JP2009193900A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池の電気反応部位における水分量診断の精度の向上が可能な燃料電池システムを提供する。
【解決手段】電解質膜101、電解質膜101の両側に配置された触媒層102、触媒層102の外側に配置されたガス拡散層103、および、ガス拡散層103を狭持するように配置されたセパレータ104を含んで構成されるセル100を、複数枚積層した燃料電池と、電解質膜101の水素極側の表面に設けられた第1参照極108と、水素極側の触媒層102内部に設けられた第2参照極109と電流センサで検出された電流値とセルモニタ15で検出された電位差から電解質膜101と水素極側の触媒層102との間の抵抗値を検出する抵抗検出手段と、抵抗検出手段で検出された抵抗値に基づいてセル100の水素極側における内部水分量を診断する内部水分量検出手段とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、水素と酸素との電気化学反応により電気エネルギを発生させる燃料電池を備える燃料電池システムに関するもので、車両、船舶及びポータブル発電機等の移動体用発電機に適用して有効である。
従来、水素と酸素(空気)との電気化学反応を利用して発電を行う燃料電池を備えた燃料電池システムが知られている。この燃料電池には、例えば、車両等の駆動電源としての応用が検討されている固体高分子電解質型の燃料電池がある。この燃料電池の単セルは、電解質膜(固体高分子膜)の両面が電極触媒層(水素極、酸素極)で挟まれ、電極触媒層の外側にガス拡散層が付されたものが、セパレータによって狭持されている。この種の燃料電池では、単セルが積層されて燃料電池スタックとなっている。
上述の燃料電池では、燃料電池の発電性能等を診断するために、参照電極等を用いて、セル内の電位差等を測定しているものが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
ここで、特許文献1では、アノード側(水素側)のガス拡散層上に参照電極を設け、参照電極の電位に対するアノード側電極の電位変化に基づいて燃料ガス不足を検出している。また、特許文献2では、アノード側電極(水素極)およびカソード側電極(酸素極)に参照極を設け、外部より交流波を印加して、アノード側電極およびカソード側電極における抵抗を分離して検出することで、燃料電池の電気的特性を測定している。
特開2006−278246号公報 特開2007−265885号公報
ところで、固体高分子電解質型燃料電池では、燃料電池内部の水分量が不足し、電解質膜が乾燥している場合には、内部抵抗が大きくなり出力電圧が低下する。一方、燃料電池内部の水分量が過剰である場合には、燃料電池の電極が水分で覆われてしまうため、反応物質である酸素、水素の拡散が阻害されて、出力電圧が低下する。このように、固体高分子型燃料電池では、燃料電池の電気反応部位の水分状態を診断することが、燃料電池の発電性能等を診断するために重要となっている。
しかし、特許文献1では、燃料ガス不足を検出できるだけで、燃料電池内部の水分状態を診断することができない。また、特許文献2では、アノード側電極およびカソード側電極の抵抗を分離して検出しているものの、検出された抵抗には、ガス拡散抵抗、反応過電圧等の情報が含まれている為、電気反応部位における水分状態を精度よく診断することができない。
本発明は、上記点に鑑み、燃料電池の電気反応部位における水分量診断の精度の向上を図ることを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、電解質膜(101)、電解質膜(101)の両側に配置された触媒層(102)、触媒層(102)の外側に配置されたガス拡散層(103)、および、ガス拡散層(103)を狭持するように配置されたセパレータ(104)を含んで構成され、酸素と水素を電気化学反応させて電気エネルギを発生させるセル(100)を、複数枚積層した固体高分子電解質型の燃料電池(10)と、電解質膜(101)の水素極側の表面に設けられた第1参照極(108)と、水素極側の触媒層(102)内部に設けられた第2参照極(109)と、第1参照極(108)と第2参照極(109)との間の電位差を検出する電位差検出手段(15)と、燃料電池(10)の出力電流を検出する電流検出手段(14)と、電流検出手段(14)で検出された電流値と電圧検出手段(15)で検出された電位差から電解質膜(101)と水素極側の触媒層(102)との間の抵抗値を検出する抵抗検出手段と、抵抗検出手段で検出された抵抗値に基づいてセル(100)の水素極側における内部水分量を診断する内部水分量検出手段とを備えることを特徴としている。
