JP2023072874A - ロールケーキおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】視覚面および食感面に優れたロールケーキ、およびその製造方法を提供すること。【解決手段】ケーキ生地層の上面に、糖類の含有量が固形分として対粉30~130質量%であり、かつ、該ケーキ生地よりも水分含量が低い層を有する層状生地を焼成して得られる層状ケーキを巻回してなるロールケーキ。【選択図】なし

Description

本発明は、視覚面および食感面に優れたロールケーキ、および、その製造方法に関する。
ロールケーキは、スポンジケーキ生地やシフォンケーキ生地等のケーキ生地をシート状に焼成して得られたケーキの上に、ジャムやホイップクリーム等のフィリング材を塗布したり、乗せたりしたのち、巻き込んで製造される。そしてスライスした形で食べられるため、その断面に特徴を持たせ、食感を楽しむため、フィリング材として2種以上のフィリング材を組み合わせて使用したものや、フィリング材の中に果物やチョコレートの小片を分散させたものなども存在しており、その多種多様さから、ロールケーキは幅広い年代の人々に親しまれ食されている。
そして、より視覚面でも食感面でも特徴的なものとするため、フィリング材に特徴を持たせるのではなく、ケーキ生地に特徴を持たせる方法が各種提案されている。
例えば、比重の軽い菓子生地の上に該生地よりも比重の重い菓子生地をのせ、焼成してなることを特徴とするベーカリー製品を使用したロールケーキ(特許文献1参照)や、巻回した層状ケーキからなるロールケーキおよびその製造方法(特許文献2参照)が提案されている。
しかし、特許文献1に記載のベーカリー製品は、ケーキ生地の上に比重の重い菓子生地を層状に載せるのではなく、線状に載せることで、沈降させ、模様や切れ目を形成するというものであるため、スライスした断面には模様が現れにくく、また、安定した模様の表現ができないという問題があった。
特許文献2に記載のロールケーキは、下層に比重の重いケーキ生地を、上層に比重の軽いケーキ生地を使用しているため、焼成時の安定性は良好であるが、生地成分の点では、油脂含量を変えることと、チョコレート等の色を有した風味素材を含有させる方法しか記載がない。このため、スライスした断面に視覚的な特徴や食感的な特徴を得る方法としては不十分であった。
このように、視覚面でも食感面でもさらに優れたロールケーキが求められていた。
特開平10-117672号公報 特開2019-092459号公報
本発明の課題は、次の2点である。
1)視覚面および食感面に優れたロールケーキを得ること。
2)該ロールケーキを簡便に、そして安定して製造することができるロールケーキの製造方法を得ること。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、種々の検討を行った結果、ケーキ生地層の上面に、糖類の含有量が特定量であり、かつ、該ケーキ生地より水分含量が低い層を有する層状生地を焼成して得られる層状ケーキは、上面に濃い焼き色の、ある程度の厚みのある層が形成されるため、スライスした断面で視認性が高く、ケーキ部分との食感の差を認識しやすいため、上記課題を解決可能であることを見出した。
本発明は、上記知見に基づいたものであり、下記の構成を有するものである。
(1)ケーキ生地層の上面に、糖類の含有量が固形分として対粉30~130質量%であり、かつ、該ケーキ生地よりも水分含量が低い層を有する層状生地を焼成して得られる層状ケーキを巻回してなるロールケーキ。
(2)ケーキ生地層の上面に、糖類の含有量が固形分として対粉30~130質量%であり、かつ、該ケーキ生地よりも水分含量が低い層を有する層状生地を得る工程と、該層状生地を焼成して層状ケーキを得る工程と、得られた層状ケーキを巻回する工程を有する、ロールケーキの製造方法。
本発明により、得られる効果は次の2点である。
1)視覚面および食感面に優れたロールケーキが得られる。
2)該ロールケーキを簡便に、そして安定して製造することができる。
以下、本発明のロールケーキについて詳述する。
本発明における「対粉」で表される数値は、ケーキ生地やベーカリー生地、ベーカリー製品それぞれにおいて、使用する穀粉類や澱粉類100質量部に対する割合を表す。具体的には、小麦粉や米粉をはじめとする穀粉に加え、コーンスターチやタピオカ澱粉等の各種澱粉類、およびその加工澱粉も含んだ合計量を100質量部とした場合の、各原材料の配合量、あるいは成分含量を表したものである。
