JP5193539B2 - 可変磁束ドライブシステム - Google Patents

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Description

本発明は、可変磁石を有する可変磁束モータとこの可変磁束モータを駆動するインバータを備えた可変磁束ドライブシステムに関する。
従来の誘導電動機(IMモータ)に代わり、効率に優れ、小型化や低騒音化も期待できる永久磁石同期電動機(PMモータ)が普及し始めている。例えば、鉄道車両や電気自動車向けの駆動モータとしてPMモータが利用されるようになってきている。
IMモータは、磁束自体をステータからの励磁電流によって作り出すため、励磁電流を流すことによる損失が発生する技術的な問題点がある。
他方、PMモータは、ロータに永久磁石を備え、その磁束を利用してトルクを出力するモータであるので、このようなIMモータの抱える問題はない。しかしながら、PMモータは、その永久磁石のために回転数に応じた誘起電圧(逆起電圧)が発生する。鉄道車両や自動車など、回転範囲が広い応用分野では、最高回転数において生じる誘起電圧によって、PMモータを駆動制御するインバータが(過電圧によって)破壊しないことが条件となる。この条件を満たすためには、インバータの耐圧を十分に高いものとするか、あるいは逆に、モータに備える永久磁石の磁束を制限する必要がある。前者は、電源側への影響もあり、後者を選択することが多い。その場合の磁束量を、IMモータの磁束量(IMモータの場合には励磁電流によって作りだすギャップ磁束量)と比較すると、1:3程度になるケースもある。この場合、同一のトルクを発生させるためには、磁束量の小さいPMモータでは、大きな(トルク)電流を流す必要がある。したがって、低速域において、同一トルクを出力する電流をIMモータとPMモータとで比較した場合に、PMモータは、より大きな電流を流す必要がある。
このため、IMモータと比べて、PMモータを駆動するインバータの電流容量は増加する。さらに、一般に低速ではインバータ内のスイッチング素子のスイッチング周波数が高く、発生する損失は電流値に依存して増大することから、PMモータでは低速で大きな損失と発熱が生じることになる。
電車などは走行風によって冷却を期待することもあり、低速時に大きな損失が生じることになれば、冷却能力を向上させる必要性からインバータ装置が大型化してしまう。また逆に、誘起電圧が高い場合、弱め界磁制御を行うことになるが、そのときは、励磁電流を重畳することで効率が低下してしまう。
このようにPMモータは、磁石を内在するが故のメリットとデメリットがある。モータとしてはそのメリットの分が大きく、損失低減や小型化につながる面もあるが、一方では電車や電気自動車など可変速制御の場合には、従来のIMモータに比べて効率の悪い動作点も存在する。また、インバータにとっては電流容量が増大し、損失も増大することから、装置サイズが大きくなる。システムの効率自体は、モータ側が支配的であるため、PMモータの適用によって総合効率は改善するが、一方ではインバータのサイズが増加することがシステムのデメリットとなり、好ましくない。
特許文献1には、低出力運転、高出力運転の何れにおいても電動機及びインバータを高効率で運転し、システム効率を高める電気自動車駆動用交流電動機が記載されている。この電気自動車駆動用交流電動機は、界磁磁極に埋め込んだ永久磁石による磁束と、必要に応じて励磁コイルによる磁束とにより界磁磁束を作り、電動機出力に応じて、界磁磁束発生源を永久磁石のみと永久磁石及び励磁コイル双方とに切り替えるとともに、回転変圧器を介して励磁電流を供給する。
したがって、この電気自動車駆動用交流電動機は、電動機出力に応じて、例えば低出力時は永久磁石のみの運転にすることができるため、運転効率が向上する。また、電動機の低速域での電動機電圧を高くすることができるため、電流を低減でき、電動機巻線の銅損やインバータの発生損失を小さくしてシステム効率を向上させることができる。特に、低・中速域で運転されることの多い電気自動車にとってこの効果は大きく、電流利用効率の向上、一充電走行距離の延長が可能である。
さらに、この電気自動車駆動用交流電動機は、永久磁石を減磁させないため、インバータ制御が簡単になるとともに、異常過電圧が発生せず、機器の保護を図ることができる。また、回転変圧器は高周波動作させることにより小形化が可能であり、電動機ないしシステム全体の小形軽量化を図ることができる。
図12は、永久磁石リラクタンスモータドライブシステムの1例を示すブロック構成図である。このシステムは、平滑コンデンサ2、直流電源3、直流電力を交流電力に変換するインバータ4、このインバータ4の交流電力により駆動される永久磁石リラクタンスモータ1aで構成される。インバータ4は、直流電源3からの直流電力を交流電力に変換し、永久磁石リラクタンスモータ1aに供給する。
永久磁石リラクタンスモータ1aは、誘導電動機よりも高効率であり、また小型で高出力であるという利点を有する。さらに、広い範囲の可変速運転が可能であるため、永久磁石リラクタンスモータは、電気自動車やハイブリッド自動車によく用いられる。
特開平5−304752号公報
しかしながら、永久磁石リラクタンスモータは、回転数やトルクの条件によっては、効率にばらつきがある。したがって、電車や電気自動車、ハイブリッド自動車等に使用するに際し、永久磁石リラクタンスモータは、トルクと回転速度における面的な運転範囲内の全てにおいて最適な特性を発揮できるわけではなく、効率の悪い条件も存在する。
そこで、インバータによる電流によって磁石磁束を可変にすることが可能な可変磁束モータを用いた可変磁束ドライブシステムを利用することが考えられる。このシステムは、短時間の磁化電流により、運転条件に合わせて永久磁石の磁束量を変化させることができるため、従来の永久磁石リラクタンスモータに比べて効率の向上が期待できる。また、磁石が不要な際は磁束量を小さくすることで誘起電圧を極力抑制することも可能である。
