JP6082308B2 - 燃料電池スタックの異常検出方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電解質膜の両側に一対の電極が配設される電解質膜・電極構造体とセパレータとを有する発電セルを備え、複数の前記発電セルが積層される燃料電池スタックの異常検出方法に関する。
例えば、固体高分子型燃料電池は、高分子イオン交換膜からなる電解質膜の一方側にアノード電極が、前記電解質膜の他方側にカソード電極が、それぞれ配設された電解質膜・電極構造体(以下、MEAともいう)を、セパレータによって挟持した発電セルを備えている。この燃料電池は、通常、所定の数の発電セルを積層するとともに、積層方向両端には、ターミナルプレート、絶縁プレート及びエンドプレートが配置されることにより、燃料電池スタックを構成している。燃料電池スタックは、例えば、燃料電池電気自動車等の燃料電池車両に搭載されている。
この燃料電池スタックでは、積層されている複数の発電セルの中に、異常(例えば、発電不良)が発生した発電セルが存在していると、燃料電池スタック全体の発電性能が低下するおそれがある。このため、燃料電池スタック内で異常が発生した発電セルを検出し、前記発電セルを新たな(正常な)発電セルと交換する必要がある。
例えば、特許文献1に開示されている燃料電池システムでは、固体高分子電解質膜を電極触媒層及びガス拡散層により挟む膜電極構造体と、前記電極触媒層の燃料極に燃料ガスを、前記電極触媒層の酸素極に酸化剤ガスを、それぞれ供給する流路を備えたセパレータと、を有している。そして、膜電極構造体をセパレータで挟持したセルを積層し、燃料ガス及び酸化剤ガスの電気化学反応により発電を行う燃料電池と、起動時の前記燃料電池の電圧挙動に基づき、前記ガス拡散層の切れ(不良)を検知する制御手段と、を備えている。
このように、起動時の燃料電池の電圧挙動に基づき、ガス拡散層の切れ(不良)を検知している。従って、固体高分子電解質膜の穴や薄肉化に伴う不具合(ガス漏れ)発生の前段階で、早期にガス拡散層の切れ(不良)等の不具合を検知して、高い信頼性を維持した燃料電池システムを実現できる、としている。
特開2007−311052号公報
ところで、特に数百の発電セルが積層された燃料電池スタックでは、上記の特許文献1を適用しても、ガス流路(燃料ガス流路や酸化剤ガス流路)への異物混入や初期不良等によりガス流れが異常な発電セルを特定することが困難である。これにより、燃料電池スタックの運転時や製造時に、適切に対応することができないという問題がある。
本発明は、この種の問題を解決するものであり、簡単な工程で、積層されている複数の発電セルの中から、ガス流れ異常が発生した発電セルを確実に検出することが可能な燃料電池スタックの異常検出方法を提供することを目的とする。
本発明は、電解質膜の両側に一対の電極が配設される電解質膜・電極構造体とセパレータとを有する発電セルを備え、複数の前記発電セルが積層される燃料電池スタックの異常検出方法に関するものである。
この異常検出方法は、一方の電極に沿って水素含有ガスを流通させるとともに、他方の電極に沿って不活性ガスを流通させながら、各発電セルの両電極間の電位を測定する工程と、検出された各電位から各発電セルに流れる不活性ガスの流量を推定し、各発電セルを流れるガス流量の平均値に対するずれを比較することにより、ガス流れ異常が発生した発電セルの有無を検出する工程と、を有している。

また、この異常検出方法では、燃料電池スタックは、燃料電池車両に搭載された状態で、上記の各工程が行われることが好ましい。
本発明によれば、燃料電池スタックの一方の電極に沿って水素含有ガスを流通させるとともに、他方の電極に沿って不活性ガスを流通させることにより、水素濃淡電池が構成されている。このため、各発電セルに発生した電位から各発電セルに流れる不活性ガスの流量を推定し、各発電セルを流れるガス流量の平均値に対するずれを比較することによって、ガス流れ異常が発生した発電セルを検出することができる。これにより、簡単な工程で、積層されている複数の発電セルの中から、ガス流れ異常が発生した発電セルを確実に検出することが可能になる。
