JP2009170229A - 燃料電池の製造方法、燃料電池システム、燃料電池 - Google Patents

燃料電池の製造方法、燃料電池システム、燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】好適な運転制御を行える燃料電池の提供。
【解決手段】まず、同一の材質、同一構造の複数のセル20を用意し、各々のセル20のアノード圧損を測定する。次に、測定を行った全てのセル20の中から、製造公差により最もアノード圧損の大きいセル20maxを選別する。そして、セル20maxに隣接して電流測定板40を設けて、複数のセル20を積層し、さらに、積層されたセル群20sの積層方向の両側を、集電板52a,52b、インシュレータ54a,54b、エンドプレート56a,56bで挟持して、燃料電池10を組み立てる。
【選択図】図7

Description

本発明は、複数のセルが積層された燃料電池の製造方法及び燃料電池システムもしくは燃料電池に関する。
燃料電池は、例えば、電解質膜・電極接合体、ガス拡散層、セパレータが積層された最小の発電単位であるセルが、複数積層されて構成される。このような燃料電池の運転においては、一つでもセルの発電性能が低下すると、燃料電池全体の性能低下を招いてしまうことがある。そこで、セルの発電状況を監視する種々の技術が開発されている。
特開2005−166498号公報 特開2002−520778号公報
上記特許文献1では、セル内の水素不足が発生しやすい部位を流れる局所電流を測定し、これをパラメータとして水素排出弁を制御することで、アノードにおいて、窒素や水蒸気が滞留して水素濃度が低下することを防止する技術を開示している。
また、上記特許文献2では、通常の性能を発揮できる複数のセルに、他のセルとは異なる構造のセル、例えば、電極の触媒添加量を少なくして、発電性能を作為的に低下させたセル(ここでは「センサーセル」という)を加えて積層し、このセンサーセルの電流変化を監視する技術を開示している。かかる技術によれば、最も発電性能の低いセンサーセルを監視し、それに基づいて燃料電池の運転を制御することにより、全てのセルの発電性能が一定レベル以上となる範囲で制御することができる。
しかしながら、特許文献1の技術では、多数のセルを積層して燃料電池を構成する場合において、全てのセルの局所電流を測定することは、装置の高コスト化や制御の複雑化を招いていた。逆に、多数のセルのうち、一部分のセルについてのみ局所電流を測定する構成では、全てのセルで水素濃度が低下していないことを保証し得えず、燃料電池全体を好適に運転制御できなかった。
また、特許文献2の技術では、センサーセルは、他のセルと異なった構造を持つこととなるために、異なった製造ラインや異なった部品管理が必要となり、高コスト化の要因となっていた。また、作為的に発電性能を低下させたセルを用いることにより、当該セルがネックとなって、燃料電池全体の発電性能を低下させたり、他のセルにとっては過剰な運転条件となることから、非効率な運転となったりすることが問題となっていた。
上述の問題の少なくとも一部を考慮し、本発明が解決しようとする課題は、好適な運転制御を行える燃料電池を提供することである。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]複数のセルが積層された燃料電池の製造方法であって、
前記複数のセルを用意し、該複数のセルの各々について所定の性能を測定する工程と、
該測定の結果に基づいて、前記複数のセルの中から前記所定の性能が低い側に偏った低性能セルを選別する工程と、
前記低性能セルに、該低性能セルにおける発電の状況を把握可能なモニタリング手段を設ける工程と、
前記複数のセルを積層する工程と
を備えた燃料電池の製造方法。
かかる製造方法で製造した燃料電池は、用意した複数のセルの中で所定の性能が低い側に偏った低性能セルの発電の状況を把握することができる。低性能セルで良好な発電が行われていれば、他のセルでも良好な発電が行われていると推測することができるので、低性能セルにおける発電の状況に基づいて発電制御を行えば、簡単かつ効率的に、燃料電池全体の発電制御を行うことができる。また、作為的に性能を他のセルよりも低下させて、低性能セルを製造するわけではないので、低性能セルが燃料電池全体に悪影響を与えることがない。
[適用例2]適用例1記載の燃料電池の製造方法であって、所定の性能は、セルを構成するアノードの圧損であり、低性能セルは、アノードの圧損が大きい側に偏ったセルである燃料電池の製造方法。
かかる製造方法で製造した燃料電池は、低性能セルのアノードの圧損が大きいので、低性能セルに燃料ガス不足が生じやすい。燃料ガス不足により、発電の状況は悪化するので、低性能セルの発電の状況を把握することにより、燃料電池全体について、簡単かつ効率的に、燃料ガスの供給制御を行うことができる。
[適用例3]適用例1または適用例2記載の燃料電池の製造方法であって、所定の性能は、セルを構成するカソードの圧損であり、低性能セルは、カソードの圧損が大きい側に偏ったセルである燃料電池の製造方法。
かかる製造方法で製造した燃料電池は、低性能セルのカソードの圧損が大きいので、低性能セルに酸化ガス不足が生じやすい。酸化ガス不足により発電の状況は悪化するので、低性能セルの発電の状況を把握することにより、燃料電池全体について、簡単かつ効率的に、酸化ガスの供給制御を行うことができる。
