JP5193733B2 - イオン伝導性電解質膜およびイオン伝導性電解質膜と水素極との接合体の検査方法 - Google Patents

イオン伝導性電解質膜およびイオン伝導性電解質膜と水素極との接合体の検査方法 Download PDF

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Description

本発明は、水素イオン伝導性電解質膜におけるイオン伝導性、ならびにイオン伝導性電解質膜と水素極との接合体における水素イオン伝導性電解質膜の水素イオン伝導性および水素極の水素ガス拡散性の均一性の検査方法に関するものである。
水素イオン伝導性電解質膜は、例えば固体高分子型燃料電池の膜電極接合体(membrane electrode assembly )に用いられ、上記膜電極接合体は、水素イオン伝導性電解質膜(「電解質膜」と表示することがある)である固体高分子膜の一方の面に水素極(燃料極)を他方の面に空気極(酸素極)を接合等して構成される。かかる固体高分子型燃料電池では、水素極には水素が、空気極には酸素(又は空気)がそれぞれ供給される。水素は、水素極でイオン化して水素イオンと電子を生成する。水素イオンは、電解質膜を透過して空気極へと達する。電子は、水素極と空気極との間に接続された電気的負荷を介して空気極へ達する。電子が供給された空気極では、水素イオンと酸素が反応して、水(水蒸気)が生成される。こうして電力を発生する固体高分子型燃料電池において、膜電極接合体を電気的に直列接続して出力電圧を高めるときの最大出力電流は、水素イオン伝導が最も低い膜電極接合体で決定される。すなわち、直列接続される膜電極接合体は水素イオン(プロトン)伝導ができるだけ均一であることが望ましく、またより大きい出力電流を得るためには、電解質膜は、その膜面方向に均一な水素イオン伝導性を有していることが求められる。そこで均一な水素イオン伝導性を実現する膜電極接合体の製造方法が開発されてきた(例えば特許文献1)。
特開2006−252938号公報
しかし、均一な水素イオン伝導性を有する電解質膜や膜電極接合体の製造方法(製造技術)は、製造された電解質膜の水素イオン伝導性を検査する方法(検査技術)ではない。そこで本発明は、電解質膜の水素イオン伝導性の均一性を直接的に検査する方法を実現することを課題とするものである。
上記課題を解決するため、本発明に係るイオン伝導性電解質膜の検査方法(請求項1)は、電解質膜の一方の面に調光薄膜を、電解質膜の他方の面に水素極を、それぞれ接合し、水素極と調光薄膜との間に電気回路を接続し、水素極側の空間に供給した水素ガスを水素極によって水素イオン化し、この水素イオン化で生じた電子を電気回路経由で水素極から調光薄膜に供給するとともに、水素イオンを水素極から電解質膜の厚さ方向に透過させて調光薄膜に供給するものである。こうして水素イオンを調光薄膜に到達させると、水素イオンが調光薄膜で電子と結合し(非イオン化し)水素分子となって、調光薄膜を水素化するから、調光薄膜の光学的反射率に変化が生じるのである。この光学的反射率の変化は、電解質膜を透過して調光薄膜に達した水素イオンの多寡に依存する。すなわち該検査方法によれば、電解質膜の面方向における水素イオン伝導性の相違が調光薄膜の光学的反射率の斑(むら)として検知されて、電解質膜の水素イオン伝導性の均一性の良否を検査することができるのである。なお上記水素イオン伝導性検査は、常温で行うことができる。
請求項2に記載のように、電気回路を電源回路で構成し、水素極を電源回路の正電圧電極に、調光薄膜を電源回路の負電圧電極にそれぞれ電気的に接続すれば、水素極で生成された電子を、電源回路の正電圧電極に流入させて更に負電圧電極から調光薄膜へと供給できるとともに、水素極で生成された水素イオンを電気的斥力で電解質膜へと流入させて更に調光薄膜へと供給することができる。かくして電解質膜の水素イオン伝導性の均一性をより良好に検査することができる。
