JP5188574B2 - バルブクリアランスの調整方法および調整装置 - Google Patents
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Description
カムシャフトのカムが吸排気バルブを開く方式に、カムが、直接、バルブリフターを押してバルブを開閉駆動させる直動式と、カムがロッカーアームと呼ばれるアームを介してバルブを押し、バルブを開閉駆動させるロッカーアーム式とがある。
吸排気バルブは、燃焼室からの熱によって熱膨張する。バルブが熱膨張すると吸排気タイミングが変わるため、熱膨張変化を吸収すべく、カムがバルブリフターやロッカーアームのカムシャフト当接部(ローラ、スリッパー面)を押していない状態で、カムとバルブリフター(またはロッカーアームのカムシャフト当接部)との間に調整のためのクリアランス(バルブクリアランス)が設けられる。
エンジンの組立製造時においては、通常、シリンダヘッドにバルブを組み付けた後、バルブクリアランスをバルブクリアランス調整装置にて自動調整し、その調整後、バルブクリアランスを実際に測定し、確認している。
アジャストスクリューを一方向に回転させ、バルブが任意のバルブ開き量で開放される状態までアジャストスクリューを締め込んだ後、アジャストスクリューを逆方向に任意の回転角度で回転させ、バルブが任意のバルブ開き量で開放される位置から、カムシャフトとカムシャフト当接部とが所望のバルブクリアランス値で離間している位置までアジャストスクリューを緩める際に、
カムシャフトとカムシャフト当接部とが当接しているときはカムシャフト当接部の円弧面中心およびロッカーアームの他端側を支点にロッカーアームが回動し、その回動の際のアジャストスクリュー回転角度とバルブ開き量との関係に基づいて、バルブが任意のバルブ開き量で開放される位置からカムシャフトとカムシャフト当接部とが当接する位置に達するまでに必要なアジャストスクリューの回転角度である第1の回転角度を決定し、
カムシャフトとカムシャフト当接部とが離間しているときはロッカーアームの一端側を支点にロッカーアームが回動し、その回動の際のアジャストスクリュー回転角度とバルブクリアランス値との関係に基づいて、カムシャフトとカムシャフト当接部とが当接する位置から所望のバルブクリアランス値が得られる位置に達するまでに必要なアジャストスクリューの回転角度である第2の回転角度を決定し、
第1の回転角度と第2の回転角度との和を任意の回転角度として、アジャストスクリューを逆方向に回転させる、
ことを特徴とするバルブクリアランスの調整方法である。
アジャストスクリューを一方向に回転させ、カムシャフトとカムシャフト当接部とが離間している状態から、カムシャフトとカムシャフト当接部とが当接するバルブ開き量ゼロの状態を経て、バルブが任意のバルブ開き量で開放される状態までアジャストスクリューを締め込み、バルブをリフトさせる締め込みステップと、
バルブを開いている間、バルブの開き量を測定手段にてリアルタイムに測定するバルブ開き量測定ステップと、
アジャストスクリューを逆方向に回転させ、バルブの開放状態とバルブ開き量ゼロの状態との間の任意のガタ取り位置までアジャストスクリューを緩めるガタ取りステップと、
バルブ開き量ゼロの状態を経て、カムシャフトとカムシャフト当接部とが離間し、所望のバルブクリアランス値に達するまで、更にアジャストスクリューを逆方向に回転させるクリアランス調整ステップと、
を備え、
クリアランス調整ステップにて、アジャストスクリューを任意の回転角度で、逆方向に回転させ、ガタ取り位置から所望のバルブクリアランス値が得られる位置までアジャストスクリューを緩める際に、
カムシャフトとカムシャフト当接部とが当接しているときはカムシャフト当接部の円弧面中心およびロッカーアームの他端側を支点にロッカーアームが回動し、その回動の際のアジャストスクリュー回転角度とバルブ開き量との関係に基づいて、ガタ取り位置からカムシャフトとカムシャフト当接部とが当接する位置に達するまでに必要なアジャストスクリューの回転角度である第1の回転角度を決定し、
カムシャフトとカムシャフト当接部とが離間しているときはロッカーアームの一端側を支点にロッカーアームが回動し、その回動の際のアジャストスクリュー回転角度とバルブクリアランス値との関係に基づいて、カムシャフトとカムシャフト当接部とが当接する位置から所望のバルブクリアランス値が得られる位置に達するまでに必要なアジャストスクリューの回転角度である第2の回転角度を決定し、
