JP5178321B2 - 電子写真感光体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、基体上に堆積膜、とりわけ機能性膜、特に電子写真感光体に用いられる堆積膜の製造方法に関するものである。
従来、電子写真感光体、半導体デバイス、画像入力ラインセンサー、撮影デバイス、光起電力デバイスを形成するための真空処理方法には、プラズマCVD法、イオンプレーティング法、プラズマエッチング法が知られている。そのための装置も数多く実用化されている。
高周波電力の印加により原料ガスのプラズマを生成し、その分解種を基板上に堆積させることによって堆積膜を形成するプラズマCVD法を用いた堆積膜形成方法がある。この方法を用いた場合、例えば、原料ガスにシランガスを用いることで、珪素を母体とするアモルファス材料で構成された薄膜の形成が可能であることが知られており、その製造装置も各種提案されている。
プラズマCVD装置により高品質な堆積膜の形成が行われているが、更なる品質向上のためにプラズマCVD法を用いた成膜方法に関する改良が進められている。
特許文献1には、シリコン原子を母体とする光導電層を形成する堆積膜の形成中に堆積空間の圧力を連続的に変化させる電子写真用光受容部材の製造方法が開示されている。
また、特許文献2には、電荷注入阻止層と光導電層を有する電子写真感光体の製造方法において、光導電層作成時にガス流量、放電電力及び反応容器内の圧力を所定の範囲内で変化させる光受容部材の製造方法が開示されている。
更に、特許文献3には、原料ガスを減圧下でプラズマ分解し、フッ素添加絶縁膜を形成する絶縁膜の形成方法で、供給原料ガスの流量を変え、堆積中の圧力を変化させ、堆積膜中のフッ素含有量を変える技術が、開示されている。
更に、反応容器のダストが基板に付着することを防止するために、反応容器のクリーニングと成膜とを交互に行う枚葉プロセスでのクリーニングに用いるフッ素系のガスの残留による影響を避ける技術が特許文献4に開示されている。特許文献4には、反応容器のクリーニング後に、成膜ガスを、その圧力が所定の圧力差の範囲で異なる複数段階に分けて導入し、プラズマ放電により反応室内を絶縁膜又は半導体膜でコーティングする方法が開示されている。
特開平08−179535号公報 特開平08−179536号公報 特開平10−335322号公報 特開2004−111983号公報
プラズマCVD装置を用い、特許文献1あるいは2に開示された方法を用いることで良好な堆積膜形成を行うことができる。
近年その普及が目覚しいデジタル電子写真装置やカラー電子写真装置においては、文字原稿のみならず、写真、絵、デザイン画のコピーも頻繁に行われる。そのため、画像上に白点或いは黒点の画像不良を引き起こす堆積膜の異常成長についても、従来以上の低減が求められている。
プラズマCVD法によるこのような堆積膜の異常成長には、堆積膜形成前の基体上に付着したダストや異物を起源としたものがある。更に、放電開始時に異常放電の影響により反応容器内の部材が溶融し基体上に付着した溶融物を起源として堆積膜が異常成長したものがある。
堆積膜形成前の基体上に付着するダストや異物に関しては、成膜開始前の基体を厳密に洗浄し、クリーンルームの如きダスト管理された環境で反応容器内に運搬することにより、基体にダストが付着することを極力避けるようにしてきた。
しかし、放電開始時に異常放電の影響により反応容器内の部材が溶融し基体上に付着した溶融物を起源として堆積膜が異常成長する画像不良に関しては、まだ抑制できていないのが現状である。
従って、本発明は、放電開始時の異常放電を抑制することで、画像不良を低減し、製品品質および良品率の向上を達成する事を目的としている。
本発明は、減圧可能な反応容器内に導電性基体を設置し、前記反応容器内に原料ガスを供給し、前記原料ガスを高周波電力によって分解し、前記導電性基体の上に珪素を母体とするアモルファス材料で構成された膜からなる複数の層を形成する電子写真感光体の製造方法であって、
