JP2008214659A - 堆積膜の形成方法 - Google Patents

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重教 植田
Hitoshi Murayama
仁 村山
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大介 田澤
Kunimasa Kawamura
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Abstract

【課題】 電子写真用感光体に使用可能な堆積膜の形成に於いて、良質な堆積膜の形成及び画像欠陥の低減が可能な堆積膜の形成方法を提供することにある。
【解決手段】 減圧可能な反応容器内に導電性基体を設置し、該反応容器内に供給した原料ガスを高周波電力によって分解し、該導電性基体上に珪素を母体とする非単結晶膜を形成する堆積膜形成工程により形成される堆積膜の形成方法であって、該堆積膜形成工程は13.4Pa以下の内圧であって、該堆積膜形成工程に、内圧を上げる工程と内圧を下げる工程からなる内圧変化工程を有し、該内圧変化工程は、該原料ガス種及び該原料ガスの供給比率が一定である堆積膜形成工程中に内圧を変化させる工程である事を特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、基体上に堆積膜、とりわけ機能性膜、特に電子写真感光体に用いられる堆積膜の製造方法に関するものである。
従来、電子写真用感光体、半導体デバイス、画像入力ラインセンサー、撮影デバイス、光起電力デバイス等を形成するための真空処理方法には、プラズマCVD法、イオンプレーティング法、プラズマエッチング法等、高周波電力により生成されるプラズマを用いた堆積膜形成法が知られており、そのための装置も数多く実用化されている。
例えば、プラズマCVD法を用いた堆積膜形成方法、つまり、高周波電力のグロー放電により原料ガスのプラズマを生成し、その分解種を基板上に堆積させることによって堆積膜を形成する方法がある。この方法を用いた場合、例えば、原料ガスにシランガスを用いることで、アモルファスシリコン(以下「a−Si」と記す)薄膜の形成方法が知られており、その製造装置も各種提案されている。
このような堆積膜形成装置により高品質な堆積膜の形成が行われているが、更なる品質向上のためにプラズマ形成方法に関する改良が進められている。
例えばシリコン原子を母体とする光導電層を形成する堆積膜の形成中に堆積空間の圧力を連続的に変化させる電子写真用光受容部材の製造方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、連続して成膜するa-Siからなる2層以上の光導電層の界面に於いて反応容器内の圧力変動を所定の範囲内とする光受容部材の製造方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
更に水素及び水素原子含有化合物の何れも含まない原料ガスを減圧下でプラズマ解離しフッ素添加絶縁膜を形成する絶縁膜の形成方法に於いて堆積中の圧力を変化させる技術が、開示されている(例えば、特許文献3参照)。
特許第3320228号公報 特開2001−330971号公報 特許第3178375号公報
上述した従来の真空処理方法、真空処理装置によれば、良好な堆積膜形成、即ち真空処理を行うことができる。しかしながら、真空処理を用いて生産された製品の品質に対する市場の要求レベルは日々高まっており、この要求に応えるべく、より高品質の製品が生産可能な真空処理方法、真空処理装置が求められるようになっている。
例えば、プラズマCVD法、プラズマCVD装置を用いた電子写真用感光体作製の場合、電子写真装置のコピースピード向上、装置の小型化および低価格化等に対する市場の要求は非常に高く、それらの要求を実現するためには、感光体特性(具体的には帯電能、感度等)の向上、あるいは生産時の良品率向上が不可欠なものとなっている。