請求項3に記載のように、調光薄膜が触媒層と反応層を有し、反応層が電源回路の負電圧電極に電気的に接続され、触媒層が電解質膜と接していれば、触媒層の触媒作用で、反応層が電解質膜を透過した水素ガスで水素化して、調光薄膜の光学的反射率が変化する。
請求項4に記載のように、水素極が水素拡散膜とアノード極を有し、アノード極が電源回路の正電圧電極に電気的に接続されるとともに電解質膜と接していれば、水素拡散膜が水素ガスを拡散して、アノード極で効率よく水素イオンを生成することができる。
請求項5に記載の水素イオン伝導性検査は、イオン伝導性電解質膜の一方の面に空気極を、イオン伝導性電解質膜の他方の面に水素極を、それぞれ接合した燃料電池の膜電極接合体の空気極の表面にさらに調光薄膜を接合して、膜電極接合体のイオン伝導性電解質膜の検査を行うものである。該検査方法によれば、水素イオンを水素極から電解質膜の厚さ方向に透過させ、更に空気極を経て調光薄膜に到達させることで、膜電極接合体として形成されたイオン伝導性電解質膜における水素イオン伝導性を検査することができる。請求項6に記載の水素イオン伝導性検査は、触媒層と反応層を有する調光薄膜を、触媒層側の表面が空気層に接するように接合したうえで検査を行うものである。
ところで、水素化で生じる調光薄膜の光学的反射率の変化の均一性は、イオン伝導性電解質膜の水素イオン伝導性の均一性と水素極の水素ガス拡散性の均一性に依存するから、調光薄膜の光学的反射率の変化の均一性によって、イオン伝導性電解質膜の水素イオン伝導性の均一性と水素極の水素ガス拡散性の均一性を検査することができる(請求項7)。
請求項8に記載のように、調光薄膜が、マグネシウム・ニッケル合金、マグネシウム・チタン合金、マグネシウム・ニオブ合金、マグネシウム・バナジウム合金もしくはマグネシウムで形成した反応層と、パラジウムもしくは白金で形成した触媒層を有していれば、調光薄膜は、水素化すると迅速かつ可逆的に光学的反射率が変化する。
以上のように本発明にかかるイオン伝導性電解質膜の検査方法によれば、イオン伝導性電解質膜の水素イオン伝導性の均一性を直接的に検査することができ、均一な水素イオン伝導性を有する水素イオン伝導性電解質膜、および燃料電池の膜電極接合体の選別が可能となる。また本発明にかかるイオン伝導性電解質膜と水素極との接合体の検査方法によれば、均一な水素イオン伝導性を有する水素イオン伝導性電解質膜、および均一な水素ガス拡散性を有する燃料電池の膜電極接合体の選別が可能となる。したがって本発明に係る検査方法を燃料電池の製造工程に適用すれば、製造工程の簡素化とコスト削減を実現できる。
以下、図面を参照して、本発明にかかるイオン伝導性電解質膜の検査方法およびイオン伝導性電解質膜と水素極との接合体の検査方法を説明する。
本発明にかかるイオン伝導性電解質膜の検査方法およびイオン伝導性電解質膜と水素極との接合体の検査方法の一実施例(実施例1)を図1ないし図4を用いて説明する。ここで図1は、検査対象となる電解質膜に水素極と調光薄膜とを接合し、さらに水素極と調光薄膜の間に電源回路を接続するときの構成例を示す図である。図2は、図1の電解質膜等の斜視図であり、図3は、検査のために図1の電解質膜等を容器に収容するときの概略構成例を示す図であり、図4は、図1の電解質膜における水素イオン伝導性を模式的に説明する図である。
(電解質膜、水素極及び調光薄膜)
図1及び図2に示すように、電解質膜10と同一平面状形を有する調光薄膜11は、触媒膜(触媒層)12と反応膜(反応層)13を有し、触媒膜12で電解質膜10の一方の面10aに接している。同じく電解質膜10と同一平面状形を有する水素極14は、水素拡散膜15及びアノード極16を有し、アノード極16で電解質膜10の他方の面10bに接している。かくして調光薄膜11及び水素極14は、電解質膜10を挟んで相対している。電解質膜10には、例えば固体高分子膜であるパーフルオロスルホン酸基ポリマー膜、あるいはナフィオン膜等を使用することができる。また水素極14が有する水素拡散膜15は、例えばカーボンクロス、カーボンペーパー等の炭素繊維、または多孔質樹脂、多孔質セラミック若しくは多孔質金属(発泡金属)等で構成され、厚さが例えば0.1mmないし50mmであり、またアノード極16は、例えば白金等の水素イオン触媒膜等で構成される。水素極14は、電解質膜10とともに燃料電池の膜電極接合体の一部を構成するものでもよいし、検査時に電解質膜10に接合する検査専用のものでもよい。