第1の回転角度と第2の回転角度との和を任意の回転角度として、アジャストスクリューを逆方向に回転させる、
ことを特徴とするバルブクリアランスの調整方法である。
アジャストスクリューを一方向に回転させ、カムシャフトとカムシャフト当接部とが離間している任意の初期状態から、バルブが任意のバルブ開き量で開放される状態までアジャストスクリューを締め込み、
その後、任意のバルブ開放状態のまま、任意の第1安定時間にて保持し、
その後、アジャストスクリューを逆方向に回転させ、任意のバルブ開放状態から、任意の初期状態までアジャストスクリューを緩める、
なじませ動作ステップを備える、
請求項2記載のバルブクリアランスの調整方法である。
アジャストスクリューを緩める方向に回転させるときは、アジャストスクリューを回転させるサーボモータの回転値に基づいてアジャストスクリュー移動量を求め、そのアジャストスクリュー移動量に基づいてアジャストスクリューの回転を停止する、
請求項2記載のバルブクリアランスの調整方法である。
請求項2記載のバルブクリアランスの調整方法である。
ガタ取りステップとクリアランス調整ステップとの間に、任意の第3安定時間にて保持する第2安定ステップと、
を更に備える、
請求項2記載のバルブクリアランスの調整方法である。
前記アジャストスクリューを一方向に回転させ、前記バルブが任意のバルブ開き量で開放される状態までアジャストスクリューを締め込んだ後、前記アジャストスクリューを逆方向に任意の回転角度で回転させ、前記バルブが任意のバルブ開き量で開放される位置から、前記カムシャフトと前記カムシャフト当接部とが所望のバルブクリアランス値で離間している位置までアジャストスクリューを緩める際に、
前記カムシャフトと前記カムシャフト当接部とが当接しているときは前記カムシャフト当接部の円弧面中心および前記ロッカーアームの他端側を支点にロッカーアームが回動し、その回動の際のアジャストスクリュー回転角度とバルブ開き量との関係に基づいて、前記バルブが任意のバルブ開き量で開放される位置から前記カムシャフトと前記カムシャフト当接部とが当接する位置に達するまでに必要なアジャストスクリューの回転角度である第1の回転角度を決定し、
前記カムシャフトと前記カムシャフト当接部とが離間しているときは前記ロッカーアームの一端側を支点にロッカーアームが回動し、その回動の際のアジャストスクリュー回転角度とバルブクリアランス値との関係に基づいて、前記カムシャフトと前記カムシャフト当接部とが当接する位置から前記所望のバルブクリアランス値が得られる位置に達するまでに必要なアジャストスクリューの回転角度である第2の回転角度を決定し、
前記第1の回転角度と前記第2の回転角度との和を前記任意の回転角度として、前記アジャストスクリューを逆方向に回転、制御する、
制御装置を備える、
ことを特徴とするバルブクリアランスの調整装置である。
位置決めされた前記シリンダヘッドの下方に設けられ、前記バルブにおけるバルブフェースの下面に当接され、バルブの開き量を直接的に、かつ、リアルタイムに測定するバルブ開き量測定ユニットと、
を更に備える、
請求項7記載のバルブクリアランスの調整装置である。
を更に備え、
前記制御装置は、前記バルブ開き量測定ユニットにより測定されたバルブ開き量の測定値に基づいて、前記バルブクリアランス調整ユニットによる前記アジャストスクリューの回転を調整し、バルブクリアランス値の調整を行う、
請求項8記載のバルブクリアランスの調整装置である。
本発明の好適一実施の形態に係るバルブクリアランス調整装置の外観斜視図を図1に、図1にて搬送されるパレットおよびシリンダヘッドの側面図を図2に示す。また、図1の正面図を図3に、図3の4方向矢視図(右側面図)を図4に、図3の5方向矢視図(左側面図)を図5に示す。
具体的には、押さえユニット90は、パレット21に載置されるシリンダヘッド22(図2参照)を押さえるものであり、この押さえユニット90の下方位置に、昇降ユニット60が設けられ、この昇降ユニット60にて搬送装置30が支持される。搬送装置30にてパレット21が搬送方向(図1中ではX軸方向)に搬送される。また、バルブクリアランス調整ユニット110は、アジャストスクリュー(後述)を回動させるものであり、押さえユニット90の後方位置(図1中では右上位置)に設けられる。また、カムシャフト回転ユニット70は、シリンダヘッド22のカムシャフト23(図2参照)を回転させるものであり、搬送装置30の搬送方向(図1中の矢印A1方向)上流部分に臨んで設けられる。