また、近年その普及が目覚しいデジタル電子写真装置やカラー電子写真装置においては、文字原稿のみならず、写真、絵、デザイン画等のコピーも頻繁に成されるため、従来以上に画像濃度むらの低減が求められるようになっている。また同時に、画像上に白点或いは黒点等の画像欠陥を引き起こす球状突起と称する構造欠陥についても、従来以上の低減が求められている。
このような構造欠陥は、堆積膜形成前から基体上に付着したダスト等の異物を起源として堆積膜が異常成長したものがある。そのため、成膜前の基体は厳密に洗浄され、クリーンルームなどのダスト管理された環境で反応容器内に運搬することにより、基体にダストが付着することを極力避けるようにしてきた。
また、反応容器内に設置した基体上に堆積膜を形成すると、反応容器の内壁にポリシランと呼ばれる粉体状の副生成物が付着する。この副生成物は容易に反応容器の壁面から剥れ、堆積膜形成途中の基体上に付着し異常成長する場合があった。
このような、反応容器の壁面に付着する副生成物が粉状にならない堆積膜の形成方法としては、反応容器内を13.4Pa以下好適には10Pa以下に減圧し50MHz以上250MHz以下の高周波電力を用いる事により該反応容器の内部に形成される副生成物を膜状に形成する技術がある。
しかし、反応容器を用いた堆積膜形成方法においては、堆積膜形成途中に反応容器内に形成された堆積膜に、膜中の内部応力により微小な膜剥れが発生し、放電空間内に膜片となって拡散、その一部が基体上に付着したものが起源として異常成長する場合がある。
反応容器内に形成された堆積膜が剥れるのを防止するために、反応容器内壁や反応容器内の構成部品等の表面に対して、粗面化する処理や、表面エネルギーの大きいセラミック材で被覆する処理等を施してきた。
しかし部材の粗面化処理は広範囲を均一に粗面化することが難しいため部分的な膜剥れが発生する場合があった。更に部材表面をセラミック材で被覆した場合、初期状態では膜の密着性は良好であるが耐久性に関しては繰り返しの使用により疲労しセラミックス材自体が部材から剥れる場合があるため耐久性、コスト面で改善が望まれている。
本発明の目的は、上記課題を解決し、画像欠陥の改善を図り、真空処理特性、製品品質および良品率の向上によるコスト低下を達成することのできる、堆積膜の形成方法が、求められている。
上記目的を達成するため、本出願に係る発明は減圧可能な反応容器内に導電性基体を設置し、該反応容器内に供給した原料ガスを高周波電力によって分解し、該導電性基体上に珪素を母体とする非単結晶膜を形成する堆積膜の形成方法であって、
該堆積膜形成工程は13.4Pa以下の内圧であって、該堆積膜形成工程に、内圧を上げる工程と内圧を下げる工程からなる内圧変化工程を有し、該内圧変化工程は、該原料ガス種及び該原料ガスの供給比率が一定である堆積膜形成工程中に内圧を変化させる工程である事を特徴とする。
本発明者らは堆積膜形成時の反応容器内の圧力と画像欠陥の関係について鋭意検討を行った結果、堆積膜の作成過程に於いて13.4Pa以下の内圧で基体上に堆積膜を形成する場合、堆積膜形成前の基体上、或いは堆積形成途中の堆積膜表面に付着したダストや微小な膜片などの異物を起源として異常成長することにより、正常な堆積膜部分との境界部に微小な隙間が形成されてしまう。
画像形成時に於いて、この異常成長部の電荷が境界の隙間部分に流れ込むことによって画像欠陥が発生するため、この隙間部が広いほど画像形成時に大きな画像欠陥が発生することが判明した。
更に堆積膜形成時の反応容器内の内圧と異常成長部の隙間形成の関係を調べた結果、堆積膜形成時の内圧が低圧であるほど、異常成長部の隙間形成が顕著であり、逆に内圧が高いほど異常成長部の隙間は低減し正常な堆積膜部分との境界が無くなる傾向であり、異常成長部が画像形成時に画像欠陥として発生し難いことが判明した。
