JP5520193B2 - 液滴吐出ヘッド - Google Patents

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Description

本発明は液滴吐出ヘッドおよび液滴吐出ヘッドの製造方法に係り、液滴吐出面に撥水性を付与した液滴吐出ヘッドおよび液滴吐出ヘッドの製造方法に関する。
画像形成装置などで用いられる液滴吐出ヘッドでは、ノズルプレートの表面に液滴が付着していると、ノズルから吐出される液滴が影響を受けて、液滴の吐出方向にばらつきが生じることがある。そのため、記録媒体上の所定位置に液滴を着弾させることが困難となり、画像品質が劣化する要因となる。そこで、ノズルプレート表面に液滴が付着することを防止するために、ノズルプレート表面に撥水性を付与する方法が各種提案されている。
例えば、基材表面に凹凸化構造を形成することで撥水性を機能させることが行なわれている(特許文献1)。しかしながら、非構造化フラット面状態において撥水性を有していないと、さらに構造化を行なっても撥水性増強効果が出現しないため、凹凸構造の表面に撥水膜をコーティングすることが一般的に行なわれている(特許文献2、3)。
一方、ノズルプレート表面に液滴が付着した場合は、ワイピングなどにより液滴を除去する必要がある。そのため、ノズルプレート表面は、耐擦性などの耐久性を向上させる必要がある。そこで、DLC膜や高硬度樹脂膜で凹凸構造化を行なうことが行なわれている(特許文献4〜6)。
特開2000−229410号公報 特開2000−226570号公報 特許第3178115号公報 特開2009−113351号公報 特開2009−107314号公報 特開2009−066876号公報
しかしながら、特許文献2、3に記載されている撥水膜は、フッ素系有機ケイ素化合物からなる薄膜であり、耐擦性をはじめとした耐久性が良くないという問題があった。また、特許文献4〜6に記載されている液滴吐出ヘッドは、撥水性を出現させるために、凹凸構造体の上に撥水材料をコーティングしたり、撥水性の樹脂を使用したりしている。したがって、凹凸構造は、耐久性の高い材料を用いているが、最表面は、有機系撥水材料であるため、撥水膜の耐久性についての向上はあまりみられなかった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、機械的な耐久性と撥水機能の耐久性を両立することができる液滴吐出ヘッドおよび液滴吐出ヘッドの製造方法を提供する。さらに、耐擦性の向上に向けて、液滴吐出ヘッドのノズルプレート表面の摺動性を向上させることを目的とする。
本発明の請求項1は前記目的を達成するために、液体を吐出するノズル孔を有するノズルプレートと、前記ノズル孔に流路を介して繋がる圧力室と、前記圧力室の前記液体に圧力を加える圧力発生素子と、を備える流路構造体と、からなり、前記ノズルプレートの前記液体を吐出する吐出面側がフッ素含有DLC膜からなり、前記ノズルプレートは、平らなノズルプレート基板と、前記ノズルプレート基板上に形成された前記フッ素含有DLC膜と、からなり、前記フッ素含有DLC膜のフッ素含有量が30%以上であり、前記フッ素含有DLC膜が凹凸構造を有することで、前記ノズルプレートの前記吐出面が凹凸構造を有し、前記凹凸構造はドット形状であり、ドットサイズが200nm〜1μm角、ドット間距離が200nm〜1μmであり、前記フッ素含有DLC膜の前記凹凸構造の凸部の水素含有量が、前記凸部の先端側の水素含有量が多く、前記凸部の根元側の水素含有量が少ないことを特徴とする液滴吐出ヘッドを提供する。
請求項1によれば、ノズルプレートの吐出面側が、フッ素含有DLC膜で形成されているので、フッ素を含むことで撥水性をノズルプレート表面に付与することができる。また、DLC膜で形成されているので、硬度、強度の高い膜を形成することができるので、機械的耐久性を向上させることができる。さらに、フッ素はDLC膜中に含有されるので、従来のような有機系の撥水材料を被覆し、この撥水材料が剥離することで撥水性が低下することがないので、撥水機能の耐久性も向上させることができる。なお、「DLC」とはダイヤモンドライクカーボンの略であり、以下「DLC」で記載する。
また、フッ素含有量を30%以上とすることで、ノズルプレート表面に有効な撥水機能を有するノズルプレートとすることができる。
また、ノズルプレートの前記吐出面が凹凸構造を有しているので、毛管現象によって液体が溝部の底に到達できず空気が残ることで撥水機能を向上させることができる。水の場合は空気との接触角は180°と見なすことができるため、溝部に空気が残ることで非常に高い撥水性を発現することができる。
また、凹凸構造がフッ素含有DLC膜に形成されているので、凹凸構造自体の硬度、強度を高めることができる。したがって、ワイピングなどにより凹凸構造が破壊することがなく、機械的強度を向上させることができる。
また、凹凸構造の形状、サイズを、上記範囲とすることで、撥水機能を向上させることができる。