ところが、可変磁束モータに磁化電流を流す際には、インバータに入力する直流電圧は、通常運転時よりも高い電圧が必要とされる。ただし、可変磁束モータの回転数が低速である場合には高い電圧を必要としない。したがって、エアコンのように一瞬回転数を落としても問題無い機器に使用する場合には、回転数を落として磁化すればよい。しかしながら、電車や電気自動車の動力源に可変磁束モータを使用している場合、磁化する度に回転数を落とすわけにはいかないため、問題となる。
また、最初から高い電圧の電圧源を用いたとしても、電圧源として二次電池を使用すると充放電時に電圧が変動するため、磁化に必要な電圧が常に保証されているわけではない。さらに、高い電圧を必要とするのは短時間の磁化時のみであるため、最初から高い電圧の電圧源を使用するのは効率的ではない。
本発明は上述した従来技術の問題点を解決するもので、永久磁石電動機に用いられる可変磁石の磁束を制御するために、磁化電流を流すのに必要な電圧を確保し、小型で高効率な可変磁束モータドライブシステムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る可変磁束モータドライブシステムは、低保持力の永久磁石である可変磁石を有する永久磁石電動機と、前記永久磁石電動機を駆動するインバータと、前記可変磁石の磁束を制御するための磁化電流を供給する磁化部と、磁化要求信号を出力する磁化要求生成部と、前記磁化要求信号の入力により、入力された直流電圧を所定の目標値まで昇圧して前記インバータに出力する昇圧部と、前記磁化要求信号を入力し且つ前記昇圧部による昇圧が完了した場合には前記磁化部に対して磁化電流の供給を開始させ、磁化電流の供給が完了した場合には前記昇圧部に対して昇圧を停止させる磁化モード管理部とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、永久磁石電動機に用いられる可変磁石の磁束を制御するために、磁化電流を流すのに必要な電圧を確保し、小型で高効率な可変磁束モータドライブシステムを提供することができる。
以下、本発明の可変磁束モータドライブシステムの実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施例1の可変磁束モータドライブシステムの主回路の構成を示すブロック図である。なお、図1および後述の各実施の形態を示す図において、図12における構成要素と同一ないし均等のものは、前記と同一符号を以て示し、重複した説明を省略する。図1を説明する前に、永久磁石同期電動機としての可変磁束モータについて説明する。
可変磁束モータ1のイメージを図2に示す。ステータ側は従来のモータと同様と考えてよい。ロータ51側には永久磁石として、磁性体の磁束密度が固定の固定磁石FMGと、磁性体の磁束密度が可変の可変磁石VMGとがある。従来のPMモータは、前者の固定磁石FMGのみであるのに対して、本可変磁束モータ1の特徴は、可変磁石VMGが備わっていることにある。
ここで固定磁石や可変磁石について、説明を加える。永久磁石とは、外部から電流などを流さない状態において磁化した状態を維持するものであって、いかなる条件においてもその磁束密度が厳密に変化しないというわけではない。従来のPMモータであっても、インバータなどにより過大な電流を流すことで減磁したり、あるいは逆に着磁したりする。よって、永久磁石とは、その磁束量が一定不変なものではなく、通常の定格運転中に近い状態ではインバータ等から供給される電流によって磁束密度が概ね変化しないもののことを指す。一方、前述の磁束密度が可変である永久磁石、つまり、可変磁石とは、上記のような運転条件においてもインバータ等で流し得る電流によって磁束密度が変化するものを指す。
このような可変磁石は、磁性体の材質や構造に依存して、ある程度の範囲で設計が可能である。例えば、最近のPMモータは、残留磁束密度Brの高いネオジム(NdFeB)磁石を用いることが多い。この磁石の場合、残留磁束密度Brが1.2T程度と高いため、大きなトルクを小さい装置サイズにて出力可能であり、モータの高出力小型化が求められるハイブリッド車HEVや電車には好適である。従来のPMモータの場合、通常の電流によって減磁しないことが要件であるが、このネオジム磁石(NdFeB)は約1000kA/mの非常に高い保持力Hcを有しているので、PMモータ用に最適な磁性体である。PMモータ用には、残留磁束密度が大きく、保磁力の大きい磁石が選定されるためである。
ここで、残留磁束密度が高く、保持力Hcの小さいアルニコAlNiCo(Hc=60〜120kA/m)やFeCrCo磁石(Hc=約60kA/m)といった磁性体を可変磁石とする。通常の電流量(インバータによって従来のPMモータを駆動する際に流す程度の電流量という意味)によって、ネオジム磁石の磁束密度(磁束量)はほぼ一定であり、アルニコAlNiCo磁石などの可変磁石の磁束密度(磁束量)は可変となる。厳密に言えば、ネオジム磁石は可逆領域で利用しているため、微小な範囲で磁束密度が変動するが、インバータ電流がなくなれば当初の値に戻る。他方、可変磁石は不可逆領域まで利用するため、インバータ電流がなくなっても当初の値にならない。
図2は、可変磁束モータ1を、簡単なイメージとしてモデル化したものである。同図において、可変磁石VMGであるアルニコ磁石の磁束量も、D軸方向の量が変動するだけで、Q軸方向はほぼ0である。
図3は、可変磁束モータ1の具体的な構成例を示している。回転子(ロータ)51は、回転子鉄心52中に、ネオジム磁石(NdFeB)などの高保磁力の永久磁石54とアルニコ磁石(AlNiCo)などの低保磁力の永久磁石53とを組み合わせて配置した構成である。可変磁石VMGである低保磁力永久磁石53は、回転子鉄心52の磁極部55の両側に、それぞれ隣接する磁極部55との境界域に径方向に配置してある。固定磁石FMGである高保磁力磁石54は、回転子鉄心52の磁極部55において径に直交する方向に配置してある。この構造により、可変磁石VMGである低保磁力永久磁石53はQ軸方向とその磁化方向が直交するため、Q軸電流の影響を受けず、D軸電流によって磁化される。
