JP7271760B2 - 多層反射膜付き基板、反射型マスクブランク、反射型マスク、及び半導体デバイスの製造方法 - Google Patents
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基板の主表面上に、多層反射膜および保護膜をこの順に備える多層反射膜付基板であって、
前記基板は、ケイ素、チタンおよび酸素を主成分とし、さらに水素を含有し、
前記多層反射膜は、低屈折率層と高屈折率層を交互に積層させた構造を有し、
前記多層反射膜は、水素を含有し、前記多層反射膜中の水素の原子数密度は、7.0×10-3atoms/nm3以下である
ことを特徴とする多層反射膜付基板。
前記高屈折率層は、ケイ素を含有し、前記低屈折率層は、モリブデンを含有することを特徴とする構成1記載の多層反射膜付基板。
前記基板に対して、二次イオン質量分析法による分析を行って得られる前記基板中の水素の原子数密度は、1.0×1019atoms/cm3以上であることを特徴とする構成1または2に記載の多層反射膜付基板。
前記保護膜は、ルテニウムを含有することを特徴とする構成1から3のいずれかに記載の多層反射膜付基板。
前記多層反射膜は、主表面上に、前記低屈折率層の構成元素と前記高屈折率層の構成元素が混合した混合領域を有し、前記混合領域のEUV光に対する表面反射率は、それ以外の領域のEUV光に対する表面反射率よりも低いことを特徴とする構成1から4のいずれかに記載の多層反射膜付基板。
基板の主表面上に、多層反射膜、保護膜およびパターン形成用薄膜をこの順に備えるマスクブランクであって、
前記基板は、ケイ素、チタンおよび酸素を主成分とし、さらに水素を含有し、
前記多層反射膜は、低屈折率層と高屈折率層を交互に積層させた構造を有し、
前記多層反射膜は、水素を含有し、前記多層反射膜中の水素の原子数密度は、7.0×10-3atoms/nm3以下である
ことを特徴とするマスクブランク。
前記高屈折率層は、ケイ素を含有し、前記低屈折率層は、モリブデンを含有することを特徴とする構成6記載のマスクブランク。
前記基板に対して、二次イオン質量分析法による分析を行って得られる前記基板中の水素の原子数密度は、1.0×1019atoms/cm3以上であることを特徴とする構成6または7に記載のマスクブランク。
前記保護膜は、ルテニウムを含有することを特徴とする構成6から8のいずれかに記載のマスクブランク。
前記多層反射膜は、主表面上に、前記低屈折率層の構成元素と前記高屈折率層の構成元素が混合した混合領域を有し、前記混合領域のEUV光に対する表面反射率は、前記パターン形成用薄膜のEUV光に対する表面反射率よりも低いことを特徴とする構成6から9のいずれかに記載のマスクブランク。
基板の主表面上に、多層反射膜、保護膜および薄膜パターンをこの順に備える反射型マスクであって、
前記基板は、ケイ素、チタンおよび酸素を主成分とし、さらに水素を含有し、
前記多層反射膜は、低屈折率層と高屈折率層を交互に積層させた構造を有し、
前記多層反射膜は、水素を含有し、前記多層反射膜中の水素の原子数密度は、7.0×10-3atoms/nm3以下であり、
前記多層反射膜は、主表面上の薄膜パターンが設けられている領域の外周の領域に、前記低屈折率層の構成元素と前記高屈折率層の構成元素が混合した混合領域を有し、前記混合領域のEUV光に対する表面反射率は、前記薄膜パターンのEUV光に対する表面反射率よりも低いことを特徴とする反射型マスク。
前記高屈折率層は、ケイ素を含有し、前記低屈折率層は、モリブデンを含有することを特徴とする構成11記載の反射型マスク。
前記基板に対して、二次イオン質量分析法による分析を行って得られる前記基板中の水素の原子数密度は、1.0×1019atoms/cm3以上であることを特徴とする構成11または12に記載の反射型マスク。
前記保護膜は、ルテニウムを含有することを特徴とする構成11から13のいずれかに記載の反射型マスク。
構成11から14のいずれかに記載の反射型マスクを用い、半導体基板上のレジスト膜に転写パターンを露光転写する工程を備えることを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
以下、本実施形態の多層反射膜付き基板110について詳しく説明する。多層反射膜付き基板110は、基板1と、多層反射膜5と、保護膜6を含む。
基板1は、ケイ素、チタンおよび酸素を主成分とし、さらに水素を含有する。この場合の水素には、OH基の状態で含有するものも含まれる。ケイ素、チタンおよび酸素を主成分とする基板1の例として、SiO2-TiO2系ガラスを挙げることができる。SiO2-TiO2系ガラスは、TiO2を含有するシリカガラスであり、石英ガラスよりも小さい熱膨張係数を有する低熱膨張材料である。基板1がSiO2-TiO2系ガラスである場合、基板1には水素およびOH基が含まれる。
多層反射膜5は、反射型マスク200において、EUV光を反射する機能を付与するものである。多層反射膜5は、屈折率の異なる元素を主成分とする各層が周期的に積層された多層膜である。