これは堆積膜形成時の内圧が低圧になるほど導電性基体に加わるセルフバイアスが高くなりプラズマ空間で生成される、又は輸送されてくる活性種の表面反応が活発化することにより異物を核として成長する異常成長部の膜形成が促進されるため異物近傍で緻密性が損なわれ隙間が形成されると考えられる。
しかし、内圧が高い状態で堆積膜を形成すると堆積膜の電気特性が低減する傾向であるため堆積膜の電気特性と画像欠陥の低減が両立する条件を更に検討した結果、堆積膜形成工程に、内圧を上げる工程と内圧を下げる工程からなる内圧変化工程を設けることで堆積膜の良好な電気特性を維持したまま画像欠陥を低減することが可能であることがわかった。
具体的には、導電性基体上に形成する堆積膜が全層膜厚の50%に達するまでの領域内、但し、原料ガス流量及び、原料ガス種が一定の領域内で、排気量を制御し、反応容器内の圧力を一旦、上昇させた後に、もとの圧力まで圧力を下げる内圧変化工程を設けることにより堆積膜の電気特性を維持したまま画像欠陥の低減が可能であることが判明した。
内圧変化工程で堆積する堆積膜の膜厚は内圧変化直後から0.1μm以上5.0μm以下の範囲が好ましく内圧変化工程の膜厚が0.1μmを下回ると異常成長部の隙間を低減させる効果が得られない場合があり、内圧変化工程の膜厚が5.0μmを超えると堆積膜の電気特性が低減する場合がある。
内圧変化工程の最大圧力は内圧変化前の圧力に対し1.5倍以上5.0倍以下の圧力であることが好ましく、1.5倍を下回る圧力では異常成長部の隙間を低減させる効果が得られない場合があり、5.0倍を超える圧力では堆積膜の急激な応力変化による膜剥がれが発生する場合がある。
また、内圧変化工程は堆積膜全層厚の50%に達するまでの領域内で実行することが効果的であり、堆積膜全層厚の50%を超えた領域で該内圧変化工程を実行すると堆積膜の電気特性が低下する場合があることが判明した。
本発明によれば、画像欠陥の改善を図り、真空処理特性、製品品質および良品率の向上によるコスト低下を達成することのできる、電子写真感光体の製造方法を提供することが可能となる。
本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1(a)(b)は本発明の堆積膜の形成方法における内圧変化工程での内圧、堆積膜形成原料ガスの総流量変化のパターンを示す模式図である。
図2(a)(b)(c)(d)は内圧変化工程における内圧の変化パターンを示す模式図である。
次に本発明の第一の実施形態を図3に示す。図3は本発明を用いたアモルファスシリコン感光体製造装置の一例を示した概略図である。図3(a)は概略断面図、図3(b)は図3(a)の切断線A−A'に沿う概略断面図。
図3の反応装置は導電性材料からなる底面316及び蓋315で減圧可能に構成された誘電体材料からなる円筒形の反応容器302の底面316には排気口307が設けられ排気口307は排気管317に接続され該排気管317の他端は不図示の排気装置に接続されている。
尚、図3に示す反応装置は反応容器302の中心部に設けた、排気口307を取り囲むように6本の円筒状基体301が同一円周上に等間隔に設置される構成となっている。また、ガスを導入するガス導入管303が円筒状基体の配置円外の同一円周上等間隔に6本設置されている。
また、高周波電力の供給は、異なる周波数の高周波電源308、309から高周波電力をマッチングボックス305を介した後、高周波電極304より反応容器302内に高周波電力を供給する構成となっている。
使用される高周波マッチングボックス305は高周波電源308、309と負荷の整合を取ることが出来る物であれば如何なる構成のものであっても好適に使用できる。又、整合を取る方法としては、自動的に調整されるものが感光体製造時の煩雑さを避けるために好適であるが、手動で調整されるものであっても本発明の効果に影響はない。
又、高周波マッチングボックス305が配置される位置に関しては整合が取れる範囲において、どこに設置しても何ら問題はないが高周波マッチングボックス305から高周波電極304間の配線のインダクタンスを出来るだけ小さくするような配置とした方が広い負荷条件で整合を取ることが可能になるため望ましい。