図4は、固定磁石と可変磁石のBH特性(磁束密度−磁化特性)を例示している。また、図5は、図4の第2象限のみを定量的に正しい関係にて示したものである。ネオジム磁石とアルニコ磁石の場合、それらの残留磁束密度Br1,Br2には有意差はないが、保磁力Hc1,Hc2については、ネオジム磁石(NdFeB)のHc2に対し、アルニコ磁石(AlNiCo)のHc1は1/15〜1/8、FeCrCo磁石のHc1は1/15になる。
従来のPMモータドライブシステムにおいて、インバータの出力電流による磁化領域は、ネオジム磁石(NdFeB)の保磁力より十分に小さく、その磁化特性の可逆範囲で利用されている。しかしながら、可変磁石は、保磁力が上述のように小さいため、インバータの出力電流の範囲において、不可逆領域(電流を0にしても、電流印加前の磁束密度Bに戻らない)での利用が可能で、磁束密度(磁束量)を可変にすることができる。
可変磁束モータ1の動特性の等価簡易モデルを、(1)式に示す。同モデルは、D軸を磁石磁束方向、Q軸をD軸に直行する方向として与えたDQ軸回転座標系上のモデルである。
Figure 0005193539
ここに、R1:巻線抵抗、Ld:D軸インダクタンス、Lq:Q軸インダクタンス、Φfix:固定磁石の磁束量、Φvar:可変磁石の磁束量、ω1:インバータ周波数である。
図1に示す可変磁束モータドライブシステムは、可変磁束モータ1、平滑コンデンサ2、直流電源3、直流電力を交流電力に変換するインバータ4、及び昇圧部5で構成されている。また、昇圧部5は、本実施例において直流チョッパであり、スイッチ素子6、スイッチ素子7、及びリアクトル8で構成される。
可変磁束モータ1は、本発明の永久磁石電動機に対応し、低保持力の永久磁石である可変磁石(例えばアルニコ磁石)を有する。
インバータ4は、可変磁束モータ1を駆動する。また、インバータ4は、本発明の磁化部にも対応し、可変磁束モータ1の有する可変磁石の磁束を制御するための磁化電流を供給する。
昇圧部5は、直流電源3に接続され、直流電源3から入力された直流電圧を所定の目標値まで昇圧してインバータ4に出力する。また、昇圧部5は、磁化時にのみ昇圧する。したがって、昇圧部5は、インバータ4により磁化電流の供給を開始する前に、入力された直流電圧を所定の目標値まで昇圧してインバータ4に出力する。さらに、昇圧部5は、通常運転時にインバータに出力する電圧よりも高い電圧値を所定の目標値とする。したがって、インバータ4に入力される電圧は、通常運転時よりも磁化時の方が高い。
図1に示すように、昇圧部5は、スイッチ素子6、スイッチ素子7、及びリアクトル8により直流チョッパを構成する。上述したように、昇圧部5は、磁化時にのみ昇圧するため、通常運転時には、スイッチ素子6を常時オンし、スイッチ素子7を常時オフする。昇圧部5の詳細な動作の説明は後述する。
直流電源3は、昇圧部5に直流電力を供給する二次電池でもよい。本発明を電気自動車等に適用する場合には、直流電源3は、二次電池であると考えられる。
図6は、本発明の可変磁束モータドライブシステムを電車に適用した場合の構成を示す図である。図6(a)は、直流電車に適用した場合の構成を示す図である。図1の構成と異なる点は、昇圧部5が直流電源3の代わりに電車の集電装置と接触しながら連続的に電力を供給するための電線である架線に接続されている点である。昇圧部5は、直流電源3の代わりに架線から得た直流電圧を昇圧してインバータ4に出力する。また、図6(b)は、交流電車に適用した場合の構成を示す図である。図1の構成と異なる点は、直流電源3の代わりに交流電力を供給する架線及びトランスを備える点と、昇圧部5の代わりにコンバータ11を備える点である。架線から出力される交流電力は、トランスを経てコンバータ11に出力される。コンバータ11は、交直変換器であり、直流側の電圧を制御できる。したがって、コンバータ11は、本発明の昇圧部に対応し、直流電圧を所定の目標値まで昇圧してインバータ4に出力する。なお、交流電車において、コンバータ11として従来から用いられるPWM−CNV(コンバータ)は、入力交流電圧よりも高い直流電圧を出力するので、昇圧回路の1つである。したがって、交流電車に本発明を適用する場合には、磁化時にコンバータ11を昇圧制御すればよく、適用が容易である。
図7は、本発明の実施例1の可変磁束モータドライブシステムの詳細な構成を示すブロック図である。可変磁束モータ1、平滑コンデンサ2、直流電源3、直流電力を交流電力に変換するインバータ4、及び昇圧部5で構成される主回路は、上述した説明の通りである。また、可変磁束モータ1の回転角度を検出するための回転角度センサ18、直流電源3の出力電圧を検出する電圧検出器9、及び昇圧部5の出力電圧を検出する電圧検出器10は、主回路に含まれるものとする。
次に、制御回路について説明する。制御回路は、回転数演算部12、DQ軸電流指令演算部14、磁化時電流制御部16、電流制御部20、切替器21、磁化モード管理部22、変調率演算部24、PWM回路26、磁化要求生成部29、磁束指令演算部31、磁化電流指令演算部33、昇圧電圧指令演算部35、直流電圧制御回路37、切替器39、及びPWM回路40で構成されている。
回転数演算部12は、回転角度センサ18により検出された回転角度に基づき、可変磁束モータ1の回転数を算出して、磁化要求生成部29に出力する。
DQ軸電流指令演算部14は、トルク指令と、磁束指令Φ*に基づき、D軸電流指令Id*、Q軸電流指令Iq*を決定する。ここで、トルクの一般式は、次式であり、Id,Iqを解くことにより決定される。
トルク=φ×Iq+(Ld−Lq)×Id×Iq…(2)