例えば、アノード電極側に水素含有ガスを流通させるとともに、カソード電極側に不活性ガスを流通させることにより、カソードガス(酸化剤ガス)の流れ不良が発生した発電セルを特定することができる。一方、アノード電極側に不活性ガスを流通させるとともに、カソード電極側に水素含有ガスを流通させることにより、アノードガス(燃料ガス)の流れ不良が発生した発電セルを特定することが可能になる。
本発明の第1の実施形態に係る異常検出方法が適用される燃料電池スタックがセル異常検出システムに取り付けられた状態の概略説明図である。 前記燃料電池スタックを構成する発電セルの分解斜視説明図である。 前記燃料電池スタックを構成する各発電セルのガス分配率の説明図である。 前記燃料電池スタックに水素供給装置と窒素供給装置とが反対に取り付けられた状態の概略説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る異常検出方法を実施するためのセル異常検出システムの概略説明図である。
図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係る異常検出方法が適用される燃料電池スタック10は、組み立て後に各発電セル12のガス分配異常を診断するために、セル異常検出システム14に取り付けられる。
燃料電池スタック10は、例えば、複数の横長形状(又は、縦長形状)の発電セル12が立位姿勢で水平方向(矢印A方向)に積層される。燃料電池スタック10は、図示しないが、例えば、燃料電池電気自動車等の燃料電池車両に搭載される。
発電セル12の積層方向一端には、第1ターミナルプレート15a、第1絶縁プレート16a及び第1エンドプレート18aが、外方に向かって順次配設される。発電セル12の積層方向他端には、第2ターミナルプレート15b、第2絶縁プレート16b及び第2エンドプレート18bが、外方に向かって順次配設される。
第1エンドプレート18a及び第2エンドプレート18bは、発電セル12の外形寸法よりも大きな外形寸法に設定される。第1エンドプレート18aと第2エンドプレート18bとは、図示しないが、複数本の締め付けボルトにより積層方向に締め付けられ、発電セル12には、前記積層方向に所定の締め付け荷重が付与される。なお、燃料電池スタック10は、第1エンドプレート18a及び第2エンドプレート18bを端板とするケーシング内に積層された発電セル12を収容して構成することもできる。
図2に示すように、発電セル12は、電解質膜・電極構造体20と、前記電解質膜・電極構造体20を挟持する第1セパレータ22及び第2セパレータ24とを備える。第1セパレータ22及び第2セパレータ24は、例えば、鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、めっき処理鋼板、あるいはその金属表面に防食用の表面処理を施した金属板により構成される。
第1セパレータ22及び第2セパレータ24は、平面が矩形状を有するとともに、金属製薄板を波形状にプレス加工することにより、断面凹凸形状に成形される。なお、第1セパレータ22及び第2セパレータ24は、金属セパレータに代えて、例えば、カーボンセパレータを使用してもよい。
なお、第1の実施形態では、2枚のセパレータで1枚のMEAを挟持するセルを積層するとともに、各セル間に冷却媒体を流通させる各セル冷却構造を採用するが(後述する)、複数のセル毎に冷却媒体を流通させる、所謂、間引き冷却構造を採用してもよい。その際、セルは、3枚以上のセパレータと2枚以上のMEAを備えている。
