JP2006037830A - カム装置、多気筒エンジンおよびカム装置におけるバルブの変位行程長と変位のタイミングとの変更方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 回転カムによってエンジンの従動節を変位させるカム装置において、前記従動節の変位行程長や従動節が変位するタイミングを素早く変更する。
【解決手段】 回転カム7によってエンジンのバルブ3を変位させるカム装置1において、バルブ3の変位行程長を変更可能な行程長変更手段17と、バルブ3が変位するタイミングを変更可能なタイミング変更手段15とを有し、変位行程長変更手段17とタイミング変更手段15とによって、前記エンジンの1サイクル毎に、バルブ3の変位行程長とバルブ3が変位するタイミングとを変更可能なように構成されている。
【選択図】図1
【解決手段】 回転カム7によってエンジンのバルブ3を変位させるカム装置1において、バルブ3の変位行程長を変更可能な行程長変更手段17と、バルブ3が変位するタイミングを変更可能なタイミング変更手段15とを有し、変位行程長変更手段17とタイミング変更手段15とによって、前記エンジンの1サイクル毎に、バルブ3の変位行程長とバルブ3が変位するタイミングとを変更可能なように構成されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、カム装置、多気筒エンジンおよびカム装置におけるバルブの変位行程長と変位のタイミングとの変更方法に係り、特に、バルブ等の従動節がリフトするタイミングと前記従動節のストロークとを、たとえば、各気筒毎に適宜変更可能なものに関する。
従来、エンジンのバルブの変位行程長(ストローク;最大リフト等)と、前記バルブが変位(リフト)するタイミング(バルブの作用角)とを調整可能なカム装置(バルブトロニック機構)が知られている(たとえば特許文献1のの従来の技術の段落を参照)。
特開2003−254023号公報
ところで、前記従来のカム装置では、たとえば前記コントロールシャフトをサーボモータとウォームギヤとを用いて回動させているので、バルブのストロークや作用角を変えるために、300msec(0.3秒)程度の時間を要し、バルブのストロークや作用角を素早く変更することができないという問題がある。
なお、前記各問題は、回転カムによって従動節が変位するカム装置(エンジン以外の装置に使用されるカム装置)においても発生する問題である。
本発明は、回転カムによってたとえばエンジンのバルブを変位させるカム装置、このカム装置を使用したエンジンおよびカム装置におけるバルブの変位行程長と変位のタイミングとの変更方法において、前記バルブの変位行程長やバルブが変位するタイミングを、素早く変更することができるものを提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、回転カムによってエンジンの従動節を変位させるカム装置において、前記従動節の変位行程長を変更可能な変位行程長変更手段と、前記従動節が変位するタイミングを変更可能なタイミング変更手段とを有し、前記変位行程長変更手段と前記タイミング変更手段とによって、前記エンジンの1サイクル毎に、前記従動節の変位行程長と前記従動節が変位するタイミングとを変更可能なように構成されているカム装置である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のカム装置において、前記変位行程長変更手段と前記タイミング変更手段とによって、前記エンジンの各気筒毎に、前記従動節の変位行程長と前記従動節が変位するタイミングとを変更可能なように構成されているカム装置である。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のカム装置において、前記変位行程長変更手段と前記タイミング変更手段とを制御可能な制御手段を有し、前記制御手段は、前記エンジンの各気筒毎に、前記従動節が変位するタイミングと前記従動節の変位行程長との間に一定の関係を持たせつつ前記従動節が変位するタイミングと前記従動節の変位行程長とを変更できるように、前記変位行程長変更手段と前記タイミング変更手段とを制御する手段であるカム装置である。
請求項4に記載の発明は、回転カムによってエンジンの従動節を変位させるカム装置における従動節の変位行程長と変位のタイミングとの変更方法において、前記回転カムが1回転する間であって前記従動節が着座しているときに、前記従動節の変位行程長を、前記エンジンの各気筒毎に変更する変位行程長変更段階と、前記回転カムが1回転する間であって前記従動節が着座しているときに、前記従動節が変位するタイミングを、前記エンジンの各気筒毎に変更するタイミング変更段階とを有するカム装置における従動節の変位行程長と変位のタイミングとの変更方法である。
請求項5に記載の発明は、回転カムによって従動節が変位するカム装置において、フレームと、前記フレームに対して回転する前記回転カムによって揺動し、この揺動中心の位置が移動することによって前記従動節が変位するタイミングを変更可能な中間カムと、前記中間カムの揺動により前記フレームに対して揺動するロッカーアームと、前記ロッカーアームの揺動によって揺動し、この揺動をするときの揺動中心の位置が移動することによって前記従動節の変位行程長を変更可能な揺動カムと、前記中間カムの揺動中心の位置を移動位置決め可能な中間カム移動位置決め手段と、前記揺動カムの揺動中心の位置を移動位置決め可能な揺動カム移動位置決め手段とを有するカム装置である。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のカム装置において、前記従動節が変位しているときに前記揺動カムの揺動中心の位置を保持することが可能な制動手段を有するカム装置である。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のカム装置において、前記制動手段は、前記揺動カムを用いて、前記揺動カムの揺動中心の位置を保持する手段であるカム装置である。
請求項8に記載の発明は、請求項5〜請求項7のいずれか1項に記載のカム装置において、前記中間カム移動位置決め手段は、第1のアクチュエータで駆動するようになっており、前記揺動カム移動位置決め手段は、前記第1のアクチュエータとは異なる第2のアクチュエータで駆動するようになっており、または、前記中間カム移動位置決め手段と前記揺動カム移動位置決め手段とは、1つのアクチュエータで駆動するようになっているカム装置である。
請求項9に記載の発明は、請求項5〜請求項7のいずれか1項に記載のカム装置において、前記中間カム移動位置決め手段と前記揺動カム移動位置決め手段とは、1つのアクチュエータで駆動するようになっており、前記アクチュエータは、前記フレームに対して直線移動可能なキャリッジを備えたアクチュエータであり、前記キャリッジが移動することによって、前記揺動カムの揺動中心の位置が前記フレームに対して直線的に移動し、前記キャリッジが移動することによって、前記中間カムの揺動中心の位置が前記フレームに対して円弧状に移動するようになっているカム装置である。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載のカム装置において、基端部側が前記キャリッジに一体的に固定され先端部側が前記揺動カムを揺動自在に支持している第1の連結部材と、前記回転カムの回転中心軸と同じ軸を回動中心にして中間部で前記フレームに回動自在に支持され、一端部側で前記中間カムを揺動自在に支持している中間カム支持部材と、基端部側で前記キャリッジに回動自在に支持され、先端部側で前記中間カム支持部材の他端部側と回動自在に係合している第2の連結部材とを有し、前記従動節の変位行程長が小さくなるように前記キャリッジが移動すると、前記従動節が変位をし始めるタイミングが早くなるように、前記回転カムが回転し、前記第1の連結部材、前記第2の連結部材、前記中間カム支持部材が形成され結合されており、また、前記従動節の変位行程長が大きくなるように前記キャリッジが移動すると、前記従動節が変位をし始めるタイミングが遅くなるように、前記回転カムが回転し、前記第1の連結部材、前記第2の連結部材、前記中間カム支持部材が形成され結合されているカム装置である。