調光薄膜11が有する反応膜13は、例えばMgNix(0≦x<0.6)の薄膜であり、またマグネシウム・チタン合金、マグネシウム・ニオブ合金、マグネシウム・バナジウム合金もしくはマグネシウムで形成することもできる。触媒膜12は、例えばパラジウムもしくは白金からなり、反応膜13の表面にコーティングなどによって形成することができ、厚さは1nmないし100nmである。かかる調光薄膜11が、水素濃度が100ppmないし1%程度以上の雰囲気に触れると、例えば数秒ないし10秒程度で、反応膜13が迅速かつ可逆的に水素化して光学的反射率(以下、単に「反射率」と表示することがある)に目視可能な変化が生じる(反応膜13は、水素化していないときには反射率が高く、水素化すると反射率が低下する)。なおポリエチレンシート上に反応膜13を形成し、さらに触媒層12を形成した調光薄膜11では(図1における調光薄膜11の上面にポリエチレンシートが位置することになる)、その取り扱いが容易になる。
(水素極と調光薄膜の間の電気回路)
図1に示すように、電源回路17の正電圧電極17pは水素極14のアノード極16に接続され、負電圧電極17nは調光薄膜11の反応膜13に接続されている。すなわち電源回路17は、アノード極16から電子を取り出して反応膜13へと移動させる電気回路を形成するとともに、反応膜13をアノード極16に対し負電位にバイアスする(反応膜13とアノード極16間に電界を生じさせる)。なお電源回路17と、調光薄膜11もしくは反応膜13との間に適宜スイッチを設けてもよい。
(水素ガスを供給する空間)
図3に示すように、水素極14及び調光薄膜11を接合した電解質膜10を容器20に収容する。容器20内における水素極14の側の水素ガス供給空間21(水素極側の空間)には、容器20の水素ガス供給口21aから水素ガスHが供給される(図示しないポンプで供給される)。また調光薄膜11の側の空気供給空間22には、容器20の空気供給口22aから空気(又は酸素)が供給される(図示しないポンプで供給される)。水素ガス供給空間21と空気供給空間22とは、水素極14及び調光薄膜11を接合した電解質膜10で遮られている。空気供給空間22の周壁23には、調光薄膜11を目視するための窓24が設けられている(ガラス25が窓24に取り付けられて容器20の内部と外部を遮蔽している)。水素極14と調光薄膜11の間は、電源回路17で電気的に接続される。なお図3中の21bは、未反応水素ガスHを回収するための未反応水素ガス回収口であり、同じく22bは未反応空気(酸素)と調光薄膜11で生成された水蒸気を排出する排出口である。また調光薄膜11を接合した電解質膜10は、その周辺部を枠(図示せず)で挟持されるなどして容器20の内部に取り付けられる。
(電解質膜の水素イオン伝導性の検査)
図4に示すように、水素ガス供給空間21に供給された水素ガスHは、水素極14の水素拡散膜15で拡散されアノード極16に到達する。アノード極16では水素ガスHが水素イオンH+と電子eに分離する。水素イオンH+は、電源回路17の正電圧による電気的斥力と、アノード極16に対し負電位にバイアスさた反応膜13の電気的引力とによって、電解質膜10を透過して触媒膜12に到達する(矢印C)。一方、電子eは、電源回路17の正電圧電極17pから負電圧電極17nを経て調光薄膜11の反応膜13へ達し(矢印A及びB)、さらに触媒膜12へ向かう。かくして電解質膜10内を透過した水素イオンH+は、電解質膜10と触媒膜12との界面近傍において、電子eと結合して一旦水素ガスHとなる。こうして生成された水素ガスHは、触媒膜12の作用で反応膜13と反応して(水素分子Hとなって)、反応膜13を可逆的に水素化する(調光薄膜11が、水素イオンH+の多寡に応じて鏡面状態から透明状態へと可逆的に変化する)。
