以下、本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。まず、本発明の実施形態1および実施形態2に係るデジタルカメラ1の構成について説明する。
(実施形態1)
デジタルカメラ1は、図1に示すように、自動焦点調節機能(AF(Auto Focus)機能)を備えるものであって、レンズ光学系2と、撮像素子3と、A/D(Analog / Digital)変換器4と、画像処理部5と、レリーズ操作部6と、カメラ操作部7と、表示部8と、メモリ群9と、制御部10と、レンズ駆動モータ部11と、AF制御部12と、から構成されている。
レンズ光学系2は、撮像レンズや、ピント合せ(合焦)を行うフォーカスレンズ、撮像素子3に入射する被写体像の光量を調整する絞り機構等を含んで構成されている。レンズ光学系2を介して集光された被写体の光学像(被写体像)は、撮像素子3上に結像される。
撮像素子3は、例えばCCD(Charge Coupled Device)等であって、レンズ光学系2を介して結像された被写体像を、その明るさに応じた大きさの電荷に変換して蓄積するものである。そして、撮像素子3は、図示しないタイミングジェネレータやV(Vertical)ドライバにより走査駆動されて、蓄積した電荷を撮像信号(アナログ信号)として出力する。
撮像素子3から出力された撮像信号は、二重相関サンプリング(CDS:Correlation Doubleness Sampling)回路(図示せず)でノイズを除去され、AGC(Automatic Gain Control)増幅器(図示せず)により増幅された後、A/D変換器4によってデジタル信号に変換される。
画像処理部5は、カラープロセス回路やDMA(Direct Memory Access)コントローラ等を含んで構成されている。画像処理部5は、カラープロセス回路で、A/D変換部4から供給されるデジタル方式の撮像信号に対しカラープロセス処理を施して、輝度信号Y及び色差信号Cb,Crを生成する。
そして、画像処理部5は、DMAコントローラを用いて、カラープロセス回路で生成した輝度信号Y及び色差信号Cb、Crをメモリ群9のDRAM(Dynamic Random Access Memory)にDMA転送する。また、カラープロセス回路において生成された輝度信号Yは、AF制御部12にも供給される。
レリーズ操作部6は、半押し検出部6−1と全押し検出部6−2とを備えており、ユーザによりシャッターキーが押下され、所定の中間点に達したことが半押し検出部6−1によって検出されると、半押しがなされたとして、その旨を示す信号(半押し検出信号)を制御部10に供給する。そして、シャッターキーが最下点まで達したことが全押し検出部6−2によって検出された場合には、全押しがなされたとして、その旨を示す信号(全押し検出信号)を制御部10に供給する。
カメラ操作部7は、電源キー、撮影モードと再生モードとを切り換えるためのモード切り替えキー等の各種の操作キーを含み、キー操作に応じた検出信号を制御部10に供給するものである。
表示部8は、例えば液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)等から構成されており、制御部10から供給されるビデオ信号に基づいて、スルー画像や撮影画像、再生画像等を表示するものである。
メモリ群9には、DRAMや、VRAM(Video Random Access Memory)、SD(Secure Digital)メモリカード等が設けられている。
制御部10は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)等から構成されており、CPUがROM等に記憶されている各種プログラムを適宜実行することによって、デジタルカメラ1の各部の動作を制御するものである。なお、RAMは、CPUがプログラムを実行する際、ワークメモリとして用いられるものである。
制御部10は、DMAコントローラからDMA転送された輝度信号Y及び色差信号Cb,CrをDRAMから読み出してVRAMに書き込む。そして、制御部10は、VRAMから輝度信号Y及び色差信号Cb,Crを定期的に読み出してビデオ信号を生成し、これを表示部8に供給する。これにより、表示部8には、スルー画像が表示される。
レンズ駆動モータ部11は、例えばステッピングモータ等から構成されており、AF制御部12から供給されるステップ駆動指令やモータ正逆回転指令に従ってステップ駆動することにより、フォーカスレンズを光軸方向に移動させるものである。
AF制御部12は、画像処理部5から供給される輝度信号に基づいて、レンズ駆動モータ部11をステップ駆動させて所定ステップ単位でフォーカスレンズの位置を調整して行くことにより、ピント合わせ(合焦)を行うものである。
図2は、AF制御部の構成例を示すブロック図である。AF制御部12は、図2に示すように、焦点評価値算出部121と、最新評価値格納部122と、直前評価値格納部123と、ピーク検出部124と、フォーカスモータ制御部125と、から構成されている。
焦点評価値算出部121は、ハイパスフィルタや積分器等を含んで構成されており、画像処理部5から供給される輝度信号Yの高周波成分をハイパスフィルタを用いて抽出する。そして、焦点評価値算出部121は、ハイパスフィルタにて抽出された輝度信号Yの高周波成分を積分器で積分し、これにより得られた積分値(コントラストを示す値)をAF評価値として取得する。
最新評価値格納部122は、焦点評価値算出部121により取得された最新のAF評価値(直前評価値)Aを格納するものであり、直前評価値格納部123は、その一つ前の処理にて取得されたAF評価値(直前評価値)Bを格納するものである。
ピーク検出部124は、最新評価値算出部122に格納されている最新評価値Aと、直前評価値格納部123に格納されている直前評価値Bと、を比較し、その比較結果に基づいて、AF評価値のピーク、即ち合焦位置を検出するものである。
具体的には、上記比較の結果、最新評価値Aが直前評価値Bよりも大きい場合には、未だAF評価値がピークに達していないものと判断して、ピークの検出動作を継続し、最新評価値が直前評価値よりも小さくなった場合には、直前評価値がピークであったものと判断して、フォーカスロックを指令するAF終了信号をフォーカスモータ制御部125及び制御部10に供給する。
フォーカスモータ制御部125は、レリーズ操作部6から供給される全押し検出信号や、半押し検出信号に基づいて、レンズ駆動モータ部11の回転動作を制御するものである。
具体的には、レリーズ操作部6から半押し検出信号の供給を受けている場合には、ステップ駆動指令及びモータ正回転指令を含む所定周期のパルス信号をレンズ駆動モータ部11に供給して、レンズ駆動モータ部11をステップ駆動させることにより、フォーカスレンズを近点側から無限側へと単位期間当たり所定ステップ数ずつ移動させて行く。
また、レリーズ操作部6から全押し検出信号の供給を受けている場合には、半押し検出信号の供給を受けた場合よりも短い周期のパルス信号を供給することでレンズ駆動モータ部11の回転速度を上げ、フォーカスレンズが単位期間当たりに移動するステップ数を増加させる。このようにして、シャッターキーが全押しされた場合におけるフォーカスレンズの移動速度を、半押しされた場合よりも速くすることができる。
さらに、ピーク検出部124からAF終了信号の供給を受けた場合には、全押し信号や半押し信号の供給を受けた場合とは反対方向への回転を指令するモータ反回転指令を含むパルス信号を供給することでレンズ駆動モータ部11を反回転させ、前回の位置までフォーカスレンズを戻させる。このようにして、フォーカスレンズを合焦位置にセットされる。
次に、上記構成を備えるデジタルカメラの具体的動作について説明する。
図3は、デジタルカメラの具体的動作の内容を示すフォローチャートである。デジタルカメラ1の電源がオンすると、制御部10は、まず、例えばRAM,DRAM,VRAMのクリアや、内蔵レジスタの設定等、必要な初期設定処理を実行する。この初期設定処理において、デジタルカメラ1は、スルーモードに設定され、表示部8には、スルー画像が表示される(ステップP1)。
ユーザによりシャッターキーが半押しされ、半押し検出部6−1から半押し検出信号の供給を受けると(ステップP2;Yes)、AF制御部12は、オートフォーカス処理を開始し、まず、フォーカス制御部125でレンズ駆動モータ部11を制御して、フォーカスレンズを初期位置まで移動させる(ステップP3)。ここで初期位置は設定された撮影モードに応じて異なるものとし、通常撮影モードのときは最近点、マクロ撮影モードのときは無限遠位置にレンズの移動を行う。
次に、AF制御部12は、焦点評価値算出部121で、画像処理部5から供給される輝度信号Yに基づきAF評価値を算出する(ステップP4)。そして、AF制御部12は、新評価値格納部122の保持内容を直前評価値格納部123にシフトした後(ステップP5)、最新評価値格納部123にステップP4の処理にて算出したAF評価値を書き込む(ステップP6)。
続いて、AF制御部12は、ピーク検出部124で、最新評価値算出部122に格納されている最新評価値Aと、直前評価値格納部123に格納されている直前評価値Bと、を比較する(ステップP7)。
最新評価値Aが直前評価値Bよりも大きい場合(ステップP7;Yes)、AF制御部12は、未だAF評価値がピークに達していないものと判断して、続いてユーザによりシャッターキーが全押しされたか否かを判別する(ステップP8)。具体的には、全押し検出部6−2から全押し検出信号の供給を受けたか否かを判別する。
この結果、シャッターキーが全押しされていないものと判別した場合には(ステップP8;No)、半押し検出部6−1からの半押し検出信号がオン状態のままであるか否か、即ちシャッターキーが半押しされたままの状態であるか否かを判別する(ステップP9)。
シャッターキーが半押しされたままの状態である場合(ステップP9;Yes)、AF制御部12は、オートフォーカス処理を継続するものと判断して、フォーカス制御部125から周期2Tのパルス信号をレンズ駆動モータ部11に供給してレンズ駆動モータ部11をステップ駆動させる。これにより、フォーカスレンズは、近点側から無限遠側に距離aだけ移動する(ステップP10)。その後、AF制御部12は、ステップP4の処理に戻る。
他方、シャッターキーが半押しされていない場合(ステップP9;No)、AF制御部12は、オートフォーカス処理を終了するものと判断して、ステップP1の処理に戻り、再度シャッターキーが半押しされるのを待つ。
また、ステップP8の処理にてシャッターキーが全押しされたものと判別した場合(ステップP8;No)、AF制御部12は、ユーザにより撮影の指示がなされたものとして、フォーカス制御部125から、シャッターキーが半押し状態のときよりも短い周期Tのパルス信号をレンズ駆動モータ部11に供給する。これにより、レンズ駆動モータ部11は、シャッターキーが半押し状態のときよりも速い速度でステップ駆動し、フォーカスレンズは、近点側から無限側に距離2aだけ移動する(ステップP11)。その後、AF制御部12は、ステップP4の処理に戻る。