このように、電解質膜(101)の水素極側の表面に第1参照極(108)を設け、水素極側の触媒層(102)に第2参照極(109)を設け、水素、電解質膜(101)、および、水素極側の触媒層(102)の三相界面における電荷移動抵抗、すなわち燃料電池(10)の内部水分量により変化する抵抗を検出することができる。その結果、燃料電池(10)の電気反応部位における水分量診断の精度の向上を図ることができる。
また、請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、セル(100)は、水素極側のセパレータ(104)とガス拡散層(103)との間に水素が通過する水素ガス流路(106)が設けられており、第1参照極(108)は、電解質膜(101)の水素極側の表面における水素ガス流路(106)の水素排出口(106b)側に設けられ、第2参照極(109)は、水素極側の触媒層(102)における水素ガス流路(106)の水素供給口(106a)側に設けられていることを特徴としている。
このように、第1参照極(108)を、セル(100)内部において乾燥し易い部位である水素ガス流路(106)の水素排出口(106b)側に設け、第2参照極(109)を、セル(100)内部において乾燥し難い部位である水素ガス流路(106)の水素供給口(106a)側に設けることで、セル(100)内部の水分量を精度良く検出することができる。
また、請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記載の発明において、第1参照極(108)は、電解質膜(101)の水素極側と水素極側の触媒層(102)とを接着する接着部材(105)内部に設けてもよい。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図1〜図6に基づいて説明する。図1は本実施形態に係る燃料電池システムを示す模式図で、この燃料電池システムは例えば電気自動車に適用される。
図1に示すように、本実施形態の燃料電池システムは、水素と酸素(空気)との電気化学反応を利用して電力を発生する燃料電池10を備えている。
本実施形態では燃料電池10として固体高分子電解質型燃料電池を用いており、基本単位となるセル100が複数個積層され、且つ電気的に直列接続されている。セル100の構成については後述する。燃料電池10では、以下の水素と酸素の電気化学反応が起こり、電気エネルギが発生する。
(水素極:アノード)H→2H+2e
(空気極:カソード)2H+1/2O+2e→H
この燃料電池10は、電力機器11や2次電池12等に電力を供給するように構成されている。電気自動車の場合、車両走行駆動源としての電動モータが電力機器11に相当する。燃料電池10と二次電池12は、DC−DCコンバータ13を介して電気的に接続されている。
DC−DCコンバータ13は、燃料電池10から二次電池12あるいは二次電池12から燃料電池10への電力の流れをコントロールするもので、燃料電池10で発生した電力を二次電池12に充電することができ、二次電池12に蓄えられた電力を燃料電池10や電気機器11に供給することができる装置である。DC−DCコンバータ13は、電圧の大きさに関わらず双方向に電力のやり取りが可能となっている。
また、燃料電池システムには、燃料電池10の出力電流を検出する電流センサ(電流測定手段)14と、後述する燃料電池10の各セル100内部に設けられる第1、第2電極108、109間の電位差を測定するセルモニタ(電位差測定手段)15が設けられている。電流センサ14で検出した電流信号とセルモニタ15で検出したセル電圧信号は、後述する制御部50に入力されるようになっている。
燃料電池システムには、燃料電池10の空気極(正極)側に空気(酸素)を供給するための空気流路20と、燃料電池10の水素極(負極)側に水素を供給するための水素流路30が設けられている。
空気流路20の最上流部には、大気中から吸入した空気を燃料電池10に圧送するための空気供給装置21が設けられている。空気供給装置21としては、例えばコンプレッサを用いることができる。
空気流路20における空気供給装置21と燃料電池10との間には、空気への加湿を行う加湿器22が設けられ、空気流路20における燃料電池10の下流側には、燃料電池10に供給される空気の圧力を調整するための空気調圧弁23が設けられている。
