JP2007294183A - 燃料電池の製造方法 - Google Patents

燃料電池の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007294183A
JP2007294183A JP2006119218A JP2006119218A JP2007294183A JP 2007294183 A JP2007294183 A JP 2007294183A JP 2006119218 A JP2006119218 A JP 2006119218A JP 2006119218 A JP2006119218 A JP 2006119218A JP 2007294183 A JP2007294183 A JP 2007294183A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrolyte membrane
catalyst layer
catalyst
fuel cell
covering member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006119218A
Other languages
English (en)
Inventor
Akito Kawakado
明人 川角
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2006119218A priority Critical patent/JP2007294183A/ja
Publication of JP2007294183A publication Critical patent/JP2007294183A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Fuel Cell (AREA)
  • Inert Electrodes (AREA)

Abstract

【課題】生産性を向上させることが可能な、燃料電池の製造方法を提供する。
【解決手段】電解質膜1と当該電解質膜1の両面側に形成される触媒層と、を備える、燃料電池の製造方法であって、溶媒と上記触媒層に備えられるべき触媒とを含む組成物3を作製する、組成物作製工程と、溶媒が透過可能であるとともに触媒の透過を防止可能な被覆部材2を、電解質膜1の非触媒層形成部位に配置する、被覆部材配置工程と、該被覆部材配置工程後に、被覆部材2が配置された電解質膜1に組成物3を塗布し乾燥させて触媒層4を形成する、触媒層形成工程と、を備える、燃料電池の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池の製造方法に関し、特に、生産性を向上させることが可能な、燃料電池の製造方法に関する。
燃料電池は、電解質層(以下、「電解質膜」という。)と、電解質膜の両側にそれぞれ配置される電極(アノード及びカソード)とを備える膜電極接合体(以下、「MEA(Membrane Electrode Assembly)」という。)における電気化学反応により発生した電気エネルギーを、MEAの両側にそれぞれ配設される集電体を介して外部に取り出している。燃料電池の中でも、家庭用コージェネレーション・システムや自動車等に使用される固体高分子型燃料電池(以下、「PEFC(Polymer Electrolyte Fuel Cell)」という。)は、低温領域での運転が可能である。また、PEFCは、高いエネルギー変換効率を示し、起動時間が短く、かつシステムが小型軽量であることから、電気自動車や携帯用電源の最適な動力源として注目されている。
PEFCの単セルは、電解質膜と、少なくとも触媒層を備えるアノード及びカソードと、を含み、その理論起電力は1.23Vである。PEFCでは、アノードに水素含有ガスが、カソードに酸素含有ガスが、それぞれ供給される。アノードへと供給された水素は、アノードの触媒層(以下、アノード触媒層という。)に含まれる触媒上でプロトンと電子に分離し、水素から生じたプロトンは、アノード触媒層及び電解質膜を通ってカソードの触媒層(以下、カソード触媒層という。)へと達する。一方、電子は、外部回路を通ってカソード触媒層へと達し、かかる過程を経ることにより、電気エネルギーを取り出すことが可能になる。そして、カソード触媒層へと達したプロトン及び電子と、カソード触媒層へと供給される酸素とが反応することにより、水が生成される。
すなわち、電気エネルギーを取り出すためには、アノード触媒層、電解質膜、及び、カソード触媒層をプロトンが伝導可能であることが必要とされる。かかる観点から、電解質膜、アノード触媒層、及び、カソード触媒層には、プロトンの通り道となり得るイオン交換基を具備する電解質成分が備えられる。そして、アノード触媒層及びカソード触媒層には、当該電解質成分に加え、さらに、電気化学反応の触媒として機能する金属粒子(例えば、Pt等)が備えられている。
上記特徴を有するPEFCの製造方法を以下に概説する。例えば、溶解した電解質成分に触媒を分散させる等の方法により作製されるインク状物質(以下、「触媒インク」という。)を、電解質膜の一方の面に塗布し乾燥させることにより触媒層を形成した後、該電解質膜の他方の面に上記触媒インクを塗布し乾燥させる等の工程を経て、MEAが作製される。このようにしてMEAを作製したら、当該MEAを、例えば、カーボンペーパー等からなる一対の拡散層の間に配置して圧着させることにより積層体を作製し、当該積層体を一対のセパレータで狭持する等の工程を経ることにより、PEFCが製造される。