上記ステップP4〜S11の処理を繰り返した結果、最新評価値Aが直前評価値B以下になると(ステップP7;No)、AF制御部12は、フォーカス制御部125でレンズ駆動モータ部11を制御して、シャッターキーが半押しや全押しされるときとは反対方向に回転駆動させ、前回の位置までフォーカスレンズを戻させる。これにより、フォーカスレンズは、合焦位置にセットされる。また、このとき、制御部10には、AF制御部12からAF終了信号が供給される。
そして、AF制御部12からAF終了信号の供給を受けたとき、ユーザによりシャッターキーが既に全押しされているか否かを制御部10によって確認する(ステップP12)。シャッターキーが既に全押しされている場合には(ステップP12;Yes)、撮影処理(ステップP13)及び記憶処理(ステップP14)を順次実行し、未だ全押しされていない場合には(ステップP12;No)、シャッターキーが全押しされ、ステップ12がYesになるまでループして待つ。
ここでステップP13の撮影処理及びステップP14の記憶処理を説明すると、制御部10は、DMAコントローラからDRAMに1フレーム分の輝度信号Y及び色差信号Cb,CrがDMA転送されると、このDMAコントローラからDRAMに至る経路を一旦遮断する。続いて、制御部10は、DRAMから1フレーム分の輝度信号Y及び色差信号Cb,Crを所定単位ずつ読み出して圧縮することにより、所定フォーマットの画像データを生成し、これをSDメモリカードに順次保存して行く。そして、1フレーム分の画像データの保存が完了すると、制御部10は、上記遮断した経路を再接続する。このようにして、デジタルカメラ1では、画像の撮影及び記憶が行われる。
以上までがデジタルカメラ1によって実行される具体的動作の内容である。
次に、ステップP3〜S11までのオートフォーカス処理を、ピントが合う以前にシャッターキーが全押しされた場合を例に、より具体的に説明する。図4は、フォーカスレンズの位置とAF評価値との関係を示すグラフである。
図4に示すように、T=T0において、ユーザによりシャッターキーが半押しされると(ステップP3;Yes)、AF制御部12は、まず、フォーカスレンズを初期位置まで移動させ(ステップP4)、続いて、近点側から無限側に向け、単位時間当たりaの速度で低速駆動させる(ステップP10)。
その後、上記ステップP10の処理は、シャッターキーが全押しされるT=T4まで実行され、この間、フォーカスレンズは、4a(サーチポイント)まで進む。そして、T=T4において、ユーザによりシャッターキーが全押しされると(ステップP8;Yes)、この時点では未だAF評価値がピークに達していないので(ステップP7;Yes)、AF制御部12は、フォーカスレンズの駆動速度を、単位時間当たり2aの速度にまで加速し高速駆動を開始させる(ステップP11)。
その後、ステップP11の処理は、T=T7まで繰り返され、この間、フォーカスレンズは、10a(サーチポイント)まで進む。そして、T=T7において、AF評価値が下降したことが確認されると(ステップP7;No)、AF評価部12は、T=T6において、AF評価値がピークに達したものと判断し、フォーカスレンズを単位時間当たり2aの速度で8aまで戻させる。これにより、フォーカスレンズは、合焦位置にセットされる。
以上説明したように、本実施形態1に係るデジタルカメラ1は、フォーカスレンズが合焦位置に達する以前にユーザによりシャッターキーが全押しされた場合、フォーカスレンズをシャッターキーが半押しされているときよりも速い速度で移動させて、合焦位置を検出する。このため、デジタルカメラ1は、フォーカスレンズが合焦位置に達する以前にユーザによりシャッターキーが全押しされた場合でも、撮影までのタイムラグを少なくして合焦することができる。
上記実施形態1ではコントラスト方式のAFにおいて低速モードAFと高速モードAFを用意し、図3のフローチャートに示したように、シャッターキーの半押しと全押しが行われるタイミングにより低速モードAFと高速モードAFを切り換え、低速モードAF時には1フレームあたりのフォーカスレンズの移動量(ステップ間隔)を小さくし、高速モードAF時には1フレームあたりのフォーカスレンズの移動量(ステップ間隔)を大きくするようにしたが、低速モードAFおよび高速モードAFでの合焦時間短縮方法はこれに限定されず、例えば、後述する変形例1〜6に述べるような合焦時間短縮方法がある。
なお、上記実施形態ではサーチ(撮影)ポイント(各ステップ間の境界点)でフォーカスレンズを停止させるとともに、低速モードAF時と高速モードAF時とでフォーカスレンズのサーチポイント間の移動速度を同じとした例について述べたが、サーチポイントでフォーカスレンズを停止させない場合は、低速モードAFではフォーカスレンズの移動速度を小さくし、高速モードAFでは低速モードAF時よりもフォーカスレンズの移動速度を大きくすることにより、結果的に上記実施形態と同様のサーチポイントでAF評価値を取得することが可能となる。
図5はシャッターキーの半押しと全押しのタイミングによる低速モードAFと高速モードAFの切り換えによるAF動作の概要を示すフローチャートであり、実施形態1およびその変形例1〜6(後述)に共通する基本的部分を示すフローチャートである。
図5で、デジタルカメラ1の電源がオンすると、制御部10は、まず、例えばRAM,DRAM,VRAMのクリアや、内蔵レジスタの設定等、必要な初期設定処理を実行する(ステップQ0)。
次いで、その時点のズーム値に対応した焦点距離でスルー画像用のAE処理を実行し、表示部8でのスルー画像表示を行なう(ステップQ1)。
制御部10はシャッターキーが半押しされたか否か、つまり、半押し検出部6−1から半押し検出信号の供給を受けたか否かを調べ、シャッターキーが半押しされるとステップQ3に進み、そうでない場合はシャッターキーの半押しを待つ(ステップQ2)。
シャッターキーが半押しされた場合は、制御部10は更にシャッターキーが全押しされたか否か、つまり、全押し検出部6−2から全押し検出信号の供給を受けたか否かを調べ、全押しされたされた場合はステップQ5に進み、全押しされていない場合(つまり、半押しのままの場合)は、ステップQ4に進む(ステップQ3)。
シャッターキーが全押しされていない場合には低速モードAF処理(実施形態1(図3のステップP3〜P7、P10)および変形例1〜6の説明参照)を実行し、以後、ステップQ3でシャッターキーの全押しが検出されるまで低速モードAF処理が継続される(ステップQ4)。なお、シャッターキーの全押しが検出される前に低速モードAF処理が終了した場合は、ステップQ4において何ら処理は行なわれずステップQ3でのシャッターキーの全押しの検出待ち状態となる。
ステップQ3でシャッターキーの全押しが検出された場合には、制御部10はAF処理(つまり、上記ステップQ4の低速モードAF処理またはQ6の高速モードAF処理)が終了したか否か、つまり、AF制御部12からAF終了信号の供給を受けたか否かを調べ、AF処理が終了したときはステップQ7に進み、そうでない場合はステップQ6に進む(ステップQ5)。なお、ステップQ5において、ステップQ4の低速モードAF処理が完全に終了していない場合であっても、低速モードのAFサーチ処理が終了しており、フォーカスレンズを合焦位置へ移動させている最中である場合には、ステップQ5でAF処理が完了しているものと判断し、ステップQ6の高速モードAF処理に進むことなくフォーカスレンズの合焦位置への移動が完了した後、ステップQ7の撮影および記録処理に進むものとする。
ステップQ5でAF処理が終了していないと判断された場合には、高速モードAF処理(実施形態1(図3のステップP3〜P7、P11)および変形例1〜6の説明参照)を実行し、以後、ステップQ5でAF処理の終了が検出されるまで高速モードAF処理が継続される。なお、シャッターキーが全押しされた時点で低速モードAF処理が終了していなかった場合には、ステップQ4の低速モードAF処理から高速モードAF処理に切り換えられ、この低速モードAF処理と高速モードAF処理とにより合焦位置が検出されることになる(ステップQ6)。
ステップQ5でAF処理が終了したと判断された場合は、その時点で直ちに本撮影時のCCD駆動方式への切換えを実行して取込んだ画像データに画像圧縮処理を施した後、この圧縮画像データ(画像ファイル)を記録して1フレーム分の画像の撮影を終了する(ステップQ7)。
なお、上記ステップQ4における低速モードAF処理およびステップQ6における高速モードAF処理については本実施形態1の変形例1〜6(下記)において説明する。また、上記ステップQ4においてAF制御部12でレンズ駆動モータ11を制御して1フレームあたりのフォーカスレンズの移動量(ステップ間隔)を小さくし、ステップQ6で1フレームあたりのフォーカスレンズの移動量(ステップ間隔)を大きくしてAF処理をするようにすれば本実施形態1の場合と同様のAF動作となる。
また、上記図5のフローチャートはシャッターキーの半押し動作(低速モードAF)を行なうことなく全押し動作(高速モードAF)を開始することができるものにも適用できる。例えば、上記図5のステップQ2〜Q3でシャッターキーが一気押しされた場合、後述する図19の例に示すようにシャッターキーの半押しを所定時間以上維持しないと半押し動作を開始しないようにしてもよい。このようにした場合にはシャッターキーが半押しされてから所定時間内に全押しされた場合に一気押しがあったものと判定してステップQ4の低速モードAF処理を実行することなくステップQ6の高速モードAF処理を実行する。
また、半押し操作が所定時間維持されないと半押し操作を電気的に検出(認識)することができないようなシャッターキーを搭載することにより、一気押しの判定方法としてシャッターキーの半押しと全押しの判定を繰り返し行なうようにして、シャッターキーが半押しされたと判定することなくシャッターキーが全押しされたと判定した場合には一気押しがあったものと判定してステップQ4の低速モードAF処理を実行することなくステップQ6の高速モードAFを実行するようにしてもよい。
<変形例1>
シャッターキーの半押しと全押しが行われるタイミングにより低速モードAFと高速モードAFを切り換え、高速モードAF時のフォーカスレンズの移動速度V2を低速モードAF時のフォーカスレンズの移動速度V1より早くしてAFを実行するようにしてもよい。フォーカスレンズの移動速度を早くした分だけ、AF処理時間を短縮させることができる。
具体的には、上記図5のフローチャートのステップQ4を「制御部10はAF制御部12を制御してフォーカスレンズを所定の移動速度V1で移動させる処理を含むコントラストAF処理を開始させる」ように構成し、ステップQ6を「制御部10はAF制御部12を制御してフォーカスレンズを速度V1より早い移動速度V2で移動させる処理を含むコントラストAF処理を開始させる」ように構成すればよい。
