JP2005292050A - 穴状欠陥の検出方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、膜状の被検査体にダメージを与えることなく、当該被検査体の穴状欠陥の有無を判定し、さらには当該穴状欠陥の位置を特定することができる検出方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 膜状被検査体の穴状欠陥を検出する方法であって、
視覚的変化を引き起こす化学反応系を構成する2種以上の成分を2群に分け、第一群に含まれる構成成分を膜状被検査体の一面側へ、及び、第二群に含まれる構成成分を膜状被検査体の他面側へ、少なくとも前記第一群に含まれる構成成分又は前記第二群に含まれる構成成分が、膜状被検査体が損傷しない圧力下で穴状欠陥の部位を通じて膜状被検査体の反対面側へ浸透する条件下で供給し、
視覚的変化の発生状況を観察することにより穴状欠陥を検出することを特徴とする方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、膜状被検査体の穴状欠陥を検出する方法に関する。
固体電解質型燃料電池は、固体電解質膜の一面側に燃料極、及び他面側に空気極をそれぞれ接合した膜−電極接合体を基本構造(単セル)とし、それぞれの電極に対して水素を含有する又は水素を発生させる燃料ガス、又は酸素を含有する酸化剤ガスを供給することによって電気化学反応を起こし、電気エネルギーを得るものである。通常、この単セルは多数積層したセルスタックとして用いることが多く、各電極に供給される燃料ガスと酸化剤ガスが混ざるのを防ぐために、各ガスの流路間にはセパレーターが設置される。
これらの燃料電池を構成する電解質膜やセパレーター等に傷や凹み、特に貫通孔等が存在する場合には、燃料電池の性能が低下してしまう。例えば、固体電解質膜に貫通孔があると、各反応ガスがイオンの状態ではなく分子の状態で他方の電極側に移動したり、イオンが他方の電極に移動するために通過する電解質面積が減少するため、燃料電池の発電性能が低下する。また、セパレーターに貫通孔がある場合には、求められる気密性が得られない。このように、燃料電池を構成する層を形成する膜材料に存在する貫通孔は、燃料電池の性能を低下させる要因となるため、貫通孔の有無を検査する必要があり、従来から数多くの貫通孔の検出方法が提案されている。
高分子膜材料の貫通孔を検出する方法としては、例えば、ヘリウムガスのリーク量を検出することにより、被試験体のピンホール等の構造欠陥の有無を検出する方法が挙げられる(特許文献1)。この方法によれば、膜に存在する欠陥の有無を判断することは可能であるが、当該欠陥のある位置を特定することはできない。また、ヘリウムガスを用いて被検査体を加圧するため、欠陥部位の状態を悪化させたり、膜の膨張や劣化を引き起こすといった問題もある。
また、絶縁性セラミックシートの貫通孔を検出する方法として、該セラミックシートを2枚の電極板で挟み、該電極板間に直流高電圧を印加したときに発生する放流電流を検出することによって、セラミックシート中の最短長2Å以上の貫通孔の有無を検査方法が提案されている(特許文献2)。しかしながら、この方法もまた、貫通孔の位置を特定することができず、さらに、直流電流により膜状材料が劣化してしまう問題がある。
特開2002−5777号公報 特開2002−90346号公報
本発明は、膜状の被検査体にダメージを与えることなく、当該被検査体の穴状欠陥の有無を判定し、さらには当該穴状欠陥の位置を特定することができる検出方法を提供することを目的とする。
本発明により提供される穴状欠陥の検出方法は、視覚的変化を引き起こす化学反応系を構成する2種以上の成分を2群に分け、第一群に含まれる構成成分を膜状被検査体の一面側へ、及び、第二群に含まれる構成成分を膜状被検査体の他面側へ、少なくとも前記第一群に含まれる構成成分又は前記第二群に含まれる構成成分が、膜状被検査体が損傷しない圧力下で穴状欠陥の部位を通じて膜状被検査体の反対面側へ浸透する条件下で供給し、視覚的変化の発生状況を観察することにより穴状欠陥を検出することを特徴とする。本発明の検出方法によれば、緩和な条件下で穴状欠陥を検出することができ、また、穴状欠陥部位で起こる視覚的変化を検出手段として利用するため、穴状欠陥の存在を視覚的に認知することができる。
前記化学反応系による視覚的変化としては、発光、発色又は変色の少なくとも1つによるものが挙げられる。
