JP5098550B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池システムに関し、詳しくは、燃料電池を流れる部分電流を複数の計測ポイントにて計測してその計測結果をシステムの制御に反映させる燃料電池システムに関する。
従来、例えば下記の各特許文献に開示されるように、燃料電池の発電面に平行な面内に複数個の電流センサを設置し、それら電流センサによる部分電流の計測結果をシステムの制御に反映させる技術が提案されている。これら特許文献に開示されている従来の技術では、各計測ポイントでの部分電流の計測値を所定の基準値と個別に比較したり、或いは、各計測値を集約して得られる電流分布のパターンを所定の基準パターンと比較したりすることが行われている。そして、それらの比較結果から燃料電池内で起きている問題、具体的には、フラッディング、ドライアウト、燃料ガスの欠乏、酸化剤ガスの欠乏等を検知し、その問題を解消するための制御を実施するようにしている。
この場合の制御としては、負荷制御、燃料ガスの給排制御、酸化剤ガスの給排制御等の様々な制御を採り得るが、従来の技術では、どのような問題が起きているかによって実施する制御が適宜選択されるようになっている。
特開平9−259913号公報 特開2006−318784号公報 特開2005−100952号公報 特開平9−82348号公報 特開2007−5209号公報
燃料電池内で起こりうる問題のうち、燃料電池の耐久性に深刻な影響を与えるのは、燃料ガスの欠乏、特に、部分的な燃料ガスの欠乏である。図12は、燃料電池内にて部分的に燃料ガス(ここでは水素)が欠乏したときに生じる現象を模式的に示した図である。この図に示すように、水素が足りている部分と水素が欠乏した部分とがある場合、水素が足りている部分ではアノード側でもカソード側でも下記の正常な反応が起きている。この正常な電池反応によってアノードとカソードとの間に電圧が発生する。
(アノード) H2 → 2H++2e-
(カソード) 1/2O2+2H++2e- → H2
一方、水素が欠乏している部分では以下のような反応が起き、通常とは逆方向に向けて電流が流れることになる。
(アノード) 1/2O2+2H++2e- → H2
(カソード) H2O → 1/2O2+2H++2e-
さらに、水素が足りている部分での正常反応によってカソードが高電位になる結果、水素が欠乏している部分では、以下のような異常反応も起きてしまう。これらの異常な反応は触媒を劣化させて当該燃料電池の耐久性を著しく低下させてしまう。
(カーボンの酸化反応) 1/2C+H2O → 1/2CO2+2H++2e-
(Ptの溶出反応) Pt → Pt2++2e-
以上のような燃料ガスの部分的な欠乏は、アノードガス流路の末端側にて起こりやすい。燃料ガスは発電によってアノードガス流路の上流側から次第に消費されていくためである。しかし、アノードガス流路の末端以外の部分でも燃料ガスの欠乏は生じ得る。例えば、構造的にガスの流れに淀みが生じやすい部分が有る場合、その部分には窒素等の不純物が蓄積されやすい。このため、その淀み部分では燃料ガスの欠乏が生じる可能性が高い。また、アノードガス流路の末端部が排出マニホールドによって他の燃料電池(単位電池)のアノードガス流路と接続されている場合、アノードガス流路の圧損が他の燃料電池よりも大きい燃料電池では、排出マニホールド側から燃料ガスが逆流してくる場合がある。その結果、末端よりも上流側にて不純物の淀みが発生し、その部分において燃料ガスが欠乏してしまう場合もある。
上記の特許文献に開示されているものの中にも、燃料ガスの欠乏を検知してそれを解消するように燃料ガスの供給を制御するようにしたものもある。しかし、それらは何れもアノードガス流路の末端で生じる燃料ガスの欠乏を検知し、それを解消するようにしたものであって、アノードガス流路の末端以外の部分で燃料ガスの欠乏が生じた場合の対処については十分に検討されてはいない。このため、燃料ガスの欠乏が生じた場所によっては、適切に対処することができずに燃料電池の耐久性をさせてしまう可能性もある。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、燃料ガスの部分的な欠乏を速やかに検出して解消することで、燃料ガスの欠乏により生じる燃料電池の耐久性の低下を防止できるようにした燃料電池システムを提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、燃料電池システムにおいて、
アノードに燃料ガスの供給を受けカソードに酸化剤ガスの供給を受けて発電する燃料電池であって、その内部に実質的に燃料ガスを止めた状態で発電する燃料電池と、
前記燃料電池の発電面に接して設けられたアノードガス流路と、
前記燃料電池から流れ出る、或いは、前記燃料電池に流れ込む電流を前記燃料電池の発電面に平行な面上に設置された複数の計測ポイントにて計測する手段であって、前記複数の計測ポイントの少なくとも1つは前記アノードガス流路の末端部に対応する位置である部分電流計測手段と、
部分電流の計測値がゼロ或いはゼロに誤差を加えた値である所定の基準値以下となっている計測ポイント(以下、ガス欠ポイント)を検出するガス欠ポイント検出手段と、