なお、この変形例1において、例えば低速モードAF時と高速モードAF時とでCCDのフレームレートを同じにした場合には、実施形態1と同様に、高速モードAF時におけるサーチポイント間隔は低速モードAF時におけるサーチポイント間隔よりも広くなり、また、後述する変形例2のように、低速モードAF時のCCDのフレームレートよりも高速モードAF時のCCDのフレームレートを高くすれば、高速モードAF時と低速モードAF時とでサーチポイント間隔を同じにするといったこともできる。
なお、この変形例1においては、サーチポイントにおいてフォーカスレンズを一時停止させても停止させなくてもどちらでも有効である。
<変形例2>
シャッターキーの半押しと全押しが行われるタイミングにより低速モードAFと高速モードAFを切り換え、低速モードAF時にはAF実行中もスルー画像表示を行ってユーザが動きのある被写体を追いやすくし、高速モードAF時にはAF実行中はスルー画像表示を中断し、より高いフレームレートでAFを実行するようにしてもよい。例えば、高速モードAF時において、CCD(撮像素子3)を一部切り出し駆動するか、画素混合読出し駆動することにより、フレームレートを高くすることができる。フレームレートを高くするとその分だけフォーカスレンズの移動速度を早くしても、サーチポイントの数を減らさなくて済むので、AF精度を維持することができる。例えば、CCDの全画素のうち1/3の画素だけを読み出すようにすればその分(この例では3倍)フレームレートが高くなりフォーカスレンズの移動速度を早くできるので、合焦時間を短縮することができる。
具体的には、上記図5のフローチャートのステップQ4を「制御部10はAF制御部12を制御してフォーカスレンズを第1の移動速度で移動させる処理を含むコントラストAF処理を開始させると共にこの間もシャッターキーの全押し操作があるまで表示部8にスルー画像を表示する」ように構成し、ステップQ6を「制御部10はスルー画像表示を中断してCCDの一部切り出し駆動を行って低速モードAF処理時のフレームレートよりもフレームレートを高くするとともに、AF制御部12を制御してフォーカスレンズを前記第1の移動速度よりも早い第2の移動速度で移動させる処理を含むコントラストAF処理を開始させる」ように構成すればよい。なお、この変形例2においては、サーチポイントにおいてフォーカスレンズを一時停止させても停止させなくてもどちらでも有効である。
<変形例3>
また、シャッターキーの半押しと全押しが行われるタイミングにより低速モードAFと高速モードAFを切り換え、低速モードAF時には図8(a)に示すように1フレームあたりのフォーカスレンズの移動量大(=ステップ間隔(レンズ位置間隔)大)71で粗くAFサーチして大まかなピント位置(合焦位置)72を検出し、その後、図8(b)に示すように検出したピント位値付近でフォーカスレンズの移動量小(=ステップ間隔小)76で詳細にAFサーチして正確なピント位置77を検出し、高速モードAF時には図8(a)に示すように1フレームあたりのフォーカスレンズの移動量大で粗くAFサーチするだけ、つまり図8(b)に示す詳細なAFサーチを省略するようにしてもよい。
例えば、低速モードAF中にシャッターキーが全押しされた場合に、この全押し時点で図8(a)に示す粗いAFサーチ中であった場合は、この粗いAFサーチの終了後、図8(b)に示す詳細AFサーチを行なうことなく、粗いAFサーチのみでピント位置を求めることになる。
なお、低速モードAFを高速モードAFに切り換える時点で詳細AFサーチ中であった場合は図8(c)に示すように1フレームあたりのフォーカスレンズの移動量中(=ステップ間隔中)78でほどほどの粗さのサーチに切り換えるようにしてもよい。また、低速モードAF中にシャッターキーが全押しされた場合に、この全押し時点で図8(b)に示す詳細AFサーチ中であった場合はそのまま詳細AFサーチを最後まで行うようにしてもよい。
これにより、低速モードAFでは、まず、粗いサーチで大まかなピント位置を求め、つぎに大まかなピント位置を含む狭いサーチ間隔で正確なピント位置を求める2段階のAFを行ない、高速モードAFでは粗いAFサーチのみでピント位置を求めるので詳細なAFサーチを行なわない分だけ時間が短くて済み、結果として合焦時間を短縮することができる。
具体的には、図9のフローチャートに示すように、図5のフローチャートのステップQ4を、「シャッターキーが全押しされていない場合には制御部10は大まかな合焦位置72が検出されているか否かを調べ、大まかな合焦位置72が検出されている場合はステップQ4−4に進み、そうでない場合はステップQ4−2に進む(ステップQ4−1)」。「大まかな合焦位置72が検出されていない場合には、制御部10は先ず1フレームあたりのフォーカスレンズの移動量を大にしてAF制御部12に図8(a)に示したような粗いサーチ間隔71でAFサーチするようにレンズ駆動モータ部11を駆動させ(ステップQ4−2)」、「レンズ現在位置の焦点評価値を調べて大まかな合焦位置72を検出するとステップQ4−4に進み、そうでない場合はステップQ3に戻る(ステップQ4−3)」。「ステップQ4−3で大まかな合焦位置72が検出されると、制御部10はAF制御部12に図8(b)に示したような細かいサーチ間隔76でAFサーチするようにレンズ駆動モータ部11を駆動させる(ステップQ4−4)」ように構成できる。
なお、ステップQ4−4において、レンズ現在位置の焦点評価値を調べて合焦位置77が検出され、フォーカスレンズを合焦位置77に移動させた後は、ステップQ4−4において何ら処理は行なわれないことになる。
これにより、低速モードAF時には1フレームあたりのフォーカスレンズの移動量大で粗くAFサーチして大まかなピント位置72を検出し、その後、検出したピント位値付近でフォーカスレンズの移動量小で詳細AFサーチして正確なピント位置77を検出することができる。
また、図10のフローチャートに示すように、図5のフローチャートのステップQ6を、「低速モードAF処理が終了していない場合には、制御部10は図9のステップQ4−4での詳細なAFサーチ中であったか否かを調べ、詳細なAFサーチ中であった場合はステップQ6−2に進み、粗いAFサーチ中であった場合はステップQ6−3に進む(ステップQ6−1)」、「詳細なAFサーチ中であった場合には、制御部10は直ちに詳細なAFサーチ、つまりAF処理を中止し、この中止時点のフォーカスレンズ位置を合焦レンズ位置とした上で、ステップQ5に進み(ステップQ6−2)」、「粗いサーチ中であった場合には、制御部10は、1フレームあたりのフォーカスレンズの移動量を大にしてAF制御部12に図8(a)に示したような広いサーチ間隔71でサーチするようにレンズ駆動モータ部11を駆動させる動作をそのまま継続して行い、ステップQ5に戻る(ステップQ6−3)。」ように構成できる。
これにより、低速モードAF処理から高速モードAF処理に切り換える時点で詳細AFサーチ中であった場合は、詳細AFサーチを中止し、AF処理を切り換える時点で粗いAFサーチ中であった場合はそのまま粗いサーチを継続して行うことができる。
<変形例4>
また、シャッターキーの半押しと全押しが行われるタイミングにより低速モードAFと高速モードAFを切り換え、低速モードAF時には1フレームあたりのAF露光時間を長くし、高速モードAF時には1フレームあたりのAF露光時間を低速モードAF時のAF露光時間よりも短くするようにしてもよい。これにより、AFサーチポイントにおいてフォーカスレンズを停止させるものについては露光時間を短くすると停止時間を短くすることができるので、その分AF処理時間が短くなり、また、AFサーチポイントでフォーカスレンズを停止させないものにおいても露光時間を短くするとフレームレートが高くなるのでその分AF処理時間が短くなる。
具体的には、上記図5のフローチャートのステップQ4を「制御部10はAF制御部12を制御して1フレームあたりの露光時間を長くしてコントラストAF処理を開始させる」ように構成し、ステップQ6を「制御部10はAF制御部12を制御して1フレームあたりの露光時間を低速モードAF時の露光時間よりも短くしてコントラストAF処理を開始させる」ように構成すればよい。
<変形例5>
また、シャッターキーの半押しと全押しが行われるタイミングにより低速モードAFと高速モードAFを切り換え、低速モードAF時には図11に示すように、フォーカスレンズの移動範囲(AFサーチ範囲)FW1を広くし、高速モードAF時にはフォーカスレンズの移動範囲FW2を狭くするようにしてもよい。ここで、図11に示すように移動範囲FW2が完全に移動範囲FW1に含まれているような場合において、低速モードAF中に高速モードAFに切り換える場合には、切り換える時点で狭い移動範囲FW2のAFサーチが既に終了しているときは直ちにAFサーチ(AF処理)を終了させる。また、低速モードAF中に高速モードAFに切り換える時点で狭い移動範囲FW2のAFサーチが未だ終了していないときは、狭い移動範囲FW2のAFサーチ中である場合は狭い移動範囲FW2のAFサーチが終了するまでAFサーチを行い、狭い移動範囲FW2のAFサーチ中でない場合はフォーカスレンズを狭い移動範囲FW2の末端までAFサーチ無しで移動させた後、狭い移動範囲FW2のAFサーチを行なうようにする。
これにより、低速モードAF時と高速モードAF時では高速モードAF時の方がフォーカスレンズの移動範囲が狭いのでフォーカスレンズの停止回数(フォーカスレンズの駆動時間)やコントラストデータ取得回数、及びコントラストデータ比較回数等が少ないので、合焦時間が短縮する。また、低速モードAF中にシャッターキーが全押しされた場合も低速モードAFと高速モードAFの組み合わせにより全体として合焦時間が短縮する。
具体的には、上記図5のフローチャートのステップQ4を「制御部10はAF制御部12を制御して広い移動範囲FW1でAFサーチを行うようにしてコントラストAF処理を実行する」ように構成し、ステップQ6を「制御部10はAF制御部12を制御して狭い移動範囲FW2でAFサーチを行うようにしてコントラストAF処理を実行する」ように構成できる。
<変形例6>
また、上述した実施形態1、変形例1〜変形例5を組み合わせてもよい。図6は実施形態1および変形例1〜変形例5に係わる低速モードAF時および高速モードAF時の動作を要約した一覧表であり、図7は低速モードAFおよび高速モードAFによるAF処理の組み合わせ例を示す図であり、低速モードAFおよび高速モードAFによる実施形態1、変形例1〜変形例5のうちAF処理の可能な2つの組み合わせを示す図である。図7の組み合わせ欄で、記号「Z」は実施形態1、記号「H1」〜「H5」は変形例1〜5を意味する。
例えば、図7で、実施形態1、変形例1〜変形例5のうち2つの組み合わせ例である、「H5、Z」の組み合わせは、図6に記したように低速モードAFでは広いレンズ移動範囲内で(変形例5)1フレームあたりのフォーカスレンズの移動量(ステップ間隔)を小さくして(実施形態1)レンズを移動させ、高速モードAFでは狭いレンズ移動範囲内で(変形例5)フォーカスレンズの移動量を大きくして(実施形態1)レンズを移動させることを意味する。
また、「H2、H1」の組み合わせは、低速モードAFではAF実行中もスルー画像を表示する(変形例2)ためにフォーカスレンズの移動速度を小(変形例1)にし、高速モードAFではAF実行中はスルー画像表示を中止して(変形例2)フォーカスレンズの移動速度を大にすることを意味する。
