JP5150173B2 - イオン伝導性電解質膜の検査方法および検査装置 - Google Patents

イオン伝導性電解質膜の検査方法および検査装置 Download PDF

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Description

本発明は、水素イオン伝導性電解質膜の検査方法および検査装置に関するものである。
水素イオン伝導性電解質膜(「電解質膜」と表示することがある)は、例えば固体高分子型燃料電池の膜電極接合体(membrane electrode assembly )に用いられ、膜電極接合体は、電解質膜である固体高分子膜の一方の面に水素極(燃料極)を他方の面に空気極(酸素極)を接合等して構成される。かかる固体高分子型燃料電池では、水素極には水素が、空気極には酸素(又は空気)がそれぞれ供給される。水素は、水素極でイオン化して水素イオンと電子を生成する。水素イオンは、電解質膜を透過して空気極へと達する。電子は、水素極と空気極との間に接続された電気的負荷を介して空気極へ達する。電子が供給された空気極では、水素イオンと酸素が反応して、水(水蒸気)が生成される。
固体高分子型燃料電池では、電解質膜にピンホールやクラック等の欠陥部があると、欠陥部でガス漏れが生じて発電能力が低下する。欠陥部は、電解質膜のいずれか一方の面側の空間に水素ガスを供給した場合、電解質膜の他方の面に水素ガスの漏洩を生じさせるから、水素センサで漏洩水素ガスの濃度を測定することで欠陥部が存在することを検知できる。こうした測定における水素センサとしては、例えば水素吸収合金を用いることができる(例えば特許文献1)。また固体高分子型燃料電池において、膜電極接合体を電気的に直列接続して出力電圧を高めるときの最大出力電流は、水素イオン(プロトン)伝導が最も低い膜電極接合体で決定される。よって直列接続される膜電極接合体は、水素イオン伝導ができるだけ均一であることが望ましい。そこで、均一な水素イオン伝導性を実現する膜電極接合体の製造方法が開発された(例えば特許文献2)。
特開2004−233097号公報 特開2006−252938号公報
しかし、雰囲気中に拡散した漏洩水素ガスを検知しても、漏洩水素ガスの拡散で電解質膜の欠陥部を検知する感度が低下するし、欠陥部の位置を特定することができない。また均一な水素イオン伝導性を有する電解質膜の製造方法を用いても、製造された電解質膜が均一な水素イオン伝導性を有しているか否かを検査しなければ、電解質膜の品質を保証することができない。加えてこれら技術は、連続した工程において、電解質膜の欠陥部と水素イオン伝導性の均一を検査する技術ではない。そこで本発明は、電解質膜の欠陥部の位置と水素イオン伝導性の均一性を連続した工程で検査できるイオン伝導性電解質膜の検査方法および検査装置の提供を課題とする。
上記課題を解決するため、本発明に係るイオン伝導性電解質膜の検査方法(請求項1)では、電解質膜の一方の面に調光薄膜が、前記電解質膜の他方の面に水素極が、それぞれ接合され、調光薄膜と水素極との間にスイッチを介して電気回路が接続される。スイッチをオフにした状態で水素ガスを水素極側の空間に供給した場合において、電解質膜にガスの漏洩を生じさせる欠陥部があるときには、欠陥部を通じて水素ガスが水素極側の空間から電解質膜の一方の面へと漏洩する。するとこの漏洩水素ガスが調光薄膜を水素化して、調光薄膜の光学的反射率が変化する。この光学的反射率によって、電解質膜の欠陥部の有無を検査することができる(欠陥部検査工程)。