電解質膜・電極構造体20は、例えば、炭化水素系又はパーフルオロスルホン酸の薄膜に水が含浸された固体高分子電解質膜26と、前記固体高分子電解質膜26を挟持するアノード電極28及びカソード電極30とを備える。固体高分子電解質膜26は、アノード電極28及びカソード電極30よりも大きな平面寸法を有している。なお、電解質膜・電極構造体20は、アノード電極28とカソード電極30とが互いに異なる平面寸法に設定される段差MEAを構成してもよい。
アノード電極28及びカソード電極30は、カーボンペーパ等からなるガス拡散層と、白金合金が表面に担持された多孔質カーボン粒子を前記ガス拡散層の表面に一様に塗布して形成される電極触媒層とを有する。電極触媒層は、例えば、固体高分子電解質膜26の両面に形成されている。
発電セル12の矢印B方向(図2中、矢印A方向に交差する水平方向)の一端縁部には、積層方向である矢印A方向に互いに連通して、酸化剤ガス、例えば、酸素含有ガスを供給するための酸化剤ガス供給連通孔32a、冷却媒体を供給するための冷却媒体供給連通孔34a、及び燃料ガス、例えば、水素含有ガスを排出するための燃料ガス排出連通孔36bが、矢印C方向(鉛直方向)に配列して設けられる。
発電セル12の矢印B方向の他端縁部には、矢印A方向に互いに連通して、燃料ガスを供給するための燃料ガス供給連通孔36a、冷却媒体を排出するための冷却媒体排出連通孔34b、及び酸化剤ガスを排出するための酸化剤ガス排出連通孔32bが、矢印C方向に配列して設けられる。
第1セパレータ22の電解質膜・電極構造体20に向かう面22aには、例えば、矢印B方向に延在する燃料ガス流路38が形成される。燃料ガス流路38は、燃料ガス供給連通孔36aと燃料ガス排出連通孔36bとに連通する。
第2セパレータ24の電解質膜・電極構造体20に向かう面24aには、例えば、矢印B方向に延在する酸化剤ガス流路40が設けられる。酸化剤ガス流路40は、酸化剤ガス供給連通孔32aと酸化剤ガス排出連通孔32bとに連通する。酸化剤ガス流路40と燃料ガス流路38とは、互いに対向流(酸化剤ガスの流れ方向と燃料ガスの流れ方向とが逆方向)に構成される。
互いに隣接する第1セパレータ22の面22bと第2セパレータ24の面24bとの間には、冷却媒体供給連通孔34aと冷却媒体排出連通孔34bとに連通する冷却媒体流路42が形成される。冷却媒体流路42は、燃料ガス流路38の裏面形状と酸化剤ガス流路40の裏面形状とが重なり合って形成される。
第1セパレータ22の面22a、22bには、この第1セパレータ22の外周端部を周回して、第1シール部材44が一体化される。第2セパレータ24の面24a、24bには、この第2セパレータ24の外周端部を周回して、第2シール部材46が一体化される。
第1シール部材44及び第2シール部材46には、例えば、EPDM、NBR、フッ素ゴム、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、ブチルゴム、天然ゴム、スチレンゴム、クロロプレーン又はアクリルゴム等のシール材、クッション材、あるいはパッキン材等の弾性を有するシール部材が用いられる。
図1に示すように、セル異常検出システム14は、燃料電池スタック10内の燃料ガス流路38に、すなわち、アノード電極28に沿って水素を流通させる水素供給装置50を備える。なお、水素供給装置50は、純水素又は水素を含有するガス(水素含有ガス)を供給するものであればよい。セル異常検出システム14は、燃料電池スタック10内の酸化剤ガス流路40に、すなわち、カソード電極30に沿って不活性ガス、例えば、窒素ガス(又は、ヘリウム、ネオン、アルゴン等)を流通させる窒素供給装置52を備える。セル異常検出システム14は、各発電セル12の両電極(アノード電極28及びカソード電極30)間の電位を測定するセル電圧検出装置54を備える。