前記燃料電池の発電時に前記ガス欠ポイントが検出された場合、当該ガス欠ポイントの前記アノードガス流路上での位置に応じて、前記アノードガス流路への燃料ガスの供給圧と前記アノードガス流路からのオフガスの排出量の何れかを制御対象として選択する制御対象選択手段と、
選択された1又は複数の制御対象を制御して前記アノードガス流路内での燃料ガスの濃度分布を変化させる濃度分布変更手段と、
を備えることを特徴としている。
第2の発明は、第1の発明において、
前記制御対象選択手段は、前記燃料電池の負荷電流も制御対象の1つとして選択しうることを特徴としている。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、
前記複数の計測ポイントの少なくとも1つは、前記アノードガス流路内でガスの流れに淀みが生じやすい部分に対応する位置に設けられていることを特徴としている。
第4の発明は、第1乃至第3の何れかの1つの発明において、
前記複数の計測ポイントは、前記発電面上での燃料ガスの流れに沿って設けられていることを特徴としている。
第5の発明は、第1乃至第3の何れかの1つの発明において、
前記制御対象選択手段は、前記アノードガス流路の末端部に対応する位置に設けられた計測ポイントがガス欠ポイントとして検出されたときは、オフガスの排気量を制御対象として選択し、
前記濃度分布変更手段は、制御対象として選択されたオフガスの排気量を増大させることによって前記アノードガス流路内での燃料ガスの濃度分布を変化させることを特徴としている。
第6の発明は、第1乃至第4の何れかの1つの発明において、
前記制御対象選択手段は、前記アノードガス流路の末端部以外の部分に対応する位置に設けられた計測ポイントがガス欠ポイントとして検出されたときは、燃料ガスの供給圧を制御対象として選択し、
前記濃度分布変更手段は、制御対象として選択された燃料ガスの供給圧を増大させることによって前記アノードガス流路内での燃料ガスの濃度分布を変化させることを特徴としている。
第7の発明は、第1乃至第6の何れかの1つの発明において、
記制御対象選択手段は、システムの起動時にはオフガスの排気量を制御対象として選択し、
前記濃度分布変更手段は、燃料ガスの流れ方向において最上流のガス欠ポイントの位置からオフガスの排気量を決定し、決定した量のオフガスを排気することによって前記アノードガス流路内での燃料ガスの濃度分布を変化させることを特徴としている。
第8の発明は、第1乃至第6の何れかの1つの発明において、
前記制御対象選択手段は、システムの起動時にはオフガスの排気量を制御対象として選択し、
前記濃度分布変更手段は、所定の基準計測ポイントがガス欠ポイントでなくなるまでオフガスを排気することで前記アノードガス流路内での燃料ガスの濃度分布を変化させることを特徴としている。
第9の発明は、第8の発明において、
前記基準計測ポイントは、前記アノードガス流路の末端部に対応する位置に設けられていることを特徴としている。
第10の発明は、第8の発明において、
前記基準計測ポイントは、前記アノードガス流路の入口から末端までの容積と、前記アノードガス流路の入口から前記基準計測ポイントまでの容積との比が、システム起動時における燃料ガスの必要充填率に一致する位置に設けられていることを特徴としている。
第1の発明によれば、燃料電池の発電時にガス欠ポイントが検出された場合には、アノードガス流路内での燃料ガスの濃度分布を変化させることで当該ガス欠ポイントでの燃料ガスの欠乏を解消することができる。燃料ガスの濃度分布を変化させるための制御対象としては、アノードガス流路への燃料ガスの供給圧と、アノードガス流路からのオフガスの排出量の何れかを選択可能であり、ガス欠ポイントのアノードガス流路上での位置に応じて1又は複数の制御対象が選択される。このように、燃料ガスの欠乏が生じている部分をアノードガス流路上の位置によって特定し、その位置に応じた方法で燃料ガスの濃度分布を変化させることとすれば、燃料ガスの欠乏が生じている部分が何処であっても、速やかに且つ確実に燃料ガスの欠乏を解消することが可能になる。
また、内部に実質的に燃料ガスを止めた状態で発電する燃料電池は、不純物の蓄積によって燃料ガスの欠乏が生じやすい構造ではあるが、第1の発明によれば、そのような構造であっても燃料ガスの部分的な欠乏を速やかに検出して解消することが可能であり、燃料ガスの欠乏により生じる燃料電池の耐久性の低下を防止することができる。
第2の発明によれば、燃料電池の負荷電流も制御対象とすることで、燃料電池内での燃料ガスの消費量を変化させ、それにより燃料ガスの濃度分布を変化させることも可能となる。つまり、アノードガス流路内の燃料ガスの濃度分布を変化させる上でのバリエーションを増加させることができる。これによれば、燃料ガスの欠乏が生じているアノードガス流路上の位置に応じた、より適切な方法にて燃料ガスの欠乏の解消を図ることが可能になる。
第3の発明によれば、アノードガス流路内でガスの流れに淀みが生じやすい部分には不純物が蓄積されやすく、それに伴って燃料ガスの欠乏が生じやすいが、仮に燃料ガスの欠乏が生じたとしてもそれを速やかに検知することができる。
第4の発明によれば、燃料ガスの欠乏が生じる部分が燃料ガスの流れに沿って移動した場合でも、それを速やかに検知することができる。また、燃料ガスの流れに沿った部分電流の分布を計ることもできる。
