JP5187060B2 - Euvリソグラフィ用反射型マスクの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、EUVリソグラフィ用反射型マスクの製造方法に関する。
従来から、リソグラフィ技術においては、ウェハ上に微細な回路パターンを転写して集積回路を製造するための露光装置が広く利用されている。集積回路の高集積化、高速化および高機能化に伴い、集積回路の微細化が進み、露光装置には深い焦点深度で高解像度の回路パターンをウェハ面上に結像させることが求められ、露光光源の短波長化が進められている。露光光源は、従来のg線(波長436nm)、i線(波長365nm)やKrFエキシマレーザ(波長248nm)から更に進んでArFエキシマレーザ(波長193nm)が用いられ始めている。また、回路の線幅が100nm以下となる次世代の集積回路に対応するため、露光光源としてF2レーザ(波長157nm)を用いることが有力視されているが、これも線幅が70nm世代までしかカバーできないとみられている。
このような技術動向にあって、次の世代の露光光源としてEUV光を使用したリソグラフィ技術が、45nm以降の複数の世代にわたって適用可能と見られ注目されている。EUV光とは軟X線領域または真空紫外域の波長帯の光を指し、具体的には波長が0.2〜100nm程度の光のことである。現時点では、リソグラフィ光源として13.5nmの使用が検討されている。このEUVリソグラフィ(以下、「EUVL」と略する)の露光原理は、投影光学系を用いてマスクパターンを転写する点では、従来のリソグラフィと同じであるが、EUV光のエネルギー領域では光を透過する材料がないために屈折光学系を用いることができず、反射光学系を用いることとなる。
EUVL用のマスクは、ガラス等の基板上にEUV光を反射する反射層と、EUV光を吸収する吸収体層とがこの順で形成された構造のマスクブランクを用いて作成される。具体的には、該マスクブランクの吸収体層をパターニングすることにより(吸収体層の一部を除去してマスクパターンを形成することにより)作成される。ここで、吸収体層が除去されて反射層が露出した部位はマスクパターンの開口部をなし、吸収体層が除去されなかった部位はマスクパターンの非開口部をなす。
EUVL用マスクの反射層としては、高屈折層と低屈折層とを交互に積層することで、EUV光の波長域の光線を層表面に照射した際の、EUV波長域のピーク反射率が高められた多層反射膜が通常使用される。吸収体層には、EUV光に対する吸収係数の高い材料、具体的にはたとえば、CrやTaを主成分とする材料が用いられる。
EUVL用マスクは、反射層および吸収体層のみを有するものであってもよいが、通常はこれら以外の層をさらに有している。例えば、反射層表面の酸化を防止するための保護層が反射層上に形成される場合もある。また、吸収体層をパターニングする目的で実施されるエッチングプロセスにより反射層がダメージを受けるのを防止するため、反射層上にバッファー層が設けられる場合もある。なお、保護層がバッファー層の役割を果たすことができる場合は、バッファー層を兼ねた保護層として一つの膜を設ければよい。これらの層を有する場合、EUVL用マスクの反射部は、反射層ではなく、保護層やバッファー層が露出した状態となる。
また、マスクパターンの検査時のコントラスト、すなわち、マスクパターンの検査光の波長域における、EUVL用マスクの開口部と非開口部との反射率の差を高めるために、該検査光の波長域における反射率が低い反射防止層が吸収体層上に形成されている場合もある。EUVL用マスクが反射防止層を有する場合、該反射防止層が非反射部の最上層となる。
このようなEUVL用マスクと、反射型の露光装置と、を用いて、EUVL用マスクのマスクパターンをシリコンウェハ上に形成されたレジスト膜にマスクパターンを転写した際に、レジスト膜に形成される転写パターン(以下、「レジストパターン」という。)の寸法(レジストパターンのスペース幅(或いは線幅))に設計値からずれが生じる場合があることが問題となっていた。
レジストパターンの寸法に設計値からずれが生じる原因の一つとして、EUVL用露光装置の投射光学系でのフレアがある。特許文献1は、フレアによる転写像への影響を指摘し、その改善方法を提案している。特許文献1では、フレアによる転写像への影響について以下のように記載している。
露光機を構成するミラーの表面形状のうねりによりフレアが発生する。レジストパターンのスペース幅(或いは線幅)はフレアにより変化し、フレアがあると、レジストパターンのスペース幅(或いは線幅)は増加する。しかしながら、フレアの量はマスクパターン密度に依存し、反射パターン(吸収層がなく保護層が露出した部分)が殆ど存在しないマスクの場合、フレアは殆どない。このため、フレアによるパターン寸法のずれは反射パターン密度に依存する。レチクルの面内には、反射パターン(吸収層がなく保護層が露出した部分)と非反射パターン(吸収層あるいはその反射防止膜が反射層・保護層を覆って露出した部分)が混在し、その面積比率は面内にわたり一定ではなく、反射パターンの比率が大きいところと小さいところが混在し、フレアの量に分布が生じる。すなわち、反射パターン比率が大きいところはフレアが大きくレジストパターンのスペース幅(或いは線幅)のずれは大きい。一方、反射パターン比率が小さい部分はフレアが小さくレジストパターンのスペース幅(或いは線幅)のずれは少ない。その結果、フレアによるレジストパターンのスペース幅(或いは線幅)変化量が露光フィールド内で異なり、問題である。
このようなレジストパターンのスペース幅(或いは線幅)の変化を改善する方法として、特許文献1では反射パターン部に反射率調整手段を講じることを提案している。具体的には、従来の構成からなるレチクルでパターン形成後、フレアによる寸法変化が最小となるように、2つの方法により反射率を調整することを提案している。すなわち(1)反射パターン部に反射率調整層(反射率減衰層)を形成すること、および(2)吸収体層の厚みを調整する(イオンビームなどにより吸収体層を表層から削り取る)ことを提案している。
特開2007−201306号公報
しかしながら、フレアによるレジストパターンの寸法(レジストパターンのスペース幅(或いは線幅))の変化を改善する目的で、EUVL用マスク上に局所的に反射率調整層を形成すること、および、吸収体層の厚みを局所的に調整することは実用的または生産効率的に困難である。
また、別の一つの原因として、EUVL用マスクブランクの吸収体層をパターニングする際に、何らかのバラツキ(たとえばオーバーエッチングやオーバー現像など)が原因で、設計値通りの寸法を有するマスクパターンが形成されなかったことが挙げられる。このような原因によるレジストパターンの寸法(レジストパターンのスペース幅(或いは線幅))のずれは、EUVL用露光装置の投射光学系でのフレアとは無関係なので、特許文献1に記載の方法では解消することができない。
上記した従来技術の問題点を解決するため、本発明は、レジストパターンの寸法(レジストパターンのスペース幅(或いは線幅))の制御性に優れたEUVL用マスクの製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、基板上に、EUV光を反射する反射層が形成されており、該反射層上にEUV光を吸収する吸収体層が形成された部位と、前記反射層上に前記吸収体層が形成されていない部位と、を有し、該反射層上に吸収体層が形成された部位がマスクパターンの非開口部をなし、該反射層上に吸収体層が形成されていない部位がマスクパターンの開口部をなすEUVリソグラフィ(EUVL)用反射型マスクを製造する工程と、
前記マスクパターンの開口部の幅を測定する工程と、
前記マスクパターンの開口部の幅の測定値と、設計値と、を比較する工程と、
前記マスクパターンの開口部の幅の測定値と、設計値と、を比較する工程で得られた結果に基づいて、前記EUVL用反射型マスクの前記マスクパターンの開口部の一部を、電子線または波長157nm〜488nmの光源からの光線の照射を用いて局所加熱する工程と、を有し、
前記加熱工程によって、前記開口部のEUV波長域のピーク反射率を低下させることを特徴とするEUVL用反射型マスクの製造方法(本発明のEUVL用マスクの製造方法(1))を提供する。
本発明のEUVL用マスクの製造方法(1)において、前記マスクパターンの開口部の幅の測定値が設計値より大きい部位が存在する場合に、マスクパターンの開口部の当該部位を局所加熱することが好ましい。
また、本発明は、基板上に、EUV光を反射する反射層が形成されており、該反射層上にEUV光を吸収する吸収体層が形成された部位と、前記反射層上に前記吸収体層が形成されていない部位と、を有し、該反射層上に吸収体層が形成された部位がマスクパターンの非開口部をなし、該反射層上に吸収体層が形成されていない部位がマスクパターンの開口部をなすEUVリソグラフィ(EUVL)用反射型マスクを製造する工程と、
前記マスクパターンの非開口部の幅を測定する工程と、
前記マスクパターンの非開口部の幅の測定値と、設計値と、を比較する工程と、
前記マスクパターンの非開口部の幅の測定値と、設計値と、を比較する工程で得られた結果に基づいて、前記EUVL用反射型マスクの前記マスクパターンの開口部の一部を、電子線または波長157nm〜488nmの光源からの光線の照射を用いて局所加熱する工程と、を有し、
前記加熱工程によって、前記開口部のEUV波長域のピーク反射率を低下させることを特徴とするEUVL用反射型マスクの製造方法(本発明のEUVL用マスクの製造方法(2))を提供する。
本発明のEUVL用マスクの製造方法(2)において、前記マスクパターンの非開口部の幅の測定値が設計値より小さい部位が存在する場合に、マスクパターンの非開口部の当該部位に隣接するマスクパターンの開口部の部位を局所加熱することが好ましい。
また、本発明は、基板上に、EUV光を反射する反射層が形成されており、該反射層上にEUV光を吸収する吸収体層が形成された部位と、前記反射層上に前記吸収体層が形成されていない部位と、を有し、該反射層上に吸収体層が形成された部位がマスクパターンの非開口部をなし、該反射層上に吸収体層が形成されていない部位がマスクパターンの開口部をなすEUVリソグラフィ(EUVL)用反射型マスクを製造する工程と、
前記EUVL用反射型マスクを用いてウェハ上にレジストパターンを形成する工程と、
前記レジストパターンのスペース幅を測定する工程と、
レジストパターンのスペース幅の測定値と、設計値と、を比較する工程と、
前記レジストパターンのスペース幅の測定値と、設計値と、を比較する工程で得られた結果に基づいて、前記EUVL用反射型マスクの前記マスクパターンの開口部の一部を局所加熱する工程と、を有し、
前記加熱工程によって、前記開口部のEUV波長域のピーク反射率を低下させることを特徴とするEUVL用反射型マスクの製造方法(本発明のEUVL用マスクの製造方法(3))を提供する。
本発明のEUVL用マスクの製造方法(3)において、前記ウェハ上のレジスト膜がポジ型レジストであり、前記レジストパターンにおけるスペース幅の測定値が設計値より大きい部位が存在する場合に、当該部位に対応する前記EUVL用反射型マスクの前記マスクパターンの開口部の部位を局所加熱することが好ましい。
本発明のEUVL用マスクの製造方法(3)において、前記ウェハ上のレジスト膜がネガ型レジストであり、前記レジストパターンにおけるスペース幅の測定値が設計値より小さい部位が存在する場合に、当該部位に対応する前記EUVL用反射型マスクの前記マスクパターンの開口部の部位を局所加熱することが好ましい。