水素供給装置50は、燃料電池スタック10の燃料ガス供給連通孔36a及び燃料ガス排出連通孔36bに連通する。窒素供給装置52は、燃料電池スタック10の酸化剤ガス供給連通孔32a及び酸化剤ガス排出連通孔32bに連通する。セル電圧検出装置54は、各発電セル12に設けられたセル電圧測定用端子(図示せず)に接続される複数本のケーブル56を備える。
このように構成される燃料電池スタック10の通常運転時の動作について、以下に説明する。
先ず、図2に示すように、発電セル12の酸化剤ガス供給連通孔32aには、酸素含有ガス等の酸化剤ガスが供給される。発電セル12の燃料ガス供給連通孔36aには、水素含有ガス等の燃料ガスが供給される。さらに、発電セル12の冷却媒体供給連通孔34aには、純水やエチレングリコール、オイル等の冷却媒体が供給される。
このため、酸化剤ガスは、酸化剤ガス供給連通孔32aから第2セパレータ24の酸化剤ガス流路40に導入される。酸化剤ガスは、酸化剤ガス流路40に沿って矢印B方向に移動し、電解質膜・電極構造体20のカソード電極30に供給される。
一方、燃料ガスは、燃料ガス供給連通孔36aから第1セパレータ22の燃料ガス流路38に供給される。燃料ガスは、燃料ガス流路38に沿って矢印B方向に移動し、電解質膜・電極構造体20のアノード電極28に供給される。
従って、電解質膜・電極構造体20では、カソード電極30に供給される酸化剤ガスと、アノード電極28に供給される燃料ガスとが、電極触媒層内で電気化学反応により消費されて発電が行われる。
次いで、電解質膜・電極構造体20のカソード電極30に供給されて消費された酸化剤ガスは、酸化剤ガス排出連通孔32bに沿って矢印A方向に排出される。一方、電解質膜・電極構造体20のアノード電極28に供給されて消費された燃料ガスは、燃料ガス排出連通孔36bに沿って矢印A方向に排出される。
また、冷却媒体供給連通孔34aに供給された冷却媒体は、第1セパレータ22及び第2セパレータ24間の冷却媒体流路42に導入される。冷却媒体は、矢印B方向に移動して電解質膜・電極構造体20を冷却した後、冷却媒体排出連通孔34bに沿って矢印A方向に排出される。
次いで、第1の実施形態に係る燃料電池スタック10の異常検出方法について、以下に説明する。
先ず、燃料電池スタック10は、例えば、初期の組み立て作業後に、図1に示すように、セル異常検出システム14に取り付けられる。セル異常検出システム14では、水素供給装置50は、燃料ガス供給連通孔36a及び燃料ガス排出連通孔36bに連通して接続され、窒素供給装置52は、酸化剤ガス供給連通孔32a及び酸化剤ガス排出連通孔32bに連通して接続される。セル電圧検出装置54は、各ケーブル56が各発電セル12に設けられたセル電圧測定用端子(図示せず)に接続される。
そこで、水素供給装置50から燃料電池スタック10の燃料ガス供給連通孔36aに水素が供給されるとともに、窒素供給装置52から前記燃料電池スタック10の酸化剤ガス供給連通孔32aに窒素ガスが供給される。
燃料ガス供給連通孔36aに供給された水素は、各発電セル12の燃料ガス流路38に沿って、すなわち、アノード電極28に沿って流通する。一方、酸化剤ガス供給連通孔32aに供給される窒素ガスは、各発電セル12の酸化剤ガス流路40に沿って、すなわち、カソード電極30に沿って流通する。このため、各発電セル12は、水素濃淡電池を構成して起電力が発生する。その際、セル電圧検出装置54は、各発電セル12の両電極間(アノード電極28とカソード電極30との間)の電位を測定する。
水素濃淡電池の起電力Eは、E=(RT/2F)ln(PH2,An/PH2,Ca)から得られる。ここで、Rは、気体定数、Tは、絶対温度、Fは、ファラデー常数、PH2,Anは、アノード電極28側の水素分圧、PH2,Caは、カソード電極30側の水素分圧である。
