JP5518670B2 - 燃料電池システムのクロスリーク検出方法 - Google Patents

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Description

本発明は、アノード側に燃料ガスが供給される一方、カソード側に酸化剤ガスが供給されて発電する複数のセルが積層された燃料電池と、1の前記セル毎又は2以上の前記セルを含むセルユニット毎にセル電圧を検出するセル電圧検出部とを備える燃料電池システムのクロスリーク検出方法に関する。
例えば、固体高分子型燃料電池は、高分子イオン交換膜からなる電解質膜の両側に、それぞれアノード側電極及びカソード側電極を配設した電解質膜・電極構造体(MEA)を、一対のセパレータによって挟持した単位セルを備えている。この種の燃料電池は、通常、所定数の単位セルを積層することにより、例えば、車載用燃料電池スタックとして使用されている。
上記の燃料電池では、例えば、固体高分子電解質膜に損傷が発生してカソード側からアノード側に酸化剤ガス(酸素)が流入する、所謂、クロスリークが発生する場合がある。アノード側では、燃料ガスである水素に酸素が混在することにより、前記水素が固体高分子電解質膜に接する面積が減少するとともに、前記酸素と前記水素との反応により該水素が減少し、セル電圧が低下するという問題がある。
そこで、例えば、特許文献1に開示されている燃料電池システムが知られている。この燃料電池システムは、燃料極と酸化剤極とが電解質膜を挟んで対向配置されてなる燃料電池セルを複数積層して構成され、前記燃料電池セルの燃料極に水素を含有する燃料ガスが供給され、前記燃料電池セルの酸化剤極に酸素を含有する酸化剤ガスが供給されることで発電する燃料電池スタックと、前記燃料電池セルの燃料極に供給される燃料ガスの圧力を調整する燃料ガス圧力調整手段と、前記燃料電池セルの酸化剤極に供給される酸化剤ガスの圧力を調整する酸化剤ガス圧力調整手段と、前記燃料電池セルの電圧を各燃料電池セル毎又は複数の燃料電池セルからなるセル群毎に計測するセル電圧計測手段と、前記燃料ガス圧力調整手段と前記酸化剤ガス圧力調整手段との少なくとも一方を制御して、前記燃料電池セルの燃料極と酸化剤極との間に燃料極側の圧力の方が酸化剤極側の圧力よりも高くなる差圧を発生させ、且つ、当該差圧の大きさを変化させる差圧制御手段と、前記差圧制御手段が前記差圧を単調増加させている間に、前記セル電圧計測手段により計測される前記燃料電池セルの電圧挙動に基づいて、電解質膜を介して燃料極側から酸化剤極側へとガスが流入しているリークセルの有無を判定するリーク判定手段とを備えることを特徴としている。
特開2009−158371号公報
上記の特許文献1では、異常なセル電圧の低下速度が、正常なセル電圧の低下速度よりも速くなることから、リークセル(クロスリークが発生したセル)の有無を判定している。
しかしながら、セル電圧の低下は、クロスリークの場合の他に、ガス流路に水が滞留することによるフラッディングの場合にも発生している。このため、燃料電池セルには、単にフラッディングが発生しているのに関わらず、クロスリークが発生していると誤認し、前記燃料電池セルを交換する作業が行われるという問題がある。フラッディングの場合には、掃気処理、パージ処理又はガス流量の増量等により解消させることができ、引き続き燃料電池セルを経済的に使用することが可能になるからである。
本発明はこの種の問題を解決するものであり、クロスリークによるセル電圧の低下とフラッディングによるセル電圧の低下とを、簡単且つ確実に判別することが可能な燃料電池システムのクロスリーク検出方法を提供することを目的とする。
本発明は、アノード側に燃料ガスが供給される一方、カソード側に酸化剤ガスが供給されて発電する複数のセルが積層された燃料電池と、1の前記セル毎又は2以上の前記セルを含むセルユニット毎にセル電圧を検出するセル電圧検出部とを備える燃料電池システムのクロスリーク検出方法に関するものである。