また、本発明は、基板上に、EUV光を反射する反射層が形成されており、該反射層上にEUV光を吸収する吸収体層が形成された部位と、前記反射層上に前記吸収体層が形成されていない部位と、を有し、該反射層上に吸収体層が形成された部位がマスクパターンの非開口部をなし、該反射層上に吸収体層が形成されていない部位がマスクパターンの開口部をなすEUVリソグラフィ(EUVL)用反射型マスクを製造する工程と、
前記EUVL用反射型マスクを用いてウェハ上にレジストパターンを形成する工程と、
前記レジストパターンの線幅を測定する工程と、
レジストパターンの線幅の測定値と、設計値と、を比較する工程と、
前記レジストパターンの線幅の測定値と、設計値と、を比較する工程で得られた結果に基づいて、前記EUVL用反射型マスクの前記マスクパターンの開口部の一部を局所加熱する工程と、を有し、
前記加熱工程によって、前記開口部のEUV波長域のピーク反射率を低下させることを特徴とするEUVL用反射型マスクの製造方法(本発明のEUVL用マスクの製造方法(4))を提供する。
本発明のEUVL用マスクの製造方法(4)において、
前記ウェハ上のレジスト膜がポジ型レジストであり、
前記レジストパターンにおける線幅の測定値が設計値より小さい部位が存在する場合に、当該部位に対応する前記EUVL用反射型マスクの前記マスクパターンの開口部の部位を局所加熱することが好ましい。
本発明のEUVL用マスクの製造方法(4)において、
前記ウェハ上のレジスト膜がネガ型レジストであり、
前記レジストパターンにおける線幅の測定値が設計値より大きい部位が存在する場合に、当該部位に対応する前記EUVL用反射型マスクの前記マスクパターンの開口部の部位を局所加熱することが好ましい。
本発明のEUVL用マスクの製造方法(1)〜(4)において、前記局所加熱に、レーザ光線または電子線の照射を用いることが好ましい。
また、本発明は、本発明のEUVL用マスクの製造方法(1)〜(4)により製造されるEUVL用反射型マスクを提供する。
また、本発明は、本発明のEUVL用マスクを用いて、被露光体に露光を行うことにより半導体集積回路を製造する半導体集積回路の製造方法を提供する。
本発明の製造方法によれば、レジストパターンの寸法(レジストパターンのスペース幅(或いは線幅))の制御性に優れたEUVL用マスクを得ることができる。
以下、本発明のEUVL用マスクの製造方法について説明する。
まず初めに初めに本発明のEUVL用マスクの製造方法(1)について説明する。
本発明のEUVL用マスクの製造方法(1)では、まず初めに、基板上に、EUV光を反射する反射層が形成されており、該反射層上にEUV光を吸収する吸収体層が形成された部位と、前記反射層上に前記吸収体層が形成されていない部位と、を有するEUVL用マスク(以下、「ベースマスク」という。)を製造する。図1は、ベースマスクの1実施形態を示す概略断面図である。図1に示すベースマスク1において、基板2上に反射層3が形成されている。ベースマスク1には、反射層3上に吸収体層4が形成された部位10と、反射層3上に吸収体層4が形成されていない部位20と、が存在する。部位20では、吸収体層4が形成されていないため反射層3が露出している。ベースマスク1において、部位10と部位20との配置がマスクパターンをなす。ここで、部位20はマスクパターンの開口部をなし、部位10はマスクパターンの非開口部をなす。
ベースマスクの製造は、従来のEUVL用マスクの製造手順にしたがって実施することができる。すなわち、基板上に反射層と、吸収体層と、がこの順で形成されたEUVL用マスクブランクを作製した後、該EUVL用マスクブランクの吸収体層をパターニングすることにより、反射層上に吸収体層が形成されていない部位(すなわち、マスクパターン開口部)と、反射層上に吸収体層が形成された部位(すなわち、マスクパターン非開口部)と、を有するEUVL用マスクを得る。
なお、ベースマスクは、基板上に反射層および吸収体層のみを有するものであってもよいが、EUVL用マスクに通常設けられるこれら以外の層をさらに有していてもよい。例えば、反射層表面の酸化を防止するための保護層が反射層上に形成されていてもよい。また、吸収体層をパターニングする目的で実施されるエッチングプロセスにより反射層がダメージを受けるのを防止するためのバッファー層が反射層上に形成されていてもよい。また、マスクパターンの検査時のコントラストを高めるために、マスクパターンの検査光の波長域における反射率が低い反射防止層が吸収体層上に形成されていてもよい。
[基板]
基板は、EUVL用マスクの基板としての特性を満たすことが要求される。そのため、基板は、低熱膨張係数(平均熱膨張係数が0±30ppb/℃、特に0±20ppb/℃、さらには0±15ppb/℃であることが好ましく、熱膨張係数の全体の空間的変動(total spatial variation)が0±10ppb/℃、特に0±6ppb/℃、さらには0±4ppb/℃)を有し、平滑性、平坦度、およびマスクブランク製造時またはパターニング後の洗浄等に用いる洗浄液への耐性に優れたものが好ましい。基板としては、具体的には低熱膨張係数を有するガラス、例えばSiO2−TiO2系ガラス等を用いるが、これに限定されず、β石英固溶体を析出した結晶化ガラスや石英ガラスやシリコンや金属などの基板を用いることもできる。また、基板上に応力補正膜のような膜を形成してもよい。
基板は、0.15nm rms以下の平滑な表面と100nm以下の平坦度を有していることが、製造後のEUVL用マスクにおいて高反射率および高い転写精度が得られるために好ましい。
基板の大きさや厚みなどは、製造されるEUVL用マスクの設計値等により適宜決定されるものである。例えば、一例を挙げると、外形6インチ(152.4mm)角で、厚さ0.25インチ(6.3mm)基板である。
基板の多層反射膜が成膜される側の表面(成膜面)には欠点が存在しないことが好ましい。しかし、存在している場合であっても、凹状欠点および/または凸状欠点によって位相欠点が生じないように、凹状欠点の深さおよび凸状欠点の高さが2nm以下であり、かつこれら凹状欠点および凸状欠点の半値幅(FWHM(full width of half maximum))が60nm以下であることが好ましい。
[反射層]
反射層は、EUVL用マスクの反射層として所望の特性を有するものである限り特に限定されない。ここで、反射層に特に要求される特性は、EUV波長域のピーク反射率が高いことである。具体的には、EUV光の波長域の光線を反射層表面に入射角度6度で照射した際に、EUV波長域のピーク反射率が60%以上であることが好ましく、64%以上であることがより好ましい。
反射層は、高EUV光線反射率を達成できることから、通常は高屈折層と低屈折率層を交互に複数回積層させた多層反射膜が用いられる。反射層としての多層反射膜において、高屈折率層にはSi(波長13.5nmにおける屈折率=0.999)が広く使用され、低屈折率層にはMo(同屈折率=0.924)が広く使用される。すなわち、Mo/Si多層反射層が最も一般的である。但し、多層反射膜はこれに限定されず、Ru/Si多層反射膜、Mo/Be多層反射膜、Rh/Si多層反射膜、Pt/Si多層反射膜、Mo化合物/Si化合物多層反射膜、Si/Mo/Ru多層反射膜、Si/Mo/Ru/Mo多層反射膜、Si/Ru/Mo/Ru多層反射膜なども用いることができる。
多層反射膜を構成する各層の膜厚および層の繰り返し単位の数は、使用する膜材料および多層反射膜に要求されるEUV波長域のピーク反射率に応じて適宜選択することができる。Mo/Si多層反射膜を例にとると、EUV波長域のピーク反射率が60%以上の多層反射膜とするには、膜厚4.5±0.1nmのSi層と、膜厚2.3±0.1nmのMo層と、を繰り返し単位数が30〜60になるようにこの順に積層させればよい。
なお、反射層をなす多層反射膜を構成する各層は、マグネトロンスパッタリング法、イオンビームスパッタリング法など、周知の成膜方法を用いて所望の厚さになるように成膜すればよい。例えば、イオンビームスパッタリング法を用いてMo/Si多層反射膜を形成する場合、ターゲットとしてSiターゲットを用い、スパッタガスとして、不活性ガス、例えばアルゴン(Ar)ガス(ガス圧1.3×10-2Pa〜2.7×10-2Pa)を使用して、イオン加速電圧300〜1500V、成膜速度0.03〜0.30nm/secで厚さ4.5nmとなるようにSi膜を成膜し、次に、ターゲットとしてMoターゲットを用い、スパッタガスとして不活性ガス、例えば、アルゴン(Ar)ガス(ガス圧1.3×10-2Pa〜2.7×10-2Pa)を使用して、イオン加速電圧300〜1500V、成膜速度0.03〜0.30nm/secで厚さ2.3nmとなるようにMo膜を成膜することが好ましい。これを1周期として、Si膜およびMo膜を40〜50周期積層させることによりMo/Si多層反射膜が成膜される。
[保護層]
反射層をなす多層反射膜の表面およびその近傍が、保管時に自然酸化されたり洗浄時に酸化されたりするのを防止するため、多層反射膜上に保護層を設けることができる。保護層としては、Si、Ru、Rh、C、SiC、あるいはこれら元素の混合物、あるいはこれら元素に窒素やボロンなどを添加したものなどを用いることができる。保護層としてRuを用いた場合、後述するバッファー層の機能を兼ねることができるため特に好ましい。また保護層としてSiを用いた場合は、多層反射膜がMo/Siから成る場合、最上層をSi膜とすることによって、該最上層を保護層として機能させることができる。その場合保護層としての役割も果たす最上層のSi膜の膜厚は、通常の4.5nmより厚い、5〜15nmであることが好ましい。また、保護層としてSi膜を成膜した後、該Si膜上に保護層とバッファー層とを兼ねるRu膜を成膜してもよい。
なお、多層反射膜や保護層などの膜は、必ずしも1層である必要はなく、2層以上であってもよい。
多層反射膜上に保護層を設けた場合、保護層におけるEUV波長域のピーク反射率が上記範囲を満たす必要がある。
[バッファー層]
マスクブランクの吸収体層をパターニングしてベースマスクを作成する際に、エッチングプロセス、通常はドライエッチングプロセスが用いられる。このエッチングプロセスによって、反射層としての多層反射膜がダメージを受けるのを防止するため、エッチングストッパーとしての役割を果たすバッファー層を多層反射膜(多層反射膜上に保護層が形成されている場合は保護層)と、吸収体層と、の間に設けてもよい。したがってバッファー層の材質としては、吸収体層のエッチングプロセスによる影響を受けにくい、つまりこのエッチング速度が吸収体層よりも遅く、しかもこのエッチングプロセスによるダメージを受けにくい物質が選択される。この条件を満たす物質としては、たとえばCr、Al、Ru、Ta及びこれらの窒化物、ならびにSiO2、Si34、Al23やこれらの混合物が例示される。これらの中でも、Ru、CrNおよびSiO2が好ましく、CrNおよびRuがより好ましく、保護層とバッファー層の機能を兼ね備えるため特にRuが好ましい。
バッファー層の膜厚は1〜60nmであることが好ましい。
バッファー層は、マグネトロンスパッタリング法、イオンビームスパッタリング法など周知の成膜方法を用いて成膜する。マグネトロンスパッタリング法によりRu膜を成膜する場合、ターゲットとしてRuターゲットを用い、スパッタガスとして不活性ガス、例えばアルゴン(Ar)ガス(ガス圧1.0×10-1Pa〜10×10-1Pa)を使用して投入電力30W〜500W、成膜速度5〜50nm/minで膜厚2〜5nmとなるように成膜することが好ましい。
[吸収体層]