第5の発明によれば、燃料ガスの欠乏がアノードガス流路の末端部で生じた場合には、オフガスの排気量を増大させることによって末端部まで燃料ガスを引き込むことができ、それにより末端部での燃料ガスの欠乏を解消することができる。
第6の発明によれば、燃料ガスの欠乏がアノードガス流路の末端部以外の部分で生じた場合には、燃料ガスの供給圧を増大させることで燃料ガスの拡散力を高めることができ、それによりガスの流れの淀みを解消して当該淀み部分での燃料ガスの欠乏を解消することができる。
ところで、システムの停止中にはアノードガス流路内に不純物が蓄積された状態になっているが、その蓄積量は、電流を掃引したときに検出される最上流のガス欠ポイントの位置から推定することができる。第7の発明によれば、システムの起動時には最上流のガス欠ポイントの位置からオフガスの排気量を決定し、決定した量のオフガスを排気するので、燃料ガスの欠乏を速やかに且つ確実に解消してシステムを起動することができる。
また、第8の発明によれば、基準計測ポイントがガス欠ポイントでなくなるまでオフガスを排気し続けることで、基準計測ポイントまで燃料ガスを確実に引き込んだ状態でシステムを起動させることができる。
第9の発明によれば、アノードガス流路の末端部まで燃料ガスを行き渡らせた状態でシステムを起動させることができる。
第10の発明によれば、システム起動時における燃料ガスの必要充填率を確実に満たした状態でシステムを起動させることができる。
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1について図を用いて説明する。
図1は、本発明の実施の形態1の燃料電池システムの構成を模式的に示す図である。通常、燃料電池は、図1に示すように、複数の単位電池30を積層してなる燃料電池スタック2として使用される。燃料電池システムは、この燃料電池スタック2によって発電してその電力をモータ等の電気的負荷18に供給するシステムである。
単位電池30は、膜電極接合体(MEA)を一対の集電板で挟んだ構成になっている。膜電極接合体は、固体高分子電解質膜の両面に触媒電極が一体化されたものであり、さらにその各面にはカーボンシート等で作られたガス拡散層が一体化されている。集電板は、隣接する2枚の膜電極接合体の間を仕切るセパレータとしても機能している。各単位電池は、アノードに燃料ガスとしての水素の供給を受け、カソードに空気の供給を受けて発電する。
燃料電池スタック2には、酸化剤ガスとしての空気を供給するための空気供給路20が接続されている。空気供給路20にはエアコンプレッサ22が配置されている。エアコンプレッサ22の作動によって空気供給路20に空気が取り込まれ燃料電池スタック2に供給される。燃料電池スタック2に供給された空気は、燃料電池スタック2内に形成された供給マニホールドによって各単位電池30のカソードに分配される。各単位電池30のカソードを通過したガス(カソードガス)は、燃料電池スタック2内に形成された排出マニホールドに集められてカソードガス排出路24に排出される。カソードガス排出路24には背圧調整弁26と希釈器28が配置されている。
燃料電池スタック2には、高圧水素タンク等の水素供給源4から燃料電池スタック2に水素を供給するための水素供給路6が接続されている。水素供給路6の途中には、その上流からシャット弁10と可変調圧弁8が順に配置されている。水素は可変調圧弁8で減圧され所望の圧力に調整されてから燃料電池スタック2に供給される。燃料電池スタック2に供給された水素は、燃料電池スタック2内に形成された供給マニホールドによって各単位電池30のアノードに分配される。各単位電池30のアノードを通過したガス(アノードガス)は、燃料電池スタック2内に形成された排出マニホールドに集められてアノードガス排出路12に排出される。アノード排出路12は、その先端を希釈器28に接続され、途中には排気弁14が配置されている。排気弁14は閉状態をその基本状態とし、所定のパージ条件が成立した場合にのみ開くように制御されている。
さらに、本実施の形態の燃料電池システムは、燃料電池スタック2内に電流計測セル32を備えている。電流計測セル32は単位電池30と同じ大きさであり、単位電池30とともに積層されている。電流計測セル32には複数の電流センサが埋め込まれていて、計測セル32に隣接する単位電池30から流れ出る、若しくは、単位電池30に流れ込む電流(部分電流)を複数の計測ポイントにて計測できるようになっている。電流計測セル32により計測された各計測ポイントでの計測電流値は、システムを制御する制御装置16に送られるようになっている。
電流計測セル32は、それが隣接する単位電池(以下、検査対象電池)30の内部で生じる部分的な水素欠の検知に利用される。図2は、検査対象電池30aにおいて部分的な水素欠が生じた場合の検査対象電池30aの内部での電流の流れと、検査対象電池30aと隣接単位電池30b,30cとの間での電流の流れとを模式的に示す図である。この図に示すように、電流計測セル32は、電流の流れの方向(図中に白抜き矢印で示す)において計測対象電池30aの上流側に配置されている。