ここで、φは、総磁束(=固定磁石磁束+可変磁石磁束)を示す。また、Ldは、D軸インダクタンスであり、Lqは、Q軸インダクタンスである。したがって、(2)式は、磁束量やトルクの関数となる。実際には、Ld、Lqの非線形性があるため、DQ軸電流指令演算部14は、トルクと磁束に応じたテーブルデータを有することによりId、Iqを求める。その際、DQ軸電流指令演算部14は、最小な電流値(√(Id+Iq))にて、所定トルクが得られるような関係を選ぶ。
磁化要求生成部29は、回転数演算部12により入力された回転数やトルク指令、電圧検出器9により検出された直流電源3の出力電圧(バッテリー電圧)、後述する変調率演算部24により算出された変調率などの情報に基づき、可変磁石磁束を変化させることが必要か否かの判断を行い、磁化要求信号を出力する。
磁束指令演算部31は、磁化要求生成部29により磁化要求信号が入力されると、磁束量(現在の可変磁束又は総磁束(固定磁石磁束+可変磁石磁束)に対して、目標値とする磁束量)を算出し、磁束指令Φ*として出力する。一般的には、以下のような磁束の変化を必要とする。ただし、1例であり、これに限らない。
まず、可変磁束モータ1の回転数が増加した場合には、可変磁石磁束を下げる。可変磁束モータ1は、回転数が高いほど、逆起電圧が大きくなる。したがって、磁束指令演算部31は、磁束を下げる旨の磁束指令Φ*を出力し、逆起電圧を下げる。
次に、トルク指令によるトルクが増加した場合には、可変磁石磁束を下げる。可変磁束モータ1は、トルクが高いほど、高いモータ端子電圧を有するので、磁束指令演算部31は、磁束を下げる旨の磁束指令Φ*を出力し、端子電圧を下げる。
また、変調率演算部24により算出された変調率が増加した場合には、可変磁石磁束を下げる。変調率が高いと、インバータ4の出力電圧が飽和して、可変磁束モータ1に対する弱め界磁制御が必要になる。そこで、磁束指令演算部31は、磁束を下げる旨の磁束指令Φ*を出力し、逆起電圧を下げることで、弱め界磁制御を不要にすることができる。
さらに、電圧検出器9により検出された直流電源3の出力電圧(バッテリー電圧)が下がった場合には、変調率が増加するので、上述した理由により磁束指令演算部31は、磁束を下げる旨の磁束指令Φ*を出力する。
磁化電流指令演算部33は、磁束指令演算部31により入力された磁束指令Φ*に基づき、必要な磁化電流を算出する。一般に、磁化電流は、可変磁石の現在に至るまでの過去の磁化の履歴に依存するものである。したがって、磁化電流指令演算部33は、例えば、過去の磁化履歴と要求する磁束とを入力とするテーブル情報を有し、そのテーブル情報を参照して磁化電流を算出する。磁化電流指令演算部33は、算出した磁化電流に基づく磁化電流指令を出力する。
電流制御部20は、DQ軸電流指令演算部14により生成されたD軸電流指令Id*及びQ軸電流指令Iq*に、それぞれのD軸電流Id、Q軸電流Iqが一致するように、出力電圧指令を算出する。1例として、電流制御部20は、電流偏差にPI制御を施し、DQ軸電圧指令を求め、座標変換して、UVW相電圧を求める。
ここで、磁化する際には、磁化部であるインバータ4は、可変磁束モータ1に過大な磁化電流を短時間で精度良く流すことが必要である。上述した電流制御部20によるPI制御は、応答性が十分でなく、可変磁束モータ1に過大な磁化電流を短時間で精度良く流すことが困難となることも考えられる。そこで、本実施例においては、所定の磁化電流指令に基づき最小時間で電流が応答するような電流制御方法を有する磁化時電流制御部16を設け、磁化時の電流を制御する。
磁化時電流制御部16は、トルク指令及び磁化電流指令演算部33により算出された磁化電流に基づき、それぞれのD軸電流Id、Q軸電流Iqが一致するように、例えば、ヒステリシスコンパレータ方式等の瞬時比較制御方式を利用して、出力電圧指令を算出する。また、磁化時電流制御部16は、磁化が終了した際に、磁化電流印加完了フラグをH(ハイ)にして、磁化モード管理部22に出力する。
なお、磁化時電流制御部16は、可変磁束モータドライブシステムに特有な制御部であるが、必須の構成要件ではない。
切替器21は、磁化モード管理部22による磁化電流印加フラグがH(ハイ、磁化電流印加指示を意味)の場合、磁化時電流制御部16により出力された出力電圧指令を選択し、磁化電流印加フラグがL(ロー、磁化電流を印加しない)の場合、電流制御部20により出力された出力電圧指令を選択し、変調率演算部24に出力する。
変調率演算部24は、磁化時電流制御部16又は電流制御部20により算出された出力電圧指令に基づき、変調率を算出する。
PWM回路26は、変調率演算部24により算出された変調率に基づき、インバータ4のスイッチング素子をオンオフ制御する。
昇圧制御部35は、昇圧部5の出力電圧の目標電圧値を決定するとともに、現在の昇圧部5の出力電圧を目標電圧値に徐々に近づけるように電圧指令を出力する。
図8は、昇圧制御部35の詳細な構成を示すブロック図である。図8に示すように、昇圧制御部35は、昇圧電圧目標値決定部36、及び昇圧電圧指令演算部38で構成されている。
昇圧電圧目標値決定部36は、本発明の算出部に対応し、インバータ4により供給される磁化電流の大きさ、可変磁束モータ1の回転数、及び可変磁石に対して必要とされる磁束の少なくとも1つに基づき電圧目標値を算出する。本実施例において、昇圧電圧目標値決定部36は、磁化電流指令演算部33により算出された磁化電流と回転数演算部12により算出された回転数とに基づいて、電圧目標値を算出する。なお、回転数演算部12により算出された回転数は、磁化要求生成部29、磁束指令演算部31、及び磁化電流指令演算部33を介して、昇圧電圧指令演算部35に入力される。昇圧電圧目標値決定部36による具体的な電圧目標値算出方法は、後述する。ここでは、昇圧電圧目標値決定部36により算出された電圧目標値は、Vdc*と表す。