(水素イオン伝導性の検査)
電解質膜10の水素イオン伝導性が如何なる領域においても均一であれば、電解質膜10の一方の面10aの如何なる領域においても、触媒膜12へ到達する水素イオンH+の量が等しくなる。ここで調光薄膜11の反射率は、電解質膜10を透過した水素イオンH+の多寡に応じて迅速かつ可逆的に変化するから、電解質膜10の水素イオン伝導性が均一であれば、調光薄膜11の反射率が均一かつ迅速に変化する。すなわち調光薄膜11を目視等したとき、調光薄膜11の表面11aの全領域において、反射率が等しく変化したときには、電解質膜10における水素イオン伝導性が電解質膜10の如何なる領域においても均一であることを直接的に検査したことになる。
電解質膜10の水素イオン伝導性が不均一であるときには、水素イオン伝導性が低い領域に接した調光薄膜11の領域では、反射率の変化が他の領域よりも少なくなる。すなわち調光薄膜11の反射率に目視可能な斑が生じて、水素イオン伝導性が不均一であることを直接的かつ迅速に検査することができる。もし電解質膜10に水素イオン伝導性の局部的欠陥があるときには、該欠陥領域に接する調光薄膜11の反射率が他の領域と異なるから、水素イオン伝導性の局部的欠陥も直接的かつ迅速に検査することができる。
また、水素化で生じる調光薄膜11の光学的反射率の変化の均一性は、電解質膜10の水素イオン伝導性の均一性と水素極14の水素ガス拡散性の均一性に依存するから、調光薄膜11の光学的反射率の変化の均一性によって、電解質膜10の水素イオン伝導性の均一性と水素極14の水素ガス拡散性の均一性を検査することができる。
なお、電願回路17は、水素ガス供給空間21に水素ガスHを供給したのち接続されても、あるいは水素ガスHの供給前に接続されてもよい。電願回路17によって、電解質膜10における水素イオンH+の透過が促進されればよいのである。ところで、調光薄膜11と電解質膜10の一方の面10aとの接合は、両膜の間に間隙が全く生じない完全な密着状態を意味するものではない。なぜならば、両膜を接合するときに僅かな間隙が生じたとしても、電解質膜10内を透過した水素イオンH+は、反応膜13とアノード極16間に生じた電界の作用で、調光薄膜11に向け直進するからである。同様にアノード極16と電解質膜10の間に僅かな間隙が生じていても、アノード極16で生じた水素イオンH+は、電解質膜10に向け直進するから、アノード極16と電解質膜10の他方の面10bとの接合も完全な密着状態である必要はないのである。また水素極14が電解質膜10とともに燃料電池の膜電極接合体の一部を形成するものであれば、電解質膜10に水素極14を接合した状態において、膜電極接合体の水素イオン伝導性を検査することができる。また目視に代えて、テレビジョンカメラなどで調光薄膜11の反射率を電気信号に変換すれば、映像処理装置で反射率の変化を検出して、電解質膜10の水素イオン伝導性を迅速に検査することもできる。なお、水素拡散膜15がカーボン等で形成されて導電性を有する場合には、電源回路17の正電圧電極17pは、アノード極16に代えて水素拡散膜15に接続してもよい。
本発明にかかるイオン伝導性電解質膜の検査方法およびイオン伝導性電解質膜と水素極との接合体の検査方法の他の実施例(実施例2)を図5等によって説明する。なお実施例1と同一の機能を有する構成要素には、同一の符号を附してそれらの説明を省略する。
膜電極接合体19では、電解質膜10の一方の面10aに空気極18が接合されるとともに、他方の面10bに水素極14が接合されている。該検査方法では、さらに膜電極接合体19の空気極18の表面18aに調光薄膜11が接合され、調光薄膜11は、例えば図1のように触媒膜12と反応膜13を有して、触媒膜12で空気極18に接している。
