JP2000229410A - 撥水性構造体、その製造方法、インクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録装置 - Google Patents

撥水性構造体、その製造方法、インクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録装置

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JP2000229410A
JP2000229410A JP3141199A JP3141199A JP2000229410A JP 2000229410 A JP2000229410 A JP 2000229410A JP 3141199 A JP3141199 A JP 3141199A JP 3141199 A JP3141199 A JP 3141199A JP 2000229410 A JP2000229410 A JP 2000229410A
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Yasushi Karasawa
康史 柄沢
Mitsuaki Atobe
光朗 跡部
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 所定の初期撥水性を有しこの撥水性をさらに
長期間に渡って持続することができる撥水性構造体を提
供する。 【解決手段】 本発明の撥水性構造体100は、基材1
1の表面にフォトリソグラフィー法を用いて形成された
凹凸構造(凹部17、凸部18)を有する撥水性構造体
100であって、この凹凸構造のエッチング深さが10
μm以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、撥水性構造体、イ
ンクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】電子機器を含む各種製品において、各種
の撥水剤、撥水処理が、液滴付着防止や汚染防止のため
に開発され用いられている。そして、インクジェット記
録装置においては、撥水処理はインクジェット記録ヘッ
ドの印字品質を左右する極めて重要な表面処理となって
いる。
【0003】インクジェット記録装置のインクとして水
性または油性のインクを用いる場合、インクジェット記
録ヘッドのノズル表面の撥水性が不十分であると、イン
クの液滴が付着し易くなり、その結果吐出されるインク
滴の直進性が損なわれ、印字乱れなどのトラブルが生じ
易くなる。また、インクジェット記録ヘッドのインク吐
出面の構成材料は、ガラス、金属などが用いられてお
り、インクに濡れ易い性質があり、上記トラブルが生じ
易い状況にあるといえる。そのため、これらのインク付
着を防止することを目的として、撥水処理が施される。
【0004】撥水処理には、水の接触角が120度を越
える、インクジェット記録ヘッドに対して理想的な撥水
処理(超撥水処理)があり、フッ素化学入門,日刊工業
新聞,1997年3月1日発行,59頁10行目〜63
頁6行目に記載されているように、ニッケル膜へフッ素
原子密度を高めたポリフルオロエチレン微粒子を分散さ
せた共析メッキ法や、関西ペイントの商品名「カンペニ
レックス」のような表面形状を設計して超撥水を実現さ
せた塗装法が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
超撥水処理法には、次のような問題点があった。
【0006】(1)インクジェット記録装置のインク
は、色素の安定分散性及び紙への浸透性を向上させるた
め、種々の界面活性剤が添加されている。共析メッキ法
では、これらの界面活性剤がニッケル面へ吸着するた
め、長期間印字させた場合にはインク濡れによる品質低
下が起きる場合がある。
【0007】(2)インクジェット記録装置は、ヘッド
表面に付着した紙粉や外来の汚染物質をクリーニングす
るためゴム擦り操作がある。従来の超撥水塗装法は本操
作によって塗膜が剥がれるため、品質低下が起きる場合
がある。
【0008】本発明は、以上の問題点を解決するもので
あり、所定の撥水性が長期間に渡って持続される撥水性
構造体及びその製造方法、撥水特性に優れ長期間に亘っ
て高い印字品質を維持し得るノズルを有するインクジェ
ット記録ヘッド及び及びそのインクジェット記録ヘッド
を搭載したインクジェット記録装置を提供することを目
的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の撥水性構造体
は、基材表面にフォトリソグラフィー法を用いて形成さ
れた凹凸構造を有する撥水性構造体であって、この凹凸
構造のエッチング深さが10μm以下であることを特徴
とする。この特徴のため、この撥水性構造体は、表面に
