の良好な内層と食感を示し、底部の底だまりは全く見られず、均質で高い浮きを示し、形状の安定性も良好であった。
〔実施例3〕
積層生地でシート状フラワーペーストを包み込んだ後の2つ折りを3つ折りに変更した以外は、実施例1の配合及び製法で、呈味素材層の層数が3層、ロールイン油脂層の層数が192層、呈味素材層の層数より、上記ロールイン油脂層の層数が64倍大である複合積層状ベーカリー生地を得た。
この複合積層状ベーカリー生地を使用して、実施例1と同様の製法で層状ベーカリー食品(カスタードデニッシュ)を製造した。
得られたカスタードデニッシュは呈味素材層が厚く、カスタードの風味がしっかりと強く感じられる上に、デニッシュ様の良好な内層と食感を示し、わずかに底だまりは見られるが底部の生焼けもなく、均質で高い浮きを示し、形状の安定性も良好であった。
〔実施例4〕
積層生地でシート状フラワーペーストを包み込む際に、ふろしき状に包み込む代わりに、フラワーペーストの片面が積層生地2層、もう片面が積層生地1層となるように三つ折り包みを行い、続いて行う2つ折りを行わなかった以外は、実施例1の配合及び製法で、呈味素材層の層数が1層、ロールイン油脂層の層数が96層、呈味素材層の層数より、上記ロールイン油脂層の層数が96倍大である複合積層状ベーカリー生地を得た。
この複合積層状ベーカリー生地を使用して、2層側が底面となるように天板に並べた以外は実施例1と同様の製法で層状ベーカリー食品(カスタードデニッシュ)を製造した。
得られたカスタードデニッシュは呈味素材層が厚く、カスタードの風味がしっかりと強く感じられる上に、デニッシュ様の良好な内層と食感を示し、底部の底だまりは全く見られず、均質で高い浮きを示し、形状の安定性も良好であった。
〔実施例5〕
ピケを入れなかった以外は、実施例1の配合及び製法で、呈味素材層の層数が2層、ロールイン油脂層の層数が128層、呈味素材層の層数より、上記ロールイン油脂層の層数が64倍大である複合積層状ベーカリー生地を得た。
この複合積層状ベーカリー生地を使用して、実施例1と同様の製法で層状ベーカリー食品(カスタードデニッシュ)を製造した。
得られたカスタードデニッシュは呈味素材層が厚く、カスタードの風味がしっかりと強く感じられる上に、デニッシュ様の良好な内層と食感を示し、やや底だまりは見られるが底部の生焼けは見られなかった。浮きについては、若干の空洞が見られ、中央部が盛り上がった形状であるが、高い浮きを示した。
〔実施例6〕
積層生地でシート状フラワーペーストを包み込む際に、フラワーペーストの下面にケーキクラムを厚さ5mmで一面に敷いた以外は、実施例1の配合及び製法で、呈味素材層の層数が2層、ロールイン油脂層の層数が128層、呈味素材層の層数より、上記ロールイン油脂層の層数が64倍大である複合積層状ベーカリー生地を得た。
この複合積層状ベーカリー生地を使用して、実施例1と同様の製法で層状ベーカリー食品(カスタードデニッシュ)を製造した。
得られたカスタードデニッシュは呈味素材層が厚く、カスタードの風味がしっかりと強く感じられる上に、デニッシュ様の良好な内層と食感を示し、底部の底だまりは全く見られず、均質で高い浮きを示し、形状の安定性も良好であった。
〔実施例7〕
シート状フラワーペーストの供給量を30質量部から15質量部に変更した以外は、実施例1の配合及び製法で、呈味素材層の層数が2層、ロールイン油脂層の層数が128層、呈味素材層の層数より、上記ロールイン油脂層の層数が64倍大である複合積層状ベーカリー生地を得た。
この複合積層状ベーカリー生地を使用して、実施例1と同様の製法で層状ベーカリー食品(カスタードデニッシュ)を製造した。
得られたカスタードデニッシュは呈味素材層が厚く、カスタードの風味がしっかりと感じられる上に、デニッシュ様の良好な内層と食感を示し、底部の底だまりは全く見られず、均質で高い浮きを示し、形状の安定性も良好であった。
〔実施例8〕
シート状フラワーペーストの供給量を30質量部から50質量部に変更した以外は、実施例1の配合及び製法で、呈味素材層の層数が2層、ロールイン油脂層の層数が128層、呈味素材層の層数より、上記ロールイン油脂層の層数が64倍大である複合積層状ベーカリー生地を得た。
