JP5191713B2 - 天井格納式シート - Google Patents
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Description
ここで、下記特許文献1には、シートバック背後に設けた操作レバーを操作することによって、シート本体と車体フロアとのロック状態を解除して、シート本体を車体天井に向けて格納移動させられるようにした技術が開示されている。この開示では、操作レバーは、シートバックの背面部に下端部がヒンジ連結された剛体板によって形成されている。
この操作レバーは、シートバックの後方側に倒し込む操作を行うことにより、シート本体を折畳んだ姿勢に切換えると共に、シート本体と車体フロアとのロック状態を解除する。そして、この解除された状態から、操作レバーをそのまま前方下方に押し込むように操作することにより、この操作レバーをハンドルとして、シート本体を車体天井に向けて格納移動させることができる。そして、車体天井まで移動操作されたシート本体は、車体天井との間に設けられたロック機構を係合ロックさせることにより、車体天井に格納された状態として保持される。
また、車体天井に格納されたシート本体は、上述した操作レバーを再びシートバックの後方側に倒し込む操作を行うことにより、車体天井とのロック状態が解除される。これにより、シート本体を車体フロア上に戻し込んで係合ロックさせて、シート本体を再び着座使用できる状態に戻すことができる。
先ず、第1の発明は、着座部となるシート本体を車体フロア上の使用位置から車体天井下の格納位置に持ち上げて格納することのできる天井格納式シートである。シート本体には、車体フロアと解除可能に係合ロックすることのできるフロアロック装置と、車体天井と解除可能に係合ロックすることのできる天井ロック装置と、が配備されている。各ロック装置は、常時はシート本体が車体フロア或いは車体天井に押し付けられる動きによって、車体フロア或いは車体天井と係合ロックすることのできるロック可能状態となっている。しかし、各ロック装置は、シート本体に設けられた操作レバーの解除操作によって、各ロック装置に繋がれた各解除ケーブルが牽引操作された状態では、それらのロック状態が解除されて係合ロック不能な状態に保持されるようになっている。操作レバーの解除操作力を各解除ケーブルに伝達する操作力伝達経路には、操作レバーの解除操作の進行に伴って、操作レバーから入力された解除操作力を各解除ケーブルに伝達して、各ロック装置のロック状態を解除した後に、各解除ケーブルへの操作力の伝達を遮断して、各ロック装置をロック可能状態に戻すことのできる切換機構が設けられている。
この第1の発明によれば、操作レバーの解除操作を行うことにより、各ロック装置のロック状態が解除される。そして更に、これら解除操作された各ロック装置は、切換機構によって、それぞれロック可能状態に戻される。したがって、この操作レバーの解除操作を継続したままで、シート本体を車体天井下まで持ち上げて格納位置にロックさせたり、車体フロア上の使用位置に戻し込んでロックさせたりすることができる。
この第2の発明によれば、剛体板よりなる操作レバーをシートバックの後方側に倒し込むことにより、各ロック装置のロック状態が解除操作される。そして、この操作レバーをシートバックの後方側に倒し込んだ姿勢状態のままでシート本体を移動させる方向に操作することにより、この操作レバーをハンドルとして、シート本体を格納位置や使用位置に移動させてその位置にロックさせることができる。
ここで、図1には、天井格納式シートの概略構成が示されている。この天井格納式シートは、車両の後部側座席として配設されており、着座部となるシート本体1を車体フロアF上の使用位置から車体天井C下の格納位置に持ち上げて格納できるようになっている。
これにより、シート本体1は、連結アーム6の回動運動に伴って、車体フロアF上の使用位置と車体天井C下の格納位置との間を回転移動することのできる状態とされている。なお、この連結アーム6と車体天井Cとの間には、シート本体1を格納移動方向に附勢する附勢ばね(図示省略)が取り付けられている。そして、連結アーム6と車体フロアFの側壁部との間には、シート本体1の回動する動きに弾みがつきすぎないように速度を抑制するダンパー6dが設けられている。これにより、シート本体1を使用位置と格納位置との間で回動させる操作が、上述した附勢ばねやダンパー6dの作用によってアシストされるようになっている。
これら各ロック装置は、シート本体1の左右両サイドにそれぞれ一対で配設されている。ここで、各ロック装置は、常時は、シート本体1が車体フロアF上や車体天井C下に押し付けられる動きによって、上述した各ストライカS1〜S3とそれぞれ係合ロックすることのできるロック可能状態となっている。しかし、各ロック装置は、上述した操作レバー5をシートバック2の後方側に倒し込む解除操作を行うことによって、各ストライカS1〜S3に対するロック状態が一斉に解除操作されるようになっている。