前記複数の層のうち前記導電性基体と接する層形成する工程が、前記反応容器内に供給する原料ガスの種類および供給比率が一定であり、前記反応容器内の内圧が異なる、内圧前期工程、内圧変化工程、および、内圧後期工程からなり、
前記内圧前期工程における前記反応容器内の内圧が、前記内圧後期工程における前記反応容器内の内圧よりも高いことを特徴とする電子写真感光体の製造方法である。
本発明によれば、画像不良の改善を図り、製品品質および良品率の向上を達成することのできる、電子写真感光体の製造方法を提供することが可能となる。
本発明者らは堆積膜形成時のプラズマCVD装置の反応容器内の内部圧力(以下、内圧と称す)と異常放電の関係について鋭意検討を行った。その結果、堆積膜形成時に反応容器内の内圧を低圧にするに従いプラズマが局在化し異常放電の発生が顕著である事が判明した。
逆に堆積膜形成時に反応容器内の内圧を高くするに従いプラズマの均一性が得られ、異常放電の発生が抑制される事が分かった。
また、放電開始時の異常放電は、高周波電力が1〜20MHzのRF帯(代表的には13.56MHz)のプラズマを用いた場合、特に顕著に見られる。
その詳細な理由は不明であるが、RF帯のプラズマは、プラズマ放電が安定する内圧が数十Pa〜数百Paであり、この内圧が放電開始時の異常放電発生のし易さと関係していると推測される。
反応容器内でプラズマに曝され、且つ、堆積膜が形成されていない領域の異常放電が、堆積膜が形成された領域よりも多く発生する。反応容器内でプラズマに曝され、且つ、堆積膜が形成されていない領域に堆積膜形成されることで放電開始時に発生した異常放電が収束する事が判明した。
またプラズマに曝される領域導電性材料で構成した場合に異常放電の発生が顕著である事も判明した。
以上の結果から、放電初期に発生する異常放電を抑制するためにはプラズマに曝される反応容器内部に所定量の堆積膜やポリシランからなる副生成物が堆積するまでの間、反応容器の内圧を高い圧力に設定することでプラズマを安定させればよいことがわかった。
しかし、内圧が高い状態で堆積膜を形成すると堆積膜の電気特性が低減する傾向であるため堆積膜の良好な電気特性を維持したまま放電初期の異常放電の発生を抑制することを目的とし、そのための条件を更に検討した。
その結果、反応容器内に堆積膜やポリシランが無い領域を有する状態で、導電性基体の上に堆積膜を形成する工程、即ち、導電性基体が露出した表面に接する層を形成する際に、反応容器内の内圧を変えることで上記の目的を達成できることを知見した。即ち、導電性基体の表面が露出する状態では、異常放電が発生しない様に、最適な電気特性が得られる内圧よりも内圧を高く設定し、基体の表面に膜を形成する内圧前期工程を設ける。その後、最適な電気特性が得られる内圧になるまで圧力を下げる内圧変化工程を経て、その後、所望の膜厚になるまで成膜を行う内圧後期工程を設けることで上記の目的が達成されることを知見した。
内圧前期工程、内圧変化工程、および、内圧後期工程では、原料ガスの種類及び原料ガスの供給比率と供給量とが一定状態であることが好ましい。内圧変化工程で、内圧を変える場合、原料ガスの種類及び原料ガスの供給比率と供給量とを一定状態のまま排気量制御によって内圧を変化させることができる。内圧の変化は、連続的または段階的に変化させることができる。
内圧前期工程では堆積する膜の厚さを0.1μm以上、3.00μm以下とすることが好ましい。
内圧前期工程で堆積する膜の厚さが0.10μmを下回ると異常放電の抑制効果が十分に得られない場合があり、膜の厚さが3.00μmを超えると堆積膜の電気特性が低減する場合がある。
また内圧前期工程と内圧後期工程の内圧差は13.3Pa(100mTorr)以上66.5Pa(500mTorr)以下の範囲が好ましい。内圧差が13.3Paを下回ると異常放電の抑制効果が十分に得られない場合があり、66.5Paを越えると堆積膜の電気特性が低減する場合がある。
更に、内圧前期工程と内圧後期工程で内圧差を設ける事により堆積膜の応力が緩和され、導電性基体との密着性が向上することも判明した。
