JP5200847B2 - 静電アクチュエータ、液滴吐出ヘッド及びそれらの製造方法並びに液滴吐出装置 - Google Patents
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例えば、液滴吐出ヘッドの代表例であるインクジェットヘッドの静電アクチュエータは、一般に、ガラス等の基板上に形成された個別電極(固定電極)と、この個別電極に所定のギャップ(空隙)を介して対向配置されたシリコン製の振動板(可動電極)と、振動板と個別電極との間に静電気力を発生させて、振動板に変位を生じさせる駆動手段とを備えている。そして、インク流路中に形成された振動板を静電気力で振動させることにより、インク滴をノズル孔より記録紙に向けて吐出・着弾させて印字等が行われる。
また、DLC膜の応力特性に着目し、駆動能力の高い静電アクチュエータを実現するための手段として、圧縮応力膜上にDLC膜等の引張り応力膜を形成した静電アクチュエータが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
例えば、一方の電極の当接面にシリコン酸化膜を、他方の電極の当接面側にシリコン酸化膜とその上に水素化アモルファスカーボン膜(DLC膜の一種)を形成した静電アクチュエータにおいて、駆動電圧を従来の30〜40Vよりも高い、例えば70Vに上げると、振動板の貼り付きが発生した。
しかしながら、sp3結合成分が多いと摩擦係数が高くなる傾向があり、DLC膜の潤滑性が低下し、振動板側のSiO2膜が異物化(SiO2膜の一部が剥がれて異物となる現象)して、インク吐出特性が耐久的に低下するという別の課題が生じた。
これによって、可動電極の貼り付き防止が可能となる。従って、駆動耐久性に優れた、高電圧駆動が可能な静電アクチュエータを実現することができる。
これによって、可動電極の貼り付き防止および、対向する絶縁膜の異物発生の防止が可能となる。従って、駆動耐久性に優れた、高電圧駆動が可能な静電アクチュエータを実現することができる。
当接面側の第1の水素化アモルファスカーボン膜の摩擦係数および硬さを相対的に低く抑えることで、対向する絶縁膜の異物発生の防止が可能となり、またDLC膜の異物化も抑制できる。
水素化アモルファスカーボン膜は一般的に350℃程度で膜中の炭素結合状態等の組成が変化し、高温側ではプラズマ雰囲気中で生成した炭素の結合状態から、より熱力学的に安定な状態、具体的には炭素−水素結合が離脱し、炭素−炭素単結合化し、その結果摩擦係数が上昇する傾向にある。当接面側は摺動特性確保のため低い摩擦係数を実現したいため、成膜条件としては炭素結合状態の変化が発生しない温度である基板温度300℃以下で成膜することが望ましい。一方、膜の硬さを求める場合は基板温度400℃以上で成膜することが望ましい。
従って、本発明の静電アクチュエータの製造方法においては、基材側を基板温度400℃程度、当接面側を基板温度300℃程度で、また当接面側の最表面となる水素化アモルファスカーボン膜は基板温度300℃以下で成膜することが望ましい。
また、目的によってはRF出力、原料ガス流量等の複数のパラメータを組み合わせ、最適な条件で成膜を行うことももちろん可能である。
これにより、長期駆動耐久性を有し、高電圧駆動が可能な液滴吐出ヘッドを実現できる。
これにより、長期駆動耐久性を有し、高電圧駆動が可能な液滴吐出ヘッドを低コストで製造することができる。
図1は本発明の実施の形態1に係るインクジェットヘッドの概略構成を分解して示す分解斜視図であり、一部を断面で表してある。図2は組立状態における図1の略右半分の概略構成を示すインクジェットヘッドの断面図、図3は図2のインクジェットヘッドの上面図、図4は図2のA−A拡大断面図である。なお、図1および図2では、通常使用される状態とは上下逆に示されている。
この個別電極5の端子部5aとキャビティ基板2上に設けられた共通電極26とに、図4に簡略化して示すように、静電アクチュエータ4の駆動手段として、ドライバICなどの駆動制御回路40がFPCを介して配線接続される。
