JP2006114440A - 燃料電池 - Google Patents

燃料電池 Download PDF

Info

Publication number
JP2006114440A
JP2006114440A JP2004303120A JP2004303120A JP2006114440A JP 2006114440 A JP2006114440 A JP 2006114440A JP 2004303120 A JP2004303120 A JP 2004303120A JP 2004303120 A JP2004303120 A JP 2004303120A JP 2006114440 A JP2006114440 A JP 2006114440A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel cell
anode
cathode
unit
electrolyte membrane
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004303120A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Oi
亮 大井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2004303120A priority Critical patent/JP2006114440A/ja
Publication of JP2006114440A publication Critical patent/JP2006114440A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

【課題】 燃料電池の運転中に、燃料電池の性能劣化を引き起こすクロスリークを予見する。
【解決手段】 燃料電池1は、単位電池17を複数積層して燃料電池スタックとしてあり、各単位電池17のアノード電極となるアノード側セパレータ29と、カソード電極となるカソードセパレータ31との間に、直流抵抗計47を接続する。ここで例えば、車両の信号による停止時やアイドル停止時、バッテリから供給される電力のみで車両走行している場合など、燃料電池1のアイドル運転時に、直流抵抗計47で各単位電池17に1.0V以下の電圧を印加し、このとき計測した直流抵抗値が規定値未満の単位電池17を、故障と判断する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、電解質膜の一方側にアノード電極を、同他方側にカソード電極をそれぞれ配置した燃料電池に関する。
近年、電源の一つとして燃料電池が注目されている。燃料電池とは、燃料として最終的に供給される水素やメタノールなどの酸化により発電を行う装置であり、高効率で発電できる特長がある。また、水素を燃料とする燃料電池から排出されるのは水蒸気であり、有害な成分が含まれないため環境性に非常に優れるという利点もある。
このうような燃料電池の耐久性向上については、実用化に向けた大きな課題である。現在、燃料電池の劣化要因として、電極触媒として用いている白金(Pt)触媒の劣化、Ptを担持しているカーボンの減耗による劣化、ガス拡散層(GDL)の撥水性の低下、電解質膜のプロトン伝導度の低下、電解質膜の機械的な劣化などが挙げられている。
特に、電解質膜の機械的な劣化に伴う穴あき(クロスリーク)は、アノード側の水素やメタノールなどの燃料と、カソード側の酸化剤との直接的な化学反応を引き起こす。このことにより、燃料電池性能は極端に低下する。また化学反応に伴う発熱はさらに電解質膜の劣化を促進させる。
このような状況の中で、例えば、下記特許文献1では、燃料電池スタックの締結圧を所定値以下とすることで、単位電池の両電極間の直流抵抗成分に起因する短絡伝導度、もしくは電極面積当たりの水素リーク電流を、所定値以下となるようにし、これにより長期安定な発電運転の阻害要因を排除するようにしている。
特開2004−6280号公報
しかしながら、上記した特許文献1に記載されたものでは、燃料電池の運転中に、燃料電池の性能劣化を引き起こすクロスリークを予見することは不可能である。
そこで、本発明は、燃料電池の運転中に、燃料電池の性能劣化を引き起こすクロスリークを予見できるようにすることを目的としている。
本発明は、電解質膜の一方側にアノード電極を、同他方側にカソード電極をそれぞれ配置し、前記アノード、カソード各電極相互間に直流抵抗計を接続したことを最も主要な特徴とする。
本発明によれば、電解質膜の一方側に設けたアノード電極と、同他方側に設けたカソード電極との間に、直流抵抗計を接続したので、燃料電池の運転中であっても、これら両電極間の微少短絡を計測でき、電解質膜の機械的な劣化に伴う穴あき(クロスリーク)を予見することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態を示す燃料電池1を備えた燃料電池システムの全体構成図であり、この燃料電池システムは、自動車などの移動体に搭載する。