また、内圧変化工程の内圧変化時間は60sec以上180sec以下が好ましく、60secを下回る内圧変化時間では堆積膜の急激な応力変化による膜剥がれが発生する場合がある。また、内圧変化時間が180secを越えると堆積膜の電気特性が低下する場合があることが判明した。
本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、導電性基体と接する層を形成する際の内圧変化の様子と、原料ガスの総ガス流量の関係を示す模式図である。横軸は各工程の領域を示し縦軸は内圧及び原料ガスの総ガス流量を示し、原料ガスの総ガス流量を変化させずに内圧のみを変化させることを示している。
図1に示すように、導電性基体に膜を形成する側から、内圧前期工程、内圧変化工程および内圧後期工程の順に内圧が変化している。内圧前記工程および内圧後期工程で内圧は、一定値を保持し、内圧の高い内圧前期工程から内圧変化工程を経て内圧の低い内圧後期工程へ移行する。
図2(a)(b)(c)(d)は内圧変化工程における内圧の変化パターンを示す模式図である。図2(a)は、直線的に内圧が減少する変化パターン、図2(b)は段階的に内圧が減少する変化パターンを示し、更に図2(c)(d)は曲線的に内圧が減少する変化パターンを示す模式図である。
図3は、アモルファスシリコン電子写真感光体製造装置の一例を示した概略図である。
この装置は大別すると、堆積装置3100、原料ガスの供給装置3200、減圧可能な反応容器3110内を減圧するための排気装置(図示せず)から構成されている。堆積装置3100中の反応容器3110内にはアースに接続された導電性基体3112、導電性基体の加熱用ヒーター3113、原料ガス導入管3114が設置され、更に高周波マッチングボックス3115を介して高周波電源3120が接続されている。
原料ガス供給装置3200には、バルブ3231〜3236を設けたSiH4、H2、CH4、NO、B26、CF4の原料ガスボンベ3221〜3226が設置されている。
各原料ガスボンベは、圧力調整器3261〜3266と流入バルブ3241〜3246、流出バルブ3251〜3256及びマスフローコントローラー3211〜3216、更に補助バルブ3260を介して反応容器3110内の原料ガス導入管3114に接続されている。
導電性基体3112は導電性受け台3123の上に設置されることによってアースに接続される。
図4は、本発明により作成される複数の層からなるアモルファスシリコン電子写真感光体の層構成を説明するための模式的構成図である。
図4(a)は、導電性基体401の上に電荷注入阻止層404、光導電層402、表面層403がこの順に積層されたアモルファスシリコン電子写真感光体であり、導電性基体401表面に接する層が電荷注入阻止層404である事を示している。また、電荷注入阻止層404、または光導電層402は少なくとも水素を含み、珪素を母体とするアモルファス材料で構成された膜からなり、表面層403は電子写真装置における顕像保持能力を有する。
図4(b)は、機能分離型の電子写真感光体を説明する模式図であり導電性基体401の上に光導電層402、表面層403がこの順に積層されたアモルファスシリコン電子写真感光体である。光導電層402は水素を含み、珪素を母体とするアモルファス材料で構成された膜からなり、電荷輸送層405及び電荷発生層406に機能分離されている。ここで電荷輸送層405と電荷発生層406の位置関係は如何なる物であってもよく機能分離を組成変化により行う場合には、その組成変化が連続的であっても良い。
図4(b)では導電性基体401の表面と接する層を電荷輸送層405とした場合の電子写真感光体を示す。
次に図3の装置を用いて、図4(a)に示した層構成の電子写真感光体を作成する場合の概略を以下に説明する。
減圧可能な反応容器3110内に導電性基体3112を設置し、不図示の排気装置(例えば真空ポンプ)により反応容器3110内を排気する。続いて導電性基体の加熱用ヒーター3113により導電性基体3112の温度を20℃〜500℃の所望の温度に制御する。