本発明における「固形分」とは、水分を除いた成分を指す。
本発明のロールケーキは、ケーキ生地層の上面に、糖類の含有量が固形分として対粉30~130質量%であり、かつ、該ケーキ生地よりも水分含量が低い層を有する層状生地を焼成して得られる層状ケーキを巻回してなる。
<層状生地>
まず、本発明のロールケーキに用いられる層状生地について説明する。
上記層状生地は、ケーキ生地層の上面に、糖類の含有量が固形分として対粉30~130質量%であり、かつ、該ケーキ生地よりも水分含量が低い層を形成することによって得ることができる。
上記層状生地は、少なくとも最上層が、その直下の層よりも水分含量が低ければよいため、その層数は特に制限されないが、層状生地およびロールケーキの製造が簡便となるという観点から、2~5層であることが好ましく、2層であることがより好ましい。
まず、ケーキ生地について述べる。
上記ケーキ生地とは、例えば、小麦粉、水、卵、油脂等を混合して製造され、焼成することでケーキとなるものである。
ケーキ生地の種類としては、特に制限がなく、例えば、スポンジケーキ生地、バターケーキ生地、スフレケーキ生地等が挙げられ、本発明のロールケーキにおいては、好ましい軽い食感を与えられるという観点から、スポンジケーキ生地であることが好ましい。
上記ケーキ生地に用いられる原材料や、その製造方法は特に制限されず、一般的なケーキ生地に用いられる原材料や、その製造方法を用いることができる。
ケーキ生地に用いられる原材料としては、例えば、植物油脂や動物油脂、およびそれらに水素添加・分別・エステル交換等の1以上の処理を施した加工油脂、マーガリン、ショートニング、バター等の油脂類や油脂組成物、薄力粉、中力粉、準強力粉、強力粉、デュラム粉、全粒粉、小麦胚芽、小麦ふすま等の小麦粉や、ライ麦粉、ライ麦全粒粉、大麦粉、米粉、大豆粉、ハトムギ粉等の穀粉類、澱粉や、酵素処理、α化処理、分解処理、エーテル処理、エステル処理、架橋処理、クラフト処理等を施した加工澱粉等の澱粉類、単糖や二糖、オリゴ糖、液糖、糖アルコール、およびこれらの混合物等の糖類、多糖類、高甘味度甘味料、植物や動物由来のたんぱく質類、全卵や卵白、卵黄、加糖全卵、加糖卵白、加糖卵黄、酵素処理全卵、酵素処理卵白、酵素処理卵黄等の卵類、牛乳や脱脂粉乳、成分調整乳、発酵乳、乳清ミネラル等の乳や乳製品、水、食塩、調味料、香料、pH調整剤、着色料、その他の食品原料等を挙げることができ、これらの中から選ばれた1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
ケーキ生地の糖類の含有量は、ケーキ生地の種類によっても異なるが、固形分として対粉50~250質量%であることが好ましく、50~200質量%であることがより好ましく、80~150質量%であることがさらに好ましい。
上記糖類の含有量は、糖類と、糖類以外の原材料に含まれる糖類も合わせた量である。
ケーキ生地の油脂の含有量は、ケーキ生地の種類によっても異なるが、対粉3~200質量%であることが好ましく、対粉3~100質量%であることがより好ましく、対粉5~50質量%であることがさらに好ましい。ケーキ生地の油脂の含有量が上記数値範囲を満たしていると、焼成後の食感がソフトなものとなり、層状ケーキにおいて他の層との食感の差を認識しやすくなるという観点から好ましい。
上記油脂の含有量は、油脂と、油脂以外の原材料に含まれる油脂も合わせた量である。
ケーキ生地の水分含量は、ケーキ生地の種類によっても異なるが、ケーキ生地中15~50質量%であることが好ましく、20~45質量%であることがより好ましく、25~42質量%であることがさらに好ましい。ケーキ生地の水分含量が上記数値範囲を満たしていると、焼成後の食感がソフトなものとなり、層状ケーキにおいて他の層との食感の差を認識しやすくなるという観点から好ましい。
上記水分含量とは、水と、水以外の原材料に含まれる水分も合わせた量である。
ケーキ生地の製造方法としては、例えば、シュガーバッター法、フラワーバッター法、オールインミックス法、溶かしバター法、共立て法、別立て法、後粉法、後油法、湯捏法など一般的な生地の製法を適宜選択し、必要により2種以上を組み合わせて用いることができる。