上記した燃料電池システムは、水素と空気から電力を取り出す燃料電池1、燃料電池1に供給する水素を数百気圧の状態で充填する水素ボンベ3、水素ボンベ3から水素を燃料電池1に供給する際に、要求負荷に応じて水素の流量をコントロールするフローコントローラ5、大気中の空気を燃料電池1に供給すると同時に、要求負荷に応じて供給空気量をコントロールするコンプレッサ7、燃料電池1で発生する直流電流を交流電流に変換するインバータ9、インバータ9で発生した交流電流を駆動力に変換するモータ11、燃料電池1で応答しきれない負荷変動に対して補助的に応えるバッテリ13、これらのシステム要素の出力を負荷に応じて最適化するコントロールユニット15からなる。
燃料電池1は、図2に示す分解した単位電池17を、複数積層して燃料電池スタックとしたもので、この複数の単位電池17は、電気的に互いに直列となるよう接続され、それぞれが0.5V〜1Vの電圧を発生する。単位電池17は、中央に電解質膜19を備え、その一方側(図2中で左側)にアノード電極触媒層21およびアノードガス拡散層(GDL)23を配置し、他方側(図2中で右側)にカソード電極触媒層25およびカソードガス拡散層(GDL)27を配置する。
アノード,カソード各ガス拡散層23,27の電解質膜19と反対側には、アノード,カソード各セパレータ29,31をそれぞれ配置する。アノード,カソード各セパレータ29,31は、アノード,カソード各電極触媒層21,25の表面に反応ガス(アノード側:水素、カソード側:空気)を偏りなく行き渡らせるためのガス流路29a,31aを形成すると同時に、単位電池17によって発生した電流を隣の単位電池17に伝える。
上記したアノード,カソード各セパレータ29,31は、アノード,カソード各電極触媒層21,25およびアノード,カソード各ガス拡散層23,27より、外周縁部が外側に突出しており、この突出した部位と電解質膜19との間に、反応ガスの外部へのリークを防ぐガスケット33を設ける。
上記したアノード電極触媒層21,アノードガス拡散層(GDL)23およびアノードセパレータ29によってアノード電極を構成し、カソード電極触媒層25,カソードガス拡散層(GDL)27およびカソードセパレータ31によってカソード電極を構成する。
さらに、アノード,カソード各セパレータ29,31のガス流路29a,31aと反対側には、アノード,カソード各クーラプレート35,37を配置する。アノード,カソード各クーラプレート35,37は、燃料電池1で発生する余剰排熱を取り除く役割を果たす冷媒が流通する冷媒流路35a,37aを備えると同時に、単位電池17によって発生した電流を隣の単位電池17に伝える導電体の役割を果たす。
前記したGDL23,27は、アノード,カソード各電極触媒層21,25の表面に反応ガス(アノード側:水素、カソード側:空気)を偏りなく行き渡らせると同時に、水素と酸素の電気化学的反応によりカソード側から生成する水を速やかにガス流路31aに排出させ、さらに各電極触媒21,25によって発生した電流をアノード,カソード各セパレータ29,31に伝える。
また、アノード電極触媒層21は、アノード側のGDL23から供給される水素を反応物として、以下の水素電極反応を起こす、
→2H+2e・・・(1)
一方、カソード電極触媒層25は、アノード電極で生成され、電解質膜19を透過してカソード側に達したプロトンと、カソード側のGDL27から供給される空気中に含まれる酸素を反応物として、以下の水生成反応を起こす。
+4H+4e→2HO・・・(2)
それぞれの単位電池17においては、負荷電流にもよるが、前述したように、0.5Vから1Vの電圧が発生する。移動体用途としては、300個〜400個の単位電池17を直列に接続しており、燃料電池スタックとして合計約300V程度の電圧を得ることができる。
図3は、上記した単位電池17を複数積層した燃料電池スタックの一部を示す模式図であり、ここでの各単位電池17は、アノード,カソード各電極を構成しているアノード,カソード各セパレータ29,31のみを示している。
この燃料電池スタックには、図3中で上部側に、単位電池17の積層方向に延びる水素ガス入口マニホールド39および空気入口マニホールド41をそれぞれ設けるとともに、同下部側に、単位電池17の積層方向に延びる水素ガス出口マニホールド43および空気出口マニホールド45をそれぞれ設ける。
水素ガス入口マニホールド39には、各単位電池17毎に分岐流路39aの一端を接続してその他端をアノードセパレータ29のガス流路29aの入口に接続し、空気入口マニホールド41には、各単位電池17毎に分岐流路41aの一端を接続してその他端をカソードセパレータ31のガス流路31aの入口に接続する。