このようなPEFCの製造方法に関する技術として、例えば、特許文献1には、触媒粒子を分散させたインクを高分子電解質膜上または多孔質導電性電極基材上に微粒子化して吹き付けることにより多孔質触媒層を形成する工程を有する高分子電解質型燃料電池用電極の製造法に関する技術が開示されている。そして、かかる技術によれば、高分子電解質あるいは多孔質導電性電極基材にインクが付着する前にインク中の溶剤の大部分が蒸発しやすいので、高分子電解質あるいは多孔質導電性電極基材上でインクの微粒子が広がりにくく、触媒粒子が堆積するように付着して多孔質触媒層が形成され、ガス拡散性の高い電極を得ることができる。また、溶剤の大部分が蒸発するため、高分子電解質膜を膨潤させることがなく、高分子電解質膜と触媒層との接合性が強くなる、としている。
特開2001−68119号公報
しかし、特許文献1に開示された技術によっても、高分子電解質膜の膨潤を防ぐのは困難であるという問題があった。また、触媒粒子を分散させたインクを吹き付ける際には、通常、電解質膜の非触媒層形成部位に、溶剤をほとんど透過させない被覆部材が配置される。それゆえ、被覆部材が配置される箇所であるか否かによって、電解質膜内で溶媒量の偏りが生じやすい。このように、電解質膜内で溶媒量の偏りが発生すると、電解質膜の膨潤・収縮の度合いに差が生じ、被覆部材が配置されていた箇所に皺が発生しやすいという問題があった。ここで、皺が生じている電解質膜を燃料電池に組み込むと、発電効率が低下する。それゆえ、インクを吹き付ける上記工程後の電解質膜に皺が発生すると、当該皺を伸ばすための工程が必要とされ、これによって、燃料電池の生産性が低下しやすいという問題があった。
そこで本発明は、生産性を向上させることが可能な、燃料電池の製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段をとる。すなわち、
請求項1に記載の本発明は、電解質膜と当該電解質膜の両面側に形成される触媒層と、を備える、燃料電池の製造方法であって、溶媒と上記触媒層に備えられるべき触媒とを含む組成物を作製する、組成物作製工程と、溶媒が透過可能であるとともに触媒の透過を防止可能な被覆部材を、電解質膜の非触媒層形成部位に配置する、被覆部材配置工程と、該被覆部材配置工程後に、被覆部材が配置された電解質膜に組成物を塗布し乾燥させて触媒層を形成する、触媒層形成工程と、を備えることを特徴とする、燃料電池の製造方法により、上記課題を解決する。
ここに、本発明で用いられる電解質膜は、PEFCで用いられるプロトン伝導性能を有する高分子膜であれば特に限定されない。電解質膜の具体例としては、パーフルオロスルホン酸系のポリマーや炭化水素系のポリマー等を挙げることができる。さらに、「溶媒」とは、触媒層に備えられる電解質成分を溶解させて当該電解質成分中に触媒を分散させやすくする等の目的で使用される溶媒を意味し、その具体例としては、水とメタノールと2−プロパノールとの混合液や、エタノール、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド(DMAC)、ホルムアミド等を挙げることができる。
加えて、「触媒」とは、燃料電池の作動時に、MEAの内部における電気化学反応の触媒として機能するものを意味し、その具体例としては、Ptのほか、Co、Ru、Ir、Au、Ag、Cu、Ni、Fe、Cr、Mn、V、Ti、Mo、Pd、Rh、Wからなる群より選択される1以上の金属とPtとを備えるPt合金等を挙げることができる。
さらにまた、「組成物」とは、いわゆる触媒インクを意味している。さらに、「電解質膜の非触媒層形成部位」とは、ガスシール性確保等の観点から燃料電池に備えられるシール部材等を配置可能な、触媒層が形成されない部位(非発電領域)を意味し、具体的には、電解質膜の外縁部等を例示することができる。
加えて、本発明に係る被覆部材は、溶媒を電解質膜側へ透過可能であるとともに、組成物に備えられる触媒の透過を防止可能な、多数の細孔を備えるものであれば、特に限定されない。本発明に係る被覆部材の具体例としては、触媒層形成用の開口部を有する、フッ素樹脂(例えば、ポリテトラフルオロエチレン)製の枠型部材や、セルロース製枠型部材等を挙げることができ、ポリテトラフルオロエチレン製の枠型部材の具体例としては、テフロン濾紙製の枠型部材(「テフロン」は米国デュポン社の登録商標。以下同じ。)等を挙げることができる。また、本発明において、当該被覆部材に備えられる細孔の径(以下、「細孔径」という。)は、組成物の触媒が、導電性を有する担体(例えば、カーボンブラック等)に担持された形態で存在する場合には、触媒が担持された担体の透過を防止し得る径とし、触媒が担体に担持されない形態(例えば、白金黒粒子等の形態)で存在する場合には、当該触媒の透過を防止し得る径とする。被覆部材の細孔径としては、1μm以下等を例示することができる。
さらに、本発明で使用可能な組成物の塗布法は、被覆部材が配置された電解質膜に適用可能なものであれば特に限定されない。塗布法の具体例としては、スプレー塗布法、スピン塗布法、ドクターブレード法等を挙げることができる。なお、本発明に係る燃料電池の製造方法は、組成物作製工程と、被覆部材配置工程と、触媒層形成工程と、が備えられ、燃料電池を製造可能であれば、他の工程は特に限定されない。当該他の工程の具体例としては、燃料電池に拡散層が備えられる場合には、電解質膜の両面側へ触媒層を形成してMEAを作製した後に、該MEAを一対の拡散層の間に配設して積層体を作製する積層体作製工程や、該積層体作製工程後に上記積層体の両面側へセパレータを配設するセパレータ配設工程等、を挙げることができる。