次に、原料ガスを反応容器3110内に流入させるには各原料ガスボンベのバルブ3231〜3236、反応容器のリークバルブ3117が閉じられている事を確認する。また、流入バルブ3241〜3246、流出バルブ3251〜3256、補助バルブ3260が開かれている事を確認し、メインバルブ3118を開いて反応容器3110及びガス供給配管3116を排気する。
その後、真空計3119の読みが0.7Paになった時点で補助バルブ3260、流出バルブ3251〜3256を閉じる。その後原料ガスボンベ3221〜3226より各原料ガスをバルブ3231〜3236を開いて導入し圧力調整器3261〜3266により各ガス圧を所定の圧力に調整する。次に流入バルブ3241〜3246を徐々に開けて各ガスをマスフローコントローラー3211〜3216内に導入する。
以上の手順によって成膜準備を完了した後、導電性基体3112の上に、導電性基体3112と接する層である電荷注入阻止層の形成を行う。
即ち、導電性基体3112が所望の温度になったところで、各流出バルブ3251〜3256のうちの必要なものと補助バルブ3260とを徐々に開く。そして各原料ガスボンベ3221〜3226から所望の原料ガスを、原料ガス導入管3114を介して反応容器3110内に導入する。
次に、各マスフローコントローラー3211〜3216によって、各原料ガスが所望の流量になる様に調整する。その際、反応容器3110内の圧力が図1に示す初期内圧になる様に、真空計3119を見ながらメインバルブ3118の開口を調整する。内圧が安定したところで、高周波電源3120を所望の電力に設定して例えば、周波数13.56MHzの高周波電力を、高周波マッチングボックス3115を通じてカソード電極3111に供給し高周波グロー放電を生起させる。この放電エネルギーによって反応容器3110内に導入させた各原料ガスが分解され、導電性基体3112上に所望の珪素原子を主成分とする電荷注入阻止層が堆積される。
この電荷注入阻止層の堆積は原料ガスの総ガス流量は一定のままでメインバルブ3118の開度を調整し図1に示した内圧変化を実行して、所望の膜厚まで行えばよい。
上記内圧の変化方法としては、真空計3119をメインバルブ3118と連動させて連続的又は段階的にメインバルブ3118の開度を調整する方法がある。更に、別の内圧変化方法としてはメインバルブ3118の開度を固定し、不図示の排気装置(例えば真空ポンプ)の排気能力を調整する方法がある。
また内圧の変化パターンとしては、図2(a)(b)(c)(d)に示した変化パターンが好ましい。
なお、真空計3119を設置する部分の圧力と反応容器3110内部の圧力が異なる場合は、予め内圧差を測定し、校正した値に基づき反応容器3110内部の圧力を制御すればよい。
この様にして電荷注入阻止層を形成した後、光導電層の形成に必要な原料ガスに切り換へ、光導電層を形成する。光導電層が所望の膜厚に達したところで、高周波電力の供給を止め、各流出バルブ3251〜3256を閉じて反応容器3110への各原料ガスの流入を止め、光導電層の形成を終える。但し、電荷注入阻止層を設けず、導電性基体と接する層が光導電層である場合も同様に図1に示した内圧変化を実行すればよい。
光導電層上に表面層を形成する場合も基本的には上記の操作を繰り返せばよく反応容器3110内の原料ガスを排気した後、表面層に必要な原料ガスに切り換へ反応容器3110内に流す。所定の内圧に調整した後に前層と同様の操作により所望の膜厚の表面層を形成すればよい。
(実施例)
(実施例1)
図3に示す構成の装置を用い、発振周波数が13.56MHzの高周波電力をカソード電極3111に供給し、直径80mm、長さ358mmの円筒状アルミニウムシリンダー上に、表1に示す条件で図4(a)の構造のアモルファスシリコン電子写真感光体を作製した。
Figure 0005178321