搬送装置30は、図6に示すように、2本のレール部材31,31と、レール部材31,31を水平、平行に支持するテーブル本体部32と、一方のレール部材31に設けられるコンベヤ駆動モータ33とで構成され、後述する昇降ユニット60にて下方より支持される。このレール部材31,31を跨いでパレット21が載置、搬送される。パレット21は中央に開口部24を有しており、この開口部24からテーブル本体部32の上面の一部が露出される。レール部材31,31の両端には、それぞれ図示しない上流側搬送ラインおよび下流側搬送ラインが接続される。レール部材31,31上のパレット21は、コンベヤ駆動モータ33の駆動により搬送、停止される。
搬送装置30は、既存の搬送用コンベアであれば全て適用可能であるが、例えば、片輪駆動型のフリーフローコンベヤが挙げられる。フリーフローコンベヤとしては、チェーン式、ローラ式のいずれであってもよい。
図6に示すように、ベース部材12上に本体部64が設けられる。この本体部64上に、搬送装置30をパレット21ごと矢印A61の方向に昇降させるべく、第4昇降部62が設けられる。この第4昇降部62にて、テーブル本体部32が下方より支持される。本体部64の搬送方向下流側に、搬送装置30で搬送されるパレット21の搬送位置決めを行うべく、ストッパ61(パレット位置決め手段)が設けられる。また、本体部64の上面の、パレット21の開口部24に臨む位置に、シリンダヘッド22を位置決めするシリンダヘッド位置決め部63(パレット位置決め手段)が垂設される。シリンダヘッド位置決め部63は、その先端(上端)がテーブル本体部32から突出する長さに形成される。図13(a)に示すように、搬送面高さHにあるシリンダヘッド22を、図13(b)に示すように下降させた際に、シリンダヘッド位置決め部63の先端が、シリンダヘッド下面に予め設けておいた凹部(図示せず)に嵌り込むことで、シリンダヘッド22の位置決めがなされる。
図1に示すように、搬送装置30に隣接して、ベース部材12上にカムシャフト回転ユニット70(本体部72)が立設される。
図7に示すように、本体部72の搬送装置側(図中の左下側)に、Z−X平面上に延びる第1取付板731が設けられる。この第1取付板731の搬送装置側に、Z軸方向に延びるガイドレール732が少なくとも1本(図中では2本を図示)設けられる。また、本体部72に固定して、第3昇降部アクチュエータ(エアシリンダ)75がガイドレール732と平行に設けられる。エアシリンダ75の先端は、第1取付板731に形成した開口部(図示せず)に挿通して設けられる連結部材を介して、Z−X平面上に延びる第2取付板741(第3昇降部)に固定される。このエアシリンダ75の駆動により、ガイドレール732に沿って第2取付板741がZ軸方向(矢印A73の方向)にスライドされる。
図9に示すように、ベース部材12上に押さえユニット90(テーブル部92)が載置される。Y−X平面上に延びるテーブル部92の中央には開口921が形成される。この開口921からバルブ開き量測定ユニット80が突出される。
テーブル部92上のY軸方向一方端側(図9中の右上側)に下垂直フレーム93が立設される。下垂直フレーム93の開口921に面する側に、Z軸方向に延びる直動ガイド94が少なくとも1本(図中では2本を図示)が設けられる。この下垂直フレーム93に係合して上垂直フレーム95が設けられる。上垂直フレーム95は、直動ガイド94と係合するガイドレール96を有する。テーブル部92の下面に固定して、第2昇降部アクチュエータ(エアシリンダ)98がガイドレール96と平行に設けられる。エアシリンダ98の先端は、上垂直フレーム95に固定される。このエアシリンダ98の駆動により、直動ガイド94に沿って上垂直フレーム95がZ軸方向(矢印A91の方向)にスライドされる。
シリンダヘッド押さえ部101、ロッカーアーム押さえ部102、および天井フレーム97で押さえユニット本体部が構成される。また、テーブル部92、下垂直フレーム93、直動ガイド94、上垂直フレーム95、ガイドレール96、およびエアシリンダ98で第2昇降部が構成される。シリンダヘッド押さえ部101にてシリンダヘッド22の上面が押さえられ、ロッカーアーム押さえ部102にて後述するロッカーアーム223の上面が押さえられる。
