JP2010108815A - 電気化学装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電気化学装置に用いられる電気化学セルが備える電解質膜にピンホールが発生したことを、他の故障と分離して精度よく検出する。
【解決手段】燃料電池システムは、電気化学装置としての単セルを積層した燃料電池スタックと、各単セルのセル抵抗を測定する抵抗センサと、各単セルのセル電圧を測定する電圧センサと、燃料電池システムを制御する制御ユニットとを備える。制御ユニットのCPUは、各単セルのセル抵抗、および、セル電圧の各値を同期して順次取得し、セル抵抗の時間的変化率ΔR/Δt、および、セル電圧の時間的変化率ΔV/Δtを、それぞれ算出する。そして、CPUは、ΔR/Δtが正から負に変化し、かつ、ΔV/Δtが負から正に変化した場合に、単セルが備える膜電極接合体の電解質膜にピンホールが発生したと判断する。
【選択図】図4

Description

本発明は、電気化学装置に関し、詳しくは、電気化学装置に用いられる電気化学セルが備える電解質膜にピンホールが発生したことを検出する技術に関するものである。
燃料ガス(例えば、水素)と酸化剤ガス(例えば、酸素)との電気化学反応によって発電する燃料電池がエネルギ源として注目されている。この燃料電池には、発電体として、プロトン伝導性を有する電解質膜の両面に、それぞれ、アノード、および、カソードを接合した膜電極接合体(電気化学セル)が用いられる。そして、燃料電池には、電解質膜として固体高分子膜を用いた固体高分子型燃料電池がある。
ところで、固体高分子型燃料電池では、例えば、氷点下始動時など、膜電極接合体における発電分布が不均一になると、発電集中部における極度な発熱によって電解質膜にピンホールが発生し、アノードとカソードと間で短絡が生じる場合がある。そして、このような故障は、早期に検出されることが求められる。そこで、従来、電解質膜に発生したピンホールを検出する種々の技術が提案されている(例えば、下記特許文献1,2参照)。
特開2007−48540号公報 特開2006−351346号公報
しかし、従来の技術では、電解質膜に発生したピンホールを燃料電池における他の故障と分離して確実に検出することができない場合があった。そして、このような不具合は、固体高分子型燃料電池に限られず、固体高分子からなる電解質膜を備える電気化学セルを用いた他の電気化学装置においても同様に生じ得る。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、電気化学装置に用いられる電気化学セルが備える電解質膜にピンホールが発生したことを、他の故障と分離して精度よく検出する技術を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するために以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]電気化学装置であって、固体高分子からなる電解質膜の両面に、それぞれ、アノード、および、カソードを接合した電気化学セルと、前記アノードと前記カソードとの間の抵抗であるセル抵抗を測定するセル抵抗測定部と、前記セル抵抗の時間的変化率を算出するセル抵抗変化率算出部と、前記アノードと前記カソードとの間の電圧であるセル電圧を測定するセル電圧測定部と、前記セル電圧の時間的変化率を算出するセル電圧変化率算出部と、前記セル抵抗の時間的変化率が正から負に変化し、かつ、前記セル電圧の時間的変化率が負から正に変化したときに、前記電解質膜にピンホールが発生したと判断する判断部と、を備える電気化学装置。
電気化学セルにおいて電気化学反応が起こっているとき、電気化学セルが備える電解質膜にピンホールが発生していない場合には、セル抵抗は経時的に増大し、セル電圧は経時的に低下する傾向にある。一方、電解質膜にピンホールが発生したときには、セル抵抗が低下し、セル電圧が増大する。
適用例1の電気化学装置では、電気化学反応が起こっているときのセル抵抗、および、セル電圧を監視し、セル抵抗の時間的変化率、および、セル電圧の時間的変化率を順次算出して、セル抵抗の時間的変化率が正から負に変化し、かつ、セル電圧の時間的変化率が負から正に変化したときに、電解質膜にピンホールが発生したと判断するので、電解質膜にピンホールが発生したことを、他の故障と分離して精度よく検出することができる。なお、「セル抵抗の時間的変化率が正から負に変化し、かつ、セル電圧の時間的変化率が負から正に変化したとき」とは、「セル抵抗の時間的変化率が正から負に変化したのとほぼ同時にセル電圧の時間的変化率が負から正に変化したとき」を意味しており、例えば、セル抵抗、および、セル電圧の算出タイミングのずれ等は許容する。
[適用例2]適用例1記載の電気化学装置であって、さらに、前記カソードから排出されるオフガスに含まれる所定のガスの濃度を検出するガス濃度検出部を備え、前記判断部は、前記セル抵抗の時間的変化率が正から負に変化し、かつ、前記セル電圧の時間的変化率が負から正に変化したときであって、さらに、前記ガス濃度検出部によって検出された前記所定のガスの濃度が所定の閾値以上である場合に、前記電解質膜にピンホールが発生したと判断する、電気化学装置。
電解質膜にピンホールが発生した場合、アノードに供給された所定のガスがカソード側にリークしてカソードオフガスに含まれる所定のガスの濃度が上昇する。
適用例2の電気化学装置では、セル抵抗の時間的変化率が正から負に変化し、かつ、セル電圧の時間的変化率が負から正に変化したときであって、さらに、ガス濃度検出部によって検出された所定のガスの濃度が所定の閾値以上である場合に、電解質膜にピンホールが発生したと判断するので、電解質膜にピンホールが発生したことを、他の故障と分離して、さらに精度よく検出することができる。
[適用例3]適用例1記載の電気化学装置であって、さらに、前記アノードまたは前記カソードから排出されるオフガスに含まれる所定のイオンの濃度を検出するイオン濃度検出部を備え、前記判断部は、前記セル抵抗の時間的変化率が正から負に変化し、かつ、前記セル電圧の時間的変化率が負から正に変化したときであって、さらに、前記イオン濃度検出部によって検出された前記イオンの濃度が所定の閾値以上である場合に、前記電解質膜にピンホールが発生したと判断する、電気化学装置。
例えば、局所的な発熱によって電解質膜にピンホールが発生する場合、電解質膜を構成する固体高分子が分解されて所定のイオンが発生する。そして、このイオンは、オフガスとともに電気化学セルから流出する。
適用例3の電気化学装置では、セル抵抗の時間的変化率が正から負に変化し、かつ、セル電圧の時間的変化率が負から正に変化したときであって、さらに、イオン濃度検出部によって検出された所定のイオンの濃度が所定の閾値以上である場合に、電解質膜にピンホールが発生したと判断するので、電解質膜にピンホールが発生したことを、他の故障と分離して、さらに精度よく検出することができる。
[適用例4]適用例1記載の電気化学装置であって、前記判断部は、前記セル抵抗の時間的変化率が正から負に変化し、かつ、前記セル電圧の時間的変化率が負から正に変化したときに、前記セル抵抗と前記セル電圧との関係がオームの法則に従っているか否かを判断し、前記セル抵抗と前記セル電圧との関係がオームの法則に従っている場合に、前記電解質膜にピンホールが発生したと判断する、電気化学装置。