本実施例では、内圧前期工程の内圧を80Pa、内圧後期工程の内圧を40Paに設定し、内圧変化工程は、90secで図2(a)に示したパターンで変化させ、導電性基体と接する電荷注入阻止層を形成した。更に内圧前期工程で堆積する電荷注入阻止層の膜厚を0.05μm、0.10μm、0.80μm、1.50μm、3.00μm、および、3.20μmの6条件で6本のアモルファスシリコン電子写真感光体を作成した。
(比較例1)
図3に示す構成の装置を用い、表1に示す条件で実施例1と同様に、直径80mm、長さ358mmの円筒状アルミニウムシリンダー上に、電子写真感光体を作製した。
本比較例では、電荷注入阻止層を形成する際に内圧前期工程及び内圧変化工程を設けずに実施例1の内圧後期工程の内圧を用い40Pa一定で維持した。
作成した電子写真感光体に対し残電、画像を実施例1と同様の方法で評価した。
実施例1で作製した6本の電子写真感光体、および、比較例1で作成した電子写真装置(主帯電電流及び各光学系の光量が調整可能に改造したキヤノン製iR5000)にセットし、下記に示す方法を用いて残留電位、画像の評価及び総合評価を行った。
結果を共に表2に示す。
(残留電位評価)
残留電位(残電)の測定は、電子写真装置の現像器位置にセットした表面電位計(TREK社のModel 344)の電位センサーにより像露光(波長655nmの半導体レーザー)を照射しない状態での電子写真感光体の表面電位を測定する。次に電子写真感光体の表面電位が400V(暗電位)になるように主帯電器の電流値を調整する。その後、像露光(波長655nmの半導体レーザー)を1.2μJ/cm2の光量で照射した時の電子写真感光体の表面電位を残電とした。測定場所は電子写真感光体の長手方向の中心から、奥側130mm、奥側90mm、中心、手前側90mm、手前側130mmの5箇所で測定した残電の平均値を求め、電子写真感光体の残電とした。
残電の評価は、比較例1の残電を1.0とした相対比較である。従って、数値が小さいほど残電が良好である事を示す。
(画像評価)
電子写真装置の現像器位置にセットした表面電位計(TREK社のModel 344)の電位センサーにより像露光(波長655nmの半導体レーザー)を照射しない状態での感光体の表面電位を測定する。次に電子写真感光体の表面電位が400V(暗電位)になるように主帯電器の電流値を調整した後、A3サイズに全面ベタ黒の画像を出力する。
次にA3サイズの全面ベタ黒画像の電子写真感光体一周分に相当する画像領域内に発生しているφ0.3mm以上の白点の数をカウントした。
実施例1及び比較例1の評価結果を表2に示す。画像評価は、比較例1の白点の数の数を100とした相対比較である。従って、数値が小さいほど白点の数が少なく、良好である事を示す。
(総合評価)
総合評価は以下に示す残留電位評価の得点と画像評価の得点の合計点で評価した。
A:6点(特に効果が認められるレベル)
B:5点、4点(効果が認められるレベル)
C:3点、2点(効果が無く従来と同等のレベル)。
(残留電位評価)
残留電位の相対評価で得られた値を以下の得点とした。
2.5以下・・・3点
2.6以上、5.0以下・・・2点
5.1以上・・・1点。
(画像評価)
画像の相対評価で得られた値を以下の得点とした。
50以下・・・3点
51以上80以下・・・2点
81以上100未満・・・1点
100以上・・・0点。
Figure 0005178321
以上の結果から、内圧前期工程で堆積する電荷注入阻止層の膜厚は0.10μm以上3.00μm以下の範囲が特に効果的であり電子写真感光体の特性を維持したまま白点の数の少ないアモルファスシリコン電子写真感光体が得られることが判明した。
(実施例2)
図3に示す構成の装置を用い、発振周波数が13.56MHzの高周波電力をカソード電極3111に供給し、直径80mm、長さ358mmの円筒状アルミニウムシリンダー上に、表1に示す条件で図4(a)の構造のアモルファスシリコン電子写真感光体を作製した。
