JP5172414B2 - アイオノマー樹脂製押出成形品 - Google Patents

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Description

本発明は、アイオノマー樹脂組成物を用いた押出成形品に関し、特に薄肉で高弾性率を有するアイオノマー樹脂製押出成形品に関する。
エチレン系アイオノマー樹脂は、透明性、ヒートシール性、接着性、耐ピンホール性、弾力性、強靱性等の優れた特性を生かして、フィルム、電池の被覆カバー、ケーブルや電線の保護被膜等の押出成形品の材料として利用されている。
一方、エチレン系アイオノマー樹脂は、剛性や機械的強度に劣ることから、剛性、機械的強度の改良が、種々検討されている。例えば、剛性、機械的強度の改良、耐熱性の向上のためにエチレン系アイオノマーに無機微粒子を添加した場合、添加量に対する改良効果が十分ではなく、樹脂−無機粒子間にボイドが発生し、引張り強度が低下するおそれがある。また、無機微粒子の凝集サイズ、一次粒子径を考慮すると、達成できる成形物の肉厚は20μmが限界であり、それ以下の領域では無機微粒子の種類を慎重に選択し、樹脂への混合方法なども十分に考慮する必要がある。
押出成形品の機械的強度を改善した押出成形品の製造方法として、例えば、特開2003−266524には、塩化ビニル系樹脂組成物の場合では、繊維状無機質充填剤を配合した樹脂組成物で、金型内の樹脂流路の断面積を押出方向に向かって急激に減少させることにより、該樹脂流路内における樹脂組成物の伸張速度を5〜10(l/sec)とすることが提案されている。
上記条件で押出すことにより、繊維状無機質充填剤を一定方向に配向させることができ、機械的強度が増大した押出成形品が得られるというものである。
一方、アイオノマー樹脂の剛性を増大した樹脂組成物として、特開2007−204729号に、アイオノマー樹脂に有機化クレーを微分散させた樹脂組成物が提案されている。ここでは、肉厚0.1mmのチューブ状押出成形品が、アイオノマー樹脂と有機化クレーを配合することで、他の熱可塑性樹脂を同条件で押出した成形品よりも高い剛性に優れた押出成形品を得られることが開示されている。
特開2003−266524号公報 特開2007−294729号公報
上記特許文献2に開示された樹脂組成物の押出成形品において、フィルム、チューブ、被膜といった薄肉成形品等の用途においては、成形品の更なる剛性の向上が求められている。一方、成形品の剛性は、押出条件によっても変わる場合がある。
本発明は、上記エチレン系アイオノマーに無機微粒子を含有させた樹脂組成物のサブマイクロオーダーの構造を制御することで物性を向上させたアイオノマー樹脂製押出成形品を提供することにある。
本発明者らは、エチレン系アイオノマー樹脂に有機化クレーを分散させた樹脂組成物を用いた押出成形品について、有機化クレーの分散状態が剛性と関係することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明のアイオノマー樹脂製押出成形品は、アイオノマー樹脂に有機化クレーを配合してなる樹脂組成物のチューブ状押出成形品であって、前記有機化クレーが、押出方向に配向していることを特徴とする。
前記樹脂組成物中における前記アイオノマー樹脂と前記有機化クレーの含有比率(アイオノマー樹脂:有機化クレー)は、98:2〜60:40であることが好ましく、肉厚が0.05mm以下であることが好ましい。
本発明のフィルムは、本発明のチューブ状押出成形品から得られるものである。
本発明のアイオノマー樹脂製押出成形品は、有機化クレーが押出方向に配向しているので、高弾性率で、機械的強度に優れている。
以下、本発明の実施形態について説明する。今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の押出成形品は、アイオノマー樹脂に有機化クレーを配合してなる樹脂組成物のチューブ状押出成形品であって、前記有機化クレーが押出方向に配向していることを特徴とする。
本発明において、「有機化クレーが押出方向に配向している」とは、成形品の任意の場所における視野1.5μm×1.5μmにおいて、TEMで観察した場合に、観察される有機化クレーの90%以上、好ましくは95%以上が押出方向と略平行になっていることをいう。略平行とは、具体的には、有機化クレーの長手方向と認識できる軸線と押出方向の軸線が一致(0°)〜押出方向の軸線に対する角度が45°程度以内であることをいう。