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の燃料電池の製造方法において、被覆部材の構成材料が、ポリテトラフルオロエチレンであることを特徴とする。
請求項3に記載の本発明は、請求項1又は2に記載の燃料電池の製造方法の、触媒層形成工程において、組成物をスプレー塗布法で塗布し、乾燥させることにより、触媒層が形成されることを特徴とする。
請求項1に記載の本発明によれば、電解質膜の非触媒層形成部位に、溶媒を透過可能な被覆部材が配置される。そのため、電解質膜の全面に均一に溶媒を浸透させることができるので、電解質膜内における溶媒量の偏りに起因する皺の発生を防止できる。したがって、本発明によれば、皺を伸ばす工程を省略することができるので、生産性を向上させることが可能な、燃料電池の製造方法を提供できる。さらに、本発明によれば、電解質膜の皺の存在による発電効率の低下を防止できる。
請求項2に記載の本発明によれば、被覆部材が、ポリテトラフルオロエチレンにより構成されるため、電解質膜の全面に溶媒を均一に浸透させることができる。請求項3に記載の本発明によれば、被覆部材が配置された電解質膜へスプレー塗布法により触媒層が形成されるので、生産性を容易に向上させることが可能になる。
PEFCの作動時には、アノードに水素含有ガスが、カソードに酸素含有ガスが、それぞれ供給され、単セル内で水が生成される。PEFCでは、これらの物質が外部へ漏洩することを防止するため、単セルにシール部材が備えられ、多くの場合、電解質膜の外縁部(非触媒層形成部位。電解質膜の中央部に形成される触媒層の周囲の少なくとも一部。)にシール部材が配置される。ここで、当該外縁部を含む電解質膜の全面に触媒層を形成させると、シール部材が触媒層に配設され、ガスシール性等が低下しやすい。それゆえ、電解質膜上に触媒層が形成されない箇所を確保するため、電解質膜の外縁部に被覆部材が配置され、電解質膜の外縁部以外の部位(電解質膜の中央部)に触媒層が形成されている。
スプレー塗布法等により電解質膜上に触媒インクを塗布し乾燥させて触媒層を形成させる場合、従来の被覆部材は、触媒のみならず、触媒インクに含まれる溶媒をも透過させない材料(例えば、金属)により構成されていたため、被覆部材によって被覆されていない電解質膜の箇所に多くの溶媒が浸透し、電解質膜内に溶媒量の偏りが生じていた。このようにして溶媒量の偏りが生じると、溶媒が多く浸透した箇所ほど膨潤し、その後の乾燥時には、当該箇所ほど収縮するため、電解質膜の外縁部に皺が発生するという問題があった。電解質膜に皺が発生すると、当該皺を伸ばす工程が必要とされるため、燃料電池の生産性が低下しやすい。電解質膜の皺は、電解質膜内に発生する、溶媒量の偏りに起因すると考えられるため、かかる溶媒量の偏りの発生を防止できれば、皺の発生も防止することが可能になる。
本発明はかかる観点からなされたものであり、その要旨は、溶媒を透過可能であるとともに触媒の透過を防止可能な被覆部材を電解質膜上に配置して触媒層を形成することで、電解質膜の皺の発生を防止し、生産性を向上させ得る燃料電池の製造方法を提供することにある。
本発明の理解を容易にするため、まず、従来の燃料電池の製造方法(以下、「従来の製造方法」という。)について概説する。従来の製造方法に関する説明において、触媒インクが塗布される前の電解質膜を電解質膜41、触媒インクを塗布して溶媒が浸透している電解質膜を41xと表記し、溶媒を揮発させた後の電解質膜を電解質膜41yと表記する。
図4は、従来の製造方法の形態例を概略的に示す断面図である。図4において、電解質膜41へ浸透する溶媒を、直線矢印で示す。
図4に示すように、従来の製造方法では、電解質膜41の上に、被覆部材42が配置され、当該被覆部材42の上方から、触媒インク3がスプレー塗布される。ここで、被覆部材42は、触媒インク3に含まれる触媒及び溶媒を透過させない材料(例えば、金属等)により構成されている。かかる材料により構成される被覆部材42が配置された電解質膜41に、触媒インク3を塗布して触媒層44を形成すると、被覆部材42が配置されていない電解質膜部位41aに溶媒が浸透する一方、触媒インク3の溶媒は被覆部材42を透過できないので、被覆部材42が配置される電解質部位41b、41bには、溶媒がほとんど浸透しない。それゆえ、電解質膜41x内には、溶媒量の偏りが発生する。かかる形態の電解質膜41xを乾燥させると、電解質膜部位41aから多くの溶媒が揮発し、電解質膜部位41b、41bに対して電解質膜41aが収縮する。その結果、乾燥後の電解質膜41yでは、電解質膜部位41b、41bに皺が発生する。
以下、図面を参照しつつ、本発明の燃料電池の製造方法(以下、「本発明の製造方法」という。)について具体的に説明する。
図1は、本発明の製造方法の形態例を概略的に示す断面図である。図1において、電解質膜1へ浸透する溶媒を、直線矢印で示す。
図1に示すように、本発明の製造方法では、電解質膜1の上に、被覆部材2が配置され、当該被覆部材2の上方から、触媒インク3がスプレー塗布される。ここで、被覆部材2は、触媒インク3に含まれる溶媒を透過可能であるとともに、当該触媒インク3に含まれる触媒の透過を防止可能な材料(例えば、テフロン濾紙等)により構成されている。かかる材料により構成される被覆部材2が配置された電解質膜1に触媒インク3を塗布して触媒層4を形成すれば、被覆部材2が配置されていない電解質膜部位1aのみならず、被覆部材2が配置されている電解質膜部位1b、1bにも溶媒を浸透させることができるので、触媒インク3に含まれる溶媒を、電解質膜1へ均一に浸透させることが可能になる。それゆえ、電解質膜1へ触媒インク3を塗布した後に、触媒インクが塗布された電解質膜を乾燥させても、被覆部材2が配置されていた電解質膜部位1b、1bにおける皺の発生を防止できる。このようにして、皺の発生が防止されれば、当該皺を伸ばすための工程が不要になるので、燃料電池の生産性を向上させることが可能になる。