ゴム等が接触した場合であっても、撥水性を長期間に渡
って持続することができる。
【0010】請求項1に記載の撥水性構造体において
は、前記凹凸構造のエッチング深さが5μm以下(請求
項2)、好ましくは3μm以下(請求項3)、さらに好
ましくは2μm以下(請求項4)である。この特徴のた
め、これらの撥水性構造体は、表面にゴム等が接触した
場合であっても、撥水性をさらに長期間に渡って持続す
ることができる。
【0011】請求項1に記載の撥水性構造体において
は、前記凹凸構造のエッチング深さが0.1μm以上
(請求項5)、好ましくは0.3μm以上(請求項
6)、好ましくは0.5μm以上(請求項7)、さらに
好ましくは1μm以上(請求項8)である。この特徴の
ため、これらの撥水性構造体は、所定の優れた初期撥水
性を長期間に渡って持続することができる。
【0012】請求項1乃至8のいずれかに記載の撥水性
構造体においては、前記凹凸構造の表面には撥水膜が形
成され、この撥水膜の膜厚が10nm以上(請求項9に
対応)(より好ましくは100nm以上(請求項10に
対応))であることが好ましい。このため、この撥水性
構造体は、所定の優れた初期撥水性を有しこの撥水性を
さらに長期間に渡って持続することができる。
【0013】請求項11のインクジェット記録ヘッド
は、インク吐出面に撥水性能を付与したインクジェット
記録ヘッドにおいて、インク吐出孔以外の前記インク吐
出面が、請求項1乃至10のいずれかに記載の撥水性構
造体から構成されていることを特徴とする。このため、
このインクジェットヘッドは、撥水特性に優れ長期間に
亘って高い印字品質を維持することができる。
【0014】請求項12のインクジェット記録装置は、
請求項11に記載のインクジェット記録ヘッドを搭載し
たことを特徴とする。このため、このインクジェット記
録装置、長期間に亘って高い印字品質を維持することが
できる。
【0015】
【発明の実施の形態】(実施形態1)図1は、本発明の
実施形態1に係る撥水性構造体の説明図である。同図に
おいて、撥水性構造体100はシリコン基板11の表面
に凹部17及び凸部18からなる凹凸構造が形成され
る。そして、シリコン基板11の表面に形成されたこの
凹部17には空気層20が生成される。
【0016】図2は撥水機能が発揮されているときの水
の接触角の説明図である。同図に示されるように、撥水
機能が発揮されるためには、水の接触角θが120度以
上(インク液滴の場合には90度以上)であることが必
要である。図1の撥水性構造体100は、水の接触角θ
が120度以上となり撥水機能を発揮するためには、凹
部17の大きさが、液滴21が凹部17に落ち込むこと
なく、空気層20と接することができるサイズであるこ
とが必要である。
【0017】図3は図1の凹部17及び凸部18の寸法
についての説明図である。同図において、Aは突起幅
(マスク設計による)、Bは溝幅(マスク設計によ
る)、Cは加工量(深さ・エッチング時間による)、D
は側壁角度(エッチング条件による)である。この撥水
性多孔構造体をインクジェット記録ヘッドに適用する場
合には、インク滴の直径が10μmくらいであるため、
上記のA,Bはその直径との関係から自ずと規制され
る。また、上記Cもインク滴が底面に接触することのな
いようある程度の深さが必要である。このため、上記の
A,Bについては、0.2〜500μm、0.5〜30
μm、更に望ましくは1〜10μmの範囲に規定され
る。また上記A及びBの寸法にもよるが、Cについて
は、0.1μm以上、0.3μm以上、0.5μm以
上、更に望ましくは1μm以上の深さが好ましい。凸部
の高さの均一性は、耐擦傷性の観点から、A、Bの値の
0.5倍以内、0.3倍以内、更に望ましくは0.1倍
以内に規定される。
【0018】図4は図1の撥水性構造体100の平面図
である。同図(A)は凸部18が規則的に分布配置され
た例であり、同図(B)は凸部18がライン状に配置さ
れた例であり、同図(C)は凸部18が格子状に配置さ
れた例である。なお、同図(A)は、凸部18が四角柱
であるが、これは三角柱、五角柱、六角柱、円柱などの
各種柱または錘であっても良い。
【0019】(実施形態2)図5は、本発明の実施形態
2に係るインクジェット記録ヘッドの分解斜視図であ
る。このようにインクジェット記録ヘッドは、第1プレ
ート1と第2プレート2を積層した構成により、インク
の供給部3、静電気により振動する静電振動板、PZT
などの圧電振動子などの振動板の振動により、又は発熱
体の発熱により、インクを吐出する圧力室4及びインク
が通過する流路5を形成しており、第2プレート2には
流路5と垂直方向にノズル孔6が形成されている。そし
て、第2プレートの表面には図1の構造体が形成されて
おり、その表面には撥水膜が形成されている。
【0020】図6は、第2プレート2の表面に撥水性構
