JP5811958B2 - 乾湿指標測定装置、および燃料電池診断装置 - Google Patents

乾湿指標測定装置、および燃料電池診断装置 Download PDF

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Description

本発明は、燃料電池を構成する単位セルの局所部位におけるインピーダンスに基づいて、単位セルの内部の乾湿指標を測定する乾湿指標測定装置、および単位セルの内部の乾湿指標に基づいて単位セルの内部の乾湿状態を診断する燃料電池診断装置に関する。
従来、燃料電池を効率良く運転させるために、燃料電池のインピーダンスから燃料電池内の含水量を把握し、燃料電池内の含水量を最適に制御する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1では、燃料電池内の含水量が不足気味となると、電解質膜よりも外側に位置する触媒層から乾燥が進行することに着眼し、触媒層の抵抗変化を単位セルの内部の乾湿状態を示す乾湿指標として測定し、当該乾湿指標に基づいて燃料電池内の乾湿状態を診断するようにしている。
具体的には、高周波域における燃料電池のインピーダンスを電解質膜の膜抵抗に対応する第1のインピーダンスとして算出すると共に、低周波領域における燃料電池のインピーダンスを電解質膜の膜抵抗および触媒層の抵抗に対応する第2のインピーダンスとして算出し、各インピーダンスの差分から触媒層の抵抗を算出している。
特許第4640661号公報
ところで、高周波域のうち20kHzよりも低い周波数の交流信号を燃料電池の出力電流に重畳させた際の燃料電池のインピーダンスには、電解質膜の膜抵抗以外にも触媒層の抵抗成分が含まれる傾向がある。
それ故、燃料電池のインピーダンスから電解質膜の膜抵抗に対応する第1のインピーダンスを精度よく算出するためには、少なくとも20kHz以上(望ましくは100kHz付近)の高周波数の交流信号を燃料電池の出力電流に重畳する必要がある。
しかし、特許文献1では、1kHz付近の高周波数の交流信号を燃料電池の出力電流に重畳させた際の燃料電池のインピーダンスを電解質膜の膜抵抗に対応する第1のインピーダンスとしており、第1のインピーダンスに触媒層の抵抗成分が含まれている可能性が高い。つまり、特許文献1に記載の構成では、電解質膜の膜抵抗に対応する第1のインピーダンスの算出精度が悪く、燃料電池内部の乾湿状態を診断する際に用いる乾湿指標を正確に測定することができないといった課題がある。
本発明は上記点に鑑みて、燃料電池を構成する単位セルの内部の乾湿状態を示す乾湿指標を精度よく測定可能な乾湿指標測定装置、および燃料電池診断装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明者らは鋭意検討を重ねた。この結果、燃料電池(1)の出力電流に付加する交流信号の周波数を変更した際のインピーダンスの実数部および虚数部を複素平面上に示した特性図(コールコールプロット)において、高周波域内に表れる直線部分が単位セル(10)の内部の乾湿状態に相関して変化することを見出し、当該直線部分に対応するインピーダンスから単位セル(10)の内部の乾湿状態を示す乾湿指標を測定する構成を案出した。
請求項1から4に係る発明は、電解質膜(100a)の両面を一対の触媒層(100b、100c)で挟んだ膜電極接合体(100)を有し、燃料ガスおよび酸化剤ガスの電気化学反応により電気エネルギを出力する単位セル(10)を備える燃料電池(1)に適用され、単位セルの内部の乾湿状態を示す乾湿指標を測定する乾湿指標測定装置を対象としている。
請求項1および請求項3に記載の発明では、単位セルの局所部位に流れる局所電流を検出する局所電流検出手段(41)と、単位セルのセル電圧を検出するセル電圧検出手段(42)と、予め定めた高周波域内の交流信号を燃料電池の出力電流に付加する信号付加手段(431)と、交流信号が燃料電池の出力電流に付加された際のセル電圧および局所電流から単位セルの局所部位における局所インピーダンスを算出するインピーダンス算出手段(432)と、局所インピーダンスから乾湿指標を算出する乾湿指標算出手段(433)とを備える。そして、高周波域は、燃料電池の出力電流に付加する交流信号の周波数を増加させた際に、局所インピーダンスの実数部の減少に対して虚数部が直線的に減少する直線領域内に設定されており、乾湿指標算出手段は、局所インピーダンスの虚数部を用いて触媒層における乾湿指標を算出することを特徴としている。
これによれば、燃料電池の出力電流に付加する交流信号の周波数を、単位セルの内部の乾湿状態に相関して変化する高周波域における直線領域内に設定すると共に、電解質膜の乾湿状態が影響しない局所インピーダンスの虚数部を用いて触媒層における乾湿指標を算出する構成としているので、触媒層における乾湿状態を示す乾湿指標を精度よく測定することができる。