図2は、本発明の製造方法の形態例を概略的に示すフローチャートである。以下、図1で使用した符号を適宜用いつつ、説明する。図2に示すように、本発明の製造方法では、例えば、パーフルオロスルホン酸系のポリマー(Nafion等。Nafionは米国デュポン社の登録商標。以下、単に「Nafion」と記すことがある。)等の電解質成分(以下、「電解質樹脂」ということがある。)を溶解させるため、水とメタノールと2−プロパノールとの混合液を入れた容器に電解質樹脂を入れ、溶解させる。そして、当該容器に、白金担持カーボン等を加えて混錬することにより、組成物(触媒インク3)を作製する(組成物作製工程S1)。その後、Nafion等の電解質膜1の上に、テフロン濾紙等からなり、触媒層形成範囲を特定可能な開口部を有する被覆部材2を配置し(被覆部材配置工程S2)、被覆部材2を配置された電解質膜1へ、被覆部材2の上方から触媒インク3をスプレー塗布し乾燥させることにより、触媒層4を形成する(触媒層形成工程S3)。当該触媒層形成工程S3により、電解質膜1の両面側に触媒層4、4を形成することによりMEAを作製したら、当該MEAを、カーボンペーパー等からなる一対の拡散層の間に配置し、熱圧着等により接合させることで、一対の拡散層の間に狭持されたMEAを備える積層体を作製する(積層体作製工程S4)。そして、工程S4により作製された積層体の両側へ、カーボンや金属等からなるセパレータを配設して(セパレータ配設工程S5)、単セルを作製する。本発明によれば、上記工程S1〜S3の後に、上記工程S4、S5等を経ることにより、燃料電池を製造することができる。燃料電池をこのように製造すれば、電解質膜への皺の発生を防止することができるので、触媒層形成工程S3の後に、電解質膜の皺を伸ばすための工程を経る必要がない。したがって、本発明によれば、生産性を向上させることが可能な、燃料電池の製造方法を提供できる。また、本発明によれば、電解質膜の皺の発生を防止できるので、皺を有する電解質膜が燃料電池に組み込まれる頻度を低減できる。したがって、皺の存在に起因する電解質膜の外周部分におけるシール性の低下を抑制でき、その結果、燃料電池の発電効率を向上させることが可能になる。
上記説明では、組成物作製工程S1後に、被覆部材2を電解質膜1の上へ配置する被覆部材配置工程S2が備えられる形態を例示したが、本発明の製造方法は、当該形態に限定されず、被覆部材配置工程の後に、組成物作製工程が備えられていても良い。また、上記説明では、電解質成分としてNafionを例示したが、本発明で使用され得る電解質成分はNafionに限定されるものではなく、フレミオン(「フレミオン」は旭硝子株式会社の登録商標)等のパーフルオロスルホン酸系ポリマーや、セレミオン(「セレミオン」は旭硝子株式会社の登録商標)等の炭化水素系のポリマー等を使用することができる。さらに、触媒白金が担体炭素に担持された白金担持カーボンが組成物に備えられる形態を例示したが、組成物に備えられる触媒の形態はこれに限定されず、例えば、Co、Ru、Ir、Au、Ag、Cu、Ni、Fe、Cr、Mn、V、Ti、Mo、Pd、Rh、Wからなる群より選択される1以上の金属とPtとを備えるPt合金が炭素に担持された形態や、白金黒粒子の形態で、溶解した電解質成分に分散されていても良い。
加えて、上記説明では、溶媒として、水とメタノールと2−プロパノールとの混合液を例示したが、電解質成分を溶解させる際に使用される溶媒は、これに限定されない。本発明で使用され得る溶媒としては、他に、エタノール、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド(DMAC)、ホルムアミド等を例示することができる。さらに、上記説明では、テフロン濾紙からなる被覆部材を例示したが、本発明で使用可能な被覆部材は、テフロン濾紙製のものに限定されない。被覆部材を構成する材料の他の具体例としては、セルロース等を挙げることができる。
テフロン濾紙製の被覆部材2を電解質膜1の上に配置し、被覆部材2の上方から触媒インク3をスプレー塗布し乾燥させることにより、電解質膜1に触媒層4を形成した(実施例)。これに対し、金属製の被覆部材42をNafion等からなる電解質膜41の上に配置し、金属製被覆部材の上方から触媒インク3をスプレー塗布し乾燥させることにより、電解質膜41に触媒層44を形成した(比較例)。実施例及び比較例の結果を、図3に示す。
図3に示すように、本発明の製造方法を適用して触媒層4が形成された、実施例に係る電解質膜1には、皺がほとんど発生しなかった。これに対し、従来の製造方法を適用して触媒層44が形成された、比較例に係る電解質膜41yには、皺が発生した。したがって、本発明により、電解質膜への皺の発生を防止できることが確認された。
本発明の製造方法の形態例を概略的に示す断面図である。 本発明の製造方法の形態例を概略的に示すフローチャートである。 本発明の製造方法及び従来の製造方法の適用結果を示す図である。 従来の製造方法の形態例を概略的に示す断面図である。
符号の説明
1 電解質膜
2 被覆部材
3 触媒インク(組成物)
4 触媒層