造体を形成するための製造工程を示した断面図であり、
図7は表面に撥水性構造体が形成された第2プレート2
の上面図である。これらの図6及び図7によって、シリ
コン基板の表面をフォトリソグラフィー法及びドライエ
ッチング法を用いて加工して撥水性構造体を形成する場
合について説明する。
【0021】まず、結晶方位(100)の4インチサ
イズの単結晶シリコンウエハを第2プレート2の製造基
板として用意し、図6(a)に示されるように、熱酸化
法を用いて、単結晶シリコン基板11の少なくとも一方
の面に約100nmのシリコン酸化膜12を形成する。
【0022】次に、図6(b)に示されるように、東
京応化株式会社製の感光性樹脂OFPR−800(粘度
30cps)を単結晶シリコン基板11のシリコン熱酸
化膜12上へ約2ml滴下し、1分間に5000回転の
速度で30秒間スピンコートし、感光性樹脂層13を形
成する。このスピンコート条件によって、感光性樹脂を
平均膜厚約1μm、ウエハ面内ばらつき10%で塗布す
ることができる。なお、塗布膜厚は加工する溝のサイズ
等によって適宜変化させる。感光性材料塗布膜厚の最大
値は溝の一辺の寸法が2μmの場合には2μmである。
【0023】次に、摂氏90度のオーブンで30分間
乾燥させ、基板11を室温まで冷却する。図6(c)に
示されるように、基板11に対して、一辺が0.2μm
から200μmの四角形の凸部予定領域13をフォトリ
ソパターニングする。その後、摂氏120度のオーブン
で感光性樹脂を硬化させ、耐エッチング性を改善する。
【0024】図6(d)に示されるように、フッ酸に
よって溝予定領域のシリコン酸化膜をエッチングして、
感光性樹脂を剥離液で除去する。
【0025】次に、ドライエッチング装置を使って、
図6(e)に示されるようにC及びFを有するガスを使
ったプラズマ合成膜14を形成し、続いてドライエッチ
ング装置内を排気した後、図6(f)に示されるように
化学式SF6又はCF4ガスプラズマによってシリコン
基板底面15領域のシリコンをエッチングする。
【0026】このとき図6(f)に示されるように、凹
部とすべき部分は、凸部の側壁の部分に形成されるプラ
ズマ合成膜の作用によって、効果的に異方性エッチング
される。このようなプラズマ合成工程及びプラズマエッ
チング工程を繰り返すことによって、図6(g)に示さ
れるように、単結晶シリコン基板11の表面に約5μm
の溝をエッチングして、凹部17及び凸部18を形成す
る。この凸部18は、図7に示されるように、単結晶シ
リコン基板11の表面に規則正しくレイアウトされる。
【0027】次に、ノズル穴(図5参照)を加工し、
単結晶シリコン基板11の表面の自然酸化膜と化学的に
結合可能なフルオロアルキルシランを真空蒸着法によっ
て単結晶シリコン基板11へ蒸着して撥水膜19(図1
参照)を形成する。
【0028】最後に、上記のようにして形成された第
2プレート2に第1プレート1を接合し、インクジェッ
ト記録ヘッドを完成させる。
【0029】(実施形態3)上述の実施形態2におい
て、第2プレート2の凹凸形状の加工方法を異方性ドラ
イエッチングを用いた例を説明したが、本発明において
は異方性ドライエッチングに限らず、等方性ドライエッ
チングを用いても同様の機能を発揮する。
【0030】(実施形態4)上述の実施形態2におい
て、第2プレート2の凹凸形状の加工方法を異方性ドラ
イエッチングを用いた例を説明したが、本発明において
は異方性エッチングに限らず、異方性ウエットエッチン
グ又は等方性ウエットエッチングを用いても同様の機能
を発揮する。
【0031】(実施形態5)上述の実施形態2におい
て、第2プレート2の材質としてシリコン基板を用いた
例を説明したが、本発明においてはシリコン基板に限ら
ず、ガラス、酸化シリコン、ステンレス等の金属材料、
有機高分子材料を用いても同様の機能を発揮する。
【0032】(実施形態6)上述の実施形態2、3及び
4のインクジェット記録ヘッドをインクジェット記録装
置に搭載して印字したところ、高品質の印字が得られた
ことが確認されている。
【0033】
【実施例】(実施例1)撥水性構造体をインクジェット
記録ヘッドへ応用する場合、撥水性に加えて耐擦性がヘ
ッド性能を左右する重要な要因である。つまりノズル面
をゴムで擦る操作前後の撥水性が変化しにくい撥水性構
造ほど、長期間にわたって良好な印字品質が確保でき
る。そこで本発明は耐擦性の最適な条件を明らかにする
ため、上述の実施形態2において品質工学を用いた実施
例を試みた。まず、第2プレートの基板11として、試
料1から試料18の基板材料を用意する。次に、品質工
学の制御因子として、表面の2次元形状(図8から図1
3参照)、エッチング量(1、5、10μm)、突起又
は格子の3次元形状、表面粗化処理の強弱または有無、
撥水剤の種類(無し、フルオロアルキルシラン化合物、
弗化ピッチ)及び撥水剤の膜厚(0,100,200n
