JP2007280892A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】デッドエンド方式を用いた燃料電池システムにおいて、起動時における燃料電池の発電効率を従来より向上させる。
【解決手段】燃料電池システム1は、パージ弁8により燃料オフガスの流路10を閉じた状態で運転される。そして、起動時から所定時間を経過したところで、流路10が開かれてパージが行われる。この所定時間は、電解質膜の抵抗、燃料電池2の抵抗、燃料電池2の発電電流の積算値およびカソード側での圧損のいずれかの値に応じて決定される。例えば、いずれかの値が所定値に達した時間を所定時間とすることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池システムに関する。
固体高分子型燃料電池は、アノードとカソードが、固体高分子電解質膜を挟んでそれぞれ配置された構造を有している。そして、各電極に反応ガスが供給されると、電極間で電気化学反応が起こり起電力を生じる。反応は、具体的には、アノードに水素(燃料ガス)が接触し、カソードに酸素(酸化剤ガス)が接触することによって起こる。
一般に、カソードには、コンプレッサによって外気から取り込まれた空気が供給される。一方、アノードには、高圧水素タンクに貯蔵された水素が供給される。このアノードへの水素の供給方法の1つに、いわゆるデッドエンド方式がある(例えば、特許文献1参照。)。この方式では、水素の流路が閉塞された状態で運転が行われ、アノードには、消費された水素に相当する量の水素が供給される。
特許文献1に開示された燃料電池システムには、燃料ガスの流路から汚染物を周期的に排出するパージバルブが設けられている。そして、燃料電池の電圧が所定値よりも低い場合には、このパージバルブを開くことによって電圧を回復させている。
特表2004−536436号公報
しかしながら、特許文献1に記載の燃料電池システムでは、次のような問題があった。
一般に、燃料電池システムの起動時においては、固体高分子電解質膜の含水量は低い状態にある。このため、電解質膜の導電率は低くなり、電解質膜は高い抵抗を有している。それ故、起動時における燃料電池の電圧は低いものとなる。
一方、アノードとカソードで電気化学反応が起こると水が生成する。したがって、燃料電池の運転を続けると、電化質膜の含水量は次第に高くなる。これにより、電解質膜の抵抗は低下していくので、燃料電池の電圧は上昇するようになる。
このように、燃料電池システムを起動すると、時間の経過とともに燃料電池の電圧は高くなる。一方、デッドエンド方式による燃料電池システムの場合、時間の経過とともに、燃料ガスの流路に溜まる汚染物の量が増えていく。このため、起動時においては、燃料電池の電圧が高いにもかかわらず汚染物の量が多いという事態が生じる。したがって、特許文献1に記載のように、燃料電池の電圧が所定値より低くなったところでパージを行うのでは、起動時に対応できず、燃料電池の発電効率を低下させてしまうという問題があった。
本発明は、こうした問題点に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、デッドエンド方式を用いた燃料電池システムにおいて、起動時における燃料電池の発電効率を従来より向上させることにある。
本発明の他の目的および利点は以下の記載から明らかとなるであろう。
本発明は、電解質膜と、該電解質膜の一方の面に設けられたアノードと、該電解質膜の他方の面に設けられたカソードとを備えた燃料電池を有し、
前記燃料電池から排出される燃料オフガスの流路を閉じた状態で前記燃料電池を運転し、起動時から所定時間を経過したところで前記燃料オフガスの流路を開いてパージを行う燃料電池システムであって、
前記電解質膜の抵抗、前記燃料電池の抵抗、前記燃料電池の発電電流の積算値および前記カソード側での圧損のいずれかを検出する機能を備えた検出手段を有し、
前記検出手段で得られた値に応じて前記所定時間を決定することを特徴とするものである。
本発明の燃料電池システムにおいて、前記所定時間は、前記検出手段で得られた前記燃料電池の抵抗、前記燃料電池の発電電流の積算値および前記カソード側での圧損のいずれかの値が所定値に達した時間とすることができる。
また、本発明の燃料電池システムにおいて、前記検出手段は、前記電解質膜の抵抗、前記燃料電池の抵抗、前記燃料電池の発電電流の積算値および前記カソード側での圧損のいずれかを検出し、さらに、得られた値について一定時間毎の変化量を算出する手段であって、