固体高分子電解質膜26の水素透過量が、発電セル12間で均一であると仮定すると、カソード電極30側の水素分圧PH2,Caは、各発電セル12に流れる窒素ガスの流量に依存し、水素濃淡電池の起電力Eが決定される。従って、ガス流れが悪い発電セル12の電圧は、他の発電セル12の電圧よりも低くなる。さらに、不活性ガスである窒素ガスが使用されており、電気化学的な反応が惹起されることがない。このため、電極触媒の状態に影響されることがなく、単に物理的なガス流れのみに起因する電圧のばらつきが得られる。
これにより、アノード電極28側に水素を流通させるとともに、カソード電極30側に窒素ガス(不活性ガス)を流通させることにより、カソードガス(酸化剤ガス)の流れ不良が発生した発電セル12を特定することができる。
例えば、図3は、燃料電池スタック10を構成する各発電セル12のガス分配の診断結果を示している。すなわち、アノード電極28側には、相対湿度RH50%に加湿された水素が供給される一方、カソード電極30側には、相対湿度RH50%に加湿された窒素ガスが供給され、各発電セル12の電圧が測定された。
窒素流量は、例えば、3パターンに設定され、前記窒素流量と濃淡電池起電力との関係が求められた。そして、特定の窒素流量の時に、各発電セル12の電圧から各発電セル12を流れる窒素流量を推定し、各発電セル12を流れるガス流量が平均値に対してどのくらいずれているかをパーセンテージで表した値(ガス分配率)の分布が、図3に示されている。
図3から了解されるように、2個の発電セル12は、カソード側のガス分配率が、他の発電セル12と比べて著しく低く、他の発電セル12のばらつきの範囲を超えるもの(異常)であり、前記2個の発電セル12にガス流れ異常が発生したことが特定される。このため、ガス流れ異常が発生した発電セル12は、正常な発電セル12と交換される。
この場合、第1の実施形態では、燃料電池スタック10のアノード電極28に沿って水素を流通させるとともに、カソード電極30に沿って窒素ガスを流通させることにより、各発電セル12が水素濃淡電池として構成されている。従って、各発電セル12に発生した電位を比較することによって、電位のばらつきからガス流れ異常が発生した発電セル12を検出することができる。
これにより、簡単な工程で、積層されている複数の発電セル12の中から、ガス流れ異常が発生した発電セル12を確実に検出することが可能になるという効果が得られる。
また、各発電セル12のアノード側のガス分配率を測定する際には、図4に示すように、水素供給装置50が酸化剤ガス流路40に接続される一方、窒素供給装置52が燃料ガス流路38に接続される。このため、酸化剤ガス供給連通孔32aに水素が供給されるとともに、燃料ガス供給連通孔36aに窒素ガスが供給される。
従って、アノード電極28側に窒素ガス(不活性ガス)が流通されるとともに、カソード電極30側に水素が流通される。これにより、上記のカソード側のガス分配率と同様に、アノード側のガス分配率を測定することができ、アノードガス(燃料ガス)の流れ不良が発生した発電セル12を特定することが可能になる。
図5は、本発明の第2の実施形態に係る異常検出方法を実施するためのセル異常検出システム60の概略説明図である。なお、第1の実施形態に係るセル異常検出システム14と同一の構成要素には、同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
セル異常検出システム60は、燃料電池車両に搭載されており、発電反応に使用されている燃料電池スタック10のガス分配診断を行う。燃料電池スタック10には、燃料ガスを供給する燃料ガス供給装置62と、酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給装置64と、冷却媒体を循環供給するための冷却媒体供給装置(図示せず)とが接続される。
