JP5195384B2 - オーガ式製氷機 - Google Patents
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Description
製氷部は、駆動モータと、駆動モータの回転を減速して伝達する減速機を介して連結されたオーガと、オーガが挿通される製氷筒と、製氷筒の外周面に巻装された冷凍サイクル装置の蒸発パイプと、オーガの上方に設けられた氷圧縮用の押出しヘッドと、製氷筒および蒸発パイプを包囲する断熱材を備え、製氷筒の下部には水入口が設けられ、この水入口は給水管で給水タンクに接続されている。
前記給水タンクに貯留している飲用水温度と前記オーガ式製氷機周囲の空気温度から推定した製氷量と、前記オーガ式製氷機周囲の空気温度から推定した氷融解量と、前記氷搬出口の氷搬出扉開閉回数から推定した氷搬出量とに基づいて前記貯氷部の貯氷量を推定し、満氷後に氷占積率が所定の比率を超えないように製氷を制御する制御手段を備えたことを特徴とする。
また、本発明の請求項3に係るオーガ式製氷機は、上述した請求項1または請求項2において、氷占積率が許容値を超えると、所定時間経過または所定の氷占積率に下がるまで製氷を停止することを特徴とする。
また、請求項3の発明によれば、氷占積率が許容値を超えると、所定時間経過または所定の氷占積率に下がるまで製氷を停止することにより、シャーベット状の氷が搬出口から搬出されることを防ぐことが可能なオーガ式製氷機を提供することができる。
図1は本発明の実施の形態であるオーガ式製氷機を搭載するカップ式自動販売機の水回路図である。カップ式自動販売機1は、弁を開閉して水道から供給される飲用水の給水・停止を行う給水タンク水入口弁9、給水タンク水入口弁9が開いて供給された飲用水を貯留する給水タンク10、給水タンク10に貯留している飲用水を各機器に圧送する水ポンプ61、アイス飲料用の冷水、炭酸水やシロップを冷却する冷却水槽62、炭酸水を製造して貯留するカーボネータ63、カップCに冷水を注出する冷水ノズル64、カップCに炭酸水を注出する炭酸水ノズル65、炭酸ガスを貯蔵する炭酸ガスボンベ66、シロップを貯蔵するシロップタンク67、カップCにシロップを注出するシロップノズル68、給水タンク10から供給される飲用水で氷片を製造するオーガ式製氷機20、キャニスタ71から供給されるコーヒー豆をミル72で挽いた挽き豆に温水タンク73から供給される湯を注いでコーヒー液を抽出するコーヒーブリュア74、キャニスタ75から供給される砂糖、クリームなどの粉末原料とコーヒーブリュア74から供給されるコーヒー液を攪拌混合してコーヒー飲料を調製するミキシングボウル76、カップCにコーヒー飲料を注出するコーヒーノズル77等を備えている。
製氷部21は、駆動モータ22と、駆動モータ22の回転を減速して伝達する減速機(図示せず)を介して連結されたオーガ23と、オーガ23が挿通される製氷筒24と、製氷筒24の外周面に巻装された冷凍サイクル装置50の蒸発パイプ54と、オーガ23の上方に設けられた氷圧縮用の押出しヘッド25と、製氷筒24および蒸発パイプ54を包囲する断熱材26を備える。製氷筒24には水入口27が設けられて給水管T1を介して給水タンク10に接続されている。
冷凍サイクル装置50は、ガス冷媒を圧縮して高温高圧のガス冷媒にする圧縮機51と、空気との熱交換により高温高圧のガス冷媒を冷却して液冷媒にする凝縮器52と、凝縮器52で液化された高圧の液冷媒の圧力を下げる膨張弁53と、液冷媒の蒸発熱(気化熱)で給水タンク10から供給された飲用水を製氷筒24内壁面に着氷させる蒸発パイプ54と、蒸発パイプ54で蒸発したガス冷媒を圧縮機51に戻す冷媒管路55と、を備え、冷媒は図中矢印方向に通流する。
図3は、オーガ式製氷機20の制御系を示したブロック図である。制御部(制御手段)90には所定の指令信号を記憶するメモリ91やタイマー92等が付設されている。制御部90は、給水タンク10に貯留している飲用水の温度を検知して水温信号を出力する水温センサ93、オーガ式製氷機20の周囲の空気温度を検知して空気温度信号を出力する空気温度センサ94、貯氷室31の貯氷量が減少して氷量検知板39が貯氷量下限位置に降下すると製氷開始信号を出力する製氷開始スイッチ40、製氷動作により貯氷量が増えて氷量検知板39が貯氷量上限位置まで押し上げられると製氷停止信号を出力する製氷停止スイッチ41からの信号を受ける。そして制御部90はこれらの入力信号に基づいて、冷凍サイクル装置50と駆動モータ22を駆動してオーガ23を回転させて製氷筒24内壁面に着氷させた薄氷を掻き上げて氷片を製造して貯氷室31内に貯えるとともにアジテータ32を回転させて貯氷室31に貯蔵している氷片を攪拌して氷片同士が固着して大きな氷塊になるのを防ぐ。また、扉開閉機構35を駆動して氷搬出扉36を開いて貯氷室31に貯蔵している氷片を氷搬出口34から搬出して氷搬出シュート37を滑り落としてカップ式自動販売機1の販売口に載置したカップCに供給する。