Claims (3)

  1. 電解質膜と該電解質膜の両面側に形成される触媒層と、を備える、燃料電池の製造方法であって、
    溶媒と前記触媒層に備えられるべき触媒とを含む組成物を作製する、組成物作製工程と、
    前記溶媒が透過可能であるとともに前記触媒の透過を防止可能な被覆部材を、前記電解質膜の非触媒層形成部位に配置する、被覆部材配置工程と、
    前記被覆部材配置工程後に、前記被覆部材が配置された前記電解質膜に前記組成物を塗布し乾燥させて前記触媒層を形成する、触媒層形成工程と、
    を備えることを特徴とする、燃料電池の製造方法。
  2. 前記被覆部材の構成材料が、ポリテトラフルオロエチレンであることを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池の製造方法。
  3. 前記触媒層形成工程において、前記組成物をスプレー塗布法で塗布し乾燥させることにより、前記触媒層が形成されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の燃料電池の製造方法。
JP2006119218A 2006-04-24 2006-04-24 燃料電池の製造方法 Pending JP2007294183A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006119218A JP2007294183A (ja) 2006-04-24 2006-04-24 燃料電池の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006119218A JP2007294183A (ja) 2006-04-24 2006-04-24 燃料電池の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007294183A true JP2007294183A (ja) 2007-11-08