また、前記第一群に含まれる構成成分及び前記第二群に含まれる構成成分は、供給された面側から他面側への浸透性及び被検査体にダメージを与えないという観点から、溶液状態で膜状被検査体に供給することが好ましい。
本発明の検出方法は、高分子膜又は高分子膜を含む積層体、特に、燃料電池の固体電解質膜又は膜−電極接合体又は膜−電極接合体の固体電解質膜を含む部分的積層構造体の検査に好適に利用することができる。
本発明の検出方法によれば、化学反応性成分を膜の穴状欠陥部位を通して浸透させるという手段をとることにより、被検査体である膜状材料を高圧、高電圧といった過酷な条件下に置かなくても、当該被検査体に存在する穴状欠陥を検出することができる。そのため、検出過程において欠陥部位の拡大や穴状欠陥の増加など欠陥を悪化させたり、膜状材料を劣化又は損傷させることがない。
さらに、穴状欠陥部位でのみ又はこの部位で強く化学反応が起こり視覚的変化を生じるので、穴状欠陥の位置の特定が可能である。従って、穴状欠陥部位の観察等も容易に行うことができる。
また、大面積の膜状材料を切り出して使用する場合には、穴状欠陥が存在する不良部分を特定し、除去して、良品部分を用いることができるため、生産性を向上させることが可能である。
本発明は、視覚的変化を引き起こす化学反応系を構成する2種以上の成分を2群に分け、第一群に含まれる構成成分を膜状被検査体の一面側へ、及び、第二群に含まれる構成成分を膜状被検査体の他面側へ、少なくとも前記第一群に含まれる構成成分又は前記第二群に含まれる構成成分が、膜状被検査体が損傷しない圧力下で穴状欠陥の部位を通じて膜状被検査体の反対面側へ浸透する条件下で供給し、視覚的変化の発生状況を観察することにより穴状欠陥を検出することを特徴とする検出方法である。
2群に分けられた、視覚的変化を引き起こす化学反応系を構成する成分(以下、「化学反応系の構成成分」ということがある。)は、各群を構成する全成分が接触することにより化学反応を起こし、その結果視覚的変化を生じるものである。この2群に分けられた構成成分は、膜状被検査体を隔てて供給されているので、被検査体に貫通孔等の穴状欠陥がない限り接触せず、視覚的変化は生じない。一方、被検査体に貫通孔等の穴状欠陥がある場合には、少なくとも第一群に含まれる構成成分(以下、「第一群成分」ということがある。)又は第二群に含まれる構成成分(以下、「第二群成分」ということがある。)のどちらかが、被検査体の供給面から反対面側へ当該穴状欠陥部位を通って浸透し、各群に含まれる成分が接触、混合し、化学反応を引き起こす。従って、この場合には、穴状欠陥部位で視覚的変化が生じる。
本発明の検出方法は、このようにして生じる視覚的変化の発生状況を観察することによって、被検査体に存在する穴状欠陥を検出するものである。
本発明の検出方法は、検出手段として化学反応系による視覚的変化を利用するものであり、過大な圧力や電圧等の負荷を膜状被検査体にかけずに、膜状被検査体に存在する穴状欠陥を検出することができる。従って、高い圧力や電圧等の負荷をかけて穴状欠陥を検出する従来の方法と異なり、検出過程において、欠陥部位の拡大や増加、被検査体の劣化や損傷等を引き起こすことがない。また、検出方法に利用する化学反応系及び当該化学反応系を構成する成分等を、適宜選択することができるため、被検査体に合わせてより好適な検出方法とすることができる。さらには、欠陥部位においてのみ又はこの部位において強く化学反応が起こり視覚的変化が生じるため、欠陥位置の特定が可能であり、被検査体である膜状材料の欠陥部位の調査や修復等に活用することができる。また、大面積の膜状材料を切り出して使用する場合には、穴状欠陥が存在する不良部分を特定し、除去して、良品部分を用いることができるため、生産性を向上させることが可能である。
本発明において、穴状欠陥とは、その形状は特に限定されず、膜状材料の表面に存在する傷、凹み、貫通孔等を意味し、一般的にピンホールと称されているような材料の微小欠陥等も含む。本発明の検出方法によれば、上記化学反応系を構成する第一群成分又は第二群成分の少なくとも一方が穴状欠陥部位を通って被検査体の供給面から反対面側へ浸透し、各群に含まれる全成分が接触することができれば化学反応が起こるので、穴状欠陥が膜状材料の表裏に対して垂直に開いたようなものではなく、斜めに開いたような穴状欠陥や膜状材料中に複雑に入り組んだ形状の穴状欠陥であっても検出することができる。