またスイッチをオンにした状態で水素ガスを水素極側の空間に供給すると、水素ガスは水素極によってイオン化する。イオン化で生じた電子を電気回路経由で水素極から調光薄膜に供給するとともに、イオン化で生じた水素イオンを水素極から電解質膜を透過させて調光薄膜に供給し、調光薄膜に到達した水素イオンで調光薄膜を水素化する。すると調光薄膜は、水素化して光学的反射率が変化する。この光学的反射率の変化は、電解質膜を透過して調光薄膜に達した水素イオンの多寡に依存するから、電解質膜の水素イオン伝導性の相違が調光薄膜の光学的反射率の斑(むら)として検知されて、電解質膜の水素イオン伝導性の均一性の良否を検査することができる(イオン伝導性検査工程)。該検査方法では、スイッチの操作によって、欠陥部の検査とイオン伝導性の検査を連続した工程で実施することができ、また上記水素イオン伝導性検査は、常温で行うことができる。
請求項2に記載のように、電気回路を電源回路で構成し、水素極を前記電源回路の正電圧電極に、そして調光薄膜を電源回路の負電圧電極にそれぞれ電気的に接続すれば、水素極で生成された電子を、電源回路の正電圧電極に流入させて更に負電圧電極から調光薄膜へと供給できるとともに、水素極で生成された水素イオンを電気的斥力で電解質膜へと流入させて更に調光薄膜へと供給することができる。かくして電解質膜の水素イオン伝導性の均一性をより良好に検査することができる。
請求項3に記載のように、調光薄膜が触媒膜反応膜を有し、反応膜が電源回路の負電圧電極に電気的に接続され、触媒膜が電解質膜と接していれば、触媒膜の触媒作用で、反応膜が電解質膜を透過した水素ガスで水素化して、調光薄膜の光学的反射率が変化する。請求項4に記載のように、水素極が水素拡散膜とアノード極を有し、アノード極が電源回路の正電圧電極に電気的に接続されるとともに電解質膜と接していれば、水素拡散膜が水素ガスを拡散して、アノード極で効率よく水素イオンを生成することができる。請求項5に記載のように、調光薄膜が、マグネシウム・ニッケル合金、マグネシウム・チタン合金、マグネシウム・ニオブ合金、マグネシウム・バナジウム合金もしくはマグネシウムで形成した反応膜と、触媒膜をパラジウムもしくは白金で形成した触媒膜を有していれば、調光薄膜は、水素化すると迅速かつ可逆的に光学的反射率が変化する。
請求項6に記載のように、水素極側の空間における気圧を調光薄膜側の空間における気圧よりも高く維持することができれば、水素ガスを電解質膜の他方の面に接合された水素極から電解質膜へと到達させることができて、欠陥部における漏洩水素ガスの量を多くすることができる(電解質膜の欠陥部の有無を迅速に検査することができる)。
本発明に係るイオン伝導性電解質膜の検査装置(請求項7)は、一方の面に調光薄膜を接合し、且つ他方の面に水素極を接合した水素イオン伝導性電解質膜を検査する装置であって、水素極側の空間を形成する容器と、調光薄膜と水素極との間にスイッチを介して電気的に接続される電気回路とを有している。したがって、スイッチがオフの状態において水素極側の空間に水素ガスを供給すれば、請求項1の検査方法と同様に電解質膜の欠陥部の有無を検査することができる(欠陥部検査)。また、スイッチがオンの状態において水素極側の空間に水素ガスを供給すれば請求項1の検査方法と同様に電解質膜の水素イオン伝導性の均一性の良否を検査することができる(イオン伝導性検査)。該検査装置は、スイッチの操作で電解質膜の欠陥部の位置と水素イオン伝導性の均一性を連続した工程で検査でき、上記水素イオン伝導性検査は、常温で行うことができる。
請求項8では、請求項2と同様に電解質膜の水素イオン伝導性の均一性をより良好に検査することができる。請求項9では、水素極側の空間の気圧が高いから、請求項6と同様に電解質膜の欠陥部の有無を迅速に検査することができる。
以上のように本発明にかかるイオン伝導性電解質膜の検査方法および検査装置によれば、電解質膜に接合された調光薄膜の光学的反射率の変化に基づき、電解質膜の欠陥部と水素イオン伝導性の均一性を極めて迅速かつ高感度に検査できる。しかも、該検査方法および検査装置は、スイッチを操作することで、電解質膜の欠陥部と水素イオン伝導性の均一性を連続した工程で検査でき、よって検査のコスト削減も実現できる。
以下、図面を参照して、本発明にかかるイオン伝導性電解質膜の検査方法および検査装置について説明する。