図8に示すように、バルブ開き量測定ユニット80は、複数本(図中では8本を図示)のリニアゲージ81で構成される。各リニアゲージ81は、テーブル部92の下面に吊り下げられるU字型のゲージ支持フレーム91内に、搬送方向(図中のX軸方向)に配設される。図10に示すように、リニアゲージ81は、先端側(図中の上端側)の本体部82と、基部側(図中の下端側)の昇降部(エアシリンダ)83とで構成される。このエアシリンダ83により、本体部82の先端が上下方向(図中のZ軸方向)に位置合わせされる。本体部82の大部分は、テーブル部92の開口921から上方に突出される。各リニアゲージ81の先端は、後述するバルブ222に当接される(図15参照)。
バルブクリアランス調整ユニットの分解斜視図を図11に、図11におけるナットランナ部の拡大正面図を図12に示す。
図11に示すように、バルブクリアランス調整ユニット110は、アジャストスクリューを回動させるナットランナ121を少なくとも1つ有するナットランナ部120と、そのナットランナ部120に接続され、ナットランナ部120をアジャストスクリューに対して昇降させる第1昇降部130と、第1昇降部130に固定して設けられ、ナットランナ121を個別に水平方向にスライド移動させるスライドユニット140とを有する。
先ず、パレット21上に載置されたシリンダヘッド22が、搬送装置30にてバルブクリアランス調整装置10に搬入される。パレット21は、ストッパ61により、押さえユニット90の直下位置で搬送位置決めされる。この位置決めされたパレット21は、昇降ユニット60にて搬送装置30ごと下降され、シリンダヘッド位置決め部63にてシリンダヘッド22が位置決めされる。
本発明の好適一実施の形態に係るバルブクリアランス調整方法を説明するためのシリンダヘッド上部およびナットランナ部の模式図を図15に、バルブクリアランス値およびバルブの開き量と、時間との関係を図16に示す。
ここで言う“バルブクリアランス”とは、カムシャフト227とローラ224との間のクリアランスを示している。
先ず、図17(a)に示す初期状態にあるアジャストスクリュー225およびナット226に対して初期緩めがなされる(図17(b))。次に、図17(c)に示すように、アジャストスクリュー225を一方向に回転(右回転)させ、図16に示すように、カムシャフト227とローラ224とが任意のバルブクリアランス値L1で離間している初期状態(位置a)から、バルブクリアランスゼロの状態(バルブ開き量ゼロの状態;位置b)を経て、バルブ222が任意のバルブ開き量L2で開放される状態(位置c)までアジャストスクリュー225が締め込まれる(図16の区間a−c)。その後、任意のバルブ開放状態のまま、任意の第1安定時間t1にて保持される(区間c−d)。その後、図17(d)に示すように、アジャストスクリュー225を逆方向に回転(左回転)させ、任意のバルブ開放状態(位置d)から、バルブクリアランスゼロ(位置e)を経て、任意のバルブクリアランス値L3で離間している状態(位置f)までアジャストスクリュー225が緩められる(図16の区間d−f)。その後、任意の時間t2にて保持される(図16の区間f−g)。
また、アジャストスクリュー225を締め込んでいくと、バルブクリアランスが徐々に小さくなり、バルブ開き量ゼロの状態以降は、バルブ222が徐々に開放される。一方、アジャストスクリュー225を緩めていくと、バルブ開き量が徐々に小さくなり、バルブ開き量ゼロの状態以降は、バルブクリアランスが徐々に大きくなる。
次に、図17(e)に示すように、アジャストスクリュー225を一方向に回転させ、カムシャフト227とローラ224とが離間している任意の状態(位置g)から、カムシャフト227とローラ224とが当接するバルブ開き量ゼロの状態(位置h)を経て、バルブ222が任意のバルブ開き量L4で開放される状態(位置i)までアジャストスクリュー225が再び締め込まれる(図16の区間g−i)。その後、図17(f)に示すように、任意の第2安定時間t3にて保持される(図16の区間i−j;第1安定ステップ)。
