JP5849864B2 - 燃料電池診断装置 - Google Patents

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Description

本発明は、単位セルの局所部位におけるインピーダンスに基づいて、燃料電池への燃料ガスの供給状態を診断する燃料電池診断装置に関する。
従来、燃料電池内において燃料ガスが不足し易い部位を流れる電流を測定し、測定した電流に基づいて、燃料電池への燃料ガスの供給状態を診断する装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1では、燃料ガスが不足し易い部位を、単位セル内に設けられた燃料ガス流路の燃料ガス出口部とし、当該燃料ガス出口部を流れる電流を測定し、測定した電流値、および電流の低下速度に応じて、燃料電池への燃料ガスの供給状態を診断する構成としている。
特開2010−272537号公報
ところで、本発明者らは、燃料電池の出力電流に所定周波数の交流信号を付加した際の単位セル内の局所部位を流れる局所電流、および単位セルのセル電圧から単位セルの局所部位における局所インピーダンスを算出し、当該局所インピーダンスに基づいて、燃料電池への燃料ガスの供給状態を診断する構成を検討している。
ここで、特許文献1に記載のように、単位セル内の燃料ガス流路の燃料ガス出口部は、燃料ガス流路において最も燃料ガスが不足し易い部位となることから、単位セル内における局所電流の測定を燃料ガス出口部とすることが考えられる。
しかし、単位セル内の燃料ガス流路の燃料ガス出口部は、燃料ガス流路において最も燃料ガスが不足し易い部位であるものの、燃料電池の発電時における発電量(出力電流)が少ない部位でもあり、ノイズ等の影響を受け易く、測定する局所電流の誤差が大きい。
それ故、燃料ガス出口部を流れる電流やセル電圧から局所インピーダンスを求め、当該局所インピーダンスに基づいて、燃料電池への燃料ガスの供給状態を診断する構成とすると、診断精度が低いといった問題がある。
本発明は上記点に鑑みて、燃料電池への燃料ガスの供給状態を診断する燃料電池診断装置において、診断精度の向上を図ることを目的とする。
本発明は、燃料ガスおよび酸化剤ガスの電気化学反応により電気エネルギを出力する単位セル(10)を有する燃料電池(1)に適用される燃料電池診断装置を対象としている。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、単位セルの局所部位を流れる局所電流を検出する局所電流検出手段(41)と、単位セルのセル電圧を検出するセル電圧検出手段(42)と、燃料電池の出力電流に所定周波数の交流信号を重畳させる信号付加手段(431)と、燃料電池の出力電流に交流信号を重畳させた際のセル電圧および局所電流から局所部位の局所インピーダンスを算出するインピーダンス算出手段(432)と、局所インピーダンスに基づいて、燃料電池への燃料ガスの供給状態を診断する診断手段(433)と、を備える。
そして、単位セルの内部には、燃料ガスが流れる燃料ガス流路(101a)が形成されており、局所電流検出手段は、局所電流を検出する電流検出部(412)が、燃料ガス流路における燃料ガス流れ下流側に対応する部位のうち、燃料ガスの供給状態が欠乏状態となった際に、単位面積当りに流れる最小の電流量が予め定めた基準電流量以上となる領域であって、前記燃料ガス流路において最下流に位置する出口部からの流路長が前記燃料ガス流路の全流路長の2%〜20%となる領域に設けられていることを特徴としている。
これによれば、燃料ガスの供給状態が欠乏状態となった際に、単位面積当りに流れる最小の電流量が基準電流量を下回る領域を、局所電流検出手段における電流検出部の検出領域から除外しているので、電流検出部にて検出した局所電流へのノイズ等の影響を抑制することができる。従って、燃料ガスの供給状態を診断する際に用いる局所インピーダンスを精度よく算出することができ、燃料ガスの供給状態の診断精度の向上を図ることができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係の一例を示すものである。