請求項11に記載の発明は、請求項9に記載のカム装置において、基端部側が前記キャリッジに一体的に固定され先端部側が前記揺動カムを揺動自在に支持している第1の連結部材と、前記回転カムの回転中心軸と同じ軸を中心にして前記フレームに対し円弧状に移動自在に支持され、前記中間カムを揺動自在に支持している中間カム支持部材と、前記アクチュエータの本体部から突出している突出部に、中間部が揺動自在に支持されている中間部材と、基端部側が前記キャリッジに一体的に固定され、先端部側で前記中間部材の一端部側と回動自在に係合している第2の連結部材と、一端部側で前記中間部材の他端部側と回動自在に係合し、他端部側で前記中間カム支持部材と回動自在に係合している第3の連結部材とを有し、前記従動節の変位行程長が小さくなるように前記キャリッジが移動すると、前記従動節が変位をし始めるタイミングが早くなるように、前記回転カムが回転し、前記第1の連結部材、前記第2の連結部材、前記第3の連結部材、前記中間部材、前記中間カム支持部材が形成され結合されており、また、前記従動節の変位行程長が大きくなるように前記キャリッジが移動すると、前記従動節が変位をし始めるタイミングが遅くなるように、前記回転カムが回転し、前記第1の連結部材、前記第2の連結部材、前記第3の連結部材、前記中間部材、前記中間カム支持部材が形成され結合されているカム装置である。
請求項12に記載の発明は、請求項5〜請求項7のいずれか1項に記載のカム装置において、前記中間カム移動位置決め手段と前記揺動カム移動位置決め手段とは、1つのアクチュエータで駆動するようになっており、前記アクチュエータは、前記フレームに対して回動可能な回動子を備えたアクチュエータであり、前記回動子が回動することによって、前記揺動カムの揺動中心の位置は前記フレームに対して直線的に移動し、前記回動子が回動することによって、前記中間カムの揺動中心の位置が前記フレームに対して円弧状に移動するようになっているカム装置である。
請求項13に記載の発明は、請求項5〜請求項12のいずれか1項に記載のカム装置を、各気筒毎に設けてある多気筒エンジンである。
本発明によれば、バルブの変位行程長やバルブが変位するタイミングを素早く変更することができ、この変更によって、カム装置が使用されたエンジンのポンピングロスを低減できる等、カム装置が使用された装置の運転効率を上げることができるという効果を奏する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係るカム装置1の概略構成を示す図である。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るカム装置1の概略構成を示す図である。
カム装置1は、たとえば、4サイクル多気筒エンジン等の内燃機関の吸気弁(従動節の例である吸気バルブ)3や排気弁(従動節の例である排気バルブ)を動作(リフト;変位)させるためのものであり、シリンダブロックやシリンダヘッドで構成されたフレーム5を備えている。
なお、前記カム装置1は、前記エンジンの各気筒毎に(たとえば各気筒の吸気バルブや排気バルブ毎に)設けられているものである。したがって、4気筒エンジンの場合には、8つの前記カム装置1を備えていることになる。また、回転カム7を回転させているカムシャフト2は、複数の各カム装置1に共通に使用されるものである。
前記フレーム5には、回転カム7(カムシャフト2)が回転自在に設けられている。前記回転カム7は、前記4サイクル多気筒エンジンのクランクシャフトから回転力を得て、回転中心軸CL1を中心にして、矢印AR1で示すようにたとえば反時計まわりに回転するようになっている。
また、前記カム装置1には、前記バルブ3が変位するタイミング(作用角)や前記バルブ3の変位行程長(ストローク)を変更可能な中間カム9が設けられている。
前記中間カム9は、前記回転カム7の回転によって、揺動中心CL3を中心にして矢印AR3で示すように揺動し、前記回転カム7の回転中心CL1を回動中心にして前記中間カム9の揺動中心CL3の位置が、矢印AR5で示すように円弧状に移動して、前記バルブ3がリフトするタイミングや前記バルブ3のストロークを変更することができるようになっている。
また、前記カム装置1には、前記中間カム9と協働して、前記バルブ3が変位するタイミングや前記バルブ3の変位行程長を変更するロッカーアーム11が設けられている。このロッカーアーム11は、この一端部側(たとえば上側)で、前記フレーム5に対し、揺動中心軸CL5を中心にして矢印AR7の方向に揺動自在なように、前記フレーム5に支持されており、前記中間カム9が揺動することによって揺動するようになっている。
さらに、前記カム装置1には、前記バルブ3の変位行程長と前記バルブ3が変位するタイミングとを変更可能な揺動カム13が設けられている。
前記揺動カム13は、前記ロッカーアーム11の揺動により揺動中心CL7を中心にして矢印AR9の方向で揺動し、さらに時計まわりに揺動することによって前記バルブ3をリフト(変位)させることができるようになっている。また、前記揺動カム13の揺動中心CL7の位置が、直線的に移動することによって前記バルブ3の変位行程長と前記バルブ3が変位するタイミングとを変更することができるようになっている。
前記カム装置1には、前記中間カム9の揺動中心CL3の位置を移動位置決め可能な中間カム移動位置決め手段15と、前記揺動カム13の揺動中心CL7の位置を移動位置決め可能な揺動カム移動位置決め手段17とが設けられている。
また、カム装置1には、前記バルブ3が変位しているときに前記揺動カム13の揺動中心CL7の位置を保持することが可能な制動手段18が設けられている。この制動手段18は、前記バルブ3が変位していないときには前記揺動カム13の揺動中心CL7の位置を保持しないようになっており、したがって、揺動カム移動位置決め手段17を用いて、前記揺動カム13の揺動中心CL7の位置を移動することができるようになっている。
なお、前記制動手段18は、たとえば、前記揺動カム13を用いて、前記揺動カム13の揺動中心CL7の位置を保持するようになっている。
さらに説明すると、前記バルブ3は、前記揺動カム13と係合している平面状のタペット面19を備えており、このタペット面19は、前記バルブ3の移動方向(リフト方向)に対して直角になっている。
また、前記バルブ3は、圧縮バネ21によって(フレーム5とバルブ3との間に設けられた圧縮バネ21によって)、着座するように(図1の上方に向かうように)付勢されている。なお、図1は、バルブ3が着座している(変位していない;リフトしていない)状態を示している。
前記タペット面19の延伸方向(前記バルブ3の移動方向とほぼ直交する方向)で、揺動カム13、ロッカーアーム11、中間カム9、回転カム7が順に並んで配置されている。また、前記ロッカーアーム11、前記中間カム9、前記回転カム7が並んでいる側とは反対側に、前記制動手段18が設けられている。この制動手段18については、後で詳しく説明する。
ところで、前記揺動カム13は、図示しない付勢手段(たとえばネジリコイルバネ等のバネ)により、反時計まわりに回動するように付勢されている。
そして、揺動カム13の揺動中心CL7の位置にかかわらず、また、揺動中心CL7を中心とした揺動カム13の揺動角度にかかわらず、前記揺動カム13と前記バルブ3のタペット面19とが互いに常に接触し、前記揺動カム13と前記ロッカーアーム11とが互いに常に接触し、前記ロッカーアーム11と前記中間カム9とが互いに常に接触し、前記中間カム9と前記回転カム7とが互いに常に接触するように構成されている。
なお、図1に示す状態では、バルブ3のストロークは最大になっており、前記揺動カム13の揺動中心CL7の位置を、図1に示す状態から矢印AR11の方向でロッカーアーム11(回転カム7)から離れる方向に移動することによって、前記揺動カム13によって変位するバルブ3のストロークが小さくなるようになっている。