電力分岐板313は、実質的に電磁波を閉じ込めるシールド314内にシールド314とは電気的に絶縁された状態で設置されている。即ち、絶縁体を介して、反応装置に固定されている構成となっている。さらに、放電初期の真空処理安定性を向上するために、電力分岐板313と高周波電極304の接続にはコンデンサーを介して接続してもよい。
高周波電極304から放出される高周波電力を反応容器302に効率良く導入するために、円筒形の反応容器302の側壁には誘電体であるセラミックスが用いられている。具体的なセラミックス材料としては、アルミナ、二酸化チタン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、ジルコン、コージェライト、ジルコン-コージェライト、酸化珪素、酸化ベリリウムマイカ系セラミックス等が挙げられる。これらのうち、真空処理時の不純物混入抑制、耐熱性等の点からアルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素が好ましい。
高周波電源308、309は、各々の発振周波数の関係が、例えば高周波電源308が第1の高周波(周波数f1、電力値P1)を供給する第1の高周波電源、309が第2の高周波(周波数f2、電力値P2)を供給する第2の高周波電源とした場合、
50MHz≦f2<f1≦250MHz
0.1≦P2/(P1+P2)≦0.9
とすることで、堆積速度、特性、ムラ抑制の観点からバランスが最も好ましく、好適である。大面積で均一な膜堆積を高速に行うためには上述したような範囲の2つの高周波を重畳する技術を使用することが最も好ましい。
また、第1の高周波電源にはf1よりも低く、f2よりも高いカットオフ周波数特性をもつハイパスフィルターを設けてもよい。また、同様に第2の高周波電源にはf2よりも高く、f1よりも低いカットオフ周波数特性をもつローパスフィルターを設けてもよい。それらの周波数選択性は高い方が、それぞれの高周波電源に回り込む他方の電力が小さく出来、より好ましい。
また、前記電力の範囲が
0.2≦P2/(P1+P2)≦0.7
の場合がより好ましい。
図4は、本発明により作成される電子写真感光体の層構成を説明するための模式的構成図である。
図4(a)は、基体401の上に電荷注入阻止層404、光導電層402、表面層403が順に積層された電子写真感光体である。光導電層402は少なくとも水素を含むa−Siからなり、表面層403は電子写真装置における顕像保持能力を有する。
図4(b)は本発明による機能分離型の電子写真感光体を説明する模式図であり基体401の上に光導電層402、表面層403が順に積層された電子写真感光体である。光導電層402は水素を含むa−Siからなり電荷輸送層405及び電荷発生層406に機能分離されている。ここで電荷輸送層405と電荷発生層406の位置関係は如何なる物であってもよく機能分離を組成変化により行う場合には、その組成変化が連続的であっても良い。
次に図3の装置を用いた場合の堆積膜形成の概略を以下に説明する。
大気開放したセラミック材料からなる反応容器302内にアルミニウム材料からなる円筒状基体301を設置し、不図示の排気装置(例えば真空ポンプ)により、排気口307を介して大気を排気管317へ、排気が行われ反応容器302内を排気する。続いて、ガス導入管303から実質的に非成膜性の加熱用ガスを反応容器302に供給する。このときの反応容器302内部の圧力は排気配管317に設けられた圧力調整バルブ318により排気配管317の開口度を調整する事により行う。
反応容器302内に供給される基体加熱用ガスの流量が所定の流量となり、かつ反応容器302内の圧力が所定の値で安定した状態になったところでヒーター(不図示)により円筒状基体301を200℃〜300℃程度の所定の温度に加熱する。
上記加熱工程のガスの種類に関しては、H2、He、Ar、N2などのガスを用いることが望ましく、その場合、2つ以上の混合ガスを用いてもよい。