電解質膜にピンホールが発生していない場合、セル抵抗は、電気化学反応に供するガスの拡散速度に起因する抵抗成分と、電気化学反応の反応速度に起因する抵抗成分と、電気化学セルのバルク抵抗との和となる。この場合、セル抵抗とセル電圧との関係は、オームの法則に従わない。一方、電解質膜にピンホールが発生した場合には、セル抵抗は、電気化学セルのバルク抵抗となり、セル抵抗とセル電圧との関係は、オームの法則に従う。
適用例4の電気化学装置では、セル抵抗の時間的変化率が正から負に変化し、かつ、セル電圧の時間的変化率が負から正に変化したときに、セル抵抗とセル電圧との関係がオームの法則に従っているか否かを判断し、セル抵抗とセル電圧との関係がオームの法則に従っている場合に、電解質膜にピンホールが発生したと判断するので、電解質膜にピンホールが発生したことを、他の故障と分離して、さらに精度よく検出することができる。
[適用例5]適用例1記載の電気化学装置であって、さらに、前記電気化学セルの開回路電圧を測定する開回路電圧測定部を備え、前記判断部は、前記セル抵抗の時間的変化率が正から負に変化し、かつ、前記セル電圧の時間的変化率が負から正に変化したときであって、さらに、前記開回路電圧がほぼ0(V)であるときに、前記電解質膜にピンホールが発生していると判断する、電気化学装置。
電解質膜にピンホールが発生していない場合、電気化学セルの開回路電圧、すなわち、無負荷状態の電気化学セルのセル電圧は、0(V)よりも大きい所定範囲内の値(例えば、電気化学セルが燃料電池である場合、約1(V))になる。一方、電解質膜にピンホールが発生すると、電気化学セルの開回路電圧は、ほぼ0(V)になる。
適用例5の電気化学装置では、セル抵抗の時間的変化率が正から負に変化し、かつ、セル電圧の時間的変化率が負から正に変化したときであって、さらに、開回路電圧がほぼ0(V)であるときに、電解質膜にピンホールが発生していると判断するので、電解質膜にピンホールが発生したことを、他の故障と分離して、さらに精度よく検出することができる。
[適用例6]電気化学装置であって、固体高分子からなる電解質膜の両面に、それぞれ、アノード、および、カソードを接合した電気化学セルと、前記アノードと前記カソードとの間の抵抗であるセル抵抗を測定するセル抵抗測定部と、前記セル抵抗の時間的変化率を算出するセル抵抗変化率算出部と、前記カソードから排出されるオフガスに含まれる所定のガスの濃度を検出するガス濃度検出部と、前記セル抵抗の時間的変化率が正から負に変化し、かつ、前記燃料ガス濃度検出部によって検出された前記所定のガスの濃度が所定の閾値以上であるときに、前記電解質膜にピンホールが発生したと判断する判断部と、を備える電気化学装置。
電気化学セルにおいて電気化学反応が起こっているとき、電気化学セルが備える電解質膜にピンホールが発生していない場合には、セル抵抗は経時的に増大し、一方、電解質膜にピンホールが発生したときには、セル抵抗が低下する。また、電解質膜にピンホールが発生した場合、アノードに供給された所定のガスがカソード側にリークしてカソードオフガスに含まれる所定のガスの濃度が上昇する。
適用例6の電気化学装置では、電気化学反応が起こっているときのセル抵抗を監視し、セル抵抗の時間的変化率を算出して、セル抵抗の時間的変化率が正から負に変化し、かつ、燃料ガス濃度検出部によって検出された前記所定のガスの濃度が所定の閾値以上であるときに、電解質膜にピンホールが発生したと判断するので、電解質膜にピンホールが発生したことを、他の故障と分離して精度よく検出することができる。
[適用例7]電気化学装置であって、固体高分子からなる電解質膜の両面に、それぞれ、アノード、および、カソードを接合した電気化学セルと、前記アノードと前記カソードとの間の抵抗であるセル抵抗を測定するセル抵抗測定部と、前記セル抵抗の時間的変化率を算出するセル抵抗変化率算出部と、前記アノードまたは前記カソードから排出されるオフガスに含まれる所定のイオンの濃度を検出するイオン濃度検出部と、前記セル抵抗の時間的変化率が正から負に変化し、かつ、前記イオン濃度検出部によって検出された前記イオンの濃度が所定の閾値以上であるときに、前記電解質膜にピンホールが発生したと判断する判断部と、を備える電気化学装置。
電気化学セルにおいて電気化学反応が起こっているとき、電気化学セルが備える電解質膜にピンホールが発生していない場合には、セル抵抗は経時的に増大し、一方、電解質膜にピンホールが発生したときには、セル抵抗が低下する。また、例えば、局所的な発熱によって電解質膜にピンホールが発生する場合、電解質膜を構成する固体高分子が分解されて所定のイオンが発生する。そして、このイオンは、オフガスとともに電気化学セルから流出する。
適用例7の電気化学装置では、電気化学反応が起こっているときのセル抵抗を監視し、セル抵抗の時間的変化率を算出して、セル抵抗の時間的変化率が正から負に変化し、かつ、イオン濃度検出部によって検出された所定のイオンの濃度が所定の閾値以上であるときに、電解質膜にピンホールが発生したと判断するので、電解質膜にピンホールが発生したことを、他の故障と分離して精度よく検出することができる。
[適用例8]電気化学装置であって、固体高分子からなる電解質膜の両面に、それぞれ、アノード、および、カソードを接合した電気化学セルと、前記アノードと前記カソードとの間の抵抗であるセル抵抗を測定するセル抵抗測定部と、前記アノードと前記カソードとの間の電圧であるセル電圧を測定するセル電圧測定部と、前記セル抵抗と前記セル電圧との関係がオームの法則に従っているときに、前記電解質膜にピンホールが発生していると判断する判断部と、を備える電気化学装置。
電解質膜にピンホールが発生していない場合、セル抵抗は、電気化学反応に供するガスの拡散速度に起因する抵抗成分と、電気化学反応の反応速度に起因する抵抗成分と、電気化学セルのバルク抵抗との和となる。この場合、セル抵抗とセル電圧との関係は、オームの法則に従わない。一方、電解質膜にピンホールが発生した場合には、セル抵抗は、電気化学セルのバルク抵抗となり、セル抵抗とセル電圧との関係は、オームの法則に従う。
適用例8の電気化学装置では、セル抵抗とセル電圧との関係がオームの法則に従っている場合に、電解質膜にピンホールが発生したと判断するので、電解質膜にピンホールが発生したことを、他の故障と分離して精度よく検出することができる。
[適用例9]電気化学装置であって、固体高分子からなる電解質膜の両面に、それぞれ、アノード、および、カソードを接合した電気化学セルと、前記電気化学セルの開回路電圧を測定する開回路電圧測定部と、前記開回路電圧がほぼ0(V)であるときに、前記電解質膜にピンホールが発生していると判断する判断部と、を備える電気化学装置。
電解質膜にピンホールが発生していない場合、電気化学セルの開回路電圧、すなわち、無負荷状態の電気化学セルのセル電圧は、0(V)よりも大きい所定範囲内の値(例えば、電気化学セルが燃料電池である場合、約1(V))になる。一方、電解質膜にピンホールが発生すると、電気化学セルの開回路電圧は、ほぼ0(V)になる。
適用例9の電気化学装置では、電気化学セルの開回路電圧がほぼ0(V)であるときに、電解質膜にピンホールが発生していると判断するので、電気化学セルにピンホールが発生したことを、他の故障と分離して精度よく検出することができる。
