JP2011100564A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池の運転状態診断の信頼性向上を図る。
【解決手段】燃料電池システム10は、発電不良が起きた場合のセル電圧の増減推移状況とガス入口・出口側のそれぞれのセル電流の増減推移状況との相関関係を把握し、この相関関係を発電不良をもたらすドライアップ、フラッディング、水素供給不良および酸素供給不良と予め対応付ける。その一方、現状のセル電圧とガス入口・出口側のそれぞれの現状のセル電流とを測定することで、現状のセル電圧増減推移状況とセル電流増減推移状況とから現状の相関関係を取得し、この相関関係から発電不良を診断する。
【選択図】図2

Description

本発明は、電解質膜を挟んでアノードとカソードとを対向させた発電単位の単セルを積層して該単セルで発電する燃料電池を備えた燃料電池システムに関する。
燃料電池は、その有する単セルにおいてアノードへの燃料ガス供給とカソードへの酸素含有ガス供給を受けて電気化学反応(発電反応)を進行させ、当該反応によって発電する。アノードとカソードで挟持された電解質膜は、適宜な湿潤状態において水素透過に伴う電気化学反応を起こすので、電解質膜の乾燥、或いは湿潤過多(フラッディング)が起きると、燃料電池の出力は低下する。また、アノード側とカソード側でガス供給のバランスが崩れても、出力低下が起きることがよく知られている。このため、出力低下を来すような運転状況にあるか否かを診断することが、燃料電池の運転効率化の上から求められ、種々の方策が提案されている(例えば、下記特許文献1)。
特開2005−100952号公報
上記の特許文献では、乾燥しやすい箇所で測定した電流値を運転診断に用いたり、この測定電流値と測定電圧値とで得た乾燥しやすい箇所での抵抗値を診断に用いたりしているものの、次のような問題点が指摘されるに至った。例えば、単セルにフラッディングが起きた場合、単セルの出力低下(発電不良)により電流値は低減するものの、単セルの抵抗値にはあまり変化が起きない現象が報告されている。その一方、アノード或いはカソードへのガス供給不足が起きた場合でも、電流値の低減が起きる。このため、測定電流値での運転診断、或いは、測定電流値から求めた抵抗値での診断では、フラッディングによる発電不良かガス不足による発電不良かを判定しがたく、判定の信頼性に欠ける場合が考えられる。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、燃料電池の運転状態診断の信頼性向上に寄与する新たな診断手法を提供することを目的とする。
上記した目的の少なくとも一部を達成するために、本発明では、以下の構成を採用した。
[適用1:燃料電池システム]
電解質膜を挟んでアノードとカソードとを対向させた発電単位の単セルを有し、該単セルのアノードとカソードへの燃料ガスと酸素含有ガスの供給を受けて発電する燃料電池を備えたシステムであって、
前記単セルにおける前記アノードと前記カソードとの間の電圧であるセル電圧を測定するセル電圧測定手段と、
前記単セルにおける前記カソードのガス出口側の電流であるセル電流を測定するセル電流測定手段と、
前記セル電圧の推移状況と前記セル電流の推移状況との相関関係を前記単セルで発現する発電不良に予め対応付け、前記測定した前記セル電圧の推移状況と前記測定した前記セル電流の推移状況との相関関係に基づいて前記発電不良の有無を診断する不良診断手段とを備える
ことを要旨とする。