吸収体層に特に要求される特性は、EUV波長域の反射率がある程度低いことである。具体的には、EUV光の波長域の光線を吸収体層表面に入射角度6〜8度で照射した際に、EUV波長域のピーク反射率が5%以下であることが好ましい。
吸収体層は、EUV光に対する吸収係数の高い材料で構成され、具体的には、CrやTaを含有する膜、例えば、CrやTaの窒化物を含有する膜や、TaおよびHfを含有する膜(TaBN膜やTaHf膜)などが挙げられる。
吸収体層の膜厚は、吸収体層からの反射光と、反射層をなす多層反射膜からの反射光(多層反射膜上に保護層が形成されている場合、該保護層からの反射光)の強度比が確保できるよう適宜調整すればよく、10〜100nmであることが好ましい。なお、吸収体層は単層であっても、複数の層からなっていてもよい。
吸収体層としては、上記特性を満たす限り特に限定されないが、中でも、Taを含む膜、好ましくはTaHf膜またはTaN膜が、膜の結晶状態がアモルファスとなり、吸収体層表面の平滑性に優れることから好ましい。吸収体層表面の表面粗さが大きいと、吸収体層に形成されるマスクパターンのエッジラフネスが大きくなり、EUVL用マスクを用いて形成されるレジストパターンの寸法精度が悪化するだけでなく、散乱光(通称フレアー)を生じ、EUVLにおけるパターンコントラスト、すなわち、図1に示すベースマスク1にEUV光を照射した際の、非開口部10におけるEUV波長域のピーク反射率と、開口部20におけるEUV波長域のピーク反射率と、のコントラストを低下させる。これによっても、EUVL用マスクを用いて形成されるレジストパターンの寸法精度が悪化する。これらの問題は、マスクパターンが微細になるに従い顕著になるため、吸収体層表面は平滑であることが要求される。
吸収体層がTaを含む膜(例えばTaHf膜、TaN膜など)であれば、アモルファス構造または微結晶構造の膜となるため、吸収体層表面の表面粗さが0.5nm rms以下と吸収体層表面が十分平滑であるため、エッジラフネスの影響によって、EUVL用マスクを用いて形成されるレジストパターンの寸法精度が悪化するおそれがないばかりか、吸収体層表面の表面粗さに起因する散乱光も問題ない程度に抑えることができる。吸収体層表面の表面粗さは0.4nm rms以下であることがより好ましく、0.3nm rms以下であることがさらに好ましい。
なお、本明細書において、「結晶状態がアモルファスである」と言った場合、全く結晶構造を持たないアモルファス構造となっているもの以外に、微結晶構造のものを含む。吸収膜体層、アモルファス構造または微結晶構造の膜であれば、吸収体層表面が平滑性に優れている。
なお、吸収体層の結晶状態がアモルファスであること、すなわち、アモルファス構造であることまたは微結晶構造であることは、X線回折(XRD)法によって確認することができる。吸収体層の結晶状態がアモルファス構造または微結晶構造であれば、XRD測定により得られる回折ピークにシャープなピークが見られない。
吸収体層がTaHf膜である場合、TaおよびHfを以下に記載する特定の割合で含有することが好ましい。
吸収体層のHfの含有率が20〜60at%であることが、吸収体層の結晶状態がアモルファスとなりやすく、吸収体層表面が平滑性に優れるので好ましい。また、より薄い膜厚でEUV波長域の反射率およびパターン検査光の波長域の反射率を比較的低くすることができる等、EUVL用マスクの吸収体層として優れた特性を有している。
吸収体層のHfの含有率は、30〜50at%であることがより好ましく、30〜45at%であることがさらに好ましい。
吸収体層において、Hfを除いた残部はTaであることが好ましい。したがって、吸収体層におけるTaの含有率は、40〜80at%であることが好ましい。吸収体層におけるTaの含有率は50〜70at%であることがより好ましく、55〜70at%であることがさらに好ましい。
吸収体層において、TaとHfの組成比は、7:3〜4:6であることがより好ましく、6.5:3.5〜4.5:5.5であることがさらに好ましく、6:4〜5:5であることがさらに好ましい。
TaHf膜は、不活性ガス(例えばアルゴン(Ar)ガス)雰囲気下で、TaHf化合物ターゲットを用いたスパッタリング法、例えば、マグネトロンスパッタリング法またはイオンビームスパッタリング法を実施することにより成膜することができる。
TaHf化合物ターゲットは、その組成がTa=30〜70at%、Hf=70〜30at%であることが、所望の組成の吸収体層を得ることができ、かつ膜の組成や膜厚のばらつきを回避できる点で好ましい。
上記した方法でTaHf膜を成膜するには、具体的には以下の成膜条件で実施すればよい。
スパッタガス:Arガス(ガス圧1.0×10-1Pa〜50×10-1Pa、好ましくは1.0×10-1Pa〜40×10-1Pa、より好ましくは1.0×10-1Pa〜30×10-1Pa)
投入電力:30〜1000W、好ましくは50〜750W、より好ましくは80〜500W
成膜速度:2.0〜60nm/min、好ましくは3.5〜45nm/min、より好ましくは5〜30nm/min
吸収体層がTaN膜である場合、Ta、Nを以下に述べる特定の比率で含有することが好ましい。
TaN膜のNの含有率は10at%以上50at%未満であることが好ましい。本発明では、TaN膜がTaおよびNを特定の比率で含有することにより、結晶状態がアモルファスとなる。
[反射防止層]
ベースマスクの製造に用いるマスクブランクにおいて、吸収体層上にはマスクパターンの検査に使用する検査光の波長域における反射率が低い反射防止層を設けてもよい。
EUVL用マスクの製造後、マスクパターンが設計通りに形成されているかどうか検査される。このマスクパターンの検査では、検査光として現在通常波長257nmの紫外光、将来的には波長190〜200nmの紫外光を使用した検査機が使用されると予想される。つまり、この検査光の波長域におけるマスクパターンの開口部と非開口部との反射率の差異、を利用して検査される。以下、本明細書において、マスクパターンの検査に用いる検査光のことをパターン検査光という。
パターン検査光の波長域におけるマスクパターンの開口部と非開口部との反射率の差が小さいと、検査時のコントラストが悪くなり、正確な検査が出来ないことになる。
図1に示すように、マスクパターンの開口部20では、反射層3上に吸収体層4が形成されておらず、該反射層(多層反射膜)3が露出している。但し、反射層3上に保護層が形成されている場合、該保護層が露出する。したがって、マスクパターンの開口部20における反射率とは、反射層(多層反射膜)3における反射率であり、反射層3上に保護層が形成されている場合、該保護層における反射率となる。一方、マスクパターンの非開口部10における反射率とは、吸収体層4における反射率であり、吸収体層4上に反射防止層が形成されている場合、反射防止層における反射率となる。
Taを含んだ吸収体層は、EUV波長域における反射率が比較的低く、EUVL用マスクブランクの吸収体層として優れた特性を有しているが、パターン検査光の波長域における反射率は必ずしも十分低いとは言えない。この結果、パターン検査光の波長域における、マスクパターンの開口部と非開口部との反射率の差異が小さくなり、検査時のコントラストが十分得られない可能性がある。したがって、Taを含んだ吸収体層上には、検査光の波長域における反射率が低い反射防止層を形成することが好ましい。吸収体層上に反射防止層を形成すれば、マスクパターンの非開口部での、パターン検査光の波長域における反射率が極めて低くなり、検査時のコントラストが良好となる。なお、パターン検査光の波長域におけるマスクパターンの開口部と非開口部との反射率のコントラストは30%以上であることが好ましい。
本明細書において、コントラストは下記式を用いて求めることができる。
コントラスト(%)=((R2−R1)/(R2+R1))×100
ここで、R2はマスクパターンの開口部20での反射率であり、図1に示すベースマスク1の場合、反射層(多層反射膜)3での反射率である。反射層3上に保護層が形成されている場合、該保護層での反射率である。R1はマスクパターンの非開口部10での反射率であり、図1に示すベースマスク1の場合、吸収体層4での反射率である。吸収体層4上に反射防止層が形成されている場合、該反射防止層での反射率である。なお、ベースマスク1のコントラストを求めるためには、マスクブランクを作成する過程において、基板2上に反射層(多層反射膜)3を形成した時点で、該反射層3での反射率を測定してR2を求めればよい。反射層3上に保護層を形成する場合、該保護層を形成した時点で反射率を測定してR2を求めればよい。そして、吸収体層4まで形成した時点で、該吸収体層4での反射率を測定してR1を求めればよい。また、マスクブランクの吸収体層をパターニングしてベースマスクとした後で、マスクパターンの非開口部10での反射率、マスクパターンの開口部20での反射率をそれぞれ測定して、R1、R2を求めてもよい。
本発明において、パターン検査光の波長域における上記式で表されるコントラストが45%以上であることがより好ましく、60%以上であることがさらに好ましく、80%以上であることが特に好ましい。
パターン検査光の波長域の光線を反射層(多層反射膜)表面に入射角度約10度で照射した際のパターン検査光の波長域における反射率(ピーク反射率)は、その材質にもよるが、60〜70%程度である。反射層上に保護層を形成した場合も、該保護層でのパターン検査光の波長域における反射率は上記の範囲内である。したがって、パターン検査光の波長域における上記式で表されるコントラストを30%以上とするためには、反射防止層でのパターン検査光の波長域における反射率(ピーク反射率)が20%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましい。
吸収体層上に反射防止層が形成されている場合、吸収体層と反射防止層との合計膜厚が20〜100nmであることが好ましい。但し、反射防止層の膜厚が吸収体層の膜厚よりも大きいと、吸収体層のEUV光吸収特性が低下するおそれがあり、また一般に反射防止層のエッチング速度は吸収体層のエッチング速度より遅く、吸収体層をパターニングする際に反射防止層のエッチングが律速となるので、反射防止層の膜厚は吸収体層の膜厚よりも小さく、できるだけ薄いことが好ましい。このため、反射防止層の膜厚は1〜30nmであることが好ましく、2〜10nmであることがより好ましい。
反射防止層は、上記の特性を達成するため、Taを含んだ膜よりもパターン検査光の波長域における屈折率が高い材料で構成され、その結晶状態がアモルファスであることが好ましい。
Taを含んだ吸収体層上に形成する反射防止層は、その酸化物膜、酸窒化物膜、窒化物膜であることが好ましい。具体的には吸収体層としてTaHf膜を用いた場合は、その反射防止層としてTaHfO膜を用いることが好ましく、Ta、HfおよびOを以下に述べる特定の比率で含有することが好ましい。
TaHfO膜は、TaおよびHfの合計含有率が30〜80at%であり、TaとHfの組成比が8:2〜4:6であることが好ましい。TaおよびHfの合計含有率が30at%未満であると、TaHfO膜の導電性が低下し、電子線描画する際にチャージアップの問題が生じる可能性がある。TaおよびHfの合計含有率が80at%超であると、パターン検査光の波長域における反射率(ピーク反射率)を十分低くすることができない。また、Hfが上記組成比より低い場合、結晶状態がアモルファスとなりにくい。Hfが上記組成比より高い場合、エッチング特性が悪化し、要求されるエッチング選択比を満足することができない可能性がある。