また、上記図7の例では実施形態1、変形例1〜変形例5のうち2つの組み合わせ例を示したが、3乃至5の組み合わせでもよい。例えば、「H4、H5、H3」の組み合わせは、低速モードAFでは1フレームあたりのAF露光時間を長くして(変形例4)広いレンズ範囲内で(変形例5)1フレームあたりのフォーカスレンズの移動量大で粗くAFサーチして大まかなピント位置を検出し、その後、検出したピント位値付近でフォーカスレンズの移動量小にして詳細にAFサーチして正確なピント位置を検出し(変形例3)、高速モードAF時には1フレームあたりのAF露光時間を短くして(変形例4)狭いレンズ範囲内で(変形例5)1フレームあたりのフォーカスレンズの移動量大で粗くAFサーチする(変形例3)ことを意味する。
(実施形態2)
上記実施形態1ではコントラスト方式のAFにおいて低速モードAFと高速モードAFを用意し、シャッターキーが半押しされてから全押しされるまでは低速モードAFを実行し、シャッターキーが全押しされると低速モードAFから高速モードAFに切り換えるようにしたが、シャッターキーが全押しされた時点で低速モードAFを続けて実行した場合と高速モードAFを最初から実行した場合のAF所要時間を予測し、予測した所要時間の短いほうのモードでAFを実行するようにすることもできる。
図12は実施形態2に係わるデジタルカメラの具体的動作の内容を示すフローチャートであり、図13は低速モードAF中に高速モードAFに切り換わる場合のフォーカスレンズの位置とAF評価値との関係を示す図である。
図12で、デジタルカメラ1の電源がオンすると、制御部10は、まず、例えばRAM,DRAM,VRAMのクリアや、内蔵レジスタの設定等、必要な初期設定処理を実行する(ステップR0)。
次いで、その時点のズーム値に対応した焦点距離でスルー画像用のAE処理を実行し、表示部8でのスルー画像表示を行なう(ステップR1)。
制御部10はシャッターキーが半押しされたか否か、つまり、半押し検出部6−1から半押し検出信号の供給を受けたか否かを調べ、シャッターキーが半押しされるとステップR3に進み、そうでない場合はシャッターキーの半押しを待つ(ステップR2)。
シャッターキーが半押しされた場合は、制御部10は更にシャッターキーが全押しされたか否か、つまり、全押し検出部6−2から全押し検出信号の供給を受けたか否かを調べ、全押しされた場合はステップR5に進み、全押しされていない場合(つまり、半押しのままの場合)は、ステップR4に進む(ステップR3)。
シャッターキーが全押しされていない場合には低速モードAF(実施形態1(図3の説明参照))で1フレーム分処理を行ってステップR3に戻る(ステップR4)。
シャッターキーが全押しされた場合には、制御部10はAF処理(つまり、上記ステップR4の低速モードAF)が終了したか否か、つまり、AF制御部12からAF終了信号の供給を受けたか否かを調べ、AF処理が終了したときはステップR13に進み、そうでない場合はステップR6に進む(ステップR5)。
シャッターキーを全押したときにAF処理(上記ステップR4の低速モードAF)が終了していない場合(例えば、図13(a)に示すような場合)には、制御部10は低速モードAFを引き続き実行した場合の現時点からの合焦所要時間Aと初めから高速モードAFを実行した場合の現時点からの合焦所要時間Bを算出し(ステップR6)、更に、合焦所要時間Aと合焦所要時間Bを比較してA>Bの場合はステップR8に進みそうでない場合はステップR11に進む(ステップR7)。
合焦所要時間A>合焦所要時間Bの場合には、制御部10はフォーカスレンズの位置を初期化し(ステップR8)、図13(b)に示すように初めから高速モードAFを行うべく、高速モードAF(実施形態1(図3の説明参照))で1フレーム分処理を行い(ステップR9)、更に、AF処理(つまり、ステップR9の高速モードAF)が終了したか否か、つまり、AF制御部12からAF終了信号の供給を受けたか否かを調べ、AF処理が終了したときはステップR13に進み、そうでない場合はステップR9に戻る(ステップR10)。
合焦所要時間A≦合焦所要時間Bの場合には、制御部10は上記ステップR3のシャッターキー全押し時点のフォーカスレンズの位置から引き続き低速モードAF(実施形態1(図3の説明参照))で1フレーム分処理を行い(ステップR11)、更に、AF処理(つまり、低速モードAF)が終了したか否か、つまり、AF制御部12からAF終了信号の供給を受けたか否かを調べ、AF処理が終了したときはステップR13に進み、そうでない場合はステップR11に戻る(ステップR12)。
ステップR10またはR12でAF処理が終了した場合はその時点で直ちに本撮影時のCCD駆動方式への切換えを実行して取込んだ画像データに画像圧縮処理を施した後、この圧縮画像データ(画像ファイル)を記録して1フレーム分の画像の撮影を終了する(ステップR13)。
上記図12のフローチャートに示す動作によれば、デジタルカメラ1は、シャッターキー全押しのタイミングによりシャッターキー全押し後のAF動作を低速モードAFと高速モードAFのうち合焦までの所要時間の短いにほうに決定するので、フォーカスレンズが合焦位置に達する以前にユーザによりシャッターキーが全押しされた場合でも、撮影までのタイムラグを少なくして合焦することができる。
なお、上記図12のフローチャートにおいて、ステップR6、R7、R11、R12の処理を省略し、ステップR5で低速モードAF処理が終了していないと判断された場合にステップR8に進んで、高速モードAFを初めから行なうようにしてもよい。
上記実施形態1、変形例1〜変形例6、および実施形態2に係わるAF制御部12の構成は、ハードウェアによって実現可能であることはもとより、制御部10のソフトウェア処理によって実現されてもよい。この場合、制御部10を上記AF制御部12として機能させ、上述した各処理を実現するためのプログラムをデジタルカメラ1内(例えば、ROM)に格納し、制御部10がこのようなプログラムを実行するようにすればよい。
そして、このようなプログラムが予め組み込まれたデジタルカメラ1として提供可能なことはもとより、既存のデジタルカメラに上記プログラムを適用することで、上記実施形態にかかるデジタルカメラ1として機能させることもできる。
また、上記実施形態1、2におけるプログラムの提供方法は任意であり、例えば、インターネットなどの通信媒体を介して提供可能である他、例えば、メモリカードなどの記録媒体に格納して配布してもよい。
(実施形態3)
図14は本発明の実施形態3および実施形態4に係る撮像装置の一例としてのデジタルカメラ(以下、デジタルカメラ)の一実施例の外観を示す図であり、図14(a)は正面図、図14(b)は背面図、図14(c)は上面図である。
図14で、デジタルカメラ50は図14(a)に示すように正面側に撮像レンズ52およびストロボ発光窓51を有している。また、デジタルカメラ50の背面には図14(b)に示すように、モードダイアル53、液晶モニタ画面54、カーソルキー55、SETキー56等が設けられている。また、上面には図14(c)に示すようにズームレバー57、シャッターキー58、電源ボタン59、およびストロボ発光モード設定キー60が設けられ、図示されていないが側部にはパーソナルコンピュータ(以下、パソコン)やモデム等の外部装置とUSBケーブルに接続する場合に用いるUSB端子接続部が設けられている。
図15は、図14に示したデジタルカメラの電子回路構成の一実施例を示す図である。図15で、デジタルカメラ50は、基本モードである撮影モードにおいて、ズームレンズを移動させて光学ズーム動作を行わせるズーム駆動部61−1、フォーカスレンズを移動させ、フォーカス位置を移動させるAF駆動部61−2、ズームレンズ及びフォーカスレンズを含む撮像レンズ52を構成するレンズ光学系62、撮像素子であるCCD63、タイミング発生器(TG)64、垂直ドライバ65、サンプルホールド回路(S/H)66、A/D変換器67、カラープロセス回路68、DMA(Direct Memory Access)コントローラ69、DRAMインターフェイス(I/F)70、DRAM71、制御部72、VRAMコントローラ73、VRAM74、デジタルビデオエンコーダ75、表示部76、JPEG回路77、保存メモリ78、キー入力部80、ストロボ駆動部81等を備えている。なお、ズーム駆動部61−1〜カラープロセス回路68は本発明において撮像部に相当する。また、ズーム駆動部61−1及びズームレンズは本発明において光学ズーム手段に相当する。
撮影モードでのモニタリング状態においては、ズーム駆動部61−1は図示しないズームレンズ駆動モータを駆動してズームレンズを移動させる。また、AF駆動部61−2は図示しないフォーカスレンズ駆動モータを駆動してフォーカスレンズを合焦点に移動させる。また、上記撮影レンズ2を構成するレンズ光学系62の撮影光軸後方に配置された撮像素子であるCCD63は、タイミング発生器(TG)64、垂直ドライバ65によって走査駆動され、撮影モードでのモニタリング状態においては、一定周期毎に結像した光像に対応する光電変換出力を1画面分出力する。このCCD63は被写体の二次元画像を撮像する固体撮像デバイスであり、典型的には毎秒数十フレームの画像を撮像する。なお、撮像素子はCCDに限定されずCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの固体撮像デバイスでもよい。
この光電変換出力は、アナログ値の信号の状態でRGBの各原色成分毎に適宜ゲイン調整された後に、サンプルホールド回路(S/H)66でサンプルホールドされ、A/D変換器67でデジタルデータに変換され、カラープロセス回路68で画像補間処理及びγ補正処理を含むカラープロセス処理が行われて、デジタル値の輝度信号Y及び色差信号Cb、Crが生成され、DMA(Direct Memory Access)コントローラ19に出力される。
DMAコントローラ69は、カラープロセス回路68の出力する輝度信号Y及び色差信号Cb、Crを、同じくカラープロセス回路68からの複合(composite)同期信号、メモリ書き込み、イネーブル信号、及びクロック信号を用いてDRAMインターフェイス(I/F)70を介してバッファメモリとして使用されるDRAM71にDMA転送する。
制御部72は、このデジタルカメラ50全体の制御動作を司るものであり、CPU若しくはMPU(以下、CPU)と、後述するように撮像動作制御を含む該CPUで実行される動作プログラム(撮像プログラムを含む)を固定的に記憶したフラッシュメモリ等のプログラム格納メモリ、及びワークメモリとして使用されるRAM等により構成され、上記輝度及び色差信号のDRAM71へのDMA転送終了後に、この輝度及び色差信号をDRAMインターフェイス70を介してDRAM71から読出し、VRAMコントローラ73を介してVRAM74に書込む。