[適用例4]適用例1ないし適用例3のいずれか記載の燃料電池の製造方法であって、所定の性能は、セルを構成する冷却水流路の圧損であり、低性能セルは、冷却水流路の圧損が大きい側に偏ったセルである燃料電池の製造方法。
かかる製造方法で製造した燃料電池は、冷却水路の圧損が大きいので、低性能セルに供給される冷却水流量が相対的に少なくなり、運転温度の高温化が生じやすい。したがって、低性能セルの発電の状況を把握することにより、燃料電池全体について、簡単かつ効率的に、運転温度の制御を行うことができる。
[適用例5]適用例1ないし適用例4記載の燃料電池の製造方法であって、所定の性能は、セルを構成する電解質膜の不純物透過性であり、低性能セルは、電解質膜の不純物透過性が大きい側に偏ったセルである燃料電池の製造方法。
かかる製造方法で製造した燃料電池は、電解質膜の不純物透過性が大きいので、カソードからアノードへ不純物が移動して、低性能セルに燃料ガス濃度の低下が生じやすい。燃料ガス濃度の低下により発電の状況は悪化するので、低性能セルの発電の状況を把握することにより、燃料電池全体について、簡単かつ効率的に、燃料ガス濃度の制御を行うことができる。
[適用例6]低性能セルは、積層される複数のセルの中で、所定の性能が最も低いセルである適用例1ないし適用例5のいずれか記載の燃料電池の製造方法。
かかる製造方法で製造した燃料電池は、所定の性能が最も低いセルを低性能セルとしているので、低性能セルに基づく他のセルの発電状況の推測精度を向上させることができる。
[適用例7]モニタリング手段は、低性能セルに流れる電流分布を検知する手段である適用例1ないし適用例6のいずれか記載の燃料電池の製造方法。
かかる製造方法で製造した燃料電池は、低性能セルに流れる電流分布を検知するので、発電の状況を詳細かつ的確に把握することができる。
[適用例8]モニタリング手段は、低性能セルに流れる電流値を検知する手段である適用例1ないし適用例6のいずれか記載の燃料電池の製造方法。
かかる製造方法で製造した燃料電池は、低性能セルに流れる電流値を検知するので、発電の状況を的確に把握することができる。
[適用例9]モニタリング手段は、低性能セルのうち、発電のための条件が相対的に悪くなる発電部位を局所的にモニタリング可能である適用例1ないし適用例8のいずれか記載の燃料電池の製造方法。
かかる製造方法で製造した燃料電池は、所定の性能が相対的に低い低性能セルの中で、発電のための条件が悪くなる発電部位を局所的にモニタリングできるので、低性能セルに基づく他のセルの発電状況の推測精度を向上させることができる。
[適用例10]低性能セルは、複数のセルの積層方向の端部に配置されて積層される適用例1ないし適用例9のいずれか記載の燃料電池の製造方法。
かかる燃料電池の製造方法は、複数のセルを積層した後に、モニタリング手段を取り付けることができるので、複数のセルの積層が容易であり、効率的である。
[適用例11]複数のセルが積層された燃料電池の製造方法であって、複数のセルを構成する所定数のセルと、所定数のセルが備える電解質膜と比べて不純物透過性が大きい側へ偏った電解質膜を備えた低性能セルとを用意する工程と、低性能セルに、低性能セルにおける発電の状況を把握可能なモニタリング手段を設ける工程と、複数のセルを積層する工程とを備えた燃料電池の製造方法。
かかる製造方法で製造した燃料電池は、他のセルと比べて不純物透過性が大きい側へ偏った電解質膜を備えた低性能セルを含めて積層され、当該低性能セルの発電の状況を把握することができる。低性能セルでは、カソードからアノードへ不純物が移動して、燃料ガス濃度が低下するので、低性能セルで良好な発電が行われていれば、他のセルでも良好な発電が行われていると推測することができる。したがって、低性能セルにおける発電の状況に基づいて発電制御を行えば、簡単かつ効率的に、燃料電池全体の発電制御を行うことができる。
[適用例12]モニタリング手段は、低性能セルに流れる電流分布を検知する手段である適用例11記載の燃料電池の製造方法。
かかる製造方法で製造した燃料電池は、低性能セルに流れる電流値を検知するので、発電の状況を詳細かつ的確に把握することができる。
[適用例13]モニタリング手段は、低性能セルに流れる電流値を検知する手段である適用例11記載の燃料電池の製造方法。
かかる製造方法で製造した燃料電池は、低性能セルに流れる電流値を検知するので、発電の状況を的確に把握することができる。
[適用例14]モニタリング手段は、低性能セルのうち、発電のための条件が相対的に悪くなる発電部位を局所的にモニタリング可能である適用例11ないし適用例13のいずれか記載の燃料電池の製造方法。
かかる製造方法で製造した燃料電池は、電解質膜の不純物透過性が最も大きい低性能セルの中で、発電のための条件が悪くなる発電部位を局所的にモニタリングできるので、低性能セルに基づく他のセルの発電状況の推測精度を向上させることができる。
[適用例15]低性能セルは、複数のセルの積層方向の端部に配置されて積層される適用例11ないし適用例14のいずれか記載の燃料電池の製造方法。
かかる燃料電池の製造方法は、複数のセルを積層した後に、モニタリング手段を取り付けることができるので、複数のセルの積層が容易であり、効率的である。
なお、本発明は、以下に記述する適用例16の燃料電池システム、適用例17の燃料電池としても構成することができる。