また、請求項3および請求項4に記載の発明では、単位セルの局所部位に流れる局所電流を検出する局所電流検出手段(41)と、単位セルのセル電圧を検出するセル電圧検出手段(42)と、予め定めた高周波域内の交流信号を燃料電池の出力電流に付加する信号付加手段(431)と、交流信号が燃料電池の出力電流に付加された際のセル電圧および局所電流から単位セルの局所部位における局所インピーダンスを算出するインピーダンス算出手段(432)と、局所インピーダンスから乾湿指標を算出する乾湿指標算出手段(433)と、を備える。そして、高周波域は、燃料電池の出力電流に付加する交流信号の周波数を増加させた際に、局所インピーダンスの実数部の減少に対して虚数部が直線的に減少する直線領域内に設定されており、信号付加手段は、高周波域内における異なる周波数の交流信号を燃料電池の出力電流に付加可能に構成され、インピーダンス算出手段は、異なる周波数の交流信号が燃料電池の出力電流に付加された際に、異なる周波数に対応する局所インピーダンスを個別に算出するように構成され、乾湿指標算出手段は、異なる周波数毎に算出された局所インピーダンスの実数部および虚数部から電解質膜の膜抵抗を求め、膜抵抗を電解質膜の乾湿指標として算出することを特徴としている。
これによれば、燃料電池の出力電流に付加する交流信号の周波数を、単位セルの内部の乾湿状態に相関して変化する高周波域における直線領域内に設定すると共に、触媒層の乾湿状態、および電解質膜の乾湿状態それぞれが影響する局所インピーダンスの実数部および虚数部から電解質膜の膜抵抗を求め、当該膜抵抗を電解質膜における乾湿指標として算出する構成としているので、電解質膜における乾湿状態を示す乾湿指標を精度よく測定することができる。
なお、電解質膜の膜抵抗は、燃料電池の出力電流に付加する交流信号の周波数を低周波から高周波へ変更した際のインピーダンスの実数部の収束値として特定することができることから、高周波域の直線領域における異なる局所インピーダンスの実数部および虚数部を算出すれば、外挿法によって電解質膜の膜抵抗を求めることができる。
また、請求項5に記載の発明では、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の乾湿指標測定装置と、乾湿指標測定装置にて測定された乾湿指標を用いて単位セルの内部の乾湿状態を診断する診断手段(434)と、を備えることを特徴としている。
これによれば、乾湿指標測定装置にて測定された乾湿指標を用いて、単位セルの内部の乾湿状態を診断することで、単位セルの内部における乾湿状態の診断精度の向上を図ることができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係の一例を示すものである。
第1実施形態に係る燃料電池診断装置を備える燃料電池システムの全体構成図である。 第1実施形態に係る燃料電池の分解斜視図である。 第1実施形態に係る単位セルの模式的な断面図である。 第1実施形態に係る単位セルの内部構造を示す模式図である。 単位セルの等価回路の一例を示す回路図である。 信号付加部にて燃料電池の出力電流に付加する交流信号を説明するための説明図である。 交流信号の周波数を変化させた際のインピーダンスを複素平面上に示した特性図である。 単位セル内部の乾湿状態を変化させた際の高周波域内におけるインピーダンスの変化を説明するための説明図である。 冷却水温度を変化させることにより単位セル内部の乾湿状態を変化させた際の単位セルのセル電圧および局所インピーダンスの虚数部の変化を示す特性図である。 単位セルにおける局所インピーダンスの検出領域を説明するための説明図である。 第1実施形態に係る燃料電池診断装置が実行する制御処理の流れを示すフローチャートである。 単位セル内部の乾湿状態を変化させた際の触媒層におけるアイオノマー抵抗の実測値と、乾湿指標算出部の算出値との関係を示す特性図である。 第2実施形態に係る燃料電池診断装置が実行する制御処理の流れを示すフローチャートである。 第3実施形態に係る乾湿指標算出部における電解質膜の膜抵抗の算出処理を説明するための説明図である。 第3実施形態に係る燃料電池診断装置が実行する制御処理の流れを示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
本実施形態の燃料電池診断装置4は、電気自動車の一種である燃料電池車両の燃料電池システムに適用されて、車両に搭載された燃料電池1の単位セル10内部の乾湿状態を診断するものである。
燃料電池1は、水素と酸素との電気化学反応を利用して電気エネルギを出力するものである。本実施形態では、燃料電池1として固体高分子型燃料電池を採用している。
図1の全体構成図に示すように、本実施形態の燃料電池1は、DC−DCコンバータ2を介して主に車両走行用電動モータや二次電池といった電気負荷(図示略)に電力を供給するように構成されている。
図2に示すように、燃料電池1は、基本単位となる単位セル10が複数積層されたスタック構造であり、各単位セル10を電気的に直列接続した直列接続体として構成されている。なお、図2では、燃料電池1の内部構造を示すために、燃料電池1を構成する単位セル10の一部を透視図で示している。
各単位セル10は、図3の断面図に示すように、固体高分子からなる電解質膜100aの両面を一対の触媒層100b、100cで挟んだ膜電極接合体100、および膜電極接合体100を挟持する一対のセパレータ101、102で構成されている。
具体的には、各触媒層100b、100cは、図4の模式図に示すように、それぞれ触媒作用を発揮する物質(例えば、白金粒子)100d、当該物質100dを担持する担持カーボン100e、担持カーボン100eを被覆するアイオノマー(電解質ポリマー)100fで構成されている。