次に、図17(g)に示すように、バルブ222の開き量が任意の量だけ小さくなるようにアジャストスクリュー225を逆方向に回転させる。具体的には、バルブ222を移動量L5で上昇させ、バルブ222の開放状態(位置j)とバルブ開き量ゼロの状態(位置m)との間の任意のバルブ開き量L6(=L4−L5)のガタ取り位置(位置k)までアジャストスクリュー225が緩められる(図16の区間j−k)。その後、図17(h)に示すように、任意の第3安定時間t4にて保持される(図16の区間k−l;第2安定ステップ)。
締め込みステップとクリアランス調整ステップ(後述)との間に、締め込みステップとは逆回転のガタ取りステップを導入することで、アジャストスクリュー225、ロッカーアーム223などの機械的なガタ(バックラッシ)が取り除かれる。このガタ取りステップおよびクリアランス調整ステップは同じ方向への回転であるが、ガタ取りステップの回転角度はクリアランス調整ステップの回転角度と比べて小さくて十分である。
その後、任意のバルブ開き量L6のガタ取り位置(位置l)から、バルブ開き量ゼロの状態(位置m)を経て、カムシャフト227とローラ224とが離間し、所望のバルブクリアランス値L7に達する(位置n)まで、図17(i)に示すように、更にアジャストスクリュー225が逆方向に回転される(図16の区間l−n)。その後、任意の時間t5にて保持される(区間n−o)。最後に、図17(j)に示すように、ナット226が締め込まれ、バルブクリアランスの調整が完了する。
ところが、このゼロ点というのは、バルブの上昇が止まったことが確認されることで初めて見いだされるものであるため、厳密に言うと、ゼロ点というのはバルブクリアランス値が0ではない(バルブクリアランス値>0)。よって、バルブクリアランス値0を正確に反映していないゼロ点を基準にして所望のバルブクリアランス値を調整すると、得られるバルブクリアランス値は当然不正確なものとなる。
よって、カムシャフト227とローラ224とが当接しているか否かで異なる挙動を示す支点調整式のロッカーアーム223を用いたシリンダヘッド22で、精度良くバルブクリアランスを調整することができる。
前実施の形態に係るバルブクリアランスの調整方法においては、ガタ取りステップは、純粋に、機械的なガタ取りを行うものであった。
これに対して、本実施の形態に係るバルブクリアランスの調整方法は、このガタ取りステップの際に、ガタ取りと共に、回転制御の補正を行う点で異なる。この点以外については、前実施の形態に係るバルブクリアランスの調整方法と同じであるため、以下、その相違点についてのみ説明を行う。
この時、アジャストスクリュー225を回転制御するビット用サーボモータ123による計算上のバルブ移動量L5と、リニアゲージ81による実測のバルブ開き量L6との比較を行う(比較ステップ)。計算上のバルブ開き量L6はL4−L5で求められる。そして、計算上のバルブ開き量L6と実測のバルブ開き量L6とを比較することで、計算値と実測値との差が求まる。これらの差分をビット用サーボモータ123にフィードバックし、補正することで、その後のクリアランス調整ステップにおける回転制御が、実測値により即した正確なものとなる。
21 パレット
22 シリンダヘッド
30 搬送装置
60 昇降ユニット
70 カムシャフト回転ユニット
71 回転連結部
80 バルブ開き量測定ユニット
110 バルブクリアランス調整ユニット
221 シリンダヘッド本体
222 バルブ
223 ロッカーアーム
224 ローラ(カムシャフト当接部)
225 アジャストスクリュー
227 カムシャフト
C1 円弧面中心
θ 任意の回転角度
θ1 第1の回転角度
θ2 第2の回転角度
Claims (9)
- シリンダヘッド本体に組み込まれるバルブと、前記バルブ先端に一端が接続されるロッカーアームと、前記ロッカーアームの他端に螺合自在に接続され、その下端部が前記シリンダヘッド本体に揺動自在に支持されるアジャストスクリューと、前記ロッカーアームの円弧面状のカムシャフト当接部に当接され、前記バルブを開閉させる回転自在なカムシャフトとを備えるシリンダヘッドの、バルブクリアランスを調整する方法であって、
前記アジャストスクリューを一方向に回転させ、前記バルブが任意のバルブ開き量で開放される状態までアジャストスクリューを締め込んだ後、前記アジャストスクリューを逆方向に任意の回転角度で回転させ、前記バルブが任意のバルブ開き量で開放される位置から、前記カムシャフトと前記カムシャフト当接部とが所望のバルブクリアランス値で離間している位置までアジャストスクリューを緩める際に、