昇圧電圧指令演算部38は、電圧検出器9により検出された直流電源3の出力電圧(直流電源3が二次電池であるならば、バッテリー電圧)、後述する磁化モード管理部22により出力された昇圧指令フラグ、及び昇圧電圧目標値決定部36により算出された電圧目標値Vdc*に基づき、昇圧電圧指令VdcCmdを出力する。また、昇圧電圧指令演算部38は、昇圧完了フラグあるいは昇圧停止完了フラグを適切なタイミングで磁化モード管理部22に出力する。
昇圧部5は、直流電源3により入力された直流電圧を昇圧電圧目標値決定部36により算出された電圧目標値まで昇圧してインバータ4に出力する。
直流電圧制御回路37は、昇圧制御部35により出力された昇圧電圧指令に基づき、昇圧部5である直流チョッパを制御する。直流電圧制御回路37は、電圧検出器10により検出された昇圧部5の出力電圧(インバータ4の入力直流電圧)が、昇圧制御部35により出力された昇圧電圧指令VdcCmdに一致するように、直流チョッパの通流率(通流率は、0から1の間)を出力する。
切替器39は、磁化モード管理部22による磁化モードフラグがH(ハイ、昇圧指示を意味)の場合、直流電圧制御回路37により出力された通流率を選択し、磁化モードフラグがL(ロー、昇圧しない)の場合、直流チョッパのスイッチ素子6がべたオン(すなわち、スイッチ素子7がべたオフ)となる通流率(すなわち通流率1)を出力する。
PWM回路40は、切替器39を介して直流電圧制御回路37により出力された通流率に基づき、スイッチ素子6及びスイッチ素子7へのゲート信号を生成して、オンオフ制御する。
磁化モード管理部22は、可変磁石を磁化する際に、適切なタイミングで昇圧部5による昇圧が行えるように各種フラグを出力する。磁化モード管理部22の詳細な動作は、後述する。
次に、上述のように構成された本実施の形態の作用を説明する。まずは、磁化を必要としない場合について説明する。ここでの入力は、トルク指令である。このトルク指令は、可変磁束モータ1が所望のトルクになるように生成されたものであり、適切な手段により出力される。DQ軸電流指令演算部14は、DQ軸電流指令演算部14は、入力されたトルク指令に基づき、D軸電流とQ軸電流を決定するためのD軸電流指令Id*、及びQ軸電流指令Iq*を生成して電流制御部20に出力する。
電流制御部20は、DQ軸電流指令演算部14により生成されたD軸電流指令Id*及びQ軸電流指令Iq*に、それぞれのD軸電流Id、Q軸電流Iqが一致するように、出力電圧指令を算出する。
ここで、磁化を必要としないため、磁化モード管理部22による磁化電流印加フラグはL(ロー)である。したがって、切替器21は、電流制御部20により出力された出力電圧指令を選択して、変調率演算部24に出力する。
変調率演算部24は、電流制御部20により算出された出力電圧指令に基づき、変調率を算出する。さらに、PWM回路26は、変調率演算部24により算出された変調率に基づき、インバータ4のスイッチング素子をオンオフ制御する。
この際、切替器39は、磁化モード管理部22による磁化モードフラグがL(ロー)であるため、通流率1を出力する。したがって、PWM回路40は、直流チョッパのスイッチ素子6がべたオン(すなわち、スイッチ素子7がべたオフ)となるように、スイッチ素子6及びスイッチ素子7へのゲート信号を生成して、オンオフ制御する。このように、磁化を必要としない場合には、スイッチ素子を常時オン(スイッチ素子7を常時オフ)するので、各スイッチ素子におけるスイッチング損は無く、且つリアクトル8における高調波による損失も少ない。
次に、磁化を必要とする場合について説明する。図9は、磁化を行う際の可変磁束モータドライブシステムの各部の状態を示すタイムチャート図である。時刻tまでは、上述した磁化を必要としない場合の動作と同じである。昇圧部5である直流チョッパの通流率は、時刻tに至るまでは、1(100%)である。
時刻tにおいて、磁化要求生成部29は、可変磁石磁束を変化させることが必要でありと判断し、磁化要求信号を出力する。この磁化要求信号は、磁束指令演算部31と磁化モード管理部22に入力される。
磁化要求信号は、H(ハイ)の状態の磁化要求フラグとして磁化モード管理部22に入力される。その際、磁化モード管理部22は、磁化モードフラグと昇圧指令フラグをハイにする。この磁化モードフラグは、磁化及び昇圧が完全に完了するまでハイを維持する。
磁化モード管理部22は、H(ハイ)の状態の昇圧指令フラグを昇圧制御部35に出力するとともに、H(ハイ)の状態の磁化モードフラグを切替器39に出力する。したがって、切替器39は、直流電圧制御回路37により出力された通流率を選択し、PWM回路40に出力する。
磁束指令演算部31は、磁化要求生成部29により磁化要求信号が入力されると、磁束量(現在の可変磁束又は総磁束(固定磁石磁束+可変磁石磁束)に対して、目標値とする磁束量)を算出し、磁束指令Φ*として磁化電流指令演算部33とDQ軸電流指令演算部14に出力する。
磁化電流指令演算部33は、磁束指令演算部31により入力された磁束指令Φ*に基づき、必要な磁化電流を算出し、磁化電流指令として昇圧制御部35と磁化時電流制御部16に出力する。また、磁化電流指令演算部33は、その際、可変磁束モータ1の回転数の情報も昇圧制御部35に出力する。
磁化電流指令演算部33により出力された磁化電流指令及び回転数の情報は、昇圧制御部35内の昇圧電圧目標値決定部36に入力される。
昇圧電圧目標値決定部36は、磁化電流指令に基づきインバータ4により供給される磁化電流の大きさ、及び可変磁束モータ1の回転数に基づき電圧目標値を算出する。ここで、昇圧電圧目標値決定部36による電圧目標値の決定方法について詳述する。磁化のために必要なインバータ4に対する入力直流電圧とは、可変磁束モータ1の回転数が高いほど大きく、また、磁化電流(の絶対値)が大きいほど大きい。
したがって、昇圧電圧目標値決定部36は、インバータ4により供給される磁化電流の大きさに基づき電圧目標値を算出する場合に、磁化電流が大きいほど高い電圧目標値を算出する。また、昇圧電圧目標値決定部36は、可変磁束モータ1の回転数に基づき電圧目標値を算出する場合に、可変磁束モータ1の回転数が高いほど高い電圧目標値を算出する。