本実施例では、内圧前期工程で堆積する電荷注入阻止層の膜厚を1.00μm、内圧後期工程の内圧を40Paに設定し、内圧変化は90secで図2(a)に示したパターンで変化させた。更に、内圧前期工程と内圧後期工程との内圧差が12.0Pa、13.3Pa、26.6Pa、39.9Pa、53.2Pa、66.5Pa、および、73.2Paとなるよう内圧前期工程の内圧を設定した、7条件で7本のアモルファスシリコン電子写真感光体を作成した。
作成した7本の電子写真感光体に対し残留電位、画像を実施例1と同様の方法で評価した。
実施例2の評価結果を表3に示す。
Figure 0005178321
以上の結果から、内圧前期工程と内圧後期工程の内圧差が、13.3Pa以上、66.5Pa以下の範囲が特に効果的であり電子写真感光体の特性を維持したまま白点の数が少ないアモルファスシリコン電子写真感光体が得られることが判明した。
(実施例3)
図3に示す構成の装置を用い、発振周波数が13.56MHzの高周波電力をカソード電極3111に供給し、直径80mm、長さ358mmの円筒状アルミニウムシリンダー上に、表1に示す条件で図4(a)の構造のアモルファスシリコン電子写真感光体を作製した。
本実施例では、内圧前期工程の内圧を106.5Pa、内圧後期工程の内圧を40Pa(内圧後期工程との圧力差66.5Pa)、内圧前期工程で堆積する電荷注入阻止層の膜厚を1.00μmに設定した。更に内圧変化は90secで図2(a)、(b)、(c)、および、(d)の4 パターンで変化させ、4本の電子写真感光体を作成した。
作成した4本の電子写真感光体に対し残留電位、画像を実施例1と同様の方法で評価した。
実施例3の評価結果を表4に示す。
Figure 0005178321
以上の結果から、内圧前期工程の内圧から内圧後期工程の内圧を連続的又は段階的に変化させる事により電子写真感光体の特性を維持したまま白点の数の少ないアモルファスシリコン電子写真感光体が得られることが判明した。
(実施例4)
図3に示す構成の装置を用い、発振周波数が13.56MHzの高周波電力をカソード電極3111に供給し、直径80mm、長さ358mmの円筒状アルミニウムシリンダー上に、表1に示す条件で図4(a)の構造のアモルファスシリコン電子写真感光体を作製した。
本実施例では、内圧前期工程の内圧を106.5Pa、内圧後期工程の内圧を40Pa(内圧後期工程との内圧差66.5Pa)とし、内圧前期工程で堆積する電荷注入阻止層の膜厚を1.00μmに設定した。更に内圧変化工程は図2(a)に示したパターンで内圧変化時間を50sec、60sec、120sec、180sec、および、190secの5つの条件で変化させ、5本のアモルファスシリコン電子写真感光体を作成した。
作成した5本の電子写真感光体に対し残留電位、画像を実施例1と同様の方法で評価した。
実施例4の評価結果を表5に示す。
Figure 0005178321
以上の結果から、内圧前期工程の内圧から内圧後期工程の内圧に変化させる時間は60sec以上180sec以下の範囲が特に効果的であり電子写真感光体の特性を維持したまま白点の数の少ないアモルファスシリコン電子写真感光体が得られることが判明した。
(実施例5)
図3に示す構成の装置を用い、発振周波数が13.56MHzの高周波電力をカソード電極3111に供給し、直径80mm、長さ358mmの円筒状アルミニウムシリンダー上に、表6に示す条件で図4(b)の構造のアモルファスシリコン電子写真感光体を作製した。
図4(b)の構造の電子写真感光体は、導電性基体上に、光導電層と表面層とが形成され、光導電層が、導電性基体と接する電荷輸送層と、電荷輸送層上に更に電荷発生層が形成された、積層構造となっている。
本実施例では、導電性基体と接する電荷輸送層を形成する際に、内圧前期工程の内圧を100Pa、内圧後期工程の内圧を45Pa(内圧前期工程と内圧後期工程との内圧差55Pa)とし、内圧前期工程で堆積する電荷輸送層の膜厚を1.00μmに設定した。更に内圧変化工程は図2に示した(a)のパターンで内圧変化時間を90secで変化させ、内圧後期工程により電荷輸送層の膜厚を20μmとした。その後電荷発生層、表面層を堆積してアモルファスシリコン電子写真感光体を作成した。