前記カムシャフトと前記カムシャフト当接部とが当接しているときは前記カムシャフト当接部の円弧面中心および前記ロッカーアームの他端側を支点にロッカーアームが回動し、その回動の際のアジャストスクリュー回転角度とバルブ開き量との関係に基づいて、前記バルブが任意のバルブ開き量で開放される位置から前記カムシャフトと前記カムシャフト当接部とが当接する位置に達するまでに必要なアジャストスクリューの回転角度である第1の回転角度を決定し、
前記カムシャフトと前記カムシャフト当接部とが離間しているときは前記ロッカーアームの一端側を支点にロッカーアームが回動し、その回動の際のアジャストスクリュー回転角度とバルブクリアランス値との関係に基づいて、前記カムシャフトと前記カムシャフト当接部とが当接する位置から前記所望のバルブクリアランス値が得られる位置に達するまでに必要なアジャストスクリューの回転角度である第2の回転角度を決定し、
前記第1の回転角度と前記第2の回転角度との和を前記任意の回転角度として、前記アジャストスクリューを逆方向に回転させる、
ことを特徴とするバルブクリアランスの調整方法。 - シリンダヘッド本体に組み込まれるバルブと、前記バルブ先端に一端が接続されるロッカーアームと、前記ロッカーアームの他端に螺合自在に接続され、その下端部が前記シリンダヘッド本体に揺動自在に支持されるアジャストスクリューと、前記ロッカーアームの円弧面状のカムシャフト当接部に当接され、前記バルブを開閉させる回転自在なカムシャフトとを備えるシリンダヘッドの、バルブクリアランスを調整する方法であって、
前記アジャストスクリューを一方向に回転させ、前記カムシャフトと前記カムシャフト当接部とが離間している状態から、前記カムシャフトと前記カムシャフト当接部とが当接するバルブ開き量ゼロの状態を経て、前記バルブが任意のバルブ開き量で開放される状態までアジャストスクリューを締め込み、バルブをリフトさせる締め込みステップと、
前記バルブを開いている間、バルブの開き量を測定手段にてリアルタイムに測定するバルブ開き量測定ステップと、
前記アジャストスクリューを逆方向に回転させ、前記バルブの開放状態と前記バルブ開き量ゼロの状態との間の任意のガタ取り位置までアジャストスクリューを緩めるガタ取りステップと、
前記バルブ開き量ゼロの状態を経て、前記カムシャフトと前記カムシャフト当接部とが離間し、所望のバルブクリアランス値に達するまで、更に前記アジャストスクリューを逆方向に回転させるクリアランス調整ステップと、
を備え、
前記クリアランス調整ステップにて、前記アジャストスクリューを任意の回転角度で、逆方向に回転させ、前記ガタ取り位置から前記所望のバルブクリアランス値が得られる位置までアジャストスクリューを緩める際に、
前記カムシャフトと前記カムシャフト当接部とが当接しているときは前記カムシャフト当接部の円弧面中心および前記ロッカーアームの他端側を支点にロッカーアームが回動し、その回動の際のアジャストスクリュー回転角度とバルブ開き量との関係に基づいて、前記ガタ取り位置から前記カムシャフトと前記カムシャフト当接部とが当接する位置に達するまでに必要なアジャストスクリューの回転角度である第1の回転角度を決定し、
前記カムシャフトと前記カムシャフト当接部とが離間しているときは前記ロッカーアームの一端側を支点にロッカーアームが回動し、その回動の際のアジャストスクリュー回転角度とバルブクリアランス値との関係に基づいて、前記カムシャフトと前記カムシャフト当接部とが当接する位置から前記所望のバルブクリアランス値が得られる位置に達するまでに必要なアジャストスクリューの回転角度である第2の回転角度を決定し、
前記第1の回転角度と前記第2の回転角度との和を前記任意の回転角度として、前記アジャストスクリューを逆方向に回転させる、
ことを特徴とするバルブクリアランスの調整方法。 - 前記締め込みステップの前段ステップとして、
前記アジャストスクリューを一方向に回転させ、前記カムシャフトと前記カムシャフト当接部とが離間している任意の初期状態から、前記バルブが任意のバルブ開き量で開放される状態までアジャストスクリューを締め込み、
その後、前記任意のバルブ開放状態のまま、任意の第1安定時間にて保持し、
その後、前記アジャストスクリューを逆方向に回転させ、前記任意のバルブ開放状態から、前記任意の初期状態までアジャストスクリューを緩める、
なじませ動作ステップを備える、