また、一対のセパレータ101、102のうち、アノード電極を構成するアノード側触媒層100bに対向するセパレータ101には、燃料ガス(本例では水素)が流れる水素流路101aが形成されている。
そして、一対のセパレータ101、102のうち、カソード電極を構成するカソード側触媒層100cに対向するセパレータ102には、酸化剤ガス(本例では空気)が流れる空気流路102aが形成されている。
本実施形態の各セパレータ101、102には、単位セル10内部における水素の流れと空気の流れが対向流となるように水素流路101aおよび空気流路102aが形成されている。
各単位セル10は、水素および空気が供給されると、以下に示すように、水素および酸素といった反応ガスの電気化学反応により、電気エネルギを出力する。
(アノード電極)H→2H+2e
(カソード電極)2H+1/2O+2e→H
ここで、図5は、本実施形態に係る単位セル10の等価回路の一例を示す回路図である。本実施形態では、図5に示すように、単位セル10の等価回路を、電解質膜100aの膜抵抗Rp、アノード側触媒層100bの反応抵抗Ra(I)、拡散インピーダンスZa、アイオノマー抵抗Rai、電気二重層容量Ca、およびカソード側触媒層100cの反応抵抗Rc(I)、拡散インピーダンスZc、アイオノマー抵抗Rci、電気二重層容量Ccにより表現している。
電解質膜100aの膜抵抗Rpは、単位セル10内部の乾燥に伴い抵抗値が上昇するといったように、単位セル10の内部の乾湿状態に相関して変化する成分である。
また、各触媒層100b、100cの反応抵抗Ra(I)、Rc(I)は、燃料電池1からの出力電流(直流成分I)に応じて非線形に変化する成分であり、各拡散インピーダンスZa、Zcは、反応ガスの過不足に応じて変化する成分である。
各触媒層100b、100cのアイオノマー抵抗Rai、Rciは、電解質膜100aの膜抵抗Rpと同様に、単位セル10内部の乾燥に伴い抵抗値が上昇するといったように、単位セル10の内部の乾湿状態に相関して変化する成分である。なお、各触媒層100b、100cは、電解質膜100aよりも各流路101a、102aの近くに位置する関係上、単位セル10内部が乾燥した際に、電解質膜100aよりも先に乾燥する傾向がある。
図1に戻り、燃料電池1は、双方向に電力供給可能なDC−DCコンバータ2を介して、各種電気負荷に電気的に接続されている。DC−DCコンバータ2は、燃料電池1から各種電気負荷、あるいは、各種電気負荷から燃料電池1への電力の流れを制御するものである。
また、各単位セル10のうち、乾湿状態を診断する単位セル10(以下、診断セル10と称する。)には、診断セル10の乾湿状態を診断する燃料電池診断装置4が接続されている。なお、燃料電池診断装置4については後述する。
燃料電池1には、空気を供給する空気供給配管20、および燃料電池1からの排出空気を外部へ排出する空気排出配管21が接続されている。
空気供給配管20の最上流部には、大気中から吸入した空気を燃料電池1に圧送するための空気ポンプ22が設けられ、空気排出配管21には、燃料電池1内の空気の圧力を調整するための空気調圧弁23が設けられている。なお、本実施形態では、空気ポンプ22および空気調圧弁23によって、所定の流量および圧力の空気を燃料電池1に供給する空気供給手段が構成される。
また、燃料電池1には、水素を供給する水素供給配管30、および燃料電池1にて電気化学反応を終えた微量な水素等を外部へ排出する水素排出配管31が接続されている。
水素供給配管30の最上流部には、高圧水素が充填された高圧水素タンク32が設けられ、水素供給配管30における高圧水素タンク32と燃料電池1との間には、燃料電池1に供給される水素の圧力を調整する水素調圧弁33が設けられている。なお、本実施形態では、この水素調圧弁33によって、所望の圧力の水素を燃料電池1に供給する水素供給手段が構成される。また、水素排出配管31には、生成水を微量な水素とともに外気へ排出するために所定の時間間隔で開閉する電磁弁34が設けられている。
燃料電池システムには、各種制御を行う発電制御手段としての制御装置5が設けられている。この制御装置5は、各種入力信号に基づいて、燃料電池システムを構成する各種電気式アクチュエータの作動を制御するもので、CPU、ROM、RAM等からなる周知のマイクロコンピュータとその周辺回路にて構成されている。
本実施形態の制御装置5の入力側には、燃料電池診断装置4、燃料電池1の運転開始を指示する起動スイッチ(図示略)等が接続されており、燃料電池診断装置4、起動スイッチ等からの出力信号が入力される。
一方、制御装置5の出力側には、上述の空気ポンプ22、空気調圧弁23、水素調圧弁33、電磁弁34といった各種電気式アクチュエータ等が接続されており、これら制御機器が制御装置5からの制御信号により制御される。
次に、本実施形態の燃料電池診断装置4について説明する。本実施形態の燃料電池診断装置4は、図2に示すように、局所電流測定部41、セル電圧センサ42、および信号処理装置43を備えている。
局所電流測定部41は、診断セル10に設定された局所部位に流れる局所電流を検出する局所電流検出手段である。本実施形態の局所電流測定部41は、診断セル10に隣接して配置された測定板411、診断セル10の各局所部位に流れる電流を検出する複数の電流センサ412を有しており、診断セル10における各局所部位における電流分布を測定可能に構成されている。なお、電流センサ412としては、シャント抵抗を用いたセンサやホール素子を用いたセンサ等を採用することができる。