図11は、昇圧電圧目標決定部36による電圧目標値の決定法の1例を示す図である。昇圧電圧目標決定部36は、図11に示すように、磁化電流指令に基づく磁化電流の大きさと、可変磁束モータ1の回転数に依存して4段階に分かれた電圧目標値を算出する。
図11において、電圧目標値は、4段階に分けられ、4つの領域に対応して決定される。ここで、電圧目標値は、値の低い順に領域A、領域B、領域C、領域Dが対応する。1例として、領域Aに対応する電圧目標値は125V、領域Bに対応する電圧目標値は150V、領域Cに対応する電圧目標値は175V、領域Dに対応する電圧目標値は200Vであるとする。例えば、回転数と磁化電流の大きさにより決定される位置が領域A内である場合には、電圧目標値は、125Vとなる。
図11から明らかなように、昇圧電圧目標値決定部36は、インバータ4により供給される磁化電流が大きいほど高い電圧目標値を算出する。また、昇圧電圧目標値決定部36は、可変磁束モータ1の回転数が高いほど高い電圧目標値を算出する。
昇圧電圧目標値決定部36は、その時点での直流電源3の出力電圧や昇圧部5の出力電圧(インバータ4に入力される直流電圧)に関わらず、磁化に必要な電圧目標値Vdc*を算出し、昇圧電圧指令演算部38に出力する。
昇圧電圧指令演算部38は、電圧検出器9により検出された直流電源3の出力電圧(直流電源3が二次電池であるならば、バッテリー電圧)、磁化モード管理部22により出力された昇圧指令フラグ、及び昇圧電圧目標値決定部36により算出された電圧目標値Vdc*に基づき、昇圧電圧指令VdcCmdを出力する。ここでは、まず昇圧指令フラグがH(ハイ)であるため、昇圧電圧指令演算部38は、電圧検出器9により検出された電圧Vdcが、昇圧電圧目標値決定部36により算出された電圧目標値Vdc*以上であるか否かを判定する。既にVdc≧Vdc*であるならば、昇圧が完了しているため、昇圧電圧指令演算部38は、昇圧完了フラグを磁化モード管理部22に出力する。
図9の時刻tにおいては、昇圧が完了していないため、昇圧電圧指令演算部38は、電圧目標値Vdc*に向かって徐々に電圧を増加させるように昇圧電圧指令VdcCmdを出力する。
直流電圧制御回路37は、昇圧電圧指令演算部38により出力された昇圧電圧指令VdcCmdに基づき、昇圧部5である直流チョッパを制御する。直流電圧制御回路37は、電圧検出器10により検出された昇圧部5の出力電圧(インバータ4の入力直流電圧)が、昇圧制御部35により出力された昇圧電圧指令VdcCmdに一致するように、直流チョッパの通流率(通流率は、0から1の間)を出力する。
切替器39は、磁化モード管理部22による磁化モードフラグがH(ハイ)であるため、直流電圧制御回路37により出力された通流率を選択し、PWM回路40に出力する。
PWM回路40は、切替器39を介して直流電圧制御回路37により出力された通流率に基づき、スイッチ素子6及びスイッチ素子7へのゲート信号を生成して、オンオフ制御する。
昇圧部5は、直流電源3により入力された直流電圧を昇圧電圧目標値決定部36により算出された電圧目標値まで昇圧してインバータ4に出力する。
なお、時刻tにおいてはまだ昇圧が完了していないため、磁化モード管理部22は、磁化電流印加フラグはL(ロー)として出力する。したがって、切替器21は、電流制御部20により出力された出力電圧指令を選択し、変調率演算部24に出力する。
時刻tにおいて昇圧が完了すると、昇圧電圧指令演算部38は、昇圧完了フラグをH(ハイ)にして磁化モード管理部22に出力する。磁化モード管理部22は、入力された昇圧完了フラグに基づき、磁化電流の印加を開始するために、磁化電流印加フラグをH(ハイ)にして切替器21に出力する。
磁化時電流制御部16は、トルク指令及び磁化電流指令演算部33により算出された磁化電流に基づき、それぞれのD軸電流Id、Q軸電流Iqが一致するように、出力電圧指令を算出する。切替器21は、磁化電流印加フラグがH(ハイ)であるため、磁化時電流制御部16により出力された出力電圧指令を選択し、変調率演算部24に出力する。
変調率演算部24は、磁化時電流制御部16により算出された出力電圧指令に基づき、変調率を算出してPWM回路26に出力する。PWM回路26は、変調率演算部24により算出された変調率に基づき、インバータ4のスイッチング素子をオンオフ制御する。
時刻tにおいて磁化電流の印加が完了すると、磁化時電流制御部16は、磁化電流印加完了フラグをL(ロー)にして磁化モード管理部22に出力する。また、磁化モード管理部22は、昇圧指令フラグをL(ロー)にして昇圧制御部35に出力するとともに、磁化電流印加フラグをL(ロー)にして切替器21に出力する。したがって、切替器21は、電流制御部20により出力された出力電圧指令を選択し、変調率演算部24に出力する。
昇圧制御部35内の昇圧電圧指令演算部38は、昇圧指令フラグがL(ロー)であるため、電圧検出器9により検出された直流電源3の出力電圧に向かって徐々に電圧を減少させるように昇圧電圧指令VdcCmdを出力する。
時刻tにおいて、昇圧部5の出力電圧(インバータ4に対する入力電圧)が直流電源3の出力電圧値まで減少し、昇圧停止が完了すると、昇圧電圧指令演算部38は、昇圧停止完了フラグをH(ハイ)にして、磁化モード管理部22に出力する。また、磁化モード管理部22は、磁化モードフラグをL(ロー)にして切替器39に出力する。したがって、切替器39は、直流チョッパのスイッチ素子6が常時オン(すなわち、スイッチ素子7が常時オフ)となる通流率(すなわち通流率1)をPWM回路40に出力する。
なお、図10は、磁化を行う際の可変磁束モータドライブシステムの各部の状態の別の例を示すタイムチャート図である。図10に示す場合において、昇圧部5を構成する直流チョッパは、昇圧を行わない(通常運転時)際にもスイッチング動作を行い、磁化電流の供給が必要な際には、スイッチングのデューティ比を変えて昇圧を行う。このような場合、直流チョッパの通流率は、昇圧しない場合においても1(=100%)未満となる。このような構成でも、当該可変磁束モータドライブシステムは、磁化時に必要な電圧を確保することができる。