上記構成を備える燃料電池システムでは、単セルにおけるアノードとカソードとの間のセル電圧の推移状況と単セルにおけるカソードのガス出口側のセル電流の推移状況との相関関係を、単セルで発現する発電不良に予め対応付ける。こうした対応付けは、実験的な手法により、或いはコンピューターを用いたシミュレーションにより実行可能である。その一方、現状のセル電圧・セル電流はそれぞれの測定手段にて測定されるので、その測定したセル電圧の推移状況と測定したセル電流の推移状況とから現状の相関関係が得られる。そして、この現状の相関関係に基づいて発電不良有無を診断するので、上記構成を備える燃料電池システムによれば、測定電流値での診断或いは測定電流値から求めた抵抗値での診断に比して、診断の信頼性を高めることができる。しかも、測定したセル電流からの抵抗値演算が不要であると共に、診断に当たってガス供給機器の運転状況を考慮する必要がないので、簡便である。
本発明は、上述した燃料電池システムとしての構成の他、燃料電池の運転不良の診断方法の発明として構成することもできる。
本発明の一実施例としての燃料電池システム10の概略構成を示す説明図である。 発電不良診断の処理内容を表わすフローチャートである。 ドライアップ・フラッディング・水素供給不良・酸素供給不良の各発電不良と当該不良が発現する際のセル電圧・電流の相関関係とを対応付けたグラフである。
以下、本発明の実施の形態について、その実施例を図面に基づき説明する。図1は本発明の一実施例としての燃料電池システム10の概略構成を示す説明図である。
図示するように、燃料電池システム10は、燃料電池100と、エアー加湿供給源102と、水素ガス加湿供給源104と、制御装置200とを備える。エアー加湿供給源102と水素ガス加湿供給源104は、電解質膜112が乾燥状態にあるドライアップと湿潤過多のフラッディングに対処すべく、エアー或いは水素ガスをその加湿状態を調整しつつ燃料電池セル100Sに供給する。
制御装置200は、マイクロコンピュータを中心とした論理回路として構成され、詳しくは、予め設定された制御プログラムに従って所定の演算などを実行するCPUと、CPUで各種演算処理を実行するのに必要な制御プログラムや制御データ等が予め格納されたROMと、同じくCPUで各種演算処理をするのに必要な各種データが一時的に読み書きされるRAMと、燃料電池セル100Sの後述する各種センサーからの信号を入出力する入出力ポート(図示略)等を備える。この制御装置200は、負荷要求に関する情報等を取得して、燃料電池システム10を構成する各部、すなわち、エアー加湿供給源102や水素ガス加湿供給源104やガス供給管路の図示しないバルブ等に駆動信号を出力し、燃料電池システム10全体の運転状態を勘案してこれらを制御する。
燃料電池100は燃料電池セル100Sを積層したスタック構造を備え、それぞれの燃料電池セル100Sは、後述の電解質膜を挟んでアノードとカソードとを対向させた発電単位であり、アノードとカソードへの水素ガスとエアーの供給を受けて発電する。燃料電池セル100Sは、膜電極接合体110をカソード側ガス拡散部材120とアノード側ガス拡散部材130とで挟持し、各ガス拡散部材にカソードセパレーター122とアノードセパレーター132を接合して備える。
膜電極接合体110は、電解質膜112をカソード触媒層114とアノード触媒層116で挟持して備える。電解質膜112は、湿潤状態で良好なプロトン伝導性を示す固体高分子薄膜である。カソード触媒層114とアノード触媒層116は、触媒インクを電解質膜112の外表面に塗布・乾燥させることによって形成されたガス透過性を有する電極であり、それぞれ、カソード電極とアノード電極として機能する。ここで、「触媒インク」とは、発電反応を促進するための触媒(例えば白金(Pt)など)が担持された触媒担持カーボンと高分子電解質溶液とを混合した混合溶液を意味する。
カソード側ガス拡散部材120とアノード側ガス拡散部材130の両ガス拡散部材は、ガス透過性および導電性を有する多孔質部材であり、対応するカソード触媒層114とアノード触媒層116の膜面全域に反応ガスを行き渡らせるためのガス拡散流路として機能する。この両ガス拡散部材は、カーボンペーパーや、カーボンクロス、いわゆるエキスパンドメタル、パンチングメタルなどによって構成することができる。