[適用例10]適用例1ないし9のいずれかに記載の電気化学装置であって、前記電気化学セルは、燃料電池であり、前記電気化学装置は、前記アノードに、燃料ガスを供給する燃料ガス供給部と、前記カソードに、酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給部と、を備える電気化学装置。
本発明は、燃料電池システムに適用することができる。
[適用例11]適用例1ないし9のいずれかに記載の電気化学装置であって、前記アノードと前記カソードとの間に電圧を印加する電圧源と、前記アノードに、水素を含む混合ガスを導入する混合ガス導入部と、前記アノードから前記電解質膜を介して前記カソードに選択的に透過した水素を他の装置に供給する水素供給部と、を備える電気化学装置。
本発明は、混合ガスに含まれる水素を、電気化学セルを用いて分離する水素分離装置に適用することができる。
本発明は、上述した種々の特徴の一部を、適宜、組み合わせて構成することもできる。また、本発明は、上述の電気化学装置としての構成の他、電気化学装置の制御方法や、電気化学装置に用いられる電気化学セルが備える電解質膜にピンホールが発生したことを検出する検出方法の発明として構成することもできる。また、これらを実現するコンピュータプログラム、およびそのプログラムを記録した記録媒体、そのプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号など種々の態様で実現することが可能である。なお、それぞれの態様において、先に示した種々の付加的要素を適用することが可能である。
本発明をコンピュータプログラムまたはそのプログラムを記録した記録媒体等として構成する場合には、電気化学装置の動作を制御するプログラム全体として構成するものとしてもよいし、本発明の機能を果たす部分のみを構成するものとしてもよい。また、記録媒体としては、フレキシブルディスクやCD−ROM、DVD−ROM、光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカード、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コンピュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ)および外部記憶装置などコンピュータが読み取り可能な種々の媒体を利用できる。
以下、本発明の実施の形態について、実施例に基づき説明する。
A.第1実施例:
A1.燃料電池システムの構成:
図1は、本発明の電気化学装置を備える第1実施例としての燃料電池システム1000の概略構成を示す説明図である。
燃料電池スタック100は、水素と酸素との電気化学反応によって発電する単セル40を、複数積層させたスタック構造を有している。各単セル40は、概ね、プロトン伝導性を有する電解質膜の両面に、それぞれアノード、および、カソードを接合した膜電極接合体を、セパレータによって挟持した構成となっている。アノード、および、カソードは、それぞれ、電解質膜の各表面に接合された触媒層と、この触媒層の表面に接合されたガス拡散層とを備えている。本実施例では、電解質膜として、ナフィオン(登録商標)等の固体高分子膜を用いるものとした。膜電極接合体は、本発明における電気化学セルに相当する。各セパレータには、アノードに供給すべき燃料ガスとしての水素の流路や、カソードに供給すべき酸化剤ガスとしての空気の流路や、冷却媒体(水、エチレングリコール等)の流路が形成されている。なお、単セル40の積層数は、燃料電池スタック100に要求される出力に応じて任意に設定可能である。
燃料電池スタック100は、一端から、エンドプレート10a、絶縁板20a、集電板30a、複数の単セル40、集電板30b、絶縁板20b、エンドプレート10bの順に積層することによって構成されている。これらには、燃料電池スタック100内に、水素や、空気や、冷却媒体を流すための供給口や、排出口が設けられている。また、燃料電池スタック100内部には、水素や、空気や、冷却媒体を、それぞれ各単セル40に分配して供給するための供給マニホールド(水素供給マニホールド、空気供給マニホールド、冷却媒体供給マニホールド)や、各単セル40のアノードおよびカソードからそれぞれ排出されるアノードオフガスおよびカソードオフガスや、冷却媒体を集合させて燃料電池スタック100の外部に排出するための排出マニホールド(アノードオフガス排出マニホールド、カソードオフガス排出マニホールド、冷却媒体排出マニホールド)が形成されている。
なお、図示は省略しているが、各単セル40には、アノードとカソードとの間の抵抗であるセル抵抗を測定するための抵抗センサや、アノードとカソードとの間の電圧であるセル電圧を測定するための電圧センサが接続されている。
燃料電池スタック100のアノードには、配管53を介して、高圧水素を貯蔵した水素タンク50から、燃料ガスとしての水素が供給される。水素タンク50の代わりに、アルコール、炭化水素、アルデヒドなどを原料とする改質反応によって水素リッチなガスを生成し、アノードに供給するものとしてもよい。
水素タンク50に貯蔵された高圧水素は、水素タンク50の出口に設けられたシャットバルブ51、レギュレータ52によって圧力、および、供給量が調整されて、水素供給マニホールドを介して、各単セル40のアノードに供給される。各単セル40から排出される未消費の水素を含むアノードオフガスは、アノードオフガス排出マニホールドに接続された配管54を介して水素分離装置200に導入され、水素が分離された後のアノードオフガスは、排出配管57を介して、燃料電池システム1000の外部に排出することができる。水素分離装置200については、後述する。排出配管57には、アノードオフガスを燃料電池システム1000の外部に排出するか否かを切り換えるための排気バルブ58が配設されている。
水素分離装置200によって分離された水素は、循環配管55を介して配管53に再循環される。循環配管55には、ポンプ56が配設されている。燃料電池スタック100から排出されたアノードオフガスに含まれる未消費の水素を分離して配管53に再循環させることによって、水素を効率よく利用することができる。
燃料電池スタック100のカソードには、配管61を介して、エアコンプレッサ60によって圧縮された圧縮空気が、酸素を含有した酸化剤ガスとして供給される。そして、この圧縮空気は、配管61に接続された空気供給マニホールドを介して、各単セル40のカソードに供給される。各単セル40のカソードから排出されるカソードオフガスは、カソードオフガス排出マニホールドに接続された排出配管62を介して、燃料電池スタック100の外部に排出される。排出配管62からは、カソードオフガスとともに、燃料電池スタック100のカソードで、水素と酸素との電気化学反応によって生成された生成水も排出される。
燃料電池スタック100は、上述した電気化学反応によって発熱するため、燃料電池スタック100には、燃料電池スタック100を冷却するための冷却媒体も供給される。この冷却媒体は、ポンプ70によって、配管72を流れ、ラジエータ71によって冷却されて、燃料電池スタック100に供給される。
燃料電池システム1000の運転は、制御ユニット80によって制御される。制御ユニット80は、内部にCPU、RAM、ROM、タイマなどを備えるマイクロコンピュータとして構成されており、ROMに記憶されたプログラムに従って、例えば、各種バルブや、ポンプの駆動等、システムの運転を制御する。