次に上記加熱工程が所定の時間に達した時点で、加熱用ガスから堆積膜形成用原料ガスにガスの入れ替えを行う。
次に圧力調整バルブ318により排気配管317の開口度を調整し反応容器302内の圧力を所定の圧力に調整した後、高周波電力を高周波電源308、309よりマッチングボックス305を介して高周波電極304へ供給する。
これにより、反応容器302内に高周波電力が導入され、反応容器302内にプラズマが生起し、原料ガスを励起解離して円筒状基体301上に電荷注入阻止層及び/又は光導電層が形成される。この時、所望の全層膜厚の50%に達するまでの領域内に於いて反応容器302の内圧を図1(b)に示した原料ガスの流量が一定な領域で図1(a)に示した内圧変化工程を実行した後、所定の膜厚が堆積したところで、高周波電力の供給を止め、続いて原料ガスの供給を停止する。
上記内圧変化工程に於いては、圧力調整バルブ318により排気配管317の開口度を調整し反応容器302内の圧力変動を行えば良い。
上記内圧変化工程に於いて内圧変動の方法としては、例えば内圧モニター手段319を排気配管317に設け圧力調整バルブ318と連動させ堆積膜形成速度に応じて連続的又は段階的に排気配管317の開口度を調整する方法があるが内圧変化パターンとしては図2(a)(b)(c)(d)に示したような変化パターンが望ましい。
尚、内圧モニター319を設置する部分の圧力と反応容器302内部の圧力が異なる場合は、予め、内圧差を測定し校正した値に基き反応容器302内部の圧力を制御すればよい。また、各内圧変化パターン図2(a)(b)(c)(d)に於いて、内圧の変化速度は一定の速度で均等な間隔で変化させることが放電の安定性の観点から望ましい。
次に表面層を以下の手順で形成する。
反応容器302内を真空に引き上げ表面層に必要な原料ガスを反応容器302内に導入する。原料ガスの流量が設定流量となり、また、反応容器302内の圧力が安定したのを確認した後、高周波電力を高周波電源308、309よりマッチングボックス305を介して高周波電極304へ供給する。
これにより、反応容器302内に高周波電力が導入され、反応容器302内にプラズマが生起し、原料ガスを励起解離して表面層が所望の膜厚まで形成された後、高周波電力の供給を止め、続いて原料ガスの供給を停止する。
堆積膜の形成中、回転軸310を介して円筒状基体301をモーター311により所定の速度で回転させることにより、円筒状基体301表面全周に渡って堆積膜が形成される。
図3に示す構成の装置を用い、発振周波数が105MHz(f1)と60MHz(f2)の2種類の周波数を重畳した高周波電力を電極304に供給し、直径80mm、長さ358mmの円筒状アルミニウムシリンダー上に、表1に示す条件で電子写真感光体を作製した。本実施例では、内圧変化工程の内圧変化パターンを図2(a)(b)(c)(d)に示した4パターンで合計4ロット(24本)の電子写真感光体を作成した。
作製した24本の電子写真感光体を電子写真装置(評価用に改造したキヤノン製iR5000)にセットして電位特性の評価を行った。その際、プロセススピード265mm/sec、前露光量(波長660nmのLED)4lux・secの条件で感度及び画像欠陥を以下の方法で測定した。
Figure 2008214659
※内圧変化工程の内圧変化パターンを示し1.0→3.0→1.0は、それぞれ内圧変化前の圧力→最大到達圧力→内圧変化終了時の圧力を示す。
(比較例1)
図3に示す構成の装置を用い、表2に示す条件で内圧変化領域を設けないこと以外は実施例1と同様にして、直径80mm、長さ358mmの円筒状アルミニウムシリンダー6本上に、電子写真感光体を作製した。本比較例では、光導電層での内圧変化工程は行わずに、内圧を一定に維持した。
作成した電子写真感光体に対し感度、画像欠陥数を実施例1と同様の方法で評価した。
Figure 2008214659
(感度評価)