カソードセパレーター122およびアノードセパレーター132の両セパレーターは、導電性を有するガス不透過の板状部材である。この両セパレーターは、その内部に、ガス流路122a、132aと図示しない冷却媒体流路を備え、対応するカソード側ガス拡散部材120とアノード側ガス拡散部材130にガス流路122a、132aを経てガスを供給する。
アノードセパレーター132のガス流路132aは、図1の紙面垂直方向に沿って交互にジグザグに折り返す、いわゆるサーペンタイン形状の流路であり、発電領域の全体に渡って形成されている。反応ガスである水素ガスは、図1の紙面上端側のガス入口132inからガス流路132aに流れ込み、ガス流路132aに沿って図1の紙面下側のガス出口132outへと流れつつ、アノード側ガス拡散部材130を介してアノード触媒層116に至り、発電反応に供される。反応に供されることのなかった水素を含むアノード排ガスは、アノード側ガス拡散部材130を介してガス流路132aへと流れ、ガス出口132outから燃料電池100の外部へと排出される。
カソードセパレーター122のガス流路122aは、アノードセパレーター132のガス流路122aと、膜電極接合体110を挟んで対称に形成されたサーペンタイン形状の流路である。反応ガスであるエアーは、図1の紙面下端側のガス入口122inからガス流路122aに流れ込み、ガス流路122aに沿って図1の紙面上側のガス出口122outへと流れつつ、カソード側ガス拡散部材120を介してカソード触媒層114に至り、発電反応に供される。反応に供されることのなかったエアーおよび発電反応によって生成された水分を含むカソード排ガスは、カソード側ガス拡散部材120を介してガス流路122aへと流れ、ガス出口122outから燃料電池100の外部へと排出される。このように、本実施例の燃料電池セル100Sは、水素ガスとエアーをその流れ方向が対向するようにして流して発電する。なお、各セパレーターのガス流路122a、132aは、サーペンタイン形状に限られず、例えば、図1の紙面上下方向に複数の流路溝が併走する直線形状の流路とすることもできる。
カソード触媒層114の側では、発電反応の進行に伴って水が生成され、その生成水はカソード側ガス拡散部材120において、当該拡散部材を流れるエアーに持ち去られて余剰のエアーと共にガス出口122outから排出される。本実施例では、カソード側ガス拡散部材120におけるエアーの流れが下から上に向けた流れではあるものの、上記したエアーによる生成水の持ち去りもあって、ガス入口122inの側とガス出口122outの側とでは、電解質膜112の湿潤の程度に差が生じ、ガス入口122inの側で乾燥しがちとなる。アノード触媒層116の側では、電解質膜112の湿潤に影響を与えるのは、水素ガスによって運ばれた水(加湿のための水蒸気)であり、この水蒸気は、アノード側ガス拡散部材130において、当該拡散部材を流れる水素ガスに持ち去られて余剰の水素ガスと共にガス出口132outから排出される。本実施例では、アノード側ガス拡散部材130におけるエアーの流れが上から下に向けた流れであり、且つ、上記した水素ガスによる水蒸気の持ち去りもあって、ガス入口132inの側で乾燥しがちとなる。
電解質膜112の湿潤程度は発電反応の進行状況に影響を及ぼすことから、燃料電池セル100Sは、ガス入口122inの側とガス出口122outの側とで個別にカソード側の電流を測定すべく、入口・出口側にそれぞれ電流センサー140、142をカソードセパレーター122に備える。この他、燃料電池セル100Sは、発電反応に伴うセル電圧を測定するセル電圧センサー150を備える。これらセンサーは、そのセンサー信号を既述した制御装置200に出力する。上記した電流・電圧のセンサーは、それぞれの燃料電池セル100Sごとに設けることができるほか、燃料電池100が有するいくつかの燃料電池セル100Sに設けるようにしても良い。