前記所定時間は、前記検出手段によるn番目の前記変化量と(n−1)番目の前記変化量との差が所定値以上となるまでの時間であるとすることもできる。
また、本発明の燃料電池システムにおいて、前記検出手段は、前記電解質膜の抵抗、前記燃料電池の抵抗、前記燃料電池の発電電流の積算値および前記カソード側での圧損のいずれかを検出し、さらに、得られた値について一定時間毎の変化量を算出する手段であって、
前記所定時間は、前記検出手段によるn番目の前記変化量が(n−1)番目の前記変化量より小さくなるまでの時間とすることもできる。
また、本発明の燃料電池システムにおいて、前記検出手段は、前記電解質膜の抵抗、前記燃料電池の抵抗、前記燃料電池の発電電流の積算値および前記カソード側での圧損のいずれかを検出し、さらに、得られた値について一定時間毎の変化量を算出する手段であって、
前記所定時間は、前記検出手段による前記変化量が所定値より小さくなるまでの時間とすることもできる。
さらに、本発明の燃料電池システムにおいて、前記検出手段は、前記電解質膜の抵抗、前記燃料電池の抵抗、前記燃料電池の発電電流の積算値および前記カソード側での圧損のいずれかを検出し、さらに、得られた値について一定時間毎の変化量を算出する手段であって、
前記所定時間は、前記検出手段による前記変化量がゼロとなるまでの時間とすることもできる。
本発明によれば、電解質膜の抵抗、燃料電池の抵抗、燃料電池の発電電流の積算値およびカソード側での圧損のいずれかを検出する機能を備えた検出手段を有し、この検出手段で得られた値に応じてパージを行う時間を決定するので、起動時における燃料電池の発電効率を従来より向上させることができる。
図1は、本実施の形態における燃料電池システムの構成図である。尚、この燃料電池システムは、車載用および据え置き型などの種々の用途に適用可能である。
図1に示すように、燃料電池システム1は、燃料ガスとしての水素と、酸化剤ガスとしての空気とを供給されて起電力を生じる燃料電池2と、燃料電池2に圧縮空気を供給するコンプレッサ3と、燃料電池2から排出された酸化剤オフガスに含まれる水分を回収して、燃料電池2に供給する空気を加湿する加湿器4と、コンプレッサ3から燃料電池2に供給される空気の圧力を調整する空気調圧弁5と、乾燥した水素を高圧状態で貯蔵する水素タンク6と、水素タンク6から燃料電池2に供給される水素の圧力を調整する水素調圧弁7と、燃料電池2から排出された燃料オフガスをパージするパージ弁8と、燃料電池2の抵抗を測定する抵抗測定手段9とを有する。パージ弁8を開くことによって、燃料電池2から排出された燃料オフガスをパージすることができる。
燃料電池システム1では、アノード(図示せず)への水素の供給は、デッドエンド方式によって行われる。すなわち、パージ弁8を閉じると、燃料オフガスの流路10が閉塞されて、水素の供給は、水素タンク6からの供給のみによって行われる。このようなデッドエンド方式によれば、供給された水素は、燃料電池2での反応によって全て消費される。そして、消費された分の水素のみが、新たにアノードに供給されることになる。
尚、アノードに供給する燃料ガスは、水素に限られるものではない。例えば、アノードに供給する水素源として、炭化水素系化合物の改質反応によって生成する改質ガスを利用することもできる。この場合、炭化水素系化合物としては、メタンを主成分とする天然ガス、メタノールなどのアルコールまたはガソリンなどが用いられる。そして、使用する炭化水素系化合物の種類に応じて、改質反応に適した触媒や温度が選択される。これにより、水素、二酸化炭素および水を含む水素リッチな改質ガスが生成される。
燃料電池2は、固体高分子型燃料電池であるとする。すなわち、電解質膜は、固体高分子材料によって形成されていて、湿潤状態で良好なプロトン導電性を示すイオン交換膜である。固体高分子材料としては、例えば、フッ素系樹脂などを用いることができる。但し、アノードとカソードの電気化学反応で水が生成し、それによって、電解質膜の含水量が変化して燃料電池の電圧を変化させるタイプの燃料電池であれば、固体高分子型燃料電池以外の他の燃料電池にも本発明を適用することができる。例えば、非晶質シリカ(ガラス)を電解質膜として用いた燃料電池にも適用可能である。
図2は、燃料電池2を構成するセルの断面模式図である。この図に示すように、セル11は、膜−電極−ガス拡散層アッセンブリ(MEGA;membrane electrode gas diffusion layer assembly)12と、反応ガスの流路が形成されたセパレータ13,14とが積層されてなる。膜−電極−ガス拡散層アッセンブリ12は、固体高分子からなる電解質膜15と、電解質膜15の一方の面に設けられた触媒層からなるアノード16と、電解質膜15の他方の面に設けられた触媒層からなるカソード17と、アノード側およびカソード側のそれぞれに設けられたガス拡散層18,19とからなる。そして、セパレータ13,14は、ガス拡散層18,19を介して、アノード側およびカソード側のそれぞれに設けられている。