水素流路30の最上流部には、水素供給装置31が設けられている。本実施形態では、水素供給装置31として、水素が充填された高圧水素タンクを用いている。水素供給装置31からの燃料電池10への水素供給量の調整は、後述の制御部50により行われる。水素流路30における燃料電池10の下流側は、燃料電池10の上流側に接続されて水素流路30が閉ループに構成されている。
これにより、水素流路30内で水素を循環させて、燃料電池10での未使用水素を燃料電池10に再供給するようにしている。そして、水素流路30における燃料電池10の下流側には、水素流路30内で水素を循環させるための水素ポンプ32が設けられている。
燃料電池10は発電効率確保のために運転中一定温度(例えば80℃程度)に維持する必要がある。このため、燃料電池10を冷却するための冷却システムが設けられている。冷却システムには、燃料電池10に冷却水(冷却媒体)を循環させる冷却水経路40、冷却水を循環させるウォータポンプ41、ファン42を備えたラジエータ43が設けられている。
また、冷却水経路40における燃料電池10の出口側近傍には、燃料電池10から流出した冷却水の温度を検出する温度検出手段としての温度センサ44が設けられている。この温度センサ44により冷却水温度を検出することで、燃料電池10の温度を間接的に検出することができる。なお、セルモニタ15内に温度センサ44を組み込むことで、燃料電池10の温度を直接的に検出してもよい。
制御部(ECU)50は、CPU、ROM、RAM等からなる周知のマイクロコンピュータとその周辺回路にて構成されている。そして、制御部50には、電流センサ14からの電流信号、セルモニタ15からのセル電圧信号、温度センサ44からの温度信号等が入力される。また、燃料電池制御部50は、演算結果に基づいて、二次電池12、DC−DCコンバータ13、空気供給装置21、加湿器22、空気調圧弁23、水素ポンプ32等に制御信号を出力する。
図2は、燃料電池10を構成するセル100の構成を示す模式図である。図2に示すように、セル100は、電解質膜101、触媒層102、拡散層103、セパレータ104を備えている。電解質膜101の両外側には、触媒層102が配置され、各触媒層102の外側には拡散層103が配置されており、各拡散層103の外側には、セパレータ104が配置されている。電解質膜101、触媒層102は、導電性のある接着剤等の接着部材105により接着されている。
ここで、触媒層102および拡散層103は、各電極(水素極、酸素極)を構成している。触媒層102は、カーボン担体に電気化学反応を促進する白金を担持させたカーボン担持白金触媒102a等で構成され、拡散層103は、導電体でかつ液体水分保持性能を有するカーボンクロス等で構成されている。
また、拡散層103とセパレータ104との間には、反応ガスが通過する反応ガス流路が形成されている。水素極側に配置されたセパレータ104には、反応ガス流路として水素が通過する水素ガス流路106が形成され、酸素極側に配置されたセパレータ104には、反応ガス流路として酸素(空気)が通過する酸素ガス流路107が形成されている。
水素ガス流路106は、セル100内に水素を供給するための水素供給口106aおよびセル100内から未使用水素を排出するための水素排出口106bが形成されている。また、酸素ガス流路107は、セル100内に酸素を供給するための酸素供給口107aおよびセル100内から酸素を排出するための水素排出口107bが形成されている。
また、水素極側の電解質膜101と触媒層102とを接着する接着部材105には、第1参照極108が設けられ、触媒層102のカーボン担持白金触媒102aには、カーボン担体に担持された白金と接触するように第2参照極109が設けられている。
第2参照極109は、水素と酸素の電気化学反応により生成される水分により水分過剰となりやすい水素排出口106b付近に設けられ、第1参照極108は乾燥しやすい水素供給口106a付近に設けられている。
図3は、セル100の水素極側を拡大した模式図である。図3に示すように、電解質膜101、水素極側の触媒層102、反応ガス(水素)の三相界面(水素極の三相界面)では、水素分子がプロトンと電子に分離する反応が起こる。
そして、電子は水素極側の触媒層102に流れ、プロトンは電解質膜101に流れる。電解質膜101に移動したプロトンは、電解質膜101、水素極側の触媒層102、水素の三相界面(水素極の三相界面)に存在する水分で水和され、Hとして電解質膜101内をカソード側に移動する。