セル電圧センサ42は、診断セル10のセル電圧を検出するセル電圧検出手段である。なお、局所電流測定部41、およびセル電圧センサ42は、それぞれ信号処理装置43に接続されており、局所電流測定部41、およびセル電圧センサ42からの各出力信号が信号処理装置43に入力される。
信号処理装置43は、各種入力信号に基づいて、制御処理や演算処理を実行するものであり、CPU、ROM、RAM等からなる周知のマイクロコンピュータとその周辺回路にて構成されている。
本実施形態の信号処理装置43は、信号付加部431、インピーダンス算出部432、乾湿指標算出部433、診断部434といった構成(ソフトウェアおよびハードウェア)を備えている。
信号付加部431は、図6に示すように、燃料電池1の出力電流(直流成分I)に対して予め定めた高周波域内の交流信号(交流成分ΔI)を付加(重畳)する信号付加手段を構成している。なお、信号付加部431にて付加する交流信号は、燃料電池1の発電状態への影響を考慮して、燃料電池1の出力電流の10%以内としている。
ここで、信号付加部431にて燃料電池1の出力電流に付加する交流信号の周波数について図7、図8を用いて説明する。
図7は、図5に示す等価回路において、燃料電池1の出力電流に付加する交流信号の周波数を低周波から高周波へ変化させた際の診断セル10におけるインピーダンスの実数部Re(Z)および虚数部Im(Z)を複素平面上に示した特性図(コールコールプロット)である。
図7の特性図に示すように、高周波域内には、所定の周波数以上(本例では1kHz以上)の周波数領域にてインピーダンスが実数部の減少に対して虚数部が直線的に減少する直線領域Aが表れる。この直線領域A内におけるインピーダンスは、単位セル10内部の乾湿状態に相関して変化する傾向がある。以下、この点について説明する。
図8は、単位セル10内部の乾湿状態を変化させた際の高周波域内におけるインピーダンスの変化を説明するための説明図である。本例では、燃料電池1へ供給する反応ガスの加湿量を変更して、単位セル10内部の相対湿度を変化させることで、単位セル10内部の乾湿状態を変化させている。
また、図8では、単位セル10内部の相対湿度を70%RHとした際のインピーダンスを丸プロット、相対湿度を60%RHとした際のインピーダンスを四角プロット、相対湿度を50%RHとした際のインピーダンスを三角プロット、相対湿度を35%RHとした際のインピーダンスを菱形プロット、相対湿度を20%RHとした際のインピーダンスを五角プロットで示している。なお、図8の黒丸プロットは、単位セル10内部の相対湿度を70%RH、交流信号の周波数を1kHzとした際のインピーダンスを示し、黒五角プロットは、単位セル10内部の相対湿度を20%RH、交流信号の周波数を1kHzとした際のインピーダンスを示している。
図8に示すように、インピーダンスの実数部の減少に対して虚数部が直線的に減少する直線領域が、単位セル10内部の相対湿度の低下に伴って相似的に延長される傾向がある。例えば、相対湿度を20%RHとした際のインピーダンスは、相対湿度を75%RHとした際よりも直線領域が延長されていることがわかる。つまり、直線領域内におけるインピーダンスが単位セル10内部の乾湿状態に相関して変化していることがわかる。
そこで、本実施形態では、信号付加部431にて燃料電池1の出力電流に付加する交流信号の周波数を、単位セル10の乾湿状態に相関して変化する直線領域内(本例では1kHz)に設定している。
続いて、インピーダンス算出部432は、信号付加部431にて燃料電池1の出力電流に交流信号を付加した際の局所電流測定部41、およびセル電圧センサ42の検出値から単位セル10の局所部位における局所インピーダンスを算出するインピーダンス算出手段を構成している。本実施形態のインピーダンス算出部432は、例えば、高速フーリエ変換処理等によって、交流信号の周波数に対応する局所インピーダンスを算出可能となっている。
乾湿指標算出部433は、インピーダンス算出部432にて算出した局所インピーダンスから診断セル10内部の乾湿状態を示す乾湿指標を算出する乾湿指標算出手段を構成している。
本実施形態の乾湿指標算出部433は、局所インピーダンスの虚数部が電解質膜100aの乾湿状態に影響しないことに鑑みて、図8の特性図における直線領域内の局所インピーダンスの虚数部Im(Z)を各触媒層100b、100cの乾湿指標として算出している。なお、局所インピーダンスの虚数部Im(Z)は、図8の黒丸プロットおよび黒五角プロットに示すように、単位セル10内部の相対湿度の低下に伴って増加する傾向がある。
続いて、診断部434は、乾湿指標算出部433にて算出した乾湿指標を用いて、診断セル10内部の乾湿状態を診断する診断手段を構成している。なお、本実施形態では、乾湿指標算出部433にて各触媒層100b、100cの乾湿指標を算出することから、診断部434では、診断セル10内部の各触媒層100b、100cの乾湿状態を診断することとなる。