また、図1に示す状態では、バルブ3のリフト量は「0」であり(バルブ3は着座していおり)、図1に示す状態から、回転カム7が矢印AR1の方向(反時計まわりの方向)に回転し、中間カム9が矢印AR3の方向で時計回りの方向に揺動し、ロッカーアーム11が矢印AR7の方向で反時計回りの方向に揺動し、揺動カム13が時計まわりの方向に、後述する角度「α7」(図3参照)だけ揺動したときに、この揺動カム13の揺動によって、バルブ3が矢印AR13の方向に移動し始めリフトし始めるようになっている。
また、図1に示す状態、すなわち、バルブ3のストロークが最大になる位置に前記揺動カム13の揺動中心CL7が位置しており、かつ、バルブ3がリフトし始めるような姿勢(揺動角度)にある揺動カム13を揺動中心CL7を中心にして反時計まわりに角度α7だけ回転させた状態を、以下「揺動カムの基準状態」という場合がある。
次に、回転カム7、揺動カム13のプロフィールについて説明する。
図2は、回転カム7のプロフィールについて説明する図であり、図3は、揺動カム13のプロフィールについて説明する図である。なお、図2や図3に示した回転カム7、揺動カム13の姿勢(回転角度、揺動角度)は、図1と同じ状態になっている。
回転カム7のプロフィールは、中間カム9と接触する輪郭部23によって形成されている。
前記輪郭部23は、前記回転カム7が回転しても前記中間カム9が揺動しないような(図1に実線で示す姿勢に存在するような)円弧状の輪郭部(以下、「非揺動輪郭部」)25と、前記回転カム7の回転で前記揺動カム13を揺動させる(図1に破線で示す姿勢になるようにする)ことができる輪郭部(以下、「揺動輪郭部」)27とによって構成されている。
なお、前記非揺動輪郭部25は、回転カム7の回転中心CL1を中心とした中心角β1に応じた部位に形成されており、前記揺動輪郭部27は、回転カム7の回転中心CL1を中心とした中心角β3に応じた部位に形成されている。
揺動カム13のプロフィールは、前記ロッカーアーム11と接触するロッカーアーム側輪郭部29と、前記タペット面19と接触するバルブ側輪郭部(従動節側輪郭部)31、前記制動手段18を稼動させるための制動用輪郭部33とによって形成されている。
前記ロッカーアーム側輪郭部29は、等速カムをある所定の領域で形成しており、揺動カム13の揺動中心CL7を中心とした中心角α1に応じた部位に形成されている。
前記ロッカーアーム側輪郭部29が、等速カムをある所定の領域で形成していることにより、また、詳しくは後述するように、前記中間カム9や前記ロッカーアーム11が、等速カムをある所定の領域で形成していることにより、揺動カム13の揺動中心CL7の位置が、タペット面19に平行に移動しても、回転カム7に対する揺動カム13の揺動特性は、変化しないようになっている。
前記バルブ側輪郭部31は、前記揺動カム13が揺動しても前記バルブ3がリフトしないような円弧状の輪郭部(以下、「非リフト輪郭部」)35と、前記揺動カム13の揺動で前記バルブ3をリフトさせることができる輪郭部(以下、「リフト輪郭部」)37とによって構成されている。
非リフト輪郭部35は、揺動カム13の回転中心CL7を中心とした中心角α3に応じた部位に形成されている。なお、前記非リフト輪郭部35は、回転中心CL7を中心とした中心角α7に応じた第1の輪郭部35Aと、この第1の輪郭部35Aと隣接し、回転中心CL7を中心とした中心角α9に応じた第2の輪郭部35Bとによって形成されている。
また、リフト輪郭部37は、揺動カム13の回転中心CL7を中心とした中心角α5に応じた部位に形成されている。
なお、前記非リフト輪郭部35と前記リフト輪郭部37とは、互いに隣接して設けられており、反時計まわりで順に、前記第2の輪郭部35B、前記第1の輪郭部35A、前記リフト輪郭部37が設けられている。一方、前記ロッカーアーム側輪郭部29や前記制動用輪郭部33は、前記非リフト輪郭部35や前記リフト輪郭部37から離れて設けられている。
図1や図3に示す揺動カムの基準状態から、回転カム7が回転し、回転カム7の揺動輪郭部27が前記中間カム9に接触すると、前記中間カム9や前記ロッカーアーム11を介して、揺動カム13が時計まわりに(図1に破線で示すように)回動し、まず、揺動カム13の前記第1の輪郭部35Aが前記タペット面19に接触し、続いて、前記リフト輪郭部37が、前記タペット面19に接触したときにバルブ3がリフトする。
回転カム7がさらに回転するとバルブ3のリフト量が最大になり、この後、さらなる回転カム7の回転で、揺動カム13が反時計まわりに回動し、前記リフト輪郭部37にかわって前記第1の輪郭部35Aが前記タペット面19に接したときに、前記バルブ3が着座し、この着座後、前記揺動カム13が前記揺動カムの基準状態に戻る。
なお、前記バルブ3がリフトし始めるときには、前記バルブ3の移動速度が緩やかに上昇し、前記バルブ3が着座する直前では、前記バルブ3の移動速度が緩やかに減少するような形状に、前記リフト輪郭部37の形状が調整されている。
ところで、前記揺動カムの基準状態から、揺動カム13の揺動中心CL7の位置を、図1や図3の右方向に移動すると、前記揺動カム13は、バルブ3をリフトさせる方向とは逆の方向である反時計まわりに回動するので、バルブ3のストロークは小さくなる。なお、すでに理解されるように揺動カム13の揺動中心CL7の位置を図1や図3の右方向に移動すると、前記第2の輪郭部35Bが前記タペット面19と接するようになる。
また、回転カム7が高速回転することによる揺動カム13やバルブ3に発生する衝撃力を小さくするために、揺動カム13は、前記揺動カムの基準状態から時計まわりに揺動し始めたときからしばらくの間で、正の値の回転角加速度(揺動加速度)で回動する。
この正の回転角加速度で揺動する間においては、前記揺動カム13の前記第1の輪郭部35Aが前記タペット面19に接触している(バルブ3のストロークが小さいと、前記第2の輪郭部35Bが前記タペット面19に接触している場合もある。)。
さらに、回転カム7が回転すると、バルブ3のリフト量が最大になるまで、負の回転角速度で時計まわりに揺動カム13が回動する。この負の回転角加速度で回動する間においては、前記揺動カム13の前記リフト輪郭部37が前記タペット面19に接触している(バルブ3のストロークが小さいと、前記第2の輪郭部35Bや前記第1の輪郭部35Aが前記タペット面19に接触している場合もある。)。
また、回転カム7がさらに回転し、バルブ3のリフト量が最大になったときからしばらくの間、揺動カム13は、反時計まわりに負の回転角速度で回動する。この負の回転角加速度で回動する間においては、前記揺動カム13の前記リフト輪郭部37が前記タペット面19に接触している(バルブ3のストロークが小さいと、前記第2の輪郭部35Bや前記第1の輪郭部35Aが前記タペット面19に接触している場合もある。)。
さらに、回転カム7が回転すると、揺動カム13は、反時計まわりに正の回転角速度で回動する。この正の回転角加速度で揺動する間においては、前記揺動カム13の前記第1の輪郭部35Aが前記タペット面19に接触している(バルブ3のストロークが小さいと、前記第2の輪郭部35Bが前記タペット面19に接触している場合もある。)。
したがって、前記揺動カム13の揺動加速度が、正の値にあるときには、前記バルブ3はリフトしないようになっており、前記揺動カム13の揺動加速度が、ゼロまたは負の値にあるときに、前記バルブ3がリフトするようになっている。
さらに、前記揺動カムの基準状態からバルブ3のストロークを小さくすべく揺動カム13の揺動中心CL7の位置を図1や図3よりも右方向に移動すると、前記揺動カム13が反時計まわりに回動し前記第2の輪郭部35Bが前記タペット面19と接触するので、揺動カム13のリフト輪郭部37がタペット面19に接触する前に、すなわち、前記第2の輪郭部35Bや前記第1の輪郭部35Aがタペット面19に接触している間に、揺動カム13の回転角速度は負の値になり、したがって、バルブ3のストロークを小さくした場合でも、前記揺動カム13の揺動加速度が、ゼロまたは負の値にあるときに、前記バルブ3がリフトするようになっている。