検査対象電池30aを含む各単位電池30は、図2に示すように、電解質膜40をカソード触媒層42とアノード触媒層44とで挟んで構成された膜電極接合体を備えている。そして、発電面であるカソード触媒層42に沿ってカソード触媒層42に空気を供給するためのカソードガス流路46が形成されている。また、発電面であるアノード触媒層42に沿ってアノード触媒層44に水素を供給するためのアノードガス流路48が形成されている。電流計測セル32によって検知したい水素欠とは、アノードガス流路48の一部において窒素等の不純物が蓄積し、それによって発電に必要な水素をアノード触媒層44に供給できなくなることによって生じる現象である。
図2に示すように、検査対象電池30aのアノードガス流路48において、その一部に不純物が蓄積すると、その部分に接する膜電極接合体では、アノード触媒層44での水素の欠乏に伴ってカソード触媒層42側からアノード触媒層44へ水素を供給する反応が起きてしまう。その結果、この部分では通常とは逆方向に向けて電流が流れることになる。図2中には、検査対象電池30aの内部における電流の流れを黒矢印で示している。
検査対象電池30a内において電流が逆方向に流れている水素欠乏部分は、それを外部から観測したときには電池反応の無い欠陥部分となる。このため、隣接単位電池30bからの電流は、水素欠乏部分を避けて水素のある部分に流れ込むことになる。検査対象電池30aと隣接単位電池30bとの間に配置された電流計測セル32では、隣接単位電池30bから検査対象電池30aに流れ込む電流を複数の電流センサ34a,34b,34cによって計測する。このとき、水素のある部分に対応する位置の電流センサ34b,34cでは電流が計測される。しかし、水素欠乏部分に対応する位置の電流センサ34aでは、検査対象電池30aに流れ込む電流がないために計測電流値はゼロとなる。
以上のように、複数の電流センサ34a,34b,34cを有する電流計測セル32を検査対象電池30aに接して配置し、計測電流値がゼロとなった電流センサ34aを検出することで、検査対象電池30a内での部分的な水素欠の発生を検知することができる。また、計測電流値がゼロとなった電流センサ34aのアノードガス流路48上での位置によって、水素欠の発生位置を特定することもできる。
図3は、電流計測セル32に埋め込まれている複数の電流センサ34の位置を単位電池30のアノードガス流路48上に投影して示す平面図である。アノードガス流路48は水素の供給マニホールド50とオフガスの排出マニホールド52とを接続している。ただし、図3はあくまでも模式図であって、アノードガス流路48の形状や構成には限定はない。例えば、セパレータ(図示略)の表面に溝を形成し、その溝をアノードガス流路48としてもよい。また、導電性材料からなる多孔体層を設け、多孔体層内の連続する気孔によってアノードガス流路48を形成してもよい。
図3に示すように、電流センサ34は、アノードガス流路48に沿ってその上流端から末端まで適宜の間隔で配置されている。このように発電面上での水素の流れに沿って電流計測セル32を配置しておくことで、水素欠がどの部分で生じたとしても漏れなく検知することが可能になる。また、水素欠が生じる部分が水素の流れに沿って移動した場合でも、それを速やかに検知することができる。さらに、水素の流れに沿った部分電流の分布を計ることもできる。
なお、電流計測セル32は、全ての単位電池30のそれぞれに対応させて設けることもできる。しかし、通常、1つの燃料電池スタック2を構成する単位電池30の数は数百枚にもなるため、それら全てについて電流計測セル32を設けることはコストを著しく増大させてしまう。したがって、全単位電池30のうち、最も水素欠が起こりやすい単位電池30に限定して電流計測セル32を設けることでもよい。図1に示す例では、燃料電池スタック2の水素供給口から遠い位置にあって、供給された水素が届きにくい単位電池30にのみ電流計測セル32を設けている。
次に、部分的な水素欠が検知された場合の処理について説明する。部分的な水素欠は、窒素等の不純物の局所的な蓄積によってアノードガス流路48内の水素濃度の分布に偏りが生じた結果である。したがって、部分的な水素欠を解消するには、アノードガス流路48内の水素濃度分布を強制的に変化させればよい。
アノードガス流路48内の水素濃度分布を変化させる手段としては、(1)アノードガス流路48への水素の供給圧の制御、(2)アノードガス流路48からのオフガスの排出量の制御、(3)単位電池30の負荷電流の制御、の3つが効果的である。本実施の形態では、水素の供給圧とオフガスの排出量とを制御することによって、部分的な水素欠の解消を図るようにしている。
図4は、本実施の形態で実行される水素欠検知/解消制御のルーチンを示すフローチャートである。図4に示すルーチンは、燃料電池スタック2の発電時に実行されるルーチンであり、システムを制御する制御装置16によって一定の周期で実行されている。
図4に示すルーチンの最初のステップS100では、水素欠ポイントの有無が判定される。水素欠ポイントとは、電流センサ34によって水素欠が検知された計測ポイント、つまり、電流センサ34による部分電流の計測値がゼロになっている計測ポイントのことである。水素欠ポイントが無い場合には、本ルーチンは終了となる。