実施形態に係る燃料電池システムの全体構成図である。 実施形態に係る燃料電池の単位セルの分解斜視図である。 実施形態に係る局所電流測定部の分解斜視図である。 水素の供給状態を変化させた際のインピーダンスの変化を複素平面上に示した特性図である。 水素の供給状態を変化させた際の単位セル内部の特性の変化を示す特性図である。 水素の供給状態を変化させた際の交流信号の周波数とインピーダンスの絶対値との関係を示す特性図である。 局所電流の検出領域を水素出口部を含む領域に設定した構成において、周波数を変化させた際の局所インピーダンスの精度指標の変化を示す特性図である。 局所電流の検出領域を水素出口部除外した領域に設定した構成において、周波数を変化させた際の局所インピーダンスの精度指標の変化を示す特性図である。
以下、本発明の一実施形態について説明する。本実施形態の燃料電池診断装置4は、電気自動車の一種である燃料電池車両の燃料電池システムに適用されて、車両に搭載された燃料電池1の水素の供給状態を診断するものである。
燃料電池1は、水素(燃料ガス)と酸素(酸化剤ガス)との電気化学反応を利用して電気エネルギを出力するもので、本実施形態では、燃料電池1として固体高分子型燃料電池を採用している。本実施形態の燃料電池1は、車両走行用電動モータや二次電池といった電気負荷2に電力を供給するように構成されている。
図1の全体構成図に示すように、本実施形態の燃料電池1は、基本単位となる単位セル10が複数積層されたスタック構造であり、各単位セル10を電気的に直列接続した直列接続体として構成されている。
各単位セル10は、図2の分解斜視図に示すように、固体高分子からなる電解質膜の両面を一対の電極で挟んだ膜電極接合体100、および膜電極接合体100を挟持する一対のセパレータ101、102で構成されている。
膜電極接合体100における一対の電極のうち、一方の電極は、水素を含有する燃料ガスが供給される水素極(アノード)として構成され、他方の電極は、酸素を含有する酸化剤ガス(本実施形態では空気)が供給される酸素極(カソード)として構成されている。なお、各電極は、触媒層およびガス拡散層にて構成されている。
また、一対のセパレータ101、102は、それぞれカーボン材や導電性金属からなる板状プレートで構成され、膜電極接合体100の水素極と対向する面に水素が流れる水素流路101aが形成され、空気極と対向する面に空気が流れる空気流路102aが形成されている。なお、水素流路101aが、単位セル10内における燃料ガス流路を構成し、空気流路102aが単位セル10内における酸化剤ガス流路を構成している。
本実施形態の水素流路101aは、水素入口部101bから水素出口部101cに至る流路を蛇行したサーペンタイン型の流路構造としている。同様に、本実施形態の空気流路102aは、空気入口部102bから空気出口部102cに至る流路を蛇行したサーペンタイン型の流路構造としている。
なお、本実施形態の各セパレータ101、102には、単位セル10内部における水素の流れと空気の流れが対向流となるように水素流路101aおよび空気流路102aが形成されている。
燃料電池1には、各単位セル10の水素流路101aの水素入口部101bに水素を分配する水素供給マニホールド103、および各単位セル10の水素流路101aの水素出口部101cから流出したオフガスを集合させて排出する水素排出マニホールド104が形成されている。
同様に、燃料電池1には、各単位セル10の空気流路102aの空気入口部102bに空気を分配する空気供給マニホールド105、および各単位セル10の空気流路102aの空気出口部102cから流出するオフガスを集合させて排出する空気排出マニホールド106が形成されている。
燃料電池1の水素供給マニホールド103、および空気供給マニホールド105を介して各単位セル10へ水素および空気といった反応ガスが供給されると、各単位セル10では、以下の水素および酸素の電気化学反応により電気エネルギを出力する。
(水素極側:アノード側)H→2H+2e
(酸素極側:カソード側)2H+1/2O+2e→H
燃料電池1から出力される電気エネルギは、燃料電池1全体として出力される出力電圧を検出する出力電圧センサ(図示略)、および、燃料電池1全体として出力される出力電流を検出する出力電流センサ(図示略)によって測定される。各センサは、後述する制御装置5に接続されており、各センサの検出値が制御装置5に入力される。
また、各単位セル10のうち、水素の供給状態(適正状態および欠乏状態)を診断する単位セル10(以下、診断セル10と称する。)には、診断セル10における水素の供給状態を診断する燃料電池診断装置4が接続されている。なお、燃料電池診断装置4については後述する。