水素ガス出口マニホールド43には、各単位電池17毎に分岐流路43aの一端を接続してその他端をアノードセパレータ29のガス流路29aに出口に接続し、空気出口マニホールド45には、各単位電池17毎に分岐流路45aの一端を接続してその他端をカソードセパレータ31のガス流路31aの出口に接続する。
上記した水素ガス入口マニホールド39から、各単位電池17のアノードセパレータ29のガス流路29aに水素を分配し、空気入口マニホールド41から、各単位電池17のカソードセパレータ31のガス流路31aに空気を分配する。また、水素ガス出口マニホールド43は、各単位電池17のアノードセパレータ29のガス流路29aから未利用水素を回収して集め、空気ガス出口マニホールド45は、各単位電池17のカソードセパレータ31のガス流路31aから未利用空気を回収して集める。
そして、各単位電池17の図3中で上端部に、それぞれのアノードセパレータ29とカソードセパレータ31とを、これら両者間の直流電気抵抗を計測する直流抵抗計47を接続する。また、各単位電池17の図3中で下端部に、それぞれのアノード側セパレータ29とカソード側セパレータ31とを、これら両者間の電気的短絡、未短絡の切替を行う短絡スイッチ49を接続する。
次に、図1に示すコントロールユニット15の制御動作を、図4に示すフローチャートに基づき説明する。このフローを実施するのは、燃料電池停止時である。燃料電池停止時とは、例えば、車両の信号による停止時やアイドル停止時、バッテリから供給される電力のみで車両が走行している場合など様々考えられるが、限定されるものではなく、燃料電池1のアイドル運転時に相当する。
ここでは、各単位電池17にセル番号N(1,2,3,…)を割り当てる。そして、単位電池17のカウント数Nを「1」に設定するとともに、故障カウント数Mを「0」に設定する(ステップ101)。
その後、それぞれの単位電池17に設置している直流抵抗計47を用いて、アノードセパレータ29とカソード側パレータ31との間の直流抵抗値RNを、セル番号順に計測していく(ステップ103)。これにより、電解質膜19には計測に伴う微少電流が流れる。この微少電流は電解質膜19の中を流れる際に発熱を伴うので、多大な電流を流すと電解質膜19の劣化の原因となる。このため、各セパレータ29,31相互間に直流抵抗計47から印加する電圧は1.0V以下が望ましい。
次に、ある単位電池17において計測した直流抵抗値RNが閾値R未満(RN<R)であるかどうかを判断し(ステップ105)、RN<Rの場合に、その単位電池17には微少短絡が発生し故障しているとして、その単位電池17に付属している短絡スイッチ49を短絡させると同時に、その単位電池17への水素と空気の供給を停止させる。閾値Rの値としては、例えば、250Ωcmであるが、この値に限定されるものではない。
さらに、上記故障しているとした単位電池17のセル故障カウント数Mを、M+1へと増加させる(ステップ107)。短絡操作により、発電する単位電池17の数が減少するので、燃料電池スタック全体としての出力は低下する。そこで、Mが所定の値Mに達した(M=M)かどうかを判断し(ステップ109)、M=Mとなった時点で、運転者に燃料電池スタックの性能低下および故障を知らせる操作を行う(ステップ111)。故障を知らせる手段としては、警告表示を出す、警告音を出すなど様々考えられるが、その方法は限定されない。
上記ステップ109で、M=Mに達していないと判断した場合には、セルカウント数をNからN+1に増加し(ステップ113)、N=Nとなったかどうかの判断(ステップ115)に移行する。
また、前記ステップ105で、計測した直流抵抗値RNが閾値R以上と判断した場合には、その単位電池17には微少短絡が発生しておらず、正常であるとして、上記したステップ113に進んでセルカウント数をNからN+1に増加する。
前記ステップ115で、N=Nに達していない場合には、ステップ103に戻り、次のセル番号Nの単位電池17に対して直流抵抗値RNを計測する。このような計測をセル番号1からNまで行ったところで(N=N)、全単位電池17の診断を終了する。
このように、第1の実施形態によれば、電解質膜19の一方側に設けたアノード電極と、同他方側に設けたカソード電極との間に、直流抵抗計47を接続したので、燃料電池運転中に、これら両電極間の微少短絡を計測でき、電解質膜19の機械的な劣化に伴う穴あき(クロスリーク)を予見することができ、燃料電池1の性能低下の影響を最小限に抑えることができる。
また、直流抵抗計47を各単位電池17毎に設けているので、積層している単位電池17ぞれぞれの微少短絡を計測することができ、故障部位を特定できることから、故障部位の交換、取替えなどメンテナンス性を向上させることができる。
さらに、燃料電のアイドル運転時に、直流抵抗計47を作動させるようにしているので、電解質膜19の電子伝導性のみを抽出して計測することが可能である。