のクロスリーク検出方法は、システム起動時、システム停止時又はアイドルストップ時のいずれかの状態で、セル又はセルユニットのセル電圧を検出する工程と、検出された最低セル電圧が、閾値以下であるか否かを判定する工程と、前記最低セル電圧が、前記閾値以下であると判定された際、前記最低セル電圧が検出された前記セル又は前記セルユニットの周辺で検出されたセル電圧が、該最低セル電圧から離間する方向に向かって昇圧される傾斜電圧パターンを形成するか否かを判定する工程と、前記最低セル電圧が検出された前記セル又は前記セルユニットの周辺で検出されたセル電圧が、前記傾斜電圧パターンを形成すると判定された際、該最低セル電圧が検出された前記セル又は前記セルユニットにクロスリークが惹起されたと判定する工程と、クロスリークが惹起されたと判定された際、少なくともアノード側又はカソード側のガス供給流路中のガスを入れ替える工程と、前記ガスの入れ替えを行った後、前記最低セル電圧が、前記閾値以下であるか否かを判定する工程と、前記最低セル電圧が、前記閾値を超えていると判定された際、クロスリーク判定をリセットする工程とを有している。
さらにまた、このクロスリーク検出方法では、最低セル電圧が検出されたセル又はセルユニットが、燃料電池の積層方向端部に配置されている際、クロスリークが惹起されていないと判定することが好ましい。
また、このクロスリーク検出方法では、最低セル電圧が検出されたセル又はセルユニットに隣接して、最低セル電圧の次に低圧な第1セル電圧と、前記第1セル電圧の次に低圧な第2セル電圧とが検出された際、クロスリークが惹起されていると判定することが好ましい。
さらに、このクロスリーク検出方法では、システム起動時、システム停止時又はアイドルストップ時には、燃料電池のディスチャージ処理を行うとともに、セル電圧を検出することが好ましい。
本発明によれば、閾値以下の最低セル電圧が検出されたセル又はセルユニットの周辺のセル電圧が、前記最低セル電圧から離間する方向に向かって昇圧される傾斜電圧パターンを形成する際、該最低セル電圧が検出された前記セル又は前記セルユニットにクロスリークが惹起されたと判定している。このため、クロスリークによるセル電圧の低下とフラッディングによるセル電圧の低下とを、簡単且つ確実に判別することが可能になる。
本発明の実施形態に係る燃料電池システムの概略構成図である。 前記燃料電池システムを構成する燃料電池の分解斜視説明図である。 本発明の第1の実施形態に係るクロスリーク検出方法を説明するフローチャートである。 前記フローチャートのクロスリーク判定処理のサブルーチンである。 クロスリークの場合のセル電圧の説明図である。 フラッディングの場合のセル電圧の説明図である。 本発明の第2の実施形態に係るクロスリーク検出方法を説明するフローチャートである。
図1に示すように、本発明の実施形態に燃料電池システム10は、燃料電池スタック12と、前記燃料電池スタック12に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給装置14と、前記燃料電池スタック12に燃料ガスを供給する燃料ガス供給装置16と、前記燃料電池スタック12に冷却媒体を供給する冷却媒体供給装置(図示せず)と、前記燃料電池システム10全体を制御するコントローラ18とを備える。この燃料電池システム10は、例えば、図示しない燃料電池車両に搭載される。
燃料電池スタック12は、複数の燃料電池セル20を積層して構成される。燃料電池セル20の積層方向両端には、ターミナルプレート22a、22b、絶縁プレート24a、24b及びエンドプレート26a、26bが配設され、前記エンドプレート26a、26b間には、積層方向に締め付け荷重が付与される。
図2に示すように、燃料電池セル20は、電解質膜・電極構造体30が、第1及び第2セパレータ32、34に挟持される。第1及び第2セパレータ32、34は、例えば、鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、あるいはめっき処理鋼板等の金属プレートやカーボンプレート等により構成される。
燃料電池セル20の矢印B方向の一端縁部には、積層方向である矢印A方向に互いに連通して、酸化剤ガス、例えば、酸素含有ガスを供給するための酸化剤ガス入口連通孔36a、及び燃料ガス、例えば、水素含有ガスを供給するための燃料ガス入口連通孔38aが、矢印C方向に配列して設けられる。
燃料電池セル20の矢印B方向の他端縁部には、矢印A方向に互いに連通して、燃料ガスを排出するための燃料ガス出口連通孔38b、及び酸化剤ガスを排出するための酸化剤ガス出口連通孔36bが、矢印C方向に配列して設けられる。