作成した電子写真感光体に対し残留電位、画像を実施例1と同様の方法で評価した。
実施例5の評価結果を表7に示す。
Figure 0005178321
(比較例2)
図3に示す構成の装置を用い、表6に示す条件で実施例5と同様に、直径80mm、長さ358mmの円筒状アルミニウムシリンダー上に、電子写真感光体を作製した。
本比較例では、電荷輸送層を形成する際に内圧前期工程及び内圧変化工程を設けずに実施例5の内圧後期工程の内圧を用い45Pa一定で維持した。
作成した電子写真感光体に対し残電、画像を実施例1と同様の方法で評価した。
評価結果を表7に示す。
Figure 0005178321
以上の結果から、導電性基体と接する層が光導電層であっても放電初期の内圧前期工程から内圧後期工程に内圧変化させる事により電子写真感光体の特性を維持したまま白点の数の少ないアモルファスシリコン電子写真感光体が得られることが判明した。
本発明の堆積膜の形成方法における内圧変化工程での内圧、堆積膜形成原料ガスの総ガス流量変化のパターンを示す模式図である。 内圧変化工程における内圧の変化パターンを示す模式図である。 本発明係わるPCVD法を適用可能な電子写真感光体製造装置の概略断面図。 本発明に係わる電子写真感光体の一例を示す層構成の概略断面図。
符号の説明
3100 堆積装置
3110 反応容器
3111 カソード電極
3112 円筒状基体
3113 基体加熱用ヒーター
3114 ガス導入管
3115 高周波マッチングボックス
3116 ガス配管
3117 リークバルブ
3118 メインバルブ
3119 真空計
3120 高周波電源
3121 絶縁材料
3122 排気管
3123 受け台
3200 原料ガス供給装置
3211〜3216 マスフローコントローラー
3221〜3226 ボンベ
3231〜3236 バルブ
3241〜3246 流入バルブ
3251〜3256 流出バルブ
3260 補助バルブ
3261〜3266 圧力調整器
401 導電性基体
402 光導電層
403 表面層
404 電荷注入阻止層
405 電荷輸送層
406 電荷発生層

Claims (5)

  1. 減圧可能な反応容器内に導電性基体を設置し、前記反応容器内に原料ガスを供給し、前記原料ガスを高周波電力によって分解し、前記導電性基体の上に珪素を母体とするアモルファス材料で構成された膜からなる複数の層を形成する電子写真感光体の製造方法であって、
    前記複数の層のうち前記導電性基体と接する層形成する工程が、前記反応容器内に供給する原料ガスの種類および供給比率が一定であり、前記反応容器内の内圧が異なる、内圧前期工程、内圧変化工程、および、内圧後期工程からなり、
    前記内圧前期工程における前記反応容器内の内圧が、前記内圧後期工程における前記反応容器内の内圧よりも高いことを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
  2. 前記導電性基体と接する層の膜厚のうち前記内圧前期工程において形成される膜厚が、0.10μm以上3.00μm以下である請求項1に記載の電子写真感光体の製造方法。
  3. 前記内圧前期工程における前記反応容器内の内圧と前記内圧後期工程における前記反応容器内の内圧との差が、13.3Pa(100mTorr)以上66.5Pa(500mTorr)以下である請求項1または2に記載の電子写真感光体の製造方法。
  4. 前記内圧変化工程が排気量制御によって前記反応容器内の内圧を連続的または段階的に変化させる工程である請求項13の何れか1項に記載の電子写真感光体の製造方法。
  5. 前記内圧変化工程における内圧変化時間が60sec以上180sec以下である請求項14の何れか1項に記載の電子写真感光体の製造方法。
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