TaHfO膜におけるOの含有率が20〜70at%であることが好ましい。Oの含有率が20at%より低い場合、パターン検査光の波長域における反射率(ピーク反射率)を十分低くすることができない可能性がある。Oの含有率が70at%より高い場合、耐酸性が低下し、低反絶縁性が増し電子線描画する際にチャージアップが起こる等の問題が生じる可能性がある。
TaHfO膜におけるTaおよびHfの合計含有率は、35〜80at%であることがより好ましく、35〜75at%であることがさらに好ましい。また、TaとHfの組成比は、Ta:Hf=7:3〜4:6であることがより好ましく、6.5:3.5〜4.5:5.5であることがさらに好ましく、6:4〜5:5であることがさらに好ましい。Oの含有率は、20〜65at%であることがより好ましく、25〜65at%であることがさらに好ましい。
なお、TaHfO膜は、必要に応じてTa、HfおよびO以外の元素を含んでいてもよい。この場合、TaHfO膜に含める元素は、EUV光線の吸収特性等のマスクブランクとしての適性を満たす必要がある。
TaHfO膜に含めることができる元素の一例として、Nが挙げられる。この場合、TaHfO膜がNを含有することにより、表面の平滑性が向上すると考えられる。
TaHfO膜がNを含有する場合(すなわち、TaHfON膜である場合)、TaおよびHfの合計含有率は30〜80at%であり、TaとHfの組成比がTa:Hf=8:2〜4:6であり、NおよびOの合計含有率は20〜70at%であり、NとOの組成比が9:1〜1:9であることが好ましい。TaおよびHfの合計含有率が30at%未満であると、導電性が低下し、電子線描画する際にチャージアップの問題が生じる可能性がある。TaおよびHfの合計含有率が80at%超であると、パターン検査光の波長域における反射率(ピーク反射率)を十分低くすることができない。Hfが上記組成比より低い場合、結晶状態がアモルファスとならない可能性がある。Hfが上記組成比より高い場合、エッチング特性が悪化し、要求されるエッチング選択比を満足することができない可能性がある。また、NおよびOの含有率が20at%より低い場合、パターン検査光の波長域における反射率(ピーク反射率)を十分低くすることができない可能性がある。NおよびOの含有率が70at%より高い場合、耐酸性が低下し、絶縁性が増し電子線描画する際にチャージアップが起こる等の問題が生じる可能性がある。
TaHfON膜において、TaおよびHfの合計含有率は、35〜80at%であることがより好ましく、35〜75at%であることがさらに好ましい。また、TaとHfの組成比は、Ta:Hf=7:3〜4:6であることがより好ましく、6.5:3.5〜4.5:5.5であることがさらに好ましく、6:4〜5:5であることがさらに好ましい。NおよびOの合計含有率は、20〜65at%であることがより好ましく、25〜65at%であることがさらに好ましい。
TaHfON膜は、上記の構成であることにより、その結晶状態はアモルファスであり、その表面が平滑性に優れている。具体的には、表面粗さ(rms)が0.5nm以下である。
上記したように、エッジラフネスの影響によって、EUVL用マスクを用いて形成されるレジストパターンの寸法精度の悪化が防止するため、吸収体層表面は平滑であることが要求される。吸収体層上に反射防止層として形成されるTaHfON膜は、その表面が平滑であることが要求される。
TaHfON膜表面の表面粗さ(rms)が0.5nm以下であれば、表面が十分平滑であるため、エッジラフネスの影響によって、EUVL用マスクを用いて形成されるレジストパターンの寸法精度が悪化したり、表面粗さに起因する散乱光が増加するおそれがない。TaHfON層表面の表面粗さ(rms)は0.4nm以下であることがより好ましく、0.3nm以下であることがさらに好ましい。
なお、TaHfON膜の結晶状態がアモルファスであること、すなわち、アモルファス構造であること、または微結晶構造であることは、X線回折(XRD)法によって確認することができる。TaHfON膜の結晶状態がアモルファス構造であるか、または微結晶構造であれば、XRD測定により得られる回折ピークにシャープなピークが見られない。
TaHfO膜およびTaHfON膜は、TaHf化合物ターゲットを用いたスパッタリング法、例えば、マグネトロンスパッタリング法またはイオンビームスパッタリング法を実施することにより成膜することができる。
なお、TaHfO膜の場合、不活性ガス(例えばアルゴン(Ar)ガス)で希釈した酸素(O2)雰囲気中でTaHf化合物ターゲットを放電させることによって成膜する。または、不活性ガス(例えばアルゴン(Ar)ガス)雰囲気中でTaHf化合物ターゲットを放電させてTaおよびHfを含有する膜を成膜した後、例えば酸素プラズマ中にさらしたり、酸素を用いたイオンビームを照射することによって、成膜された膜を酸化することにより、TaHfO膜としてもよい。
一方、TaHfON膜の場合、不活性ガス(例えばアルゴン(Ar)ガス)で希釈した酸素(O2)・窒素(N2)混合ガス雰囲気中でTaHf化合物ターゲットを放電させることによって成膜する。または、不活性ガス(例えばアルゴン(Ar)ガス)で希釈した窒素(N2)雰囲気中でTaHf化合物ターゲットを放電させることによってTa、HfおよびNを含有する膜を成膜した後、例えば酸素プラズマ中にさらしたり、酸素を用いたイオンビームを照射することによって、成膜された膜を酸化することにより、TaHfON膜としてもよい。
TaHf化合物ターゲットは、その組成がTa=30〜70at%、Hf=70〜30at%であることが、所望の組成のTaHfO膜およびTaHfON膜を得ることができ、かつ膜の組成や膜厚のばらつきを回避できる点で好ましい。TaHf化合物ターゲットは、Zrを0.1〜5.0at%含有してもよい。
上記した方法でTaHfO膜およびTaHfON膜を成膜するには、具体的には以下の成膜条件で実施すればよい。
TaHfO膜を成膜する場合
スパッタガス:ArとO2の混合ガス(O2ガス濃度3〜80vol%、好ましくは5〜60vol%、より好ましくは10〜40vol%;ガス圧1.0×10-1Pa〜50×10-1Pa、好ましくは1.0×10-1Pa〜40×10-1Pa、より好ましくは1.0×10-1Pa〜30×10-1Pa)
投入電力:30〜1000W、好ましくは50〜750W、より好ましくは80〜500W
成膜速度:2.0〜60nm/min、好ましくは3.5〜45nm/min、より好ましくは5〜30nm/min
TaHfON膜を成膜する場合
スパッタガス:ArとO2とN2の混合ガス(O2ガス濃度5〜40vol%、N2ガス濃度5〜40vol%、好ましくはO2ガス濃度6〜35vol%、N2ガス濃度6〜35vol%、より好ましくはO2ガス濃度10〜30vol%、N2ガス濃度10〜30vol%;ガス圧1.0×10-1Pa〜50×10-1Pa、好ましくは1.0×10-1Pa〜40×10-1Pa、より好ましくは1.0×10-1Pa〜30×10-1Pa)
投入電力:30〜1000W、好ましくは50〜750W、より好ましくは80〜500W
成膜速度:2.0〜60nm/min、好ましくは3.5〜45nm/min、より好ましくは5〜30nm/min
ベースマスクの製造に用いるマスクブランクは、上記の構成以外にEUVL用マスクブランクの分野において公知の他の機能層を有していてもよい。このような機能層の具体例としては、例えば、特表2003−501823号公報に記載されているものように、基板の静電チャッキングを促すために、基板の裏面側(成膜面に対して)に施される高誘電性コーティングが挙げられる。このような目的で基板の裏面に施す高誘電性コーティングは、シート抵抗が100Ω/□以下となるように、構成材料の電気伝導率と厚さを選択する。高誘電性コーティングの構成材料としては、公知の文献に記載されているものから広く選択することができる。例えば、特表2003−501823号公報に記載の高誘電率のコーティング、具体的には、シリコン、TiN、モリブデン、クロム、TaSiからなるコーティングを適用することができる。高誘電性コーティングの厚さは、例えば10〜1000nm、好ましくは50〜200nmとすることができる。
高誘電性コーティングは、公知の成膜方法、例えば、マグネトロンスパッタリング法、イオンビームスパッタリング法といったスパッタリング法、CVD法、真空蒸着法、電解メッキ法を用いて形成することができる。
上記の手順で得られたマスクブランクの吸収体層をパターニングすることによりベースマスクが得られる。吸収体層のパターニングは以下の手順で実施することができる。
(1)マスクブランク上(具体的には、吸収体層上、吸収体層上に低反射層が形成されている場合は低反射層上)にレジストを塗布して所定の膜厚のレジスト膜を形成する。レジストの塗布方法としては、スピンコート法、ローラコート法、バーコート法、スリットコート法、スプレイ法、気相塗布法等、EUVL用マスクの製造時に使用される公知の塗布方法から幅広く選択することができる。これらの中でも、スピンコート法がレジストを均一に塗布することができることから好ましい。レジスト膜厚は1000〜5000Åが好ましく、特に1000〜3500Åが好ましい。
(2)レジスト膜中に残存する溶剤を除去する目的で温度80〜150℃で5〜15分間プリベークした後、レジスト膜に所望のレジストパターンを焼き付けるため、該レジスト膜をパターン露光する。なお、EUVL用マスクの製造では、通常、マスクを用いた露光は使用せず、電子線を走査してレジスト膜に直接レジストパターンを焼き付ける。あるいはダイレクトミラーデバイスなどを用いて所望の部分のみ紫外光を照射する方法がとられる。
(3)レジスト膜にポジ型レジストが使用されて場合は、電子線あるいは紫外光が照射された部位のレジスト膜を現像液を用いて除去することにより、所望のレジストパターンを得る。一方、レジスト膜にネガ型レジストが使用されている場合は、電子線あるいは紫外光が照射されていない部位のレジスト膜を現像液を用いて除去することにより、所望のレジストパターンを得る。所望のレジストパターンを得た後、レジスト膜に残留する現像液若しくは洗浄液を除去する目的、および、基板に対するレジスト膜の密着性を向上させる目的でポストベークを必要に応じて実施してもよい。
(4)マスクブランクのレジスト膜に覆われていない部分の吸収体層(吸収体層上に低反射層が形成されている場合、該低反射層も)を、エッチングプロセスを用いて除去することにより、マスクパターンを形成する。なお、EUVL用マスクの製造では、マスクパターンの開口部の幅が150nm以下の微細なマスクパターンを形成するため、エッチングプロセスとしては、プラズマエッチング、スパッタエッチング、イオンビームエッチング、ガスクラスタイオンビームエッチングのような非等方的なドライエッチングプロセスが通常は用いられる。エッチングプロセスの実施後、不要となったレジスト膜を硫酸と過酸化水素水の混合液やオゾン水などの酸化性の強い薬液を用いて除去し、その後、表面をイオン交換水などを用いてリンス、洗浄し、乾燥させることにより所望のマスクパターンを有するベースマスクが得られる。
本発明のEUVL用マスクの製造方法(1)では、まず初めに上記の手順で得られたベースマスクのマスクパターンの開口部の幅を測定する。図1に示すベースマスク1において、マスクパターンの開口部20の幅はWで示されている。
マスクパターンの開口部の幅を測定する方法は、通常150nm以下の開口部の幅を誤差20nm以下の高精度で測定できる測定方法または測定装置である限り特に限定されない。このような測定装置の具体例としては、例えば、CD−SEM(測長SEM:critical dimention SEM)、三次元AFM(原子間力顕微鏡)等が挙げられる。