図1に戻り、燃料電池1には、空気を供給する空気供給配管20、および燃料電池1からの排出空気を外部へ排出する空気排出配管21が接続されている。
空気供給配管20の最上流部には、大気中から吸入した空気を燃料電池1に圧送するための空気ポンプ22が設けられ、空気排出配管21には、燃料電池1内の空気の圧力を調整するための空気調圧弁23が設けられている。なお、本実施形態では、空気ポンプ22および空気調圧弁23によって、所定の流量および圧力の空気を燃料電池1に供給する空気供給手段が構成される。
また、燃料電池1には、水素を供給する水素供給配管30、および燃料電池1にて電気化学反応を終えた微量な水素等を外部へ排出する水素排出配管31が接続されている。
水素供給配管30の最上流部には、高圧水素が充填された高圧水素タンク32が設けられ、水素供給配管30における高圧水素タンク32と燃料電池1との間には、燃料電池1に供給される水素の圧力を調整する水素調圧弁33が設けられている。なお、本実施形態では、この水素調圧弁33によって、所望の圧力の水素を燃料電池1に供給する水素供給手段が構成される。また、水素排出配管31には、生成水を微量な水素とともに外気へ排出するために所定の時間間隔で開閉する電磁弁34が設けられている。
燃料電池システムには、各種制御を行う発電制御手段としての制御装置5が設けられている。この制御装置5は、各種入力信号に基づいて、燃料電池システムを構成する各種電気式アクチュエータの作動を制御するもので、CPU、ROM、RAM等からなる周知のマイクロコンピュータとその周辺回路にて構成されている。
本実施形態の制御装置5の入力側には、燃料電池診断装置4、燃料電池1の運転開始を指示する起動スイッチ(図示略)等が接続されており、燃料電池診断装置4、起動スイッチ等からの出力信号が入力される。
一方、制御装置5の出力側には、上述の空気ポンプ22、空気調圧弁23、水素調圧弁33、電磁弁34といった各種電気式アクチュエータ等が接続されており、これら制御機器が制御装置5からの制御信号により制御される。
次に、本実施形態の燃料電池診断装置4について説明する。本実施形態の燃料電池診断装置4は、局所電流測定部41、セル電圧センサ42、および信号処理装置43を備えている。
局所電流測定部41は、診断セル10に設定された局所部位に流れる局所電流を検出する局所電流検出手段である。本実施形態の局所電流測定部41は、図3に示すように、導電性を有する板状部材411、局所電流を検出する電流検出部を構成する局所電流センサ412で構成されている。
板状部材411は、診断セル10に隣接して配置され、板状部材411における診断セル10の局所部位に対応する部位に、局所電流センサ412を配置するための貫通穴411aが形成されている。
本実施形態の局所電流センサ412は、磁気検知式の電流センサを採用しており、導電性を有する局所電流路部412a、絶縁枠412b、および局所電流路部412aを流れる電流を検出する検知部412cにて構成されている。
局所電流路部412aは、絶縁枠412bを介して板状部材411の貫通穴411aに配置され、診断セル10の局所部位に対応する部位からの電流が流れる流路である。なお、局所電流路部412aは、絶縁枠412bによって板状部材411から絶縁されている。
検知部412cは、局所電流路部412aを流れる電流による磁界の変化を検出するものであり、局所電流路部412aの外周を囲むように配置されている。なお、板状部材411における局所電流センサ412の配置形態の詳細については後述する。
図1に戻り、セル電圧センサ42は、診断セル10のセル電圧を検出するセル電圧検出手段である。なお、局所電流測定部41、およびセル電圧センサ42は、それぞれ信号処理装置43に接続されており、局所電流測定部41、およびセル電圧センサ42からの各出力信号が信号処理装置43に入力される。
信号処理装置43は、各種入力信号に基づいて、制御処理や演算処理を実行するものであり、CPU、ROM、RAM等からなる周知のマイクロコンピュータとその周辺回路にて構成されている。
本実施形態の信号処理装置43は、信号付加部431、インピーダンス算出部432、診断部433といった構成(ソフトウェアおよびハードウェア)を備えている。