次に、上記の機器構成を有する燃料電池システム10で行う発電不良診断について説明する。図2は発電不良診断の処理内容を表わすフローチャート、図3はドライアップ・フラッディング・水素供給不良・酸素供給不良の各発電不良と当該不良が発現する際のセル電圧・電流の相関関係とを対応付けたグラフである。発電不良診断の説明に先だち、制御装置200が燃料電池100の各燃料電池セル100Sの運転を制御する上で行うガス供給制御などについて、簡単に説明する。
制御装置200は、所望される発電量を、車載システムであればアクセル操作から、固定設置の住居・店舗用システムであれば電気機器の使用状況等から判別し、その判別した発電量が得られるよう、エアー加湿供給源102や水素ガス加湿供給源104からのガス供給量を調整する。こうした供給量調整を経たガス供給を受けて、燃料電池100の各燃料電池セル100Sは、発電する。また、制御装置200は、セル電圧センサー150や電流センサー140、142のセンサー出力を予め定められた周期で取得して、後述する発電不良診断に用いる電流推移やセル電圧の変動を演算し、その演算結果(電流増減推移やセル電圧変動)を発電不良診断に用いるべく、RAMに更新記憶する。
制御装置200は、上記した制御と並行して所定周期で発電不良診断制御(図2)を実行し、この制御では、まず、上記したように所望される一定電流を出力中のセル電圧の現状の変動幅が初期許容値ΔV0以下か否かを判定する(ステップS100)。セル電圧変動幅は、本ルーチンにおいてセル電圧センサー150のセンサー出力から演算できるほか、既述したように制御装置200がセンサー出力から演算済みの演算結果を用いればよい。後述の電流推移や電流密度推移も同様である。
上記した初期許容値ΔV0は、燃料電池システム10の燃料電池100、詳しくは各燃料電池セル100Sがドライアップ等の発電不良を起こさず正常に運転している場合(定電流出力)に、セル電圧の変動が許容される程度である。本実施例では、この初期許容値ΔV0を、定電流出力時における正常なセル電圧の5%程度とした。この場合、こうした初期許容値ΔV0は、燃料電池セル100Sの発電面積、電流センサー140、142の電流検出面積等に応じて適宜調整設定される。
ステップS100で肯定判定した場合には、燃料電池セル100Sは発電不良を起こさず正常に運転していると判断できるので、発電不良診断は不要だとして、何らの処理を行うことなく本ルーチンを終了する。その一方、ステップS100で否定判定した場合には、セル電圧が初期許容値ΔV0を超えて変動している。セル電圧の変動は何らかの発電不良に起因することから、燃料電池セル100Sは、正常運転から逸脱して発電不良を起こしていると推認される。よって、ステップS100の否定判定に続いては、その発電不良の有無、並びに発電不良の内容を診断すべく、ステップS105以降の処理に進む。
ステップS105では、所望の定電流を出力中の燃料電池セル100Sのセル電圧の変動幅が第1許容値ΔV1以下か否かを判定する。この第1許容値ΔV1は、次のようにして定めた。燃料電池の発電不良は、電解質膜112の湿潤程度(乾燥或いは湿潤過多)に起因する不良と、供給されるガスに起因する不良とに大別される。供給ガス量の不足や過多の供給量不良は、発電反応に供される水素・空気の量そのものを左右することから、セル電圧に大きな変動を起こす。よって、ステップS105の判定に用いる第1許容値ΔV1は、各燃料電池セル100Sが正常運転から逸脱していると推認される場合(ステップS100の否定判定)に、その発電不良が電解質膜の湿潤程度によるものかガス供給によるものなのかを区別するために用いられる。つまり、この第1許容値ΔV1は、各燃料電池セル100Sが電解質膜の湿潤程度による発電不良を起こしている場合に観測されるセル電圧変動の限度を定めるものであり、本実施例では、この第1許容値ΔV1を、定電流出力時における正常なセル電圧の10%程度とした。この場合、こうした第1許容値ΔV1にあっても、初期許容値ΔV0と同様、燃料電池セル100Sの発電面積、電流センサー140、142の電流検出面積等に応じて適宜調整設定される。