しかしながら、図9に示す可変磁束モータドライブシステムにおける昇圧部5の直流チョッパは、インバータ4により磁化電流の供給を開始するために、入力された直流電圧を所定の目標値まで昇圧する際にのみ、スイッチング動作する。そのため、昇圧しない場合(通常運転時)には、直流チョッパは、スイッチ素子6を常時オン(すなわち、スイッチ素子7を常時オフ)とするので、スイッチング損失を低減できる。また、通常運転時は高調波電流が流れないため、リアクトル8に生じる損失は小さい。
さらに、昇圧部5の直流チョッパは、スイッチング動作する際に、自己のスイッチング周波数をインバータ4のスイッチング周波数よりも高くする構成でもよい。昇圧部5の直流チョッパのスイッチング周波数を十分高くすることにより、電流高調波が減り、リアクトル8における発熱は小さくなる。したがって、リアクトル8の小型化が可能であり、ひいては直流チョッパ回路の小型化につながる。
上述のとおり、本発明の実施例1の形態に係る可変磁束モータドライブシステムによれば、インバータ4による電流によって磁石磁束を可変にすることが可能な可変磁束モータを用いているので、短時間の磁化電流により、運転条件に合わせて永久磁石の磁束量を変化させることができ、効率の向上が期待できる。また、磁石が不要な際は磁束量を小さくすることで誘起電圧を極力抑制することも可能である。さらに、可変磁束モータ1に用いられる可変磁石の磁束を制御するために、磁化電流を流すのに必要な電圧を確保し、小型で高効率な可変磁束モータドライブシステムを提供することができる。
直流電源3に二次電池を用いた場合、二次電池の出力電圧は、変動することがあり、特に充放電時に二次電池の内部抵抗に電流が流れることによる電圧降下の影響が大きい。したがって、その時々によって、磁化電流をインバータ4から供給する際に必要な電圧が、既に二次電池である直流電源3から供給されている場合と供給されていない場合がある。しかしながら、本発明の可変磁束モータドライブシステムは、昇圧部5を備えることで磁化に必要な電圧をいずれの場合においても確保することができる。
また、昇圧部5によりインバータ4に入力する電圧を昇圧するため、インバータ4は、昇圧した電圧に対する耐圧を考慮して設計される必要がある。しかしながら、図12に示すような従来のシステムにおいて、二次電池(バッテリ)による直流電源3とインバータ4とを直結したシリーズ方式は、バッテリ電圧が50%程度変動するため、インバータ4は、その変動に対する耐圧を考慮して設計されている。したがって、本発明の可変磁束モータドライブシステムを適用するために昇圧部5を追加しても、インバータ4の耐圧を増加させる必要はなく、コストを抑えることができるという利点がある。このため、本発明の可変磁束モータドライブシステムは、二次電池(バッテリ)を有するシリーズ方式に適用すると整合が良い。特に、電気自動車のように元々バッテリーによる駆動を想定している機器に使用されるインバータは、電圧変動に耐えうる耐圧で設計されているため、本発明の適用に適しているといえる。
また、昇圧部5は、磁化電流の供給を開始する前に、インバータ4に対する入力電圧の昇圧を完了するので、インバータ4による磁化電流の供給を効率よく確実に行うことができる。
さらに、昇圧部5は、通常運転時にインバータ4に出力する電圧よりも高い電圧値を所定の目標値として昇圧するので、磁化電流をインバータ4から供給する場合以外には、インバータ4に入力する電圧値を抑えてインバータ4における損失を低減することができる。
また、電圧制御部35は、可変磁束モータ1の回転数、及び磁化電流指令演算部33により出力された磁化電流指令に基づきインバータ4により供給される磁化電流の大きさに基づき電圧目標値を算出するので、適切に電圧目標値を設定することができる。このため、不要に電圧を昇圧して損失が発生するのを防止することができる。
磁化電流指令演算部33により出力された磁化電流指令は、可変磁石に対して必要とされる磁束を示す磁束指令Φ*に基づいて決定されたものであるため、電圧制御部35は、可変磁石に対して必要とされる磁束に基づき電圧目標値を算出することもできる。この場合にも、同様の効果を得ることができる。
電圧制御部35内の昇圧電圧目標値決定部36は、インバータ4により供給される磁化電流の大きさに基づき電圧目標値を算出する場合に、磁化電流が大きいほど高い電圧目標値を算出するので、必要とする磁化電流に合わせた電圧値にインバータ4の入力電圧を昇圧することができる。また、昇圧電圧目標値決定部36は、可変磁束モータ1の回転数に基づき電圧目標値を算出する場合に、可変磁束モータ1の回転数が高いほど高い電圧目標値を算出するので、回転数に合わせた電圧値にインバータ4の入力電圧を昇圧することができる。
また、昇圧部5は、スイッチ端子6、スイッチ端子7、及びリアクトル8で構成される直流チョッパであるため、簡易な構成で適切に昇圧を行うことができ、コストも抑えることができる。
さらに、昇圧部5の直流チョッパは、昇圧する際にのみ、スイッチング動作し、昇圧しない場合(通常運転時)には、スイッチ素子6を常時オン(すなわち、スイッチ素子7を常時オフ)とするので、スイッチング損失を低減できる。また、通常運転時は高調波電流が流れないため、リアクトル8に生じる損失は小さい。したがって、昇圧部5に生じる発熱も小さいため、直流チョッパに用いるスイッチ素子に対する冷却構造を考える際に、設計者は、スイッチングを行う短時間に発生する瞬時的発熱のみ放熱できる構成を考えればよく、大掛かりな冷却構造を必要としないため、昇圧部5の小型化が可能である。