信号付加部431は、燃料電池1の出力電流に対して所定周波数の交流信号を付加(重畳)する信号付加手段を構成している。なお、信号付加部431にて付加する交流信号は、燃料電池1の発電状態への影響を考慮して、交流信号の振幅を燃料電池1の出力電流の5%〜10%以内としている。
インピーダンス算出部432は、信号付加部431にて燃料電池1の出力電流に交流信号を付加した際の局所電流測定部41、およびセル電圧センサ42の検出値から単位セル10の局所部位における局所インピーダンスを算出するインピーダンス算出手段を構成している。本実施形態のインピーダンス算出部432は、例えば、高速フーリエ変換処理等によって、交流信号の周波数に対応する局所インピーダンスを算出可能となっている。
ここで、図4は、水素の供給状態を変化させた際の単位セル10の局所部位における局所インピーダンスの変化を複素平面上に示した特性図(コールコールプロット)である。なお、図4の破線が、水素の供給状態を適正状態(水素:高濃度)とした際の局所インピーダンスの変化を示し、図4の実線が、水素の供給状態を欠乏状態(水素:低濃度)とした際の局所インピーダンスの変化を示している。
図4に示すように、水素の供給状態を欠乏状態とした際には、適正状態とした際よりも、局所インピーダンス(絶対値)が相似的に大きくなる傾向がある。このような傾向は、低周波側の局所インピーダンス(図4のA部)で顕著となっており、低周波側の局所インピーダンスが、水素の供給状態に相関して変化することが分かる。
このため、本実施形態では、信号付加部431にて付加する交流信号の周波数を、予め定めた基準周波数(例えば、100Hz)以下の低周波数に設定し、インピーダンス算出部432にて、低周波数の交流信号に対応する局所インピーダンスを算出するようにしている。なお、交流信号の周波数を高くすると、単位セル10内部の膜電極接合体100の乾湿状態が局所インピーダンスに影響することから、交流信号の周波数としては、基準周波数以下の周波数領域のうち、10Hz〜20Hzの範囲に設定することが望ましい。
診断部433は、インピーダンス算出部432にて算出した局所インピーダンスを用いて、診断セル10への水素の供給状態を診断する診断手段を構成している。前述のように、局所インピーダンス(絶対値)は、単位セル10内部の水素濃度の低下に伴って増加する傾向があることから、本実施形態の診断部433では、局所インピーダンスから水素の供給状態が適正状態、および欠乏状態のいずれの状態であるかを特定する。
続いて、本実施形態に係る局所電流測定部41の局所電流センサ412の配置形態について説明する。
図5は、燃料電池1への水素の供給状態を変化させた際の単位セル10内部の水素入口部101bから水素出口部101cに至る水素流路101aにおける特性の変化を示す特性図である。なお、図5(a)が、単位セル10内部の水素流路101aにおける発電分布(出力電流の分布)を示し、図5(b)が、単位セル10内部の水素流路101aにおける水素濃度の変化を示している。また、図5(c)が、単位セル10内部の水素流路101aにおける重畳電流(交流信号)の分配量の変化を示し、図5(d)が、単位セル10内部の水素流路101aにおけるインピーダンス分布を示している。
図5に示すように、水素流路101aのうち、水素入口部101bよりも水素出口部101cに近い水素流れ下流側では、水素の供給状態が欠乏状態となると、水素濃度が低下すると共に(図5(b)参照)、インピーダンスが急激に増加する傾向がある(図5(d)参照)。一方、水素流路101aにおける水素流れ下流側では、水素の供給状態が欠乏状態となると、発電量および重畳電流の分配量が急激に低下する傾向がある(図5(a)、図5(c)参照)。
このように、水素流路101aにおける最下流部である水素出口部101c付近は、水素の供給状態が欠乏状態となった際に最もインピーダンスが増加する一方で、もともと発電量が少なく、重畳電流の分配量も小さくなることから、水素出口部101c付近を流れる局所電流の測定誤差が大きくなってしまう。
そこで、本実施形態では、局所電流測定部41の局所電流センサ412を、診断セル10の水素流路101aの水素流れ下流側に対応する部位のうち、水素の供給状態が欠乏状態となった際に、単位面積当りに流れる最小の電流量が予め定めた基準電流量以上となる領域に設けている。なお、基準電流量は、所定の検出精度が得られるように、局所電流センサ412の分解能に応じて設定することが望ましく、本実施形態では、局所電流センサ412の分解能の数倍以上となる電流量を設定している。