水素欠ポイントが検出された場合には、次に、ステップS102の判定が実行される。ステップS102では、検出された水素欠ポイントがアノードガス流路48の末端部に位置するか否かが判定される。なお、配置される電流センサ34の個数や位置によっては、複数の計測ポイントが水素欠ポイントとして検出されることも想定される。その場合には、検出された水素欠ポイント群がアノードガス流路48の末端部をカバーしているかどうかで判定する。
図5は、アノードガス流路48の末端部で水素欠が生じた場合の電流分布と、水素欠が生じていない通常の電流分布とを比較して示す図である。水素はアノードガス流路48の上流から順に消費されていき、末端部には不純物が蓄積されていく。不純物の大部分は、カソード側から電解質膜40を透過してきた窒素である。不純物が蓄積される結果、アノードガス流路48の末端部では水素の欠乏が生じやすい。
一方、図6は、アノードガス流路48の末端部よりも上流で水素欠が生じた場合の電流分布と、通常の電流分布とを比較して示す図である。アノードガス流路48には、構造的にガスの流れに淀みが生じやすい部分が存在する場合がある。そのような淀み部分には不純物が蓄積されやすく、水素の欠乏が生じる可能性が高い。また、アノードガス流路48の末端部は排出マニホールド52によって他の単位電池30と連通している。このため、アノードガス流路48の圧損が他の単位電池30よりも大きい場合には、排出マニホールド52からアノードガス流路48に水素を含むガスが逆流してくる場合がある。その結果、末端よりも上流側にて不純物の淀みが発生し、その部分において水素が欠乏してしまう可能性もある。
本実施の形態の燃料電池システムでは、検出された水素欠ポイントのアノードガス流路48上での位置に応じて、アノードガス流路48内の水素濃度分布を変化させるための制御対象を選択するようにしている。つまり、水素欠がアノードガス流路48の末端部で生じているのか、或いは、末端部以外の位置で生じているのかによって、制御対象を異ならせている。
ステップS102の判定の結果、検出された水素欠ポイントがアノードガス流路48の末端部に位置する場合は(図5に示す状況では)、ステップS104の処理が選択される。ステップS104では、制御装置16からの指令信号によって排気弁14が開かれて、燃料電池スタック2からアノードのオフガスが排気される。オフガスの排気が実行されることで、アノードガス流路48の末端部に蓄積されている不純物は排出マニホールド52に吸い込まれ、替わりに水素が末端部まで引き込まれる。これにより、アノードガス流路48内の水素濃度分布は均等化され、アノードガス流路48の末端部での水素の欠乏は解消される。
一方、検出された水素欠ポイントがアノードガス流路48の末端部よりも上流に位置する場合は(図6に示す状況では)、ステップS106の処理が選択される。ステップS106では、制御装置16からの指令信号によって可変調圧弁8が操作されて、燃料電池スタック2への水素の供給圧が高められる。供給圧が高められることでアノードガス流路48内での水素の拡散力が高められ、不純物が蓄積されている淀み部分にも水素が流れ込むようになる。これにより、アノードガス流路48内の水素濃度分布は均等化され、アノードガス流路48の末端部よりも上流での水素の欠乏は解消される。
なお、単に水素欠を解消するだけでよいならば、水素欠ポイントがアノードガス流路48上において何処に位置しようとも排気弁14を開いてオフガスを排気すればよい。オフガスを排気し続ければ、そのうちに淀み部分に蓄積された不純物も排気されて、当該淀み部分での水素欠は解消されるからである。しかし、その場合には、燃料ガスである水素も大量に排気されることとなって燃費の悪化を招いてしまう。
この点に関し、上述の水素欠検知/解消制御のルーチンでは、水素の欠乏が生じている部分をアノードガス流路48上の位置によって特定し、その位置に応じた方法で水素の濃度分布を変化させている。これによれば、水素の欠乏が生じている部分が何処であっても、速やかに且つ確実に水素の欠乏を解消することができるだけでなく、水素欠の解消に伴って生じる水素の無駄を防止することもできる。
次に、燃料電池システムの起動時の処理について説明する。燃料電池システムの停止時には、残留水素による停止中の異常反応を防止するため、アノードガス流路48内の水素を可能な限り消費してから発電が停止される。このため、システム起動時には、アノードガス流路48内は不純物が蓄積されて水素濃度が低い状態になっている。単位電池30の耐久性の低下を防止するためには、システム起動時の水素欠を速やかに且つ確実に解消することが求められる。
図7は、本実施の形態で実行される起動時の水素充填制御のルーチンを示すフローチャートである。図7に示すルーチンは、燃料電池システムの起動時に実行されるルーチンであり、システムを制御する制御装置16によって実行されている。
図7に示すルーチンの最初のステップS200では、まず、微少な電流が掃引され、その後、電流計測セル32によって水素欠ポイントが検出される。図8は、水素が充填される前の起動時の電流分布と、通常の電流分布とを比較して示す図である。この図に示すように、システム起動時にはアノードガス流路48のかなり上流の位置からアノードガス流路48の末端部までの広い範囲において部分電流の計測値がゼロとなる。ステップS200では、アノードガス流路48において最上流に位置する水素欠ポイントが特定される。そして、最上流の水素欠ポイントの位置から、アノードガス流路48内の水素欠部分の総面積が計算される。