次に、上記ケーキ生地の上面に形成する、糖類の含有量が固形分として対粉30~130質量%であり、かつ、該ケーキ生地よりも水分含量が低い層(以下、「上面の層」ということがある。)について述べる。
該上面の層は、糖類の含有量が固形分として対粉30~130質量%であり、かつ、該ケーキ生地よりも水分含量が低い層であればよく、ベーカリー生地であってもその焼成品であるベーカリー製品であってもよい。
また、ベーカリー生地は流動状~ペースト状であってもよく、またそぼろ状や粉体であってもよく、さらには板状や膜状であってもよい。
ベーカリー製品である場合は、基本的には粉砕してそぼろ状や粉体として使用するが、層状生地を焼成したのちに巻回可能であるものであれば、板状や膜状であってもよい。
該上面の層は、糖類を固形分として対粉30~130質量%含有し、35~100質量%であることが好ましく、40~90質量%であることがより好ましい。糖類の含有量が対粉30質量%よりも少ない場合、焼成時に好ましい濃い焼き色がつかず、視覚面および食感面に優れたロールケーキを製造できなくなる。糖類の含有量が対粉130質量%を超える場合、上面の層が焦げやすくなってしまう。
なお、上記糖類の含有量は、上面の層に含有される糖類と、糖類以外の上面の層の原材料に含まれる糖類を合わせた量である。
なお、上記糖類としては、上白糖、三温糖、ショ糖、ブドウ糖、果糖、乳糖、グラニュー糖、黒糖、麦芽糖、てんさい糖、粉糖、液糖、異性化糖、転化糖、酵素糖化水あめ、異性化水あめ、ショ糖結合水あめ、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖等の単糖、二糖、オリゴ糖、液糖や、ソルビトール、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、ラクチトール、還元麦芽糖水あめ、還元乳糖、還元水あめ等の糖アルコールが挙げられ、これらの中から1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることもできる。
また、該上面の層は、上記ケーキ生地よりも水分含量が低いことが必要である。
水分含量の差は、具体的には、1ポイント以上あればよく、好ましくは2ポイント以上、より好ましくは10ポイント以上、もっとも好ましくは15ポイント以上あればよい。水分含量の差が、上記数値範囲を満たしていると、層状ケーキにおいてケーキ層部分と異なる食感を持たせることができるため、より食感面で優れたロールケーキが得られるという観点から好ましい。
該上面の層の水分含量は、ベーカリー生地やベーカリー製品の種類によっても異なるが、上面の層中1~25質量%であることが好ましく、1.5~23質量%であることがより好ましく、2~20質量%であることがさらに好ましい。該上面の層の水分含量が上記数値範囲を満たしていると、層状ケーキにおいて、ケーキ層部分と異なる食感を持たせることができるため、より食感面で優れたロールケーキが得られるという観点から好ましい。
なお、上記水分含量は、水と、水以外の上面の層の原材料に含まれる水分も合わせた量である。
なお、上記ベーカリー生地としては、糖類の含有量が固形分として対粉30~130質量%であり、かつ、該ケーキ生地よりも水分含量が低いベーカリー生地であれば特に制限はなく、例えば、クッキー生地、ビスケット生地、クランチ生地、クランブル生地、パイ生地、シュー生地、サブレ生地、ブッセ生地、ケーキドーナツ生地、食パン生地、菓子パン生地、デニッシュ生地、スイートロール生地、イーストドーナツ生地等の菓子生地やパン生地が挙げられ、これらの中から選ばれる1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
好ましい濃い焼き色がつきやすく、ケーキ部分との食感の差を認識しやすいため、視覚面および食感面に優れたロールケーキを得やすくなるという観点から、上記ベーカリー生地は、クッキー生地、ビスケット生地、クランチ生地、クランブル生地から選ばれる1種であることが好ましい。