具体的には、本実施形態では、局所電流測定部41の局所電流センサ412を、水素流路101aの水素流れ下流側に対応する部位のうち、最下流に位置する水素出口部101cを除いた水素出口部101cの直前の領域に配置している。この「直前の領域」は、図3の斜線部分に示すように、診断セル10の水素流路101aにおいて最下流に位置する水素出口部101cからの流路長が、水素流路101aの全流路長の2%〜20%となる範囲に相当している。なお、本実施形態では、局所電流測定部41における局所電流の検出領域を、水素流路101aの全流路長の5%以上の範囲に設定している。
ここで、図6は、単位セル10への水素の供給状態を変化させた際の交流信号の周波数とインピーダンス算出部432で実際に算出した局所インピーダンスの絶対値との関係を示す特性図である。なお、図6における丸プロットが水素の供給状態を適正状態としたときの交流信号の周波数と局所インピーダンスの絶対値との関係を示し、三角プロットが水素の供給状態を欠乏状態としたときの交流信号の周波数と局所インピーダンスの絶対値との関係を示している。
図6に示すように、インピーダンス算出部432にて算出する局所インピーダンスの絶対値Abs(Z)は、水素の供給状態の変化による変化代以外にも、ノイズの影響によりバラツキが生ずる。
本発明者らは、水素の供給状態の変化に伴う局所インピーダンスの絶対値の変化代をノイズによる局所インピーダンスの絶対値のバラツキで割った値(=変化代/バラツキ)をインピーダンス算出部432の精度指標(SN比)として算出し、当該精度指標を用いて、局所電流測定部41の検出領域を変更した際の局所インピーダンスの算出精度を検証した。なお、精度指標は、その値が高くなる程、局所インピーダンスの算出精度が高いことを示し、その値が小さくなる程、局所インピーダンスの算出精度が低いことを示している。
図7は、局所電流の検出領域を水素出口部101cを含む領域に設定した構成(比較例)において、交流信号の周波数を変化させた際の局所インピーダンスの精度指標の変化を示す特性図である。なお、図7では、局所電流測定部41における局所電流の検出領域を水素流路101aの全流路長の6.6%とした際の結果を実線で示し、13%とした際の結果を一点鎖線で示し、20%とした際の結果を二点鎖線で示している。
図7に示すように、比較例においては、局所電流測定部41における局所電流の検出領域を広い範囲とした場合には、精度指標が高い値を示すものの、局所電流の検出領域を狭くすると、精度指標が低い値となってしまう。
一方、図8は、本実施形態の如く、局所電流の検出領域を水素出口部101cを除外した領域に設定した構成(本例)において、交流信号の周波数を変化させた際の局所インピーダンスの精度指標の変化を示す特性図である。なお、図8では、局所電流測定部41における局所電流の検出領域を水素流路101aの全流路長の6.6%とした際の結果を実線で示し、13%とした際の結果を一点鎖線で示している。
図8に示すように、本例では、局所電流測定部41における局所電流の検出領域を広い範囲とした場合は勿論のこと、局所電流の検出領域を狭くしたとしても、精度指標が高い値を示していることが分かる。
このように、本実施形態の如く、局所電流の検出領域を水素出口部101cを除外した領域に設定した場合、局所電流の検出領域を水素出口部101cを含む領域に設定した場合に比べて、より狭い検出領域において、局所インピーダンスを精度よく算出することができる。
次に、本実施形態の燃料電池診断装置4の作動について簡単に説明する。まず、燃料電池診断装置4は、燃料電池1の起動スイッチが投入され、燃料電池1が発電状態となっている際に、信号付加部431により燃料電池1の出力電流に低周波数(例えば、20Hz)の交流信号を付加する。
そして、インピーダンス算出部432にて、局所電流測定部41、およびセル電圧センサ42の各出力信号から、診断セル10の局所部位における局所インピーダンスを算出する。
続いて、診断部433にて、インピーダンス算出部432にて算出した局所インピーダンスに基づいて、燃料電池1への水素の供給状態を診断する。具体的には、診断部433は、局所インピーダンスの絶対値と予め定めた判定閾値とを比較し、局所インピーダンスが判定閾値を上回った際に、水素の供給状態が欠乏状態と特定するようにしている。