この複合積層状ベーカリー生地を使用して、実施例1と同様の製法で層状ベーカリー食品(カスタードデニッシュ)を製造した。
得られたカスタードデニッシュは呈味素材層が厚く、カスタードの風味がしっかりと強く感じられる上に、デニッシュ様の良好な内層と食感を示し、わずかに底だまりは見られるが底部の生焼けもなく、均質で高い浮きを示し、形状の安定性も良好であった。
〔実施例9〕
ロールイン油脂の供給量を50質量部から25質量部に変更した以外は、実施例1の配合及び製法で、呈味素材層の層数が2層、ロールイン油脂層の層数が128層、呈味素材層の層数より、上記ロールイン油脂層の層数が64倍大である複合積層状ベーカリー生地を得た。
この複合積層状ベーカリー生地を使用して、実施例1と同様の製法で層状ベーカリー食品(カスタードデニッシュ)を製造した。
得られたカスタードデニッシュは呈味素材層が厚く、カスタードの風味がしっかりと強く感じられる上に、やや目が丸い内層であるがデニッシュ様の良好な食感を示し、底部の底だまりは全く見られず、均質で高い浮きを示し、形状の安定性も良好であった。
〔実施例10〕
ロールイン油脂の供給量を50質量部から80質量部に変更し、積層生地でシート状フラワーペーストを包み込む際に、ふろしき状に包み込む代わりに、フラワーペーストの片面が積層生地2層、もう片面が積層生地1層となるように三つ折り包みを行い、続いて行う2つ折り時に、2層側が外側になるように2つ折りを1回実施した以外は、実施例1の配合及び製法で、呈味素材層の層数が2層、ロールイン油脂層の層数が192層、呈味素材層の層数より、上記ロールイン油脂層の層数が96倍大である複合積層状ベーカリー生地を得た。
この複合積層状ベーカリー生地を使用して、実施例1と同様の製法で層状ベーカリー食品(カスタードデニッシュ)を製造した。
得られたカスタードデニッシュは呈味素材層が厚く、カスタードの風味がしっかりと強く感じられる上に、デニッシュ様の良好な内層と食感を示し、わずかに底だまりは見られるが底部の生焼けもなく、均質で高い浮きを示し、形状の安定性も良好であった。
〔実施例11〕
ロールイン油脂の供給量を50質量部から25質量部に変更し、さらにシート状フラワーペーストの供給量を30質量部から15質量部に変更した以外は、実施例1の配合及び製法で、呈味素材層の層数が2層、ロールイン油脂層の層数が128層、呈味素材層の層数より、上記ロールイン油脂層の層数が64倍大である複合積層状ベーカリー生地を得た。
この複合積層状ベーカリー生地を使用して、実施例1と同様の製法で層状ベーカリー食品(カスタードデニッシュ)を製造した。
得られたカスタードデニッシュは呈味素材層が厚く、カスタードの風味がしっかりと感じられる上に、やや目が丸い内層であるがデニッシュ様の良好な食感を示し、底部の底だまりは全く見られず、均質で高い浮きを示し、形状の安定性も良好であった。
〔実施例12〕
ロールイン油脂の供給量を50質量部から80質量部に変更し、シート状フラワーペーストの供給量を30質量部から50質量部に変更し、さらに、積層生地でシート状フラワーペーストを包み込む際に、ふろしき状に包み込む代わりに、フラワーペーストの片面が積層生地2層、もう片面が積層生地1層となるように三つ折り包みを行い、続いて行う2つ折り時に、2層側が外側になるように2つ折りを1回実施した以外は、実施例1の配合及び製法で、呈味素材層の層数が2層、ロールイン油脂層の層数が192層、呈味素材層の層数より、上記ロールイン油脂層の層数が96倍大である複合積層状ベーカリー生地を得た。
この複合積層状ベーカリー生地を使用して、実施例1と同様の製法で層状ベーカリー食品(カスタードデニッシュ)を製造した。
得られたカスタードデニッシュは呈味素材層が厚く、カスタードの風味がしっかりと強く感じられる上に、デニッシュ様の良好な内層と食感を示し、わずかに底だまりは見られるが底部の生焼けもなく、均質で高い浮きを示し、形状の安定性も良好であった。
〔比較例1〕