次に、上記の手順で得られた開口部の幅の測定値を設計値と比較して、設計値に対する測定値のずれの有無を確認する。
設計値に対するずれがなかった場合、もしくは設計値に対するずれが許容範囲内であった場合、上記手順で作製されたベースマスクをそのまま最終製品のEUVL用マスクとして使用することができ、以下に述べる手順を実施する必要がない。
一方、設計値に対して許容範囲を超えるずれが見つかった場合、上記手順で得られた測定値と設計値との比較結果に基づいて、後述する手順でマスクパターンの開口部の一部を局所加熱する。マスクパターンの開口部の幅に関する測定値と設計値との比較結果に基づいてマスクパターンの開口部の一部を局所加熱することによって最終製品のEUVL用マスクを得る。詳しくは後述するが、このようにして得られる最終製品のEUVL用マスクを用いて形成されるレジストパターンでは、EUVL用マスクでのマスクパターンの開口部の幅の設計値からのずれによって生じる該レジストパターンの寸法のずれが修正されている。
なお、マスクパターンの開口部の幅の設計値に対するずれの許容範囲は、対象となるマスクパターンの形状や大きさ、または、マスクパターンが存在する部位やリソグラフィ工程のプロセスファクター(k1ファクター)、レジストの性能によっても異なり、詳細はInternational Technology Roadmap for Semiconductorsなどに記述されているが、例えば、マスクパターンが幅150nmの開口部と、幅150nmの非開口部からなる場合は、設計値とのずれに対する許容寸法誤差は10nm以下である。
本発明のEUVL用マスクの製造方法(1)において、設計値に対して許容範囲を超えるずれが開口部の幅で見つかった場合に、ベースマスクのマスクパターンの開口部の一部を局所加熱する理由は、以下に述べる本願発明者らによる知見に基づく。
上述したように、マスクパターンの開口部とは、反射層上に吸収体層が形成されていない部位であり、反射層が露出している。なお、反射層上に保護層が形成されている場合、マスクパターンの開口部では、保護層が露出している。したがって、本明細書において、マスクパターンの開口部の一部を局所加熱すると言った場合、該開口部において露出している反射層または保護層の一部を局所加熱することを意味する。
本願発明者らは、反射層をなす多層反射膜を加熱した場合、該多層反射膜表面にEUV光を照射した際のEUV波長域におけるピーク反射率が低下するという知見を得た。多層反射膜表面にEUV光を照射した際のEUV波長域における反射率スペクトルを測定すると、図2に示すように、測定する波長により反射率の値は異なり極大値Rmaxを有する。この極大値Rmaxのことを本明細書において、EUV波長域におけるピーク反射率という。以下、本明細書において、単にピーク反射率と言った場合、EUV波長域におけるピーク反射率を指す。なお、図2は、後述するように、基板上にMo/Si多層反射膜、および、保護膜とバッファー膜とを兼ねるRu膜を形成した多層反射膜および保護膜付き基板の保護膜表面にEUV光を照射した場合のEUV波長域の反射率スペクトルである。
多層反射膜を加熱した場合、多層反射膜を形成する高屈折材料と低屈折材料が互いに拡散し反応することで拡散層が形成される。この結果、加熱後の多層反射膜表面にEUV光を照射した際、EUV波長域におけるピーク反射率が低下する。加熱後の多層反射膜表面にEUV光を照射した際、EUV波長域における反射光の中心波長も低下する(短波長側にシフトする)。本明細書において、EUV波長域における反射光の中心波長とは、EUV波長域の反射率スペクトルにおいて、ピーク反射率の半値幅(FWHM(full width of half maximum))に対応する波長をλ1およびλ2とするとき、これらの波長の中央値((λ1+λ2)/2)となる波長である。本明細書において、単に反射光の中心波長と言った場合、EUV波長域における反射光の中心波長を指す。
本願発明者らは、反射層をなす多層反射膜上に保護層が形成されている場合に、該保護層を加熱すると、該保護層表面にEUV光を照射した際のEUV波長域におけるピーク反射率および反射光の中心波長が低下するという知見も得ている。
保護層を加熱した場合、多層反射膜の表層を形成する材料と、保護層を形成する材料と、が互いに拡散し反応することで拡散層が形成される。この結果、加熱後の保護層表面にEUV光を照射した際、EUV波長域におけるピーク反射率および反射光の中心波長が低下する。あるいは、保護層を加熱した場合、保護層の下にある多層反射膜を形成する高屈折材料と低屈折材料が互いに拡散し反応することで拡散層が形成される。この結果、加熱後の保護層表面にEUV光を照射した際、EUV波長域におけるピーク反射率および反射光の中心波長が低下する。
図3および図4に、基板(SiO2−TiO2系ガラス製)上にSi膜(膜厚4.5nm)とMo膜(膜厚2.3nm)とをこの順に交互に40層積層して多層反射膜を形成した後、該多層反射膜上に保護層としてSi膜(膜厚4.5nm)を成膜し、該Si膜上に保護層とバッファー層とを兼ねるRu膜(膜厚2.5nm)を成膜した多層反射膜および保護層付き基板を大気雰囲気下、ホットプレートを用いて10分間加熱した場合について、多層反射膜および保護層付き基板のRu膜表面にEUV光を照射した際の、EUV波長域における中心波長低下量およびピーク反射率低下量の加熱温度依存性をそれぞれ示す。図3において、縦軸は反射光の中心波長低下量(Decrease in CWL)(nm)であり、横軸は1000/T(ベーク温度)(1/K)である。図4において、縦軸はピーク反射率低下量(Decrease in Peak %R)であり、横軸は1000/T(ベーク温度)(1/K)である。
まず図3に示す反射光の中心波長低下量の加熱温度依存性において、多層反射膜は一種のブラッグ反射ミラーであるため、反射光の中心波長低下量は生成する拡散層の厚みにほぼ一次的に依存し、その加熱温度依存性は一般的な反応速度の温度依存性であるアレニウスの式に従う。また拡散層の厚みは反応時間(=加熱時間)に比例して増加するため、反射光の中心波長低下量の加熱温度、加熱時間依存性は、次式(2a)に従う。なお、図3に示した例の場合、式(2a)は、式(2b)で表される。
反射光の中心波長低下量 ∝ 拡散層の厚み
∝ 加熱時間 × exp(a+b/加熱温度(K))
(ここでa,bは定数) 式(2a)
反射光の中心波長低下量(nm)=4120×加熱時間(min)
×exp(−6380/加熱温度(K))
式(2b)
一方、ピーク反射率低下量は、生成する拡散層の厚みに対する依存性が比較的複雑であるため中心波長低下量に比べて単純ではないと思われるが、図4にて明確に示されるように、結果的にアレニウスの式に従い、ピーク反射率低下量の加熱温度、加熱時間依存性は次式(3a)に従う。なお、図4に示した例の場合、式(3a)は、式(3b)で表される。
ピーク反射率低下量 ∝ 拡散層の厚み
∝ 加熱時間 × exp(a+b/加熱温度(K))
(ここでa,bは定数) 式(3a)
ピーク反射率低下量(%)= 9130×加熱時間(min)
×exp(−4370/加熱温度(K))
式(3b)
表1に図3、図4より得られた加熱によるピーク反射率および反射光の中心波長の変化量(低下量)の温度依存性を整理して示す。
Figure 0005187060
図4および表1から明らかなように、多層反射膜または保護層を加熱することにより、これらの層表面にEUV光を照射した際のEUV波長域におけるピーク反射率を低下させることができる。この際、反射光の中心波長も低下する(短波長側にシフトする)が、ピーク反射率の低下に比べて反射光の中心波長の低下は僅かであるため、反射光の中心波長の低下を問題ないレベルに維持しつつ、ピーク反射率を所望のレベルまで下げることは比較的容易であることが判明した。
EUVL用マスクブランクにおいて、反射層をなす多層反射膜表面での反射光の中心波長の面内均一性に関する要求値は、±0.03nm以内であり、±0.01nm以内であることが好ましい。ここで、中心波長の面内均一性に関する要求値とは、中心波長を多層反射膜表面全体にわたって測定した場合に、最も大きい中心波長と最も小さい中心波長の差の許容値である。なお、反射層上に保護層が形成されている場合、保護層にEUV光を照射した際のEUV波長域における反射光に対して、上記中心波長の面内均一性に関する要求値が適用される。なお、ピーク反射率の面内均一性の要求値は、±1.2%以内、特に±0.6%以内、さらには±0.3%以内であることが好ましい。
マスクブランクから作成されるEUVL用マスクについても、マスクパターンの開口部でのEUV波長域における反射光について、反射光の中心波長の面内均一性が上記の要求値を満たすことが求められる。したがって、本発明のEUVL用マスクの製造方法(1)では、マスクパターンの開口部での中心波長の面内均一性が要求値を満足しつつ、ピーク反射率を所望のレベルまで下げることができるように、開口部の一部を局所加熱する条件を選択すればよい。
なお、上述した点から明らかなように、ピーク反射率および反射光の中心波長は、これらを調べたい対象(多層反射膜または保護層)の表面にEUV光を照射した際の、EUV波長域における反射率スペクトルを測定することによって求めることができる。EUV波長域における反射率スペクトルの測定方法を、多層反射膜表面にEUV光を照射した場合を例として以下に示す。なお、保護層表面にEUV光を照射した場合については、多層反射膜と記載しているところを保護層と読み替えればよい。
反射率スペクトルの測定方法として、(1)EUV波長域の光線を分光した後、入射角度6〜8度で多層反射膜表面に照射し、その反射光強度をフォトダイオード、電荷結合素子(Charged Coupled Device:CCD)などにより直接測定する方法、(2)EUV波長域の光線を分光した後、入射角度6〜8度で多層反射膜表面に照射し、そのEUV波長域の反射光をシンチレーターなどを用いて他の波長域の光(たとえば可視光や紫外光など)に変換しその強度を光電子倍増管などにより測定する間接的な方法、(3)EUV波長域の光線を分光した後、入射角度6〜8度で多層反射膜表面に照射した際の反射光を分光し、各波長に分光された各反射光強度をマルチチャンネルフォトダイオードアレイやマルチチャンネルCCDアレイを使って測定するなどの方法、などが挙げられる。これらの方法ではいわゆる分光光度計を用いて実際に測定することで反射率スペクトルを得ることができる。
分光光度計としては、具体的には、(1)の方法を採用した米EUV technology社製EUV反射率計、(3)の方法を採用した独AIXUV社製EUV−maskblank reflectometer(MBR)などを挙げることができる。またEUV波長域の光線を放射する光源としては、キセノンガスや錫などのターゲットにYAGレーザ光を照射して生成されるプラズマから放射される光、あるいはキセノンガスや錫などの存在下でキャピラリ放電やピンチ放電などによって放電することにより生成されるプラズマから放射される光などを用いることができる。
以下に具体例として独AIXUV社製EUV−maskblank reflectometer(MBR)を用いて反射率スペクトルを測定する方法を述べる。
キセノンガスピンチ放電によって放電することにより生成されるプラズマから放射されるEUV光を、スリットを通して多層反射膜およびリファレンスミラー(EUV波長域における反射率(=Rref(λ))が既知の、多層反射膜を基板上に成膜したミラー)の表面へそれぞれ入射角6〜8度で照射する。多層反射膜およびリファレンスミラーからの反射光をそれぞれグレーティングミラーで分光した後、マルチチャンネルCCD(電荷結合素子:Charged Coupled Device)アレイに投影し、各波長における多層反射・保護膜およびリファレンスミラーからの反射光強度(I(λ)、Iref(λ))を測定し、式(1)により、多層反射膜の反射率スペクトルR(λ)を求める。