また、上記ベーカリー製品としては、糖類の含有量が固形分として対粉30~130質量%であり、かつ、該ケーキ生地よりも水分含量が低いベーカリー製品であれば特に制限がなく、例えば、クッキー、ビスケット、クランチ、クランブル、パイ、シュー、サブレ、ブッセ、ケーキドーナツ、食パン、菓子パン、デニッシュ、スイートロール、イーストドーナツ等の菓子類やパン類が挙げられ、それらの中から選ばれる1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらのベーカリー製品は、層状生地を焼成したのちに巻回可能であるものであれば、板状や膜状であってもよいが、粉砕してそぼろ状や粉体として使用することが好ましい。
また、好ましい濃い焼き色がつきやすく、ケーキ部分との食感の差を認識しやすいため、視覚面および食感面に優れたロールケーキを得やすくなるという観点から、上記ベーカリー製品は、クッキー、ビスケット、クランチから選ばれる1種以上であることが好ましい。
上記ベーカリー生地またはベーカリー製品に用いられる原材料や、その製造方法は特に制限されず、一般的なベーカリー生地およびベーカリー製品に用いられる原材料や、その製造方法を用いることができる。
上記ベーカリー生地またはベーカリー製品の油脂の含有量は、ベーカリー生地またはベーカリー製品の種類によっても異なるが、対粉2~150質量%であることが好ましく、2~120質量%であることがより好ましく、10~100質量%であることがさらに好ましい。
上記油脂の含有量は、油脂と、油脂以外の原材料に含まれる油脂も合わせた量である。
上記ベーカリー生地の製造方法としては、例えば、中種法、直捏法、液種法、中麺法、湯種法等の一般的なパン生地の製造方法や、シュガーバッター法、フラワーバッター法、オールインミックス法、溶かしバター法、別立て法、後粉法、後油法、湯捏法等の一般的な菓子生地の製造方法を、適宜選択して製造することができる。
上記ベーカリー製品の製造方法としては、各種ベーカリー生地を、例えば、焼成、蒸し、揚げ、電子レンジにより加熱することによって製造することができる。
加熱温度および加熱時間は特に制限されず、ベーカリー生地の種類に応じて適宜決定することができる。
本発明で使用する層状生地は、上記ケーキ生地と、上記上面の層からなるものである。
上記ケーキ生地の厚さについては特に制限されないが、2~40mmであることが好ましく、2~30mmであることがより好ましい。
また、上面の層の厚さは、1~15mmであることが好ましく、1~10mmであることがより好ましい。
なお、上面の層の厚さについては、ケーキ生地に沈み込んだり、混合してしまうことを抑制できるという観点から、上記厚さの数値範囲を満たしたうえで、ケーキ生地層の厚さと比較して、薄いことが好ましい。
また、上記層状生地全体の厚さは、層状生地を焼成して得られる層状ケーキを巻回する際にひび割れにくく、ロールケーキを製造しやすいという観点から、3~50mmであることが好ましく、3~40mmであることがより好ましい。
上記層状生地は、上述のように、少なくとも最上層が、その直下の層よりも水分含量が低ければよいため、ケーキ生地の下層にさらに別のベーカリー生地層を設けることも可能であり、その層数は特に制限されないが、層状生地およびロールケーキの製造が簡便となるという観点から、2~5層であることが好ましく、2層であることがより好ましい。
<層状ケーキ>
次に、上記本発明のロールケーキに用いられる層状ケーキについて説明する。
本発明のロールケーキに用いられる層状ケーキは、上記層状生地を焼成して得られるものである。
上記層状生地を焼成する方法は特に制限されず、一般的なケーキ生地を焼成する方法を用いることができる。例えば、焼成温度を、好ましくは100~250℃、より好ましくは120~250℃、さらに好ましくは150~220℃として焼成することができる。焼成時間については、層状生地全体にしっかりと火が通れば特に制限されず、例えば、好ましくは3分~1時間、より好ましくは5分~40分、さらに好ましくは5~30分とすることができる。
上記のように、層状生地を焼成することで、本発明のロールケーキに用いられる層状ケーキを得ることができる。
上記層状ケーキの形状は、巻回することができる範囲であれば特に制限されないが、簡便に巻回することができ、ロールケーキをスライスした断面に視覚的な特徴を持たせやすくなるという観点から、長方形あるいは正方形の板状であることが好ましい。
また、その大きさも、巻回することができる範囲であれば特に制限されないが、例えば、縦2~150cm、横2~150cmであることが好ましい。