シート状ロールイン油脂を包み込んでからの、4つ折り、2つ折り、4つ折りを、4つ折り、2つ折りに変更し、更に、シート状フラワーペーストを包み込んでからの、2つ折り1回を、4つ折り、2つ折りに変更した以外は、実施例1の配合及び製法で、呈味素材層の層数が8層、ロールイン油脂層の層数が128層、呈味素材層の層数より、上記ロールイン油脂層の層数が16倍大である複合積層状ベーカリー生地を得た。
この複合積層状ベーカリー生地を使用して、実施例1と同様の製法で層状ベーカリー食品(カスタードデニッシュ)を製造した。
得られたカスタードデニッシュは呈味素材層が薄く、カスタードの風味が弱く、ややパン目の内層で、パン様の食感を示した。なお、底だまりは全く見られないが、浮きは中央部が盛り上がった不均一な浮きであり、形状の安定性も不良であった。
〔比較例2〕
シート状ロールイン油脂を包み込んでからの、4つ折り、2つ折り、4つ折りを、4つ折り1回に変更し、更に、シート状フラワーペーストを包み込んでからの、2つ折り1回を、4つ折り2回に変更した以外は、実施例1の配合及び製法で、呈味素材層の層数が16層、ロールイン油脂層の層数が128層、呈味素材層の層数より、上記ロールイン油脂層の層数が8倍大である複合積層状ベーカリー生地を得た。
この複合積層状ベーカリー生地を使用して、実施例1と同様の製法で層状ベーカリー食品(カスタードデニッシュ)を製造した。
得られたカスタードデニッシュは呈味素材層が薄く、カスタードの風味が弱く、パン目の内層で、パン様の食感を示した。なお、底だまりは全く見られないが、浮きはやや不均一な浮きであり、形状の安定性も不良であった。
〔比較例3〕
シート状ロールイン油脂を包み込んでからの、4つ折り、2つ折り、4つ折りを、4つ折り1回に変更した以外は、実施例1の配合及び製法で、呈味素材層の層数が2層、ロールイン油脂層の層数が16層、呈味素材層の層数より、上記ロールイン油脂層の層数が8倍大である複合積層状ベーカリー生地を得た。
この複合積層状ベーカリー生地を使用して、実施例1と同様の製法で層状ベーカリー食品(カスタードデニッシュ)を製造した。
得られたカスタードデニッシュは浮きが暴れ気味の不良な内層で、油脂漏れを起こしていた。なお、底だまりが見られ、浮きは中央部が盛り上がった不均一な浮きであり、形状の安定性も不良であった。
〔比較例4〕
シート状フラワーペーストを包み込んでからの、2つ折り1回を、4つ折り2回に変更した以外は、実施例1の配合及び製法で、呈味素材層の層数が16層、ロールイン油脂層の層数が1024層、呈味素材層の層数より、上記ロールイン油脂層の層数が64倍大である複合積層状ベーカリー生地を得た。
この複合積層状ベーカリー生地を使用して、実施例1と同様の製法で層状ベーカリー食品(カスタードデニッシュ)を製造した。
得られたカスタードデニッシュは呈味素材層が薄く、カスタードの風味が弱く、パン目の内層で、パン様の食感を示した。なお、底だまりは全く見られないが、浮きは中央部が盛り上がった不均一な浮きであり、形状の安定性も不良であった。
〔実施例13〕
シート状フラワーペーストの供給量を30質量部から60質量部に変更し、シート状ロールイン油脂を包み込んでからの、4つ折り、2つ折り、4つ折りを、4つ折り、3つ折り、4つ折りに変更し、シート状フラワーペーストの包み込みに続いて行う2つ折りを行わなかった以外は、実施例1の配合及び製法で、呈味素材層の層数が1層、ロールイン油脂層の層数が96層、呈味素材層の層数より、上記ロールイン油脂層の層数が96倍大である複合積層状ベーカリー生地を得た。
この複合積層状ベーカリー生地を使用して、実施例1と同様の製法で層状ベーカリー食品(カスタードデニッシュ)を製造した。
得られたカスタードデニッシュは呈味素材層が厚く、カスタードの風味がしっかりと強く感じられる上に、デニッシュ様の良好な内層と食感を示し、わずかに底だまりは見られるが底部の生焼けもなく、均質で高い浮きを示し、形状の安定性も良好であった。
〔実施例14〕