請求項は請求項において、前記フッ素含有DLC膜は、前記水素含有量が異なる層が複数積層されて形成された積層構造体であることを特徴とする。
請求項によれば、各層ごとに水素含有量を変更した積層構造体としたので、製造を容易に行うことができる。
請求項は請求項において、前記フッ素含有DLC膜中の水素含有量は、ノズルプレート内部にいくにしたがい徐々に少なくなる傾斜組成であることを特徴とする。
請求項によれば、フッ素含有DLC膜中の水素含有量の変化を傾斜構造としているので、水素含有量の異なる層を複数積層させて成膜した場合と比べて、層の境界部での構造起因による応力を分散化することができるので、機械的強度を向上させることができる。
本発明の液滴吐出ヘッドおよび液滴吐出ヘッドの製造方法によれば、ノズルプレート表面の機械的な耐久性と撥水機能の耐久性を両立させることができる。
インクジェット記録装置の概略を示す全体構成図である。 インクジェットヘッドの構造例を示す平面透視図である。 図2中IV−IV線に沿う断面図である。 第1実施形態に係るインクジェットヘッドの製造方法を示す工程図である。 第1実施形態に係るインクジェットヘッドの製造方法を示す工程図である。 第2実施形態に係るインクジェットヘッドの成膜、構造化の工程を示す図である。 F−DLC膜中の水素含有量と摩擦係数の関係を示すグラフ図である。 第3実施形態に係るインクジェットヘッドの構造化、成膜の工程を示す図である。 F−DLC膜中のフッ素量と接触角の関係を示すグラフ図である。 F−DLC膜表面の水素含有量とワイプ耐久性の関係を示すグラフ図である。
以下、添付図面に従って、本発明に係る液滴吐出ヘッドおよび液滴吐出ヘッドの製造方法の好ましい実施の形態について説明する。
<インクジェット記録装置の全体構成>
まず、本発明の液滴吐出ヘッドの一例としてインクジェットヘッドについて説明する。
図1は、インクジェットヘッドを備えるインクジェット記録装置の構成図である。このインクジェット記録装置100は、描画部116の圧胴(描画ドラム170)に保持された記録媒体124(便宜上「用紙」と呼ぶ場合がある。)にインクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yから複数色のインクを打滴して所望のカラー画像を形成する圧胴直描方式のインクジェット記録装置であり、インクの打滴前に記録媒体124上に処理液(ここでは凝集処理液)を付与し、処理液とインク液を反応させて記録媒体124上に画像形成を行なう2液反応(凝集)方式が適用されたオンデマンドタイプの画像形成装置である。
図示のように、インクジェット記録装置100は、主として、給紙部112、処理液付与部114、描画部116、乾燥部118、定着部120、および排出部122を備えて構成される。
(給紙部)
給紙部112は、記録媒体124を処理液付与部114に供給する機構であり、当該給紙部112には、枚葉紙である記録媒体124が積層されている。給紙部112には、給紙トレイ150が設けられ、この給紙トレイ150から記録媒体124が一枚ずつ処理液付与部114に給紙される。
(処理液付与部)
処理液付与部114は、記録媒体124の記録面に処理液を付与する機構である。処理液は、描画部116で付与されるインク中の色材(本例では顔料)を凝集させる色材凝集剤を含んでおり、この処理液とインクとが接触することによって、インクは色材と溶媒との分離が促進される。
図1に示すように、処理液付与部114は、給紙胴152、処理液ドラム154、および処理液塗布装置156を備えている。処理液ドラム154は、記録媒体124を保持し、回転搬送させるドラムである。処理液ドラム154は、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)155を備え、この保持手段155の爪と処理液ドラム154の周面の間に記録媒体124を挟み込むことによって記録媒体124の先端を保持できるようになっている。
処理液ドラム154の外側には、その周面に対向して処理液塗布装置156が設けられる。処理液塗布装置156は、処理液が貯留された処理液容器と、この処理液容器の処理液に一部が浸漬されたアニックスローラと、アニックスローラと処理液ドラム154上の記録媒体124に圧接されて計量後の処理液を記録媒体124に転移するゴムローラとで構成される。この処理液塗布装置156によれば、処理液を計量しながら記録媒体124に塗布することができる。
処理液付与部114で処理液が付与された記録媒体124は、処理液ドラム154から中間搬送部126を介して描画部116の描画ドラム170へ受け渡される。
(描画部)
描画部116は、描画ドラム(第2の搬送体)170、用紙抑えローラ174、およびインクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yを備えている。描画ドラム170は、処理液ドラム154と同様に、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)171を備える。描画ドラム170に固定された記録媒体124は、記録面が外側を向くようにして搬送され、この記録面にインクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yからインクが付与される。
インクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yはそれぞれ、記録媒体124における画像形成領域の最大幅に対応する長さを有するフルライン型のインクジェット方式の記録ヘッド(インクジェットヘッド)とすることが好ましい。インク吐出面には、画像形成領域の全幅にわたってインク吐出用のノズルが複数配列されたノズル列が形成されている。各インクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yは、記録媒体124の搬送方向(描画ドラム170の回転方向)と直交する方向に延在するように設置される。
描画ドラム170上に密着保持された記録媒体124の記録面に向かって各インクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yから、対応する色インクの液滴が吐出されることにより、処理液付与部114で予め記録面に付与された処理液にインクが接触し、インク中に分散する色材(顔料)が凝集され、色材凝集体が形成される。これにより、記録媒体124上での色材流れなどが防止され、記録媒体124の記録面に画像が形成される。
描画部116で画像が形成された記録媒体124は、描画ドラム170から中間搬送部128を介して乾燥部118の乾燥ドラム176へ受け渡される。
(乾燥部)
乾燥部118は、色材凝集作用により分離された溶媒に含まれる水分を乾燥させる機構であり、図1に示すように、乾燥ドラム176、および溶媒乾燥装置178を備えている。
乾燥ドラム176は、処理液ドラム154と同様に、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)177を備え、この保持手段177によって記録媒体124の先端を保持できるようになっている。
溶媒乾燥装置178は、乾燥ドラム176の外周面に対向する位置に配置され、複数のハロゲンヒータ180と、各ハロゲンヒータ180の間にそれぞれ配置された温風噴出しノズル182とで構成される。
乾燥部118で乾燥処理が行なわれた記録媒体124は、乾燥ドラム176から中間搬送部130を介して定着部120の定着ドラム184へ受け渡される。
(定着部)
定着部120は、定着ドラム184、ハロゲンヒータ186、定着ローラ188、およびインラインセンサ190で構成される。定着ドラム184は、処理液ドラム154と同様に、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)185を備え、この保持手段185によって記録媒体124の先端を保持できるようになっている。
定着ドラム184の回転により、記録媒体124は記録面が外側を向くようにして搬送され、この記録面に対して、ハロゲンヒータ186による予備加熱と、定着ローラ188による定着処理と、インラインセンサ190による検査が行なわれる。
定着部120によれば、乾燥部118で形成された薄層の画像層内の熱可塑性樹脂微粒子が定着ローラ188によって加熱加圧されて溶融されるので、記録媒体124に固定定着させることができる。また、定着ドラム184の表面温度を50℃以上に設定することで、定着ドラム184の外周面に保持された記録媒体124を裏面から加熱することによって乾燥が促進され、定着時における画像破壊を防止することができるとともに、画像温度の昇温効果によって画像強度を高めることができる。
また、インク中にUV硬化性モノマーを含有させた場合は、乾燥部で水分を充分に揮発させた後に、UV照射ランプを備えた定着部で、画像にUVを照射することで、UV硬化性モノマーを硬化重合させ、画像強度を向上させることができる。
(排出部)
図1に示すように、定着部120に続いて排出部122が設けられている。排出部122は、排出トレイ192を備えており、この排出トレイ192と定着部120の定着ドラム184との間に、これらに対接するように渡し胴194、搬送ベルト196、張架ローラ198が設けられている。記録媒体124は、渡し胴194により搬送ベルト196に送られ、排出トレイ192に排出される。
また、図には示されていないが、本例のインクジェット記録装置100には、上記構成の他、各インクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yにインクを供給するインク貯蔵/装填部、処理液付与部114に対して処理液を供給する手段を備えるとともに、各インクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yのクリーニング(ノズル面のワイピング、パージ、ノズル吸引等)を行なうヘッドメンテナンス部や、用紙搬送路上における記録媒体124の位置を検出する位置検出センサ、装置各部の温度を検出する温度センサなどを備えている。