[適用例16]燃料電池システムであって、所定数のセルと、所定数のセルが備える電解質膜と比べて不純物透過性が大きい側に偏った電解質膜を備えた低性能セルとが積層された燃料電池と、低性能セルの発電の状況を把握可能なモニタリング手段と、モニタリング手段によるモニタリング結果に基づいて、燃料電池の発電を制御する制御手段とを備えた燃料電池システム。
[適用例17]燃料電池であって、所定数のセルと、所定数のセルが備える電解質膜と比べて不純物透過性が大きい側に偏った電解質膜を備えた低性能セルとが積層された燃料電池と、低性能セルの発電の状況を把握可能なモニタリング手段とを備えた燃料電池。
A.実施例:
本発明の実施例について説明する。
A−1.燃料電池システムの概略構成:
図1は、本発明の実施例としての燃料電池システム100の概略構成を示す説明図である。燃料電池システム100は、電気化学反応により発電を行う燃料電池10、燃料電池10に燃料ガスを供給・排出する燃料ガス系機器60、燃料電池10に酸化ガスを供給・排出する酸化ガス系機器70、燃料電池10を冷却する冷却系機器80、燃料電池システム100を制御する制御ユニット90を備えている。
燃料電池10は、固体高分子形燃料電池であり、電解質膜とアノード及びカソードとで形成される電解質膜・電極接合体に、燃料ガスとしての水素と酸化ガスとしての空気とを供給して、電気化学反応によって発電を行う。燃料電池10の詳細については、「A−2.燃料電池の概略構成」で後述する。
燃料ガス系機器60は、水素タンク61、シャットバルブ62、レギュレータ63、気液分離器66、循環ポンプ68、パージ弁69と配管64,65,67a,67bによって構成される。水素タンク61に貯蔵された高圧水素は、シャットバルブ62、レギュレータ63によって圧力及び供給量が調整されて、配管64を介して燃料電池10のアノードに燃料ガスとして供給される。そして、アノードからの排ガス(以下、アノードオフガスと呼ぶ)は、配管65を介して気液分離器66に導かれ、アノードオフガスに含まれる水と、発電で消費されなかった残留水素とを分離する。気液分離器66によって分離された水素は、配管67a、循環ポンプ68及び配管64を介して燃料電池10に再循環される。
また、気液分離器66と循環ポンプ68との間には、配管67bが分岐して接続されており、この配管67bには、パージ弁69が配設されている。上述のアノードオフガスの再循環の際には、このパージ弁69は、通常、閉じられているが、所定のタイミングで開弁することで、アノードオフガスを、配管67bを介して後述する希釈器76に導入し、さらに系外に排出することで、窒素ガスや水蒸気などの不純物がカソード側から電解質膜を透過してアノード側へ移動することにより、アノード側の不純物濃度が上昇することを抑えている。
酸化ガス系機器70は、エアクリーナ71、エアコンプレッサ72、希釈器76、配管73,74,77によって構成される。エアクリーナ71から吸入された空気は、エアコンプレッサ72によって圧縮され、配管73を介して燃料電池10のカソードに酸化ガスとして供給される。カソードからの排ガス(以下、カソードオフガスと呼ぶ)は、配管74を介して希釈器76に導入される。
この希釈器76では、カソードオフガスと、上述の所定のタイミングで希釈器76に導入されるアノードオフガスとを混合することによって、アノードオフガスに含まれる水素の濃度が希釈される。希釈器76から排出された排出ガスは、配管77を介して、燃料電池システム100の系外へ排出される。
冷却系機器80は、ラジエータ81、循環ポンプ82、配管83によって構成される。冷却水は、配管83を介して循環ポンプ82によって燃料電池10とラジエータ81との間を循環する。これにより、燃料電池10で電気化学反応に伴う発熱を吸収し、ラジエータ81で放熱することで、燃料電池10の温度を適正に保つことができる。
制御ユニット90は、内部にCPU、RAM、ROMを備えるマイクロコンピュータとして構成されており、ROMに記憶されたプログラムをRAMに展開して実行することで、出力要求95と各種センサ97からの信号を受けて、レギュレータ63、エアコンプレッサ72、パージ弁69や燃料電池システム100の図示しない各種アクチュエータ96に駆動信号を出力し、システムの運転全体を制御する。また、制御ユニット90は、監視部92や運転制御部94としても機能する。この監視部92及び運転制御部94の詳細については、「A−3.燃料電池システムの制御方法」で後述する。
A−2.燃料電池の概略構成:
燃料電池10の概略構成を図2に示す。図示するように、燃料電池10は、発電反応を司る最小単位であるセル20を複数積層したセル群20sの両端を集電板52a,52b、インシュレータ54a,54b、エンドプレート56a,56bで挟持して構成される。
このセル20の積層方向の断面構成を図3に示す。図示するとおり、セル20は、電解質膜21の両面にアノード22a、カソード22bが形成された電解質膜・電極接合体23の両面を、ガス拡散層24a,24b及びセパレータ26a,26bで挟持して形成される。
電解質膜21は、湿潤状態でプロトン伝導性を示す固体高分子よりなる。アノード22a及びカソード22bは、導電性を有する担体上に触媒を担持させた電極であり、本実施例においては、白金触媒を担持したカーボン粒子と、電解質膜21を構成する高分子電解質と同質の電解質とを備えている。