次のステップS202では、燃料電池スタック2からのオフガスの排気量が計算される。まず、ステップS200で計算された水素欠部分の総面積にアノードガス流路48の高さを乗算することで、排気によって置換すべきガス(不純物)の量を計算することができる。これは単位電池30あたりの必要排気量であり、この必要排気量に燃料電池スタック2を構成する単位電池30の枚数を乗算することで、燃料電池スタック全体での必要排気量を計算することができる。
次のステップS204では、カソード電位をカーボンの酸化反応が起きない電位まで下げるのに必要な放電電流の値が計算される。異常反応であるカソード触媒層42でのカーボンの酸化反応は、部分的な水素欠が生じ、且つ、カソード電位がある基準電位を超えて高くなっているときに生じる現象である。したがって、放電電流を流してIR損の分だけ見かけのカソード電位を低くすれば、カソード触媒層42を劣化させてしまう異常反応を防止することができる。放電電流の値は水素欠部分の総面積と必要な電流密度とから計算される。
次のステップS206では、ステップS202で計算された排気量を目標値として排気が開始され、また、ステップS204で計算された電流値を目標値として放電が開始される。以上のルーチンを起動時に実行することで、水素の欠乏を速やかに且つ確実に解消してシステムを起動することができる
なお、本実施の形態では、電流計測セル32が第1の発明にかかる「部分電流計測手段」に相当している。また、制御装置16によって図4に示すルーチンのステップS100の処理が実行されることで、第1の発明にかかる「ガス欠ポイント検出手段」が実現され、ステップS102の処理が実行されることで、第1の発明にかかる「制御対象選択手段」が実現され、ステップS104或いはS106の処理が実行されることで、第1の発明にかかる「濃度分布変更手段」が実現されている。
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2について図を用いて説明する。
本発明の実施の形態2の燃料電池システムは、実施の形態1とは起動時の水素充填制御に違いが有る。本実施の形態では、図1乃至図3に示す構成において、起動時の水素充填制御のルーチンとして図9のフローチャートに示すルーチンが実行される。図9に示すルーチンは、燃料電池システムの起動時に実行されるルーチンであり、システムを制御する制御装置16によって実行されている。
図9に示すルーチンの最初のステップS300では排気弁14が開かれ、ステップS302では微少な電流を掃引しながら水素の充填が開始される。そして、次のステップS304では、電流計測セル32による各計測ポイントでの計測電流値に基づいて水素の充填が完了したか否か判定される。
図10は、水素充填開始時の電流分布と、水素充填完了時の電流分布とを比較して示す図である。この図に示すように、水素の充填開始時にはアノードガス流路48のかなり上流の位置からアノードガス流路48の末端部までの広い範囲において部分電流の計測値がゼロとなっている。しかし、水素の充填が進むに連れてアノードガス流路48の上流側から順に部分電流が流れるようになっていき、部分電流の計測値がゼロの部分は縮小していく。そして、水素の充填が完了した時点では、アノードガス流路48の末端部においても部分電流が流れるようになる。つまり、基準計測ポイントである末端部の計測ポイントが水素欠ポイントでなくなった時点が水素の充填完了時点となる。
ステップS304の判定の結果、水素の充填が完了した場合にはステップS306の処理が実行される。ステップS306では排気弁14が閉じられ、アノードガス流路48に充填された水素が無駄に排気されることが防止される。以上のルーチンを起動時に実行することで、アノードガス流路48の末端部まで水素を行き渡らせた状態でシステムを起動させることができるようになる。
なお、システムの起動時における水素の充填率は必ずしも100%でなくてもよい。システム起動時における水素の必要充填率が満たされているならば、アノードガス流路48の末端部まで水素が充填される前に発電を開始してもよい。必要充填率は通常の発電を開始したときの出力によって決まる。この場合、必要充填率が満たされているかどうかは、アノードガス流路48内に水素欠部分がどれだけ残っているかによって判断することができる。
図11は、水素充填時の水素濃度分布を示す図である。水素充填時には水素の拡散はほとんどなく、アノードガス流路48内の不純物は水素の塊によって末端部から押し出されていく。このため、図11に示すように、水素充填時にはアノードガス流路48の入口から水素欠部分の最上流位置までを水素が占め、水素欠部分は不純物が占めている状態になっている。このような状態であれば、アノードガス流路48の先端から水素欠部分の最上流位置までの距離をa、アノードガス流路48の流路長をbとすると、水素の充填率はaのbに対する比(a/b)で計算することができる。
以上のことから、必要充填率の達成を検知するには、上記の比の値が必要充填率に一致する距離aを求め、その距離aに対応する位置を基準計測ポイントとして電流センサ34を配置しておけばよい。これによれば、基準計測ポイントが水素欠ポイントでなくなった時点を必要充填率の達成時点とみなすことができる。
その他.