以上説明した本実施形態の燃料電池診断装置4では、局所電流測定部41の局所電流センサ412を、水素流路101aにおける水素流れ下流側に対応する部位のうち、水素の供給状態が欠乏状態となった際に、単位面積当りに流れる最小の電流量が基準電流量以上となる領域に設ける構成としている。
これによれば、水素の供給状態が欠乏状態となった際に、単位面積当りに流れる最小の電流量が基準電流量を下回る領域を、局所電流測定部41の局所電流センサ412の検出領域から除外しているので、局所電流センサ412にて検出した局所電流へのノイズ等の影響を抑制することができる。従って、インピーダンス算出部432にて、水素の供給状態を診断する際に用いる局所インピーダンスを精度よく算出することができ、診断部433における水素の供給状態についての診断精度の向上を図ることができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、種々変形することができる。例えば、以下のように種々変形可能である。
(1)上述の実施形態では、局所電流測定部41の局所電流センサ412として磁気検知式の電流センサを採用する例について説明したが、これに限らず、例えば、シャント抵抗を利用した抵抗検出式の電流センサを局所電流センサ412として採用してもよい。
(2)上述の実施形態では、単位セル10内部の水素流路101aおよび空気流路102aそれぞれの流路構造をサーペンタイン型とする例を説明したが、これに限らず、各流路101a、102aの流路構造を並列型やグリッド型としてもよい。
(3)上述の各実施形態では、信号処理装置43に信号付加部431、インピーダンス算出部432、診断部433を設ける構成としているが、これに限定されず、例えば、制御装置5に信号付加部431、インピーダンス算出部432、診断部433を設けてもよい。
(4)上述の実施形態では、燃料電池車両に搭載された燃料電池1の状態を診断する例を説明したが、これに限定されず、船舶及びポータブル発電器等の移動体や設置型の燃料電池1の状態を診断するようにしてもよい。
1 燃料電池
10 単位セル
101a 水素流路(燃料ガス流路)
41 局所電流測定部(局所電流検出手段)
412 局所電流センサ(電流検出部)
431 信号付加部(信号付加手段)
432 インピーダンス算出部(インピーダンス算出手段)
433 診断部(診断手段)

Claims (3)

  1. 燃料ガスおよび酸化剤ガスの電気化学反応により電気エネルギを出力する単位セル(10)を有する燃料電池(1)に適用される燃料電池診断装置であって、
    前記単位セルの局所部位を流れる局所電流を検出する局所電流検出手段(41)と、
    前記単位セルのセル電圧を検出するセル電圧検出手段(42)と、
    前記燃料電池の出力電流に所定周波数の交流信号を重畳させる信号付加手段(431)と、
    前記局所電流に前記交流信号を重畳させた際の前記セル電圧および前記局所電流から前記局所部位の局所インピーダンスを算出するインピーダンス算出手段(432)と、
    前記局所インピーダンスに基づいて、前記燃料電池への前記燃料ガスの供給状態を診断する診断手段(433)と、を備え、
    前記単位セルの内部には、前記燃料ガスが流れる燃料ガス流路(101a)が形成されており、
    前記局所電流検出手段は、前記局所電流を検出する電流検出部(412)が、前記燃料ガス流路における燃料ガス流れ下流側に対応する部位のうち、前記燃料ガスの供給状態が欠乏状態となった際に、単位面積当りに流れる最小の電流量が予め定めた基準電流量以上となる領域であって、前記燃料ガス流路において最下流に位置する出口部(101c)からの流路長が前記燃料ガス流路の全流路長の2%〜20%となる領域に設けられていることを特徴とする燃料電池診断装置。
  2. 前記基準電流量は、前記局所電流検出手段における電流検出の分解能に応じて設定されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池診断装置。
  3. 前記信号付加手段は、予め定めた基準周波数以下の低周波数の交流信号を前記局所電流に重畳することを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池診断装置。
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