また、燃料電池のアイドル運転時に各単位電池17に印加する直流電圧を1.0 V以下としているので、アノード,カソード両電極間の直流抵抗値を計測する際に、電解質膜19の損傷を防止することができる。
また、燃料電池のアイドル運転時に計測する各単位電池17の直流抵抗値が規定値未満の場合に、該当する単位電池17は故障していると判断するので、電解質膜19のクロスリークの有無を判断するために、窒素などの不活性ガスを用意する必要がなく、移動体の重量およびシステムを簡便化することができる。
さらに、燃料電池のアイドル運転時に計測する各単位電池17の直流抵抗値が250Ωcmを超える場合に、該当する単位電池17は故障していると判断するので、電解質膜19のクロスリークの有無を適切に判断することができる。
また、故障と診断した単位電池17のアノード,カソード両電極間を電気的に短絡させるようにしているので、クロスリークによって生じる燃料電池1の性能低下の影響を最小限に抑えることができる。
図5は、第2の実施形態によるコントロールユニット15の制御動作を示すフローチャートである。ここでは、図4に示した第1の実施形態と共通する部分は、同一ステップ番号として説明は省略する。
第1の実施形態との大きな違いは、故障診断の診断基準を直流抵抗値から、直流抵抗値の経時変化の傾きとしていることである。後述する図8,図9から、クロスリーク電流が急激に増加する直前に電子伝導度(直列抵抗値の逆数:1/RNn)が微増している傾向が見られる。このことから、燃料電池1の運転積算時間に対応する電子伝導度を、X−Y2次元テーブル上にプロットしてその傾きを故障診断基準とすることで、クロスリーク電流の増加を予見し、対応することが可能となる。
コントロールユニット15に内蔵するメモリには、それまでの各単位電池17に対する診断時の直流抵抗値とその診断時点までの燃料電池1の運転時間が記録されている。診断開始と同時に、燃料電池1の運転積算時間Xnと、それまでの診断回数nをメモリから読み出す(ステップ500)。
次に、第1の実施形態と同様に、単位電池17のカウント数Nを「1」に設定するとともに故障カウント数Mを「0」に設定し(ステップ101)、直流抵抗値RNを測定した後(ステップ103)、図6に示すように、それまでの燃料電池1の運転積算時間XNをX軸、1/RNnをY軸にプロットする(ステップ501)。また、メモリ中に保存されている「n−1」回、「n−2」回目の各データXn−1、Xn−2、および1/RNn−1、1/RNn−2も同様にプロットする。このプロットした3点から最小二乗法を用いて、平均傾きmを算出する(ステップ505)。
その後、算出したmと、あらかじめ規定しておいた閾値mとを比較し(ステップ507)、m>mの場合には、故障と判断し、第1の実施形態と同様の故障モードを行う。
上記した第2の実施形態においても、燃料電池1の運転時間に対する、直流抵抗計47によって計測する直流抵抗値の逆数の変化度合いが、所定値を超えた単位電池17を、故障と判断するようにしているので、燃料電池1の運転中に、アノード,カソード両電極間の微少短絡を計測でき、電解質膜19の機械的な劣化に伴う穴あき(クロスリーク)を予見することができ、燃料電池1の性能低下の影響を最小限に抑えることができる。
補足として、以下に、燃料電池を移動体用として使用する際に、上記した直流抵抗値(電子伝導性)を電解質膜19の劣化の指標として有効であることを説明する。
燃料電池を連続的に定格運転すると、以下の要因により燃料電池の性能が不可逆的に低下する。
[1]電極触媒の劣化
・Ptの活性表面積の低下
・触媒担持材料として用いているカーボンの減耗
[2] 電解質膜の劣化
・プロトン伝導度の低下
・電解質膜のクロスリーク
[3] GDLの撥水性の低下
特に、電解質膜のクロスリークはアノード側の水素とカソード側の空気の接触反応を引き起こす。この現象が起きると、燃料電池の効率が大幅に低下するのみでなく、反応に伴う発熱で電解質膜の劣化がさらに進んでしまう。
このクロスリークを検知する方法としては、アノード側に水素、カソード側に窒素を流し、カソード側に水素酸化還元電位よりも貴な電位を印加する方法が知られている。
この操作によりアノード、カソードでは以下の反応がおきる。
アノード:2H+2e→H・・・(3)
カソード:H→2H+2e・・・(4)
カソード側に存在するのは窒素のみであるので、電解質膜のクロスリークがなければ、この操作を行っても(4)の反応は起きず電流値は観測されない。逆に電解質膜がクロスリークしており、水素がカソード側に存在がすると、この操作により電流が流れる。この操作を行った際の電位−電流密度曲線の例を図7に示す。
図8は、単位電池を用いたときのクロスリーク電流と運転時間との関係を、A〜Dの各電解質膜について示す。ここでクロスリーク電流とは、図1に示すαの値である。
以下にA〜Dの違い、および実験条件を述べる。