なお、図1においてはドラム搬送方式のインクジェット記録装置について説明したが、本発明はこれに限定されず、ベルト搬送方式のインクジェット記録装置などにおいても用いることができる。
〔インクジェットヘッドの構造〕
次に、インクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yの構造について説明する。なお、各インクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yの構造は共通しているので、以下では、これらを代表して符号250によってヘッドを示すものとする。
図2(a)は、インクジェットヘッド250の構造例を示す平面透視図であり、図2(b)は、インクジェットヘッド250の他の構造例を示す平面透視図である。図3は、インク室ユニットの立体的構成を示す断面図(図2(a)中、IV−IV線に沿う断面図)である。
記録紙面上に形成されるドットピッチを高密度化するためには、インクジェットヘッド250におけるノズルピッチを高密度化する必要がある。本例のインクジェットヘッド250は、図2(a)に示すように、インク滴の吐出孔であるノズル251と、各ノズル251に対応する圧力室252などからなる複数のインク室ユニット253を千鳥でマトリクス状に(2次元的に)配置させた構造を有し、これにより、ヘッド長手方向(紙搬送方向と直交する主走査方向)に沿って並ぶように投影される実質的なノズル間隔(投影ノズルピッチ)の高密度化を達成している。
紙搬送方向と略直交する方向に記録媒体124の全幅に対応する長さにわたり1列以上のノズル列を構成する形態は本例に限定されない。例えば、図2(a)の構成に代えて、図2(b)に示すように、複数のノズル251が2次元に配列された短尺のヘッドブロック(ヘッドチップ)250’を千鳥状に配列して繋ぎ合わせることで記録媒体124の全幅に対応する長さのノズル列を有するラインヘッドを構成してもよい。また、図示は省略するが、短尺のヘッドを一列に並べてラインヘッドを構成してもよい。
図3に示すように、各ノズル251は、インクジェットヘッド250のインク吐出面250aを構成するノズルプレート260に形成されている。ノズルプレート260は、後述するように、例えば、Si、SiO、SiN、石英ガラスのようなシリコン系材料の基板に、フッ素ドープのDLC(以下、「F−DLC」と記載)を積層し、表面に凹凸構造を備えることで形成されている。F−DLCを用い、表面に凹凸構造を形成することで、ノズルプレート260表面に撥液性を付与し、インクの付着防止が図られている。
各ノズル251に対応して設けられている圧力室252は、その平面形状が概略正方形となっており、対角線上の両隅部にノズル251と供給口254が設けられている。各圧力室252は供給口254を介して共通流路255と連通されている。共通流路255はインク供給源たるインク供給タンク(不図示)と連通しており、該インク供給タンクから供給されるインクは共通流路255を介して各圧力室252に分配供給される。
圧力室252の天面を構成し共通電極と兼用される振動板256には個別電極257を備えた圧電素子258が接合されており、個別電極257に駆動電圧を印加することによって圧電素子258が変形してノズル251からインクが吐出される。インクが吐出されると、共通流路255から供給口254を通って新しいインクが圧力室252に供給される。
なお、ノズルの配置構造は図示の例に限定されず、副走査方向に1列のノズル列を有する配置構造など、様々なノズル配置構造を適用できる。
また、ライン型ヘッドによる印字方式に限定されず、記録媒体124の幅方向(主走査方向)の長さに満たない短尺のヘッドを記録媒体124の幅方向に走査させて当該幅方向の印字を行い、1回の幅方向の印字が終わると記録媒体124を幅方向と直交する方向(副走査方向)に所定量だけ移動させて、次の印字領域の記録媒体124の幅方向の印字を行い、この動作を繰り返して記録媒体124の印字領域の全面にわたって印字を行なうシリアル方式を適用してもよい。
<ノズルプレートの製造方法>
[第1実施形態]
図4〜図5は本発明の液滴吐出ヘッドに用いられるノズルプレートの製造方法である。
(工程1):図4を用いてF−DLC膜の製膜、構造化について説明する。まず、図4(a)に示すように、基板10上にF−DLC膜20を形成する。基板10としては、Si、SiO、SiN、石英ガラスのようなシリコン系材料を用いることができる。本実施形態においては、基板10として、6inchのSiウエハーを用いた。
F−DLC膜20は、基板10(Siウエハーの鏡面)上にスパッタ法にて形成する。形成に用いるスパッタ装置としては、従来から使用している装置を用いることができる。材料物質(ターゲット)は、フッ素含有炭素を用い、水素供給源としてメタン(CH)ガスをアルゴン(Ar)ガスに混合した気体を注入しながら行なう。