次に、前記制動手段18について説明する。
前記制動手段18は、図1に示すように、前記揺動カム13を間にして前記バルブ3とは反対側に設けられている「L」字形状の制動用部材39を備えており、この制動用部材39が、折れ曲がっている中間部で回動中心CL9を中心にし矢印AR15の方向に回動するよう前記フレーム5に支持されていると共に、前記制動用部材39が、前記制動用輪郭部33によって揺動することにより、前記揺動カム13の揺動中心CL7の位置を保持しまたは開放することができるようになっている。
より詳しく説明すると、前記揺動カムの基準状態では、または、前記揺動カムの基準状態から、前記揺動カム13が反時計回りに回動した状態では、前記制動用部材39の一端部39A側は水平に(前記タペット面19と平行に)延伸し、前記制動用部材39の他端部39B側が前記バルブ3側(下側)に延伸している。
また、前記揺動カム13を一端部側で揺動自在に支持していると共に、他端部側が前記一端部側から前記タペット面19と平行な方向であって前記ロッカーアーム11から離れる方向に延伸している揺動カム支持部材40が設けられている。
そして、前記制動用部材39が時計回りに僅かに回動することにより、前記制動用部材39の他端部39B側に設けられているシュー41と、フレーム5とによって、前記揺動カム支持部材40が挟みこまれ、前記揺動カム13の揺動中心CL7の位置が保持される(制動される)ようになっている。
なお、前記制動用部材39の一端部39A側が水平に延伸している状態では、前記揺動カム13の揺動中心CL7の位置は保持されずに開放されている。
次に、前記制動用輪郭部33について説明する。前記制動用輪郭部33は、前記制動用部材39の一端部39A側と接触するものである。なお、前記接触を維持するために、前記制動用部材39の中間部にはネジリコイルバネ43等の付勢手段が設けられており、前記制動用部材39が反時計回りに回動するように付勢している。
前記制動用輪郭部33は、図3に示すように、第1の輪郭部33A(揺動中心CL7を中心とした角度γ1に対応している輪郭部)と、この第1の輪郭部33Aに反時計回りの側で隣接して設けられている第2の輪郭部33B(揺動中心CL7を中心とした角度γ3に対応している輪郭部)と、この第2の輪郭部33Bに反時計回りの側で隣接して設けられている第3の輪郭部33C(揺動中心CL7を中心とした角度γ5に対応している輪郭部)とによって構成されている(図3参照)。
なお、前記第1の輪郭部33Aと、前記第2の輪郭部33Bとは、前記揺動中心CL7を中心とした円弧状に形成されており、前記第3の輪郭部33Cの任意の点と前記揺動中心CL7との間の距離は、前記第1の輪郭部33Aや前記第2の輪郭部33Bの円弧の半径よりも大きくなっている。また、前記第1の輪郭部33Aや前記第2の輪郭部33Bが、前記制動用部材39の一端部39A側と接触している状態では、前記制動手段18は制動力を発揮せず、前記第3の輪郭部33Cが前記制動用部材39の一端部39A側と接触している状態で、前記制動用部材39が時計まわりに回動し前記制動手段18が制動力を発揮するようになっている。
前記揺動カムの基準状態では、前記第1の輪郭部33Aと前記第2の輪郭部33Bとの境界が前記制動用部材39の一端部39A側と接触している。また、前記揺動カム13の揺動中心CL7の位置が前記制動手段18によって保持されてから前記バルブ3がリフトするようにするために、前記角度γ3は前記角度α7よりも僅かに小さくなっている。
次に、中間カム9、ロッカーアーム11等について説明する。
前記カム装置1では、前記回転カム7と前記中間カム9とは等速カムを構成しており、前記中間カム9と前記ロッカーアーム11とは等速カムを構成しており、前記ロッカーアーム11と前記揺動カム13とは等速カムを構成している。したがって前述したように、前記回転カム7に対する前記揺動カム13の揺動特性は変化しないようになっている。
たとえば、前記中間カム9は、この中間カム9の揺動中心軸CL3を通る直線に対して対称に形成されている。なお、前記直線は、前記中間カム9を前記カム装置1に設置した場合、前記中間カム9の揺動中心CL3の軌跡に対して接線をなすものである。
また、たとえば、前記ロッカーアーム11は、所定の幅を備えた円弧状に形成されている。すなわち、前記ロッカーアーム11を前記カム装置1に設置し前記ロッカーアーム11の揺動角度(姿勢)が特定の値になったとき(前記非揺動輪郭部25と前記中間カム9とが互いに接触しているとき)、前記ロッカーアーム11のうちので前記中間カム9に接する中間カム側輪郭部11Aと、前記ロッカーアーム1のうちので前記揺動カム13に接する揺動カム側輪郭部11Bとが、前記回転カム7の回転中心軸CL1を中心とした同心円の円弧になるように形成されている。なお、前記中間カム側輪郭部11Aの半径よりも前記揺動カム側輪郭部11Bの半径のほうが大きくなっている(図1参照)。
ところで、前記中間カム移動位置決め手段15は、図8(中間カム移動位置決め手段に使用されているアクチュエータの概略構成を示す図)に示すような第1のアクチュエータ(たとえば、トルクモータ)45で駆動するようになっている。
前記第1のアクチュエータ45の本体部45Aは、前記フレーム5に対して、一体的に設けられている。前記第1のアクチュエータ45の回動子45Bは、前記第1のアクチュエータ45の外にある所定の点CL11を中心にして回動するようになっている。
また、前記回動子45Bには、所定の点CL13を中心にして、前記中間カム9が前記回動子45Bに対し回動自在に設けられている。
なお、図1には前記第1のアクチュエータ45は図示されていないが、前記所定の点CL11が、前記回転カム7の中心軸CL1と一致するように、前記第1のアクチュエータ45が前記カム装置に設置されていることにより、前記中間カム9の揺動中心CL3が、前記回転カム7の回転中心CL1を中心にして移動するようになっている。
前記揺動カム移動位置決め手段17は、図9に示すような第2のアクチュエータ(前記第1のアクチュエータ45とは異なるアクチュエータ;たとえば、リニアモータ)47で駆動するようになっている。
前記第2のアクチュエータ47の本体部47Aは、前記フレーム5に対して、一体的に設けられている。前記第2のアクチュエータ47のキャリッジ47Bは、直線的に移動するようになっている。
そして、図1には示していないが、前記揺動カム支持部材40が前記キャリッジ47Bに一体的に設けられていることにより、前記揺動カム13の揺動中心軸CL7の位置が移動するようになっている。
次に、中間カム9の揺動中心CL3の位置を移動したときの、ロッカーアーム11の揺動について説明する。
図4と図5は、中間カム9の揺動中心CL3の位置を移動したときの、ロッカーアーム11の揺動について説明する図である。
なお、図5の横軸は時刻の経過を示し、縦軸は、ロッカーアーム11の揺動角度(図4に示す状態を「0°」とした揺動角度)を示している。
中間カム9の揺動中心CL3が図4に示すA1の位置に存在しているときには、ロッカーアーム11が揺動するタイミングは早くなると共に、ロッカーアーム11が揺動する角度は小さくなる。中間カム9の揺動中心CL3が図4に示すB1の位置に存在しているときには、ロッカーアーム11が揺動するタイミングは中程度であると共に、ロッカーアーム11が揺動する角度も中程度になっている。さらに、中間カム9の揺動中心CL3が図4に示すC1の位置に存在しているときには、ロッカーアーム11が揺動するタイミングは遅くなっていると共に、ロッカーアーム11が揺動する角度は大きくなっている。
すなわち、回転カム7が反時計回りに回転している状態では、前記中間カム9の揺動中心CL3の位置が、反時計まわりの方向に移動するにしたがって、ロッカーアーム11が揺動するタイミングが遅くなると共に、ロッカーアーム11の揺動量が大きくなるようになっている。