Family

ID=38764602

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006119218A Pending JP2007294183A (ja) 2006-04-24 2006-04-24 燃料電池の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007294183A (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002184415A (ja) * 2000-10-18 2002-06-28 General Motors Corp <Gm> 膜電極アセンブリを準備する方法
JP2006012525A (ja) * 2004-06-24 2006-01-12 Global Mach Kk 膜・電極接合体の製造方法および装置。

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002184415A (ja) * 2000-10-18 2002-06-28 General Motors Corp <Gm> 膜電極アセンブリを準備する方法
JP2006012525A (ja) * 2004-06-24 2006-01-12 Global Mach Kk 膜・電極接合体の製造方法および装置。

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5326189B2 (ja) 電解質膜−電極接合体およびその製造方法
US8021796B2 (en) Catalyst-coated ionomer membrane with protective film layer and membrane-electrode-assembly made thereof
JP4882314B2 (ja) 電解質膜−電極接合体およびその製造方法
JP4607708B2 (ja) 燃料電池用電極,燃料電池,燃料電池の製造方法
JP2009505364A (ja) 触媒被覆膜の製造方法
WO2007026797A1 (ja) 電解質膜-電極接合体
JP2006338938A (ja) 電解質膜−電極接合体およびその製造方法
JP2006338939A (ja) 電解質膜−電極接合体
JP2006338943A (ja) 電解質膜−電極接合体
JP2007095582A (ja) 膜電極接合体製造方法
JP2006019300A (ja) 燃料電池用電極,燃料電池,燃料電池用電極の製造方法
JP2008135295A (ja) 固体高分子形燃料電池用ガス拡散層要素、固体高分子形燃料電池およびその製造方法
JP2009199988A (ja) 直接メタノール型燃料電池用アノード電極及びそれを用いた直接メタノール型燃料電池
JP2009245797A (ja) 固体高分子型燃料電池用補強シート付き膜・電極接合体およびその製造方法
JP2007329072A (ja) 燃料電池用電極の製造方法
KR102110843B1 (ko) 방법
US8430985B2 (en) Microporous layer assembly and method of making the same
JP4852894B2 (ja) 電解質膜−電極接合体の製造方法
JP2008269847A (ja) 燃料電池触媒層用インク及びその製造方法、燃料電池用膜電極接合体
JP5326458B2 (ja) 膜電極接合体とその製造方法、および固体高分子形燃料電池
JP5645982B2 (ja) 固体高分子形燃料電池用ガス拡散層要素、固体高分子形燃料電池およびその製造方法
JP2006338941A (ja) 電解質膜−電極接合体
JP2007294183A (ja) 燃料電池の製造方法
WO2024048586A1 (ja) 水電解槽用膜電極接合体
JP5458774B2 (ja) 電解質膜−電極接合体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090402

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20101101

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111110

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111115

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120106

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20121002