なお、本実施例の制御ユニット80は、図示するように、セル抵抗変化率算出部802と、セル電圧変化率算出部804と、判断部806とを備えている。セル抵抗変化率算出部802は、各単セル40に接続された抵抗センサによって測定されたセル抵抗の値を所定の時間間隔で取得し、セル抵抗の時間的変化率を算出する。また、セル電圧変化率算出部804は、各単セル40に接続された電圧センサによって測定されたセル電圧の値を、セル抵抗の値の取得と同期して取得し、セル電圧の時間的変化率を算出する。また、判断部806は、セル抵抗変化率算出部802によって算出されたセル抵抗の時間的変化率と、セル電圧変化率算出部804によって算出されたセル電圧の時間的変化率とに基づいて、各単セル40が備える膜電極接合体の電解質膜にピンホールが発生したか否かを判断する。これらのピンホール検出処理については、後から詳述する。
A2.水素分離装置:
図2は、水素分離装置200の概略構成を模式的に示す説明図である。水素分離装置200は、プロトン伝導性を有する電解質膜202mの両面に、それぞれアノード202a、および、カソード202cを接合した水素透過セル202を複数積層することによって構成されている。ここでは、1つの水素透過セル202について示した。そして、各水素透過セル202のアノード202a、および、カソード202cには、電圧源204によって電圧が印加される。水素透過セル202は、本発明における電気化学セルに相当する。
本実施例の水素分離装置200では、以下のように混合ガス中の水素が分離される。すなわち、燃料電池スタック100のアノードから排出された、未消費の水素(H2)とカソードから透過した窒素(N2)とを含むアノードオフガス(混合ガス)が、水素透過セル202のアノード202aに供給される。そして、図示するように、混合ガス中の水素は、アノード202aでプロトン(H+)と電子(e-)に分かれる。このプロトンは、電解質膜202m中を移動(透過)し、カソード202cで電子と結合して水素になる。
なお、図示は省略しているが、各水素透過セル202には、アノード202aとカソード202cとの間の抵抗であるセル抵抗を測定するための抵抗センサや、アノード202aとカソード202cとの間の電圧であるセル電圧を測定するための電圧センサが接続されている。
A3.ピンホール検出処理:
燃料電池スタック100が備える単セル40の電解質膜、および、水素分離装置200が備える水素透過セル202の電解質膜202mでは、例えば、局所的な発熱によってピンホールが発生する場合がある。そして、各セルにおいて、電気化学反応が起こっているとき、すなわち、燃料電池スタック100による発電中、および、水素分離装置200による水素分離中に、電解質膜にピンホールが発生する前後で、セル抵抗、および、セル電圧の挙動が変化する。
図3は、電解質膜にピンホールが発生するときのセル抵抗、および、セル電圧の挙動を示す説明図である。図示するように、電解質膜にピンホールが発生する前は、セル抵抗は経時的に増大し、セル電圧は経時的に低下する。そして、時刻tpにおいて、電解質膜にピンホールが発生すると、セル抵抗は低下し、セル電圧は増大する。なお、電解質膜にピンホールが発生していない場合、セル抵抗は、電気化学反応に供するガスの拡散速度に起因する抵抗成分と、電気化学反応の反応速度に起因する抵抗成分と、セルのバルク抵抗との和となる。この場合、セル抵抗とセル電圧との関係は、オームの法則に従わない。一方、電解質膜にピンホールが発生した場合には、セル抵抗は、セルのバルク抵抗となり、セル抵抗とセル電圧との関係は、オームの法則に従う。
本実施例では、上述したセル抵抗、および、セル電圧の挙動に基づいて、電解質膜にピンホールが発生したか否かを判断する。
図4は、第1実施例の燃料電池システム1000におけるピンホール検出処理の流れを示すフローチャートである。この処理は、制御ユニット80のCPUが実行する処理である。ここでは、燃料電池スタック100が備える単セル40の電解質膜についてのピンホール検出処理について説明する。なお、本実施例では、水素分離装置200が備える水素透過セル202の電解質膜202mについても、燃料電池スタック100が備える単セル40の電解質膜と同様のピンホール検出処理を行うものとした。
まず、CPUは、セル抵抗変化率算出部802、および、セル電圧変化率算出部804によって、各単セル40について、抵抗センサによって測定されたセル抵抗、および、電圧センサによって測定されたセル電圧の各値を同期して順次取得し、セル抵抗の時間的変化率ΔR/Δt、および、セル電圧の時間的変化率ΔV/Δtを、それぞれ算出する(ステップS100)。
次に、CPUは、判断部806によって、ΔR/Δtが正から負に変化し、かつ、ΔV/Δtが負から正に変化したか否かを判断する(ステップS110)。そして、ΔR/Δt、および、ΔV/Δtが上記条件を満たしていない場合には(ステップS110:NO)、CPUは、電解質膜にピンホールが発生していないと判断して、ステップS100に戻る。一方、ΔR/Δt、および、ΔV/Δtが上記条件を満たしている場合には(ステップS110:YES)、CPUは、電解質膜にピンホールが発生したと判断して、燃料電池スタック100による発電を停止し(ステップS120)、処理を終了する。
以上説明した第1実施例の燃料電池システム1000によれば、燃料電池スタック100が備える単セル40の電解質膜、および、水素分離装置200が備える水素透過セル202の電解質膜202mにピンホールが発生したことを、他の故障と分離して精度よく検出することができる。
B.第2実施例:
B1.燃料電池システムの構成:
図5は、本発明の電気化学装置を備える第2実施例としての燃料電池システム1000Aの概略構成を示す説明図である。図1との比較から分かるように、第2実施例の燃料電池システム1000Aの構成は、第1実施例の燃料電池システム1000とほぼ同じである。ただし、第2実施例の燃料電池システム1000Aは、排出配管62に水素濃度センサ63が配設されている。また、水素分離装置200の一部として、循環配管55に窒素濃度センサ210を備えている。また、第2実施例の燃料電池システム1000Aでは、制御ユニット80Aが行うピンホール検出処理の内容が第1実施例と異なっている。
B2.ピンホール検出処理:
燃料電池スタック100、および、水素分離装置200の各セルにおいて、電解質膜にピンホールが発生すると、図3に示したように、セル抵抗が低下する。また、燃料電池スタック100が備える単セル40において、電解質膜にピンホールが発生すると、アノードに供給された水素がカソード側にリークして、カソードオフガスに含まれる水素の濃度が上昇する。また、水素分離装置200の水素透過セル202において、電解質膜202mにピンホールが発生すると、アノード202aに供給された混合ガス中の窒素がカソード202c側にリークして、循環水素に含まれる窒素の濃度が上昇する。本実施例では、上述した電解質膜にピンホールが発生したときのセル抵抗、および、カソードオフガス中の水素濃度または循環水素中の窒素濃度に基づいて、電解質膜にピンホールが発生したか否かを判断する。