また、本発明において上記化学反応系により生じる視覚的変化としては、当該変化がいずれかの方法により検出することが可能であれば、特に限定されるものでなく、例えば、化学反応により生じる発光、発色、変色、脱色、透明化、気泡の発生、固体析出物の発生等が挙げられるが、検出の容易さの点から、発光、発色及び変色の少なくとも一つによるものであることが好ましい。
視覚的変化は、自然光下での肉眼観察可能なもののみに限られず、光学的検出器、例えば、CCD(charge-coupled device)、CdS等の光センサ等を用いたり、UV照射などの非可視領域のエネルギー線を照射して認知できるものでもよい。また、発色剤の全面塗布のような、後処理を施して視覚的変化を生じさせても良い。なお、発色又は変色としては、脱色、透明化等の減衰方向の変化も含むが、希釈による色調の変化のような化学反応を本質的な原因としない視覚的変化は含まれない。
本発明において、視覚的変化を引き起こす化学反応系を構成する2種以上の成分としては、接触して上記化学反応系を起こすものであれば特に限定されず、第一群成分及び第二群成分は、一種のみからなるものであっても、2種以上を含むものであってもよい。化学反応系の構成成分は、第一群成分と第二群成分が接触しないと当該反応が進行しない組み合わせになるように、第一群成分と第二群成分とに分ける。これらの構成成分は、本発明の目的を達成するためには、検出過程で膜状被検査体にダメージを与えないものを選択することが好ましい。また、液状、固体状、ガス状等、特に限られるものではない。しかしながら、本発明において、化学反応系の構成成分は、第一群成分及び第二群成分の2つに分けられて膜状被検査体に供給され、このとき、被検査体に穴状欠陥がある場合には、少なくとも第一群成分又は第二群成分の一方が、被検査体を損傷しない圧力下で被検査体の穴状欠陥部位を通って被検査体の反対面側の検査領域へ浸透することにより、各群に含まれる全成分が接触する必要がある。従って、被検査体にダメージを与えずに、且つ、被検査体の穴状欠陥に各群に含まれる成分を効率良く浸透させるためには、第一群成分及び第二群成分を溶液状態で供給することが好ましい。ここで、溶液状態で供給するとは、各群に含まれる成分が本質的に液状の成分である場合には、当該成分をそのまま供給する場合も含まれる。
次に、接触することで、発光、変色及び発色のうち、少なくとも1つを引き起こす化学反応系を構成する具体的成分を例示する。
発光現象を引き起こす化学反応系を構成する成分としては、例えば、ルミノール溶液と過酸化水素と金属イオン溶液との組み合わせ、ルシフェリン溶液とアデノシンリン酸溶液との組み合わせ、ルシフェリン溶液とルシフェラーゼ溶液との組み合わせ、シュウ酸ビス[2,3,5−トリクロロ−6−(ペントオキシカルボニル)フェニル]エステルと過酸化水素との組み合わせ等が挙げられる。なお、ルミノール溶液と過酸化水素と金属イオン溶液との組み合わせにおいては、ルミノール溶液と過酸化水素が別々に供給されればよい。例えば、金属イオンとルミノール溶液とを混合したもの第一群成分とし、過酸化水素を第二群成分として供給することができる。或いは、金属イオンと過酸化水素とを混合したものを第一群成分とし、ルミノール溶液を第二群成分として供給してもよい。なお、金属イオン、ルミノール溶液としては、ルミノール反応に通常用いられているものが挙げられる。
これらの発光現象を引き起こす化学反応系を構成する成分のうち、ルミノール溶液と過酸化水素と金属イオン溶液との組み合わせ、ルシフェリン溶液とルシフェラーゼ溶液との組み合わせ、シュウ酸ビス[2,3,5−トリクロロ−6−(ペントオキシカルボニル)フェニル]エステルと過酸化水素との組み合わせにより起こる化学反応は、その発光現象が安定であるため一定時間経過後も発光現象が持続し、顕微鏡等による観察時におけるマーキングとしても有効に機能する。従って、これらの反応物を組み合わせて用いた場合には、欠陥部位の観察も容易に行うことができる。
また、発色又は変色現象を引き起こす化学反応系を構成する成分としては、例えば、アルカリ性水溶液とフェノールフタレイン溶液との組み合わせ、酸性溶液とブロモチモールブルー溶液との組み合わせ、酸性溶液とメチルオレンジ溶液との組み合わせ等、酸塩基指示薬として使用されている成分と当該酸塩基指示薬を発色又は変色させる成分との組み合わせが挙げられる。これらの酸塩基指示薬による発色又は変色現象は安定であるため、一定時間経過後も発色又は変色現象が持続し、顕微鏡等による観察時におけるマーキングとしても有効に機能する。従って、これらの反応物を組み合わせて用いた場合には、欠陥部位の観察も容易に行うことができる