本実施例は、一方の面に調光薄膜を、他方の面に水素極を接合した水素イオン伝導性電解質膜の検査方法および検査装置に関するものである。ここで、図1は、検査対象となる電解質膜に調光薄膜および水素極を接合して、電気回路(電源回路)を接続したときの概略構成例を示す図であり、図2は、電解質膜等の斜視図であり、図3は、本発明にかかるイオン伝導性電解質膜の検査方法を実施する検査装置に電解質膜等を収容したときの概略構成例を示す図である。
(電解質膜)
図1及び図2に示すように、検査対象となる電解質膜10は、その一方の面10aに電解質膜10と同一平面状形を有する調光薄膜11が接合され、その他方の面10bに電解質膜10と同一平面状形を有する水素極14が接合されている。ここで調光薄膜11は、触媒膜12と反応膜13を有し、触媒膜12で電解質膜10の一方の面10aに接している。また水素極14は、水素拡散膜15とアノード極16を有し、アノード極16で電解質膜10の他方の面10bに接している。かくして調光薄膜11と調光薄膜11は、電解質膜10を挟んで相対している。また電源回路17の正電圧電極17pは、図1に示すように、水素極14のアノード極16に接続され、負電圧電極17nは、スイッチSを介し調光薄膜11の反応膜13に接続される。すなわちスイッチSがオンされると、電源回路17は、アノード極16から電子を取り出して反応膜13へと移動させる電気回路を形成するとともに、反応膜13をアノード極16に対し負電位にバイアスする(反応膜13とアノード極16間に電界を生じさせる)。
なお電解質膜10には、例えば固体高分子膜であるパーフルオロスルホン酸基ポリマー膜、あるいはナフィオン膜等が使用される。また調光薄膜11が有する反応膜13は、例えばMgNix(0≦x<0.6)で形成され、あるいはマグネシウム・チタン合金、マグネシウム・ニオブ合金、マグネシウム・バナジウム合金もしくはマグネシウムで形成される。触媒膜12は、例えばパラジウムもしくは白金からなり、反応膜13の表面にコーティングなどによって形成され、厚さは1nmないし100nmである。かかる調光薄膜11が、水素濃度が100ppmないし1%程度以上の雰囲気に触れると、例えば数秒ないし10秒程度で、反応膜13が迅速かつ可逆的に水素化して光学的反射率(以下、単に「反射率」と表示することがある)に目視可能な変化が生じる(反応膜13は、水素化していないときには反射率が高く、水素化すると反射率が低下する)。また水素極14が有する水素拡散膜15は、例えばカーボンクロス、カーボンペーパー等の炭素繊維、または多孔質樹脂、多孔質セラミック若しくは多孔質金属(発泡金属)等で構成され、厚さが例えば0.1mmないし50mmであり、またアノード極16は、例えば白金等の水素イオン触媒膜等で構成される。また水素極14が電解質膜10とともに燃料電池の膜電極接合体の一部を形成するものであれば、電解質膜10に水素極14を接合した状態において、膜電極接合体の水素イオン伝導性を検査することができる。
(検査装置)
イオン伝導性電解質膜の検査装置30は、図3に示す第1の空間(水素極側の空間)21を形成する容器20、電源回路17およびスイッチSを有している。電源回路17は、スイッチSを介し調光薄膜11および水素極に電気的に接続される。容器20は、調光薄膜11を接合した電解質膜10を収容すると、水素極14側に第1の空間を形成し、調光薄膜11側に第2の空間を形成する。もちろん両空間は、電解質膜10等で遮られる(調光薄膜11および水素極14を接合した電解質膜10は、その周辺部を枠(図示せず)で挟持されるなどして容器20の内部に取り付けられる)。第1の空間21は、水素ガスHを供給する水素ガス供給口21aを有し、第2の空間22は、空気(又は酸素)を供給する空気供給口22aを有している。なお図3中の21bは、未反応水素ガスHを回収するための回収口であり、同じく22bは未反応空気(酸素)と調光薄膜11で生成された水蒸気を排出する排出口である。また第2の空間22の周壁23には、調光薄膜11を目視するための窓24が設けられている(ガラス25が窓24に取り付けられて容器20の内部と外部を遮蔽している)。好ましくは、第1の空間21の気圧が、ポンプ(気圧調整手段)26で、第2の空間22の気圧よりも高い気圧に維持される。なお気圧調整手段は、第1の空間21の気圧を第2の空間22の気圧よりも高く維持する機能を有するものであれば、その構成を問わない。