GDL材質:Carbel−CL400(ゴアテックス社製)
入口ガス加湿度:アノード100%,カソード100%

GDL材質:Carbel−CL400(ゴアテックス社製)
入口ガス加湿度:アノード60%,カソード50%

GDL材質:Carbel−CFP300(ゴアテックス社製)
入口ガス加湿度:アノード60%,カソード50%

GDL材質:Carbel−CFP300(ゴアテックス社製)
入口ガス加湿度:アノード60%,カソード20%
実験条件
実験セル温度:70℃
電流負荷:1A/cm
上記のような条件で実験を行ったところ、図8に示すように単位電池のクロスリーク電流は一定時間経過後に急激な増加が見られ、燃料電池性能も急激に低下した。
このように、単位電池のクロスリークは、燃料電池の故障を予見する指標として有効であるものの、このクロスリーク検知方法では、測定するにあたって、窒素などの不活性ガスを用意する必要があり、移動体用燃料電池システムにおいてこの方法を用いるのは不適当である。
図9に、各電解質膜A〜Dにおける電子伝導度の経時変化の様子を示す。これは、図7に示す曲線の傾きβの値を示している。図8,9から単位電池の電子伝導度はクロスリーク電流と連動して増加傾向にあることがわかる。図9はクロスリーク電流と同様に、アノード側に水素、カソード側に窒素を流し、カソード側に水素酸化還元電位よりも貴な電位を印加する方法から求めている。つまり、この方法も移動体用途には不適当である。
これに対して、本発明では、
A.単位電池の直流抵抗値は電子伝導度の逆数として求められる。
B.直流抵抗の値自体は、単位電池に直流抵抗計を接続し、燃料電池のアイドル運転時に計測できる。
以上2点から、燃料電池を移動体用途として用いる場合、この直流抵抗値(電子伝導性)を電解質膜劣化の指標として用いることは極めて有効である。
本発明の第1の実施形態を示す燃料電池を備えた燃料電池システムの全体構成図である。 図1の燃料電池における単位電池を分解した断面図である。 単位電池を複数積層した燃料電池スタックの一部を示す模式図である。 第1の実施形態によるコントロールユニットの制御動作を示すフローチャートである。 第2の実施形態によるコントロールユニットの制御動作を示すフローチャートである。 燃料電池の運転時間と電子伝導度との相関図である。 アノード側に水素、カソード側に窒素を流し、カソード側に水素酸化還元電位よりも貴な電位を印加する方法による電位−電流密度曲線図である。 単位電池を用いたときのクロスリーク電流と運転時間との相関図である。 電解質膜おける電子伝導度と運転時間との相関図である。
符号の説明
1 燃料電池
17 単位電池
19 電解質膜
21 アノード電極触媒層(アノード電極)
23 アノードガス拡散層(アノード電極)
25 カソード電極触媒層(カソード電極)
27 カソードガス拡散層(カソード電極)
29 アノードセパレータ(アノード電極)
31 カソードセパレータ(カソード電極)
47 直流抵抗計
49 短絡スイッチ

Claims (8)