燃料ガス供給装置62は、高圧水素を貯留する水素タンク66を備える。水素タンク66は、水素供給流路68を介して燃料電池スタック10の燃料ガス供給連通孔36aに連通する。水素供給流路68には、減圧弁70及びエゼクタ72が設けられる。エゼクタ72は、水素タンク66から供給される水素ガスを、水素供給流路68を通って燃料電池スタック10に供給する。その際、エゼクタ72は、燃料電池スタック10で使用されなかった未使用の水素ガスを含む排ガスを、水素循環路74から吸引して、再度、前記燃料電池スタック10に燃料ガスとして供給する。
酸化剤ガス供給装置64は、大気からの空気を圧縮して供給するエアポンプ76を備え、前記エアポンプ76が空気供給流路78に配設される。空気供給流路78は、燃料電池スタック10の酸化剤ガス供給連通孔32aに連通する。空気供給流路78には、切り替え弁80及び加湿器82が配設され、前記切り替え弁80には、減圧弁84を介装して窒素タンク86が接続される。加湿器82は、酸化剤ガス供給連通孔32aに供給される酸化剤ガス(空気)を、酸化剤ガス排出連通孔32bから排出される酸化剤ガスにより加湿する。
このように構成される第2の実施形態では、燃料電池スタック10が、燃料ガス供給装置62及び酸化剤ガス供給装置64から供給される燃料ガス及び酸化剤ガスの反応により運転され、図示しない燃料電池車両が走行されている。そして、燃料電池スタック10の運転中に、何らかの原因で発電セル12にガスが流れ難くなった際、燃料電池車両がアイドル状態に維持される。
次いで、切り替え弁80が操作されて、窒素タンク86が燃料電池スタック10の酸化剤ガス供給連通孔32aに連通する。このため、窒素タンク86から酸化剤ガス供給連通孔32aに窒素ガスが供給されるとともに、水素タンク66から燃料ガス供給連通孔36aに水素が供給される。従って、各発電セル12は、濃淡電池を構成し、第1の実施形態と同様に、カソード側のガス分配率が得られる。
さらに、ガス分配率の低い発電セル12の個数とガス分配率とが特定される。そして、カソード側の空気供給流量が、通常運転時よりも増量され、ガス分配率と発電セル12の個数とを掛け合わせた値に相当する量だけ増量される。これにより、燃料電池スタック10は、一時的ではあるが、運転可能な状態になるため、修理可能な場所まで移動させることができる。
10…燃料電池スタック 12…発電セル
14、60…セル異常検出システム 20…電解質膜・電極構造体
22、24…セパレータ 26…固体高分子電解質膜
28…アノード電極 30…カソード電極
32a…酸化剤ガス供給連通孔 32b…酸化剤ガス排出連通孔
34a…冷却媒体供給連通孔 34b…冷却媒体排出連通孔
36a…燃料ガス供給連通孔 36b…燃料ガス排出連通孔
38…燃料ガス流路 40…酸化剤ガス流路
42…冷却媒体流路 50…水素供給装置
52…窒素供給装置 54…セル電圧検出装置
56…ケーブル 62…燃料ガス供給装置
64…酸化剤ガス供給装置 66…水素タンク
76…エアポンプ 80…切り替え弁
86…窒素タンク

Claims (2)

  1. 電解質膜の両側に一対の電極が配設される電解質膜・電極構造体とセパレータとを有する発電セルを備え、複数の前記発電セルが積層される燃料電池スタックの異常検出方法であって、
    一方の電極に沿って水素含有ガスを流通させるとともに、他方の電極に沿って不活性ガスを流通させながら、各発電セルの両電極間の電位を測定する工程と、
    検出された各電位から各前記発電セルに流れる前記不活性ガスの流量を推定し、各前記発電セルを流れるガス流量の平均値に対するずれを比較することにより、ガス流れ異常が発生した発電セルの有無を検出する工程と、
    を有することを特徴とする燃料電池スタックの異常検出方法。
  2. 請求項1記載の異常検出方法において、前記燃料電池スタックは、燃料電池車両に搭載された状態で、上記の各工程が行われることを特徴とする燃料電池スタックの異常検出方法。
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