シート状フラワーペーストの供給量を30質量部から60質量部に変更し、シート状ロールイン油脂を包み込んでからの、4つ折り、2つ折り、4つ折りを、4つ折り、3つ折り、4つ折りに変更し、シート状フラワーペーストの包み込み方法をふろしき状に包み込む代わりに、フラワーペーストの片面が積層生地2層、もう片面が積層生地1層となるように三つ折り包みを行い、続いて行う2つ折りを行わなかった以外は、実施例1の配合及び製法で、呈味素材層の層数が1層、ロールイン油脂層の層数が144層、呈味素材層の層数より、上記ロールイン油脂層の層数が144倍大である複合積層状ベーカリー生地を得た。
この複合積層状ベーカリー生地を使用して、実施例1と同様の製法で層状ベーカリー食品(カスタードデニッシュ)を製造した。
得られたカスタードデニッシュは呈味素材層が厚く、カスタードの風味がしっかりと強く感じられる上に、デニッシュ様の良好な内層と食感を示し、底部の底だまりは全く見られず、均質で高い浮きを示し、形状の安定性も良好であった。
〔実施例15〕
シート状フラワーペーストの供給量を30質量部から75質量部に変更し、シート状ロールイン油脂を包み込んでからの、4つ折り、2つ折り、4つ折りを、4つ折り、3つ折り、4つ折りに変更し、ふろしき状に包みに続いて行う2つ折りを行わなかった以外は、実施例1の配合及び製法で、呈味素材層の層数が1層、ロールイン油脂層の層数が96層、呈味素材層の層数より、上記ロールイン油脂層の層数が96倍大である複合積層状ベーカリー生地を得た。
この複合積層状ベーカリー生地を使用して、実施例1と同様の製法で層状ベーカリー食品(カスタードデニッシュ)を製造した。
得られたカスタードデニッシュは呈味素材層が厚く、カスタードの風味がしっかりと強く感じられる上に、デニッシュ様の良好な内層と食感を示し、わずかに底だまりは見られるが底部の生焼けもなく、均質で高い浮きを示し、形状の安定性も良好であった。
〔実施例16〕
シート状フラワーペーストの供給量を30質量部から75質量部に変更し、シート状ロールイン油脂を包み込んでからの、4つ折り、2つ折り、4つ折りを、4つ折り、3つ折り、4つ折りに変更し、ふろしき状に包み込む代わりに、フラワーペーストの片面が積層生地2層、もう片面が積層生地1層となるように三つ折り包みを行い、続いて行う2つ折りを行わなかった以外は、実施例1の配合及び製法で、呈味素材層の層数が1層、ロールイン油脂層の層数が144層、呈味素材層の層数より、上記ロールイン油脂層の層数が144倍大である複合積層状ベーカリー生地を得た。
この複合積層状ベーカリー生地を使用して、実施例1と同様の製法で層状ベーカリー食品(カスタードデニッシュ)を製造した。
得られたカスタードデニッシュは呈味素材層が厚く、カスタードの風味がしっかりと強く感じられる上に、デニッシュ様の良好な内層と食感を示し、底部の底だまりは全く見られず、均質で高い浮きを示し、形状の安定性も良好であった。

Claims (7)

  1. 呈味素材層、ロールイン油脂層及びベーカリー生地層を含む複合積層状ベーカリー生地であって、該呈味素材層が3層以下であり、且つ、該呈味素材層の層数より、該ロールイン油脂層の層数が10倍以上大であることを特徴とする複合積層状ベーカリー生地。
  2. 上記ベーカリー生地層がイーストを含有することを特徴とする請求項1に記載の複合積層状ベーカリー生地。
  3. 複合積層状ベーカリー生地に占める上記呈味素材層の割合が5~45質量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の複合積層状ベーカリー生地。
  4. 上記呈味素材層が、フラワーペーストである請求項1~3のいずれか一項に記載の複合積層状ベーカリー生地。
  5. 請求項1~4のいずれか一項に記載の複合積層状ベーカリー生地を加熱してなる層状ベーカリー食品。
  6. 請求項1~4のいずれか一項に記載の複合積層状ベーカリー生地を製造する方法であって、ベーカリー生地とロールイン油脂との積層物を製造した後、該積層物に呈味素材を供給し、折り込むことを特徴とする複合積層状ベーカリー生地の製造方法。
  7. 上記呈味素材として、シート状呈味素材を使用する請求項6に記載の複合積層状ベーカリー生地の製造方法。
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