図6は、第2実施例の燃料電池システム1000Aにおけるピンホール検出処理の流れを示すフローチャートである。この処理は、制御ユニット80AのCPUが実行する処理である。ここでは、燃料電池スタック100が備える単セル40の電解質膜についてのピンホール検出処理について説明する。なお、本実施例では、水素分離装置200が備える水素透過セル202の電解質膜202mについても、燃料電池スタック100が備える単セル40の電解質膜と同様のピンホール検出処理を行うものとした。ただし、水素分離装置200が備える水素透過セル202の電解質膜202mについてのピンホール検出処理では、水素濃度センサ63によって検出された水素濃度の代わりに、窒素濃度センサ210もよって検出された窒素濃度を用いる。
まず、CPUは、セル抵抗変化率算出部802によって、各単セル40について、抵抗センサによって測定されたセル抵抗の値を順次取得し、セル抵抗の時間的変化率ΔR/Δtを算出する(ステップS200)。
次に、CPUは、判断部806Aによって、ΔR/Δtが正から負に変化したか否かを判断する(ステップS210)。そして、ΔR/Δtが正から負に変化していいない場合には(ステップS210:NO)、CPUは、電解質膜にピンホールが発生していないと判断して、ステップS200に戻る。一方、ΔR/Δtが正から負に変化した場合には(ステップS210:YES)、CPUは、判断部806Aによって、水素濃度センサ63によって検出された水素濃度Dhの値を取得し(ステップS220)、水素濃度Dhが所定の閾値Dth以上であるか否かを判断する(ステップS230)。そして、水素濃度Dhが閾値Dth未満である場合には(ステップS230:NO)、CPUは、電解質膜にピンホールが発生していないと判断して、ステップS200に戻る。一方、水素濃度Dhが閾値Dth以上である場合には(ステップS230:YES)、CPUは、電解質膜にピンホールが発生したと判断して、燃料電池スタック100による発電を停止し(ステップS240)、処理を終了する。
以上説明した第2実施例の燃料電池システム1000Aによっても、燃料電池スタック100が備える単セル40の電解質膜、および、水素分離装置200が備える水素透過セル202の電解質膜202mにピンホールが発生したことを、他の故障と分離して精度よく検出することができる。
C.第3実施例:
C1.燃料電池システムの構成:
図7は、本発明の電気化学装置を備える第3実施例としての燃料電池システム1000Bの概略構成を示す説明図である。図1との比較から分かるように、第3実施例の燃料電池システム1000Bの構成は、第1実施例の燃料電池システム1000とほぼ同じである。ただし、第3実施例の燃料電池システム1000Bは、排出配管62にフッ素イオン濃度センサ64が配設されている。また、水素分離装置200の一部として、排出配管57にフッ素イオン濃度センサ220を備えている。また、第3実施例の燃料電池システム1000Bでは、制御ユニット80Bが行うピンホール検出処理の内容が第1実施例と異なっている。
C2.ピンホール検出処理:
燃料電池スタック100、および、水素分離装置200の各セルにおいて、電解質膜にピンホールが発生すると、図3に示したように、セル抵抗が低下する。また、燃料電池スタック100が備える単セル40において、例えば、局所的な発熱によって電解質膜にピンホールが発生すると、電解質膜を構成する固体高分子(本実施例ではナフィオン)が分解されてフッ素イオン等のイオンが発生する。そして、これらのイオンは、アノードオフガスやカソードオフガスとともにセルから流出する。本実施例では、上述した電解質膜にピンホールが発生したときのセル抵抗、および、オフガス中のフッ素イオン濃度に基づいて、電解質膜にピンホールが発生したか否かを判断する。電解質膜を構成する固体高分子が分解されたときに発生する他のイオンの濃度を検出し、そのイオン濃度に基づいて、電解質膜にピンホールが発生したか否かを判断するものとしてもよい。
図8は、第3実施例の燃料電池システム1000Bにおけるピンホール検出処理の流れを示すフローチャートである。この処理は、制御ユニット80BのCPUが実行する処理である。ここでは、燃料電池スタック100が備える単セル40の電解質膜についてのピンホール検出処理について説明する。なお、本実施例では、水素分離装置200が備える水素透過セル202の電解質膜202mについても、燃料電池スタック100が備える単セル40の電解質膜と同様のピンホール検出処理を行うものとした。
まず、CPUは、セル抵抗変化率算出部802によって、各単セル40について、抵抗センサによって測定されたセル抵抗の値を順次取得し、セル抵抗の時間的変化率ΔR/Δtを算出する(ステップS300)。
次に、CPUは、判断部806Bによって、ΔR/Δtが正から負に変化したか否かを判断する(ステップS310)。そして、ΔR/Δtが正から負に変化していいない場合には(ステップS310:NO)、CPUは、電解質膜にピンホールが発生していないと判断して、ステップS300に戻る。一方、ΔR/Δtが正から負に変化した場合には(ステップS310:YES)、CPUは、判断部806Bによって、フッ素イオン濃度センサ64によって検出されたフッ素イオン濃度Diの値を取得し(ステップS320)、フッ素イオン濃度Diが所定の閾値Dith以上であるか否かを判断する(ステップS330)。そして、フッ素イオン濃度Diが閾値Dith未満である場合には(ステップS330:NO)、CPUは、電解質膜にピンホールが発生していないと判断して、ステップS300に戻る。一方、フッ素イオン濃度Diが閾値Dith以上である場合には(ステップS330:YES)、CPUは、電解質膜にピンホールが発生したと判断して、燃料電池スタック100による発電を停止し(ステップS340)、処理を終了する。
以上説明した第3実施例の燃料電池システム1000Bによっても、燃料電池スタック100が備える単セル40の電解質膜、および、水素分離装置200が備える水素透過セル202の電解質膜202mにピンホールが発生したことを、他の故障と分離して精度よく検出することができる。
D.第4実施例:
D1.燃料電池システムの構成:
図9は、本発明の電気化学装置を備える第4実施例としての燃料電池システム1000Cの概略構成を示す説明図である。図1との比較から分かるように、第4実施例の燃料電池システム1000Cの構成は、第1実施例の燃料電池システム1000とほぼ同じである。ただし、第4実施例の1000C燃料電池システム1000Cは、各単セル40、および、水素透過セル202に電流を流すための電流源90を備えており、また、制御ユニット80Cは、電流源90を制御するためのセル電流制御部808を備えている。また、第4実施例の燃料電池システム1000Cでは、制御ユニット80Cが行うピンホール検出処理の内容が第1実施例と異なっている。
D2.ピンホール検出処理:
燃料電池スタック100、および、水素分離装置200の各セルにおいて、電解質膜にピンホールが発生していない場合、セル抵抗は、電気化学反応に供するガスの拡散速度に起因する抵抗成分と、電気化学反応の反応速度に起因する抵抗成分と、セルのバルク抵抗との和となる。この場合、セル抵抗とセル電圧との関係は、オームの法則に従わない。一方、電解質膜にピンホールが発生した場合には、セル抵抗は、セルのバルク抵抗となり、セル抵抗とセル電圧との関係は、オームの法則に従う。本実施例では、セル抵抗がオームの法則に従うか否かに基づいて、電解質膜にピンホールが発生したか否かを判断する。