ステップS105で肯定判定した場合は、電解質膜の湿潤程度による発電不良の可能性があることから、これを診断すべく、図1のガス入口122inの側の電流の増減推移とセル電圧の増減推移との対比(ステップS110)、とガス出口122outの側の電流の増減推移とセル電圧の増減推移との対比(ステップS120)とを続けて行う。こうした対比は、次の理由から行う。
図1に示すガスの流れでエアーおよび水素ガスを供給する本実施例では、燃料電池セル100Sにおいて、既述したようにガス入口122inとガス出口122out、およびガス入口132inとガス出口132outで電解質膜112の湿潤の程度が相違し、いずれもガス入口側がガス出口側よりも乾燥する。こうした状況下で、ドライアップ或いはフラッディングという現象が起きると、ドライアップでは、ガス入口側の乾燥が進み、フラッディングでは、ガス出口側の湿潤が進む。このため、ガス入口・出口ではセル電流の増減推移が異なって観察される。その上で、ドライアップ或いはフラッディングによる発電不良に伴ってセル電圧も増減推移する。よって、セル電圧の増減推移とガス入口・出口のセル電流の増減推移との相関関係をドライアップ或いはフラッディングによる発電不良に対応付けて把握することで、ステップS105での肯定判定に続くステップS110〜165にて、電解質膜の湿潤程度による発電不良の診断を行うのである。
本実施例では、一定電流の出力を維持しているモデル的な燃料電池セル100Sを用い、実験的にセル電圧の増減推移とガス入口・出口のセル電流の増減推移との相関関係を発電不良(ドライアップ或いはフラッディング)に対応付けた。つまり、上記したモデル的な燃料電池セル100Sへのガス供給に際して、エアー加湿供給源102或いは電流センサー140の加湿状況を調整してドライアップおよびフラッディングを発現させ、セル電圧の増減推移とガス入口・出口のセル電流の増減推移との相関関係の把握と、この相関関係と発電不良(ドライアップ或いはフラッディング)との対応付けを実験的に行った。図4は、この実験結果から得られたガス入口・出口でのセル電圧・セル電流の相関関係と、発現させた発電不良(ドライアップおよびフラッディング)との関係を示している。
この図4に示すように、燃料電池セル100Sにドライアップが起きていると、既述したようにガス入口122inでの乾燥の顕在化が起きる。これにより、ガス入口122inでは、セル電圧の増減推移とセル電流の増減推移は一致すると共に、僅かなセル電流増でセル電圧が増え、電流・電圧の推移幅は狭い。その一方、ガス出口122outでは、セル電圧の増減推移とセル電流の増減推移は反対となって、セル電流増に伴うセル電圧低減は緩慢となり、電流の推移幅は広く電圧の推移幅は狭い。
ドライアップとフラッディングは、電解質膜112の湿潤から見れば相反する現象であることから、燃料電池セル100Sにフラッディングが起きていると次のようになる。つまり、ガス出口122outでの湿潤の顕在化により、ガス入口122inでは、セル電圧の増減推移とセル電流の増減推移は反対となり、セル電流増に伴うセル電圧低減は緩慢で、電流の推移幅は広く電圧の推移幅は狭い。その一方、ガス出口122outでは、セル電圧の増減推移とセル電流の増減推移は一致すると共に、僅かなセル電流増でセル電圧が増え、電流・電圧の推移幅は狭い。
ドライアップとフラッディング以外の発電不良である水素供給不良と酸素供給不良についても、実験的にガス入口・出口でのセル電圧・セル電流の相関関係と、発現させた発電不良(水素供給不良および酸素供給不良)との対応付けを行った。この対応付けに際しては、一定電流の出力を維持しているモデル的な燃料電池セル100Sに対して、エアー加湿供給源102或いは水素ガス加湿供給源104からのガス供給を加湿程度一定のまま低減させて実験した。その結果は、図4に示すように、燃料電池セル100Sに水素供給不良(水素不足)が起き始めると、ガス入口122inでは、セル電圧の増減推移とセル電流の増減推移は一致すると共に、セル電流増に対してセル電圧は緩慢に増大し、電流の推移幅は広く電圧の推移幅は狭い。その一方、ガス出口122outでは、セル電圧の増減推移とセル電流の増減推移は反対となって、セル電流増に伴うセル電圧低減は緩慢となり、電流・電圧の推移幅は狭い。