このように、プロトンがセル100の水素極で生成され電解質膜101内を移動するためには、水素極の三相界面に水分が存在していることが必要となる。このため、燃料電池10の電気化学反応が起こるためには、水素極の三相界面の水分が重要な役割を果たす。
ところで、水素極の三相界面で分離したプロトンは、水素極側の触媒層102のカーボン担持白金触媒102aから電解質膜101内へと移動するため、プロトンの移動による電荷移動抵抗R2が発生する。
この電荷移動抵抗R2は、各カーボン担持白金触媒102aと電解質膜101との間に形成される並列抵抗とみなすことができるため、水素極の三相界面の水分量により変化する。以下、この点について説明する。
図4は、水素極側の触媒層102の有効触媒面積Saと水素極の水分量との関係を示している。図4に示すように、水素極側の触媒層102の有効触媒面積Saは水素極の水分量に比例して増加し、水素極の水分量が所定値を超えた場合には、有効触媒面積Saは一定となる。このため、所定値を超えた水分は水素極での反応に寄与しない。
一方、電荷移動抵抗R2は、プロトンが水素極側の触媒層102の各カーボン担持白金触媒102aから電解質膜101内への移動により発生する抵抗であり、各カーボン担持白金触媒102aと電解質膜101との間に形成される並列抵抗とみなすことができる。
電荷移動抵抗R2は並列抵抗とみなすことができるため、水素極側の触媒層102の有効触媒面積Saが大きい場合、プロトンの水素極側の触媒層102のカーボン担持白金触媒102aから電解質膜101内への移動が増加し、電荷移動抵抗R2が小さくなる。また、有効触媒面積Saが小さい場合、プロトンの水素極側の触媒層102のカーボン担持白金触媒102aから電解質膜101内への移動が減少し、電荷移動抵抗R2が大きくなる。
水素極側の触媒層102のカーボン担持白金触媒102aから電解質膜101内へのプロトンの移動は、有効触媒面積Saが小さい場合は減少し、大きくなれば増大するため、電荷移動抵抗R2は、有効触媒面積Saが小さい場合に増大し、有効触媒面積Saが大きい場合に減少する関係となっている。
上述のように、水素極側の触媒層102の有効触媒面積Saは水素極の水分量に応じて増加することから、有効触媒面積Saによって変化する電荷移動抵抗R2は、図5に示すように、水素極の水分量によって変化する関係となっている。
具体的に電荷移動抵抗R2は、水分量が不足する領域(ドライアップ領域)では増大し、水分量が過剰で飽和した飽和領域(フラッディング領域)では減少する。したがって、電荷移動抵抗R2に基づいて燃料電池10の内部水分量を得ることができる。電荷移動抵抗R2と燃料電池10の内部水分量との関係は、予め実験的に求めてマップ化しておけばよい。
また、本実施形態では、第2参照極109を水素と酸素の電気化学反応により生成される水分により水分過剰となりやすい水素排出口106b付近に設けることで、第2参照極109付近では、プロトンがセル100の水素極で生成され、電解質膜101内を移動しやすい状態となる。そのため、水素排出口106bに比べて乾燥しやすい水素供給口106a付近に第1参照極108設けることで、第1参照極108付近の電荷移動抵抗R2の変化を検出することができる。
次に、燃料電池10のセル100の等価回路について図6に基づいて説明する。図6に示すように、セル100における水素極側に、拡散過電圧E、反応抵抗R1、擬似二重層コンデンサCa´、電荷移動抵抗R2、電気二重層コンデンサCaが存在し、電解質膜101には膜抵抗Rmが存在している。なお、図示しないが、空気極にも同様の拡散過電圧、反応抵抗、擬似二重層コンデンサ、電荷移動抵抗R2、電気二重層コンデンサが存在している。
ここで、等価回路に示すように、燃料電池10のセル100には、水素極側の触媒層102の細孔内で分極が起き、電気二重層が発生するため電気二重層コンデンサCaが存在する。水素極側の触媒層102のカーボン担持白金触媒102aで酸化還元反応が起きる際に、擬似二重層が発生するため、擬似二重層コンデンサCa´が存在している。
この等価回路によれば、燃料電池10のセル100における内部抵抗には、電解質膜101の膜抵抗、反応抵抗等の情報が含まれる。そのため、第1、第2参照極108、109間を流れる電流と電位差から電荷移動抵抗R2を算出することで、精度良く水素極の水分状態を判断することができる。