感度の測定は、電子写真装置の現像器位置にセットした表面電位計(TREK社のModel 344)の電位センサーにより像露光(波長655nmの半導体レーザー)を照射しない状態での感光体の表面電位を測定し、電子写真感光体の表面電位が400V(暗電位)になるように主帯電器の電流値を調整した後、像露光(波長655nmの半導体レーザー)を照射し、像露光光源の光量を調整して、表面電位が50V(明電位)となるようにし、そのときの露光量を感度とした。測定場所は電子写真感光体の長手方向の中心から、奥側130mm、奥側90mm、中心、手前側90mm、手前側130mmの5箇所で測定した感度の平均値を求め、電子写真感光体の感度とし、6本の平均を各ロットの感度とした。
結果は比較例1と共に表3に示す。
感度の評価は、比較例1の感度を1.0とした相対比較である。従って、数値が小さいほど感度が良好である事を示す。
(画像欠陥評価)
電子写真装置の現像器位置にセットした表面電位計(TREK社のModel 344)の電位センサーにより像露光(波長655nmの半導体レーザー)を照射しない状態での感光体の表面電位を測定し、電子写真感光体の表面電位が400V(暗電位)になるように主帯電器の電流値を調整した後、A3サイズに全面ベタ黒の画像を出力する。
次にA3サイズの全面ベタ黒画像のドラム一周分に相当する領域内に発生しているφ0.3mm以上の白点状の画像欠陥数をカウントし画像欠陥の値とし、6本の平均を各ロットの画像欠陥数とした。
実施例1及び比較例1の評価結果を表3に示す。画像欠陥の評価は、比較例1の画像欠陥数を100とした相対比較である。従って、数値が小さいほど画像欠陥が少なく、良好である事を示す。
Figure 2008214659
以上の結果から、内圧変化工程により電子写真感光体の特性を維持したまま画像欠陥の少ない電子写真感光体が得られることが判明した。又内圧変化パターンに関しては如何なるパターンでも本発明の効果が得られることが判明した。
図3に示す構成の装置を用い、発振周波数が105MHz(f1)と60MHz(f2)の2種類の周波数を重畳した高周波電力を電極304に供給し、直径80mm、長さ358mmの円筒状アルミニウムシリンダー上に、表4に示す条件で内圧変化工程の膜厚を0.1μm、3.0μm、5.0μm、7.0μmとする電子写真感光体を作製した。尚、内圧変化パターンは図2(a)のパターンとした。
作製した電子写真感光体を実施例1と同様の方法で感度及び画像欠陥数の評価を行った。その結果を表4に示す。
Figure 2008214659
※ 1内圧変化工程の膜厚は0.05μm、0.1μm、3.0μm、5.0μm、7.0μmの各膜厚で作成。
※ 2内圧変化工程終了後の光導電層の膜厚は光導電層トータルで27μmに、なるように調整する。
作成した電子写真感光体に対し感度、画像欠陥数を実施例1と同様の方法で評価した。
実施例2の評価結果を表5に示す。
Figure 2008214659
以上の結果から、内圧変化工程の膜厚は0.1μm以上5.0μm以下の範囲が特に効果的であり電子写真感光体の特性を維持したまま画像欠陥の少ない電子写真感光体が得られることが判明した。又内圧変化工程の膜厚が0.1μmを下回ると画像欠陥低減の効果が少ない場合があり、さらに内圧変化工程の膜厚が5.0μmを超えると電子写真感光体の特性が、やや劣る場合があることが判明した。
図3に示す構成の装置を用い、発振周波数が105MHz(f1)と60MHz(f2)の2種類の周波数を重畳した高周波電力を電極304に供給し、直径80mm、長さ358mmの円筒状アルミニウムシリンダー上に、表6に示す条件で電子写真感光体を作製した。本実施例では、全層膜厚の10%、20%、30%、40%、50%60%の各膜厚に達した時に内圧変化工程が終了するように内圧変化工程の膜厚を1.0μmで図2(b)のパターンで行った。
作成した電子写真感光体に対し実施例1と同様の方法で感度、画像欠陥数の評価を行った。
Figure 2008214659