燃料電池セル20の矢印C方向の両端縁部には、冷却媒体を供給するための一対の冷却媒体入口連通孔40a、及び前記冷却媒体を排出するための一対の冷却媒体出口連通孔40bが設けられる。
第1セパレータ32の電解質膜・電極構造体30に向かう面32aには、酸化剤ガス入口連通孔36aと酸化剤ガス出口連通孔36bとに連通する酸化剤ガス流路42が設けられる。
第2セパレータ34の電解質膜・電極構造体30に向かう面34aには、燃料ガス入口連通孔38aと燃料ガス出口連通孔38bとに連通する燃料ガス流路44が設けられる。
互いに隣接する燃料電池セル20を構成する第1セパレータ32の面32bと、第2セパレータ34の面34bとの間には、冷却媒体入口連通孔40aと冷却媒体出口連通孔40bとを連通する冷却媒体流路46が設けられる。
第1セパレータ32の面32a、32bには、第1シール部材48が、一体的又は個別に設けられるとともに、第2セパレータ34の面34a、34bには、第2シール部材50が、一体的に又は個別に設けられる。
第1及び第2シール部材48、50は、例えば、EPDM、NBR、フッ素ゴム、シリコンゴム、フロロシリコンゴム、ブチルゴム、天然ゴム、スチレンゴム、クロロプレーン、又はアクリルゴム等のシール材、クッション材、あるいはパッキン材を使用する。
電解質膜・電極構造体30は、例えば、パーフルオロスルホン酸の薄膜に水が含浸された固体高分子電解質膜52と、前記固体高分子電解質膜52を挟持するカソード側電極54及びアノード側電極56とを備える。
カソード側電極54及びアノード側電極56は、カーボンペーパ等からなるガス拡散層と、白金合金が表面に担持された多孔質カーボン粒子が前記ガス拡散層の表面に一様に塗布されて形成される電極触媒層とを有する。電極触媒層は、固体高分子電解質膜52の両面に形成されている。
第1セパレータ32は、長辺の中央部に一対の冷却媒体出口連通孔40bの間(又は一対の冷却媒体入口連通孔40aの間)に位置して、外方に突出するセル電圧監視用端子58が金属プレートに一体に形成される。セル電圧監視用端子58は、各燃料電池セル20毎に設けられているが、2以上の前記燃料電池セル20を含むセルユニット毎に設けられていてもよい。
図1に示すように、酸化剤ガス供給装置14は、大気からの空気を圧縮して供給するエアコンプレッサ(ポンプ又はスーパーチャージャでも可)60を備え、前記エアコンプレッサ60が空気供給流路62に配設される。空気供給流路62は、燃料電池スタック12の酸化剤ガス入口連通孔36aに連通するとともに、前記空気供給流路62の途上から空気分岐流路64a、64bが分岐される。
空気分岐流路64a、64bには、開閉弁66a、66bが配設される。空気分岐流路64aは、希釈ボックス(排出ガスを空気により希釈する)68に連通する一方、空気分岐流路64bは、後述するように、燃料電池スタック12の燃料ガス入口連通孔38aに連通する。
酸化剤ガス供給装置14は、酸化剤ガス出口連通孔36bに連通する空気排出流路70を備える。この空気排出流路70には、燃料電池スタック12に供給される空気の流量を制御するための背圧制御弁71が接続される。空気排出流路70は、希釈ボックス68に接続される。
燃料ガス供給装置16は、高圧水素(水素含有ガス)を貯留する水素タンク72を備え、この水素タンク72は、水素供給流路74を介して燃料電池スタック12の燃料ガス入口連通孔38aに連通する。水素供給流路74には、レギュレータ76、エゼクタ78及び水素ポンプ80が設けられるとともに、前記エゼクタ78と前記水素ポンプ80との間には、空気分岐流路64bが接続される。
燃料ガス供給装置16は、燃料ガス出口連通孔38bに連通する燃料ガス排出流路82を備える。燃料ガス排出流路82は、気液分離器84を介装するとともに、エゼクタ78に接続される。
燃料ガス排出流路82の途上から分岐流路86a、86bが分岐され、前記分岐流路86aは、パージ弁88aを介装して希釈ボックス68に接続される一方、前記分岐流路86bは、エア排出弁88bを介装して前記希釈ボックス68に接続される。気液分離器84には、ドレイン流路90が接続される。このドレイン流路90は、ドレイン弁88cを介装して希釈ボックス68に接続される。
燃料電池スタック12を構成する各燃料電池セル20のセル電圧監視用端子58には、コネクタ92が接続されるとともに、前記コネクタ92は、ケーブル94を介してセル電圧モニタ(セル電圧測定装置)96に接続される。このセル電圧モニタ96は、コントローラ18に接続される。