等価回路中の燃料電池10の水分量と関係する電荷移動抵抗R2は、主に水素極の三相界面にて発生することから、第1参照極108を電解質膜101と水素極側の触媒層102の間に配置し、第2参照極109を水素極側の触媒層102に配置する構成とすることで、電荷移動抵抗R2と他の抵抗とを分離して検出することができる。
次に、本実施形態の燃料電池システムの水分量診断制御について説明する。燃料電池10に水素および空気が供給開始されることで、燃料電池10での発電が開始され、燃料電池10のセル100内を電流が流れる。
このとき、電流センサ14で燃料電池10の出力電流を検出し、セルモニタ15で各セル100の第1参照極108と第2参照極109間の電位差を検出する。制御部50で、出力電流と第1参照極108と第2参照極109間の電位差から第1参照極108と第2参照極109間の抵抗である電荷移動抵抗R2を算出する(抵抗検出手段)。これにより、燃料電池10の各セル100の水素極側の電荷移動抵抗R2を測定することができる。
この電荷移動抵抗R2に基づいて燃料電池10の内部水分量の診断を行う。内部水分量の診断は、電荷移動抵抗R2と燃料電池10の内部水分量とが関連付けられた制御マップ(図4参照)を用いて行なわれる(内部水分量診断手段)。
例えば、内部水分量が適正な範囲に対応する電荷移動抵抗の上限値と下限値を予め設定しておき、制御部50で算出される電荷移動抵抗R2が上限値を上回っている場合に水分不足と診断し、下限値を下回っている場合に水分過剰と診断することができる。
そして、この診断結果に基づいて、制御部50で内部水分量の制御を行なう。燃料電池10の内部水分量の制御は、例えば加湿器22による燃料電池10への供給空気の加湿量の調整により行うことができる。さらに、空気供給装置21による燃料電池10への空気供給量の調整や空気調圧弁23による燃料電池10への空気供給圧力の調整を行うことで、燃料電池10内での水分蒸発量を調整して内部水分量を制御することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、燃料電池10の出力電流と第1参照極108と第2参照極109間の電位差を検出し、第1参照極108と第2参照極109間における電荷移動抵抗R2を検出することで、各セル100の水素極の電解質膜101、触媒層102、水素の三相界面(水素極の三相界面)に存在する水分を得ることができる。その結果、燃料電池10の電気反応部位における水分量診断の精度の向上を図ることができる。
また、第2参照極109を水素と酸素の電気化学反応により生成される水分により水分過剰となりやすい水素排出口106b付近に設け、水素排出口106bに比べて乾燥しやすい水素供給口106a付近に第1参照極108設けることで、第1参照極108付近の電荷移動抵抗R2の変化を検出することができる。
なお、本発明の抵抗検出手段、内部水分量検出手段は、それぞれ制御部50の処理によって構成されている。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図7に基づいて説明する。上記第1実施形態と同様または均等な部分について同一の符号を付し、その説明を省略する。ここで、図7は、燃料電池10内部におけるセル100の積層方向に対する温度分布を示している。
図9に示すように、燃料電池10内部におけるセル100の積層方向に対する温度分布は、燃料電池10の端部側のセル100は、燃料電池10の端部間の中間部のセル100に比べて低温となりやすい。そのため、燃料電池10の端部側のセル100と中央部のセル100における水素極の水分量が異なっている。
そこで、本実施形態では、端部側のセル100と中央部のセル100に第1、第2参照極108、109を設け、各参照極108、109をセルモニタ15に接続し、端部側のセル100と中央部のセル100における電荷移動抵抗R2を測定し、端部側のセル100と中央部のセル100の水分量を検出するように構成されている。
これにより、水素極の水分量も異なる端部側のセル100と中央部のセル100に水素極の水分量を検出することができる。
(他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、以下のように種々変形可能である。
(1)上述の実施形態では、上記各実施形態では、セルモニタ13にて個々のセル100毎の出力電圧を測定するように構成したが、これに限らず、複数(例えば10枚)のセル100をひとまとめにして、燃料電池10を構成するセル100を複数ブロックに分割し、複数のセル100からなるブロック毎に出力電圧を測定するように構成してもよい。