ここで、図9は、燃料電池1内部の乾湿状態を変化させた際の単位セル10におけるセル電圧の変化、および1kHzの交流信号を付加した際の単位セル10における局所インピーダンスの虚数部の変化を示す特性図である。本例では、燃料電池1を温度調整する冷却水の温度を低温から高温へ変化させることで燃料電池1内部を湿潤状態から乾燥状態へと変化させている。なお、図9に示す局所インピーダンスの虚数部Im(Z)は、図10に示すように、単位セル10における発電領域のうち、空気入口部からの距離が5〜13%の範囲に対応する検知領域の局所インピーダンスの虚数部を示している。
図9に示すように、冷却水の温度を低温域(35℃付近)に調整すると、燃料電池1内部は水分過多(湿潤状態)となり、セル電圧が低電圧のまま変化せず、局所インピーダンスの虚数部は実質的に「ゼロ」となる。なお、燃料電池1内部が水分過多であると、当該水分によって単位セル10における反応ガスの拡散が阻害されるため、セル電圧が低電圧となる。
この状態から冷却水の温度を低温域(35℃付近)から高温域(90℃付近)へと徐々に上昇させると、燃料電池1内部の水分量が適正状態(湿潤状態)となり、燃料電池1内部の水分によって単位セル10における反応ガスの拡散阻害が殆ど無くなるため、セル電圧が徐々に上昇する一方で、局所インピーダンスの虚数部は殆ど変化せず、実質的に「ゼロ」に維持される。
そして、冷却水の温度を高温域(90℃付近)に維持すると、燃料電池1内部の水分が減少して乾燥状態となり、セル電圧が徐々に低下する一方で、局所インピーダンスの虚数部(絶対値)が急激に増加する。
このように、局所インピーダンスの虚数部(絶対値)は、単位セル10の内部の乾湿状態が乾燥状態となった際に、急激に上昇する傾向がある。このため、本実施形態の診断部434は、局所インピーダンスの虚数部の変化に基づいて診断セル10の乾湿状態を診断するようにしている。
なお、本実施形態では、燃料電池診断装置4の構成要素のうち、局所電流測定部41、セル電圧センサ42、信号処理装置43の信号付加部431、インピーダンス算出部432、乾湿指標算出部433といった構成が、診断セル10の乾湿状態を示す乾湿指標を測定する乾湿指標測定装置を構成している。従って、燃料電池診断装置4は、乾湿指標測定装置、および信号処理装置43の診断部434を備える装置と解釈することができる。
次に、上記構成に係る本実施形態の燃料電池診断装置4の作動を図11のフローチャートを用いて説明する。図11の制御フローは、起動スイッチが投入され、燃料電池1が発電状態となるとスタートする。
図11に示すように、まず、信号処理装置43の信号付加部431にて燃料電池1の出力電流に、予め定めた高周波域内(直線領域内)の周波数(本例では1kHz)の交流信号を付加する(S10)。
続いて、信号付加部431にて交流信号を付加した際の局所電流測定部41の各電流センサ412、およびセル電圧センサ42の出力信号(検出値)を読み込む(S20)。そして、信号処理装置43のインピーダンス算出部432にて、診断セル10の局所部位における局所インピーダンスを算出する(S30)。
続いて、信号処理装置43の乾湿指標算出部433にて、インピーダンス算出部432で算出した局所インピーダンスから診断セル10の乾湿状態を示す乾湿指標を算出する(S40)。本実施形態の乾湿指標算出部433では、局所インピーダンスの虚数部の絶対値を、各触媒層100b、100cの乾湿指標として算出する。
続いて、信号処理装置43の診断部434にて、乾湿指標算出部433で算出した乾湿指標に基づいて、診断セル10の乾湿状態を診断する(S50)。本実施形態の診断部434では、局所インピーダンスの虚数部Im(Z)の絶対値Abs{Im(Z)}が、予め定めた第1判定閾値を上回っているか否かを判定する。
ステップ50の処理にて、局所インピーダンスの虚数部Im(Z)の絶対値Abs{Im(Z)}が、第1判定閾値未満と判定された場合には、診断セル10内部が乾燥していない湿潤状態と判定し(S60)、その判定結果を制御装置5に出力して制御処理を終了する。
一方、ステップ50の処理にて、局所インピーダンスの虚数部Im(Z)の絶対値Abs{Im(Z)}が、第1判定閾値以上と判定された場合には、診断セル10内部が乾燥している乾燥状態と判定し(S70)、その判定結果を制御装置5に出力して制御処理を終了する。この際、診断セル10内部の乾湿状態を適正状態にするために、制御装置5において、反応ガスへの加湿量を増加させたり、燃料電池1の温度を低下させたりしてもよい。また、制御装置5において、診断部434にて診断セル10内部が乾燥している旨を乗員や保守作業者等へ報知するようにしてもよい。
以上説明した本実施形態の燃料電池診断装置4では、信号処理装置43の信号付加部431にて、燃料電池1の出力電流に付加する交流信号の周波数域を、単位セル10の内部の乾湿状態に相関して変化する高周波域における直線領域内に設定している。さらに、乾湿指標算出部433にて、電解質膜100aの乾湿状態が影響しない局所インピーダンスの虚数部を乾湿指標として算出する構成としているので、触媒層100b、100cにおける乾湿状態を示す乾湿指標を精度よく測定することができる。