こうして調光薄膜11を接合した膜電極接合体19は、実施例1と同様に、図3に示す容器20に収容されるとともに電源回路17が調光薄膜11および水素極14に電気的に接続されて検査される。すなわち、水素極14で水素イオンH+が生成されて、水素イオンH+は、電解質膜10を透過し、さらに空気極18を透過して調光薄膜11の触媒膜12に到達する。触媒膜12に到達した水素イオンH+は、電源回路17を経て調光薄膜11に到達した電子eと結合して水素ガスHになって、調光薄膜11の反応膜13を可逆的に水素化する。かくして、膜電極接合体19の電解質膜10の水素イオン伝導性を実施例1と同様に検査することができる。また実施例1と同様の理由で、電解質膜10の水素イオン伝導性の均一性と水素極14の水素ガス拡散性の均一性も検査することができる。ここで水素極14は、例えば実施例1(図1)のように水素拡散膜15とアノード極16を有するものであってもよく、また空気極18がカソード極を有していてもよい。
なお、各実施例における電解質膜は、実施例の平板形状に限定されず、他の平面的な形状であってもよい。また円柱状の電解質膜であって、円柱の外周面に調光薄膜(又は空気極および調光薄膜)を、また円柱の内周面に水素極を、それぞれ接合し、円柱の内周面側の空間に水素ガスを供給するなどしてもよい。また電解質膜の水素イオン伝導性の検査に際し、調光薄膜を電解質膜(又は空気極)に接合するときには、導電性の液体(例えば水)等を電解質膜(又は空気極)と調光薄膜との間に介在させて、電解質膜(又は空気極)と調光薄膜との接触部分の導電性を均一化することが望ましい。検査用の水素極を電解質膜に接合するときにも同様である。また水素極は、アノード電極で構成されて水素拡散膜を有さないものであってもよく、あるいは水素拡散膜とアノード極を有し水素拡散膜で電解質膜に接するものであってもよい。また調光薄膜の反応膜および触媒膜は、各実施例と同様に機能するものであればよく、実施例に記載したものに限定されない。
なお本発明は、固体高分子型燃料電池の膜電極接合体に用いられる電解質膜の検査に限定されるもではなく、また上述した実施例に限定されるものでもなく、その趣旨を逸脱しない範囲において、適宜変形して実施できる。
本発明の検査方法(実施例1)によって、電解質膜の水素イオン伝導性を検査するために、検査対象となる電解質膜に水素極と調光薄膜とを接合するとともに、水素極と調光薄膜の間に電源回路を接続した例を示す図である。 図1に示す電解質膜の斜視図である。 本発明の検査方法を実施するために、電解質膜等を容器に収容するときの一構成例を示す図である。 電解質膜の水素イオン伝導性を模式的に説明する図である。 本発明の他の検査方法(実施例2)によって、膜電極接合体における電解質膜の水素イオン伝導性を検査するために、検査対象となる膜電極接合体に調光薄膜を接合するとともに、調光薄膜と膜電極接合体の水素極の間に電源回路を接続した例を示す図である。
符号の説明
10 電解質膜(イオン伝導性電解質膜)
10a 電解質膜の一方の面
10b 電解質膜の他方の面
11 調光薄膜
12 触媒膜(触媒層)
13 反応膜(反応層)
14 水素極
15 水素拡散膜
16 アノード極
17 電源回路(電気回路)
17p 電源回路の正電圧電極
17n 電源回路の負電圧電極
18 空気極
18a 空気極の表面
19 膜電極接合体
21 水素ガス供給空間(水素極側の空間)
e 電子
H 水素分子
H+ 水素イオン
水素ガス

Claims (8)

  1. イオン伝導性電解質膜の検査方法であって、
    前記イオン伝導性電解質膜の一方の面に調光薄膜を、前記イオン伝導性電解質膜の他方の面に水素極を、それぞれ接合し、前記調光薄膜と前記水素極との間に電気回路を接続し、
    水素ガスを前記水素極側の空間に供給して前記水素極によってイオン化し、
    前記イオン化で生じた電子を前記電気回路経由で前記水素極から前記調光薄膜に供給するとともに、前記イオン化で生じた水素イオンを前記水素極から前記イオン伝導性電解質膜を透過させて前記調光薄膜に供給し、