図10は、第4実施例の1000C燃料電池システム1000Cにおけるピンホール検出処理の流れを示すフローチャートである。この処理は、制御ユニット80CのCPUが実行する処理である。ここでは、燃料電池スタック100が備える単セル40の電解質膜についてのピンホール検出処理について説明する。なお、本実施例では、水素分離装置200が備える水素透過セル202の電解質膜202mについても、燃料電池スタック100が備える単セル40の電解質膜と同様のピンホール検出処理を行うものとした。
まず、CPUは、各単セル40について、セル電流制御部808によって電流源90を制御して、単セル40に流すセル電流を変化させつつ、判断部806Cによって、抵抗センサによって測定されたセル抵抗、および、電圧センサによって測定されたセル電圧の各値を順次取得する(ステップS400)。本実施例では、セル電流の値をステップ状に変化させるものとした。セル電流の値を連続的に変化させるものとしてもよい。
次に、CPUは、判断部806Cによって、セル抵抗とセル電圧との関係がオームの法則に従っているか否かを判断する(ステップS410)。そして、セル抵抗とセル電圧との関係がオームの法則に従っていない場合には(ステップS410:NO)、CPUは、電解質膜にピンホールが発生していないと判断して、ステップS400に戻る。一方、セル抵抗とセル電圧との関係がオームの法則に従っている場合には(ステップS410:YES)、CPUは、電解質膜にピンホールが発生したと判断して、燃料電池スタック100による発電を停止し(ステップS420)、処理を終了する。
以上説明した第4実施例の燃料電池システム1000Cによっても、燃料電池スタック100が備える単セル40の電解質膜、および、水素分離装置200が備える水素透過セル202の電解質膜202mにピンホールが発生したことを、他の故障と分離して精度よく検出することができる。
E.第5実施例:
E1.燃料電池システムの構成:
図11は、本発明の電気化学装置を備える第5実施例としての燃料電池システム1000Dの概略構成を示す説明図である。図1との比較から分かるように、第5実施例の燃料電池システム1000Dの構成は、第1実施例の燃料電池システム1000とほぼ同じである。ただし、第5実施例の燃料電池システム1000Dでは、制御ユニット80Dが行うピンホール検出処理の内容が第1実施例と異なっている。
E2.ピンホール検出処理:
燃料電池スタック100、および、水素分離装置200の各セルにおいて、電解質膜にピンホールが発生していない場合、セルの開回路電圧、すなわち、無負荷状態のセルのセル電圧は、0(V)よりも大きい所定範囲内の値(例えば、単セル40の場合、約1(V))になる。一方、電解質膜にピンホールが発生すると、セルの開回路電圧は、ほぼ0(V)になる。本実施例では、セルの開回路電圧に基づいて、電解質膜にピンホールが発生したか否かを判断する。
図12は、第5実施例の燃料電池システム1000Dにおけるピンホール検出処理の流れを示すフローチャートである。この処理は、制御ユニット80DのCPUが実行する処理である。ここでは、燃料電池スタック100が備える単セル40の電解質膜についてのピンホール検出処理について説明する。なお、本実施例では、水素分離装置200が備える水素透過セル202の電解質膜202mについても、燃料電池スタック100が備える単セル40の電解質膜と同様のピンホール検出処理を行うものとした。
まず、CPUは、判断部806Dによって、各単セル40について、開回路電圧の値を取得する(ステップS500)。
次に、CPUは、判断部806Dによって、開回路電圧がほぼ0(V)であるか否かを判断する(ステップS510)。そして、単セル40の開回路電圧がほぼ0(V)でない場合、すなわち、0(V)よりも大きい所定値以上である場合には(ステップS510:NO)、CPUは、電解質膜にピンホールが発生していないと判断して、ステップS500に戻る。一方、単セル40の開回路電圧がほぼ0(V)である場合、すなわち、上記所定値未満である場合には(ステップS510:YES)、CPUは、電解質膜にピンホールが発生したと判断して、燃料電池スタック100による発電を停止し(ステップS520)、処理を終了する。
以上説明した第5実施例の燃料電池システム1000Dによっても、燃料電池スタック100が備える単セル40の電解質膜、および、水素分離装置200が備える水素透過セル202の電解質膜202mにピンホールが発生したことを、他の故障と分離して精度よく検出することができる。
F.変形例:
以上、本発明のいくつかの実施の形態について説明したが、本発明はこのような実施の形態になんら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々なる態様での実施が可能である。例えば、以下のような変形が可能である。
F1.変形例1:
第1実施例の燃料電池システム1000に、さらに、第2実施例の燃料電池システム1000Aの一部を適用するようにしてもよい。すなわち、第1変形例の燃料電池システムは、第1実施例の燃料電池システム1000に、さらに、第2実施例の燃料電池システム1000Aにおける水素濃度センサ63、および、窒素濃度センサ210を備えている(図示省略)。そして、第1変形例の燃料電池システムでは、ピンホール検出処理は、以下のように実行される。
図13は、第1変形例の燃料電池システムにおけるピンホール検出処理の流れを示すフローチャートである。第1変形例の燃料電池システムにおけるピンホール検出処理では、図4に示した第1実施例の燃料電池システム1000におけるピンホール検出処理のステップS110において、ΔR/Δt、および、ΔV/Δtが上記条件を満たしている場合に(ステップS110:YES)、CPUは、判断部によって、水素濃度センサ63によって検出された水素濃度Dhの値を取得し(ステップS111)、水素濃度Dhが所定の閾値Dth以上であるか否かを判断する(ステップS112)。そして、水素濃度Dhが閾値Dth未満である場合には(ステップS112:NO)、CPUは、電解質膜にピンホールが発生していないと判断して、ステップS100に戻る。一方、水素濃度Dhが閾値Dth以上である場合には(ステップS112:YES)、CPUは、電解質膜にピンホールが発生したと判断して、燃料電池スタック100による発電を停止し(ステップS120)、処理を終了する。
以上説明した第1変形例の燃料電池システムによれば、燃料電池スタック100が備える単セル40の電解質膜、および、水素分離装置200が備える水素透過セル202の電解質膜202mにピンホールが発生したことを、他の故障と分離して、さらに精度よく検出することができる。
F2.変形例2:
第1実施例の燃料電池システム1000に、さらに、第3実施例の燃料電池システム1000Bの一部を適用するようにしてもよい。すなわち、第2変形例の燃料電池システムは、第1実施例の燃料電池システム1000に、さらに、第3実施例の燃料電池システム1000Bにおけるフッ素イオン濃度センサ64、および、フッ素イオン濃度センサ220を備えている(図示省略)。そして、第2変形例の燃料電池システムでは、ピンホール検出処理は、以下のように実行される。