さらに、燃料電池診断装置4を構成する乾湿指標測定装置にて測定された乾湿指標を用いて、単位セル10の触媒層100b、100cの乾湿状態を診断するので、単位セル10の内部における乾湿状態の診断精度の向上を図ることができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。本実施形態では、燃料電池診断装置4にて、局所インピーダンスの虚数部から触媒層100b、100cのアイオノマー抵抗Rai、Rciの合算値Rsumを求め、当該アイオノマー抵抗の合算値に基づいて診断セル10内部の乾湿状態を診断する点が第1実施形態と相違している。本実施形態では、第1実施形態と同様または均等な部分についての説明を省略、または簡略化して説明する。
各触媒層100b、100cのアイオノマー抵抗は、各触媒層100b、100cの乾燥に伴い抵抗値が上昇するといったように、各触媒層100b、100cの乾湿状態に相関して変化する成分である。
そこで、本実施形態の乾湿指標算出部433は、インピーダンス算出部432にて算出した局所インピーダンスの虚数部から各触媒層100b、100cのアイオノマー抵抗の合算値Rsumを乾湿指標として算出する。本実施形態では、以下の数式F1、F2を用いてアイオノマー抵抗の合算値を算出している。
Rsum=Σ(Rai+Rci)=2ω{Im(Z)}C…(F1)
1/C=1/Ca+1/Cc…(F2)
但し、ωは、信号付加部431にて付加する交流信号の角周波数、Cは、各触媒層100b、100cの電気二重層容量Ca、Ccの直列容量を示している。
ここで、図12は、単位セル10内部の乾湿状態を変化させた際の各触媒層100b、100cのアイオノマー抵抗の実測値と、乾湿指標算出部433の算出値との関係を示す特性図である。図12に示す実線部は、触媒層100b、100cにおけるアイオノマー抵抗の実測値(真値)であり、破線部は、本実施形態の乾湿指標算出部433にて算出したアイオノマー抵抗の合算値Rsumである。なお、図12に示す各プロットは、第1実施形態で説明した図8に示す各プロットに対応している。
図12に示すように、乾湿指標算出部433の算出値は、触媒層100b、100cにおけるアイオノマー抵抗の実測値(真値)と同様に、単位セル10内部の相対湿度の低下に伴って増加していることがわかる。
次に、本実施形態の燃料電池診断装置4の作動を図13のフローチャートを用いて説明する。図13に示すように、ステップS30にて診断セル10の局所インピーダンスを算出した後、乾湿指標算出部433にて、診断セル10の乾湿状態を示す乾湿指標を算出する(S80)。
本実施形態の乾湿指標算出部433では、局所インピーダンスの虚数部を前述の数式F1に代入して、各触媒層100b、100cのアイオノマー抵抗の合算値Rsumを乾湿指標として算出する。なお、各触媒層100b、100cの電気二重層容量Ca、Ccの直列容量Cについては、予め実験等により算出した規定値を用いるものとする。
続いて、診断部434にて、アイオノマー抵抗の合算値Rsumが予め定めた第2判定閾値を上回っているか否かを判定する(S90)。この結果、アイオノマー抵抗の合算値が、第2判定閾値未満と判定された場合には、診断セル10内部が乾燥していない湿潤状態と判定し(S60)、第2判定閾値以上と判定された場合には、診断セル10内部が乾燥している乾燥状態と判定する(S70)。
燃料電池診断装置4における他の構成および制御処理については、第1実施形態と同様である。従って、本実施形態の燃料電池診断装置4によれば、第1実施形態と同様に、触媒層100b、100cにおける乾湿状態を示す乾湿指標を精度よく測定することができ、単位セル10の内部における乾湿状態の診断精度の向上を図ることができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態では、乾湿指標算出部433にて、電解質膜100aの膜抵抗を診断セル10内の乾湿指標として算出する点が第1、第2実施形態と相違している。本実施形態では、第1、第2実施形態と同様または均等な部分についての説明を省略、または簡略化して説明する。
本実施形態の信号付加部431は、高周波域の直線領域内において、異なる複数の周波数の信号を合成した交流信号を燃料電池1の出力信号に付加可能に構成されている。
また、本実施形態のインピーダンス算出部432は、信号付加部431にて異なる交流信号が付加された際に、異なる周波数それぞれに対応する局所インピーダンスを個別に算出可能に構成されている。具体的には、インピーダンス算出部432は、局所電流測定部41およびセル電圧センサ42の出力信号から各交流信号の周波数毎に応じた交流成分ΔIを抽出し、抽出した各交流成分ΔIから各周波数に対応する局所インピーダンスを個別に算出する。
本実施形態の乾湿指標算出部433は、インピーダンス算出部432にて異なる周波数毎に算出された局所インピーダンスの実数部および虚数部から電解質膜100aの膜抵抗Rpを求め、当該膜抵抗Rpを電解質膜100aの乾湿指標として算出する。
ここで、電解質膜100aの膜抵抗Rpは、燃料電池1の出力電流に付加する交流信号の周波数を低周波から高周波へ変更した際のインピーダンスにおける実数部の収束値として捉えることができる。
本実施形態の乾湿指標算出部433では、図14に示すように、インピーダンス算出部432にて算出した高い周波数に対応する局所インピーダンスZ1の実数部および虚数部、低い周波数に対応する局所インピーダンスZ2の実数部および虚数部を用いて、直線外挿法により局所インピーダンスにおける実数部の収束値を電解質膜100aの膜抵抗Rpとして算出している。