後述する反射型マスク200の製造工程におけるドライエッチングおよび洗浄から多層反射膜5を保護するために、多層反射膜5の上に、または多層反射膜5の表面に接して保護膜6を形成することができる。また、保護膜6は、電子線(EB)を用いた薄膜パターンの黒欠陥を修正する際に多層反射膜5を保護する役割も兼ね備える。ここで、図1および図2では保護膜6が1層の場合を示しているが、保護膜6は2層以上の積層構造を有してもよい。保護膜6は、吸収体膜7をパターニングする際に使用するエッチャント、および洗浄液に対して耐性を有する材料で形成される。多層反射膜5の上に保護膜6が形成されていることにより、多層反射膜5および保護膜6を有する基板110を用いて反射型マスク200(EUVマスク)を製造する際の、多層反射膜5の表面へのダメージを抑制することができる。そのため、多層反射膜5のEUV光に対する反射率特性が良好となる。
本実施形態の反射型マスクブランク100について説明する。本実施形態の反射型マスクブランク100を用いることにより、露光光に対する反射率が高い多層反射膜5を有する反射型マスク200を製造することができる。
反射型マスクブランク100は、上述の多層反射膜付き基板110の上に、吸収体膜(パターン形成用薄膜)7を有する。すなわち、吸収体膜7は、多層反射膜付き基板110の最上層である保護膜6の上に形成される。吸収体膜7の基本的な機能は、EUV光を吸収することである。吸収体膜7は、EUV光の吸収を目的とした吸収体膜7であっても良いし、EUV光の位相差も考慮した位相シフト機能を有する吸収体膜7であっても良い。位相シフト機能を有する吸収体膜7とは、EUV光を吸収するとともに一部を反射させて位相をシフトさせるものである。すなわち、位相シフト機能を有する吸収体膜7がパターニングされた反射型マスク200において、吸収体膜7が形成されている部分では、EUV光を吸収して減光しつつパターン転写に悪影響がないレベルで一部の光を反射させる。また、吸収体膜7が形成されていない領域(フィールド部)では、EUV光は、保護膜6を介して多層反射膜5から反射する。そのため、位相シフト機能を有する吸収体膜7からの反射光と、フィールド部からの反射光との間に所望の位相差を有することになる。位相シフト機能を有する吸収体膜7は、吸収体膜7からの反射光と、多層反射膜5からの反射光との位相差が130度から230度となるように形成される。180度近傍の反転した位相差の光同士がパターンエッジ部で干渉し合うことにより、投影光学像の像コントラストが向上する。その像コントラストの向上に伴って解像度が上がり、露光量裕度、焦点裕度等の露光に関する各種裕度を大きくすることができる。
基板1の第2主表面の上(多層反射膜5の反対側の面の上。)には、静電チャック用の裏面導電膜2が形成される。裏面導電膜2のシート抵抗は、通常100Ω/□以下である。裏面導電膜2は、例えば、クロム又はタンタル等の金属、又はそれらの合金のターゲットを使用したDCスパッタリング法、RFスパッタリング法、またはイオンビームスパッタリング法によって形成することができる。裏面導電膜2を形成するためのクロム(Cr)を含む材料は、Crに、ホウ素、窒素、酸素、及び炭素から選択される少なくとも1つを含有したCr化合物であることが好ましい。Cr化合物としては、例えば、CrN、CrON、CrCN、CrCON、CrBN、CrBON、CrBCN及びCrBOCNなどを挙げることができる。裏面導電膜2を形成するためのタンタル(Ta)を含む材料は、Ta(タンタル)、Taを含有する合金、又はこれらのいずれかにホウ素、窒素、酸素、及び炭素から選択される少なくとも1つを含有したTa化合物であることが好ましい。Ta化合物としては、例えば、TaB、TaN、TaO、TaON、TaCON、TaBN、TaBO、TaBON、TaBCON、TaHf、TaHfO、TaHfN、TaHfON、TaHfCON、TaSi、TaSiO、TaSiN、TaSiON、及びTaSiCONなどを挙げることができる。
本実施形態の製造方法で製造される多層反射膜付き基板110及び反射型マスクブランク100は、吸収体膜7上にエッチング用ハードマスク膜(「エッチングマスク膜」ともいう。)及び/又はレジスト膜8を備えることができる。エッチング用ハードマスク膜の代表的な材料としては、ケイ素(Si)、並びにケイ素に酸素(O)、窒素(N)、炭素(C)及び水素(H)から選択される少なくとも1つの元素を加えた材料、又は、クロム(Cr)、並びにクロムに酸素(O)、窒素(N)、炭素(C)及び水素(H)から選択される少なくとも1つの元素を加えた材料等が挙げられる。具体的には、SiO2、SiON、SiN、SiO、Si、SiC、SiCO、SiCN、SiCON、Cr、CrN、CrO、CrON、CrC、CrCO、CrCN、及びCrOCN等が挙げられる。但し、吸収体膜7が酸素を含む化合物の場合、エッチング用ハードマスク膜として酸素を含む材料(例えばSiO2)はエッチング耐性の観点から避けたほうが良い。エッチング用ハードマスク膜を形成した場合には、レジスト膜8の膜厚を薄くすることが可能となり、パターンの微細化に対して有利である。