図14は、第2変形例の燃料電池システムにおけるピンホール検出処理の流れを示すフローチャートである。第2変形例の燃料電池システムにおけるピンホール検出処理では、図4に示した第1実施例の燃料電池システム1000におけるピンホール検出処理のステップS110において、ΔR/Δt、および、ΔV/Δtが上記条件を満たしている場合に(ステップS110:YES)、CPUは、判断部によって、フッ素イオン濃度センサ64によって検出されたフッ素イオン濃度Diの値を取得し(ステップS113)、フッ素イオン濃度Diが所定の閾値Dith以上であるか否かを判断する(ステップS114)。そして、フッ素イオン濃度Diが閾値Dith未満である場合には(ステップS114:NO)、CPUは、電解質膜にピンホールが発生していないと判断して、ステップS100に戻る。一方、フッ素イオン濃度Diが閾値Dith以上である場合には(ステップS114:YES)、CPUは、電解質膜にピンホールが発生したと判断して、燃料電池スタック100による発電を停止し(ステップS120)、処理を終了する。
以上説明した第2変形例の燃料電池システムによっても、燃料電池スタック100が備える単セル40の電解質膜、および、水素分離装置200が備える水素透過セル202の電解質膜202mにピンホールが発生したことを、他の故障と分離して、さらに精度よく検出することができる。
F3.変形例3:
第1実施例の燃料電池システム1000に、さらに、第4実施例の燃料電池システム1000Cの一部を適用するようにしてもよい。すなわち、第3変形例の燃料電池システムは、第1実施例の燃料電池システム1000に、さらに、第4実施例の燃料電池システム1000Cにおける電流源90等を備えている(図示省略)。そして、第3変形例の燃料電池システムでは、ピンホール検出処理は、以下のように実行される。
図15は、第3変形例の燃料電池システムにおけるピンホール検出処理の流れを示すフローチャートである。第3変形例の燃料電池システムにおけるピンホール検出処理では、図4に示した第1実施例の燃料電池システム1000におけるピンホール検出処理のステップS110において、ΔR/Δt、および、ΔV/Δtが上記条件を満たしている場合に(ステップS110:YES)、CPUは、電流源90を制御して、単セル40に流すセル電流を変化させつつ、判断部によって、抵抗センサによって測定されたセル抵抗、および、電圧センサによって測定されたセル電圧の各値を順次取得する(ステップS115)。
次に、CPUは、判断部によって、セル抵抗とセル電圧との関係がオームの法則に従っているか否かを判断する(ステップS116)。そして、セル抵抗とセル電圧との関係がオームの法則に従っていない場合には(ステップS116:NO)、CPUは、電解質膜にピンホールが発生していないと判断して、ステップS100に戻る。一方、セル抵抗とセル電圧との関係がオームの法則に従っている場合には(ステップS116:YES)、CPUは、電解質膜にピンホールが発生したと判断して、燃料電池スタック100による発電を停止し(ステップS120)、処理を終了する。
以上説明した第3変形例の燃料電池システムによっても、燃料電池スタック100が備える単セル40の電解質膜、および、水素分離装置200が備える水素透過セル202の電解質膜202mにピンホールが発生したことを、他の故障と分離して、さらに精度よく検出することができる。
F4.変形例4:
第1実施例の燃料電池システム1000に、さらに、第5実施例の燃料電池システム1000Dの一部を適用するようにしてもよい。そして、第4変形例の燃料電池システムでは、ピンホール検出処理は、以下のように実行される。
図16は、第4変形例の燃料電池システムにおけるピンホール検出処理の流れを示すフローチャートである。第4変形例の燃料電池システムにおけるピンホール検出処理では、図4に示した第1実施例の燃料電池システム1000におけるピンホール検出処理のステップS110において、ΔR/Δt、および、ΔV/Δtが上記条件を満たしている場合に(ステップS110:YES)、CPUは、判断部によって、各単セル40について、開回路電圧の値を取得する(ステップS117)。
次に、CPUは、判断部によって、開回路電圧がほぼ0(V)であるか否かを判断する(ステップS118)。単セル40の開回路電圧がほぼ0(V)でない場合、すなわち、0(V)よりも大きい所定値以上である場合には(ステップS118:NO)、CPUは、電解質膜にピンホールが発生していないと判断して、ステップS100に戻る。一方、単セル40の開回路電圧がほぼ0(V)である場合、すなわち、上記所定値未満である場合には(ステップS118:YES)、CPUは、電解質膜にピンホールが発生したと判断して、燃料電池スタック100による発電を停止し(ステップS120)、処理を終了する。
以上説明した第4変形例の燃料電池システムによっても、燃料電池スタック100が備える単セル40の電解質膜、および、水素分離装置200が備える水素透過セル202の電解質膜202mにピンホールが発生したことを、他の故障と分離して、さらに精度よく検出することができる。
F5.変形例5:
上述した第1ないし第4変形例と同様に、第1ないし第5実施例の特徴部分を組み合わせることも可能である。
F6.変形例6:
上記実施例、および、変形例では、燃料電池スタック100が備える単セル40の電解質膜、および、水素分離装置200が備える水素透過セル202の電解質膜202mについて、同様のピンホール検出処理を行うものとしたが、両者について、互いに異なるピンホール検出処理を行うものとしてもよい。
F7.変形例7:
上記実施例、および、変形例では、本発明の電気化学装置を、燃料電池システム、および、水素分離装置に適用した場合について説明したが、本発明は、これに限られない。本発明は、一般に、固体高分子からなる電解質膜を備える電気化学セルを用いた種々の電気化学装置に適用可能である。
本発明の電気化学装置を備える第1実施例としての燃料電池システム1000の概略構成を示す説明図である。 水素分離装置200の概略構成を模式的に示す説明図である。 電解質膜にピンホールが発生するときのセル抵抗、および、セル電圧の挙動を示す説明図である。 第1実施例の燃料電池システム1000におけるピンホール検出処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の電気化学装置を備える第2実施例としての燃料電池システム1000Aの概略構成を示す説明図である。 第2実施例の燃料電池システム1000Aにおけるピンホール検出処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の電気化学装置を備える第3実施例としての燃料電池システム1000Bの概略構成を示す説明図である。 第3実施例の燃料電池システム1000Bにおけるピンホール検出処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の電気化学装置を備える第4実施例としての燃料電池システム1000Cの概略構成を示す説明図である。 第4実施例の1000C燃料電池システム1000Cにおけるピンホール検出処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の電気化学装置を備える第5実施例としての燃料電池システム1000Dの概略構成を示す説明図である。 第5実施例の燃料電池システム1000Dにおけるピンホール検出処理の流れを示すフローチャートである。 第1変形例の燃料電池システムにおけるピンホール検出処理の流れを示すフローチャートである。 第2変形例の燃料電池システムにおけるピンホール検出処理の流れを示すフローチャートである。 第3変形例の燃料電池システムにおけるピンホール検出処理の流れを示すフローチャートである。 第4変形例の燃料電池システムにおけるピンホール検出処理の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