アノード16に水素が供給されることによって、アノード16では、
→2H+2e
の反応が起こり、Hが生成する。そして、このHは、電解質膜15を透過してカソード側に移動した後、カソード17に供給された酸素との間で
(1/2)O+2H+2e→H
の反応を起こす。
すなわち、両電極間において、
+(1/2)O→H
の電気化学反応が起こることによって起電力が発生する。また、このとき、カソード側では水が生成する。
燃料電池2の発電を停止する際には、水を排出するためのパージが行われる。燃料電池2の内部に水が残留した状態で発電を停止すると、例えば、低温環境下で燃料電池2を起動する場合に、水が凍結することによってガス流路が閉塞されてしまうからである。このため、燃料電池2の起動時においては、電解質膜15の含水量は低いものとなっている。したがって、電解質膜15は、導電率が低くなることによって抵抗の高い膜となる。これにより、起動時における燃料電池2の電圧は低いものとなる。
しかし、燃料電池2を運転すると、上記の電気化学反応によって水が生成するので、電解質膜15の含水量は次第に上昇する。これにより、電解質膜15の抵抗は低下していくので、燃料電池2の電圧は上昇するようになる。
ところで、上述したように、燃料電池システム1は、アノード16への水素の供給にデッドエンド方式を採用しているため、運転は水素の流路10が閉塞された状態で行われる。一方、空気の流路20は開放された状態で運転される。このため、アノード側には、電解質膜15を介してカソード側から拡散した水や窒素が蓄積しやすくなる。つまり、電気化学反応によってカソード側に生成した水は、電解質膜15を透過してアノード側にも蓄積される。また、カソード17に供給される空気には窒素も含まれているが、この窒素も電解質膜15を透過してアノード側に蓄積される。したがって、燃料電池システム1を運転すると、次第に、アノード側の流路10に水や窒素が溜まっていく。これにより、水素の分圧の低下が起こって、燃料電池2の電圧が低下してしまう。
アノード側の流路10に蓄積した水や窒素を排出するには、パージ弁8を開いてパージを行えばよい。しかしながら、燃料電池2の電圧が低下したところでパージを行うのでは、起動時の状態に対応できなくなる。すなわち、起動時においては、水や窒素の蓄積量が多くなっているにもかかわらず、電解質膜15の含水量が増えることによる電圧の上昇が起こるために、結果として燃料電池2の電圧が低下しなくなってしまうからである。このため、電圧の低下をモニターしただけでは、起動時におけるパージのタイミングを逸することとなり、やがて電圧が大きく低下する結果を招いてしまう。
図3(a)は、燃料電池の電圧が時間によって変化する様子を模式的に示したものである。この図に示すように、起動時(時間t)からしばらくの間は、電圧に変化は見られない。しかし、時間tを経過すると電圧は、大きく低下するようになる。そこで、時間tでパージを行うと、電圧を増大させることができる。その後も、電圧が低下したところでパージを行うと、低下した電圧を元の電圧まで回復させることができる。
図3(a)に示すように、起動時における電圧の低下量は、その後の運転時に比較して大きいものとなる。これは、起動時におけるパージのタイミングが適正なタイミングよりも遅くなっているために、流路に蓄積した水や窒素の量が相当量増えているためと考えられる。
一方、図3(b)は、時間によって電解質膜の抵抗が変化する様子を模式的に示したものである。この図に示すように、時間t(但し、t<t)で抵抗は低下を始める。すなわち、電圧の低下は時間tより後でないと認められないが、抵抗の低下は時間tより前に認めることができる。したがって、抵抗の低下をモニターすることによって、電圧の低下をモニターするよりも、より適切に燃料電池の運転状態を把握することが可能となる。そこで、本発明においては、起動時におけるパージのタイミングを電解質膜の抵抗の変化から決定する。
図4(a)は、時間によって電解質膜の抵抗が変化する様子を模式的に示したものである。この図に示すように、起動時(時間t)にRであった電解質膜の抵抗は、時間の経過とともに電化質膜の含水量が増えることによって、次第に低下していく。そして、時間tでRとなった後は、含水量が飽和に達するために、抵抗はそれ以上低下しなくなる。