(欠陥部検査)
電解質膜の欠陥部検査(欠陥部検査工程)は、以下のとおりである。スイッチSをオフにした状態で、例えばポンプ26で加圧された水素ガスHを第1の空間21に供給し、第2の空間22には、例えばポンプ(図示せず)で空気を供給する(図3)。かかる状態において、電解質膜10にピンホール等の欠陥部が全くないときには、第1の空間21に供給された水素ガスHは、電解質膜10に阻まれて調光薄膜11に触れることができない。したがって、調光薄膜11は水素化されず、調光薄膜11の反射率は変化しない(調光薄膜11の表面11aを目視したとき、調光薄膜11は、均一な高い反射率を有して鏡面のように見える)。電解質膜10にクラック10c(欠陥部)があるときには、図4に示すように、水素ガスHが、水素極14を透過して、電解質膜10の他方の面10bからクラック10cを経て電解質膜10の一方の面10aへと漏洩する。するとクラック10cに接する調光薄膜11の部分11cは、漏洩した水素ガスHの多寡に応じて反射率が迅速に変化する(反射率が低下して、調光薄膜11の斑として目視できる)。かくして調光薄膜11に水素ガス漏洩を生じさせる欠陥部の有無、欠陥部の位置、欠陥部の形状を目視によって迅速に検査することができる。
(イオン伝導性の検査工程)
電解質膜のイオン伝導性検査(イオン伝導性検査工程)は、以下のとおりである。スイッチSをオンにした状態で、例えばポンプ26で加圧された水素ガスHを第1の空間21に供給し、第2の空間22には、例えばポンプ(図示せず)で空気を供給する(図3)。かかる状態では、図5に示すように、第1の空間21に供給された水素ガスHは、水素極14の水素拡散膜15で拡散されアノード極16に到達する。アノード極16では水素ガスHが水素イオンH+と電子eに分離する。水素イオンH+は、電源回路17の正電圧による電気的斥力と、アノード極16に対し負電位にバイアスさた反応膜13の電気的引力とによって、電解質膜10を透過して触媒膜12に到達する(矢印C)。一方、電子eは、電源回路17の正電圧電極17pから負電圧電極17nを経て調光薄膜11の反応膜13へ達し、さらに触媒膜12へ向かう(矢印A及びB)。かくして電解質膜10内を透過した水素イオンH+は、電解質膜10と触媒膜12との界面近傍において、電子eと結合して一旦水素ガスHとなる。こうして生成された水素ガスHは、触媒膜12の作用で反応膜13と反応して(水素分子Hとなって)、反応膜13を可逆的に水素化する(調光薄膜11が、水素イオンH+の多寡に応じて鏡面状態から透明状態へと可逆的に変化する)。この検査では、スイッチSは、第1の空間21に水素ガスH2を供給したのちオンされても、あるいは水素ガスHの供給前にオンされてもよい。電願回路17によって、電解質膜10における水素イオンH+の透過が促進されればよいのである。
電解質膜10の水素イオン伝導性が如何なる領域においても均一であれば、電解質膜10の一方の面10aの如何なる領域においても、触媒膜12へ到達する水素イオンH+の量が等しくなる。ここで調光薄膜11の反射率は、電解質膜10を透過した水素イオンH+の多寡に応じて迅速かつ可逆的に変化するから、電解質膜10の水素イオン伝導性が均一であれば、調光薄膜11の反射率が均一かつ迅速に変化する。すなわち調光薄膜11を目視等したとき、調光薄膜11の表面11aの全領域において、反射率が等しく変化したときには、電解質膜10における水素イオン伝導性が電解質膜10の如何なる領域においても均一であると判断することができる。