請求項2記載のバルブクリアランスの調整方法。 - 前記アジャストスクリューを締め込む方向に回転させるときは、前記バルブの開き量を測定するバルブ開き量測定ユニットの測定値に基づいてバルブ移動量を求め、そのバルブ移動量に基づいてアジャストスクリューの回転を停止し、
前記アジャストスクリューを緩める方向に回転させるときは、前記アジャストスクリューを回転させるサーボモータの回転値に基づいてアジャストスクリュー移動量を求め、そのアジャストスクリュー移動量に基づいてアジャストスクリューの回転を停止する、
請求項2記載のバルブクリアランスの調整方法。 - 前記ガタ取りステップの際、アジャストスクリューを逆方向に回転させ、前記バルブの開放状態と前記バルブ開き量ゼロの状態との間の任意のガタ取り位置までアジャストスクリューを緩めてガタ取りを行うと共に、前記アジャストスクリューを回転制御するサーボモータによる計算上のバルブ移動量と、前記測定手段による実測バルブ開き量とを比較し、それらの差を前記サーボモータにフィードバックし、回転制御の補正を行う、
請求項2記載のバルブクリアランスの調整方法。 - 前記バルブ開き量測定ステップと前記ガタ取りステップとの間に、任意の第2安定時間にて保持する第1安定ステップと、
前記ガタ取りステップと前記クリアランス調整ステップとの間に、任意の第3安定時間にて保持する第2安定ステップと、
を更に備える、
請求項2記載のバルブクリアランスの調整方法。 - シリンダヘッド本体に組み込まれる少なくとも1つのバルブと、前記バルブ先端に一端が接続されるロッカーアームと、前記ロッカーアームの他端に螺合自在に接続され、その下端部が前記シリンダヘッド本体に揺動自在に支持されるアジャストスクリューと、前記ロッカーアームの円弧面状のカムシャフト当接部に当接され、前記バルブを開閉させる回転自在なカムシャフトとを備えるシリンダヘッドの、バルブクリアランスを調整する装置であって、
前記アジャストスクリューを一方向に回転させ、前記バルブが任意のバルブ開き量で開放される状態までアジャストスクリューを締め込んだ後、前記アジャストスクリューを逆方向に任意の回転角度で回転させ、前記バルブが任意のバルブ開き量で開放される位置から、前記カムシャフトと前記カムシャフト当接部とが所望のバルブクリアランス値で離間している位置までアジャストスクリューを緩める際に、
前記カムシャフトと前記カムシャフト当接部とが当接しているときは前記カムシャフト当接部の円弧面中心および前記ロッカーアームの他端側を支点にロッカーアームが回動し、その回動の際のアジャストスクリュー回転角度とバルブ開き量との関係に基づいて、前記バルブが任意のバルブ開き量で開放される位置から前記カムシャフトと前記カムシャフト当接部とが当接する位置に達するまでに必要なアジャストスクリューの回転角度である第1の回転角度を決定し、
前記カムシャフトと前記カムシャフト当接部とが離間しているときは前記ロッカーアームの一端側を支点にロッカーアームが回動し、その回動の際のアジャストスクリュー回転角度とバルブクリアランス値との関係に基づいて、前記カムシャフトと前記カムシャフト当接部とが当接する位置から前記所望のバルブクリアランス値が得られる位置に達するまでに必要なアジャストスクリューの回転角度である第2の回転角度を決定し、
前記第1の回転角度と前記第2の回転角度との和を前記任意の回転角度として、前記アジャストスクリューを逆方向に回転、制御する、
制御装置を備える、
ことを特徴とするバルブクリアランスの調整装置。 - 前記シリンダヘッドを位置決めするユニットと、
位置決めされた前記シリンダヘッドの下方に設けられ、前記バルブにおけるバルブフェースの下面に当接され、バルブの開き量を直接的に、かつ、リアルタイムに測定するバルブ開き量測定ユニットと、
を更に備える、
請求項7記載のバルブクリアランスの調整装置。 - 位置決めされた前記シリンダヘッドの前記アジャストスクリューに対して近接、離間自在に設けられ、アジャストスクリューを回転させるバルブクリアランス調整ユニット、
を更に備え、
前記制御装置は、前記バルブ開き量測定ユニットにより測定されたバルブ開き量の測定値に基づいて、前記バルブクリアランス調整ユニットによる前記アジャストスクリューの回転を調整し、バルブクリアランス値の調整を行う、
請求項8記載のバルブクリアランスの調整装置。
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