また、ノズル基板1には、キャビティ基板2の吐出室21とリザーバ23とを連通するオリフィス12とリザーバ23部の圧力変動を補償するためのダイヤフラム部13が形成されている。
駆動制御回路40により当該個別電極5と共通電極である振動板6間にパルス電圧を印加する。パルス電圧の印加によって発生する静電気力により振動板6が個別電極5側に引き寄せられて当接し、吐出室21内に負圧を発生させ、リザーバ23内のインクを吸引し、インクの振動(メニスカス振動)を発生させる。このインクの振動が略最大となった時点で、電圧を解除すると、振動板6は個別電極5から離脱して、その時の振動板6の復元力によりインクを当該ノズル孔11から押出し、インク滴を吐出する。
また、当接面側の第1のa−c:H膜8aは、下地酸化膜側の第2のa−c:H膜8bよりも膜中水素量が多いため、摩擦係数が低く、かつ相対的に軟らかい(低硬度)DLC膜となっているため、振動板6の当接力を下地酸化膜側の第2のa−c:H膜8bに分散させることができ、そのため当接面側のDLC膜の異物化を防止することができる。
さらに、当接面側の第1のa−c:H膜8aは、低摩擦係数のDLC膜であるため、これに対向する振動板6側の絶縁膜9の異物化を防止することができる。
よって、本実施の形態によれば、高電圧駆動が可能で、長期駆動耐久性を有する静電アクチュエータ4を実現することができる。
図5は本発明の実施の形態2に係るインクジェットヘッドの概略断面図、図6は図5のB−B拡大断面図である。なお、実施の形態2以降において、実施の形態1と同じ構成部分については同一符号を付し、その説明は省略する。
本実施の形態2は、実施の形態1で示した第1のa−c:H膜8aと第2のa−c:H膜8bとを振動板6側に形成したものである。すなわち、振動板6の接合面には、酸化物系絶縁膜7として、熱酸化法によりシリコン熱酸化膜を全面成膜する。このシリコン熱酸化膜の上に、実施の形態1と同様の組成および膜特性を有する第1のa−c:H膜8aと第2のa−c:H膜8bとを、下地酸化膜側を第2のa−c:H膜8b、当接面側を第1のa−c:H膜8aとして、重ねて(積層状態で)形成するものである。但し、DLC膜は陽極接合ができないので、個別電極5に対向する振動板6部分のみに第1および第2のa−c:H膜8a、8bが形成されている。
一方、個別電極5上には、絶縁破壊や短絡等を防ぐために、シリコン酸化膜からなる絶縁膜9が形成されている。
また、実施の形態2の場合、実施の形態1に比べて振動板6の剛性を高めることができるので、吐出圧力および吐出速度(印刷速度等)の向上に寄与する。
図7は本発明の実施の形態3に係るインクジェットヘッドの概略断面図、図8は図7のC−C拡大断面図である。
本実施の形態3の静電アクチュエータ4は、実施の形態1と実施の形態2とを組み合わせた構成である。この場合、個別電極5および振動板6の当接面側は共に第1のa−c:H膜8aとなっているので、DLC膜どうしの当接、離脱となるため、当接面側のDLC膜(第1のa−c:H膜8a)の異物化は生じない。
よって、本実施の形態3によれば、DLC膜の体積抵抗率のみの効果が得られる。すなわち、振動板6の貼り付きを防止でき、高電圧駆動が可能で長期駆動耐久性を有する静電アクチュエータ4を実現することができる。
次に、実施の形態1〜3に係るインクジェットヘッド10の製造方法の一例について、図9から図12を参照して説明する。
図9は実施の形態1に係るインクジェットヘッド10の電極基板の製造工程を示す部分断面図であり、ウエハ状のガラス基板に複数個作製されるもののうちの一部分を断面であらわしたものである。図10は実施の形態1に係るインクジェットヘッド10の製造工程の部分断面図で、シリコンウエハのある部分の断面をあらわしたものである。なお、以下に記載する基板の厚み、膜厚、エッチング深さ、温度、圧力等についての数値はその一例を示すもので、これに限定されるものではない。