なお、前記中間カム9の揺動中心CL3の位置にかかわらず、前記ロッカーアーム11が揺動している時間は一定になっている。すなわち、図5に示す時間tA1、時間tB1、時間tC1は互いが等しくなっている。
次に、揺動カム13の揺動中心CL7の位置を移動したときの、バルブ3の変位について説明する。
図6と図7は、揺動カム13の揺動中心CL7の位置を移動したときの、バルブ3の変位について説明する図である。
なお、この説明において、前記中間カム9の揺動中心CL3の位置は一定であるものとする。また、図7の横軸は時刻の経過を示し、縦軸は、バルブ3のリフト量(変位量)を示している。
揺動カム13の揺動中心CL7が図6に示すA3の位置に存在しているときには、バルブ3のストロークが最大になっていると共に、バルブ3は早くリフトを開始し遅く着座しバルブ3がリフトしている時間tA3は長くなっている。揺動カム13の揺動中心CL7が図6に示すB3の位置に存在しているときには、バルブ3のストロークが中程度になっていると共に、バルブ3はリフトをやや遅く開始しやや早く着座しバルブ3がリフトしている時間tB3は中程度になっている。さらに、揺動カム13の揺動中心CL7が図6に示すC3の位置に存在しているときには、バルブ3のストロークが小さくなっていると共に、バルブ3はリフトを遅く開始し早く着座しバルブ3がリフトしている時間tC3は短くなっている。
すなわち、前記揺動カム13の揺動中心CL7の位置が、ロッカーアーム11から離れる方向に移動するにしたがって、バルブ3のストロークは小さくなり、バルブ3がリフトを開始する時刻が遅くなり着座する時刻が早くなりバルブ3がリフトしている時間が短くなっている。
なお、前記揺動カム13の揺動中心CL7の位置にかかわらず、前記バルブ3が最大にリフトする時刻は一定になっている。
次に、前記中間カム移動位置決め手段15と、前記揺動カム移動位置決め手段17とを制御して、カム装置1を稼動した場合について説明する。
図10は、前記中間カム移動位置決め手段15と、前記揺動カム移動位置決め手段17とを制御して、カム装置1を稼動した場合について説明する図である。
なお、図10の横軸は回転カム7の回転角を示し、縦軸はバルブ3のリフト量を示している。なお、回転カム7の回転速度が一定であるとすれば、図10の横軸は時刻の経過を示しているということもできる。また、図10に描かれた各グラフG1、G3、G5は、リフト量(作用角)を変えた場合におけるバルブ3の変位状態を示している。
カム装置1では、バルブ3が最大量リフトする時刻が、バルブ3のストロークが大きくなるにしたがって徐々に遅くなるように、前記中間カム移動位置決め手段15と前記揺動カム移動位置決め手段17とを図示しない制御手段で制御するようになっている。
なお、バルブ3が最大量リフトする時刻が遅くなるにしたがって、バルブ3がリフトし始める時刻が徐々に遅くなり、バルブ3が着座する時刻が徐々に早くなるが、リフトし始める時刻が遅くなる度合いよりも、着座する時刻が早くなる度合いのほうが大きい。
また、バルブ3のストロークが大きくなるにしたがって、バルブ3のリフトしている時間が長くなっている。
さらに、エンジンの1サイクル毎(たとえば、回転カム7が1回転する間であって前記バルブ3が着座状態にある間)に、前記中間カム移動位置決め手段15と前記揺動カム移動位置決め手段17とで、バルブ3のリフト量やリフトするタイミングを変更するようになっている。
カム装置1によれば、中間カム9の揺動中心CL3の位置を移動位置決めし揺動カム13の揺動中心CL7の位置を移動位置決めすることによって、前記バルブ3の変位行程長と前記バルブ3が変位するタイミングとを変更しているので、前記バルブ3の変位行程長(ストローク)と前記バルブ3が変位するタイミング(作用角)とを、素早く、すなわち、エンジンの1サイクル毎(たとえば、回転カム7が1回転する間であって前記バルブ3が着座状態にある間)に、変更することができる。
また、前記中間カム移動位置決め手段15や前記揺動カム移動位置決め手段17を、トルクモータ45、リニアモータ47を用いて構成してあるので、前記バルブ3のストロークと作用角とを、素早く変更することを確実に行うことができ、また、カム装置1自体を小型に形成することが容易であり、カム装置1を多気筒エンジンの各気筒毎に設置することが容易になる。
また、カム装置1によれば、前記バルブ3が変位しているときに前記揺動カム13の揺動中心CL7の位置を保持することが可能な制動手段18を備えているので、バルブ3がリフト(変位)しているときであっても、前記揺動カム13の揺動中心CL17の位置の保持を確実に行うことができる。
たとえば、バルブ3がリフトしているときには、前記バルブ3の前記圧縮バネ21等によって、前記揺動カム13の揺動中心CL7の1の位置を移動させる大きな力が前記揺動カム13にかかるが、前記制動手段18で前記揺動カム13の揺動中心CL7の位置を保持するので、リニアモータ47等のアクチュエータの保持力が小さくてもよく、アクチュエータを小型化することができる。
また、カム装置1によれば、前記揺動カム13を用いて、前記揺動カム13の揺動中心CL7の位置を保持するように前記制動手段18が構成されているので、別途前記制動手段18を制御する必要がなく、前記バルブ3が変位しているときに前記揺動カム13の揺動中心CL7の位置を、簡素な構成の装置で保持することができる。
さらに、カム装置1によれば、2つのアクチュエータ45、47のそれぞれで、前記中間カム移動位置決め手段15を駆動し、また、前記揺動カム移動位置決め手段17を駆動しているので、前記バルブ3のストロークの変更と前記バルブ3の作用角の変更とを別個に行うことができ、前記バルブ3のストロークと前記バルブ3の作用角との設定を、図10に示したようなもの以外のものにすることができ、前記変更し設定するときの自由度が高くなっている。
また、前記カム装置1を多気筒エンジンの各気筒毎に設ければ、前記多気筒エンジンの各気筒毎に、バルブ3のストロークや作用角を変更し調整することができる。
さらに、前記カム装置1を、前記多気筒エンジンの各気筒の吸気バルブ毎に設ければ、前記多気筒エンジンの各気筒毎に吸気バルブのストロークや作用角を変更し調整することができ、また、前記カム装置1を、前記多気筒エンジンの各気筒の排気バルブ毎に設ければ、前記多気筒エンジンの各気筒毎に、排気バルブのストロークや作用角を変更し調整することができる。
このように、各気筒毎に、バルブのストロークや作用角を変更することができれば、たとえば、エンジンの高出力時には総ての気筒を稼動させ、低出力時には何本かの気筒のバルブを閉じたままにするような制御を行うことができ、エンジンの低燃費や低エミッションを実現することができる。
また、カム装置1によれば、バルブ3のストロークや作用角を素早く変更することができるので、つまり、前記回転カム7が1回転する間であって前記バルブ3が着座している間に、バルブ3のストロークや作用角を素早く変更することができるので、バルブ3のストロークや作用角の変更時における内部EGR(排ガスの再循環;Exhaust Gas Recirculation)やHCCI(予混合圧縮着火;Homogeneous Charge Compression Ignition)等を確実に行うことができると共に、エンジンのポンピングロスを小さく抑えることができる等、エンジンの運転効率を上げることができる。
すなわち、従来のカム装置では、バルブのストロークや作用角の変更するときにある程度の時間がかかるので、バルブのストロークや作用角を変更する間には、内部EGR等を十分に行うことが困難であるが、本実施形態のカム装置1では、前記回転カム7が1回転する間であって前記バルブ3が変位していない間に、バルブ3のストロークや作用角を変更することができるので、バルブ3のストロークや作用角の変更時における内部EGR制御等を確実に行うことができる。
[第2の実施形態]
図11は、本発明の第2の実施形態に係るカム装置1aの概略構成を示す図である。
図11は、本発明の第2の実施形態に係るカム装置1aの概略構成を示す図である。