ガス拡散層24a及び24bは、電気化学反応に供されるガスの流路となると共に、集電を行なう部位であり、ガス透過性を有する導電性部材、例えば、カーボンペーパやカーボンクロス、あるいは金属メッシュや発泡金属によって形成することができる。かかるガス拡散層24a及び24bは、上述の電解質膜・電極接合体23と併せて、MEGA25を形成する。
セパレータ26a及び26bは、ガス不透過な導電性部材、例えば圧縮カーボンやステンレス鋼から成る部材によって形成される。セパレータ26a及び26bは、それぞれの両面に所定の凹凸形状を有している。この凹凸形状によって、セパレータ26aとガス拡散層24aとの間には、水素を含有する燃料ガスが流れる燃料ガス流路27が形成される。同様に、セパレータ26bとガス拡散層24bとの間には、酸素を含有する酸化ガスが流れる酸化ガス流路28が形成される。また、セパレータ26aの燃料ガス流路27とは反対の面と、セパレータ26bの酸化ガス流路28とは反対の面とには、図示していない断面において、溝が形成されている。この溝は、セパレータ26aと隣接するセルのセパレータ26bとが当接することにより、電気化学反応により発熱を伴う電解質・電極接合体23の温度を調節する冷却水が流れる冷却水流路として機能する。
また、セル20の積層面の断面構成を図4に示す。図4(a)は、セパレータ26a部分の所定の断面を示す説明図である。セパレータ26aの外周部には、セル20の積層方向にセル20を貫通する燃料ガス供給マニホールド31、燃料ガス排出マニホールド32、酸化ガス供給マニホールド33、酸化ガス排出マニホールド34、冷却水供給マニホールド35及び冷却水排出マニホールド36が形成されている。また、燃料ガス供給マニホールド31、燃料ガス排出マニホールド32には、それぞれ連通する燃料ガス連絡流路37、38が形成されている。
図4(b)は、MEGA25部分の所定の断面を示す説明図である。図示するように、上述のMEGA25は、その周囲に配置されたガスケット39と一体的に形成されている。そして、ガスケット39には、上述の燃料ガス供給マニホールド31、燃料ガス排出マニホールド32、酸化ガス供給マニホールド33、酸化ガス排出マニホールド34、冷却水供給マニホールド35及び冷却水排出マニホールド36が形成されている。
燃料ガス供給マニホールド31に供給された燃料ガスは、セパレータ26aの燃料ガス連絡流路37を通って、図示しない他の断面から上述の燃料ガス流路27に流入する。そして、MEGA25に燃料ガスを供給しながら、燃料ガス流路27内を図中の上方から下方へ流れた後、図示しない他の断面から燃料ガス連絡流路38に排出され、さらに、燃料ガス排出マニホールド32に排出される。同様に、酸化ガス供給マニホールド33に供給された酸化ガスは、図示しない断面に形成された連絡流路を介して酸化ガス流路28に流入し、酸化ガス流路28内を図中の下方向から上方向へ流れた後、酸化ガス排出マニホールド34に排出される。冷却水供給マニホールド35に供給された冷却水についても、セパレータ26aと隣接するセルのセパレータ26bとにより形成された冷却水流路を流れ、冷却水排出マニホールド36に排出される。
ここで説明を図2に戻す。燃料電池10を構成するセル群20sの積層方向の一方の端部には、セル群20sの中で最もアノード圧損が大きなセル20maxが配置されている。このセル20maxは、言い換えれば、燃料ガスが最も行き届きにくいセルであり、燃料ガスの供給性から見れば、最も性能が低いセルである。セル20maxと他のセルとのアノード圧損の差は、製造公差によるものである。そして、このセル20maxには、隣接して電流測定板40が設けられている。なお、セル20maxは、請求項の低性能セルに該当する。
上述の電流測定板40の構成を図5に示す。図示するように、電流測定板40は、導電部材42と、その外周に配置されたガスケット39とを備えている。上述したセル20maxにおける燃料ガス流路27の最下流部に対応する箇所では、導電部材42は、絶縁部材44により、監視区画42aと非監視区画42bとに電気的に分離されている。
ここで、セル20maxの燃料ガス流路27に供給された燃料ガスは、電解質膜・電極接合体23で順次消費されながら、燃料ガス流路27を下流側に流れる。一方で、酸化ガス流路28を介してカソード22bに供給された酸化ガスは、窒素、水蒸気などの不純物を含んでおり、これらの一部が電解質膜21を透過して、アノード22a側に移行する。したがって、燃料ガス流路27では、下流側に向かうに従って、燃料ガスの濃度が低下していく。その結果、上述の監視区画42aは、発電のための条件である燃料ガスの濃度が最も低下する箇所、すなわち、電解質膜・電極接合体23のうち、燃料ガスの供給不足により最初に発電性能が低下する部位に対応する箇所である。
上述の監視区画42aの両面には電圧計46が接続されており、両面間の電位差を検出可能となっている。監視区画42aの抵抗値は既知であるので、監視区画42aの両面間の電位差から、監視区画42aを流れる局部電流値を把握することができる。すなわち、セル20maxの電解質膜・電極接合体23のうち、監視区画42aに対応する部位における発電の状況を把握することができる。
また、監視区画42aは、セル20maxにおいて最も燃料ガス不足が生じやすい区画であるので、この監視区画42aを監視することによって、セル20max全体について燃料ガス不足が生じているか否かを判断することができる。さらに、セル20maxは、セル群20sの中で最もアノード圧損の高いセル、すなわち、最も燃料ガス不足が生じやすいセルであるので、上述の判断の信頼性を高めることができる。このようにセル群20sの中で相対的に発電のための条件が悪い発電部位に対応する箇所を局所的に監視することによって、簡単かつ効率的に、セル群20s全体の発電の状況を監視することができる。