燃料電池セル100Sで酸素供給不良(酸素不足)が起き始めると、ガス入口122inでは、セル電圧の増減推移とセル電流の増減推移は反対となって、セル電流増に伴うセル電圧低減は緩慢となり、電流・電圧の推移幅は狭い。その一方、ガス出口122outでは、セル電圧の増減推移とセル電流の増減推移は一致すると共に、セル電流増に対してセル電圧は緩慢に増大し、電流の推移幅は広く電圧の推移幅は狭い。なお、水素供給過多は酸素不足として把握され、酸素供給過多は水素不足として把握されるので、上記したように水素不足・酸素不足について対応付ければ足りる。
本実施例では、図4に示したガス入口・出口でのセル電圧・セル電流の相関関係と発電不良との対応付けを経て、ステップS105の肯定判定に続くステップS110では、ガス入口122inの電流増減推移の様子がセル電圧の増減推移の様子と同じか否かを判定し、肯定判定すれば、図4の対応付けによりドライアップの可能性がある。よって、ステップS110の肯定判定に続くステップ120において、ガス出口122outの電流増減推移の様子がセル電圧の増減推移の様子と反対であるか否かを判定する。ここで肯定判定すれば、図4の対応付けからドライアップが起きていると診断し(ステップS130)、本ルーチンを終了する。ステップS130で否定判定した場合は、ガス出口122outでの電流増減推移の様子とセル電圧の増減推移の様子が図4に示すドライアップの相関関係と異なることから、ドライアップはないと診断し(ステップS140)、本ルーチンを終了する。なお、制御装置200は、ステップS130でのドライアップ診断を受けて、ドライアップを解消すべくエアー加湿供給源102或いは水素ガス加湿供給源104での加湿量調整(増大調整)を行う。
その一方、ステップS110で否定判定した場合には、ガス入口122inでは図4に示したフラッディングの際の電流増減推移の様子とセル電圧の増減推移の様子に一致することから、フラッディングの可能性がある。よって、ステップS110の否定判定に続くステップ150において、ガス出口122outの電流増減推移の様子がセル電圧の増減推移の様子と同じであるか否かを判定する。ここで肯定判定すれば、図4の対応付けからフラッディングが起きていると診断し(ステップS160)、本ルーチンを終了する。ステップS150で否定判定した場合は、ガス出口122outでの電流増減推移の様子とセル電圧の増減推移の様子が図4に示すフラッディングの相関関係と異なることから、フラッディングはないと診断し(ステップS155)、本ルーチンを終了する。なお、制御装置200は、ステップS160でのドフラッディング診断を受けて、フラッディングを解消すべくエアー加湿供給源102或いは水素ガス加湿供給源104での加湿量調整(低減調整)を行う。
また、ステップS105で否定判定した場合は、電解質膜の湿潤程度以外の発電不良(ガス供給不良)の可能性があることから、これを診断すべく、ステップS170に移行する。このステップS170以降では、水素或いは酸素の供給不良(供給不足)の診断がなされ、ステップS170では、ガス入口122inのセル電流の電流密度変化が第2許容値ΔA1以上か否かを判定する。この第2許容値ΔA1は、次のようにして定めた。燃料電池のアノードへの水素の供給不足が起きると、発電反応に供される水素が少なくなるので、当然に発電電力が低下し、電流も低下する。よって、ステップS170の判定に用いる第2許容値ΔA1は、各燃料電池セル100Sにおける水素不足が顕著となってセル電圧・セル電流の変化が無視できない限度として定められ、本実施例では、この第2許容値ΔA1を、定電流出力時における正常なセル電流密度の20%程度とした。