第2の実施形態に係るカム装置1aは、1つのアクチュエータで、前記中間カム移動位置決め手段15と前記揺動カム移動位置決め手段17とを駆動している点が、前記第1の実施形態に係るカム装置1と異なり、その他の点は、前記第1の実施形態に係るカム装置1とほぼ同様に構成されほぼ同様の効果を奏する。
なお、図11において、前記第1の実施形態に係るカム装置1と同様に構成されているものには同じ符号を付してある。
前記中間カム移動位置決め手段15と前記揺動カム移動位置決め手段17とを駆動している前記アクチュエータとして、たとえば、図9に示すリニアモータ47が採用されており、前記リニアモータ47の本体部47Aが前記フレーム5に一体的に固定され、前記リニアモータ47のキャリッジ47Bが前記フレーム5に対して直線移動できるようになっている。
そして、前記キャリッジ47Bが移動することによって、前記揺動カム13の揺動中心Cl7の位置が前記フレーム5に対して直線的に移動し、前記中間カム9の揺動中心CL3の位置が前記フレーム5に対して円弧状に移動するようになっている。
詳しく説明すると、前記リニアモータ47は、前記揺動カム13を間にして前記バルブ3とは反対側に設けられており、前記リニアモータ47のキャリッジ47Bは、前記タペット面19と平行に移動できるようになっている。
また、カム装置1aには、第1の連結部材51が設けられており、この連結部材51はこの基端部側で前記キャリッジ47Bに一体的に固定されており、先端部側で前記揺動カム13を揺動自在に支持している。
また、カム装置1aには、前記回転カム7の回転中心軸CL1と同じ軸を回動中心にして中間部で前記フレーム5に回動自在に支持され、一端部側で前記中間カム9を揺動自在に支持している中間カム支持部材53が設けられている。
第2の連結部材55が、前記キャリッジ47Bと前記中間カム支持部材53とを互いに連結している。より詳しく説明すると、前記第2の連結部材55はこの基端部側で前記キャリッジ47Bに回動自在に支持され、先端部側で前記中間カム支持部材53の他端部側と回動自在に係合している。
また、回転カム7が反時計まわりに回転している状態において、前記バルブ3の変位行程長が小さくなるように前記キャリッジ47Bが移動する(図11の右方向に移動する)と、前記バルブ3が変位をし始めるタイミングが早くなるように、前記第1の連結部材51、前記第2の連結部材55、前記中間カム支持部材53が形成され結合されており、また、前記バルブ3の変位行程長が大きくなるように前記キャリッジ47Bが移動すると、前記バルブ3が変位をし始めるタイミングが遅くなるように、前記第1の連結部材51、前記第2の連結部材55、前記中間カム支持部材53が形成され結合されている。
そして、たとえば、図12に示すように、前記キャリッジ47Bが移動することによって、前記バルブ3がリフトし始めるタイミングを一定にしておいて前記バルブ3の変位行程長を変更できるようになっている。なお、バルブ3のストロークが大きくなるにしたがって、バルブ3のリフトしている時間が長くなっている。
さらに、図10の場合と同様に、図12の横軸は回転カム7の回転角を示し、縦軸はバルブ3のリフト量を示している。なお、回転カム7の回転速度が一定であるとすれば、図12の横軸は時刻の経過を示しているということもできる。また、図12に描かれた各グラフG7、G9、G11は、リフト量(作用角)を変えた場合におけるバルブ3の変位状態を示している。
カム装置1aによれば、1つのアクチュエータ(たとえばリニアモータ47)で、前記中間カム移動位置決め手段15を駆動し、また、前記揺動カム移動位置決め手段17を駆動しているので、簡素な構成で前記中間カム移動位置決め手段15と前記揺動カム移動位置決め手段17とを駆動することができる。また、前記制動手段18を設けた場合、前記制動手段18で前記中間カム9の揺動中心の位置CL3をも確実に保持することができる。
[第3の実施形態]
図13は、本発明の第3実施形態に係るカム装置1bの概略構成を示す図である。
図13は、本発明の第3実施形態に係るカム装置1bの概略構成を示す図である。
第3実施形態に係るカム装置1bは、中間カム移動位置決め手段15の機構が、前記第2の実施形態に係るカム装置1aと異なり、その他の点は、前記第2の実施形態に係るカム装置1aとほぼ同様に構成されほぼ同様の効果を奏する。
なお、図13において、前記第2の実施形態に係るカム装置1aと同様に構成されているものには同じ符号を付してある。
カム装置1bは、前記第2の実施形態に係るカム装置1aのロッカーアーム11とは異なる形態のロッカーアーム60を備えており、このロッカーアーム60は、長手方向の中間部で前記フレーム5に対して揺動自在に支持されている。ロッカーアーム60の一端部側が揺動カム13と係合し、他端部側が中間カム9と係合するようになっている。
また、カム装置1bには、前記回転カム7の回転中心軸CL1と同じ軸を中心にして前記フレーム5に対して円弧状に移動自在に支持され、前記中間カム9を揺動自在に支持している中間カム支持部材61が設けられている。
また、カム装置1bには、前記リニアモータ47の本体部47Aから突出している突出部62に中間部が揺動自在に支持されている中間部材63と、基端部が前記キャリッジ47Bに一体的に固定され先端部側で前記中間部材63の一端部側と回動自在に係合している第2の連結部材65と、一端部側で前記中間部材63の他端部側と回動自在に係合し他端部側で前記中間カム支持部材61と回動自在に係合している第3の連結部材67とが設けられている。
そして、回転カム7が反時計まわりに回転している状態において、前記バルブ3の変位行程長が小さくなるように前記キャリッジ47Bが移動(図13の右方向に移動)すると、前記バルブ3が変位をし始めるタイミングが早くなるように、第1の連結部材(前記第2の実施形態に係る第1の連結部材と同様に構成され設置されている連結部材)51、前記第2の連結部材65、前記第3の連結部材67、前記中間部材63、前記中間カム支持部材61が形成され結合されており、また、前記バルブ3の変位行程長が大きくなるように前記キャリッジ47Bが移動すると、前記バルブ3が変位をし始めるタイミングが遅くなるように、前記第1の連結部材51、前記第2の連結部材65、前記第3の連結部材67、前記中間部材63、前記中間カム支持部材61が形成され結合されている。
[第4の実施形態]
第4の実施形態に係るカム装置は、アクチュエータとして、本体部に対して回動子が回動するトルクモータ等を使用している点が、前記第2の実施形態に係るカム装置1a、前記第3の実施形態に係るカム装置1bとは異なり、その他の点は、前記第2の実施形態に係るカム装置1a、前記第3の実施形態に係るカム装置1bとほぼ同様に構成されほぼ同様の効果を奏する。
第4の実施形態に係るカム装置は、アクチュエータとして、本体部に対して回動子が回動するトルクモータ等を使用している点が、前記第2の実施形態に係るカム装置1a、前記第3の実施形態に係るカム装置1bとは異なり、その他の点は、前記第2の実施形態に係るカム装置1a、前記第3の実施形態に係るカム装置1bとほぼ同様に構成されほぼ同様の効果を奏する。
すなわち、第4の実施形態に係るカム装置は、図14(第4の実施形態に係るカム装置に使用するトルクモータの概略構成を示す図)に示すようなトルクモータ71を備えている。このトルクモータ71は、本体部71Aがフレーム5に一体的に固定され、本体部71Aに対して回動する回動子73を備えている。
前記回動子73は2つの腕部73A、73Bを備えており、前記腕部73Aが回動することにより、図示しないカム機構やリンク機構を介して、前記中間カム9の揺動中心CL3の位置が前記フレーム5に対して円弧状に移動するようになっている。
また、前記腕部73Bが回動することにより、図示しないカム機構やリンク機構を介して、前記揺動カム13の揺動中心CL7の位置が前記フレーム5に対して直線的に移動するようになっている。