上記層状ケーキ全体の厚さは、本発明のロールケーキを製造するために巻回しやすく、また巻回した際に層状菓子が割れにくくなるという観点から、3~50mmであることが好ましく、3~40mmであることがより好ましい。
また、上記層状ケーキの最上層部分の厚さは、ケーキ層の厚さよりも薄いことが好ましい。
<ロールケーキ>
次に、本発明のロールケーキについて述べる。
本発明のロールケーキとは、上記層状ケーキを巻回してなる。
本発明のロールケーキの形態は、例えば、四角形の層状ケーキの一辺を、対する辺と接するように層状ケーキを円形に丸めた筒状であったり、層状ケーキの一端を始点として、層状ケーキを渦巻き状に丸めた状態とすることができる。なお、上記のような状態とした後に、内部にフィリング材や小片の呈味素材を注入したり、充填したりしてもよい。
本発明のロールケーキは、外巻きであってもよく、内巻きであってもよいが、焼き色の濃い面を外側にすることで、より美しい外観を持つロールケーキを製造できるという観点から、外巻きであることが好ましい。
なお、本発明における「外巻き」とは、上記層状ケーキの上面の層が外側となるように巻回することを指し、本発明における「内巻き」とは、上記層状ケーキの上面の層が内側となるように巻回することを指す。
本発明のロールケーキは、上記層状ケーキの上面の層と反対側の面に、フィリング材や小片の呈味素材等を積置したうえで、フィリング材と小片の呈味素材等が内側となるように外巻きしたものであることが好ましい。
本発明のロールケーキに用いられるフィリング材としては、例えば、ホイップクリーム、バタークリーム、フラワーペースト、カスタードクリーム、マロンペースト、ムース、ジャム、マーマレード、あん、チョコレートソース、チョコレートクリーム、ヌガー、アーモンドクリーム、チーズクリーム、ヨーグルト、プリン、マヨネーズ、カレーペースト、みそ等の各種クリーム、ペースト、ソース、調味料等が挙げられ、これらのうち1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、本発明のロールケーキに用いられる小片の呈味素材としては、例えば、苺やぶどう、みかん、もも、りんご等の果物やドライフルーツ、アーモンドやくるみ、カシューナッツ、ピスタチオ等の種実類、くり、胡麻、穀類、ゼリー、グミ、チョコレート、チョコチップ、求肥等が挙げられ、これらのうち1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記小片の呈味素材の大きさは、本発明のロールケーキを製造する際に、上記層状ケーキの上に積地して巻回することができる大きさであれば特に制限はないが、好ましくは1mm~5cmであり、より好ましくは3mm~3cmである。
本発明のロールケーキの大きさは、製造できる範囲であれば特に制限されない。例えば、長さは2~150cmであることが好ましく、3~30cmであることがより好ましい。直径は、5~20cmであることが好ましく、5~15cmであることがより好ましい。
また、上記大きさのロールケーキを、切り分けてさらに小さくしてもよい。
本発明のロールケーキは、衛生面を確保できる範囲であれば、喫食するまでの間保管してもよい。
保管する場合、保管温度は衛生面を確保できる温度範囲であれば制限がなく、好ましくは常温(10℃より高く25℃以下)、冷蔵(-5℃~10℃)、冷凍(-5℃よりも低い温度)で保管し、さらに好ましくは冷蔵温度で保管する。
本発明のロールケーキは、層状ケーキの上面の層に好ましい濃い焼き色がつくため、美しい外観を有し、スライスした断面に視覚的な特徴を持たせることができる。また、層状ケーキのケーキ層と上面の層で異なる食感を持つため、特徴的な食感を持たせることもできる。
従って、本発明により、視覚面および食感面に優れたロールケーキを得ることができる。
<ロールケーキの製造方法>
次に、本発明のロールケーキの製造方法について述べる。
本発明のロールケーキの製造方法は、ケーキ生地層の上面に、糖類の含有量が固形分として対粉30~130質量%であり、かつ、該ケーキ生地よりも水分含量が低い層を有する層状生地を得る工程と、該層状生地を焼成して層状ケーキを得る工程と、得られた層状ケーキを巻回する工程を有することを特徴とする。
詳細については、上述の通りである。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。