具体的には、切換機構20は、シートバック2の骨格に固定設置されたベース板21と、このベース板21に軸支連結された第1アーム22及び第2アーム23と、によって構成されている。
一方、第2アーム23は、支軸23aによってベース板21に回動可能に軸支連結されている。そして、第2アーム23は、常時は図示しない附勢ばねの附勢力を受けて、同図に示された初期位置の姿勢状態に保持されている。そして、この第2アーム23の図示下側の腕部には、前述した各解除ケーブル7c,8cの右側端部が連結されている。そして、この第2アーム23には、第1アーム22の回動軌跡内に張り出す位置に係合ピン23bが設けられている。
しかし、この後、操作レバー5の解除操作の進行により操作ケーブル5cが更に牽引操作されると、同図の実線状態で示されるように、第1アーム22が係合ピン23bとの当接状態から外される。これにより、第2アーム23が前述した附勢ばね(図示省略)の附勢力によって初期位置まで時計回りに戻されて、両解除ケーブル7c,8cの牽引操作状態が解除される。
なお、切換機構20は、操作レバー5の解除操作をやめることにより、第1アーム22が附勢ばね(図示省略)の附勢力によって初期位置に戻されることで初期状態に戻される。このとき、第1アーム22が初期位置に戻される途中で、第1アーム22が係合ピン23bと当接した状態となるが、この当接状態は、第2アーム23が図示時計回りに押動されて回避回動することによって外されるようになっている。
すなわち、図4に示されるように、各ロック装置は、シート本体1の骨格に固定設置されたベース板11と、このベース板11に軸支連結されたラッチ12及びポール13と、このラッチ12とポール13との間に掛着された引張ばね14と、解除ケーブル15(解除ケーブル7c,8c,9c)と、によって構成されている。これらロック装置は、ストライカ16(ストライカS1〜S3)がベース板11に形成された受入口11aの内部に押し込まれることによって、このストライカ16にラッチ12を係合ロックさせる構成となっている。
一方、ポール13は、支軸13eによってベース板11に回動可能に軸支連結されている。そして、ポール13は、常時は前述したラッチ12との間に掛着された引張ばね14の附勢力を受けて、図示時計回りに回動附勢された状態として、ラッチ12の角部12dに押し当てられた初期位置の姿勢状態に保持されている。このポール13には、解除ケーブル15の右側端部と連結されて作動操作される操作腕13aと、ラッチ12が初期位置から時計回りに回動した際に、その角部12dと係止し合う爪部13bと、が形成されている。
すなわち、上記構成のロック構造10は、解除ケーブル15の牽引操作が行われる前の状態では、これをストライカ16に押し込む操作によって互いに係合ロックすることのできるロック可能状態となっている。
これにより、ストライカ16がラッチ12の上顎12aによって押し出される格好で受入口11aから吐き出され、両者の係合ロック状態が解除される。そして、解除ケーブル15の牽引操作が解除されることにより、ポール13が再びラッチ12の角部12dに押し当てられた状態となり、各ロック装置は再びストライカ16と係合ロックすることのできるロック可能状態に戻される。しかし、各ロック装置は、解除ケーブル15の牽引操作が継続された状態では、ストライカ16が受入口11aの内部に押し込まれてラッチ12が時計回りに回動しても、ポール13の動きが留められているためにこのポール13との係止は行われない。したがって、この状態では、ロック構造10は、これをストライカ16に押し込む操作を行っても互いに係合ロックすることのないロック不能状態とされている。
すなわち、図1に示されるように、シート本体1が車体フロアF上の使用位置にある状態では、フロアロック装置7が車体フロアF上のストライカS2と、そしてクッションロック装置9が車体フロアF上のストライカS1とそれぞれ係合ロックした状態となっている。
そこで、このシート本体1を車体天井Cに持ち上げて格納するために、操作者Pが車両後方側に立った位置から手を伸ばして、操作レバー5をシートバック2の後方側に倒し込む操作を行うと、各ロック装置のロック状態が一斉に解除される。
したがって、この倒し込んだ姿勢状態の操作レバー5をハンドルとして、シート本体1を車体天井Cに持ち上げて格納することができる。具体的には、上述した倒し込み姿勢状態の操作レバー5をそのまま前方下方に押し込むように操作することにより、シート本体1を格納位置に持ち上げる方向に力を作用させることができる。そして、図6に示されるように、シート本体1をそのまま車体天井Cに押し付けるように操作することにより、天井ロック装置8が車体天井CのストライカS3と係合ロックする。これにより、シート本体1が車体天井Cに係合ロックされた状態として格納位置に保持される。