ところで、上述した各実施形態に係るカム装置は、回転カム7によって多気筒エンジンのバルブ(吸気バルブ、排気バルブ)3を変位させるカム装置であって、前記回転カム7と前記バルブ3との間に設けられた揺動カム13を用いて前記バルブ3の変位行程長を変更可能な変位行程長変更手段と、前記回転カム7と前記バルブ3との間に設けられた中間カム9を用いて前記バルブ3が変位するタイミング(前記回転カム7の回転角度に対する前記バルブ3が変位するタイミング;バルブ3の変位の位相)を変更可能なタイミング変更手段とを有し、前記タイミング変更手段で前記バルブ3が変位するタイミングを変更することにより前記バルブ3の変位行程長が変化したときに、前記変位行程長変更手段で前記バルブ3の変位行程長を修正可能であり、または、前記変位行程長変更手段で前記バルブ3の変位行程長を変更することにより前記バルブ3が変位するタイミングが変化したときに、前記タイミング変更手段で前記バルブ3がリフトするタイミングを修正可能であるように構成されていると共に、前記変位行程長変更手段と前記タイミング変更手段とによって、前記多気筒エンジンの各気筒毎に、前記バルブ3の変位行程長とタイミングとを変更可能なように構成されているカム装置の例である。
なお、前記変位行程長変更手段で、前記バルブ3の変位行程長を変更しても前記バルブ3が最大に変位するタイミングは一定であるが、変位行程長を変更することによって、前記バルブ3がリフトし始めるタイミングと前記バルブ3が着座するタイミングは変化する。たとえば、変位行程長を大きくした場合には、前記バルブ3が早くリフトし始めまた前記バルブ3が遅く着座し、回転カム7の回転速度が一定であるとすると前記バルブ3がリフトしている時間が長くなる。一方、変位行程長を小さくした場合には、前記バルブ3が遅くリフトし始めまた前記バルブ3が早く着座し、回転カム7の回転速度が一定であるとすると前記バルブ3がリフトしている時間が短くなる。
また、前記タイミング変更手段で、前記バルブ3が変位するタイミングを変更することによって、前記バルブ3の変位行程長が変化する。たとえば、前記バルブ3が変位し始めるタイミングを早くすることによって前記バルブ3の変位行程長が小さくなり、前記バルブ3が変位し始めるタイミングを遅くすることによって前記バルブ3の変位行程長は大きくなる。逆に、前記バルブ3が変位し始めるタイミングを早くすることによって前記バルブ3の変位行程長は大きくなり、前記バルブが変位し始めるタイミングを遅くすることによって前記バルブの変位行程長は小さくなる場合(図1において回転カム7が時計まわりに回転している場合)もある。ただし、前記バルブ3がリフトし始めるタイミングを変更しても、回転カム7の回転速度が一定であるとすると、前記バルブ3がリフトしている時間(時間間隔)は一定である。
また、上述した各実施形態に係るカム装置は、さらに、前記変位行程長変更手段と前記タイミング変更手段とを制御可能な制御手段を有するカム装置の例である。なお、前記制御手段は、前記多気筒エンジンの各気筒毎に、前記バルブ3が変位するタイミングと前記バルブ3の変位行程長との間に一定の関係を持たせつつ前記バルブ3が変位するタイミングと前記バルブ3の変位行程長とを変更できるように、前記変位行程長変更手段と前記タイミング変更手段とを制御する手段である。
たとえば、前記バルブ3がリフトし始めるタイミングを一定にしておいて前記バルブ3の変位行程長を変更することができる。このように変更することで、前記バルブ3の変位行程長が長いときにはバルブ3が着座するタイミングが遅く、前記バルブ3の変位行程長が短くなるにしたがってバルブ3が着座するタイミングが早くなる。すなわち、前記バルブ3の変位行程長が短くなるにしたがってバルブ3が変位している時間が短くなる(図12参照)。この場合、前記バルブ3の変位が最大になるタイミングは、前記バルブ3の変位行程長が長くなるにしたがって遅くなる。
または、前記バルブ3がリフトし始めるタイミングが、前記バルブ3の変位行程長が短くなるにしたがって僅かずつ遅くなるように、前記バルブ3の変位行程長を変更することができる。このように変更することで、図12に示す場合とほぼ同様に、前記バルブ3の変位行程長が長いときにはバルブ3が着座するタイミングが遅く、前記バルブ3の変位行程長が短くなるにしたがってバルブ3が着座するタイミングが早くなる。すなわち、前記バルブ3の変位行程長が短くなるにしたがってバルブ3が変位している時間が短くなる(図10参照)。この場合、前記バルブ3の変位が最大になるタイミングは、前記バルブ3の変位行程長が長くなるにしたがって遅くなる。
さらにまた、上述した各実施形態に係るカム装置を、回転カムによって多気筒エンジンのバルブを変位させるカム装置におけるバルブの変位行程長と変位のタイミングとの変更方法であって、前記回転カムが1回転する間であって前記バルブが着座しているとき(前記バルブが変位していないとき)に、前記バルブの変位行程長を、前記多気筒エンジンの各気筒毎に変更する変位行程長変更段階と、前記回転カムが1回転する間であって前記バルブが着座しているとき(前記バルブが変位していないとき)に、前記バルブが変位するタイミングを、前記多気筒エンジンの各気筒毎に変更するタイミング変更段階とを有するカム装置におけるバルブの変位行程長と変位のタイミングとの変更方法として把握してもよい。
1、1a、1b カム装置
3 ハルブ
5 フレーム
7 回転カム
9 中間カム
11 ロッカーアーム
13 揺動カム
15 中間カム移動位置決め手段
17 揺動カム移動位置決め手段
18 制動手段
45、47 アクチュエータ
3 ハルブ
5 フレーム
7 回転カム
9 中間カム
11 ロッカーアーム
13 揺動カム
15 中間カム移動位置決め手段
17 揺動カム移動位置決め手段
18 制動手段
45、47 アクチュエータ
Claims (13)
- 回転カムによってエンジンの従動節を変位させるカム装置において、
前記従動節の変位行程長を変更可能な変位行程長変更手段と;
前記従動節が変位するタイミングを変更可能なタイミング変更手段と;
を有し、前記変位行程長変更手段と前記タイミング変更手段とによって、前記エンジンの1サイクル毎に、前記従動節の変位行程長と前記従動節が変位するタイミングとを変更可能なように構成されていることを特徴とするカム装置。 - 請求項1に記載のカム装置において、
前記変位行程長変更手段と前記タイミング変更手段とによって、前記エンジンの各気筒毎に、前記従動節の変位行程長と前記従動節が変位するタイミングとを変更可能なように構成されていることを特徴とするカム装置。 - 請求項2に記載のカム装置において、
前記変位行程長変更手段と前記タイミング変更手段とを制御可能な制御手段を有し、
前記制御手段は、前記エンジンの各気筒毎に、前記従動節が変位するタイミングと前記従動節の変位行程長との間に一定の関係を持たせつつ前記従動節が変位するタイミングと前記従動節の変位行程長とを変更できるように、前記変位行程長変更手段と前記タイミング変更手段とを制御する手段であることを特徴とするカム装置。 - 回転カムによってエンジンの従動節を変位させるカム装置における従動節の変位行程長と変位のタイミングとの変更方法において、
前記回転カムが1回転する間であって前記従動節が着座しているときに、前記従動節の変位行程長を、前記エンジンの各気筒毎に変更する変位行程長変更段階と;
前記回転カムが1回転する間であって前記従動節が着座しているときに、前記従動節が変位するタイミングを、前記エンジンの各気筒毎に変更するタイミング変更段階と;
を有することを特徴とするカム装置における従動節の変位行程長と変位のタイミングとの変更方法。 - 回転カムによって従動節が変位するカム装置において、
フレームと;
前記フレームに対して回転する前記回転カムによって揺動し、この揺動中心の位置が移動することによって前記従動節が変位するタイミングを変更可能な中間カムと;
前記中間カムの揺動により前記フレームに対して揺動するロッカーアームと;
前記ロッカーアームの揺動によって揺動し、この揺動をするときの揺動中心の位置が移動することによって前記従動節の変位行程長を変更可能な揺動カムと;
前記中間カムの揺動中心の位置を移動位置決め可能な中間カム移動位置決め手段と;