電解質膜10の水素イオン伝導性が不均一であるときには、水素イオン伝導性が低い領域に接した調光薄膜11の領域では、反射率の変化が他の領域よりも少なくなる。すなわち調光薄膜11の反射率に目視可能な斑が生じて、水素イオン伝導性が不均一であると判断することができる。もし電解質膜10に水素イオン伝導性の局部的欠陥があるときには、該欠陥領域に接する調光薄膜11の反射率が他の領域と異なるから、水素イオン伝導性の局部的欠陥も直接的かつ迅速に検査することができる。
欠陥部検査とイオン伝導性検査は、いずれの検査が先行してもよいが、欠陥部検査に合格した電解質膜10にイオン伝導性検査を実施することが好ましい。何故ならば、欠陥部を有さない電解質膜10は、欠陥部検査で反応膜13が水素化しないため、欠陥部検査後ただちにイオン伝導性検査を実施できるからである。もし水素イオン伝導性検査を先行させるときには、水素イオン伝導性検査を実施したことで電解質膜10の反応膜13が水素化するから、欠陥部検査に先立ち、第1の空間21への水素ガスHの供給を停止し、第2の空間に空気等を供給して、電解質膜10の反応膜13を水素化以前の状態に戻せばよい。
ところで、調光薄膜11と電解質膜10の一方の面10aとの接合は、両膜の間に間隙が全く生じない完全な密着状態を意味するものではない。なぜならば、両膜を接合するときに僅かな間隙が生じたとしても、欠陥部の検査においては、クラック10cで漏洩した水素ガスH2は、クラック10cの直近の反応膜13を水素化できるからである(ポンプ26を用いれば、第1の空間21に供給された水素ガスH2が加圧されて水素極14を通過しやすくなるから、欠陥部の検査をより迅速かつ高感度に行うことができる)。また水素イオン伝導性の検査においては、反応膜13とアノード極16間に生じた電界の作用で、アノード極16で生じた水素イオンH+は、電解質膜10を透過し、さらに調光薄膜11に向け直進するからである。
なお本発明は、前記実施例に限定されるものでもなく、その趣旨を逸脱しない範囲において、適宜変形して実施できる。例えば電解質膜は、実施例の平板形状に限定されず、他の平面的な形状であってもよい。また円柱状の電解質膜であっても、円柱の外周面に検知膜を接合等し、円柱の内周面側の空間に水素ガスを供給するなどしてもよい。また目視に代えて、テレビジョンカメラなどで調光薄膜の反射率を電気信号に変換すれば、映像処理装置で反射率の変化を検出して、水素イオン伝導性電解質膜を迅速に検査することができる。
検査対象となる電解質膜に調光薄膜および水素極を接合して、電気回路(電源回路)を接続したときの概略構成例を示す図である。 図1に示す電解質膜等の斜視図である。 本発明にかかるイオン伝導性電解質膜の検査装置に電解質膜等を収容するときの概略構成例を示す図である。 電解質膜の欠陥部の検査を模式的に説明する図である。 電解質膜の水素イオン伝導性を模式的に説明する図である。
符号の説明
10 電解質膜
10a 電解質膜の一方の面
10b 電解質膜の他方の面
10c クラック(欠陥部)
11 調光薄膜
11c 電解質膜の欠陥部に接する調光薄膜の部分
12 触媒膜
13 反応膜
14 水素極
15 水素拡散膜
16 アノード極
17 電源回路(電気回路)
17p 電源回路の正電圧電極
17n 電源回路の負電圧電極
21 第1の空間
H 水素分子
H+ 水素イオン
水素ガス

Claims (9)

  1. イオン伝導性電解質膜の検査方法であって、
    前記電解質膜の一方の面に調光薄膜を、前記電解質膜の他方の面に水素極を、それぞれ接合し、
    前記調光薄膜と前記水素極との間にスイッチを介して電気回路を接続し、
    前記スイッチがオフの状態において水素ガスを前記水素極側の空間に供給して、前記電解質膜にガスの漏洩を生じさせる欠陥部があるときには、前記欠陥部を通じて前記水素ガスを前記水素極側の空間から前記電解質膜の一方の面へと漏洩させて、漏洩した前記水素ガスで前記調光薄膜を水素化して、前記水素化で生じる前記調光薄膜の光学的反射率の変化によって、前記電解質膜の前記欠陥部の有無を検査する工程と、