R(λ)=Rref(λ)×I(λ)/Iref(λ) 式(1)
上記一連の手順により得られた反射率スペクトルの例が図2である。図2において、縦軸は反射率(Reflectivity)(%)であり、横軸は波長(Wavelength)(nm)である。但し、図2は基板(SiO2−TiO2系ガラス製)上にSi膜(膜厚4.5nm)とMo膜(膜厚2.3nm)とをこの順に交互に50層積層して多層反射膜を成膜した後、該多層反射膜上に保護膜としてSi膜(膜厚4.5nm)を成膜し、該Si膜上に保護膜とバッファー膜とを兼ねるRu膜(膜厚2.5nm)を成膜した多層反射膜および保護膜付き基板のRu膜表面に入射角6度でEUV光を照射した場合のEUV波長域(12.5〜14.5nm)の反射率スペクトルである。
上述したように、多層反射膜または保護層を加熱することにより、これらの表面にEUV光を照射した際のEUV波長域におけるピーク反射率を低下させることができる。したがって、多層反射膜または保護層が露出しているマスクパターンの開口部の一部を局所加熱することにより、局所加熱された部位のピーク反射率を局所的に低下させることができる。そして、開口部の一部が局所加熱されたEUVL用マスクを用いて、ウェハ上に形成されたレジスト膜にマスクパターンを転写した場合、マスクパターンの開口部のうち、局所加熱された部位からレジスト膜への露光量が減少する。要するに、本発明では、開口部の一部が局所加熱されたEUVL用マスクを用いて、ウェハ上に形成されたレジスト膜にマスクパターンを転写することにより、レジスト膜への露光量を局所的に調整することができる。そして、レジスト膜への露光量を局所的に調整することにより、EUVL用マスクでのマスクパターンの開口部の幅の設計値からのずれによって生じるレジストパターンの寸法のずれを修正することができる。以下、本明細書において、EUVL用マスクでのマスクパターンの開口部の幅の設計値からのずれによって生じるレジストパターンの寸法のずれのことを、「マスクに起因するレジストパターンの寸法のずれ」という。なお、後述する本発明のEUVL用マスクの製造方法(2)におけるEUVL用マスクでのマスクパターンの非開口部の幅の設計値からのずれによって生じるレジストパターンの寸法のずれのことも、「マスクに起因するレジストパターンの寸法のずれ」という。
但し、局所加熱された部位からレジスト膜への露光量を減少させることによって、マスクに起因するレジストパターンの寸法のずれを修正するという原理上、マスクパターンの開口部の一部を局所加熱することにより、マスクに起因するレジストパターンの寸法のずれを修正することができるのは、レジストパターンのうちマスクパターンの開口部に相当する部位の寸法の測定値が設計値よりも大きくなっている場合である。すなわち、本発明のEUVL用マスクの製造方法(1)は、マスクパターンの開口部の幅の測定値が設計値よりも大きくなっている部位が存在した場合に、当該部位を局所加熱することにより、当該部位からレジスト膜への露光量を局所的に減少させて、マスクに起因するレジストパターンの寸法のずれを修正するものである。
局所加熱に用いる加熱方法は、ベースマスクの開口部のうちEUV波長域におけるピーク反射率を低減させたい部位のみを局所加熱できる方法である限り特に限定されない。
局所加熱に用いる好適な加熱方法の一例としては、ベースマスクの開口部のうちEUV波長域のピーク反射率を下げたい部位に、レーザやランプを光源とする高エネルギーの光線を局所照射したり、電子線を局所照射することにより局所加熱を行う方法が挙げられる。
レーザやランプを光源とする光線を照射する場合、局所加熱の対象である多層反射膜、保護層またはバッファー層を構成する材料に吸収を有する波長域の光線を選択する必要がある。このような光線を照射可能な光源の具体例としては、が、F2レーザ(波長約157nm)、ArFエキシマレーザ(同約193nm)、KrFエキシマレーザ(同約248nm)、YAGレーザ4倍高調波(同約266nm)、XeClエキシマレーザ(同約308nm)、Arレーザ(同約488nm)、YAGレーザ(同1064nm)、CO2レーザ(同10.6um)などのレーザ光源、キセノンアークランプ(同約300〜約1000nm)、ハロゲンランプ(同約600〜約6000nm)などのランプ光源が挙げられる。
局所加熱に用いる好適な加熱方法の別の一例としては、抵抗加熱や誘導加熱などによる微小な発熱部材を、ベースマスクの開口部のうちEUV波長域におけるピーク反射率を下げたい部位に近接させ、輻射または気体を介した熱伝導により局所加熱する方法が挙げられる。具体的には、タングステンやカーボンなどのフィラメントを用いた抵抗加熱による発熱部材や、カーボンや鉄やステンレスなどの磁性体を用いた誘導加熱による発熱部材などを挙げることがそれぞれできる。また加熱可能な探針を有する原子間力顕微鏡(AFM)、走査型トンネル顕微鏡(STM)または触針式段差計が挙げられ、市販品としては、米国Anasys Instruments社のnano−TAの局所熱解析システムなどがある。
局所加熱の条件、すなわち、加熱温度および加熱時間は、局所加熱する部位の状態、すなわち、多層反射膜の構成材料、繰り返し層数や各層の膜厚、または、保護層の構成材料や膜厚等に応じて適宜選択することができる。または、EUV波長域におけるピーク反射率の低下させたい程度、ピーク反射率の低下させたい量に応じて適宜選択すればよい。但し、上述したように、局所加熱を行うと、局所加熱された部位でのEUV波長域におけるピーク反射率が低下するだけでなく、当該部位からのEUV波長域における反射光の中心波長も低下するので、局所加熱により許容不可能な反射光の中心波長のシフトが起こらないように留意する必要がある。
なお、局所加熱を実施する環境は特に限定されず、大気中で実施してもよく、希ガスや窒素ガスのような不活性ガス中で実施してもよい。但し、表面酸化による表面粗さの増加を防ぐため、希ガスや窒素ガスのような不活性ガス中で実施することが好ましい。
次に、本発明のEUVL用マスクの製造方法(2)について説明する。
本発明のEUVL用マスクの製造方法(2)は、その基本的な考え方は本発明のEUVL用マスクの製造方法(1)と同様である。但し、測定および設計値との比較対象となるのは、ベースマスクのマスクパターンの開口部の幅ではなく、非開口部の幅である。なお、図1に示すベースマスク1において、マスクパターンの非開口部10の幅はwで示されている。
すなわち、本発明のEUVL用マスクの製造方法(2)では、ベースマスク1のマスクパターンの非開口部10の幅wを測定した後、非開口部10の幅wの測定値を設計値と比較して、設計値に対する測定値のずれの有無を確認する。設計値に対して許容範囲を超えるずれが非開口部10の幅wで見つかった場合に、マスクパターンの非開口部10の当該部位に隣接するマスクパターンの開口部20の部位を局所加熱する。
上述したように、本願発明者らによる知見は、多層反射膜または保護層を加熱することにより、これらの表面にEUV光を照射した際にEUV波長域におけるピーク反射率を低下させることができることである。一方、マスクパターンの非開口部は、多層反射膜または保護層上に吸収体層が形成されている部位である。非開口部の一部を局所加熱しても、吸収体層の一部を局所加熱することになるので、EUV波長域におけるピーク反射率を低下させることはできないので、マスクパターンの非開口部10に隣接するマスクパターンの開口部20の部位を局所加熱する。
例えば、図1中、左側に位置するマスクパターンの非開口部10の幅wを測定した結果、設計値に対して許容範囲を超えるずれが見つかった場合、該非開口部10の当該部位に隣接する開口部20(図中左側に位置する開口部20)の部位を局所加熱する。また、図1中、中央に位置するマスクパターンの非開口部10の幅wを測定した結果、設計値に対して許容範囲を超えるずれが見つかった場合、該非開口部10の当該部位に隣接する両側の開口部20の部位、あるいは隣接する2つの開口部20のどちらか一方の部位を局所加熱する。
但し、局所加熱された部位からレジスト膜への露光量を減少させることによって、マスクに起因するレジストパターンの寸法のずれを修正するという原理上、マスクパターンの開口部の一部を局所加熱することにより、マスクに起因するレジストパターンの寸法のずれを修正することができるのは、レジストパターンのうちマスクパターンの非開口部に相当する部位の寸法の測定値が設計値よりも小さくなっている場合である。すなわち、本発明のEUVL用マスクの製造方法(2)は、マスクパターンの非開口部10の幅wの測定値が設計値よりも小さくなっている部位が存在した場合に、非開口部10の当該部位に隣接する開口部20の部位を局所加熱することにより、開口部20の当該部位からレジスト膜への露光量を局所的に減少させて、マスクに起因するレジストパターンの寸法のずれを修正するものである。
次に、本発明のEUVL用マスクの製造方法(3)について説明する。
本発明のEUVL用マスクの製造方法(3)では、まず初めに、本発明のEUVL用マスクの製造方法(1)と同様の手順でベースマスクを作成する。
次に、作成したベースマスクを用いて、ウェハ上にレジストパターンを形成する。この手順は、EUVL用マスクを用いてレジスト膜を形成したシリコンウェハにマスクパターンを転写する際に通常実施される手順と同様である。すなわち、レジスト膜が形成されたテスト用のウェハ(以下、「テストウェハ」という。)をステージ上に配置し、反射鏡を組み合わせて構成した反射型のEUVL用露光装置にベースマスクを設置する。そして、EUV光を光源から反射鏡を介してベースマスクに照射し、EUV光をベースマスクによって反射させてテストウェハに照射する。これにより、テストウェハのレジスト膜にレジストパターンが焼きつけられる。次に、レジスト膜中にできた潜像を、現像液を用いて現像してレジストパターンとする。
この手順に用いるEUVL用露光装置は、最終製品としてのEUVL用マスクを用いてウェハ上にレジストパターンを形成して半導体集積回路を製造する際に実際に使用するもの(以下、「半導体集積回路製造用のEUVL用露光装置」という。)を用いることが好ましい。
特許文献1について、上述したように、レジストパターンの寸法に設計値からずれが生じる原因の一つとして、EUVL用露光装置の投射光学系でのフレアがある。以下、本明細書において、EUVL用露光装置の投射光学系でのフレアが原因で発生するレジストパターンの寸法のずれのことを「露光装置に起因するレジストパターンの寸法のずれ」という。このような露光装置に起因するレジストパターンの寸法のずれは、フレアの問題がある露光装置を使用する限り必然的に発生する。ベースマスクを用いてテストウェハ上にレジストパターンを形成する手順に、フレアの問題があるEUVL用露光装置を使用した場合、テストウェハ上に形成されるレジストパターンは、露光装置に起因するレジストパターンの寸法のずれを含むものになる。テストウェハ上にレジストパターンを形成する手順に、半導体集積回路製造用のEUVL用露光装置を使用すれば、露光装置に起因するレジストパターンの寸法のずれも修正することができる。
但し、本発明のEUVL用マスクの製造方法(3)は、EUVL用マスクの製造方法(1)、(2)と同様に、マスクに起因するレジストパターンの寸法のずれを主として修正するものである。