  1. 電解質膜の一方側にアノード電極を、同他方側にカソード電極をそれぞれ配置し、前記アノード、カソード各電極相互間に直流抵抗計を接続したことを特徴とする燃料電池。
  2. 前記電解質膜および前記アノード、カソード各電極からなる単位電池を複数積層して燃料電池スタックを構成し、前記複数の単位電池それぞれの前記アノード、カソード各電極相互間に、前記直流抵抗計を接続したことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
  3. 燃料電池のアイドル運転時に、前記直流抵抗計を作動させることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池。
  4. 前記直流抵抗計の作動時に、前記各単位電池に印加する直流電圧を1.0 V以下とすることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池。
  5. 前記直流抵抗計によって計測する直流抵抗値が規定値未満の前記単位電池を、故障と判断することを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1項に記載の燃料電池。
  6. 前記規定値は、250Ωcmであることを特徴とする請求項5に記載の燃料電池。
  7. 燃料電池の運転時間に対する、前記直流抵抗計によって計測する直流抵抗値の逆数の変化度合いが、所定値を超えた前記単位電池を、故障と判断することを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1項に記載の燃料電池。
  8. 故障と診断した前記単位電池の前記各電極相互間を電気的に短絡させることを特徴とする請求項5ないし7のいずれか1項に記載の燃料電池。
JP2004303120A 2004-10-18 2004-10-18 燃料電池 Pending JP2006114440A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004303120A JP2006114440A (ja) 2004-10-18 2004-10-18 燃料電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004303120A JP2006114440A (ja) 2004-10-18 2004-10-18 燃料電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006114440A true JP2006114440A (ja) 2006-04-27

Family

ID=36382772

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004303120A Pending JP2006114440A (ja) 2004-10-18 2004-10-18 燃料電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006114440A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008097837A (ja) * 2006-10-06 2008-04-24 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 固体高分子形燃料電池の性能回復方法
WO2012056866A1 (ja) * 2010-10-25 2012-05-03 日産自動車株式会社 燃料電池システム
JP2020140859A (ja) * 2019-02-28 2020-09-03 株式会社Subaru 燃料電池システム及び発電方法
CN117239183A (zh) * 2023-11-15 2023-12-15 北京新研创能科技有限公司 一种燃料电池的关机方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008097837A (ja) * 2006-10-06 2008-04-24 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 固体高分子形燃料電池の性能回復方法
WO2012056866A1 (ja) * 2010-10-25 2012-05-03 日産自動車株式会社 燃料電池システム
CN103155254A (zh) * 2010-10-25 2013-06-12 日产自动车株式会社 燃料电池系统
US9190683B2 (en) 2010-10-25 2015-11-17 Nissan Motor Co., Ltd. Fuel cell system
JP2020140859A (ja) * 2019-02-28 2020-09-03 株式会社Subaru 燃料電池システム及び発電方法
JP7185562B2 (ja) 2019-02-28 2022-12-07 株式会社Subaru 燃料電池システム及び発電方法
CN117239183A (zh) * 2023-11-15 2023-12-15 北京新研创能科技有限公司 一种燃料电池的关机方法
CN117239183B (zh) * 2023-11-15 2024-02-13 北京新研创能科技有限公司 一种燃料电池的关机方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5818227B2 (ja) 燃料電池システム
KR101755923B1 (ko) 연료전지 스택 오염 진단 방법 및 시스템
JP2016207656A (ja) 向上した診断能力を有する燃料電池スタック端電池
CA2361105A1 (en) Fuel cell stack coolant conductivity sensor using differential voltage measurements
JP2010262808A (ja) 燃料電池システム、および、その制御方法
US20040202901A1 (en) System stack contingency and efficiency switching
JP5891379B2 (ja) 燃料電池及びそれを備える燃料電池スタック
US8647784B2 (en) Fuel cell stack start method preventing cathode deterioration
JP2009170229A (ja) 燃料電池の製造方法、燃料電池システム、燃料電池
JP2004172105A (ja) 燃料電池システムの運転方法および燃料電池システム
JP4886203B2 (ja) 燃料電池スタックの制御方法
JP2008293735A (ja) 燃料電池および燃料電池システム
JP5403874B2 (ja) 固体高分子形燃料電池及びその特性回復方法
JP2006114440A (ja) 燃料電池
JP2020140930A (ja) 燃料電池システム
JP2009193900A (ja) 燃料電池システム
JP7207360B2 (ja) 燃料電池システム、及び、燃料電池スタックのリユース可否の判断方法
JP5446166B2 (ja) 燃料電池システム、及び、その制御方法
JP2008171601A (ja) 燃料電池システム
JP2006236789A (ja) 燃料電池スタック
JP4972939B2 (ja) 燃料電池スタックの運転方法とその装置
JP2004335448A (ja) 高分子電解質型燃料電池の運転方法
CN110165256B (zh) 燃料电池的老化装置
KR102142447B1 (ko) 연료전지 셀 전압 측정 제어 방법 및 이를 실행하는 장치
JP5392973B2 (ja) 燃料電池システム