また、昇圧部5の直流チョッパが十分に高いスイッチング周波数(例えば、インバータ4より高いスイッチング周波数)を有する場合には、スイッチ端子6及びスイッチ端子7のスイッチング動作に基づくリプルが低減する。したがって、リアクトル8を流れる高調波を少なくすることができるので、リアクトル8における損失を低減して発熱を抑えることができる。さらに、リプルの低減により、設計者は、リアクトル8のインダクタンスを小さくでき、小型化ができる。
なお、スイッチング周波数を高く設定することは、特に本発明に対して有効である。本発明は、磁化中にのみ直流チョッパによる昇圧を行うため、通常運転時の各スイッチ素子のおける発熱・損失が小さい。したがって、本実施例の直流チョッパは、スイッチング動作を行う際にスイッチング周波数を高くして少々発熱等をしたとしても問題とならず、リプルを低減できるという利点がある。
本発明に係る可変磁束モータドライブシステムは、鉄道車両や電気自動車向けの駆動モータを使用する可変磁束モータドライブシステムに利用可能である。
本発明の実施例1の形態の可変磁束モータドライブシステムの主回路の構成を示すブロック図である。 可変磁束モータの簡易モデル図である。 本発明の実施例1の形態の可変磁束モータドライブシステムで使用される可変磁束モータの断面図である。 本発明の実施例1の形態の可変磁束モータドライブシステムで使用される可変磁束モータのBH特性図である。 種々の材料の永久磁石のBH特性図である。 本発明の可変磁束モータドライブシステムを電車に適用した場合の構成を示す図である。 本発明の実施例1の形態の可変磁束モータドライブシステムの詳細な構成の1例を示すブロック図である。 本発明の実施例1の形態の可変磁束モータドライブシステムの昇圧制御部の詳細な構成を示すブロック図である。 本発明の実施例1の形態の可変磁束モータドライブにおいて磁化を行う際の可変磁束モータドライブシステムの各部の状態を示すタイムチャート図である。 本発明の実施例1の形態の可変磁束モータドライブにおいて磁化を行う際の可変磁束モータドライブシステムの各部の状態の別の例を示すタイムチャート図である。 本発明の実施例1の形態の可変磁束モータドライブシステムの昇圧電圧目標決定部による電圧目標値の決定法の1例を示す図である。 従来の可変磁束モータドライブシステムの構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 可変磁束モータ
1a 永久磁石リラクタンスモータ
2 平滑コンデンサ
3 直流電源
4 インバータ
5 昇圧部
6 スイッチ素子
7 スイッチ素子
8 リアクトル
9 電圧検出器
10 電圧検出器
11 コンバータ
12 回転数演算部
14 DQ軸電流指令演算部
16 磁化時電流制御部
18 回転角度センサ
20 電流制御部
21 切替器
22 磁化モード管理部
24 変調率演算部
26 PWM回路
29 磁化要求生成部
31 磁束指令演算部
33 磁化電流指令演算部
35 昇圧制御部
36 昇圧電圧目標値決定部
37 直流電圧制御回路
38 昇圧電圧指令演算部
39 切替器
40 PWM回路
51 回転子
52 回転子鉄心
53 低保磁力永久磁石
54 高保磁力永久磁石
55 鉄心の磁極部

Claims (9)

  1. 低保持力の永久磁石である可変磁石を有する永久磁石電動機と、
    前記永久磁石電動機を駆動するインバータと、
    前記可変磁石の磁束を制御するための磁化電流を供給する磁化部と、
    磁化要求信号を出力する磁化要求生成部と、
    前記磁化要求信号の入力により、入力された直流電圧を所定の目標値まで昇圧して前記インバータに出力する昇圧部と、
    前記磁化要求信号を入力し且つ前記昇圧部による昇圧が完了した場合には前記磁化部に対して磁化電流の供給を開始させ、磁化電流の供給が完了した場合には前記昇圧部に対して昇圧を停止させる磁化モード管理部と、
    を備えることを特徴とする可変磁束モータドライブシステム。
  2. 前記昇圧部は、通常運転時に前記インバータに出力する電圧よりも高い電圧値を前記所定の目標値とすることを特徴とする請求項1記載の可変磁束モータドライブシステム。
  3. 前記磁化部により供給される磁化電流の大きさと前記永久磁石電動機の回転数とに基づき電圧目標値を算出する算出部と備え、
    前記昇圧部は、入力された直流電圧を前記算出部により算出された電圧目標値まで昇圧して前記インバータに出力することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の可変磁束モータドライブシステム。
  4. 前記算出部は、前記磁化部により供給される磁化電流の大きさに基づき電圧目標値を算出する場合に、前記磁化電流が大きいほど高い電圧目標値を算出することを特徴とする請求項3記載の可変磁束モータドライブシステム。
  5. 前記算出部は、前記永久磁石電動機の回転数に基づき電圧目標値を算出する場合に、前記永久磁石電動機の回転数が高いほど高い電圧目標値を算出することを特徴とする請求項3記載の可変磁束モータドライブシステム。
  6. 前記昇圧部は、直流チョッパであることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の可変磁束モータドライブシステム。
  7. 前記直流チョッパは、前記磁化部により磁化電流の供給を開始するために入力された直流電圧を所定の目標値まで昇圧する際にのみ、スイッチング動作することを特徴とする請求項6記載の可変磁束モータドライブシステム。
  8. 前記直流チョッパは、スイッチング動作する際に、自己のスイッチング周波数を前記インバータのスイッチング周波数より高くすることを特徴とする請求項7記載の可変磁束モータドライブシステム。
  9. 前記昇圧部に直流電力を供給する二次電池を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項記載の可変磁束モータドライブシステム。
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