テストウェハ上にレジスト膜を形成するのに使用するレジストは、最終製品としてのEUVL用マスクを用いて、ウェハ上にレジストパターンを形成して半導体集積回路を製造する際に実際に使用するレジストと同一のものに限定されないが、後述する理由から、EUV光照射時の挙動が同種のものを使用する。すなわち、半導体集積回路を製造する際に、ウェハ上にポジ型レジストでレジスト膜を形成する場合、テストウェハ上にポジ型レジストでレジスト膜を形成する必要があり、半導体集積回路を製造する際に、ウェハ上にネガ型レジストでレジスト膜を形成する場合、テストウェハ上にネガ型レジストでレジスト膜を形成する必要がある。但し、EUV光照射時や現像時のレジスト膜の反応性を考慮すると、半導体集積回路を製造する際に実際に使用するレジストと同一のものを使用することが好ましい。
一方、テストウェハは、その上に形成したレジストパターンの寸法(本発明のEUVL用マスクの製造方法(3)ではレジストパターンのスペース幅。後述する本発明のEUVL用マスクの製造方法(4)ではレジストパターンの線幅。)を測定することのみに用いられるため、実際に半導体集積回路を製造する際に使用するウェハとは違い、シリコンウェハ上には半導体集積回路の各種機能膜となる金属層や酸化物層を形成する必要は必ずしもない。すなわち、この手順には、シリコンウェハからなるテストウェハ上に直接レジスト膜を形成したものを用いることもできる。
本発明のEUVL用マスクの製造方法(3)では、次に、テストウェハ上に形成されたレジストパターンのスペース幅を測定する。図5は、レジスト膜にポジ型レジストが使用されている場合について、図1に示すベースマスクと、該ベースマスクを用いてレジストパターンが形成されたテストウェハと、の対応関係を示した図である。図6は、レジスト膜にネガ型レジストが使用されている場合について、図1に示すベースマスクと、該ベースマスクを用いてレジストパターンが形成されたテストウェハと、の対応関係を示した図である。図5および図6において、レジストパターンのスペース幅とは、レジストパターンの開口部20´の幅であり、図中W´で示されている。
レジストパターンのスペース幅を測定する方法は、通常100nm以下のスペース幅を誤差10nm以下の高精度で測定できる測定方法または測定装置である限り特に限定されない。このような測定装置としては、本発明のEUVL用マスクの製造方法(1)において、マスクパターンの開口部の幅の測定装置として挙げたものを用いることができる。
次に、上記の手順で得られたレジストパターンのスペース幅の測定値を設計値と比較して、設計値に対する測定値のずれの有無を確認する。
設計値に対するずれがなかった場合、もしくは設計値に対するずれが許容範囲内であった場合、上記手順で作製されたベースマスクをそのまま最終製品のEUVL用マスクとして使用することができ、以下に述べる手順を実施する必要がない。
一方、設計値に対して許容範囲を超えるずれが見つかった場合、上記手順で得られた測定値と設計値との比較結果に基づいて、後述する手順でマスクパターンの開口部の一部を局所加熱することにより、最終製品のEUVL用マスクを得る。
なお、レジストパターンのスペース幅の設計値に対するずれの許容範囲は、対象となるレジストパターンの形状や大きさ、または、レジストパターンが存在する部位によっても異なり、詳細はInternational Technology Roadmap for Semiconductorsなどに記述されているが、例えば、レジストパターンのスペース幅が50nmで、線幅が50nmである場合、レジストパターンのスペース幅の設計値に対するずれの許容範囲は5nm以下である。
上述した点から明らかなように、本発明のEUVL用マスクの製造方法(1)では、ベースマスクについて、マスクパターンの開口部の幅の測定値を設計値と比較して、その結果に基づいて該ベースマスクのマスクパターンの開口部の一部を局所加熱するのに対して、本発明のEUVL用マスクの製造方法(3)では、ベースマスクを用いてテストウェハ上に形成されるレジストパターンについて、スペース幅の測定値を設計値と比較して、その結果に基づいて、該ベースマスクのマスクパターンの開口部の一部を局所加熱する。
本発明のEUVL用マスクの製造方法(3)では、スペース幅の測定値と設計値とを比較結果に基づいてベースマスクのマスクパターンの開口部の一部を局所加熱する際の考え方が、テストウェハ上に形成されたレジスト膜に使用されているレジストがポジ型レジストであるか、ネガ型レジストであるかによって異なる。それぞれの場合について以下に説明する。
[レジスト膜にポジ型レジストが使用されている場合]
上述したように、図5は、レジスト膜にポジ型レジストが使用されている場合について、図1に示すベースマスクと、該ベースマスクを用いてレジストパターンが形成されたテストウェハと、の対応関係を示した図である。図5に示すように、ベースマスク1の開口部20と対応するテストウェハの部位は、開口部20からのEUV光が照射されるため、現像によりレジスト膜6が除去されて、テストウェハ(シリコンウェハ)5が露出した状態となる。すなわち、レジストパターンの開口部20´となる。一方、ベースマスク1の非開口部10と対応するテストウェハの部位は、EUV光が照射されないため、現像によりレジスト膜6が除去されず、レジストパターンの非開口部10´となる。すなわち、レジスト膜がポジ型レジストの場合、ベースマスクの開口部20、非開口部10は、それぞれ、テストウェハ上に形成されるレジストパターンの開口部20´、非開口部10´に対応する。
したがって、本発明のEUVL用マスクの製造方法(1)と同様の考え方で開口部の一部を局所加熱することができる。すなわち、テストウェハ上にレジストパターンのスペース幅W´(レジストパターンの開口部20´の幅)の測定値が設計値よりも大きい部位が存在する場合、このレジストパターンのスペース幅W´の測定値が設計値よりも大きい部位に対応するマスクパターンの開口部20における部位を局所加熱することにより、当該部位からレジスト膜への露光量を局所的に減少させて、レジストパターンにおけるスペース幅の設計値に対するずれを修正する。
一方、テストウェハ上にレジストパターンのスペース幅W´の測定値が設計値よりも小さい部位が存在する場合は、マスクパターンの開口部20の一部を局所加熱することによっては、レジストパターンにおけるスペース幅の設計値に対するずれを修正することは困難である。
[レジスト膜にネガ型レジストが使用されている場合]
上述したように、図6は、レジスト膜にネガ型レジストが使用されている場合について、図1に示すベースマスクと、該ベースマスクを用いてレジストパターンが形成されたテストウェハと、の対応関係を示した図である。図6に示すように、ベースマスク1の開口部20と対応するテストウェハの部位は、開口部20からのEUV光が照射されるため、現像によってレジスト膜7が除去されずレジストパターンの非開口部10´となる。一方、ベースマスク1の非開口部10と対応するテストウェハの部位は、EUV光が照射されないため、現像によりレジスト膜7が除去されて、テストウェハ(シリコンウェハ)5が露出してレジストパターンの開口部20´となる。すなわち、レジスト膜がポジ型レジストの場合、ベースマスクのマスクパターンと、レジストパターンと、で、開口部−非開口部の関係が逆になる。
したがって、上述したレジスト膜にポジ型レジストが使用されている場合とは逆の考え方で開口部の一部を局所加熱することになる。すなわち、テストウェハにレジストパターンのスペース幅W´(レジストパターンの開口部20´の幅)の測定値が設計値よりも小さい部位が存在する場合、このレジストパターンのスペース幅W´の測定値が設計値よりも小さい部位に対応するマスクパターンの開口部20の部位を局所加熱することにより、当該部位からレジスト膜への露光量を局所的に減少させて、レジストパターンにおけるスペース幅の設計値に対するずれを修正する。ここで、図6から明らかなように、レジスト膜にネガ型レジストが使用されている場合、レジストパターンの開口部20´に直接対応するのは、マスクパターンの非開口部10である。したがって、レジストパターンのスペース幅W´(開口部20´の幅)の測定値が設計値よりも小さい部位に対応するマスクパターンの開口部20の部位とは、レジストパターンの開口部20´の当該部位に直接対応するマスクパターンの非開口部10の部位に隣接するマスクパターンの開口部20の部位である。
一方、テストウェハ上にレジストパターンのスペース幅W´の測定値が設計値よりも大きい部位が存在する場合は、マスクパターンの開口部20の一部を局所加熱することによっては、レジストパターンにおけるスペース幅W´の設計値に対するずれを修正することは困難である。
次に、本発明のEUVL用マスクの製造方法(4)について説明する。
本発明のEUVL用マスクの製造方法(4)は、その基本的な考え方は本発明のEUVL用マスクの製造方法(3)と同様である。但し、測定および設計値との比較対象となるのは、レジストパターンにおけるスペース幅W´ではなく、レジストパターンにおける線幅w´(非開口部10´の幅)である。
本発明のEUVL用マスクの製造方法(4)においても、レジストパターンにおける線幅w´の測定値と設計値とを比較結果に基づいてベースマスクのマスクパターンの開口部20の一部を局所加熱する際の考え方が、テストウェハ上に形成されたレジスト膜に使用されているレジストがポジ型レジストであるか、ネガ型レジストであるかによって異なる。それぞれの場合について以下に説明する。
[レジスト膜にポジ型レジストが使用されている場合]
本発明のEUVL用マスクの製造方法(3)のところで述べたように、レジスト膜がポジ型レジストの場合、ベースマスクの開口部20、非開口部10は、それぞれ、テストウェハ上に形成されるレジストパターンの開口部20´、非開口部10´に対応する。
テストウェハ上にレジストパターンの線幅w´(レジストパターンの非開口部10´の幅)の測定値が設計値よりも小さい部位が存在する場合、このレジストパターンの線幅w´の測定値が設計値よりも小さい部位に対応するマスクパターンの開口部20における部位を局所加熱することにより、当該部位からレジスト膜への露光量を局所的に減少させて、レジストパターンにおけるスペース幅の設計値に対するずれを修正する。ここで、図5から明らかなように、レジスト膜にポジ型レジストが使用されている場合、レジストパターンの非開口部10´に直接対応するのは、マスクパターンの非開口部10である。したがって、レジストパターンの線幅w´(非開口部10´の幅)の測定値が設計値よりも小さい部位に対応するマスクパターンの開口部20の部位とは、レジストパターンの非開口部10´の当該部位に直接対応するマスクパターンの非開口部10の部位に隣接するマスクパターンの開口部20の部位である。
一方、テストウェハ上にレジストパターンの線幅w´の測定値が設計値よりも大きい部位が存在する場合は、マスクパターンの開口部20の一部を局所加熱することによっては、レジストパターンにおけるスペース幅の設計値に対するずれを修正することは困難である。
[レジスト膜にネガ型レジストが使用されている場合]
本発明のEUVL用マスクの製造方法(3)のところで述べたように、レジスト膜がネガ型レジストの場合、ベースマスクの開口部20、非開口部10は、それぞれ、テストウェハ上に形成されるレジストパターンの非開口部10´、開口部20´に対応する。
テストウェハ上にレジストパターンの線幅w´(レジストパターンの非開口部10´の幅)の測定値が設計値よりも大きい部位が存在する場合、このレジストパターンの線幅w´の測定値が設計値よりも大きい部位に対応するマスクパターンの開口部20における部位を局所加熱することにより、当該部位からレジスト膜への露光量を局所的に減少させて、レジストパターンにおけるスペース幅の設計値に対するずれを修正する。