この場合、第2許容値ΔA1にあっても、初期許容値ΔV0と同様、燃料電池セル100Sの発電面積、電流センサー140、142の電流検出面積等に応じて適宜調整設定される。ステップS170では、セル電流の電流密度変化について着目したので次の利点がある。水素供給が不足した場合、水素不足は発電領域の全域において起きるわけではなく、発電領域において局所的に点在、或いは偏在して起きる。このため、電流密度変化について着目することで、水素不足に基づく出力低下の影響を局所的に捉えることができ、後述の診断精度の実効性を高めることができる。なお、電流密度変化ではなく、電流変化でステップS170での判断を行うこともできる。
ステップS170で肯定判定した場合は、水素供給不良(水素不足)による発電不良の可能性があることから、これを図4の対応に照らして診断すべく、ガス出口122outのセル電流の電流密度変化が第3許容値ΔA2以下か否かを判定する(ステップS180)。この第3許容値ΔA2は、既述した第2許容値ΔA1より小さい値(ΔA2>ΔA1)であり、図4に示すように水素供給不良(水素不足)ではガス出口122outの側での電流(電流密度)の推移幅は狭いことに対応して定めた。本実施例では、この第3許容値ΔA2を、定電流出力時における正常なセル電流密度の15%程度とした。
この場合、第3許容値ΔA2にあっても、初期許容値ΔV0と同様、燃料電池セル100Sの発電面積、電流センサー140、142の電流検出面積等に応じて適宜調整設定される。なお、既述したように、このステップS180においてもセル電流の電流密度変化について着目した。
ステップS170の肯定判定に続くステップ180において肯定判定すれば、図4の対応付けから水素供給不良が起きていると診断し(ステップS190)、本ルーチンを終了する。ステップS180で否定判定した場合は、水素供給不良はないと診断し(ステップS200)、本ルーチンを終了する。なお、制御装置200は、ステップS190での水素供給不良の診断を受けて、その供給不良を解消すべく水素ガス加湿供給源104での供給量調整(増大調整)を行う。エアー加湿供給源102と水素ガス加湿供給源104の両者を制御して、相対的に水素不足が解消されるよう供給量を調整することもできる。
その一方、ステップS170で否定判定した場合には、酸素供給不良(酸素不足)による発電不良の可能性があることから、これを図4の対応に照らして診断すべく、ガス出口122outのセル電流の電流密度変化が既述した第3許容値ΔA2以上か否かを判定する(ステップS210)。ステップS170の否定判定に続くステップ210において肯定判定すれば、図4の対応付けから酸素供給不良が起きていると診断し(ステップS220)、本ルーチンを終了する。ステップS210で否定判定した場合は、酸素供給不良はないと診断し(ステップS200)、本ルーチンを終了する。なお、制御装置200は、ステップS220での酸素供給不良の診断を受けて、その供給不良を解消すべくエアー加湿供給源102での供給量調整(増大調整)を行う。エアー加湿供給源102と水素ガス加湿供給源104の両者を制御して、相対的に酸素不足が解消されるよう供給量を調整することもできる。
以上説明したように、本実施例の燃料電池システム10では、図4に示すように、燃料電池セル100Sの発電不良が起きた場合のセル電圧の増減推移状況とガス入口・出口側のそれぞれのセル電流の増減推移状況との相関関係を把握し、この相関関係を、燃料電池セル100Sの発電不良をもたらすドライアップ、フラッディング、水素供給不良および酸素供給不良と予め対応付ける。その一方、現状のセル電圧とガス入口・出口側のそれぞれの現状のセル電流とを、セル電圧センサー150と、カソードセパレーター122のガス入口122inとガス出口122outに設けた電流センサー140、142にて測定することで、現状のセル電圧増減推移状況とセル電流増減推移状況とから現状の相関関係を取得する。そして、本実施例の燃料電池システム10は、この現状の相関関係を発電不良ごとの図4の対応関係に照らして発電不良有無を診断するので、測定電流値での診断或いは測定電流値から求めた抵抗値での診断に比して、高い信頼性で発電不良診断を行うことができる。