    前記調光薄膜に到達した前記水素イオンで前記調光薄膜を水素化して、
    前記水素化で生じる前記調光薄膜の光学的反射率の変化の均一性によって、前記イオン伝導性電解質膜の水素イオン伝導性の均一性を検査することを特徴とするイオン伝導性電解質膜の検査方法。
  2. 前記電気回路が電源回路であり、前記水素極が前記電源回路の正電圧電極に電気的に接続され、前記調光薄膜が前記電源回路の負電圧電極に電気的に接続されることを特徴とする請求項1に記載のイオン伝導性電解質膜の検査方法。
  3. 前記調光薄膜は触媒層と反応層を有し、
    前記反応層が前記電源回路の負電圧電極に電気的に接続され、
    前記イオン伝導性電解質膜と接する前記触媒層が、前記イオン伝導性電解質膜を透過した水素イオンで前記反応層を水素化することを特徴とする請求項2に記載のイオン伝導性電解質膜の検査方法。
  4. 前記水素極は水素拡散膜とアノード極を有し、前記アノード極が前記電源回路の正電圧電極に電気的に接続されるとともに前記イオン伝導性電解質膜と接することを特徴とする請求項2に記載のイオン伝導性電解質膜の検査方法。
  5. イオン伝導性電解質膜の一方の面に空気極を、前記イオン伝導性電解質膜の他方の面に水素極を、それぞれ接合した燃料電池の膜電極接合体における前記イオン伝導性電解質膜の検査方法であって、
    前記空気極の表面に調光薄膜を接合したうえで、
    前記調光薄膜と前記水素極との間に電気回路を接続し、
    水素ガスを前記水素極側の空間に供給して前記水素極によってイオン化し、
    前記イオン化で生じた電子を前記電気回路経由で前記水素極から前記調光薄膜に供給するとともに、前記イオン化で生じた水素イオンを前記水素極から前記イオン伝導性電解質膜および前記空気極を透過させて前記調光薄膜に供給し、
    前記調光薄膜に到達した前記水素イオンで前記調光薄膜を水素化して、
    前記水素化で生じる前記調光薄膜の光学的反射率の変化の均一性によって、前記イオン伝導性電解質膜の水素イオン伝導性の均一性を検査することを特徴とするイオン伝導性電解質膜の検査方法。
  6. 前記調光薄膜は触媒層と反応層を有し前記触媒層側の表面が前記空気極に接合され、
    前記電気回路が電源回路であり、
    前記水素極が前記電源回路の正電圧電極に電気的に接続され、
    前記反応層が前記電源回路の負電圧電極に電気的に接続され、
    前記空気極と接する前記触媒層が、前記イオン伝導性電解質膜を透過した水素イオンで前記反応層を水素化することを特徴とする請求項5に記載のイオン伝導性電解質膜の検査方法。
  7. イオン伝導性電解質膜と水素極との接合体の検査方法であって、
    前記イオン伝導性電解質膜の一方の面に調光薄膜を、前記イオン伝導性電解質膜の他方の面に水素極を、それぞれ接合し、前記調光薄膜と前記水素極との間に電気回路を接続し、
    水素ガスを前記水素極側の空間に供給して前記水素極によってイオン化し、
    前記イオン化で生じた電子を前記電気回路経由で前記水素極から前記調光薄膜に供給するとともに、前記イオン化で生じた水素イオンを前記水素極から前記イオン伝導性電解質膜を透過させて前記調光薄膜に供給し、
    前記調光薄膜に到達した前記水素イオンで前記調光薄膜を水素化して、
    前記水素化で生じる前記調光薄膜の光学的反射率の変化の均一性によって、前記イオン伝導性電解質膜の水素イオン伝導性および前記水素極の水素ガス拡散性の均一性を検査することを特徴とするイオン伝導性電解質膜と水素極との接合体の検査方法。
  8. 前記反応層はマグネシウム・ニッケル合金、マグネシウム・チタン合金、マグネシウム・ニオブ合金、マグネシウム・バナジウム合金もしくはマグネシウムで形成された反応層であり、前記触媒層はパラジウムもしくは白金で形成された触媒層であることを特徴とする請求項3または6に記載のイオン伝導性電解質膜の検査方法。
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