m)を選択し、表1の通り実験水準を割り付け、試料を
作成した。
【0034】
【表1】
【0035】続いて、ゴム擦り0回及び3000回にお
ける、インクに対する接触角を測定し、式1の方法によ
ってSN比を算出して、最適条件を求めた。
【0036】
【数1】
【0037】表2は試料1から18の接触角測定結果で
ある。
【0038】
【表2】
【0039】表3は、SN比の計算結果である。
【0040】
【表3】
【0041】また品質工学解析の結果は、図14の通り
である。
【0042】この図14のように、3次元構造では格子
が、撥水剤の種類ではフルオロアルキルシラン化合物
が、撥水剤の膜厚では100nm以上が、エッチング量
では1μmの製造条件が、SN比が高く、擦り試験の前
後でインク接触角の低下量が少なく優れており、本製造
条件が最適であることがわかった。
【0043】また上記の通り、エッチング深さが耐久性
に対し強い影響を及ぼしていることがわかったため、1
辺の寸法が10μmの四角形、エッチング深さを0、
0.05、0.1、0.3、0.5、1、2、3、5、
10、15、20、30及び50μmと変化させた試料
を作成し、ゴムによる3000回擦り試験を行なった。
その結果、インクを使った接触角測定より10μm以下
のエッチング量条件では撥水性長期安定性能が良好とな
り、5μm以下ではさらに安定して良好であることがわ
かった。3μm以下ではさらに安定して良好であり、2
μm以下ではさらに安定して良好であり、それ以下でも
接触角の変化が小さくなった。
【0044】なお、エッチング深さが0.1μm未満に
なると、溝の底面部分に液滴が接触しやすくなるため、
初期撥水性が低下してしまうので、初期撥水性及び撥水
長期安定性を考慮すれば、エッチング深さとしては、
0.1μm以上(好ましくは0.3μm以上、より好ま
しくは0.5μm以上、さらに好ましくは1μm以上)
が好ましい範囲であることがわかった。
【0045】(比較例1)図15は、実施形態2と同様
の構造からなるインクジェット記録ヘッドにおいて、ス
テンレス製の第2プレートへ撥水処理を施す本比較例1
の製造工程を示した断面図である。なおこの比較例1及
び後述の比較例2のインクジェット記録ヘッドの基本構
成は図5に示される構成と同一である。
【0046】まず、図15(a)に示されるように、
第2プレートのための基板31を加工してノズル孔32
を形成して、その後、アルカリ性洗剤を使って超音波洗
浄した。
【0047】フッ素元素密度を高めたポリフルオロエ
チレン微粒子を含むニッケル電気めっき液へ基板31を
浸せきする。そして、図15(b)に示されるように、
基板31の表面へ、フッ素元素密度を高めたポリフルオ
ロエチレン微粒子34が分散した共析メッキ膜33を電
気メッキにより生成する。このメッキ膜33にはフッ素
元素密度を高めたポリフルオロエチレン粒子34が含有
されている。
【0048】最後に、このようにして形成された第2
プレート2に第1プレート1を接合し、インクジェット
記録ヘッドを完成させる。
【0049】(比較例2)図16は実施形態2と同様の
構造からなるインクジェット記録ヘッドにおいて、ポリ
サルフォン製の第2プレートへ撥水材料を塗布する、本
比較例2における製造工程を示した断面図である。
【0050】まず、図16(a)に示されるように、
第2プレートのための基板41を加工してノズル孔42
を形成して、その後、アルカリ性洗剤を使って超音波洗
浄する。
【0051】続いて、関西ペイント(株)の商品名
「カンペニレックス」を基板41表面に塗装して、図1
6(b)に示されるように、塗膜43を生成する。
【0052】最後に、このようにして形成された第2
プレート41に第1プレート1を接合し、インクジェッ
ト記録ヘッドを完成させる。
【0053】実施例1の最適条件、比較例1及び比較例
2のインクジェット記録ヘッドを記録装置に搭載して、
初期及び暗所で2年相当の加速条件(表面擦り)で印字
試験を行ったところ、表4に示されるような結果が得ら
れた。表4は印字品質を判定した結果であり、◎は第2
プレート表面にインクミストが付着せず、印字品質が良
好、○は第2プレートの表面にインクミストは付着する
が、印字品質が良好、×はインク飛行曲がりによる不良
であることを示す。
【0054】
【表4】
【0055】以上の通り、実施例1の最適条件のインク
ジェット記録ヘッドは、初期及び2年相当の加速条件に
おいて、印字品質が良好であり、再現性も確認されてい
る。しかし比較例1,2のインクジェット記録ヘッド
は、印字品質が悪化した。
【0056】(実施例2)例えば樹脂を原料として用
い、実施例1の撥水性多孔構造体(必ずしも撥水処理は
必要ない)を型として用いて成形を行なった。得られた
成形物品の表面は型を転写した凹凸模様を有していた。
この撥水性構造体又はそれに撥水処理を行なったものも