F−DLC膜20の形成は、Arガスにより基板10表面にクリーニングを行なった後に行なう。基板10の温度は、室温〜500℃、真空度は、0.1〜1Paとすることが好ましい。また、F−DLC膜20中の水素含有量の制御は、(Ar+CH)ガスに対するCHガスの流量比を0〜50%の範囲で制御することで、膜中の水素含有量を0〜40at%に制御することができる。本実施形態においては、水素含有量が20at%となるように制御を行なった。また、フッ素量はF/(F+C)が0at%を越え40at%の範囲とすることが好ましい。また、F−DLC膜20の膜厚は、100nm〜2μmの範囲とすることが好ましい。本実施形態においては、膜厚は500nmとした。
(工程2):次に図4(b)に示すように、F−DLC膜20上にマスク材30をパターニングする。マスク材30に用いる材料にとしては、Cr、W、Pt、Ir、さらには有機レジストを用いることができる。本実施形態においては、Crを用いて行なった。
マスク材30は、まず、蒸着により膜厚500nmの膜を形成した。その後、F−DLC膜20に工程3で形成される凹凸構造40のパターンに対応するように、フォトレジストによるリソグラフィーにより、パターンマスクを形成した。パターンの形状は、ドット形状のパターンであり、ドットサイズは200nm〜1μm角であることが好ましく、ドット間距離は200nm〜1μmであることが好ましい。本実施形態においては、ドットサイズ200nm、ドット間距離200nmとした。
マスク材30をパターニングする方法としては、ステッパーを含むレジスト露光によるリソグラフィー手法の他、電子線直接描画方式やナノインプリントなどにより行なうこともできる。
(工程3):次に図4(c)に示すように、F−DLC膜20のパターン加工を行なう。F−DLC膜20のパターン加工は、ドライエッチングにより行なうことができる。エッチングガスとしては、CF、O、Arの混合ガスを用い、14MHz、650Wの高周波電界を印加することでプラズマを発生させ、F−DLC膜20と、CFガス、Oガスとを反応させることで、エッチングを行なう。F−DLC膜20の加工深さは、エッチング時間により制御することができ、好ましくは、50nm〜500nmである。本実施形態ではm250nmとした。
(工程4):次に、図4(d)に示すように、マスク材30の除去を行なう。マスク材30の除去は、エッチング液に浸漬することで除去を行なう。本実施形態においては、マスク材30として、Crを用いているので、硝酸セリウムアンモニウムに浸漬することでマスク材30の除去を行なった。
このようにして得られたF−DLC構造体50は、ドットサイズ200nm〜1μm角、ドット間距離200nm〜1μm、深さ50nm〜500nmの凹凸構造40を備えるF−DLC膜20を有する。本実施形態においては、ドットサイズ200nm、ドット間距離200nm、深さ250nmであった。
(工程5):次に、図5を用いてノズル孔加工工程について説明する。図5(e)に示すように、構造加工されたF−DLC構造体50のF−DLC膜20上に厚膜レジスト60とマスク材70を積層形成する。厚膜レジスト60は塗布により、マスク材70は蒸着により形成することができる。本実施形態においては、マスク材70の材料としてCrを用いた。形成方法としては、従来と同様の方法により形成することができる。また、各層の膜厚は、本実施形態においては、厚膜レジスト60の膜厚は5μm、マスク材70は500nmであった。
(工程6):その後、図5(f)に示すように、ノズル孔加工部に対応したレジストマスク80をリソグラフィーにより形成する。レジストマスク80の膜厚は200nmとし、ノズルパターンは20μmφとした。
(工程7):次に、図5(g)に示すように、ノズル孔加工部に対応したパターンマスクの形成を行なう。パターンマスクの形成は、ドライエッチングにより厚膜レジスト60およびマスク材70のパターニングを行なう。CF系ガスを導入したドライエッチングによりF−DLC膜20をエッチングストップ層として、マスク材70、厚膜レジスト60のみをパターン加工することができる。
(工程8):ドライエッチング終了後、マスク材70に残ったレジストマスク80を除去することで、図5(h)に示すように、ノズル孔形成用のパターンマスクが形成される。
(工程9):次に、図5(i)に示すように、ノズル孔90の形成を行なう。ノズル孔90は、厚膜レジスト60、マスク材70からなるパターンマスクを利用して、RIE(反応性イオンエッチング)によりF−DLC膜20および基板10を貫通加工することで行なう。
エッチングガスとしては、CF、O、Arの混合ガスを用い、14MHz、650Wの高周波電界の印加によりプラズマ発生させ、F−DLCと、CFガス、Oガスを反応させることでエッチングを行なった。また、基板10のF−DLC膜20の反対側には、流路構造が形成されており(図示せず)、ドライエッチングにより基板10を除去することで、ノズル孔90と流路構造とが、連結、貫通する。
(工程10):その後、F−DLC膜20上に残った厚膜レジスト60とマスク材70はリフトオフ法によりアセトンなどのレジスト溶解性溶剤または薬剤に浸漬することで除去する。また、マスク材70を先にエッチング溶液(本実施形態においては、Crエッチング溶液)に浸漬し、マスク材70を除去した後、有機溶剤により厚膜レジスト60を除去する方法を取ることもできる。