このとき、フロアロック装置7は、ロック可能状態となっているため、シート本体1を使用位置に戻し込む操作によって、これを車体フロアF上のストライカS2と係合ロックさせることができる。これにより、シート本体1が車体フロアFに係合ロックされた状態として使用位置に保持される。そしてその後に、操作レバー5の操作をやめて、シートクッション3を車体フロアF上に倒し込むことにより、クッションロック装置9を車体フロアF上のストライカS1と係合ロックさせて、シート本体1を着座使用可能な姿勢状態に戻すことができる。
更に、剛体板よりなる操作レバー5をシートバック2の後方側に倒し込むことにより、各ロック装置のロック状態を解除操作することができる。そして、この操作レバー5をシートバック2の後方側に倒し込んだ姿勢状態のままでシート本体1を移動させる方向に操作することにより、この操作レバー5をハンドルとして、シート本体1を格納位置や使用位置に移動させてその位置にロックさせることができる。
例えば、図1や図4において示したクッションロック装置の解除ケーブルも、他の解除ケーブルと同様にして図2に示した切換機構に連結するようにしてもよい。
また、シート本体が折畳まれた姿勢状態で車体天井に格納される形態を示したが、例えば互いに真っ直ぐな姿勢となるように切り換えられた状態で格納されるようになっていてもよい。
また、フロアロック装置がシートバックに配備された構成を例示したが、シートクッションに配備されていてもよい。
2 シートバック
3 シートクッション
4 ヘッドレスト
5 操作レバー
5c 操作ケーブル
6 連結アーム
6d ダンパー
7 フロアロック装置
7c 解除ケーブル
8 天井ロック装置
8c 解除ケーブル
9 クッションロック装置
9c 解除ケーブル
10 ロック構造
11 ベース板
11a 受入口
11b ストッパ
12 ラッチ
12a 上顎
12b 下顎
12c 掛部
12d 角部
12e 支軸
13 ポール
13a 操作腕
13b 爪部
13c 掛部
13e 支軸
14 引張ばね
15 解除ケーブル
16 ストライカ
20 切換機構
21 ベース板
21a ストッパ
22 第1アーム
22a 支軸
23 第2アーム
23a 支軸
23b 係合ピン
F 車体フロア
C 車体天井
S1 ストライカ
S2 ストライカ
S3 ストライカ
P 操作者
Claims (2)
- 着座部となるシート本体を車体フロア上の使用位置から車体天井下の格納位置に持ち上げて格納することのできる天井格納式シートであって、
前記シート本体には、車体フロアと解除可能にロックすることのできるフロアロック装置と、車体天井と解除可能にロックすることのできる天井ロック装置と、が配備されており、
当該各ロック装置は、常時は、前記シート本体が車体フロア或いは車体天井に押し付けられる動きによって該車体フロア或いは車体天井とロックすることのできるロック可能状態となっているが、前記シート本体に設けられた操作レバーの解除操作によって前記各ロック装置に繋がれた各解除ケーブルが牽引操作された状態では前記各ロック装置はそれらのロック状態が解除されてロック不能な状態に保持されるようになっており、
前記操作レバーの解除操作力を前記各解除ケーブルに伝達する操作力伝達経路には前記操作レバーの解除操作の進行に伴って該操作レバーから入力された解除操作力を前記各解除ケーブルに伝達して前記各ロック装置のロック状態を解除した後に前記各解除ケーブルへの操作力の伝達を遮断して前記各解除ケーブルの牽引操作状態を解除することで前記各ロック装置をロック不能状態からロック可能状態に戻すことのできる切換機構が設けられており、該切換機構の作動により、前記操作レバーが解除操作されている状態であっても前記各ロック装置がロック不能状態からロック可能状態に切り替えられた状態に保たれる構成とされていることを特徴とする天井格納式シート。 - 請求項1に記載の天井格納式シートであって、
前記操作レバーは背凭れとなるシートバックの背面部に下端部がヒンジ連結された剛体板によって形成されており、該剛体板よりなる操作レバーを前記シートバックの後方側に倒し込む操作によって前記各ロック装置のロック状態が解除操作されるようになっており、該シートバックの後方側に倒し込んだ操作レバーをハンドルとして前記シート本体を車体フロア上の使用位置と車体天井下の格納位置との間で移動させる操作が行われるようになっていることを特徴とする天井格納式シート。
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