前記揺動カムの揺動中心の位置を移動位置決め可能な揺動カム移動位置決め手段と;
を有することを特徴とするカム装置。 - 請求項5に記載のカム装置において、
前記従動節が変位しているときに前記揺動カムの揺動中心の位置を保持することが可能な制動手段を有することを特徴とするカム装置。 - 請求項6に記載のカム装置において、
前記制動手段は、前記揺動カムを用いて、前記揺動カムの揺動中心の位置を保持する手段であることを特徴とするカム装置。 - 請求項5〜請求項7のいずれか1項に記載のカム装置において、
前記中間カム移動位置決め手段は、第1のアクチュエータで駆動するようになっており、前記揺動カム移動位置決め手段は、前記第1のアクチュエータとは異なる第2のアクチュエータで駆動するようになっており、
または、前記中間カム移動位置決め手段と前記揺動カム移動位置決め手段とは、1つのアクチュエータで駆動するようになっていることを特徴とするカム装置。 - 請求項5〜請求項7のいずれか1項に記載のカム装置において、
前記中間カム移動位置決め手段と前記揺動カム移動位置決め手段とは、1つのアクチュエータで駆動するようになっており、
前記アクチュエータは、前記フレームに対して直線移動可能なキャリッジを備えたアクチュエータであり、
前記キャリッジが移動することによって、前記揺動カムの揺動中心の位置が前記フレームに対して直線的に移動し、
前記キャリッジが移動することによって、前記中間カムの揺動中心の位置が前記フレームに対して円弧状に移動するようになっていることを特徴とするカム装置。 - 請求項9に記載のカム装置において、
基端部側が前記キャリッジに一体的に固定され先端部側が前記揺動カムを揺動自在に支持している第1の連結部材と;
前記回転カムの回転中心軸と同じ軸を回動中心にして中間部で前記フレームに回動自在に支持され、一端部側で前記中間カムを揺動自在に支持している中間カム支持部材と;
基端部側で前記キャリッジに回動自在に支持され、先端部側で前記中間カム支持部材の他端部側と回動自在に係合している第2の連結部材と;
を有し、前記従動節の変位行程長が小さくなるように前記キャリッジが移動すると、前記従動節が変位をし始めるタイミングが早くなるように、前記回転カムが回転し、前記第1の連結部材、前記第2の連結部材、前記中間カム支持部材が形成され結合されており、また、前記従動節の変位行程長が大きくなるように前記キャリッジが移動すると、前記従動節が変位をし始めるタイミングが遅くなるように、前記回転カムが回転し、前記第1の連結部材、前記第2の連結部材、前記中間カム支持部材が形成され結合されていることを特徴とするカム装置。 - 請求項9に記載のカム装置において、
基端部側が前記キャリッジに一体的に固定され先端部側が前記揺動カムを揺動自在に支持している第1の連結部材と;
前記回転カムの回転中心軸と同じ軸を中心にして前記フレームに対し円弧状に移動自在に支持され、前記中間カムを揺動自在に支持している中間カム支持部材と;
前記アクチュエータの本体部から突出している突出部に、中間部が揺動自在に支持されている中間部材と;
基端部側が前記キャリッジに一体的に固定され、先端部側で前記中間部材の一端部側と回動自在に係合している第2の連結部材と;
一端部側で前記中間部材の他端部側と回動自在に係合し、他端部側で前記中間カム支持部材と回動自在に係合している第3の連結部材と;
を有し、前記従動節の変位行程長が小さくなるように前記キャリッジが移動すると、前記従動節が変位をし始めるタイミングが早くなるように、前記回転カムが回転し、前記第1の連結部材、前記第2の連結部材、前記第3の連結部材、前記中間部材、前記中間カム支持部材が形成され結合されており、また、前記従動節の変位行程長が大きくなるように前記キャリッジが移動すると、前記従動節が変位をし始めるタイミングが遅くなるように、前記回転カムが回転し、前記第1の連結部材、前記第2の連結部材、前記第3の連結部材、前記中間部材、前記中間カム支持部材が形成され結合されていることを特徴とするカム装置。 - 請求項5〜請求項7のいずれか1項に記載のカム装置において、
前記中間カム移動位置決め手段と前記揺動カム移動位置決め手段とは、1つのアクチュエータで駆動するようになっており、
前記アクチュエータは、前記フレームに対して回動可能な回動子を備えたアクチュエータであり、
前記回動子が回動することによって、前記揺動カムの揺動中心の位置は前記フレームに対して直線的に移動し、
前記回動子が回動することによって、前記中間カムの揺動中心の位置が前記フレームに対して円弧状に移動するようになっていることを特徴とするカム装置。 - 請求項5〜請求項12のいずれか1項に記載のカム装置を、各気筒毎に設けてあることを特徴とする多気筒エンジン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004218245A JP2006037830A (ja) | 2004-07-27 | 2004-07-27 | カム装置、多気筒エンジンおよびカム装置におけるバルブの変位行程長と変位のタイミングとの変更方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004218245A JP2006037830A (ja) | 2004-07-27 | 2004-07-27 | カム装置、多気筒エンジンおよびカム装置におけるバルブの変位行程長と変位のタイミングとの変更方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006037830A true JP2006037830A (ja) | 2006-02-09 |
Family
ID=35903078
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004218245A Pending JP2006037830A (ja) | 2004-07-27 | 2004-07-27 | カム装置、多気筒エンジンおよびカム装置におけるバルブの変位行程長と変位のタイミングとの変更方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2006037830A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009247111A (ja) * | 2008-03-31 | 2009-10-22 | Tamagawa Seiki Co Ltd | 有限角モータ |
JP2010017017A (ja) * | 2008-07-04 | 2010-01-21 | Tamagawa Seiki Co Ltd | 有限角モータ |
KR100969377B1 (ko) | 2008-04-30 | 2010-07-09 | 현대자동차주식회사 | 연속 가변 밸브 리프트 장치 |
JP2011256817A (ja) * | 2010-06-11 | 2011-12-22 | Nissan Motor Co Ltd | 内燃機関の可変動弁装置 |
-
2004
- 2004-07-27 JP JP2004218245A patent/JP2006037830A/ja active Pending
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KR100969377B1 (ko) | 2008-04-30 | 2010-07-09 | 현대자동차주식회사 | 연속 가변 밸브 리프트 장치 |
JP2010017017A (ja) * | 2008-07-04 | 2010-01-21 | Tamagawa Seiki Co Ltd | 有限角モータ |
JP2011256817A (ja) * | 2010-06-11 | 2011-12-22 | Nissan Motor Co Ltd | 内燃機関の可変動弁装置 |
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