(a)ホウ珪酸ガラス等からなる板厚約1mmのガラス基板300に、例えば金・クロムのエッチングマスクを使用してフッ酸によってエッチングすることにより所望の深さの凹部32を形成する。なお、この凹部32は個別電極5の形状より少し大きめの溝状のものであり、個別電極5ごとに複数形成される。
そして、例えば、スパッタ法によりITO(Indium Tin Oxide)膜を100nmの厚さで形成し、このITO膜をフォトリソグラフィーによりパターニングして個別電極5となる部分以外をエッチング除去して、凹部32の内部に個別電極5を形成する(図9(a))。
(第2のa−c:H膜8b)
RF:900W、原料ガス流量:10sccm、窒素ガス流量:10sccm、成膜時間:18秒、膜厚:10nm、体積抵抗率:3×1010Ωcm、膜中水素量:24atm%
(第1のa−c:H膜8a)
RF:300W、原料ガス流量:30sccm、成膜時間:10秒、膜厚:10nm、体積抵抗率:5×1014Ωcm、膜中水素量:35atm%
(c)ついで、この接合済みシリコン基板200の表面全面を研磨加工して、厚さを例えば50μm程度に薄くし(図10(c))、さらにこのシリコン基板200の表面全面をウェットエッチングによりライトエッチングして加工痕を除去する。
(f)そして、所要時間経過後、窒素ガスを導入し窒素雰囲気下でギャップの外部連通部にエポキシ樹脂等の封止材35を塗布して気密に封止する(図10(f))。
さらに、マイクロブラスト加工等により凹部24の底部を貫通させてインク供給孔33を形成する。さらに、インク流路溝の腐食を防止するため、このシリコン基板の表面にプラズマCVD法によりTEOS−SiO2膜からなるインク保護膜(図示せず)を形成する。また、シリコン基板上に金属からなる共通電極26を形成する。
(g)その後、このキャビティ基板2の表面上に、予めノズル孔11等が形成されたノズル基板1を接着により接合する。そして最後に、ダイシングにより個々のヘッドチップに切断すれば、上述したインクジェットヘッド10の本体部が完成する(図10(g))。
また、キャビティ基板2を、予め作製された電極ガラス基板300Aに接合した状態のシリコン基板200から作製するので、その電極ガラス基板300Aによりシリコン基板200を支持した状態となり、シリコン基板200を薄板化しても割れたり欠けたりすることがなく、ハンドリングが容易となる。従って、キャビティ基板2を単独で製造する場合よりも歩留まりが向上する。
実施の形態2に係るインクジェットヘッド10の製造方法について、図11、図12を参照して説明する。但し、電極ガラス基板300Bの製造工程については図示していないが、図9の(a)、(b)の工程を経たのち、CHF3ガスを用いてRIE(Reactive Ion Etching)ドライエッチングで、FPC実装部34(個別電極5の端子部5a)および接合部36のSiO2膜を除去すれば、本実施の形態2における電極ガラス基板300Bを作製することができる。
(第2のa−c:H膜8b)
RF:900W、原料ガス流量:10sccm、窒素ガス流量:10sccm、成膜時間:18秒、膜厚:10nm、体積抵抗率:3×1010Ωcm、膜中水素量:24atm%
(第1のa−c:H膜8a)
RF:300W、原料ガス流量:30sccm、成膜時間:10秒、膜厚:10nm、体積抵抗率:5×1014Ωcm、膜中水素量:35atm%
この場合においても、a−c:H膜の成膜中に、RFパワー、原料ガス流量、希釈ガス流量のうち1つ以上のパラメータを変更することにより、体積抵抗率および膜中水素量を異ならせたa−c:H膜を積層状態に形成することができる。
この後は、図10(c)〜(g)と同様に、シリコン基板200の薄板化加工(図11(d))、異方性ウェットエッチングによるインク流路溝の形成(図11(e))、FPC実装部34のドライエッチングによる開口(図11(f))、共通電極26、封止材35による封止部の形成、およびインク供給孔33の貫通形成(図11(g))を経て、ダイシングにより個々のヘッドチップに切断することにより、実施の形態2のインクジェットヘッド10の本体部が完成する(図11(h))。