制御部72は、また、キー入力部80からの状態信号に対応してフラッシュメモリ等のプログラム格納用メモリに格納されている各モードに対応の撮像プログラムやメニューデータを取り出して、デジタルカメラ50の他の各機能の実行制御、例えば、シャッターキーの一気押し時の撮影動作制御の他、ズーム動作、スルー表示、ストロボ駆動制御、自動合焦、撮影、記録、及び記録した画像の再生・表示等の実行制御等や、機能選択時の機能選択メニューの表示制御や設定画面の表示制御等を行う。
デジタルビデオエンコーダ75は、上記輝度及び色差信号をVRAMコントローラ73を介してVRAM74から定期的に読み出し、これらのデータを基にビデオ信号を生成して上記表示部76に出力する。
表示部76は、上述したように撮影モード時にはモニタ表示部(電子ファインダ)として機能するもので、デジタルビデオエンコーダ75からのビデオ信号に基づいた表示を行うことで、その時点でVRAMコントローラ73から取込んでいる画像情報に基づく画像をリアルタイムに液晶モニタ画面54に表示することになる。
制御部72は、合焦指示(本実施形態ではシャッターキー58の半押し)があるとAF駆動部61−2に駆動制御信号を送ってレンズ光学系62のフォーカスレンズを移動させて合焦(AF)動作を行わせ、撮像指示(本実施形態ではシャッターキー58の全押し)があると撮影を行う(つまり、その時点で直ちにCCD63からのDRAM71への経路を停止してスルー画像取得時とは異なる本撮影時のCCD駆動方式への切換えを実行し)、記録保存の状態に遷移する。
この保存記録の状態では、制御部72がDRAM71に書込まれている1フレーム分の輝度及び色差信号をDRAMインターフェイス70を介してY、Cb、Crの各コンポーネント毎に縦8画素×横8画素の基本ブロックと呼称される単位で読み出してJPEG(Joint Photograph cording Experts Group)回路27に書込み、このJPEG回路77でADCT(Adaptive Discrete Cosine Transform:適応離散コサイン変換)、エントロピ符号化方式であるハフマン符号化等の処理によりデータ圧縮する。
そして得た符号データをJPEG回路77から読出し、1画像のデータファイルとしてデジタルカメラ50の記録媒体である保存メモリ78に記録し、1フレーム分の輝度及び色差信号の圧縮処理及び保存メモリ78への圧縮データの書込み終了に伴って、制御部72はCCD63からDRAM71への経路を再び起動する。
また、基本モードである再生モード時には、制御部72が保存メモリ78に記録されている画像データを選択的に読出し、JPEG回路77で画像撮影モード時にデータ圧縮した手順とまったく逆の手順で圧縮されている画像データを伸張し、伸張した画像データをVRAMコントローラ73を介してVRAM74に展開して記憶させた上で、このVRAM74から定期的に読出し、これらの画像データを元にビデオ信号を生成して表示部76の液晶モニタ画面54に再生画像を出力(=表示)させる。
キー入力部80は、上述したモードダイアル53、カーソルキー55、SETキー56、ズームレバー57、シャッターキー58、電源ボタン59、ストロボ発光モード設定キー60等を有し、それらのキー操作に伴う信号は直接制御部72に送出される。
モードダイアル53は記録モード(撮影モード)と再生モードを切り換えるものである。カーソルキー55はモード設定やメニュー選択等に際して液晶モニタ画面54に表示されるメニューやアイコン等をカーソルでポイント(指定)する際に操作するキーであり、カーソルキー55の操作によりカーソルを上下又は左右に移動させることができる。
また、SETキー56はカーソルキー55によってカーソル表示されている項目を選択設定若しくは確認する際に押すキーである。
ズームレバー57は、ズーム操作に用いられ、デジタルズームの場合はズームレバー57の操作に対応してズーム値が決定されるが、実際の画角は変化せず、液晶モニタ画面54にはズーム値に応じたサイズの画像がトリミングされて表示される。また、光学ズームの場合はズームレバー57の操作に対応してズームレンズ(可変焦点距離レンズ)がワイド側又はテレ側に移動され、ズームレバー57の操作に対応してズーム値が決定され、ズーム値の変化に追従して画角が実際に変化し、液晶モニタ画面には広角画像又はテレ画像が表示される。なお、本実施形態では、デジタルズーム機能を有しておらず、光学ズーム機能のみを有しているものとして説明するが、本発明は、デジタルズーム機能を備えたデジタルカメラにも適用できる。
シャッターキー58は、撮影時にレリーズ操作を行うもので、2段階のストロークを有しており、1段目の操作(半押し状態)でオートフォーカス(AF)と自動露出(AE)と自動ホワイトバランス(AWB)を行わせるための合焦指示信号を発生し、2段目の操作(全押し状態)で撮影処理を行うための撮影指示信号を発生する。なお、本実施形態では、シャッターキー58が一気に全押し(以下、一気押し)されると、1段目の操作により開始された合焦動作が簡易的な合焦動作に切り換わり、この簡易的な合焦動画が完了すると撮影処理が実行され、この撮影処理により得られた画像データがRAMに記憶される。
なお、シャッターキー58にタッチセンサ機能を搭載することにより、ユーザがシャッターキー58に触れた場合と押した場合の2段階で操作が可能な構成としてもよく、この場合、シャッターキー58に触れると制御部72は半押し操作があったものとして半押し処理を実行し、シャッターキー58を押すと制御部72は全押し操作があったものとして全押し処理を実行するものとする。
ストロボ発光モード設定キー60は押し下げによる切替え構造をなし、押し下げ回数により、「強制ストロボ発光モード」、「オートストロボモード」、「発光禁止モード」等のモードでローテーションするように構成されている(初期設定は「発光禁止モード」)。なお、ストロボ発光モード設定キー60は先端にLEDを有し、発光モードに応じて、例えば、赤色点灯(強制ストロボ発光モード)、青色点灯(オートストロボモード)、消灯(発光禁止モード)等に点灯または消灯する。
ストロボ駆動部81は、ストロボ発光モード設定キー60の操作により設定された発光モードに応じて、制御部72の制御下で本体前面のストロボ発光窓51の内側に設けられたストロボ(図示せず)の充電および発光を行なう。
図16は、デジタルカメラ50の一気押し判定および撮影動作の一実施例を示すフローチャートであり、このフローチャートはデジタルカメラ50に本願発明のクイックシャッター機能を実現させるためのプログラムを説明するためのものである。
以下に示す処理は基本的に制御部72が予めフラッシュメモリ等のプログラムメモリに記憶されたプログラムに従って実行する例で説明するが、全ての機能をプログラムメモリに格納する必要はなく、必要に応じて、その一部若しくは全部をネットワークを介して受信して実現するようにしてもよい。以下、図14〜15に基いて説明する。
デジタルカメラ50の主電源がオンになると、制御部72はストロボ駆動部81に制御信号を送り、ストロボの充電を開始させ(ステップS1)、次いで、その時点のズーム値に対応した焦点距離でスルー画像用のAE処理を実行し、CCD63から画像データを得ると共に自動ホワイトバランス(AWB)処理により光源の色に対応したホワイトバランスになるようにカラープロセス回路68で調整を施した上でDMAコントローラ69及びDRAMインターフェイス(I/F)70を介してDRAM71へのDMA転送を開始すると共に(ステップS2)、VRAM74をCCD63からの画像データを間引いたビデオスルー画像データで書き換えて表示部76の液晶モニタ画面54へのスルー画像表示を開始する(ステップS3)。
制御部72はキー入力部80からの信号を調べ、ストロボ発光設定キー10−2が操作された場合はステップS5に進み、押されていない場合はステップS6に進む(ステップS4)。ステップS4でストロボ発光設定キー10−2が操作された場合は設定操作に応じたストロボ発光モードを設定し設定値をRAMに保持し、ステップS6に進む(ステップS5)。
制御部72はキー入力部80からの信号を調べ、ズームレバー57によるズーム操作が行なわれたか否かを調べ、ズーム操作が行なわれた場合はステップS7、行なわれていない場合はステップS8に進む(ステップS6)。ステップS6でズーム操作が行なわれた場合はズーム操作に応じたズーム値を取得し、このズーム値に基づきズーム駆動部61−1を駆動してズームレンズを移動させることにより光学ズーム倍率を変更すると共にRAMにズーム値を保持(上書き記憶)し、ステップS8に進む(ステップS7)。
次に、制御部72はキー入力部80からの信号を調べ、シャッターキー58の半押し操作があったか否かを調べ、半押し操作があった場合はステップS9に進み、押されていない場合はステップS4に戻る(ステップS8)。
上記ステップS8でシャッターキー58の半押しがあった場合は、制御部72は上記ステップS5で設定したストロボ発光モードを調べ、強制ストロボ発光モードが設定されている場合、又はオートストロボモードが設定されていて、且つ周囲の明るさが所定の閾値以下であると判断されたより場合、つまりストロボ発光を要する場合は図18のフローチャートに示すストロボ撮影処理に移行し、そうでない場合はステップS10に進む(ステップS9)。
上記ステップS9でストロボ発光を要しないと判定した場合は、制御部72は、本撮影用のステップ幅が狭いコントラストAF処理を開始すると共に、シャッターキー58の半押し時に取り込んだビデオスルー画像データに基づく本撮影用のAE処理及び自動ホワイトバランス(AWB)処理を開始する。なお、この間もシャッターキー58の全押し操作があるまで、VRAM74をCCD63からの画像データを間引いたビデオスルー画像データで書き換えて表示部76の液晶モニタ画面54にスルー画像を表示する。通常のコントラストAF処理ではAF駆動部61−2は均一のステップ間隔でフォーカスレンズを移動してステップごとにフォーカスレンズを一時停止させてピント位置を無限遠から手前まで変化させ、コントラスト値の取得及び比較を行ない、最終的にコントラスト値が最大になる位置を合焦位置としてフォーカスレンズを移動させる。(ステップS10)。
次に、制御部72はキー入力部80からの信号を調べてシャッターキー58が全押し操作されたか否かを判定し、シャッターキー58が全押しされた場合はステップS12に進む(ステップS11)。
制御部72は、コントラストAF処理中か否かを調べ、AF処理中の場合はステップS13に進み、そうでない場合はステップS14に進む(ステップS12)。
本撮影用のコントラストAF処理(通常AF処理)では上述したように合焦位置を決定するまでに、1ステップごとに画像データ処理(撮像処理、コントラスト抽出処理、コントラスト比較処理)とレンズユニットの駆動制御(フォーカスレンズの移動、移動停止、移動再開)が必要であり、カメラ使用者がファインダー内に被写体を捉えてから、ピントが合ってシャッターボタンを全押して撮像することが可能となるまでに時間を要してしまうので、シャッターキー58が一気押しされた場合は図17(b)に示すようなサーチ間隔が広い簡易的なAF処理を実行するようにする。つまり、制御部72は上記ステップS12でAF処理中と判定した場合は、シャッターキー58の半押しにより開始される通常のコントラストAF処理のステップ幅よりもステップ幅の広い簡易コントラストAF処理に切り換えて、通常のコントラストAF処理に続けて簡易コントラストAF処理を実行するようにする。