しかも、測定したセル電流からの抵抗値演算が不要であると共に、診断に当たってエアー加湿供給源102や水素ガス加湿供給源104でのガス供給状況を考慮する必要がないので、簡便である。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこのような実施の形態になんら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々なる態様での実施が可能である。例えば、本実施例では、カソードでのエアーの流れを下から上とし、アノードでの水素ガスの流れを上から下としたが、これに限られるわけではなく、この逆向き、或いは図1の紙面に対して手前から奥側にエアーを流すようにすることもできる。このようにした場合には、ガス入口122inでのセル電流推移やガス出口122outでのセル電流推移は、エアーの流れを下から上とした燃料電池セル100Sでの入口・出口での電流推移と相違することも有り得る。しかしながら、図4の対応関係を、エアーを図1の紙面に対して手前から奥側に流すようにした燃料電池セル100Sを用いて実験的に構築することで対処できる。ガスの入口・出口の形状やサイズ等の緒言、セパレーターにおけるガス流路軌跡等が異なる燃料電池セル100Sであっても、その燃料電池セル100Sを用いた実験による図4の対応関係構築により、対処できる。
また、上記の実施例では、図2のステップS130〜140、ステップS160〜165にて処理を終了するようにしたが、これらステップでの処理実行後に、ステップS170に移行するようにすることもできる。こうすれば、次の利点がある。ドライアップとフラッディングは相反する現象であるため、ドライアップ診断後にフラッディング診断を行う必要はないものの、湿潤不良による発電不良或いはガス供給不良による発電不良の発現当初では、ドライアップとガス供給不良の併存、フラッディングとガス供給不良の併存が有り得る。よって、上記したようにステップS130〜140、ステップS160〜165に続いてステップS170に移行すれば、ドライアップとガス供給不良の併存診断、或いはフラッディングとガス供給不良の併存診断が可能となる。
10…燃料電池システム
100…燃料電池
100S…燃料電池セル
102…エアー加湿供給源
104…水素ガス加湿供給源
110…膜電極接合体
112…電解質膜
114…カソード触媒層
116…アノード触媒層
120…カソード側ガス拡散部材
122…カソードセパレーター
122a…ガス流路
122in…ガス入口
122out…ガス出口
130…アノード側ガス拡散部材
132…アノードセパレーター
132a…ガス流路
132in…ガス入口
132out…ガス出口
140、142…電流センサー
150…セル電圧センサー
200…制御装置

Claims (1)

  1. 電解質膜を挟んでアノードとカソードとを対向させた発電単位の単セルを有し、該単セルのアノードとカソードへの燃料ガスと酸素含有ガスの供給を受けて発電する燃料電池を備えたシステムであって、
    前記単セルにおける前記アノードと前記カソードとの間の電圧であるセル電圧を測定するセル電圧測定手段と、
    前記単セルにおける前記カソードのガス出口側の電流であるセル電流を測定するセル電流測定手段と、
    前記セル電圧の推移状況と前記セル電流の推移状況との相関関係を前記単セルで発現する発電不良に予め対応付け、前記測定した前記セル電圧の推移状況と前記測定した前記セル電流の推移状況との相関関係に基づいて前記発電不良の有無を診断する不良診断手段とを備える
    燃料電池システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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