実施の形態3に係るインクジェットヘッド10の製造方法については、図示は省略するが、前述したところから明らかなように、図11、図12の電極ガラス基板300Bに代えて、図9の電極ガラス基板300Aを用いればよい。
本実施の形態3の場合、製造コストは、実施の形態1および実施の形態2に比べて多少上昇するが、絶縁膜の異物化のないインクジェットヘッド10を製造することができる。
次に、前述した実施の形態1のインクジェットヘッド10の製造方法において、a−c:H膜成膜時の基板温度を変更したときの製造方法を実施の形態4として説明する。ここで、成膜時の基板温度とは、基板が載置されるプラズマCVD装置の電極部の温度である。基板温度を変化させるには、電極部に内蔵されているヒータの温度を変更する。
インクジェットヘッド10の製造方法の手順は前述の実施の形態1と同じであるので、ここでは膜特性の異なるa−c:H膜の成膜方法について説明する。
第1の成膜方法は、第1および第2のa−c:H膜8a、8bの成膜時の基板温度のみを変更して、下記の条件で成膜したものである。
(第2のa−c:H膜8b)
RF:300W、原料ガス流量:5sccm、基板温度:400℃、成膜時間:20秒、膜厚:5nmとした。
このとき、体積抵抗率は4×1011Ωcm、膜中水素量は22atm%であった。
(第1のa−c:H膜8a)
第1のa−c:H膜8aは、CVD装置のチャンバ内が冷却され、基板温度が十分に低下してから以下の条件で成膜する。
RF:300W、原料ガス流量:5sccm、基板温度:300℃、成膜時間:20秒、膜厚:5nmとした。
このとき、体積抵抗率は3×1014Ωcm、膜中水素量は28atm%であった。
第2の成膜方法は、RFパワーと第1および第2のa−c:H膜8a、8bの成膜時の基板温度の両方を変更して、下記の条件で成膜したものである。
(第2のa−c:H膜8b)
RF:500W、原料ガス流量:5sccm、窒素ガス流量:5sccm、基板温度:400℃、成膜時間:20秒、膜厚:5nmとした。
このとき、体積抵抗率は2×1010Ωcm、膜中水素量は20atm%であった。
(第1のa−c:H膜8a)
但し、CVD装置のチャンバ内が冷却され、基板温度が十分に低下してから以下の条件で成膜する。
RF:300W、原料ガス流量:5sccm、基板温度:300℃、成膜時間:20秒、膜厚:5nmとした。
このとき、体積抵抗率は3×1014Ωcm、膜中水素量は28atm%であった。
当接面側の第1のa−c:H膜8aは最も高い体積抵抗率を有するDLC膜となっているため、高電圧駆動をしても帯電は生じにくい。よって、振動板の貼り付きを防止でき、高電圧駆動が可能となる。
また、当接面側の第1のa−c:H膜8aは、下地酸化膜側の第2のa−c:H膜8bよりも膜中水素量が多いため、摩擦係数が低く、かつ相対的に軟らかい(低硬度)DLC膜となっているため、振動板の当接力を下地酸化膜側の第2のa−c:H膜8bに分散させることができ、そのため当接面側のDLC膜の異物化を防止することができる。
さらに、当接面側の第1のa−c:H膜8aは、低摩擦係数のDLC膜であるため、これに対向する振動板側の絶縁膜7の異物化を防止することができる。
よって、本実施の形態によれば、高電圧駆動が可能で、長期駆動耐久性を有する静電アクチュエータを実現することができる。
なお、上記の第1および第2の成膜方法は、実施の形態1に限らず、実施の形態2および実施の形態3におけるインクジェットヘッド10の製造にも同様に適用することができる。
電極板側は、実施例、比較例1、比較例2ともに同じで、ガラス基板の上にITO製の個別電極とその上にSiO2の絶縁膜を成膜したものである。
これに対して、比較例1では、0.5億ショットで膜の異物化が見られた。これは、単層の膜(a−c:H膜)を基板温度400℃で成膜しただけでは膜の硬さが硬くなり潤滑性が低いためであると考えられる。一方、比較例2では、20億ショットで膜の異物化が見られたが、比較例1に比べて駆動耐久性が向上している。これは、単層の膜(a−c:H膜)を基板温度300℃で成膜した場合には当該a−c:H膜が多少軟らかいため潤滑性がよくなるためであると推定される。