なお、本実施例においては、電圧計46を用いて監視区画42aの局部電流値を監視することで、セル20maxにおける発電の状況を把握する構成としたが、このような構成に限られるものではなく、種々の構成とすることが可能である。例えば、ホール素子を用いた電流センサなど、他の電流測定手段を用いてもよいし、電圧により発電の状況を把握する構成としてもよい。あるいは、燃料ガスの濃度センサを燃料ガス流路に設けて、燃料ガス濃度から発電の状況を推測する構成としてもよい。
また、電流測定板40は、必ずしもセル群20sの積層方向の端部に配置される必要はなく、セル群20sの積層途中に配置されてもよい。
A−3.燃料電池システムの運転制御方法:
上述の燃料電池システム100の運転制御方法について説明する。燃料電池システム100の制御ユニット90は、監視部92の処理として、電圧計46を用いて、監視区画42aの局部電流値を監視している。そして、図6(a)の時間T1に示すように、局部電流値が所定値以下まで低下すると、少なくとも監視区画42aにおいて燃料ガス不足が生じていると判断できる。そこで、制御ユニット90は、運転制御部94の処理として、それまで閉じていたパージ弁69を所定時間開いて(図6(b)の時間T1)、アノードオフガスの系外排気量を増加させる(図6(c)の時間T1)。これにより、監視区画42aに対応する箇所のMEGA25に滞留し、燃料ガス濃度低下を引き起こしていた窒素等の不純物質が当該箇所から排出される。その結果、図6(d)に示すように、監視区画42aに対応する箇所のMEGA25の燃料ガス濃度は上昇し、それに伴い、監視区画42aの局部電流値も増加する。その時点で、制御ユニット90は、図6(b)に示すように、再びパージ弁69を閉じる。その後、制御ユニット90は、監視区画42aの局部電流値が所定値以下に低下する度に、上述の制御を繰り返す。
かかる運転制御方法は、セル群20sの中で燃料ガスが最も不足しやすいセル20maxの、最も燃料ガスが不足しやすい発電部位に対応する監視区画42aの局部電流値に基づいて、セル群20sに供給する燃料ガスの濃度を制御する。したがって、簡単な方法で、セル群20sを構成するいずれのセルのいずれの箇所にも燃料ガス不足が生じないように制御することができる。
A−4.燃料電池の製造方法:
上述の燃料電池10の製造方法について図7を用いて説明する。燃料電池10を製造するには、まず、複数のセル20を用意する(ステップS110)。本実施例においては、これらのセル20は、全て同一の材質からなり、同一の構造を有するものである。なお、これらのセル20の全てが同一材質、かつ、同一構造である必要は必ずしもない。
次に、各セル20のアノード圧損を測定する(ステップS120)。具体的には、例えば、セル20の燃料ガス供給マニホールド31と、燃料ガス排出マニホールド32とを所定のガス供給・排出装置に接続する。そして、所定のガス(例えば空気)を供給して、燃料ガス流路27の入口部と出口部との気圧差を測定する。このような操作を全てのセル20に対して行うのである。
次に、測定を行った全てのセル20の中から、測定した気圧差が最も大きい、すなわち、最もアノード圧損の大きいセル20maxを選別する(ステップS130)。なお、上記ステップS110で用意した複数のセル20は、同一材質、同一構造であるから、各セル20のアノード圧損の差は、製造公差によるものである。
そして、セル20maxに隣接して電流測定板40を設けて、複数のセル20を積層し、さらに、積層されたセル群20sの積層方向の両側を集電板52a,52b、インシュレータ54a,54b、エンドプレート56a,56bで挟持して、燃料電池10を組み立てる(ステップS140)。こうして、燃料電池10の製造は完了となる。
なお、本実施例においては、図2で示したように、セル20max及び電流測定板40は、セル20maxが、セル群20sの積層方向の端部に配置されるように配置するものとした。このように配置することで、セル群20sの積層が行いやすく、効率的な製造を行うことができる。また、電流測定板40の一方の面は、電気化学反応により発熱するセル20と隣接しないので、セル20max及び電流測定板40をセル群20sの積層途中に配置して、電流測定板40の両面がセル20と隣接する構成と比べて、熱の影響を受けにくいことから、監視区画42aの抵抗値が温度変化により変化しにくく、安定した電流監視を行うことができる。ただし、上述の通り、セル20max及び電流測定板40は、セル群20sの積層途中に配置されてもよい。
また、本実施例においては、セル20maxに電流測定板40を設けた後に、複数のセル20を積層したが、工程の順序は、これに限られるものではない。セル20maxを含むセル群20sを積層した後に、セル20maxに電流測定板40を設けてもよい。
かかる燃料電池10の製造方法により製造された燃料電池10は、セル群20sを構成する各々のセル20の製造公差を利用して、燃料ガス不足が最も生じやすいセル20の、最も生じやすい箇所の発電の状況を監視できる。したがって、他のセルよりも作為的に性能を低下させたセルをモニターセルとして利用する場合と比べて、燃料電池10全体の性能を低下させることがない。また、積層される全てのセルが一定の性能の範囲内にあるので、効率的な運転が可能である。また、かかる製造方法によれば、作為的に性能を低下させたセルをモニターセルとして利用する場合と比べて、複数種類のセルを必要としないので、製造工程や部品管理を簡略化することができ、製造コストも低減することができる。