また、氷搬出量は、扉開閉機構35を駆動して氷搬出扉36を開閉する開閉回数と開閉時間から得ることができる。また、開閉時間だけでは氷の状態による搬出バラツキが大きいため、光センサ等を用いて氷の通過量を推定し、開閉時間と合わせて氷搬出バラツキを抑えるようにしてもよい。
また、図5のオーガ式製氷機20の貯氷量を推定するフローチャート図に示しているように、給水タンク10に貯留している飲用水の水位の変動に伴って上下動するフロート11が降下して給水開始スイッチ12が給水開始信号を制御部90に出力する回数からオーガ式製氷機20に供給される給水量を推定し、この給水タンク10からオーガ式製氷機20への給水量から氷融解量および氷搬出量を差し引くことでも貯氷量を推定することができる。
図6は、貯氷量の時間推移を示す図である。製氷開始時点は氷片がないため、氷量検知板39が貯氷量上限位置まで押し上げられて製氷停止スイッチ41が製氷停止信号を制御部90に出力するまで製氷が行われる。製造された氷は扇型断面をした氷片(チップアイス)であり、氷間に隙間が生じるので、氷占積率は通常略50〜55%となる。製氷停止スイッチ41が製氷停止信号を出力すると、駆動モータ22と冷凍サイクル装置50が停止し、製氷が停止する。その後、氷の融解や搬出が行われることで、氷量が減り、製氷開始スイッチ40が製氷開始信号を製氷制御部90に出力すると駆動モータ22と冷凍サイクル装置50が駆動されて製氷動作が開始されて製氷され、貯氷室31に貯蔵されることとなる。通常はこの繰り返しで、55%の氷占積率を超えることがないように製氷が制御されているが、例えば、氷片が砕けたりすると、その粒が氷片の隙間に入りこみ、空隙が減るため、氷占積率が上がってくる。これは、製氷によって氷片が増えて氷量検知板39が貯氷量上限位置まで押し上げられて製氷停止スイッチ41が製氷停止信号を制御部90に出力して製氷を停止するまでに、水質や環境が悪いとアジテータ32で攪拌された氷片が周囲の氷片とぶつかり、その氷片を破壊し潰れた粒状の氷がその隙間に入り込んでしまうため、製氷停止が遅くなり必要以上に氷片を作ってしまうためである。氷占積率が60%を超えると隙間が埋められだし、66%を超えると全体的にシャーベット状の氷で埋め尽くされ、氷搬出口34から氷が出られなくなるためである。従って、貯氷部30の貯氷量を推定し、氷占積率が60%を超えないように製氷を制御することで、シャーベット氷の発生を防止し、安定した氷の供給が可能となる。
10 給水タンク
11 フロート
12 給水開始スイッチ(給水量検知手段)
13 給水停止スイッチ
20 オーガ式製氷機
21 製氷部
22 駆動モータ
23 オーガ(螺旋状回転刃)
24 製氷筒
30 貯氷部
31 貯氷室
32 アジテータ
33 簀の子
34 氷搬出口
35 扉開閉機構(氷搬出量検知手段)
40 製氷開始スイッチ
41 製氷停止スイッチ
50 冷凍サイクル装置
54 蒸発パイプ
90 制御部(制御手段)
93 水温センサ
94 空気温度センサ(氷溶解量検知手段)
Claims (4)
- 外周面に冷凍サイクル装置の蒸発パイプが巻装された製氷筒の内壁面に給水タンクから供給された飲用水を着氷させた薄氷を螺旋状回転刃の回転で掻き上げて氷片を製造する製氷部と、当該製造された氷片を貯蔵し、氷搬出指示に基づいて氷搬出口を開いて氷片を搬出する貯氷部と、を有するオーガ式製氷機において、
前記給水タンクに貯留している飲用水温度と前記オーガ式製氷機周囲の空気温度から推定した製氷量と、前記オーガ式製氷機周囲の空気温度から推定した氷融解量と、前記氷搬出口の氷搬出扉開閉回数から推定した氷搬出量とに基づいて前記貯氷部の貯氷量を推定し、満氷後に氷占積率が所定の比率を超えないように製氷を制御する制御手段を備えたことを特徴とするオーガ式製氷機。 - 前記氷占積率を60%以下とすることを特徴とする請求項1に記載のオーガ式製氷機。
- 氷占積率が許容値を超えると、所定時間経過または所定の氷占積率に下がるまで製氷を停止することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のオーガ式製氷機。
- 氷占積率が許容値を超えると、前記製氷部の飲用水を入れ替えた後に製氷を開始することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のオーガ式製氷機。
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