一方、テストウェハ上にレジストパターンの線幅w´の測定値が設計値よりも小さい部位が存在する場合は、マスクパターンの開口部20の一部を局所加熱することによっては、レジストパターンにおけるスペース幅の設計値に対するずれを修正することは困難である。
本発明のEUVL用マスクの製造方法(3)、(4)において、EUVL用マスクのマスクパターンの開口部の一部を局所加熱する方法としては、本発明のEUVL用マスクの製造方法(1)で、マスクパターンの開口部の一部を局所加熱する方法として挙げたものを好ましく用いることができる。
本発明のEUVL用マスクの製造方法(3)、(4)において、テストウェハ上に形成されたレジストパターンのスペース幅或いは線幅の測定値と、設計値と、の比較結果に基づいて、ベースマスクの開口部の一部を局所加熱させることにより、最終製品であるEUVL用マスクを得るとしているが、開口部の一部を局所加熱した後のEUVL用マスクに対して、さらに上記した手順、すなわち、該EUVL用マスクを用いて新たなテストウェハ上にレジストパターンを形成すること、形成されたレジストパターンのスペース幅(或いは線幅)を測定すること、レジストパターンのスペース幅(或いは線幅)の測定値と設計値とを比較すること、および、レジストパターンのスペース幅(或いは線幅)の測定値と設計値との比較結果に基づいてEUVL用マスクの開口部の一部を局所加熱すること、を1回または複数回実施することで、レジストパターンのスペース幅(或いは線幅)の設計値に対するずれをさらに修正して、最終製品であるEUVL用マスクを得てもよい。
また、本発明のEUVL用マスクの製造方法(1)、(2)でマスクパターンの開口部の一部を局所加熱したEUVL用マスクに対して、本発明のEUVL用マスクの製造方法(3)、(4)の手順を施してもよい。すなわち、本発明のEUVL用マスクの製造方法(1)、(2)でマスクパターンの開口部の一部を局所加熱したEUVL用マスクを用いて、テストウェハ上にレジストパターンを形成すること、形成されたレジストパターンのスペース幅(或いは線幅)を測定すること、レジストパターンのスペース幅(或いは線幅)の測定値と設計値とを比較すること、および、レジストパターンのスペース幅(或いは線幅)の測定値と設計値との比較結果に基づいてEUVL用マスクの開口部の一部を局所加熱すること、を1回または複数回実施することで、レジストパターンのスペース幅(或いは線幅)の設計値に対するずれをさらに修正して、最終製品であるEUVL用マスクを得てもよい。
上記の手順で得られたEUVL用マスクは、EUV光を露光用光源として用いるフォトリソグラフィ法による半導体集積回路の製造方法に適用できる。具体的には、レジストを塗布したシリコンウェハ等の基板をステージ上に配置し、反射鏡を組み合わせて構成した反射型の露光装置に本発明のEUVL用マスクを設置する。そして、EUV光を光源から反射鏡を介してEUVL用マスクに照射し、EUV光をEUVL用マスクによって反射させてレジストが塗布された基板に照射する。このパターン転写工程により、回路パターンが基板上に転写される。回路パターンが転写された基板は、現像によって感光部分または非感光部分をエッチングした後、レジストを剥離する。半導体集積回路は、このような工程を繰り返すことで製造される。
図1は、ベースマスクの1実施形態を示す概略断面図である。 図2は、多層反射膜(Mo/Si多層反射膜)および保護膜(Si膜、Ru膜)付き基板の保護膜表面にEUV光を照射した場合のEUV波長域の反射率スペクトルである。 図3は、多層反射膜(Mo/Si多層反射膜)および保護膜(Si膜、Ru膜)付き基板を大気雰囲気下、ホットプレートを用いて10分間加熱した場合の中心波長低下量の加熱温度依存性を示したグラフである。 図4は、多層反射膜(Mo/Si多層反射膜)および保護膜(Si膜、Ru膜)付き基板を大気雰囲気下、ホットプレートを用いて10分間加熱した場合のピーク反射率低下量の加熱温度依存性を示したグラフである。 図5は、レジスト膜にポジ型レジストが使用されている場合について、図1に示すベースマスクと、該ベースマスクを用いてレジストパターンが形成されたテストウェハと、の対応関係を示した図である。 図6は、レジスト膜にネガ型レジストが使用されている場合について、図1に示すベースマスクと、該ベースマスクを用いてレジストパターンが形成されたテストウェハと、の対応関係を示した図である。
符号の説明
1:ベースマスク
2:基板
3:反射層
4:吸収体層
5:テストウェハ
6,7:レジスト膜
10,10´:非開口部
20,20´:開口部

Claims (14)

  1. 基板上に、EUV光を反射する反射層が形成されており、該反射層上にEUV光を吸収する吸収体層が形成された部位と、前記反射層上に前記吸収体層が形成されていない部位と、を有し、該反射層上に吸収体層が形成された部位がマスクパターンの非開口部をなし、該反射層上に吸収体層が形成されていない部位がマスクパターンの開口部をなすEUVリソグラフィ(EUVL)用反射型マスクを製造する工程と、
    前記マスクパターンの開口部の幅を測定する工程と、
    前記マスクパターンの開口部の幅の測定値と、設計値と、を比較する工程と、
    前記マスクパターンの開口部の幅の測定値と、設計値と、を比較する工程で得られた結果に基づいて、前記EUVL用反射型マスクの前記マスクパターンの開口部の一部を、電子線または波長157nm〜488nmの光源からの光線の照射を用いて局所加熱する工程と、を有し、
    前記加熱工程によって、前記開口部のEUV波長域のピーク反射率を低下させることを特徴とするEUVL用反射型マスクの製造方法。
  2. 前記マスクパターンの開口部の幅の測定値が設計値より大きい部位が存在する場合に、マスクパターンの開口部の当該部位を局所加熱することを特徴とする請求項1に記載のEUVL用反射型マスクの製造方法。
  3. 基板上に、EUV光を反射する反射層が形成されており、該反射層上にEUV光を吸収する吸収体層が形成された部位と、前記反射層上に前記吸収体層が形成されていない部位と、を有し、該反射層上に吸収体層が形成された部位がマスクパターンの非開口部をなし、該反射層上に吸収体層が形成されていない部位がマスクパターンの開口部をなすEUVリソグラフィ(EUVL)用反射型マスクを製造する工程と、
    前記マスクパターンの非開口部の幅を測定する工程と、
    前記マスクパターンの非開口部の幅の測定値と、設計値と、を比較する工程と、
    前記マスクパターンの非開口部の幅の測定値と、設計値と、を比較する工程で得られた結果に基づいて、前記EUVL用反射型マスクの前記マスクパターンの開口部の一部を、電子線または波長157nm〜488nmの光源からの光線の照射を用いて局所加熱する工程と、を有し、
    前記加熱工程によって、前記開口部のEUV波長域のピーク反射率を低下させることを特徴とするEUVL用反射型マスクの製造方法。
  4. 前記マスクパターンの非開口部の幅の測定値が設計値より小さい部位が存在する場合に、マスクパターンの非開口部の当該部位に隣接するマスクパターンの開口部の部位を局所加熱することを特徴とする請求項3に記載のEUVL用反射型マスクの製造方法。
  5. 基板上に、EUV光を反射する反射層が形成されており、該反射層上にEUV光を吸収する吸収体層が形成された部位と、前記反射層上に前記吸収体層が形成されていない部位と、を有し、該反射層上に吸収体層が形成された部位がマスクパターンの非開口部をなし、該反射層上に吸収体層が形成されていない部位がマスクパターンの開口部をなすEUVリソグラフィ(EUVL)用反射型マスクを製造する工程と、
    前記EUVL用反射型マスクを用いてウェハ上にレジストパターンを形成する工程と、
    前記レジストパターンのスペース幅を測定する工程と、
    前記レジストパターンのスペース幅の測定値と、設計値と、を比較する工程と、
    前記レジストパターンのスペース幅の測定値と、設計値と、を比較する工程で得られた結果に基づいて、前記EUVL用反射型マスクの前記マスクパターンの開口部の一部を局所加熱する工程とを有し、
    前記加熱工程によって、前記開口部のEUV波長域のピーク反射率を低下させることを特徴とするEUVL用反射型マスクの製造方法。
  6. 前記ウェハ上のレジスト膜がポジ型レジストであり、
    前記レジストパターンにおけるスペース幅の測定値が設計値より大きい部位が存在する場合に、当該部位に対応する前記EUVL用反射型マスクの前記マスクパターンの開口部の部位を局所加熱することを特徴とする請求項5に記載のEUVL用反射型マスクの製造方法。
  7. 前記ウェハ上のレジスト膜がネガ型レジストであり、
    前記レジストパターンにおけるスペース幅の測定値が設計値より小さい部位が存在する場合に、当該部位に対応する前記EUVL用反射型マスクの前記マスクパターンの開口部の部位を局所加熱することを特徴とする請求項5に記載のEUVL用反射型マスクの製造方法。
  8. 基板上に、EUV光を反射する反射層が形成されており、該反射層上にEUV光を吸収する吸収体層が形成された部位と、前記反射層上に前記吸収体層が形成されていない部位と、を有し、該反射層上に吸収体層が形成された部位がマスクパターンの非開口部をなし、該反射層上に吸収体層が形成されていない部位がマスクパターンの開口部をなすEUVリソグラフィ(EUVL)用反射型マスクを製造する工程と、
    前記EUVL用反射型マスクを用いてウェハ上にレジストパターンを形成する工程と、
    前記レジストパターンの線幅を測定する工程と、
    レジストパターンの線幅の測定値と、設計値と、を比較する工程と、
    前記レジストパターンの線幅の測定値と、設計値と、を比較する工程で得られた結果に基づいて、前記EUVL用反射型マスクの前記マスクパターンの開口部の一部を局所加熱する工程と、を有し、
    前記加熱工程によって、前記開口部のEUV波長域のピーク反射率を低下させることを特徴とするEUVL用反射型マスクの製造方法。
  9. 前記ウェハ上のレジスト膜がポジ型レジストであり、
    前記レジストパターンにおける線幅の測定値が設計値より小さい部位が存在する場合に、当該部位に対応する前記EUVL用反射型マスクの前記マスクパターンの開口部の部位を局所加熱することを特徴とする請求項8に記載のEUVL用反射型マスクの製造方法。
  10. 前記ウェハ上のレジスト膜がネガ型レジストであり、
    前記レジストパターンにおける線幅の測定値が設計値より大きい部位が存在する場合に、当該部位に対応する前記EUVL用反射型マスクの前記マスクパターンの開口部の部位を局所加熱することを特徴とする請求項8に記載のEUVL用反射型マスクの製造方法。
  11. 前記局所加熱に、レーザ光線または電子線の照射を用いることを特徴とする請求項〜10のいずれかに記載のEUVL用反射型マスクの製造方法。
  12. 前記レーザ光線は、波長157nm〜488nmの光源からの光線である請求項11に記載のEUVL用反射型マスクの製造方法。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の製造方法により製造されるEUVL用反射型マスク。
  14. 請求項13に記載のEUVL用反射型マスクを用いて、被露光体に露光を行うことにより半導体集積回路を製造する半導体集積回路の製造方法。
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