このようにして形成されたノズルプレートは、ノズルプレート表面がフッ素ドープのDLCを用いた材料となっているので、機械的な耐久性を向上させることができる。また、フッ素を含有させることでノズルプレート表面に撥水性を付与させることができるので、有機系の撥水材料による撥水膜を形成する必要がない。したがって、撥水膜が剥離することで、撥水機能が低下することがないので、撥水機能の耐久性も向上させることができる。
[第2実施形態]
図6は第2実施形態に係るノズルプレートの製造方法を説明する図である。第2実施形態に係るノズルプレートは、F−DLC膜の形成時に、水素添加量を変化させることで、F−DLC膜の密度を変化させている点が第1実施形態と異なっている。
F−DLC膜を成膜する際の、(Ar+CH)ガスに対するCHガスの流量比を0〜50%の範囲で変化させることで、膜中の水素含有量を0〜40at%の範囲で制御する。第1層(Si基板側)のF−DLC膜は、水素添加量を少なくし、密度および硬度を向上させ、機械的な耐久性を向上させる。その後、第2層のF−DLC膜は、水素添加量を多くし、ワイピングによる摺動性を向上させる。
まず、図7に、DLC膜中の水素含有量と摩擦係数の関係を示したグラフ図を示す。水素含有量は顕微ラマンにより定量を行なった。図7に示すように、DLC中の水素含有量が35at%では、摩擦係数が0.10であり、水素含有量が10at%では、摩擦係数が0.20であり、水素含有量を増やすことにより摩擦係数が下がり、摺動性が向上すると考えられる。また、それぞれの硬度は、水素含有量が35at%では、硬度10GPaであり、水素含有量が10at%では、硬度20GPaであり、水素含有量を下げることで硬度が向上する。
DLC膜の強度、摺動性は、DLC膜の水素ドープ量を変化させることで制御可能である。水素ドープ量を少なくすることで、ダイヤモンド構造のsp3構造比率が多くなり密度を高くすることができるが、摺動性は悪くなる。逆に水素ドープ量を多くするとグラファイト構造のsp2構造比率が多くなるので密度は低くなるが摺動性は良くなる。したがって、F−DLC膜(凹凸構造)の表面のみ水素ドープ量を多くし、摺動性を高くし、耐擦性の向上を図る。また、F−DLC膜(凹凸構造)の基板側は水素ドープ量を少なくして、硬度、機械的強度を高くすることで、ノズルプレートおよび凹凸構造自体の強度を高くすることができ、ワイピングによる凹凸構造の破壊防止、耐擦性の向上をすることができる。なお、撥水性は、フッ素ドープ量に依存するため、撥水性の制御はフッ素量で行い、水素ドープ量で密度(硬度、摺動性)の制御を行なう。
本実施形態においては、第1層321として、(Ar+CH)ガスに対するCHガスの流量比を3%として、水素添加量10at%の膜を膜厚400nmで基板10上に形成する。第2層322は、(Ar+CH)ガスに対するCHガスの流量比を40%として、水素添加量35at%の膜を膜厚100nmで形成し、2層構造のF−DLC膜320を成膜する。なお、第1層、第2層ともフッ素量F/(F+C)=40%とした。
また、上記では、水素添加量を変更した2層の積層構造によりF−DLC膜を形成したが、基板側から水素添加量を徐々に増やした3層以上の積層構造とすることもできる。
また、基板側から水素添加量を増やした傾斜組成による連続成膜とすることもできる。すなわち、F−DLC膜の成膜を(Ar+CH)ガスに対するCHガスの流量比を3%として水素添加量を10at%とした後、成膜しながらCHガスの流量比を徐々に増加していき、最終的に40%とすることで、F−DLC膜を表面が水素添加量の多い傾斜組成膜とすることができる。このような傾斜組成とすることにより、第1層、第2層と積層構造とした場合と比較し、境界部での構造起因による応力を分散させることができるので、強固な膜を製造することができる。
その後、F−DLC膜320は、実施例1と同様の方法により図6(c)に示すように構造化を行なった後、ノズル孔を形成することでノズルプレートを製造する。
このようにして形成されたノズルプレートは、F−DLC膜320の凹凸構造の根幹部は、水素添加量が少なく密度および硬度が高くなり機械的な耐久性を高くすることができる。また、凹凸構造の表面側は水素添加量を多くしていので、摩擦係数を下げることができ、ワイプの摺動性、耐擦性を向上させることができる。これにより、凹凸構造の高硬度、高強度性と、凹凸構造表面に摺動性の両立を図ることができる。
[第3実施形態]
図8は第3実施形態に係るノズルプレートの製造方法を説明する図である。第3実施形態に係るノズルプレートは、Si基板410に凹凸構造を形成した後、F−DLC膜420を表面にコーティングする点が、第1実施形態、第2実施形態と異なっている。