次に、本実施形態の燃料電池診断装置4の作動を図15のフローチャートを用いて説明する。図15に示すように、まず、信号付加部431にて燃料電池1の出力電流に、予め定めた高周波域内(直線領域内)の異なる周波数(本例では1kHzと2kHz)を合成した交流信号を付加する(S100)。
続いて、局所電流測定部41の各電流センサ412、およびセル電圧センサ42の出力信号(検出値)を読み込み(S20)、信号処理装置43のインピーダンス算出部432にて、各周波数に対応する局所インピーダンスを算出する(S110)。
続いて、乾湿指標算出部433にて、インピーダンス算出部432で算出した局所インピーダンスの実数部および虚数部の変化量から診断セル10の電解質膜100aの膜抵抗を乾湿指標として算出する(S120)。
続いて、診断部434にて、乾湿指標算出部433で算出した電解質膜100aの膜抵抗Rpが、予め定めた第3判定閾値を上回っているか否かを判定する(S130)。
この結果、電解質膜100aの膜抵抗が、第3判定閾値未満と判定された場合には、診断セル10内部が乾燥していない湿潤状態と判定し(S60)、第3判定閾値以上と判定された場合には、診断セル10内部が乾燥している乾燥状態と判定する(S70)。
燃料電池診断装置4における他の構成および制御処理については、第1、第2実施形態と同様である。従って、本実施形態の燃料電池診断装置4によれば、電解質膜100aにおける乾湿状態を示す乾湿指標を精度よく測定することができ、単位セル10の内部における乾湿状態の診断精度の向上を図ることができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない範囲において、種々変形することができる。例えば、以下のように種々変形可能である。
(1)上述の各実施形態は、可能な範囲で適宜組み合わせることができる。例えば、乾湿指標算出部433にて、各触媒層100b、100cの乾湿指標である局所インピーダンスの虚数部やアイオノマー抵抗の合算値を算出すると共に、電解質膜100aの乾湿指標である膜抵抗を算出するようにしてもよい。
単位セル10内部の乾湿状態が湿潤状態から乾燥状態を移行する際、各触媒層100b、100cの方が電解質膜100aよりも乾燥し易いことから、各触媒層100b、100cの乾湿指標、および電解質膜100aの乾湿指標の双方を算出することで、単位セル10内部における乾湿状態の進行状況を把握することが可能となる。
(2)上述の各実施形態では、信号付加部431が、DC−DCコンバータ2を介して燃料電池1の出力電流に交流信号を付加する例を説明したが、信号付加部431にて燃料電池1の出力電流に交流信号を付加可能であれば他の構成を採用してもよい。
(3)上述の第3実施形態では、燃料電池1の出力電流に異なる周波数の信号を合成した交流信号を付加する例を説明したが、これに限らず、例えば、燃料電池1の出力電流に異なる周波数の交流信号それぞれを異なるタイミングで付加するようにしてもよい。
(4)上述の各実施形態では、測定板411および複数の電流センサ412を有する局所電流測定部41を採用する例を説明したが、局所電流測定部41としては、診断セル10における少なくとも1つの局所部位に流れる局所電流を検出可能なものであれば適宜採用することができる。
(5)上述の各実施形態では、信号処理装置43に信号付加部431、インピーダンス算出部432、乾湿指標算出部433、診断部434を設ける構成としているが、これに限定されず、例えば、制御装置5にインピーダンス算出部432、乾湿指標算出部433、診断部434を設けてもよい。
(6)上述の各実施形態では、燃料電池車両に搭載された燃料電池1の状態を診断する例を説明したが、これに限定されず、船舶及びポータブル発電器等の移動体や設置型の燃料電池1の状態を診断するようにしてもよい。
1 燃料電池
10 単位セル
100 膜電極接合体
100a 電解質膜
100b アノード側触媒層
100c カソード側触媒層
41 局所電流測定部(局所電流検出手段)
42 セル電圧センサ(セル電圧検出手段)
431 信号付加部(信号付加手段)
432 インピーダンス算出部(インピーダンス算出手段)
433 乾湿指標算出部(乾湿指標算出手段)
434 診断部(診断手段)

Claims (5)

  1. 電解質膜(100a)の両面を一対の触媒層(100b、100c)で挟んだ膜電極接合体(100)を有し、燃料ガスおよび酸化剤ガスの電気化学反応により電気エネルギを出力する単位セル(10)を備える燃料電池(1)に適用され、前記単位セルの内部の乾湿状態を示す乾湿指標を測定する乾湿指標測定装置であって、
    前記単位セルの局所部位に流れる局所電流を検出する局所電流検出手段(41)と、
    前記単位セルのセル電圧を検出するセル電圧検出手段(42)と、
    予め定めた高周波域内の交流信号を前記燃料電池の出力電流に付加する信号付加手段(431)と、
    前記交流信号が前記燃料電池の出力電流に付加された際の前記セル電圧および前記局所電流から前記単位セルの局所部位における局所インピーダンスを算出するインピーダンス算出手段(432)と、
    前記局所インピーダンスから前記乾湿指標を算出する乾湿指標算出手段(433)と、を備え、