コントローラ18は、システム起動時、システム停止時又はアイドルストップ時のいずれかの状態で、燃料電池セル20の各セル電圧を検出するセル電圧検出部98と、検出された最低セル電圧が、閾値以下であるか否かを判定する最低セル電圧判定部100と、前記最低セル電圧が検出された前記燃料電池セル20の周辺で検出されたセル電圧が、該最低セル電圧から離間する方向に向かって昇圧される傾斜電圧パターン(後述する)を形成する際、該最低セル電圧が検出された前記燃料電池セル20にクロスリークが惹起されたと判定するクロスリーク判定部102と、アノード側のガスを燃料ガスから酸化剤ガスにガス入れ替えを行うか否かを判断するガス入れ替え判断部104とを備える。
このように構成される燃料電池システム10の動作について、第1の実施形態に係るクロスリーク検出方法との関連で、図3に示すフローチャートに沿って以下に説明する。
先ず、図示しないイグニッションスイッチがオンされると(ステップS1)、燃料電池システム10の起動時に、電流を取り出さない状態で、燃料電池セル20のセル電圧、すなわち、開回路電圧(OCV)が検出されたか否かが判断される(ステップS2)。OCVチェックが行われた、すなわち、システム起動時であると判断されると(ステップS2中、YES)、ステップS3に進んでクロスリーク判定処理が行われる。システム起動時には、燃料電池スタック12のディスチャージ処理が行われる。クロスリーク判定処理は、図4に示されている。
一方、OCVチェックが行われないと判断されると(ステップS2中、NO)、ステップS4に進んで、アイドルストップか否かが判断される。アイドルストップ時とは、停車中に燃料ガス供給装置16から燃料電池スタック12に燃料ガスの供給を停止している状態をいう。そして、アイドルストップ時であると判断されると(ステップS4中、YES)、燃料電池スタック12のディスチャージ処理が行われるとともに、ステップS3のクロスリーク判定処理が行われる。
OCVチェックでは、セル電圧モニタ96により各燃料電池セル20毎の開回路電圧(以下、セル電圧ともいう)が検出され、この検出結果は、コントローラ18のセル電圧検出部98に送られる。セル電圧検出部98では、燃料電池スタック12内の各燃料電池セル20毎に、それぞれのセル電圧をそれぞれの積層位置に対応して検出する。
そこで、セル電圧検出部98により検出されたセル電圧の中、最低セル電圧が、閾値以下であると判断されると(ステップS11中、YES)、ステップS12に進む。ステップS12では、最低セル電圧が検出された燃料電池セル20の周辺で検出されたセル電圧が、前記最低セル電圧から離間する方向に向かって昇圧される傾斜電圧パターンを形成するか否かを判定する。
図5に示すように、最低セル電圧Vlowは、閾値電圧Vset以下であるとともに、この最低セル電圧Vlowが検出された燃料電池セル20の積層方向両側に配置されているそれぞれ複数の燃料電池セル20の検出電圧Vは、前記積層方向両側に向かうに従って略V字状のパターン(傾斜電圧パターン)で昇圧されている。
ステップS12では、具体的には、最低セル電圧Vlowが検出された燃料電池セル20の積層方向両側に隣接して、それぞれ最低セル電圧Vlowの次に低圧な第1セル電圧と、前記第1セル電圧の次に低圧な第2セル電圧とが検出された際(ステップS12中、YES)、ステップS13に進む。
従って、クロスリーク判定部102は、燃料電池セル20にクロスリークが惹起されたと判定し、クロスリークが確定される。そして、ステップS14に進む。一方、ステップS11において、最低セル電圧が、閾値以下でないと判断されると(ステップS11中、NO)、直接、ステップS14に進む。
また、図6に示すように、最低セル電圧Vlowが検出された燃料電池セル20の積層方向両側の燃料電池セル20のセル電圧が、正常である際には(ステップS12中、NO)、ステップS14に進む。これは、単一の燃料電池セル20にのみフラッディングが発生しており、他の燃料電池セル20は、通常運転可能な状態を示している。
一方、図5に示す状態は、クロスリークが発生しており、例えば、カソード側からアノード側に酸素が流入することによって、前記アノード側では、燃料ガスである水素に酸素が混在してしまう。これにより、水素が固体高分子電解質膜52に接する面積が減少するとともに、前記酸素と前記水素との反応により該水素が減少し、最低セル電圧Vlowが検出された燃料電池セル20に隣接する燃料電池セル20のセル電圧も低下する。このため、検出電圧Vが略V字状の傾斜電圧パターンを示すことになる。