抵抗Rは、電解質膜の物性や燃料電池の運転条件によって変化する。ここで、燃料電池の運転条件とは、具体的には、電解質膜に供給される水の量と、電解質膜から持ち去られる水の量とに影響を及ぼす運転条件を言う。より詳しくは、電解質膜に供給される水の量は、燃料電池に供給されるガスの露点や流量によって決まる。また、電解質膜から持ち去られる水の量は、燃料電池の温度や、燃料電池に供給されるガスの流量によって決まる。燃料電池の温度が高くなるほど飽和水蒸気量は大きくなるので、持ち去られる水の量が増えることになる。
例えば、Gore社製のフッ素系固体高分子電解質膜を用いて、燃料電池の温度を80℃とし、アノード側の露点が45℃、カソード側の露点が55℃の状態で加湿を行いながら、ストイキ比(アノードに供給される水素の流量/カソードに供給される空気の流量)を1.2/1.5として、デッドエンド方式による燃料電池システムを運転したところ、R=120mΩ・cmであった。尚、ここでのRは、抵抗に電極の面積を乗じた値(面積抵抗)である。比抵抗が同じであっても、電流の流れる面積が大きければ、抵抗は小さくなる。Rを上記のように定義することにより、電極面積が異なる場合であっても、抵抗の大きさを容易に比較できるようになる。
本実施の形態においては、電解質膜15の抵抗が所定の値にまで低下したところで、アノード側の流路10を開放してパージを行う。例えば、図4(a)では、抵抗がRになった時間tでパージを行う。
図4(b)は、本実施の形態において、燃料電池2の電圧が時間によって変化する様子を模式的に示したものである。この図に示すように、時間tでパージを行うと、アノード側のガス流路に蓄積した水や窒素が排出されるために、水素の分圧が上昇し、これによって、燃料電池の電圧も上昇するようになる。
このように、起動時におけるパージのタイミングは、燃料電池の電圧の低下をモニターしていたのでは把握できないが、電解質膜の抵抗の低下をモニターすることによって把握できるようになる。したがって、電解質膜の抵抗が所定値に達したところで、燃料オフガスの流路を開いてパージを行うことにより、流路に蓄積した水や窒素を従来より早い段階で排出できるので、起動時における燃料電池の発電効率を従来より向上させることが可能となる。
電解質膜の抵抗がRに達した後のパージは、燃料電池の電圧が所定値まで低下したところで行うようにすればよい。抵抗がRになると、電解質膜の含水量は飽和に達したと考えられ、その後の抵抗に変化は見られなくなる。したがって、燃料電池の電圧の変化は、専らアノード側のガス流路に蓄積した水や窒素の量に影響されると見てよい。それ故、図4(b)に示すように、電圧が所定値に達する時間tや時間tでパージを行うことによって、低下した燃料電池の電圧を回復することができる。そして、これ以降のパージも、燃料電池の電圧が所定値まで低下したところで行うようにすればよい。
上記例では、電解質膜の抵抗が所定の値にまで低下したところでパージを行った。しかしながら、本実施の形態においては、電解質膜の抵抗が下がりきったところでパージを行ってもよい。例えば、図4(a)において、抵抗がRになった時間tではなく、抵抗がRになった時間tでパージを行ってもよい。また、この場合、時間tではなく、時間(t+Δt)でパージを行ってもよい。電解質膜の抵抗が下がりきったところでパージを行っても、上記と同様の効果を得ることができる。尚、時間tまたは時間(t+Δt)でパージを行う場合は、電解質膜の含水量が飽和にしたところでパージを行うと言い換えることができる。
また、本実施の形態においては、一定時間毎の電解質膜の抵抗の変化量を求め、n番目の変化量と、その前に検出した(n−1)番目の変化量との差が所定値以上となったところでパージを行ってもよい。すなわち、n番目の変化量をΔRとし、(n−1)番目の変化量をΔRn−1とすると、
ΔR−ΔRn−1≧x (x:所定値)
の関係が満たされたところでパージを行うこともできる。この場合、燃料電池システム1は、燃料電池2の抵抗を測定する機能に加えて、得られた抵抗の値について一定時間毎の変化量を算出する機能を備えた検出手段を有することが好ましい。
また、本実施の形態においては、一定時間毎の電解質膜の抵抗の変化量を求め、n番目の変化量が、その前に検出した(n−1)番目の変化量より小さくなったところでパージを行ってもよい。すなわち、n番目の変化量をΔRとし、(n−1)番目の変化量をΔRn−1とすると、
ΔR<ΔRn−1