第3実施形態においては、まず、基板410の構造化を行なう。基板410の構造化は、基板410上にレジストのパターニングを行い、ドライエッチングにより凹凸構造を形成する。基板410としては、上記実施形態と同様なシリコン系材料を用いることができ、本実施形態においても6inchのSiウエハーを用いた。ドライエッチングは、例えば、Ar+CF系ガスを用い、基板温度を室温〜500℃、真空度を0.1〜1Paの条件で行なうことができる。凹凸構造の加工深さの制御は、エッチング時間の制御により行なうことができ、また、基板として、SOI(Silicon On Insulator)基板を用い、SOI基板中に設けられた埋め込み酸化膜(SiO膜)をエッチングストップ層として加工深さを制御することができる。凹凸構造のパターン形状はドット形状とし、ドットサイズは200nm〜1μm角とし、ドット間距離は200nm〜1μmとすることが好ましい。本実施形態においては、ドットサイズ200nm、ドット間距離200nmとし、加工深さは300nmとした。
次に、凹凸構造を形成した基板410上にスパッタ法にて、F−DLC膜420を形成する。F−DLC膜420の形成方法としては、第1実施形態の工程1でF−DLC膜20を成膜した方法と同様の方法により成膜することができる。例えば、ターゲットとして、フッ素含有炭素を用い、水素供給源としてCHガスをArガスに混合したガスを注入する。基板温度は室温〜500℃、真空度は0.1〜1Paとし、(Ar+CH)ガスに対してCHガスを0〜50%の範囲で変化させることで、F−DLC膜420の水素含有量を0〜40at%の範囲で制御する。本実施形態では、水素含有量20at%とした。また、フッ素量はF/(F+C)=40at%とし、F−DLC膜の膜厚は50nmであった。
このようにして形成されたF−DLC膜420が形成された基板410を第1実施形態と同様の方法によりノズル孔を形成し、ノズルプレートの製造を行なう。
本実施形態によれば、ノズルプレート表面は、F−DLC膜であるので、機械的耐久性と撥水機能の耐久性を両立した膜を形成することができる。また、凹凸構造の形成を基板であるSiに行なっているため、DLC加工と比較して容易に行なうことができる。また、ノズル孔形成時においても、F−DLC膜の膜厚が薄いため、エッチング時間を短縮できるなど、ノズル孔の形成を容易に行なうことができる。
しかしながら、第1実施形態、第2実施形態のノズルプレートと比較すると、凹凸構造のベース部分がシリコンで形成されており、また、F−DLC膜の膜厚も薄いため、機械的な強度、撥水機能が低い傾向にある。したがって、耐擦性が比較的低くてもよい、ワイピングを行なわない非接触のメンテナンス方法との組み合わせで用いることが好ましい。
なお、基板の凹凸構造は、図8(a)においては、基板に対して垂直に形成されるようにしたが、図8(b)に示すように、凹部が表面にいくにしたがい開口する台形状とすることもできる。台形状とすることで、凹部の開口が広くなるので、F−DLC膜の被覆性を向上させることができる。また、凹凸構造の土台部分を相対的に太くすることができるので、機械的な耐久性を向上させることができる。
凹凸構造を台形状に形成する方法としては、ドライエッチングのガス比や、プラズマ強度を変化させる方法、ドライエッチング後にバッファードフッ酸などのウェットエッチングを併用する方法を挙げることができる。
〔実施例〕
(実施例1)
≪撥水性≫
上記第1実施形態で記載した方法によりノズルプレートの製造をし、接触角の測定を行なった。また、参考例として、F−DLC膜の構造化を行なわない平面状F−DLC膜で、F−DLC膜に含まれるフッ素量を変化させてインクに対する静的接触角の測定を行なった。
平面状F−DLC膜の静的接触角の結果を図9に示す。インク接触角はインク吐出挙動やノズル面の付着インクの拭き取り性の観点から接触角は60°以上であることが好ましい。したがって、DLCへのフッ素添加量は20%以上であることが好ましく、30%以上添加することが好ましい。接触角を60°以上とすることで、ノズル部およびノズル面にインクが付着する確立が低くなり、安定したインク挙動を得ることができる。ノズル部にインクが付着すると、吐出インクの吐出方向曲がりに繋がり、ノズル面へのインク付着は、乾燥増粘固化により、拭き取りなどメンテナンス時のノズル詰まりに繋がりやすくなる。なお、フッ素量を50%以上添加した場合は、DLC構造が不安定となり密度が低下するため、機械的強度が低下するため、フッ素添加量は50%未満とすることが好ましい。
また、本発明の構造化したF−DLC(フッ素添加量40%)からなるノズルプレートの水に対する接触角は135°、インクに対する接触角は95°であり、ノズルプレート表面を構造化することで、撥水性が増加していることが確認できた。
≪耐擦性≫
耐擦性の評価は、インクを5%濃度で混合したインク洗浄液を布(東レ製トレシー)に染みこませ、この布でワイピングした後の静的接触角の劣化で評価を行なった。ワイプ圧は30kPaとした。また、接触角が60°以下になった時点を寿命として評価を行なった。