1000,1000A,1000B,1000C,1000D…燃料電池システム
100…燃料電池スタック
10a,10b…エンドプレート
20a,20b…絶縁板
30a,30b…集電板
40…単セル
50…水素タンク
51…シャットバルブ
52…レギュレータ
53,54…配管
55…循環配管
56…ポンプ
57…排出配管
58…排気バルブ
60…エアコンプレッサ
61…配管
62…排出配管
63…水素濃度センサ
64…フッ素イオン濃度センサ
70…ポンプ
71…ラジエータ
72…配管
80,80A,80B,80C,80D…制御ユニット
802…セル抵抗変化率算出部
804…セル電圧変化率算出部
806,806A,806B,806C,806D…判断部
808…セル電流制御部
90…電流源
200…水素分離装置
202…水素透過セル
202a…アノード
202c…カソード
202m…電解質膜
204…電圧源
210…窒素濃度センサ
220…フッ素イオン濃度センサ

Claims (11)

  1. 電気化学装置であって、
    固体高分子からなる電解質膜の両面に、それぞれ、アノード、および、カソードを接合した電気化学セルと、
    前記アノードと前記カソードとの間の抵抗であるセル抵抗を測定するセル抵抗測定部と、
    前記セル抵抗の時間的変化率を算出するセル抵抗変化率算出部と、
    前記アノードと前記カソードとの間の電圧であるセル電圧を測定するセル電圧測定部と、
    前記セル電圧の時間的変化率を算出するセル電圧変化率算出部と、
    前記セル抵抗の時間的変化率が正から負に変化し、かつ、前記セル電圧の時間的変化率が負から正に変化したときに、前記電解質膜にピンホールが発生したと判断する判断部と、
    を備える電気化学装置。
  2. 請求項1記載の電気化学装置であって、
    さらに、は前記カソードから排出されるオフガスに含まれる所定のガスの濃度を検出するガス濃度検出部を備え、
    前記判断部は、前記セル抵抗の時間的変化率が正から負に変化し、かつ、前記セル電圧の時間的変化率が負から正に変化したときであって、さらに、前記ガス濃度検出部によって検出された前記所定のガスの濃度が所定の閾値以上である場合に、前記電解質膜にピンホールが発生したと判断する、
    電気化学装置。
  3. 請求項1記載の電気化学装置であって、
    さらに、前記アノードまたは前記カソードから排出されるオフガスに含まれる所定のイオンの濃度を検出するイオン濃度検出部を備え、
    前記判断部は、前記セル抵抗の時間的変化率が正から負に変化し、かつ、前記セル電圧の時間的変化率が負から正に変化したときであって、さらに、前記イオン濃度検出部によって検出された前記イオンの濃度が所定の閾値以上である場合に、前記電解質膜にピンホールが発生したと判断する、
    電気化学装置。
  4. 請求項1記載の電気化学装置であって、
    前記判断部は、前記セル抵抗の時間的変化率が正から負に変化し、かつ、前記セル電圧の時間的変化率が負から正に変化したときに、前記セル抵抗と前記セル電圧との関係がオームの法則に従っているか否かを判断し、前記セル抵抗と前記セル電圧との関係がオームの法則に従っている場合に、前記電解質膜にピンホールが発生したと判断する、
    電気化学装置。
  5. 請求項1記載の電気化学装置であって、
    さらに、前記電気化学セルの開回路電圧を測定する開回路電圧測定部を備え、
    前記判断部は、前記セル抵抗の時間的変化率が正から負に変化し、かつ、前記セル電圧の時間的変化率が負から正に変化したときであって、さらに、前記開回路電圧がほぼ0(V)であるときに、前記電解質膜にピンホールが発生していると判断する、
    電気化学装置。
  6. 電気化学装置であって、
    固体高分子からなる電解質膜の両面に、それぞれ、アノード、および、カソードを接合した電気化学セルと、
    前記アノードと前記カソードとの間の抵抗であるセル抵抗を測定するセル抵抗測定部と、
    前記セル抵抗の時間的変化率を算出するセル抵抗変化率算出部と、
    前記カソードから排出されるオフガスに含まれる所定のガスの濃度を検出するガス濃度検出部と、
    前記セル抵抗の時間的変化率が正から負に変化し、かつ、前記燃料ガス濃度検出部によって検出された前記所定のガスの濃度が所定の閾値以上であるときに、前記電解質膜にピンホールが発生したと判断する判断部と、
    を備える電気化学装置。
  7. 電気化学装置であって、
    固体高分子からなる電解質膜の両面に、それぞれ、アノード、および、カソードを接合した電気化学セルと、
    前記アノードと前記カソードとの間の抵抗であるセル抵抗を測定するセル抵抗測定部と、
    前記セル抵抗の時間的変化率を算出するセル抵抗変化率算出部と、
    前記アノードまたは前記カソードから排出されるオフガスに含まれる所定のイオンの濃度を検出するイオン濃度検出部と、
    前記セル抵抗の時間的変化率が正から負に変化し、かつ、前記イオン濃度検出部によって検出された前記イオンの濃度が所定の閾値以上であるときに、前記電解質膜にピンホールが発生したと判断する判断部と、
    を備える電気化学装置。
  8. 電気化学装置であって、
    固体高分子からなる電解質膜の両面に、それぞれ、アノード、および、カソードを接合した電気化学セルと、
    前記アノードと前記カソードとの間の抵抗であるセル抵抗を測定するセル抵抗測定部と、
    前記アノードと前記カソードとの間の電圧であるセル電圧を測定するセル電圧測定部と、
    前記セル抵抗と前記セル電圧との関係がオームの法則に従っているときに、前記電解質膜にピンホールが発生していると判断する判断部と、
    を備える電気化学装置。
  9. 電気化学装置であって、
    固体高分子からなる電解質膜の両面に、それぞれ、アノード、および、カソードを接合した電気化学セルと、
    前記電気化学セルの開回路電圧を測定する開回路電圧測定部と、
    前記開回路電圧がほぼ0(V)であるときに、前記電解質膜にピンホールが発生していると判断する判断部と、
    を備える電気化学装置。
  10. 請求項1ないし9のいずれかに記載の電気化学装置であって、
    前記電気化学セルは、燃料電池であり、
    前記電気化学装置は、
    前記アノードに、燃料ガスを供給する燃料ガス供給部と、
    前記カソードに、酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給部と、
    を備える電気化学装置。
  11. 請求項1ないし9のいずれかに記載の電気化学装置であって、
    前記アノードと前記カソードとの間に電圧を印加する電圧源と、
    前記アノードに、水素を含む混合ガスを導入する混合ガス導入部と、
    前記アノードから前記電解質膜を介して前記カソードに選択的に透過した水素を他の装置に供給する水素供給部と、
    を備える電気化学装置。
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