成形品において、有機化クレーが上記のように配向することにより、高い弾性率を有する成形品となり、ひいては高い機械的強度を確保できる。
本発明で用いられる上記アイオノマー樹脂組成物は、アイオノマー樹脂と有機化クレーとを含有するものであればよく、その組成は特に限定しない。
上記アイオノマー樹脂の種類は特に限定しないが、エチレン系アイオノマー樹脂が好ましく用いられる。エチレン系アイオノマー樹脂とは、エチレン−メタクリル酸共重合体あるいはエチレン−アクリル酸共重合体等のエチレン共重合体の分子間を、亜鉛イオン、カリウムイオン、ナトリウムイオン、マグネシウムイオン、リチウムイオン等の金属イオンで疑似架橋した樹脂である。このようなエチレン系アイオノマー樹脂としては、サーリン、ハイミラン等の商品名で市販されているものを使用できる。
本発明で使用する樹脂組成物は、上記アイオノマー樹脂と有機化クレーを混合して得られるものだけでなく、分子内にカルボキシル基を有するエチレン共重合体と金属塩及び有機化クレーを混合して得られる樹脂組成物も含まれる。カルボキシル基を有するエチレン共重合体と金属塩とを混合すると、カルボキシル基は金属イオンによって中和されてカルボン酸イオンとなり、金属イオンとの塩を形成する。複数のカルボン酸イオンが金属イオンと会合することでエチレン共重合体同士が疑似架橋し、アイオノマー樹脂となる。
分子内にカルボキシル基を有するエチレン共重合体として、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボキシル基を有するアクリル系モノマーとエチレンとの共重合体、無水マレイン酸等の酸無水物モノマーとエチレンとの共重合体などが例示される。これらの共重合体は、共重合法、グラフト重合法などの公知の方法で製造することができる。各種特性を向上させる目的で、さらに他のモノマーを適宜共重合してもよい。
分子内にカルボキシル基を有するエチレン共重合体を中和する金属塩は、金属酸化物、金属水酸化物、金属炭酸塩等を使用でき、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム等を例示できる。
カルボキシル基を中和する金属イオンとしては、亜鉛イオン、ナトリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、及びリチウムイオンからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。またカルボキシル基を有するエチレン共重合体100重量部に対する金属塩の混合量は、1重量部以上10重量部以下とすることが、有機化クレーの分散性の点から好ましい。
本発明で用いられる有機化クレーとは、モンモリロナイト等の層状珪酸塩(クレー)において、層状に積層した珪酸塩平面の層間に有機化合物がインターカレーションしたものである。層状に積層した珪酸塩平面の間には、ナトリウムイオンやカルシウムイオンのような中間層カチオンが存在して層状の結晶構造を保っている。中間層カチオンを有機カチオンとイオン交換することで、有機化合物が珪酸塩平面の表面に化学的に結合して層間に挿入される。
有機化クレーは、層間に有機化合物がインターカレーションすることにより、珪酸塩平面間の層間距離が大きくなり、有機物への分散性が向上する。また、未処理のクレーでは、有機溶剤中で層間距離がさらに広がり、膨潤する性質を持つため、更に分散性が向上する。このような有機化クレーとしては、Nanofil、エスベン等の商品名で市販されているものを使用することができる。
層間にインターカレーションされる有機化合物としては塩化ジメチルステアリルアンモニウム、塩化ベンジルジメチルステアリルアンモニウム等の4級アンモニウムイオンが挙げられる。塩化ジメチルジステアリルアンモニウム又は塩化ベンジルジメチルステアリルアンモニウムでインターカレーションした有機化クレーは、エチレン系アイオノマー樹脂への分散性に優れており、剛性が容易に達成できるという効果がある。
また、有機化クレーのインターカレーション用の有機化合物が塩化ジメチルジステアリルアンモニウム、塩化ベンジルジメチルステアリルアンモニウムのいずれか一方又は両方であると、エチレン系アイオノマー樹脂中での分散が容易になる。