その際、図17(a)に示すような簡易AF用の対応テーブル(ズーム値とサーチ間隔の対応テーブル40)を参照し、図17(b)の「シャッターキー全押し」以降に示すように、ズーム値に応じたステップ幅の広い簡易コントラストAF処理に切り換える。ここで、図17(b)は、フォーカスレンズが一時停止されるフォーカス位置を示す図であり、シャッターキー58の半押し操作によりレンズ端から通常のコントラストAF処理を実行するためのフォーカスレンズの移動が開始され、シャッターキー58の全押し操作が検出されたときのフォーカスレンズ位置から簡易コントラストAF処理を実行するためのフォーカスレンズの移動に切り換わる様子を示す図である。図17の例では、シャッターキー58が全押しされたとき、ズーム値=x2とすると、簡易AF処理では図17(a)からサーチ間隔pw2=3となり、シャッターキー58の全押し時点以降、フォーカスレンズは3ステップずつ移動することとなる。従って、簡易AF処理に切り換えるとフォーカスレンズの一時停止回数は、図17の例では1/3となり、フォーカスレンズの移動時間が短縮されるので、合焦時間が短縮される。つまり、通常AF処理と簡易AF処理ではフォーカスレンズの移動範囲が同じであっても簡易AF処理のほうがフォーカスレンズの停止回数(フォーカスレンズの駆動時間)、撮影動作回数、コントラストデータ取得回数、及びコントラストデータ比較回数等が少ないので通常AF処理と簡易AF処理を組み合わせることにより全体として、シャッターキー58の操作から撮影までの時間が短かくなる(ステップS13)。
また、制御部72は、ステップS10で開始した本撮影用のAE処理が継続中であるか否かを調べ、AE処理中の場合はステップS15に進み、そうでない場合はステップS16に進む(ステップS14)。
AF処理だけでなくAE(自動露出)処理もシャッタータイムラグに影響するので、シャッターキー58の半押しにより開始されたAE処理が完了する前にシャッターキー58が全押しされた場合、つまりシャッターキー58が一気押しされた場合は簡易的なAE処理に切り換えるようにする。そこで、制御部72は、ステップS14でAE処理中と判定した場合は、AE処理の1つである絞り制御を中止してからステップS16に進む。これにより、AE処理を軽減してAE処理時間を短縮する。なお、変形例として、絞り制御を中止するのではなく、時間のかかる絞り動作を省くといった簡易的なAE処理を行なうようにしてもよい(ステップS15)。
更に、制御部72は、ステップS10で開始した本撮影用のオートホワイトバランス(AWB)処理が継続中であるか否かを調べ、AWB処理中の場合はステップS17に進み、そうでない場合はステップS18に進む(ステップS16)。
AF処理やAE処理だけでなく、AWB処理もシャッタータイムラグに影響するので、シャッターキー58の半押しにより開始されたAWB動作が完了する前にシャッターキー58が全押しされた場合、つまりシャッターキー58が一気押しされた場合は簡易的なAWB動作に切り換えるようにする。そこで制御部72は、ステップS16でAWB処理中と判定した場合は簡易的なAWB処理に切り換えてからステップS18に進む。これにより、AWB動作を軽減してAWB動作時間を短縮する。なお、簡易的なAWB処理としては、例えば、AWBでは、通常は7つくらいのパターンから適したパターンのWB値を選択するが、これを3つくらいの代表的なパターンの中から適切なものを選択するようにする(ステップS17)。
制御部72はすべての処理、つまり、上記ステップS10またはS13、S17等の処理、つまりAF処理、AE処理、及びAWB処理の全てが完了したか否かを調べ、完了した場合はステップS19に進み、完了していない場合は完了を待つ(ステップS18)。すべての処理が完了した場合はその時点で直ちにCCD63からのDRAM71への経路を停止してスルー画像取得時とは異なる本撮影時のCCD駆動方式への切換えを実行して取込んだ画像データに画像圧縮処理を施した後、この圧縮画像データ(画像ファイル)を記録して1フレーム分の画像の撮影を終了し、ステップS2に戻る(ステップS19)。
図17は撮像プログラムによって参照されるズーム値とフォーカスレンズのサーチ間隔を対応付けた簡易AF用の対応テーブルの説明図であり、図17(a)は対応テーブルの構成例、図17(b)は対応テーブルを用いた簡易AFの説明図である。
対応テーブル40は図17(a)に示す各テレ側からワイド側にズーム値x1、x2、・・、xnをとり、各ズーム値に簡易AF用のサーチ間隔pw1、pw2、・・・をそれぞれ対応付けてなる。通常のAF処理(第1のAF処理)では図17(b)に示すようにサーチ間隔はそれぞれ等しいが、簡易AF処理(第2のAF処理)では、ズーム値に応じてステップ幅が異なり、ズームレンズがテレ側にある場合のフォーカスレンズの移動幅(ステップ幅)は、ズームレンズがワイド側にある場合のステップ幅よりも小さくなるように設定されている。
対応テーブル40のサーチ間隔は、例えば、図17(a)で向かって左側をテレ側、右側をワイド側とすると、ズーム値がx1の時のサーチ間隔pw1を2ステップ、ズーム値がx2の時のサーチ間隔pw2を3ステップというようにズーム値に応じて設定されている。従って、ズーム値がx1の時のフォーカスレンズの停止回数は通常のAF処理の1/2、ズーム値がx3の時のフォーカスレンズの停止回数は通常のAF処理の1/3、・・・となり、停止回数が減るので、レンズ移動時間が短縮し、更に、コントラスト値の取得時間、コントラスト値の比較時間、撮影時間も短縮するので、図17のようにサーチ間隔を設定した対応テーブル40を用いた簡易AF処理では、全体として、シャッターキー58の全押しから撮影までの時間が短縮する。
このようなズーム段毎のフォーカス用のポイントデータは本実施例ではテーブル定数等としてプログラム格納メモリに格納されており、図16のフローチャート等に示す撮像プログラムの動作時に参照されるものとする。なお、保存メモリ78に設定しておき撮像プログラムで参照するようにしてもよい。
[ストロボ撮影]
図18は、ストロボ強制発光モード(または、オートストロボモードにおいてストロボ発光が必要と判定された場合)が選択された場合のデジタルカメラ50の一気押し判定および撮影動作の一実施例を示すフローチャートであり、図16に示したフローチャートのステップS9の判定処理でストロボ発光が必要と判定された場合のデジタルカメラ50の撮影動作の一実施例を示す。
図16のフローチャートのステップS9でストロボ発光が必要と判定すると、制御部72は、ストロボ撮影用のコントラストAF処理を開始すると共に、ストロボ撮影用のWB(ホワイトバランス)値と露出(EV)値を設定する。なお、この間もシャッターキー58の全押し操作があるまで、液晶モニタ画面54にスルー画像を表示する(ステップS21)。
次に、制御部72はキー入力部80からの信号を調べてシャッターキー58が全押し操作されたか否かを判定し、シャッターキー58が全押しされた場合はステップS23に進む(ステップS22)。
制御部72は、コントラストAF処理中か否かを調べ、AF処理中の場合はステップS24に進み、そうでない場合はステップS26に進む(ステップS23)。
AF処理はシャッタータイムラグに影響するので、シャッターキー58の半押しにより開始されたAF処理が完了する前にシャッターキー58が全押しされた場合、つまりAF処理中にシャッターキー58が一気押しされた場合は、簡易的なAF処理に切り換えるようにする。そこで、制御部72は上記ステップS23でAF処理中と判定した場合は、実行中のAF処理を図17に示したような簡易AF処理用の対応テーブルを参照する簡易AF処理に切り換えてから、ステップS25に進む(ステップS24)。
制御部72は、簡易AF処理が完了したか否かを調べ、簡易AF処理が完了した場合はステップS26に進み(ステップS25)、ストロボ充電中か否かを調べ、充電中の場合はステップS27に進み、そうでない場合はステップS28に進む(ステップS26)。
AF処理だけでなく、ストロボ充電もシャッタータイムラグを長くする要因の1つであるため、ストロボ充電中にシャッターキー58が全押しされた場合はシャッター動作を優先して撮影するようにする。そこで、制御部72は上記ステップS26でストロボ充電中と判定した場合は、ストロボ充電を停止し(ステップS27)、ストロボ駆動部81を制御してストロボを発光させるとともに、その時点で直ちにCCD63からのDRAM71への経路を停止してスルー画像取得時とは異なる本撮影時のCCD駆動方式への切換えを実行して取込んだ画像データに画像圧縮処理を施した後、この圧縮画像データ(画像ファイル)を記録して1フレーム分の画像の撮影を終了し、ステップS1に戻る(ステップS28)。なお、ステップS27でストロボ充電が停止された場合は、ステップS28において充電半ばの容量の範囲内の発光量でストロボを発光させることになる。
上記図16のフローチャートに示した動作により、シャッターキー58が半押し操作されたとき、AF処理や、AE処理や、AWB処理を開始するが、半押しの途中で全押しするとAF処理や、AE処理や、AWB処理を、簡易的なAF処理や、AE処理や、AWB処理に切り換えるのでその分時間が短くなり、シャッターキー58の全押しから本撮影までの時間を短くできることから、シャッターチャンスの看過やタイムラグの発生を防止できる。シャッターチャンスを逃したりタイムラグを生じさせることなくピント精度のよい画像を得ることができる。また、シャッターキー58が全押しされてもAF処理を省くことなく撮影するので、ある程度被写体深度の深いレンズでなくてもピント精度のよい画像を撮影できる。
例えば、AF処理はシャッタータイムラグに影響するので、シャッターキー58が一気押しされた場合はAF処理の途中であっても、シャッター動作を優先するため簡易AF処理を行なって撮影するようにしたことにより(ステップS13参照)、AF処理を中止して撮影を行うよりはピント精度がよくなるし、AF処理の完了を待って撮影を行うよりはAF時間を極短くできる。
また、AE処理はシャッタータイムラグに影響するので、シャッターキー58が一気押しされた場合はシャッター動作を優先するため通常のAE動作に続けて簡易AE処理を行なって撮影するようにしても(ステップS15参照)、AE処理は撮影準備動作中、常時行なわれているのでシャッター半押し時に初めてAF処理を行なうフォーカス動作と異なり実際の撮影時に露出のミスが少ない。また、万一、AE処理が不十分(露出アンダーやオーバー)なまま撮影されたとしても後からレタッチプログラム等で補正しやすい。
また、AWB処理もシャッタータイムラグに影響するので、シャッターキー58が一気押しされた場合はシャッター動作を優先するために通常のAWB処理に続けて簡易AWB処理を行なって撮影するようにしても(ステップS17参照)、AWB処理は撮影準備動作中、常時行なわれているのでAWBの判定ミスが少ない。また、万一、AWB処理が不十分なまま(色がおかしいまま)撮影されたとしても後からレタッチプログラム等で補正しやすい。