本発明の検出方法は、主に、高分子膜又は高分子膜を含む積層体、中でも、燃料電池の固体電解質膜、又は膜−電極接合体、又は膜−電極接合体の固体電解質膜を含む部分的積層構造体の検査に好適に利用される。しかしながら、本発明における被検査体はこれらに限られるわけではなく、膜状に形成された種々の材料を対象とすることができる。このような被検査体としては、その材質及び形状等は特に限定されず、様々な分野で使用されている高分子、金属、セラミック等からなる膜が挙げられ、単層構造であっても多層構造であってもよい。
また、膜状被検査体は、浸透圧を応用した透過性を有する膜を含むものであってもよい。このような透過性を有する膜の場合、貫通孔ではない凹み等の穴状欠陥でも検出することができる。透過性を有する膜では、視覚的変化を引き起こす化学反応系の構成成分が膜を透過し、非欠陥領域においても視覚的変化が起こる可能性が全くないわけではない。しかし、この場合に、凹み等の非貫通型の穴状欠陥では、膜厚が薄くなっているため化学反応系の構成成分が浸透しやすく、視覚的変化が強く起こる。従って、欠陥部位で起こる視覚的変化反応と非欠陥領域で起こる視覚的変化は、その変化の強さや変化が起きる面積等が異なり、判別することが可能である。検査条件を適切に設定することにより、貫通孔ではない凹み等の欠陥部位のみに選択的に視覚的変化を生じさせることもできる。
次に、本発明に係る検出方法の具体的な手順例を説明する。本発明の検出方法では、少なくとも第一群成分又は第二群成分が、膜状被検査体を損傷させない圧力下で、穴状欠陥部位を通じて膜状被検査体の供給された面から反対面側の検査領域へ浸透するように、第一群成分を膜状被検査体の一面側へ、及び、第二群成分を膜状被検査体の他面側へ供給しなくてはならない。
各群の成分の供給方法は、膜状被検査体を損傷しない圧力下で、少なくとも第一群成分又は第二群成分のいずれかが穴状欠陥部位を通じて、膜状被検査体の供給された面側から反対面側の検査領域へ浸透させることができれば、特に限定されるものではない。例えば、図1に示すように、金属イオンを含む過酸化水素水を膜状被検査体の片面に塗布し、当該塗布面を上にした状態で被検査体をルミノール溶液をはった容器に浮かべ、ルミノール溶液を含浸させる方法が挙げられる。膜状被検査体に穴状欠陥が存在する場合、この欠陥部位からルミノール溶液が上記過酸化水素水を塗布した面側へ浸透し、ルミノール溶液と金属イオンを含む過酸化水素水が接触し、当該欠陥部位で発光現象が起こる。
また、アルカリ性水溶液を膜状被検査体の片面に塗布し、当該塗布面を上にした状態で被検査体をフェノールフタレイン溶液をはった容器に浮かべ、フェノールフタレイン溶液を含浸させる方法が挙げられる。膜状被検査体に穴状欠陥があれば、上記のルミノール反応の場合と同様に、この欠陥部位からフェノールフタレイン溶液が上記アルカリ性溶液を塗布した面側へ浸透し、フェノールフタレイン溶液とアルカリ性溶液が接触し、当該欠陥部位で発色現象が起こる。
上記供給方法以外にも、例えば、第一群成分を片面に塗布し、乾燥させ、その後第二群成分を他面側から含浸させる方法、第一群成分を片面に含浸させて乾燥し、その後第二群成分を他面側から塗布する方法等が挙げられる。粉体のような固体状の第一群成分を片面に付着させ、溶液状の第二群成分を含浸させて反対面側へ浸透させることもできる。各群の成分を含浸させる方法、塗布方法等は特に限定されず、通常用いられる方法でよい。
また、本発明の検出方法は、本発明の目的、すなわち、被検査体である膜状材料にダメージを与えないで欠陥を検出する方法を提供するという観点から、視覚的変化を引き起こす化学反応系の反応条件や視覚的変化に付随して起こるその他の変化等を含めて、膜状被検査体にダメージを与えない条件下で実施することが好ましい。しかしながら、視覚的変化を引き起こす化学反応の反応性を高めるためには、ある程度の高さの温度条件下で実施することが好ましく、また、膜状被検査体内における化学反応系の構成成分の浸透性を高めるためには、ある程度の圧力下で実施することが好ましい。
従って、本発明の検出方法は、被検査体にダメージを与えずに、且つ高い反応性と構成成分の高い浸透性が得られる条件下で行うことが好ましい。具体的には、20〜100℃程度、且つ0〜0.2Pa程度の条件下において本発明の検出方法を実施することができるように反応系及び反応条件を選択することが好ましい。