特に、システム起動時又はアイドルストップ時の状態で、燃料電池スタック12のディスチャージ処理が行われている。従って、ストイキ比(供給反応ガス量と実際に消費される反応ガス量との比)が低い状態で、ディスチャージされており、クロスリークにより酸素と水素とが混在してストイキ比がさらに低下した部位では、抵抗値が大きくなって検出電圧Vの電圧挙動が一層顕著になる。これにより、クロスリークの検知精度が良好に向上するという利点がある。
ステップS14では、クロスリークの判定結果があり、且つアノード掃気が実施されたか否かが判断される。このアノード掃気は、図1に示すように、空気分岐流路64bに配置されている開閉弁66bが開放された状態で、酸化剤ガス供給装置14を構成するエアコンプレッサ60が駆動される。
従って、エアコンプレッサ60により圧送される空気(酸化剤ガス)は、水素供給流路74から燃料電池スタック12の燃料ガス入口連通孔38aに供給される。このため、燃料電池スタック12内では、空気が各燃料電池セル20の燃料ガス流路44を流通して燃料ガス出口連通孔38bから排出される。これにより、アノード掃気が行われる。
クロスリークの判定結果があり、且つアノード掃気が実施されたと判断されると(ステップS14中、YES)、ステップS15に進んで、再度、クロスリークがあると判定されたか否かが判断される。このステップS15では、上記のステップS11及びステップS12と同様の工程が行われる。
そして、クロスリークがあると判定されると(ステップS15中、YES)、ステップS16に進んで、クロスリークが確定される。一方、クロスリークがないと判定されると(ステップS15中、NO)、ステップS17に進んで、クロスリークの確定がリセットされる。なお、クロスリークが確定された際には、燃料電池車両のメータ類等に警告を表示し、ユーザに故障を通知することが好ましい。
上記のクロスリーク判定処理が終了すると、図3中、ステップS5に進んで、燃料電池スタック12が発電中であるか否かが判断される。燃料電池スタック12の発電時には、図1に示すように、燃料ガス供給装置16を構成する水素タンク72から水素供給流路74に燃料ガス(水素ガス)が供給される。この燃料ガスは、レギュレータ76で減圧された後、エゼクタ78及び水素ポンプ80から燃料電池スタック12の燃料ガス入口連通孔38aに供給される。
このため、燃料ガス流路44に充填されている空気は、燃料ガスに伴って前記燃料ガス流路44から燃料ガス出口連通孔38bを通って燃料ガス排出流路82に排出される。排出された空気及び燃料ガスは、必要に応じて希釈ボックス68に送られる。
そして、この燃料ガスの供給が開始されて所定の時間だけ経過した後、各酸化剤ガス流路42への酸化剤ガスの供給が開始される。所定の時間とは、燃料ガス流路44が燃料ガスにより置換されるのに要する時間であり、予め時間を計測することにより設定される。
酸化剤ガス供給装置14では、エアコンプレッサ60が駆動されるため、空気(酸化剤ガス)は、空気供給流路62から燃料電池スタック12の各酸化剤ガス入口連通孔36aに供給される。従って、空気は、図2に示すように、各酸化剤ガス入口連通孔36aから各酸化剤ガス流路42に供給される。酸化剤ガス流路42から排出される空気は、空気排出流路70を通って希釈ボックス68に送られる(図1参照)。
これにより、図2に示すように、電解質膜・電極構造体30では、カソード側電極54に供給される空気と、アノード側電極56に供給される燃料ガスとが、電極触媒層内で電気化学反応により消費されて発電が行われる。
電解質膜・電極構造体30のアノード側電極56に供給されて消費された燃料ガスは、燃料ガス出口連通孔38bに沿って排出される。この燃料ガスは、燃料ガス排出流路82に排出され、気液分離器84でガス成分と水分とに分離される。ガス成分は、エゼクタ78に吸引されることにより、燃料ガスとして燃料電池スタック12に供給される。
一対の冷却媒体入口連通孔40aに供給された冷却媒体は、図2に示すように、第1セパレータ32及び第2セパレータ34間の冷却媒体流路46に導入される。冷却媒体は、電解質膜・電極構造体30を冷却した後、一対の冷却媒体出口連通孔40bに排出される。