の関係が満たされたところでパージを行うこともできる。この場合にも、燃料電池システム1は、燃料電池2の抵抗を測定する機能に加えて、得られた抵抗の値について一定時間毎の変化量を算出する機能を備えた検出手段を有することが好ましい。
さらに、本実施の形態においては、一定時間毎の電解質膜の抵抗の変化量を求め、この変化量が所定値より小さくなったところでパージを行ってもよい。すなわち、
ΔR<y (y:所定値)
の関係が満たされたところでパージを行うこともできる。この場合にも、燃料電池システム1は、燃料電池2の抵抗を測定する機能に加えて、得られた抵抗の値について一定時間毎の変化量を算出する機能を備えた検出手段を有することが好ましい。
尚、燃料電池システム1が、燃料電池2の抵抗を測定する機能に加えて、得られた抵抗の値について一定時間毎の変化量を算出する機能を備えた検出手段を有する場合には、上記の電解質膜の抵抗が下がりきったところでパージを行う例は、一定時間毎の電解質膜の抵抗の変化量を求め、この変化量がゼロ(ΔR=0)となったところでパージを行うと言い換えることができる。
電解質膜15の抵抗は、例えば、燃料電池2の抵抗を測定し、この値から交流インピーダンス法などの公知の方法を用いて求めることができる。
また、電解質膜15の抵抗は、燃料電池2の抵抗、燃料電池2の発電電流の積算値およびカソード側での圧損に相関する。したがって、この内のいずれかの値を測定し、得られた値に応じてパージを行う時間を決定することもできる。すなわち、燃料電池の起動時から所定時間を経過したところでパージを行う場合において、この所定時間は、上記のいずれかの値が所定値に達したところでパージを行うようにすることができる。また、上記のいずれかの値について一定時間毎の変化量を算出し、n番目の変化量と(n−1)番目の変化量との差が所定値x以上となったところでパージを行うようにすることもできる。また、n番目の変化量が(n−1)番目の変化量より小さくなったところでパージを行うようにすることもできる。また、変化量が所定値yより小さくなったところでパージを行うようにすることもできる。さらに、変化量がゼロになったところ、すなわち、上記のいずれかの値が一定となったところでパージを行うようにすることもできる。
電解質膜15の抵抗と燃料電池2の抵抗との間に相関関係があるとするのは、以下の理由による。燃料電池2の抵抗は、アノード16、カソード17およびセパレータ13,14の抵抗と、電解質膜15の抵抗とに大別される。ここで、アノード16、カソード17およびセパレータ13,14は導電性材料によって形成されているので、抵抗の変化は考えなくてよい。一方、電解質膜15は、上述したように、その含水量によって抵抗が大きく変化する。したがって、燃料電池2の抵抗の変化は、電解質膜15の抵抗の変化によると考えることができるので、これらの間には相関関係があると言える。それ故、燃料電池2の抵抗を測定すれば、電解質膜15の抵抗を求めるまでもなく、起動時におけるパージのタイミングを決定することが可能となる。
燃料電池2の抵抗は、燃料電池2を構成するセルに交流インピーダンス測定器を接続することによって測定できる。測定は、いずれか1つのセルについて行ってもよく、全てのセルについて行ってもよい。1つのセルについてのみ測定する場合には、積層方向の中央付近に位置するセルについて行うのがよい。一方、全てのセルについて測定する場合には、各セルに交流インピーダンス測定器を接続し、得られた測定値の平均を燃料電池の抵抗とすることができる。尚、セルを個別に測定するのではなく、セル全体の抵抗を測定するようにしてもよい。
電解質膜15の抵抗と燃料電池2の発電電流の積算値との間に相関関係があるとするのは、以下の理由による。アノード16とカソード17での電気化学反応によって生成する水の量は、発電電流の積算値に略比例する。そして、生成水の量が多くなると、それに伴って、電解質膜15の含水量が増えて抵抗が低下すると考えられる。したがって、抵抗の変化は、生成する水の量、すなわち、発電電流の積算値に相関すると見てよい。
発電電流の積算値Isumは、燃料電池2の発電電流Iを測定し、この値に一定時間Δtを乗じて得た値を、直前の発電電流の積算値I′sumに加えることによって求めることができる。本実施の形態においては、発電電流の積算値Isumが所定の積算値Imaxを超えたところでパージを行うようにする。または、発電電流の積算値Isumが一定となったところでパージを行うようにする。
電解質膜15の抵抗とカソード側での圧損との間に相関関係があるとするのは、以下の理由による。アノード16とカソード17での電極反応によって水が生成し、電解質膜15の含水量が大きくなると、カソード側の流路内で水が凝縮を起こすことによって、カソード側での圧損が高くなる。したがって、含水量による電解質膜15の抵抗の変化と、カソード側での圧損との間には相関関係があると言ってよい。