比較例1として、Si基板を構造化し、その構造体の表面に撥水膜(オプツールDSX)を形成した試料を製造した。また、比較例2として、フッ素をドープしないDLC膜を構造化し、その表面に撥水膜(オプツールDSX)を形成した試料を製造した。Si基板、DLC膜の構造化は、実施例1と同様に、マスクパターンとCF系ドライエッチングの組み合わせにより作成した。撥水膜は、Si基板、DLC膜上に、蒸着法により約5〜10nmの厚みで成膜した。撥水膜を形成することにより、比較例1、比較例2とも水に対する性的接触角は110°、インクに対する性的接触角は80°であり、実施例1とほぼ同様の接触角を得ることができた。
実施例1、比較例1、2の耐擦性の評価を行なったところ、実施例1の耐擦寿命は、20000ワイプでインクの接触角が60°以下となった。比較例1は、数百ワイプでドット状柱状構造体(凹凸構造)が破壊してしまった。また、比較例2では、9500ワイプで、インクの接触角が60°以下に低下した。
比較例1は、Si構造体であるため構造体自体の機械的な耐久性が弱く、比較例2は、DLC構造体であるため、機械的な耐久性は有するが、表面が有機フッ素樹脂の撥水膜であるため、耐擦性が弱かった。本発明の実施態様である実施例1によれば、機械的な耐久性と撥水機能の耐擦性を両立することができる。
(実施例2)
上記第2実施形態の方法により水素添加量を変化させた2層構造化したノズルプレートを製造した。凹凸構造のサイズについても第2実施形態と同様のサイズとした。フッ素ドープ量は40%とした。水素添加量は、第1層を10at%、第2層を35at%とした。製造されたノズルプレートの水に対する静的接触角は、135°、インクに対する静的接触角は95°であり、実施例1(一層のF−DLC膜)と同じ値であった。
耐擦性についても実施例1と同様の方法により、評価を行なった。実施例2においては、耐擦寿命が28000ワイプであった。ノズルプレート表面の水素添加量を35at%とすることで、摺動性が良化したためであると考えられる。
また、図10に、第1層目の水素添加を10at%と固定し、第2層の水素添加量を10at%、20at%、35at%と変化させた場合のワイプの耐久性を示す。水素添加量を増やすことで、ワイプ耐久性が向上することが確認できた。
(実施例3)
上記第3実施形態の方法によりノズルプレートを製造した。凹凸構造を形成したSi基板にF−DLC膜を、F添加量40%、膜厚50nmで成膜した。製造されたノズルプレートの水に対する静的接触角は135°、インクによる接触角は95°であり、実施例1、2と同じ値であった。
また、耐擦性も実施例1と同様の方法により評価を行い、耐擦寿命は10000ワイプであった。凹凸構造のベース部分がシリコン構造であるため、機械的強度は実施例1、2に比べ不足しているが問題無い程度であった。また、撥水性も、F−DLC膜が薄いため、実施例1、2と比較すると低い傾向にあるが問題無いレベルであった。
10、410、510…基板、20、320、420、520…F−DLC膜、30、70…マスク材、40…凹凸構造、50…F−DLC構造体、60…厚膜レジスト、80…レジストマスク、90…ノズル孔、100…インクジェット記録装置、112…給紙部、114…処理液付与部、116…描画部、118…乾燥部、120…定着部、122…排出部、124…記録媒体、154…処理液ドラム、156…処理液塗布装置、170…描画ドラム、172M、172K、172C、172Y…インクジェットヘッド、176…乾燥ドラム、180…温風噴出しノズル、182…IRヒータ、184…定着ドラム、186…ハロゲンヒータ、188…定着ローラ、192…排出トレイ、196…搬送ベルト、321…第1層、322…第2層

Claims (3)

  1. 液体を吐出するノズル孔を有するノズルプレートと、
    前記ノズル孔に流路を介して繋がる圧力室と、前記圧力室の前記液体に圧力を加える圧力発生素子と、を備える流路構造体と、からなり、
    前記ノズルプレートの前記液体を吐出する吐出面側がフッ素含有DLC膜からなり、
    前記ノズルプレートは、平らなノズルプレート基板と、前記ノズルプレート基板上に形成された前記フッ素含有DLC膜と、からなり、
    前記フッ素含有DLC膜のフッ素含有量が30%以上であり、
    前記フッ素含有DLC膜が凹凸構造を有することで、前記ノズルプレートの前記吐出面が凹凸構造を有し、
    前記凹凸構造はドット形状であり、ドットサイズが200nm〜1μm角、ドット間距離が200nm〜1μmであり、
    前記フッ素含有DLC膜の前記凹凸構造の凸部の水素含有量が、前記凸部の先端側の水素含有量が多く、前記凸部の根元側の水素含有量が少ないことを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  2. 前記フッ素含有DLC膜は、前記水素含有量が異なる層が複数積層されて形成された積層構造体であることを特徴とする請求項に記載の液滴吐出ヘッド。
  3. 前記フッ素含有DLC膜中の水素含有量は、ノズルプレート内部にいくにしたがい徐々に少なくなる傾斜組成であることを特徴とする請求項に記載の液滴吐出ヘッド。
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