そして、燃料電池スタック12による発電が停止されると(ステップS5中、YES)、ステップS6に進んで、クロスリーク判定の結果がバックアップされる。これにより、燃料電池セル20には、フラッディングではなく、クロスリークが発生していることが確実に識別される。
この場合、第1の実施形態では、システム起動時又はアイドルストップ時の状態で、図5に示すように、閾値Vset以下の最低セル電圧Vlowが検出された燃料電池セル20の積層方向両側に配置されているそれぞれ複数の燃料電池セル20の検出電圧Vが、前記積層方向両側に向かうに従って略V字状のパターン(傾斜電圧パターン)で昇圧されている際、クロスリークが惹起されたと判定している。
このため、クロスリークによるセル電圧の低下(図5参照)と、フラッディングによるセル電圧の低下(図6参照)とを、簡単且つ確実に判別することが可能になる。従って、燃料電池セル20に、単にフラッディングが発生しているのに関わらず、クロスリークが発生していると誤認し、前記燃料電池セル20を交換する作業が行われることを確実に阻止することができる。これにより、燃料電池システム10全体を効率的且つ経済的に運転制御することが可能になるという効果が得られる。
しかも、クロスリークが惹起されたと判定された際(ステップS13)、ステップS14に進んで、アノード掃気が実施された後、ステップS15に進んで、再度、クロスリークがあるか否かが判定されている。このため、アノード掃気によりフラッディング状態が解消されるため、クロスリーク判定が一層精度よく遂行されるという利点が得られる。
ここで、ステップS14では、アノード掃気が行われているが、これに限定されるものではない。例えば、パージ弁88aを開放して分岐流路86aからパージ処理を行った後、ステップS11の判断を行ってもよく、また、ドレイン弁88cを開放してドレイン流路90から排水した後、ステップS11の判断を行ってもよい。また、カソード側の空気供給量を増量した後、あるいは、アノード側の燃料ガス流量を増量した後、ステップS11の判断を行ってもよい。
さらに、第1の実施形態では、セル電圧検出部98が、燃料電池スタック12内の各燃料電池セル20毎に、それぞれのセル電圧をそれぞれの積層位置に対応して検出している。従って、最低セル電圧が検出された燃料電池セル20が、燃料電池スタック12の積層方向端部に配置されている際、クロスリークが惹起されていないと判定することができる。
燃料電池スタック12の積層方向端部に配置されている燃料電池セル20は、他の燃料電池セル20に比べて温度低下が惹起され易く、フラッディングが発生し易い。これにより、予めフラッディングが発生したと判定することにより、クロスリーク判定が容易に遂行されるという効果がある。
さらにまた、最低セル電圧Vlowが検出された燃料電池セル20の積層方向両側に隣接して、それぞれ最低セル電圧Vlowの次に低圧な第1セル電圧と、前記第1セル電圧の次に低圧な第2セル電圧とが検出された際、クロスリークが発生したと判定している。このため、クロスリーク判定が一層確実に遂行されるという利点がある。
次いで、本発明の第2の実施形態に係るクロスリーク検出方法について、図7に示すフローチャートに沿って以下に説明する。
先ず、図示しないイグニッションスイッチがオフされると(ステップS21)、ステップS22に進んで、RTC(リアルタイムクロック)監視が行われているか否かが判断される。RTC監視が行われていると判断されると(ステップS22中、YES)、すなわち、システム停止時であると判断されると、所定の時間が経過した後、ステップS23に進んで、燃料電池スタック12のディスチャージ処理が行われるとともに、クロスリーク判定処理が行われる。クロスリークが発生した際には、ガス供給停止後の時間の経過に伴って、電圧の挙動(低下)が顕著になり、クロスリーク判定が確実に遂行されるからである。
なお、ステップS23の処理は、図4に示すステップS11〜ステップS17と同一の処理が行われる。次いで、ステップS24に進んで、クロスリーク判定の結果がバックアップされる。
また、RTC監視が行われていないと判断されると(ステップS22中、NO)、ステップS25に進んで、アノード掃気が実施されたか否かが判断される。アノード掃気が実施されていないと判断されると(ステップS25中、NO)、ステップS23に移行する一方、アノード掃気が実施されたと判断されると(ステップS25中、YES)、ステップS26に進んで、アノード掃気実施済みのバックアップがなされる。