    前記スイッチがオンの状態において水素ガスを前記水素極側の空間に供給して前記水素極によってイオン化し、前記イオン化で生じた電子を前記電気回路経由で前記水素極から前記調光薄膜に供給するとともに、前記イオン化で生じた水素イオンを前記水素極から前記電解質膜を透過させて前記調光薄膜に供給し、前記調光薄膜に到達した前記水素イオンで前記調光薄膜を水素化して、前記水素化で生じる前記調光薄膜の光学的反射率の変化の均一性によって、前記電解質膜の水素イオン伝導性の均一性を検査する工程を有することを特徴とするイオン伝導性電解質膜の検査方法。
  2. 前記電気回路が電源回路であり、前記水素極が前記電源回路の正電圧電極に電気的に接続され、前記調光薄膜が前記電源回路の負電圧電極に電気的に接続されることを特徴とする請求項1に記載のイオン伝導性電解質膜の検査方法。
  3. 前記調光薄膜は触媒膜反応膜を有し、
    前記反応膜が前記電源回路の負電圧電極に電気的に接続され、
    前記電解質膜と接する前記触媒膜が、前記電解質膜を透過した水素イオンで前記反応膜を水素化することを特徴とする請求項2に記載のイオン伝導性電解質膜の検査方法。
  4. 前記水素極は水素拡散膜とアノード極を有し、前記アノード極が前記電源回路の正電圧電極に電気的に接続されるとともに前記電解質膜と接することを特徴とする請求項2に記載のイオン伝導性電解質膜の検査方法。
  5. 前記反応膜はマグネシウム・ニッケル合金、マグネシウム・チタン合金、マグネシウム・ニオブ合金、マグネシウム・バナジウム合金もしくはマグネシウムで形成された反応膜であり、前記触媒膜はパラジウムもしくは白金で形成された触媒膜であることを特徴とする請求項3に記載のイオン伝導性電解質膜の検査方法。
  6. 前記水素極側の空間における気圧を前記調光薄膜側の空間における気圧よりも高く維持することを特徴とする請求項1に記載のイオン伝導性電解質膜の検査方法。
  7. 一方の面に調光薄膜を、他方の面に水素極を接合した水素イオン伝導性電解質膜の検査装置であって、
    前記水素極側の空間を形成する容器と、前記調光薄膜と前記水素極との間にスイッチを介して電気的に接続される電気回路とを有し、
    前記スイッチがオフの状態において前記水素極側の空間に水素ガスを供給し、前記電解質膜にガスの漏洩を生じさせる欠陥部があるときには、前記欠陥部を通じて前記水素ガスを前記電解質膜の他方の面から前記電解質膜の一方の面へと漏洩させて、漏洩した前記水素ガスで前記調光薄膜を水素化して、前記水素化で生じる前記調光薄膜の光学的反射率の変化によって、前記電解質膜の前記欠陥部の有無を検査し、
    前記スイッチがオンの状態において前記水素極側の空間に水素ガスを供給し、前記水素ガスを前記水素極によってイオン化し、前記イオン化で生じた電子を前記電気回路経由で前記水素極から前記調光薄膜に供給するとともに、前記イオン化で生じた水素イオンを前記水素極から前記電解質膜を透過させて前記調光薄膜に供給し、前記調光薄膜に到達した前記水素イオンで前記調光薄膜を水素化して、前記水素化で生じる前記調光薄膜の光学的反射率の変化の均一性によって、前記電解質膜の水素イオン伝導性の均一性を検査することを特徴とするイオン伝導性電解質膜の検査装置。
  8. 前記電気回路が電源回路であり、前記電源回路の正電圧電極が前記水素極に電気的に接続され、前記電源回路の負電圧電極が前記調光薄膜に電気的に接続されることを特徴とする請求項7に記載のイオン伝導性電解質膜の検査装置。
  9. 請求項7または8に記載のイオン伝導性電解質膜の検査装置において、さらに前記水素極側の空間における気圧を前記調光薄膜側の空間における気圧よりも高く維持する気圧調整手段を備えたことを特徴とするイオン伝導性電解質膜の検査装置。
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