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、次のように変形して実施してもよい。
上記実施の形態では、電流センサ34の計測電流値がゼロになっている計測ポイントを水素欠ポイントとしている。しかし、電流センサ34の出力値には誤差が含まれている可能性もあるので、その出力誤差を考慮してゼロよりも僅かに高い値を水素欠ポイントとの判定基準値として設定してもよい。
また、上記実施の形態では、アノードガス流路48に沿ってその上流端から末端まで適宜の間隔で電流センサ34を配置しているが、特に水素欠が生じやすい部分に限定して電流センサ34を配置するのでもよい。例えば、アノードガス流路48の末端部と、ガスの流れに淀みが生じやすい部分とである。淀み部分はアノードガス流路48の形状や構成によって予め特定しておくことができる。
また、実施の形態2にかかる起動時の水素充填制御のみを実施するシステムであれば、電流センサ34は必ずしも複数配置する必要は無い。この場合には基準計測ポイントに1個だけ配置すればよい。
また、上記実施の形態では、水素の供給圧とオフガスの排出量とを制御対象としているが、燃料電池スタック2の負荷電流を制御対象に加えてもよい。負荷電流の制御によれば、アノードガス流路48内での水素の消費量を変化させ、それにより水素の濃度分布を変化させることができる。したがって、水素の供給圧、オフガスの排出量、負荷電流の三つを制御対象とし、それらの中から1又は複数の制御対象を選択可能とすれば、水素の濃度分布を変化させる上でのバリエーションを増加させることができる。これによれば、水素欠ポイントのアノードガス流路48上での位置に応じた、より適切な方法にて水素の欠乏の解消を図ることが可能になる。
また、上記実施の形態では排気弁14を完全に閉じた状態での運転を燃料電池システムの基本運転としているが、排気弁14を僅かに開いた連続少量排気運転を基本運転としてもよい。連続少量排気運転では、系外へ排気されるアノードガスの流量がアノードガス流路48内での水素の消費量に比較して極微小な値になるように排気弁14の開度を調整する。この連続少量排気運転によれば、アノードガス流路48に溜まる不純物を系外に少しずつ排気することができるので、部分的な水素欠の発生頻度を抑えることができる。このような燃料電池システムでも、水素の供給圧、オフガスの排気量、負荷電流を制御対象とし、水素欠ポイントのアノードガス流路上での位置に応じて制御対象を選択することができる。
さらに、本発明は、排気弁を備えないか、若しくは、緊急時以外には排気弁を作動させない燃料電池システムにも適用可能である。排気弁によるパージを実行しない場合には、運転に伴ってアノードガス流路内の不純物の分圧は上昇していくが、ある程度まで上昇したらカソード流路内の不純物の分圧に等しくなり、それ以上にアノードガス流路内の不純物の分圧が上がることはない。このような燃料電池システムでは、水素の供給圧と負荷電流とを制御対象とし、水素欠ポイントのアノードガス流路上での位置に応じて制御対象を選択するようにすればよい。
本発明の実施の形態1としての燃料電池システムの構成を模式的に示す図である。 部分的な水素欠が生じたときの単位電池内部における電流の流れと隣接する単位電池間の電流の流れとを模式的に示す図である。 電流センサの位置をアノードガス流路上に投影して示す平面図である。 本発明の実施の形態1で実行される水素欠検知/解消制御のルーチンを示すフローチャートである。 アノードガス流路の末端部で水素欠が生じた場合の電流分布と、通常の電流分布とを比較して示す図である。 アノードガス流路の末端部よりも上流で水素欠が生じた場合の電流分布と、通常の電流分布とを比較して示す図である。 本発明の実施の形態1で実行される起動時の水素充填制御のルーチンを示すフローチャートである。 水素が充填される前の起動時の電流分布と、通常の電流分布とを比較して示す図である。 本発明の実施の形態2で実行される起動時の水素充填制御のルーチンを示すフローチャートである。 水素充填開始時の電流分布と、水素充填完了時の電流分布とを比較して示す図である。 水素充填時の水素濃度分布を示す図である。 燃料電池内にて部分的に水素が欠乏したときに生じる現象を模式的に示した図である。
符号の説明
2 燃料電池スタック
4 水素供給源
6 水素供給路
8 可変調圧弁
10 シャット弁
12 アノードガス排出路
14 排気弁
16 制御装置
18 負荷
20 空気供給路
22 エアコンプレッサ
24 カソードガス排出路
26 背圧調整弁
28 希釈器
30,30a,30b,30c 単位電池(燃料電池)
32 電流計測セル
34,34a,34b,34c 電流センサ
40 電解質膜
42 カソード触媒層
44 アノード触媒層
46 カソードガス流路
48 アノードガス流路