作成した電子写真感光体に対し感度、画像欠陥数を実施例1と同様の方法で評価した。
実施例3の評価結果を表7に示す。
Figure 2008214659
以上の結果から、内圧変化工程を行う場合の全層膜厚中の位置は全膜厚の50%以下の領域で行うことにより電子写真感光体の特性を損なわずに画像欠陥を低減するために最も効果的であることが判明した。
図3に示す構成の装置を用い、発振周波数が105MHz(f1)と60MHz(f2)の2種類の周波数を重畳した高周波電力を電極304に供給し、直径80mm、長さ358mmの円筒状アルミニウムシリンダー上に、表8に示す条件で内圧変化工程の膜厚を1.0μmで図2(b)のパターンで行った電子写真感光体を作製した。本実施例では、内圧変化工程の最大圧力を内圧変化前の圧力に対し1.5倍、3倍、5倍に変更した。
作製した電子写真感光体を実施例1と同様の方法で感度、画像欠陥数の評価を行った。その結果を表9に示す。
Figure 2008214659
Figure 2008214659
以上の結果から、内圧変化工程の最大到達圧力は内圧変化工程前の圧力に対し1.5倍から5.0倍の間で行えば電子写真感光体の特性を損なわずに画像欠陥の低減が可能であることが判明した。
本発明の堆積膜の形成方法における内圧変化工程での内圧、堆積膜形成原料ガスの総流量変化のパターンを示す模式図である。 内圧変化工程における内圧の変化パターンを示す模式図である。 本発明係わるPCVD法を適用可能な量産型製造装置の概略断面図。 本発明に係わる電子写真感光体の一例を示す層構成の概略断面図。
符号の説明
300 真空処理装置
301 円筒状基体
302 反応容器
303 ガス導入管
304 高周波電極
305 マッチングボックス
306 基体支持体
307 排気口
308 第一の高周波電源
309 第二の高周波電源
310 回転軸
311 モーター
312 ギア
313 電力分岐部
314 シールド
315 蓋
316 底面
317 排気配管
318 圧力調整バルブ
319 内圧モニター手段
401 基体
402 光導電層
403 表面層
404 電荷注入阻止層
405 電荷輸送層
406 電荷発生層

Claims (6)

  1. 減圧可能な反応容器内に導電性基体を設置し、該反応容器内に供給した原料ガスを高周波電力によって分解し、該導電性基体上に珪素を母体とする非単結晶膜を形成する堆積膜の形成方法であって、
    該堆積膜形成工程は13.4Pa以下の内圧であって、該堆積膜形成工程に、内圧を上げる工程と内圧を下げる工程からなる内圧変化工程を有し、該内圧変化工程は、該原料ガス種及び該原料ガスの供給比率が一定である堆積膜形成工程中に内圧を変化させる工程である事を特徴とする堆積膜の形成方法。
  2. 前記内圧変化工程中に堆積される前記堆積膜の膜厚が0.1μm以上5μm以下の範囲で行われる事を特徴とする請求項1に記載の堆積膜の形成方法。
  3. 前記堆積膜形成工程で形成される前記堆積膜全層厚の50%に達するまでの領域で該内圧変化工程が行われる事を特徴とする請求項1及至2に記載の堆積膜の形成方法。
  4. 前記内圧変化工程の内圧変化を排気量制御によって行う事を特徴とする請求項1及至3に記載の堆積膜の形成方法。
  5. 前記堆積膜が光導電性を有するアモルファスシリコン層である事を特徴とする請求項1及至4に記載の堆積膜の形成方法。
  6. 前記堆積膜が珪素原子、水素原子、炭素原子、窒素原子を少なくとも一つ含んだ下部阻止層及び光導電層で構成する事を特徴とする請求項1及至5に記載の堆積膜の形成方法。
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JP2011119644A (ja) * 2009-10-30 2011-06-16 Hitachi Kokusai Electric Inc 半導体装置の製造方法及び基板処理装置

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