<ケーキ生地、ベーカリー生地、およびベーカリー製品の製造>
下記の配合および製造方法により、ケーキ生地、ベーカリー生地、およびベーカリー製品を製造した。ケーキ生地およびベーカリー生地の配合は、表1に示した。
〔製造例1〕
全卵150質量部、水30質量部、上白糖100質量部、ケーキ用起泡剤(株式会社ADEKA製「ジェノワーズ」)8質量部、製菓用液状油(株式会社ADEKA製「グラシュー」)20質量部、ケーキ用起泡性乳化油脂(株式会社ADEKA製「トルテ」)5質量部をミキサーボウルに投入し、ワイヤーホイッパーを使用して中速で5分間ホイップした。
ここにあらかじめ篩ってあった薄力粉100質量部とベーキングパウダー1質量部との混合粉体を添加し、さらに中速で5分間ホイップし、スポンジケーキ生地1を得た。
得られたスポンジケーキ生地1の油脂の含有量は対粉36質量%、糖類の含有量は対粉103質量%、水分含量は生地中36質量%であった。
〔製造例2-1〕
マーガリン(油脂含有量82質量%)80質量部と、上白糖50質量部とを、ビーターで混合しクリーム状とした。ここに、溶いておいた全卵50質量部を2~3回に分けて加え、さらに混合した。その後、あらかじめ篩ってあった薄力粉100質量部とベーキングパウダー1質量部との混合粉体を添加し、さらに混合してクッキー生地2-1を得た。
得られたクッキー生地2-1の油脂の含有量は対粉71質量%、糖類の含有量は対粉50質量%、水分含量は生地中18質量%であった。
〔製造例2-2〕
製造例2-1で得られたクッキー生地を、厚さが3mmとなるように、シートを敷いた天板に流し込んだ。このクッキー生地を、オーブンで上火180℃、下火170℃、焼成時間17分の焼成条件で焼成し、クッキー2-2を得た。クッキー2-2の油脂の含有量は対粉71質量%、糖類の含有量は対粉50質量%、水分含量はクッキー中3質量%であった。
〔製造例3〕
マーガリン(油脂含有量82質量%)80質量部と、上白糖80質量部とを、ビーターで混合しクリーム状にした。ここに、あらかじめ篩ってあった薄力粉100質量部とコーンスターチ80質量部との混合粉体を添加し、さらさらとした状態となるまで混合し、クランブル生地3を得た。
得られたクランブル生地3の油脂の含有量は対粉36質量%、糖類の含有量は対粉44質量%、水分含量は生地中4質量%であった。
〔製造例4〕
マーガリン(油脂含有量82質量%)80質量部と、上白糖20質量部とを、ビーターで混合しクリーム状とした。ここに、溶いておいた全卵50質量部を2~3回に分けて加え、さらに混合した。その後、あらかじめ篩ってあった薄力粉100質量部とベーキングパウダー1質量部との混合粉体を添加し、さらに混合してクッキー生地4を得た。
得られたクッキー生地4の油脂の含有量は対粉71質量%、糖類の含有量は対粉20質量%、水分含量は生地中20質量%であった。
Figure 2023072874000001
<ロールケーキの製造>
〔実施例1〕
シートを敷いた縦310mm横225mmの天板に、製造例1で得られたスポンジケーキ生地1を流し込み、厚さ約15mmとなるように平らに延ばし、スポンジケーキ生地1の層を形成した。製造例2-1で得られたクッキー生地2-1を絞り袋に入れ、上記スポンジケーキ生地1の層の上に、厚さ約5mmの層となるように静かに均一に絞り、2層の層状生地を得た。
得られた層状生地を、オーブンで上火220℃、下火180℃、焼成時間12分の焼成温度で焼成し、2層の層状ケーキを得た。
得られた層状ケーキの、スポンジケーキの面にバタークリームを塗布してから渦巻き状に巻回し、本発明のロールケーキAを得た。
〔実施例2〕
シートを敷いた縦310mm横225mmの天板に、製造例1で得られたスポンジケーキ生地1を流し込み、厚さ約15mmとなるように平らに延ばし、スポンジケーキ生地1の層を形成した。製造例2-2で得られたクッキー2-2を、めん棒でそぼろ状になるまで細かく粉砕し、上記スポンジケーキ生地1の層の上に、厚さ約5mmの層となるように均一にふりかけて、2層の層状生地を得た。
得られた層状生地を、オーブンで上火220℃、下火180℃、焼成時間12分の焼成温度で焼成し、2層の層状ケーキを得た。
得られた層状ケーキの、スポンジケーキの面にバタークリームを塗布してから渦巻き状に巻回し、本発明のロールケーキBを得た。