上述の実施例の変形例について説明する。
B:変形例:
B−1.変形例1:
実施例においては、電流測定板40は、最もアノード圧損の大きいセル20maxにおける燃料ガスの流通流路の最下流側に対応する箇所の発電の状況を監視するために、絶縁部材44により導電部材42を監視区画42aと非監視区画42bとに区画し、監視区画42aの局部電流を監視できる構成としたが、このような構成に限られるものではない。例えば、絶縁部材44による区画を設けずに、導電部材42全体を監視する構成としてもよい。また、監視対象は、必ずしも、最もアノード圧損の大きいセルに限られるものではない。セル群20sの中でアノード圧損が相対的に大きい部類に属するセル、例えば、セル群20sのアノード圧損の平均値よりもアノード圧損が大きいセルや、セル群20sのアノード圧損の中央値よりもアノード圧損が大きいセルなどであってもよい。
また、監視区画は、一つに限らず、複数設けてもよい。また、監視区画を設ける箇所は、燃料ガスの流路構成等に応じて自由に設定すればよい。例えば、図8(a)に示すように、燃料ガスの最下流側の周辺部に監視区画42a及び42c〜42eを設けて、それぞれの区画を監視する構成としてもよい(監視区画42c〜42eに接続される電圧計は図示を省略)。あるいは、図8(b)に示すように、燃料ガスの出口側に沿って、監視区画42a、42c及び42g〜42iを設けて、それぞれの区画を監視する構成としてもよい(監視区画42c,42g〜42iに接続される電圧計は図示を省略)。
このように、電流分布を監視する場合には、燃料ガスの不足が生じているか否かの判断を複数の監視区画の局部電流値を用いて、より精度良く判断することができる。例えば、m個(mは2以上の整数)の監視区画の局部電流値の平均値に基づいて、実施例に示した、燃料電池システム100の運転制御を行ってもよいし、m個の監視区画の局部電流値のうちn番目(nは1以上m未満の整数)に小さな局部電流値に基づいて運転制御を行ってもよい。このような構成とすれば、例えば、セル群20sのうち、セル20maxのみ、しかも、セル20maxのうち監視区画42aだけが局所的に燃料ガス不足を生じている場合であっても、図6に示した運転制御方法により、セル群20sに供給する燃料ガスの濃度を上昇させるといった非効率な制御を回避することができる。
B−2.変形例2:
実施例においては、セル群20sのうち、アノード圧損が最も大きいセル20maxを監視する構成の燃料電池10とその製造方法及び燃料電池システム100の運転制御方法について示したが、本発明は、このような態様に限られるものではなく、発電に関係する種々の性能が相対的に低いセルを監視する構成の燃料電池及びその製造方法として実現することができる。例えば、アノード圧損に代えて、カソード圧損が最も大きいセルを監視する構成の燃料電池10とその製造方法とすることもできる。かかる燃料電池10を用いた燃料電池システム100は、監視区画42aの局部電流値に応じてエアコンプレッサ72を制御することで、好適に酸化ガス濃度を制御することもできる。こうすれば、酸化ガス不足を好適に制御できる燃料電池の製造工程や部品管理を簡略化することができ、製造コストも低減することができる。
あるいは、アノード圧損に代えて、冷却水流路の圧損が最も大きいセルを監視する構成の燃料電池10とその製造方法とすることもできる。かかる燃料電池10を用いた燃料電池システム100は、監視区画42aの局部電流値に応じて循環ポンプ82を制御することで、好適に燃料電池10の運転温度を制御することもできる。また、この場合には、監視区画42aの発電の状況を把握する手段として、温度センサを用いることもできる。こうすれば、運転温度を好適に制御できる燃料電池の製造工程や部品管理を簡略化することができ、製造コストも低減することができる。
あるいは、アノード圧損に代えて、電解質膜21の不純物透過性が最も大きいセルを監視する構成の燃料電池10とその製造方法とすることもできる。
この場合、図7に示したステップS120では、電解質膜21の不純物透過性を測定することとなるが、具体的には、例えば、以下の手順で行うことができる。まず、セル20の燃料ガス供給マニホールド31と、燃料ガス排出マニホールド32とを所定のガス供給・排出装置に接続する。そして、燃料ガス流路27及び酸化ガス流路28に所定のガス(例えば、窒素)を封入する。その際、燃料ガス流路27と酸化ガス流路28とでは気圧差が生じるようにする。そして、燃料ガス流路27と酸化ガス流路28との気圧差の変化速度を測定する。こうすることで、不純物透過性の相対的な大小関係を測定することができる。
あるいは、セル20を所定の酸化ガス及び燃料ガス供給装置に接続して、OCV(開回路電圧:Open Circuit Voltage)を測定することでもよい。OCVは、窒素、水蒸気などの不純物が電解質膜21を透過して、カソード22bからアノード22aへと移動し、アノード22a周辺の燃料ガスの濃度が低下するに従って低下するので、ガス供給を停止した後のOCVの降下速度を測定することで、不純物透過性の相対的な大小関係を測定することができる。