(2)また、上述の実施形態では、燃料電池10のセル100内部の水素極における水分量を計測しているが、セル100内部における局所部位、例えば冷却水経路40を介して燃料電池10内部に供給される冷却水の出入口付近の部位等に分割して、局所部位の水分量を計測してもよい。
(3)また、上述の実施形態では、燃料電池10の内部水分量診断において温度補正を行なっていないが、温度補正を行なってもよい。温度補正について説明すると、燃料電池10の温度が高くなると燃料電池10の内部抵抗は小さくなるため、セル100の出力電圧は燃料電池10の温度変化に伴って変化し、燃料電池10の第1、第2参照極108、109の電位差は燃料電池10の温度の影響を受ける。燃料電池温度に対する電位差の変化は、予め実験的に求めてマップ化しておき、電荷移動抵抗R2を算出する際に、マップに基づいて電位差を補正してもよい。
(4)また、上述の実施形態では、燃料電池10の内部水分量診断を行なっているが、セルモニタ15により検出する第1参照極108と第2参照極109との間の電位差により、水素の供給不足を判断してもよい。例えば、セルモニタ15で検出する電位が所定の基準電位差よりも大きくなった場合や第1参照極108および第2参照極109で検出される電位が逆転した値となる場合に、水素の供給不足と判断することができる。なお、所定の基準電位差等は予め実験等により算出しておけばよい。
第1実施形態に係る燃料電池システムを示す模式図である。 燃料電池を構成するセルの構成を示す模式図である。 セルの水素極側を拡大した模式図である。 水素極の触媒層の有効面積と水素極の水分量との関係を示す特性図である。 燃料電池の内部水分量と、電荷移動抵抗の関係を示す特性図である。 セルの等価回路を示す回路図である。 燃料電池内部におけるセルの積層方向に対する温度分布の特性図である。
符号の説明
10 燃料電池
14 電流センサ
15 セルモニタ
100 セル
101 電解質膜
102 触媒層
108 第1参照極
109 第2参照極

Claims (3)

  1. 電解質膜(101)、前記電解質膜(101)の両側に配置された触媒層(102)、前記触媒層(102)の外側に配置されたガス拡散層(103)、および、前記ガス拡散層(103)を狭持するように配置されたセパレータ(104)を含んで構成され、酸素と水素を電気化学反応させて電気エネルギを発生させるセル(100)を、複数枚積層した固体高分子電解質型の燃料電池(10)と、
    前記電解質膜(101)の水素極側の表面に設けられた第1参照極(108)と、
    水素極側の前記触媒層(102)内部に設けられた第2参照極(109)と、
    前記第1参照極(108)と前記第2参照極(109)との間の電位差を検出する電位差検出手段(15)と、
    前記燃料電池(10)の出力電流を検出する電流検出手段(14)と、
    前記電流検出手段(14)で検出された電流値と前記電圧検出手段(15)で検出された電位差から前記電解質膜(101)と前記水素極側の触媒層(102)との間の抵抗値を検出する抵抗検出手段と、
    前記抵抗検出手段で検出された抵抗値に基づいて前記セル(100)の水素極側における内部水分量を診断する内部水分量診断手段とを備えることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記セル(100)は、水素極側の前記セパレータ(104)と前記ガス拡散層(103)との間に水素が通過する水素ガス流路(106)が設けられており、
    前記第1参照極(108)は、前記電解質膜(101)の水素極側の表面における前記水素ガス流路(106)の水素排出口(106b)側に設けられ、
    前記第2参照極(109)は、前記水素極側の触媒層(102)における前記水素ガス流路(106)の水素供給口(106a)側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記第1参照極(108)は、前記電解質膜(101)の水素極側の表面と前記水素極側の触媒層(102)とを接着する接着部材(105)内部に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池システム。
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