また、上記図18のフローチャートに示した動作により、デジタルカメラ50は、シャッターキーが全押しされるとストロボの充電を停止するので、シャッターキー58の全押しからストロボ撮影までの時間が短くなりシャッターチャンスを逃したりタイムラグを生じさせることなく撮影できる。
<変形例>
上記図16および図18に示したフローチャートでは、シャッターキー58が半押し操作されてAF処理がなされているときにシャッターキー58が全押しされた場合、つまりシャッターキー58が全押しされた場合にAF処理中や、AE処理中や、AWB処理が終わっていないことを一気押し判定の条件として簡易処理に切換えるようにしたが、一気押し判定方法は上記方法に限定されない。以下、一気押し判定の変形例について述べる。
図19はデジタルカメラの一気押し判定および撮影動作の変形例を示すフローチャートであり、シャッターキー58の半押しを所定時間以上維持しないと半押し動作を開始しないように構成した例であり、図16に示したフローチャートのステップS8以降を図示のようにステップS30〜S42に変更してなる。図19のステップS30〜ステップS33により、シャッターキー58が半押しされてから所定時間内に全押しされた場合に一気押しがあったものと判定しステップS34〜S42の簡易処理に移行する。
図19において、図16のステップS6でズーム操作をしなかったか、ステップS7でズーム操作によるズーム倍率変更処理を行なうと、制御部72はキー入力部80からの信号を基にシャッターキー58の半押し操作があったか否かを調べ、半押し操作があった場合はステップS31に進み、そうでない場合は図16のフローチャートのステップS4に戻る(ステップS30)。
制御部72はシャッター操作時間計測タイマーをゼロクリアしてスタートさせ(ステップS31)、タイムアップ、つまり、所定時間を経過する(半押しされてから所定時間内に全押しされない)とユーザが半押し操作を意図して行ったものと判断して図16のフローチャートのステップS9に進んで半押し動作(S10〜S19、若しくはS21〜S28)を開始し、所定時間内の場合はステップS33に進む(ステップS32)。
次に、制御部72はキー入力部80からの信号を調べてシャッターキー58が全押し操作されたか否かを判定し、シャッターキー58が全押しされた場合はステップS34に進み、全押し操作されない場合はステップS32に戻る(ステップS33)。
上記ステップS31〜ステップS33でシャッターキー58が一気押しされる(半押しされてから所定時間内に全押しされる)と、制御部72は図16のフローチャートのステップS5で設定したストロボ発光モードを調べ、強制ストロボ発光モードやオートストロボモードのようなストロボ発光を必要とするモードの場合はステップS38に進み、そうでない場合はステップS35に進む(ステップS34)。
上記ステップS34でストロボ発光を要しないと判定した場合は、制御部72は、本撮影用の簡易なコントラストAF処理(例えば、図17に示したような簡易AF用の対応テーブルを参照して行なうAF処理)を開始すると共に、シャッターキー58の半押し時に取り込んだビデオスルー画像データに基づくAE処理及び自動ホワイトバランス(AWB)処理を開始する。(ステップS35)。
制御部72はすべての処理、つまり、上記ステップS35で開始した簡易AF処理、AE処理、およびAWB処理が完了したか否かを調べ、完了した場合はステップS37に進み、完了していない場合は完了を待つ(ステップS36)。すべての処理が完了した場合はその時点で直ちにCCD63からのDRAM71への経路を停止してスルー画像取得時とは異なる本撮影時のCCD駆動方式への切換えを実行して取込んだ画像データに画像圧縮処理を施した後、この圧縮画像データ(画像ファイル)を記録して1フレーム分の画像の撮影を終了し、図16のフローチャートのステップS2に戻る(ステップS37)。
上記ステップS34でストロボ発光が必要と判定すると、制御部72は、ストロボ撮影用のWB(ホワイトバランス)値と露出(EV)値を設定し、上述したような簡易AF処理を開始する(ステップS38)。
制御部72は、簡易AF処理が完了したか否かを調べ、簡易AF処理が完了した場合はステップS40に進み(ステップS39)、ストロボ充電中か否かを調べ、充電中の場合はステップS41に進み、そうでない場合はステップS42に進む(ステップS40)。
制御部72は上記ステップS40でストロボ充電中と判定した場合は、ストロボ充電を停止し(ステップS41)、現時点でのストロボ用のコンデンサ容量の範囲内でストロボを発光させるとともに、その時点で直ちにCCD63からのDRAM71への経路を停止してスルー画像取得時とは異なる本撮影時のCCD駆動方式への切換えを実行して取込んだ画像データに画像圧縮処理を施した後、この圧縮画像データ(画像ファイル)を記録して1フレーム分の画像の撮影を終了し、ステップS1に戻る(ステップS42)。
上記図19のフローチャートに示した動作により、シャッターキー58が半押し操作されてから全押しされるまでの時間が所定時間内の場合にはシャッターキー58の一気押しがあったものと判定し、本撮影用の、簡易AF処理や、AE処理や、AWB処理による撮影を行なうので、シャッターキー58を一気押ししてから本撮影までの時間を極短くできることからシャッターチャンスを逃したり、タイムラグを生じさせることなくピント精度のよい画像を得ることができる。また、ストロボ撮影が必要な場合には、充電を停止してストロボ撮影を行なうので、シャッターキー58を一気押ししてからストロボ撮影までの時間を極短くできることから同様の効果を奏する。
なお、上述した変形例では、シャッターキー58が半押しされてから所定時間内に全押しされた場合を一気押しと判定したが、一気押しの判定方法はこれに限定されず、シャッターキー58の半押しを所定時間以上維持しないと半押し動作を開始しないように構成してもよい。つまり、図19のステップS30で、シャッターキー58が半押しされたと判定すると本撮影用のコントラストAF処理、AE処理、及びAWB処理を実行し、それ以外の場合に(シャッターキー58が半押しされていない場合)に全押しされると一気押しがあったものと判定して図19のステップS33〜S42の処理に移行するようにしてもよい。このように構成しても、シャッターキー58が操作されてから所定時間内にシャッターキー58が全押しされると、シャッターキー58の一気押しがあったものと判定し、本撮影用の、簡易AF処理や、AE処理や、AWB処理による撮影を行なうので、シャッターキー58を一気押ししてから本撮影までの時間を短くできることから、上述した変形例の場合と同様の効果を奏する。
また、半押し操作が所定時間維持されないと半押し操作を電気的に検出(認識)することができないようなシャッターキー58を搭載することにより、一気押しの判定方法としてシャッターキー58の半押しと全押しの判定を繰り返し行なうようにして、シャッターキー58が半押しされたと判定することなくシャッターキー58が全押しされたと判定した場合(つまり、シャッターキー58が一気に全押しされ、シャッターキー58が半押し位置をほんの一瞬に通過した場合)を一気押しがあったものと判定して図19のステップS33〜S42の処理に移行するようにしてもよい。このように構成しても、本撮影用の、簡易AF処理や、AE処理や、AWB処理による撮影を行なうので、シャッターキー58を一気押ししてから本撮影までの時間を短くできることから、上述した変形例の場合と同様の効果を奏する。
(実施形態4)
上記実施形態3では、シャッターキー58が一気押しされると、AF処理、AE処理、AWB処理、ストロボ発光等を簡易に行なうよう簡易処理に切換えることにより、シャッター操作から撮影処理までの時間を短くしたが、シャッター操作から撮影処理までの時間を短くする方法は実施形態3の例に限定されない。以下、シャッターキー58が一気押しされると、AF処理、AE処理、AWB処理、ストロボ発光等を停止して(または行なわずに)シャッター操作から撮影処理までの時間を短くする例について述べる。なお、以下の説明で、デジタルカメラの外観および内部構成は図14および図15に示したデジタルカメラ50と同様とする。
図20は、デジタルカメラ50のシャッターキー58の一気押しによる撮影動作の一実施例を示すフローチャートであり、このフローチャートはデジタルカメラ50に本願発明のクイックシャッター機能を実現させるためのプログラムを説明するためのものである。
以下に示す処理は基本的に制御部72が予めフラッシュメモリ等のプログラムメモリに記憶されたプログラムに従って実行する例で説明するが、全ての機能をプログラムメモリに格納する必要はなく、必要に応じて、その一部若しくは全部をネットワークを介して受信して実現するようにしてもよい。以下、図14〜13、および図20に基いて説明する。なお、図20で、ステップS1〜S7の処理は図16のステップS1〜S7と同様である。
図20において、(図16の)ステップS8でシャッターキー58の半押し操作があると、制御部72は(図16の)ステップS5で設定したストロボ発光モードを調べ、強制ストロボ発光モードやオートストロボモードのようなストロボ発光を必要とするモードの場合はステップS67に進み、そうでない場合はステップS62に進む(ステップS61)。
上記ステップS61でストロボ発光を要しないと判定した場合は、制御部72は、本撮影用のコントラストAF処理を開始すると共に、シャッターキー58の半押し時に取り込んだビデオスルー画像データに基づくAE処理及びAWB処理を開始する。なお、この間もシャッターキー58の全押し操作があるまで、VRAM74をCCD63からの画像データを間引いたビデオスルー画像データで書き換えて表示部76の液晶モニタ画面54にスルー画像を表示する(ステップS62)。
次に、制御部72はキー入力部80からの信号を調べてシャッターキー58が全押し操作されたか否かを判定し、シャッターキー58が全押しされた場合はステップS64に進む(ステップS63)。
ステップS64において、制御部72は、ステップS62で開始したAF、AE、またはAWBのいずれかが未だ処理中であるか否かを調べ、いずれも処理中でない場合はステップS66に進み、処理中の場合は処理中の動作を停止したうえで(ステップS65)、その時点で直ちにCCD63からのDRAM71への経路を停止してスルー画像取得時とは異なる本撮影時のCCD駆動方式への切換えを実行して取込んだ画像データに画像圧縮処理を施した後、この圧縮画像データ(画像ファイル)を記録して1フレーム分の画像の撮影を終了し、(図16の)ステップS2に戻る(ステップS66)。
また、上記ステップS61でストロボ発光が必要と判定すると、制御部72はストロボ撮影用のコントラストAF処理を開始すると共に、ストロボ撮影用のWB(ホワイトバランス)値と露出(EV)値を設定する。なお、この間もシャッターキー58の全押し操作があるまで、液晶モニタ画面54にスルー画像を表示する(ステップS67)。