実施例のように優れた特性を有することが確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る撥水性構造体の説明
図である。
【図2】撥水機能が発揮されているときの水の接触角の
説明図である。
【図3】図1の凹部及び凸部の寸法についての説明図で
ある。
【図4】図1の構造体100の平面図。
【図5】本発明の実施形態2に係るインクジェット記録
ヘッドの分解斜視図である。
【図6】本発明の実施形態2における第2プレートの表
面に撥水性構造体を形成するための製造工程を示した断
面図である。
【図7】表面に構造体が形成された第2プレートの上面
図である。
【図8】実施例1の試料1,2及び3の構造体の上面図
である。
【図9】実施例1の試料4,5及び6の構造体の上面図
である。
【図10】実施例1の試料7,8及び9の構造体の上面
図である。
【図11】実施例1の試料10,11及び12の構造体
の上面図である。
【図12】実施例1の試料13,14及び15の構造体
の上面図である。
【図13】実施例1の試料16,17及び18の構造体
の上面図である。
【図14】本実施例1の実験結果を品質工学によって解
析した結果を示す図である。
【図15】比較例1の第2プレートの製造工程を示した
断面図である。
【図16】比較例2の第2プレートの製造工程を示した
断面図である。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材表面にフォトリソグラフィー法を用
    いて形成された凹凸構造を有する撥水性構造体であっ
    て、この凹凸構造のエッチング深さが10μm以下であ
    ることを特徴とする撥水性構造体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の撥水性構造体におい
    て、前記凹凸構造のエッチング深さが5μm以下である
    ことを特徴とする撥水性構造体。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の撥水性構造体におい
    て、前記凹凸構造のエッチング深さが3μm以下である
    ことを特徴とする撥水性構造体。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の撥水性構造体におい
    て、前記凹凸構造のエッチング深さが2μm以下である
    ことを特徴とする撥水性構造体。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載の撥水
    性構造体において、前記凹凸構造のエッチング深さが
    0.1μm以上であることを特徴とする撥水性構造体。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至4のいずれかに記載の撥水
    性構造体において、前記凹凸構造のエッチング深さが
    0.3μm以上であることを特徴とする撥水性構造体。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至4のいずれかに記載の撥水
    性構造体において、前記凹凸構造のエッチング深さが
    0.5μm以上であることを特徴とする撥水性構造体。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至4のいずれかに記載の撥水
    性構造体において、前記凹凸構造のエッチング深さが1
    μm以上であることを特徴とする撥水性構造体。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至8のいずれかに記載の撥水
    性構造体において、前記凹凸構造の表面には撥水膜が形
    成され、この撥水膜の膜厚が10nm以上であることを
    特徴とする撥水性構造体。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の撥水性構造体におい
    て、前記撥水膜の膜厚が100nm以上であることを特
    徴とする撥水性構造体。
  11. 【請求項11】 インク吐出面に撥水性能を付与したイ
    ンクジェット記録ヘッドにおいて、インク吐出孔以外の
    前記インク吐出面が、請求項1乃至10のいずれかに記
    載の撥水性構造体から構成されていることを特徴とする
    インクジェット記録ヘッド。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載のインクジェット記
    録ヘッドを搭載したことを特徴とするインクジェット記
    録装置。
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