Claims (13)
- 基板上に形成された固定電極と、この固定電極に対して所定のギャップを介して対向配置された可動電極と、前記固定電極と前記可動電極との間に静電気力を発生させて、前記可動電極に変位を生じさせる駆動手段とを備えた静電アクチュエータにおいて、
前記可動電極または前記固定電極上に酸化物系絶縁膜が形成され、この酸化物系絶縁膜の上に、さらに体積抵抗率が異なる、複数の水素化アモルファスカーボン膜が重ねて形成されていることを特徴とする静電アクチュエータ。 - 基板上に形成された固定電極と、この固定電極に対して所定のギャップを介して対向配置された可動電極と、前記固定電極と前記可動電極との間に静電気力を発生させて、前記可動電極に変位を生じさせる駆動手段とを備えた静電アクチュエータにおいて、
前記可動電極または前記固定電極上に酸化物系絶縁膜が形成され、この酸化物系絶縁膜の上に、さらに膜中水素量が異なる、複数の水素化アモルファスカーボン膜が重ねて形成されていることを特徴とする静電アクチュエータ。 - 前記酸化物系絶縁膜は、前記可動電極および前記固定電極の両方に形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の静電アクチュエータ。
- 前記酸化物系絶縁膜は、シリコン酸化膜であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の静電アクチュエータ。
- 前記複数の水素化アモルファスカーボン膜のうち、前記可動電極と前記固定電極とが当接する当接面側に形成される第1の水素化アモルファスカーボン膜は、体積抵抗率が最も高いことを特徴とする請求項1、3、4のいずれかに記載の静電アクチュエータ。
- 前記複数の水素化アモルファスカーボン膜のうち、前記可動電極と前記固定電極とが当接する当接面側に形成される第1の水素化アモルファスカーボン膜は、膜中水素量が最も高いことを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の静電アクチュエータ。
- 前記第1の水素化アモルファスカーボン膜は、前記酸化物系絶縁膜側に形成される第2の水素化アモルファスカーボン膜に比べて、摩擦係数および硬さが低いことを特徴とする請求項5または6記載の静電アクチュエータ。
- 基板上に形成された固定電極と、この固定電極に対して所定のギャップを介して対向配置された可動電極と、前記固定電極と前記可動電極との間に静電気力を発生させて、前記可動電極に変位を生じさせる駆動手段とを備えた静電アクチュエータの製造方法において、
前記可動電極と前記固定電極の一方または両方の電極上に酸化物系絶縁膜を形成する工程と、
前記酸化物系絶縁膜の上に、複数の水素化アモルファスカーボン膜を重ねて形成する工程と、を有し、
前記水素化アモルファスカーボン膜の成膜中に、成膜条件を変更することにより、体積抵抗率、膜中水素量等の膜特性が異なる、複数の水素化アモルファスカーボン膜を形成することを特徴とする静電アクチュエータの製造方法。 - 前記成膜条件の変更は、原料ガス流量、希釈ガス流量、RF出力、成膜時の基板温度のうち1つ以上のパラメータを変更することを特徴とする請求項8記載の静電アクチュエータの製造方法。
- 当接面側の最表面となる水素化アモルファスカーボン膜の成膜時の基板温度は300℃以下とすることを特徴とする請求項8または9記載の静電アクチュエータの製造方法。
- 請求項1乃至7のいずれかに記載の静電アクチュエータを搭載したことを特徴とする液滴吐出ヘッド。
- 請求項8乃至10のいずれかに記載の静電アクチュエータの製造方法を適用して液滴吐出ヘッドを製造することを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
- 請求項11記載の液滴吐出ヘッドを搭載したことを特徴とする液滴吐出装置。
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