上述の反射型マスクブランク100の吸収体膜7をパターニングすることによって、多層反射膜5上に保護膜6を有し、保護膜6の上に吸収体パターン7aを有する反射型マスク200を得ることができる。本実施形態の反射型マスクブランク100を用いることにより、露光光に対する反射率が高い多層反射膜5を有する反射型マスク200を得ることができる。
本実施形態の半導体デバイスの製造方法は、上述の反射型マスク200を用いて、露光装置を使用したリソグラフィプロセスを行い、被転写体に転写パターンを露光転写する工程を備える。
実施例の多層反射膜付き基板110は、図1に示すように、基板1と、多層反射膜5と、保護膜6を有する。
上述のように製造された4枚の多層反射膜付き基板110の多層反射膜5に含まれる水素の原子数密度[atoms/nm3]を、SIMS(四重極型二次イオン質量分析装置:PHI ADEPT-1010TM、アルバック・ファイ株式会社製)によって測定した。測定条件は、一次イオン種をCs+、一次加速電圧を1.0kV、一次イオン照射領域を90μm角、二次イオン極性を正、検出二次イオン種を[Cs-H]+、[Cs-D]+、または[Cs-He]+とした。また、標準試料はSiとした。測定結果を以下の表1に示す。
上記4枚の多層反射膜付き基板110の基板1中の水素の原子数密度[atoms/cm3]を、多層反射膜5の場合と同様の手順でSIMS(四重極型二次イオン質量分析装置:PHI ADEPT-1010TM、アルバック・ファイ株式会社製)によって測定した。測定結果を表1に示す。
次に、4枚の多層反射膜付き基板110の保護膜6の上に、TaBNを含む材料からなる吸収体膜7をそれぞれ形成した。吸収体膜7は、ArガスとN2ガスの混合ガス雰囲気中で、TaB混合焼結ターゲットを使用したDCスパッタリング法により、62nmの膜厚で成膜した。
裏面導電膜2の形成条件:Crターゲット、ArとN2の混合ガス雰囲気(Ar:90原子%、N:10原子%)、膜厚20nm。
次に、上述の4枚の反射型マスクブランク100を用いて、反射型マスク200をそれぞれ製造した。図3を参照して各反射型マスク200の製造方法を説明する。
2 裏面導電膜
5 多層反射膜
6 保護膜
7 吸収体膜
7a 吸収体パターン
8 レジスト膜
8a レジストパターン
100 反射型マスクブランク
110 多層反射膜付き基板
200 反射型マスク
Claims (12)
- 基板の主表面上に、多層反射膜、保護膜およびパターン形成用薄膜をこの順に備えるマスクブランクであって、
前記多層反射膜は、低屈折率層と高屈折率層を交互に積層させた構造を有し、
前記多層反射膜は、水素を含有し、前記多層反射膜中の水素の原子数密度は、1.0 ×10-4atoms/nm3以上7.0×10-3atoms/nm3以下であることを特徴とするマスクブランク。 - 前記多層反射膜中の水素の原子数密度は、6.0×10-3atoms/nm3以下であることを特徴とする請求項1記載のマスクブランク。
- 前記高屈折率層は、ケイ素を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のマスクブランク。
- 前記保護膜は、ルテニウムを含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のマスクブランク。
- 前記保護膜は、ルテニウムとロジウムとを含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のマスクブランク。
- 前記パターン形成用薄膜の上に、エッチング用ハードマスク膜及び/又はレジスト膜を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のマスクブランク。
- 基板の主表面上に、多層反射膜、保護膜および薄膜パターンをこの順に備える反射型マスクであって、
前記多層反射膜は、低屈折率層と高屈折率層を交互に積層させた構造を有し、
前記多層反射膜は、水素を含有し、前記多層反射膜中の水素の原子数密度は、1.0 ×10-4atoms/nm3以上7.0×10-3atoms/nm3以下であることを特徴とする反射型マスク。 - 前記多層反射膜中の水素の原子数密度は、6.0×10-3atoms/nm3以下であることを特徴とする請求項7記載の反射型マスク。
- 前記高屈折率層は、ケイ素を含有することを特徴とする請求項7又は8に記載の反射型マスク。
- 前記保護膜は、ルテニウムを含有することを特徴とする請求項7又は8に記載の反射型マスク。
- 前記保護膜は、ルテニウムとロジウムとを含有することを特徴とする請求項7又は8に記載の反射型マスク。
- 請求項7又は8に記載の反射型マスクを用い、半導体基板上のレジスト膜に転写パターンを露光転写する工程を備えることを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
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