50 供給マニホールド
52 排出マニホールド

Claims (10)

  1. アノードに燃料ガスの供給を受けカソードに酸化剤ガスの供給を受けて発電する燃料電池であって、その内部に実質的に燃料ガスを止めた状態で発電する燃料電池と、
    前記燃料電池の発電面に接して設けられたアノードガス流路と、
    前記燃料電池から流れ出る、或いは、前記燃料電池に流れ込む電流を前記燃料電池の発電面に平行な面上に設置された複数の計測ポイントにて計測する手段であって、前記複数の計測ポイントの少なくとも1つは前記アノードガス流路の末端部に対応する位置である部分電流計測手段と、
    部分電流の計測値がゼロ或いはゼロに誤差を加えた値である所定の基準値以下となっている計測ポイント(以下、ガス欠ポイント)を検出するガス欠ポイント検出手段と、
    前記燃料電池の発電時に前記ガス欠ポイントが検出された場合、当該ガス欠ポイントの前記アノードガス流路上での位置に応じて、前記アノードガス流路への燃料ガスの供給圧と前記アノードガス流路からのオフガスの排出量の何れかを制御対象として選択する制御対象選択手段と、
    選択された1又は複数の制御対象を制御して前記アノードガス流路内での燃料ガスの濃度分布を変化させる濃度分布変更手段と、
    を備えることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記制御対象選択手段は、前記燃料電池の負荷電流も制御対象の1つとして選択しうることを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
  3. 前記複数の計測ポイントの少なくとも1つは、前記アノードガス流路内でガスの流れに淀みが生じやすい部分に対応する位置に設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の燃料電池システム。
  4. 前記複数の計測ポイントは、前記発電面上での燃料ガスの流れに沿って設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の燃料電池システム。
  5. 前記制御対象選択手段は、前記アノードガス流路の末端部に対応する位置に設けられた計測ポイントがガス欠ポイントとして検出されたときは、オフガスの排気量を制御対象として選択し、
    前記濃度分布変更手段は、制御対象として選択されたオフガスの排気量を増大させることによって前記アノードガス流路内での燃料ガスの濃度分布を変化させることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の燃料電池システム。
  6. 前記制御対象選択手段は、前記アノードガス流路の末端部以外の部分に対応する位置に設けられた計測ポイントがガス欠ポイントとして検出されたときは、燃料ガスの供給圧を制御対象として選択し、
    前記濃度分布変更手段は、制御対象として選択された燃料ガスの供給圧を増大させることによって前記アノードガス流路内での燃料ガスの濃度分布を変化させることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の燃料電池システム。
  7. 前記制御対象選択手段は、システムの起動時にはオフガスの排気量を制御対象として選択し、
    前記濃度分布変更手段は、燃料ガスの流れ方向において最上流のガス欠ポイントの位置からオフガスの排気量を決定し、決定した量のオフガスを排気することによって前記アノードガス流路内での燃料ガスの濃度分布を変化させることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の燃料電池システム。
  8. 記制御対象選択手段は、システムの起動時にはオフガスの排気量を制御対象として選択し、
    前記濃度分布変更手段は、所定の基準計測ポイントがガス欠ポイントでなくなるまでオフガスを排気することで前記アノードガス流路内での燃料ガスの濃度分布を変化させることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の燃料電池システム。
  9. 前記基準計測ポイントは、前記アノードガス流路の末端部に対応する位置に設けられていることを特徴とする請求項8記載の燃料電池システム。
  10. 前記基準計測ポイントは、前記アノードガス流路の入口から末端までの容積と、前記アノードガス流路の入口から前記基準計測ポイントまでの容積との比が、システム起動時における燃料ガスの必要充填率に一致する位置に設けられていることを特徴とする請求項8記載の燃料電池システム。
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