次に、制御部72はキー入力部80からの信号を調べてシャッターキー58が全押し操作されたか否かを判定し、シャッターキー58が全押しされた場合はステップS69に進む(ステップS68)。
制御部72は、ステップS67で開始したコントラストAF処理が継続中か否かを調べ、AF処理中の場合はステップS70に進み、そうでない場合はステップS71に進む(ステップS69)。
上記ステップS69でAF処理中と判定した場合は、制御部72はAF処理を停止してステップS71に進み(ステップS70)、更に、ストロボ充電中か否かを調べ、充電中の場合はステップS72に進み、充電中でない場合はステップS74に進む(ステップS71)。
上記ステップS71でストロボ充電中と判断された場合はストロボ充電を停止し(ステップS72)、ストロボ発光なしで、その時点で直ちにCCD63からのDRAM71への経路を停止してスルー画像取得時とは異なる本撮影時のCCD駆動方式への切換えを実行して取込んだ画像データに画像圧縮処理を施した後、この圧縮画像データ(画像ファイル)を記録して1フレーム分の画像の撮影を終了し、ステップS1に戻る(ステップS73)。また、上記ステップS71でストロボ充電中と判断された場合はストロボ駆動部81を制御してストロボを発光させるとともに、その時点で直ちにCCD63からのDRAM71への経路を停止してスルー画像取得時とは異なる本撮影時のCCD駆動方式への切換えを実行して取込んだ画像データに画像圧縮処理を施した後、この圧縮画像データ(画像ファイル)を記録して1フレーム分の画像の撮影を終了し、ステップS1に戻る(ステップS74)。
上記図20のフローチャートに示した動作により、シャッターキー58が半押し操作されたとき、撮影準備動作として、AF処理や、AE処理や、AWB処理を開始するが、半押しの途中で全押しすると処理中の撮影準備動作を停止して撮影処理を行なうことから、シャッターキー58の全押しがあると瞬時に本撮影を行なうことができ、シャッターチャンスを逃したりタイムラグを生じさせることなく画像を撮影できる。また、ストロボ充電中の場合も充電を停止して撮影を行なうので同様の効果を奏する。
<変形例>
上記図20に示したフローチャートでは、シャッターキー58が半押し操作されてAF処理がなされているときにシャッターキー58が全押しされた場合、つまりシャッターキー58が全押しされた場合にAF処理中や、AE処理中や、AWB処理が終わっていないことを一気押し判定の条件とし、動作中の処理を停止するようにしたが、一気押し判定方法は上記方法に限定されず、実施形態3の変形例と同様な一気押し判定を行うことができる。以下、一気押し判定の変形例について述べる。
図21はデジタルカメラの一気押し判定および撮影動作の変形例を示すフローチャートであり、シャッターキー58の半押しを所定時間以上維持しないと半押し動作を開始しないように構成した例であり、図19に示したフローチャートのステップS31以降を図示のようにステップS80〜S89に変更する。これにより、図19のステップ30でシャッターキー58が半押しされてから所定時間内に全押しされた場合に、一気押しがあったものと判定しステップS82〜S89の処理に移行する。
図21において、図19のステップS31でシャッター操作時間計測タイマーをゼロクリアしてスタートさせた後、タイムアップ、つまり、所定時間を経過する(半押しされてから所定時間内に全押しされない)とユーザが半押し操作を意図して行ったものと判断して図21のフローチャートのステップS61に進んで半押し動作(S61〜S74)を開始し、所定時間内の場合はステップS81に進む(ステップS80)。
次に、制御部72はキー入力部80からの信号を調べてシャッターキー58が全押し操作されたか否かを判定し、所定時間内にシャッターキー58が全押しされた場合は一気押しされたものと判定してステップS82に進み、全押し操作されない場合はステップS80に戻る(ステップS81)。
ステップS80、S81でシャッターキー58が一気押しされる(半押しされてから所定時間内に全押しされる)と、制御部72は(図16のフローチャートの)ステップS5で設定したストロボ発光モードを調べ、強制ストロボ発光モードやオートストロボモードのようなストロボ発光を必要とするモードの場合はステップS85に進み、そうでない場合はステップS83に進む(ステップS82)。
上記ステップS82でストロボ発光を要しないと判定した場合は、制御部72は、スルー画像用のAE処理およびAWB処理を停止し(ステップS83)、その時点で直ちにCCD63からのDRAM71への経路を停止してスルー画像取得時とは異なる本撮影時のCCD駆動方式への切換えを実行して取込んだ画像データに画像圧縮処理を施した後、この圧縮画像データ(画像ファイル)を記録して1フレーム分の画像の撮影を終了し、(図16のフローチャートの)ステップS2に戻る(ステップS84)。
上記ステップ82でストロボ発光が必要と判定すると、制御部72は、ストロボ撮影用のWB(ホワイトバランス)値と露出(EV)値を設定し(ステップS85)、ストロボ充電中か否かを調べ、充電中の場合はステップS87に進み、そうでない場合はステップS89に進む(ステップS86)。
上記ステップS86でストロボ充電中と判定した場合は、ストロボの充電を停止し(ステップS87)、ストロボを発光させることなく、その時点で直ちにCCD63からのDRAM71への経路を停止してスルー画像取得時とは異なる本撮影時のCCD駆動方式への切換えを実行して取込んだ画像データに画像圧縮処理を施した後、この圧縮画像データ(画像ファイル)を記録して1フレーム分の画像の撮影を終了し、ステップS1に戻る(ステップS88)。一方、上記ステップS86でストロボ充電中でないと判定した場合は、ストロボを発光させるとともに、その時点で直ちにCCD63からのDRAM71への経路を停止してスルー画像取得時とは異なる本撮影時のCCD駆動方式への切換えを実行して取込んだ画像データに画像圧縮処理を施した後、この圧縮画像データ(画像ファイル)を記録して1フレーム分の画像の撮影を終了し、ステップS1に戻る(ステップS89)。
上記図21のフローチャートに示した動作により、シャッターキー58が半押し操作されてから全押しされるまでの時間が所定時間内の場合にはシャッターキー58の一気押しがあったものと判定し、本撮影用のAF処理や、AE処理や、AWB処理を行なうことなく、撮影を行なうので、シャッターキー58の全押しがあると撮影を瞬時に行なうことができることからシャッターチャンスを逃したりタイムラグを生じさせることなく画像を撮影できる。また、ストロボ撮影が必要な場合において、ストロボ充電中である場合は充電を停止してストロボ無しの撮影を行なうので同様の効果を奏する。
上述した変形例では、シャッターキー58が半押しされてから所定時間内に全押しされた場合を一気押しと判定したが、一気押しの判定方法はこれに限定されず、シャッターキー58の半押しを所定時間以上維持しないと半押し動作を開始しないように構成してもよい。つまり、図19のステップS30で、シャッターキー58が半押しされたと判定すると本撮影用のコントラストAF処理、AE処理、及びAWB処理を実行し、それ以外の場合に(シャッターキー58が半押しされていない場合)に全押しされると一気押しがあったものと判定して図21のステップS82〜S89の処理に移行するようにしてもよい。このように構成してもシャッターキー58が操作されてから所定時間内にシャッターキー58が全押しされると、シャッターキー58の一気押しがあったものと判定して、AF処理や、AE処理や、AWB処理を停止して撮影を行なうので、シャッター操作から本撮影までの時間を極短くできることから上述した変形例の場合と、同様の効果を奏する。
また、半押し操作が所定時間維持されないと半押し操作を電気的に検出(認識)することができないようなシャッターキー58を搭載することにより、一気押しの判定方法としてシャッターキー58の半押しと全押しの判定を繰り返し行なうようにして、シャッターキー58が半押しされたと判定することなくシャッターキー58が全押しされたと判定した場合(つまり、シャッターキー58が一気に全押しされ、シャッターキー58が半押し位置をほんの一瞬に通過した場合)を一気押しがあったものと判定して図19のステップS33〜S42の処理に移行するようにしてもよい。このように構成してもAF処理や、AE処理や、AWB処理を停止して撮影を行なうので、シャッター操作から本撮影までの時間を極短くできることから上述した変形例の場合と同様の効果を奏する。
また、上記実施形態3、4及びその変形例においては、シャッターキー58の半押し操作により開始されるAF動作とシャッターキー58の全押し操作により開始されるAF動作とでAFサーチ範囲を同一としたが、AFサーチ範囲を異ならせるようにしてもよい。例えば、シャッターキー58の半押し操作により開始されるAF動作におけるAFサーチ範囲を第1のAFサーチ範囲とし、シャッターキー58の全押し操作により開始されるAF動作のAFサーチ範囲を上記第1のAFサーチ範囲よりも狭い第2のAFサーチ範囲とするようにしてもよい。この場合、上記第2のAFサーチ範囲をユーザによる手動操作により任意に設定できるようにしてもよいし、撮影時に取得する撮影条件や画像データから取得するコントラスト値等を基に撮影シーンを判定し、この判定結果に応じたAFサーチ範囲を上記第2のAFサーチ範囲として設定するようにしてもよい。
なお、上記実施形態3、4の説明では簡易AF時のフォーカスレンズのサーチ間隔は図17の例に示したように、ズーム値に応じて予め設定された値(固定値)としたが、ズーム値に対応付けるフォーカスレンズのサーチ間隔を手動で設定するようにしてもよいし、撮影時に取得する撮影条件や画像データから取得するコントラスト値等を基に、ズーム値に応じてフォーカスレンズのサーチ間隔を自動的に決定するようにしてもよい。
また、本実施形態4では、シャッターキー58が全押しされると、フォーカスレンズの停止処理、撮影処理、コントラストデータ取得処理、及びコントラストデータ比較処理等の全てのAF処理を簡易化するようにしたが、コントラストデータ比較処理のみというように、フォーカスレンズの停止処理、撮影処理、コントラストデータ取得処理、及びコントラストデータ比較処理のいずれか一つを簡易化するようにしてもよく、または、コントラストデータ比較処理のみ、コントラストデータ取得処理とコントラストデータ比較処理のみ、撮影処理とコントラストデータ取得処理とコントラストデータ比較処理のみ簡易化するといったように、フォーカスレンズの停止処理、撮影処理、コントラストデータ取得処理、及びコントラストデータ比較処理のいずれかを組み合わせて簡易化するようにしてもよい。
上記各実施例の説明ではカメラとしてデジタルカメラを例としたが、カメラという語は、デジタルカメラ等の撮像装置のほか、カメラ付き携帯電話機や撮像部を有する情報機器などにも適用し得るものである。
以上、本発明のいくつかの実施例について説明したが本発明は上記各実施例に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能であることはいうまでもない。