〔実施例3〕
シートを敷いた縦310mm横225mmの天板に、製造例1で得られたスポンジケーキ生地1を流し込み、厚さ約15mmとなるように平らに延ばし、スポンジケーキ生地1の層を形成した。製造例3で得られたクランブル生地3を、上記スポンジケーキ生地1の層の上に、厚さ約5mmの層となるように3mmメッシュの網で篩って、2層の層状生地を得た。
得られた層状生地を、オーブンで上火220℃、下火180℃、焼成時間12分の焼成温度で焼成し、2層の層状ケーキを得た。
得られた層状ケーキの、スポンジケーキの面にバタークリームを塗布してから渦巻き状に巻回し、本発明のロールケーキCを得た。
〔比較例1〕
シートを敷いた縦310mm横225mmの天板に、製造例1で得られたスポンジケーキ生地1を流し込み、厚さ約15mmとなるように平らに延ばし、スポンジケーキ生地1の層を形成した。製造例4で得られたクッキー生地4を絞り袋に入れ、上記スポンジケーキ生地1の層の上に、厚さ約5mmの層となるように静かに均一に絞り、2層の層状生地を得た。
得られた層状生地を、オーブンで上火220℃、下火180℃、焼成時間12分の焼成温度で焼成し、2層の層状ケーキを得た。
得られた層状ケーキの、スポンジケーキの面にバタークリームを塗布してから渦巻き状に巻回し、ロールケーキDを得た。
<ロールケーキの評価>
〔ロールケーキの外観と断面の評価〕
製造したロールケーキA~Dの外観と、切断した際の断面に現れる渦巻き状の模様の様子を、下記の評価基準に沿って評価した。
〔評価基準〕
◎:表面に濃い焼き色がついていて外観が良好で、断面にくっきりとした美しい渦巻き状の模様が見られた。
○:表面に濃い焼き色がついており、断面の渦巻き状の模様がややかすんでいるが、問題のない程度であった。
△:表面に十分な焼き色がついておらず、外観がやや不良であった、また、断面に渦巻き状の模様があまり現れていなかった。
×:表面に焼き色が全くつかず外観が不良だった、また、断面に渦巻き状の模様が全く現れなかった。
〔ロールケーキの食感の評価〕
製造したロールケーキA~Dを3cmの厚さに切り分け、それぞれを食してその食感を以下の基準に沿って評価した。
〔評価基準〕
◎:ケーキの層とベーカリー製品の層で非常に食感に差があり、特徴的で優れた食感であった。
○:ケーキの層とベーカリー製品の層で食感の差が感じられ、やや特徴的な優れた食感であった。
△:ケーキの層とベーカリー製品の層で食感の差があまり感じられず、あまり特徴のないやや好ましくない食感であった。
×:ケーキの層とベーカリー製品の層で食感に差がなく、単一で特徴のない好ましくない食感であった。
ロールケーキの外観と断面の評価、およびロールケーキの食感の評価の結果を表2に示した。
本発明のロールケーキである、ロールケーキA~Cは、外観に好ましい濃い焼き色がついており、また、断面にも美しい模様が現れていて、視覚面に優れたロールケーキであった。特に、本発明のロールケーキの中でも糖類の含有量が高かった、ロールケーキAおよびCは、より濃い焼き色がついており、外観が優れていた。
他方、糖類の含有量が対粉20質量%であるロールケーキDは、焼き色が薄く、断面の模様も現れず、視覚面で劣ったロールケーキとなっていた。
また、食感についても、本発明のロールケーキA~Cは、上面の層がサクサクとした食感を有しており、ケーキ層のソフトな食感との差が感じられたため、食感面でも優れたロールケーキであった。
他方、糖類の含有量が対粉20質量%であるロールケーキDは、ケーキ層と上面の層で差があまり感じられず、食感面が好ましくないロールケーキであった。
Figure 2023072874000002

Claims (2)

  1. ケーキ生地層の上面に、糖類の含有量が固形分として対粉30~130質量%であり、かつ、該ケーキ生地よりも水分含量が低い層を有する層状生地を焼成して得られる層状ケーキを巻回してなるロールケーキ。
  2. ケーキ生地層の上面に、糖類の含有量が固形分として対粉30~130質量%であり、かつ、該ケーキ生地よりも水分含量が低い層を有する層状生地を得る工程と、該層状生地を焼成して層状ケーキを得る工程と、得られた層状ケーキを巻回する工程を有する、ロールケーキの製造方法。
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