ただし、膜状被検査体に供給された化学反応系の構成成分は、少なくとも視覚的変化を引き起こす反応を進行させるために要する時間内は、膜状被検査体の表面及び/又は内部に保持されるように条件(手順、タイミング、環境等)を設定する必要がある。例えば、ルミノール反応に必要な過酸化物は、乾燥させると消失するので、乾燥させる側には用いず、塗布する場合も、塗布後の乾燥を防止するようにする。
化学反応系の構成成分は、膜状被検査体の全面又は検査対象領域のみに供給することができるので、必要に応じて、膜状被検査体の全面的な検査又は部分的な検査を行うことができる。
以上のように膜状被検査体を隔てて供給される第一群成分及び第二群成分は、当該膜状被検査体に穴状欠陥が存在する場合、少なくとも第一群成分又は第二群成分のどちらかがこの穴状欠陥部位を通って被検査体の供給された面側から反対面側へ浸透し、各群に含まれる成分が接触することによって、当該穴状欠陥部位で視覚的変化を引き起こす。従って、この視覚的変化の発生状況を観察することにより、膜状被検査体の穴状欠陥を検出することができる。
このように、本発明の検出方法は、高い圧力や電圧等の負荷をかけることなく膜状被検査体の穴状欠陥を検出することができるため、膜状被検査体を劣化又は損傷させない。
また、穴状欠陥の存在を視覚的に認知することができるため、穴状欠陥の位置を特定することも可能であり、欠陥部位の観察や修復等も容易に行うことができる。
また、大面積の膜状材料を切り出して使用する場合には、穴状欠陥が存在する不良部分を特定し、除去して、良品部分を用いることができるため、生産性を向上させることが可能である。
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
(実施例1)
ナフィオン膜(10×10mm、厚さ50μm、DuPont製)を被検査体とし、当該ナフィオン膜の一方の面に、金属イオンと過酸化水素を含む溶液(全体で過酸化水素が1重量%、鉄イオンが0.001重量%(10ppm)となるように、過酸化水素水と塩化鉄(II)を純水に溶かしたもの)を約10ml程度塗布した。次に、被検査体に塗布した過酸化水素が完全に蒸発しないように注意しながら、上記過酸化水素水を塗布した面を上にして、ルミノール溶液(全体でルミノールが1重量%となるように、ルミノールを0.1M NaOH溶液に溶かしたもの)をはった容器に浮かべた。
欠陥部位で、金属イオンを含む過酸化水素水と、ルミノール溶液とが反応し、発光した。
(実施例2)
ナフィオン膜(10×10mm、厚さ50μm、DuPont製)を被検査体とし、当該ナフィオン膜の一方の面にアルカリ性溶液(0.1M NaOH溶液)を約10ml程度塗布した。次に、上記アルカリ性溶液を塗布した面を上にして、フェノールフタレイン溶液(1重量%フェノールフタレイン)をはった容器に浮かべた。
欠陥部位で、アルカリ溶液と、フェノールフタレイン溶液とが反応し、発色した。
本発明の穴状欠陥の検出方法の一例を示す図である。

Claims (5)

  1. 膜状被検査体の穴状欠陥を検出する方法であって、
    視覚的変化を引き起こす化学反応系を構成する2種以上の成分を2群に分け、第一群に含まれる構成成分を膜状被検査体の一面側へ、及び、第二群に含まれる構成成分を膜状被検査体の他面側へ、少なくとも前記第一群に含まれる構成成分又は前記第二群に含まれる構成成分が、膜状被検査体が損傷しない圧力下で穴状欠陥の部位を通じて膜状被検査体の反対面側へ浸透する条件下で供給し、
    視覚的変化の発生状況を観察することにより穴状欠陥を検出することを特徴とする方法。
  2. 前記化学反応系による視覚的変化が、発光、発色及び変色の少なくとも一つによるものである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第一群に含まれる構成成分、及び、前記第二群に含まれる構成成分を、溶液状態で膜状被検査体へ供給する、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記膜状被検査体が高分子膜又は高分子膜を含む積層体である、請求項1乃至3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記膜状被検査体が、燃料電池の固体電解質膜又は膜−電極接合体又は膜−電極接合体の固体電解質膜を含む部分的積層構造体である、請求項4に記載の方法。
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