    前記高周波域は、前記燃料電池の出力電流に付加する前記交流信号の周波数を増加させた際に、前記局所インピーダンスの実数部の減少に対して虚数部が直線的に減少する直線領域内に設定されており、
    前記触媒層は、少なくとも触媒作用を発揮する物質(100d)、およびアイオノマー(100f)を有して構成され、
    前記乾湿指標算出手段は、前記局所インピーダンスの虚数部を用いて前記触媒層の前記アイオノマーの抵抗を求め、前記アイオノマーの抵抗を前記触媒層における前記乾湿指標として算出することを特徴とする乾湿指標測定装置。
  2. 前記信号付加手段は、前記高周波域内における異なる周波数の交流信号を前記燃料電池の出力電流に付加可能に構成され、
    前記インピーダンス算出手段は、前記異なる周波数の交流信号が前記燃料電池の出力電流に付加された際に、前記異なる周波数に対応する前記局所インピーダンスを個別に算出するように構成され、
    前記乾湿指標算出手段は、前記異なる周波数毎に算出された前記局所インピーダンスの実数部および虚数部から前記電解質膜の膜抵抗を求め、前記膜抵抗を前記電解質膜の前記乾湿指標として算出することを特徴とする請求項1に記載の乾湿指標測定装置。
  3. 電解質膜(100a)の両面を一対の触媒層(100b、100c)で挟んだ膜電極接合体(100)を有し、燃料ガスおよび酸化剤ガスの電気化学反応により電気エネルギを出力する単位セル(10)を備える燃料電池(1)に適用され、前記単位セルの内部の乾湿状態を示す乾湿指標を測定する乾湿指標測定装置であって、
    前記単位セルの局所部位に流れる局所電流を検出する局所電流検出手段(41)と、
    前記単位セルのセル電圧を検出するセル電圧検出手段(42)と、
    予め定めた高周波域内の交流信号を前記燃料電池の出力電流に付加する信号付加手段(431)と、
    前記交流信号が前記燃料電池の出力電流に付加された際の前記セル電圧および前記局所電流から前記単位セルの局所部位における局所インピーダンスを算出するインピーダンス算出手段(432)と、
    前記局所インピーダンスから前記乾湿指標を算出する乾湿指標算出手段(433)と、を備え、
    前記高周波域は、前記燃料電池の出力電流に付加する前記交流信号の周波数を増加させた際に、前記局所インピーダンスの実数部の減少に対して虚数部が直線的に減少する直線領域内に設定されており、
    前記信号付加手段は、前記高周波域内における異なる周波数の交流信号を前記燃料電池の出力電流に付加可能に構成され、
    前記インピーダンス算出手段は、前記異なる周波数の交流信号が前記燃料電池の出力電流に付加された際に、前記異なる周波数に対応する前記局所インピーダンスを個別に算出するように構成され、
    前記乾湿指標算出手段は、前記局所インピーダンスの虚数部を用いて前記触媒層における前記乾湿指標を算出すると共に、前記異なる周波数毎に算出された前記局所インピーダンスの実数部および虚数部から前記電解質膜の膜抵抗を求め、前記膜抵抗を前記電解質膜の前記乾湿指標として算出することを特徴とする乾湿指標測定装置。
  4. 電解質膜(100a)の両面を一対の触媒層(100b、100c)で挟んだ膜電極接合体(100)を有し、燃料ガスおよび酸化剤ガスの電気化学反応により電気エネルギを出力する単位セル(10)を備える燃料電池(1)に適用され、前記単位セルの内部の乾湿状態を示す乾湿指標を測定する乾湿指標測定装置であって、
    前記単位セルの局所部位に流れる局所電流を検出する局所電流検出手段(41)と、
    前記単位セルのセル電圧を検出するセル電圧検出手段(42)と、
    予め定めた高周波域内の交流信号を前記燃料電池の出力電流に付加する信号付加手段(431)と、
    前記交流信号が前記燃料電池の出力電流に付加された際の前記セル電圧および前記局所電流から前記単位セルの局所部位における局所インピーダンスを算出するインピーダンス算出手段(432)と、
    前記局所インピーダンスから前記乾湿状態を示す乾湿指標を算出する乾湿指標算出手段(433)と、を備え、
    前記高周波域は、前記燃料電池の出力電流に付加する前記交流信号の周波数を増加させた際に、前記局所インピーダンスの実数部の減少に対して虚数部が直線的に減少する直線領域内に設定されており、
    前記信号付加手段は、前記高周波域内における異なる周波数の交流信号を前記燃料電池の出力電流に付加可能に構成され、
    前記インピーダンス算出手段は、前記異なる周波数の交流信号が前記燃料電池の出力電流に付加された際に、前記異なる周波数に対応する前記局所インピーダンスを個別に算出するように構成され、
    前記乾湿指標算出手段は、前記異なる周波数毎に算出された前記局所インピーダンスの実数部および虚数部から前記電解質膜の膜抵抗を求め、前記膜抵抗を前記電解質膜の前記乾湿指標として算出することを特徴とする乾湿指標測定装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1つに記載の乾湿指標測定装置と、
    前記乾湿指標測定装置にて測定された前記乾湿指標を用いて前記単位セルの内部の前記乾湿状態を診断する診断手段(434)と、
    を備えることを特徴とする燃料電池診断装置。
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