かかる燃料電池10を用いた燃料電池システム100は、監視区画42aの局部電流値に応じてパージ弁69を制御することで、好適に燃料ガス濃度を制御することもできる。
また、上述した発電に関係する種々の性能が相対的に低いセルを監視する構成は、複数の性能について組み合わせて構成してもよい。こうすれば、発電の状況が悪化している要因を正確に判断でき、より好適に燃料電池システム100を制御することができる。
B−3.変形例3:
図9に変形例としての電流測定板40の構成を示す。図示するように、変形例の電流測定板40は、図5に示した燃料ガスの最下流側の局部電流を監視する構成に加えて、燃料ガスの最上流側、かつ、酸化ガスの最下流側の局部電流を監視する監視区画42k及び電圧計46bを備えている。
かかる構成の電流測定板40を備えた燃料電池10は、監視区画42aの局部電流値が低下したときに、同時に、監視区画42kの局部電流をも参照することで、セル20maxに燃料ガス不足が生じているか否かをより正確に判断することができる。例えば、監視区画42aの局部電流値Iaが所定値以下となった場合に、局部電流値Iaが監視区画42kの局部電流値Ikよりも小さければ、燃料ガス不足と判断できるが、局部電流値Iaが局部電流値Ikよりも大きければ、局部電流値Ia低下の原因は、酸化ガス不足であると判断することができる。このように、発電に関係する性能の種類によって、それぞれの性能が最も低下する箇所が異なる場合には、それぞれの当該箇所の局部電流値を把握する構成とすることも有効である。
勿論、上述の構成よりも簡易的な構成として、最も燃料ガス不足が生じやすい箇所と、その他の箇所とを監視する構成、例えば、図5において、監視区画42aに加えて、非監視区画42bを監視対象とする構成であってもよい。このような構成とすれば、より簡易的な構成で、燃料ガス不足の判断の正確性を向上させることができる。
B−4.変形例4:
実施例においては、最もアノード圧損が大きいセル20maxのみを対象として発電の状況を監視する構成としたが、複数のセルを監視する構成としてもよい。例えば、次のようにして燃料電池10を製造してもよい。図7に示した燃料電池10の製造方法において、ステップS130では、セル群20sの中からアノード圧損の大きな順に3つのセル20を選別する。そして、ステップS140では、当該3つのセル20を、セル群20sの積層方向の両端と中央部とに、それぞれ電流測定板40を隣接させて積層する。このように複数のセルで発電の状況を監視可能な構成とすれば、より正確に発電の状況を把握・制御できる。
B−5.変形例5:
実施例における燃料電池の製造方法は、製造公差を利用して、アノード圧損が最も大きなセル20maxを選別し、当該セルに電流測定板40を設けて、セル群20sを積層したが、このような態様に限られるものではない。セル群20sを構成する各セル20に、所定の性能が大きい側へ偏った低性能セルを用意し、当該セルに電流測定板40を設けて、セル群20sを積層してもよい。例えば、電解質膜の不純物透過性を作為的に何れのセルよりも大きくしたセルを織り交ぜてもよい。かかる方法で製造した燃料電池を用いた燃料電池システムは、不純物透過性を作為的に大きくしたセルを監視し、その結果に基づいて燃料電池10の発電条件を制御する構成とすれば、一つのセルのみを監視する構成で、セル群20s全体の燃料ガス不足の判断を行えるので、制御を単純化できると共に、装置を低コスト化できる。なお、かかる燃料電池も、基本的な構成や制御方法は、実施例と同様とすることができる。
あるいは、セル群20sの製造公差を把握しておき、製造公差の範囲内で作為的に所定の性能を低下させたセルを織り交ぜてもよい。こうすれば、実施例に示したように、全てのセル20の測定を行う必要がなく、効率的な製造が可能となる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこうした実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を脱しない範囲において、種々なる態様で実施できることは勿論である。例えば、本発明は、実施例に示した固体高分子形燃料電池に限らず、ダイレクトメタノール形燃料電池、リン酸形燃料電池など種々の燃料電池に適用することができる。
本発明の実施例としての燃料電池システム100の概略構成を示す説明図である。 燃料電池10の概略構成を示す説明図である。 セル20の積層方向の断面構成を示す説明図である。 セル20の積層面の断面構成を示す説明図である。 電流測定板40の構成を示す説明図である。 燃料電池システム100の運転制御方法を概念的に表す説明図である。 燃料電池10の製造方法を示す工程図である。 変形例としての電流測定板40の構成を示す説明図である。 変形例としての電流測定板40の構成を示す説明図である。
符号の説明
10…燃料電池
20,20max…セル
20s…セル群
21…電解質膜
22a…アノード
22b…カソード
23…電解質膜・電極接合体
24a,24b…ガス拡散層
25…MEGA
26a,26b…セパレータ
27…燃料ガス流路
28…酸化ガス流路
31…燃料ガス供給マニホールド
32…燃料ガス排出マニホールド
33…酸化ガス供給マニホールド
34…酸化ガス排出マニホールド
35…冷却水供給マニホールド
36…冷却水排出マニホールド
37…燃料ガス連絡流路
38…燃料ガス連絡流路
39…ガスケット
40…電流測定板