カソード側での圧損は、例えば、燃料電池2の上流側流路と下流側流路にそれぞれ圧力計を設けておき、これらの差圧から求めることができる。本実施の形態においては、圧損が所定値を超えたところでパージを行うようにする。また、カソード側の流路20は開放されているため、ある値に達すると、圧損はそれより高くはならない。したがって、圧損が一定となったところでパージを行うようにしてもよい。
尚、本発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、種々変形して実施することができる。
本実施の形態における燃料電池システムの構成図である。 本実施の形態における燃料電池のセルの断面模式図である。 (a)は燃料電池の電圧の時間変化であり、(b)は電解質膜の抵抗の時間変化である。 (a)は電解質膜の抵抗の時間変化であり、(b)は燃料電池の電圧の時間変化である。
符号の説明
1 燃料電池システム
2 燃料電池
3 コンプレッサ
4 加湿器
5 空気調圧弁
6 水素タンク
7 水素調圧弁
8 パージ弁
9 電圧測定手段
10,20 流路
11 セル
12 膜−電極−ガス拡散層アッセンブリ
13,14 セパレータ
15 電解質膜
16 アノード
17 カソード
18,19 ガス拡散層

Claims (6)

  1. 電解質膜と、該電解質膜の一方の面に設けられたアノードと、該電解質膜の他方の面に設けられたカソードとを備えた燃料電池を有し、
    前記燃料電池から排出される燃料オフガスの流路を閉じた状態で前記燃料電池を運転し、起動時から所定時間を経過したところで前記燃料オフガスの流路を開いてパージを行う燃料電池システムであって、
    前記電解質膜の抵抗、前記燃料電池の抵抗、前記燃料電池の発電電流の積算値および前記カソード側での圧損のいずれかを検出する機能を備えた検出手段を有し、
    前記検出手段で得られた値に応じて前記所定時間を決定することを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記所定時間は、前記検出手段で得られた前記燃料電池の抵抗、前記燃料電池の発電電流の積算値および前記カソード側での圧損のいずれかの値が所定値に達した時間であることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記検出手段は、前記電解質膜の抵抗、前記燃料電池の抵抗、前記燃料電池の発電電流の積算値および前記カソード側での圧損のいずれかを検出し、さらに、得られた値について一定時間毎の変化量を算出する手段であって、
    前記所定時間は、前記検出手段によるn番目の前記変化量と(n−1)番目の前記変化量との差が所定値以上となるまでの時間であることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  4. 前記検出手段は、前記電解質膜の抵抗、前記燃料電池の抵抗、前記燃料電池の発電電流の積算値および前記カソード側での圧損のいずれかを検出し、さらに、得られた値について一定時間毎の変化量を算出する手段であって、
    前記所定時間は、前記検出手段によるn番目の前記変化量が(n−1)番目の前記変化量より小さくなるまでの時間であることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  5. 前記検出手段は、前記電解質膜の抵抗、前記燃料電池の抵抗、前記燃料電池の発電電流の積算値および前記カソード側での圧損のいずれかを検出し、さらに、得られた値について一定時間毎の変化量を算出する手段であって、
    前記所定時間は、前記検出手段による前記変化量が所定値より小さくなるまでの時間であることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  6. 前記検出手段は、前記電解質膜の抵抗、前記燃料電池の抵抗、前記燃料電池の発電電流の積算値および前記カソード側での圧損のいずれかを検出し、さらに、得られた値について一定時間毎の変化量を算出する手段であって、
    前記所定時間は、前記検出手段による前記変化量がゼロとなるまでの時間であることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
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