この第2の実施形態では、クロスリーク判定処理が遂行されており、上記の第1の実施形態と同様の効果が得られる。
なお、第1及び第2の実施形態では、システム起動時、システム停止時又はアイドルストップ時に、燃料電池スタック12のディスチャージ処理が行われていればよく、このディスチャージ処理のタイミングは、種々変更可能である。また、ディスチャージ処理は、必要に応じて行えばよい。
10…燃料電池システム 12…燃料電池スタック
14…酸化剤ガス供給装置 16…燃料ガス供給装置
18…コントローラ 20…燃料電池セル
30…電解質膜・電極構造体 32、34…セパレータ
36a…酸化剤ガス入口連通孔 36b…酸化剤ガス出口連通孔
38a…燃料ガス入口連通孔 38b…燃料ガス出口連通孔
42…酸化剤ガス流路 44…燃料ガス流路
52…固体高分子電解質膜 54…カソード側電極
56…アノード側電極 58…セル電圧監視用端子
60…エアコンプレッサ 62…空気供給流路
64a、64b…空気分岐流路 66a、66b…開閉弁
68…希釈ボックス 70…空気排出流路
71…背圧制御弁 72…水素タンク
74…水素供給流路 78…エゼクタ
86a、86b…分岐流路 88a…パージ弁
88b…エア排出弁 88c…ドレイン弁
90…ドレイン流路 96…セル電圧モニタ
98…セル電圧検出部 100…最低セル電圧判定部
102…クロスリーク判定部 104…ガス入れ替え判断部

Claims (4)

  1. アノード側に燃料ガスが供給される一方、カソード側に酸化剤ガスが供給されて発電する複数のセルが積層された燃料電池と、
    1の前記セル毎又は2以上の前記セルを含むセルユニット毎にセル電圧を検出するセル電圧検出部と、
    を備える燃料電池システムのクロスリーク検出方法であって、
    システム起動時、システム停止時又はアイドルストップ時のいずれかの状態で、前記セル又は前記セルユニットのセル電圧を検出する工程と、
    検出された最低セル電圧が、閾値以下であるか否かを判定する工程と、
    前記最低セル電圧が、前記閾値以下であると判定された際、前記最低セル電圧が検出された前記セル又は前記セルユニットの周辺で検出されたセル電圧が、該最低セル電圧から離間する方向に向かって昇圧される傾斜電圧パターンを形成するか否かを判定する工程と、
    前記最低セル電圧が検出された前記セル又は前記セルユニットの周辺で検出されたセル電圧が、前記傾斜電圧パターンを形成すると判定された際、該最低セル電圧が検出された前記セル又は前記セルユニットにクロスリークが惹起されたと判定する工程と、
    クロスリークが惹起されたと判定された際、少なくとも前記アノード側又は前記カソード側のガス供給流路中のガスを入れ替える工程と、
    前記ガスの入れ替えを行った後、前記最低セル電圧が、前記閾値以下であるか否かを判定する工程と、
    前記最低セル電圧が、前記閾値を超えていると判定された際、クロスリーク判定をリセットする工程と、
    を有することを特徴とする燃料電池システムのクロスリーク検出方法。
  2. 請求項記載のクロスリーク検出方法において、前記最低セル電圧が検出された前記セル又は前記セルユニットが、前記燃料電池の積層方向端部に配置されている際、クロスリークが惹起されていないと判定することを特徴とする燃料電池システムのクロスリーク検出方法。
  3. 請求項1又は2記載のクロスリーク検出方法において、前記最低セル電圧が検出された前記セル又は前記セルユニットに隣接して、最低セル電圧の次に低圧な第1セル電圧と、前記第1セル電圧の次に低圧な第2セル電圧とが検出された際、クロスリークが惹起されていると判定することを特徴とする燃料電池システムのクロスリーク検出方法。
  4. 請求項のいずれか1項に記載のクロスリーク検出方法において、前記システム起動時、前記システム停止時又は前記アイドルストップ時には、前記燃料電池のディスチャージ処理を行うとともに、前記セル電圧を検出することを特徴とする燃料電池システムのクロスリーク検出方法。
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