42…導電部材
42a,42c〜42e,42g〜42i,42k…監視区画
42b,42f,42j,42l…非監視区画
44…絶縁部材
46…電圧計
52a,52b…集電板
54a,54b…インシュレータ
56a,56b…エンドプレート
60…燃料ガス系機器
61…水素タンク
62…シャットバルブ
63…レギュレータ
64,65,67a,67b…配管
66…気液分離器
68…循環ポンプ
69…パージ弁
70…酸化ガス系機器
71…エアクリーナ
72…エアコンプレッサ
73,74,77…配管
76…希釈器
80…冷却系機器
81…ラジエータ
82…循環ポンプ
83…配管
90…制御ユニット
92…監視部
94…運転制御部
95…出力要求
96…各種アクチュエータ
97…各種センサ
100…燃料電池システム

Claims (17)

  1. 複数のセルが積層された燃料電池の製造方法であって、
    前記複数のセルを用意し、該複数のセルの各々について所定の性能を測定する工程と、
    該測定の結果に基づいて、前記複数のセルの中から前記所定の性能が低い側に偏った低性能セルを選別する工程と、
    前記低性能セルに、該低性能セルにおける発電の状況を把握可能なモニタリング手段を設ける工程と、
    前記複数のセルを積層する工程と
    を備えた燃料電池の製造方法。
  2. 請求項1記載の燃料電池の製造方法であって、
    前記所定の性能は、前記セルを構成するアノードの圧損であり、
    前記低性能セルは、該アノードの圧損が大きい側に偏ったセルである
    燃料電池の製造方法。
  3. 請求項1または請求項2記載の燃料電池の製造方法であって、
    前記所定の性能は、前記セルを構成するカソードの圧損であり、
    前記低性能セルは、該カソードの圧損が大きい側に偏ったセルである
    燃料電池の製造方法。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか記載の燃料電池の製造方法であって、
    前記所定の性能は、前記セルを構成する冷却水流路の圧損であり、
    前記低性能セルは、該冷却水流路の圧損が大きい側に偏ったセルである
    燃料電池の製造方法。
  5. 請求項1ないし請求項4記載の燃料電池の製造方法であって、
    前記所定の性能は、前記セルを構成する電解質膜の不純物透過性であり、
    前記低性能セルは、該電解質膜の不純物透過性が大きい側に偏ったセルである
    燃料電池の製造方法。
  6. 前記低性能セルは、前記積層される複数のセルの中で、前記所定の性能が最も低いセルである請求項1ないし請求項5のいずれか記載の燃料電池の製造方法。
  7. 前記モニタリング手段は、前記低性能セルに流れる電流分布を検知する手段である請求項1ないし請求項6のいずれか記載の燃料電池の製造方法。
  8. 前記モニタリング手段は、前記低性能セルに流れる電流値を検知する手段である請求項1ないし請求項6のいずれか記載の燃料電池の製造方法。
  9. 前記モニタリング手段は、前記低性能セルのうち、発電のための条件が相対的に悪くなる発電部位を局所的にモニタリング可能である請求項1ないし請求項8のいずれか記載の燃料電池の製造方法。
  10. 前記低性能セルは、前記複数のセルの積層方向の端部に配置されて積層される請求項1ないし請求項9のいずれか記載の燃料電池の製造方法。
  11. 複数のセルが積層された燃料電池の製造方法であって、
    前記複数のセルを構成する所定数のセルと、該所定数のセルが備える電解質膜と比べて不純物透過性が大きい側へ偏った電解質膜を備えた低性能セルとを用意する工程と、
    前記低性能セルに、該低性能セルにおける発電の状況を把握可能なモニタリング手段を設ける工程と、
    前記複数のセルを積層する工程と
    を備えた燃料電池の製造方法。
  12. 前記モニタリング手段は、前記低性能セルに流れる電流分布を検知する手段である請求項11記載の燃料電池の製造方法。
  13. 前記モニタリング手段は、前記低性能セルに流れる電流値を検知する手段である請求項11記載の燃料電池の製造方法。
  14. 前記モニタリング手段は、前記低性能セルのうち、発電のための条件が相対的に悪くなる発電部位を局所的にモニタリング可能である請求項11ないし請求項13のいずれか記載の燃料電池の製造方法。
  15. 前記低性能セルは、前記複数のセルの積層方向の端部に配置されて積層される請求項11ないし請求項14のいずれか記載の燃料電池の製造方法。
  16. 燃料電池システムであって、
    所定数のセルと、該所定数のセルが備える電解質膜と比べて不純物透過性が大きい側に偏った電解質膜を備えた低性能セルとが積層された燃料電池と、
    前記低性能セルの発電の状況を把握可能なモニタリング手段と、
    該モニタリング手段によるモニタリング結果に基づいて、前記燃料電池の発電を制御する制御手段と
    を備えた燃料電池システム。
  17. 燃料電池であって、
    所定数のセルと、該所定数のセルが備える電解質膜と比べて不純物透過性が大きい側に偏った電解質膜を備えた低性能セルとが積層された燃料電池と、
    前記低性能セルの発電の状況を把握可能なモニタリング手段と
    を備えた燃料電池。
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