以上のようなアイオノマー樹脂と有機化クレーとは、98:2〜60:40の割合で含有されていることが好ましい。アイオノマー樹脂に対する有機化クレーの割合が少なすぎると、有機化クレーの配向の有無、程度にかかわらず、有機化クレー配合による剛性向上効果が少なくなる。一方、有機化クレーの割合が多くなりすぎると、樹脂組成物の溶融粘度が高くなり、薄肉での押出加工性が急激に悪くなり、汎用の押出設備での加工が困難となる。
本発明で用いられるアイオノマー樹脂組成物には、その特性を損なわない範囲で、適宜他の樹脂を添加して、新たな特性を付与してもよい。添加可能な樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、無水マレイン酸又はアクリル酸グラフトポリエチレン、無水マレイン酸又はアクリル酸グラフトポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチレンアクリレート共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−ブチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルメタアクリレート共重合体、エチレン−メチルメタアクリレート共重合体、エチレン−ブチルメタアクリレート共重合体、エチレン−(メタ)アクリル系ポリマー酸共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体などのポリエチレン共重合体、前記ポリエチレン共重合体にもう1成分を加えた、ポリエチレンターポリマー、ポリブチレンテレフタレートやポリエチレンテレフタレートに代表されるポリエステル、6ナイロンや11ナイロンに代表されるポリアミド、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテルなどのエンジニアリングプラスチック、熱可塑性エラストマー、生分解性ポリマー、植物由来ポリマーなどが挙げられる。これらのポリマー添加により、ポリマーの種類に応じて、耐薬品性、加工性、耐衝撃性の向上、コストダウンなどを図ることが可能である。
アイオノマー樹脂との相溶性などの点から、他の樹脂の含有量は、樹脂成分の50質量%までとすることが好ましい。
本発明で用いられるアイオノマー樹脂組成物には、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリアリルイソシアヌレート等の多官能性モノマーや、酸化防止剤、難燃剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、滑剤、着色剤、シランカップリング剤等の各種添加剤を混合することができる。これらの材料はオープンロール、加圧ニーダー、単軸混合機、2軸混合機等の既知の混合装置を用いて混合することができ、アイオノマー樹脂の融点以上の温度で溶融混合することが好ましい。
分子内にカルボキシル基を有するエチレン共重合体と金属塩及び有機化クレーを混合して樹脂組成物を製造するには、これらの材料を一括して溶融混合することが好ましい。例えば分子内にカルボキシル基を有するエチレン共重合体と金属塩を溶融混合した後、さらに有機化クレーを溶融混合したものに比べると、一括して溶融混合した樹脂組成物の方が、剛性が高く、薄肉での押出加工性に優れる。
本発明の押出成形品は、以上のようなアイオノマー樹脂組成物を押出成形することによって得られる。押出成形は、押出機中で加熱加圧して樹脂組成物を流動状態にし、それをダイから押出して成形する方法であれば、その種類は特に限定しない。
例えば、本発明で押出成形品を得るために用いられる押出機は、スクリュを備えたスクリュ押出機であってもよいし、スクリュを備えていない非スクリュ押出機であってもよい。また、単軸押出機であっても、二軸押出機であってもよい。さらに、押出成形方法としても従来より公知の成形方法を採用することができる。具体的には、射出成形、Tダイ押出成形、異型押出し、インフレーション成形などの押出成形法を採用できる。
本発明の押出成形品としては、チューブ状押出成形品及び当該チューブ状押出成形品から得られる製品、例えばフィルムである。押出成形品の肉厚は特に限定しないが、0.4mm以下が好ましく、より好ましくは0.1mm以下であり、さらに好ましくは0.05mm以下である。理由はわからないが、肉厚が薄くなるほど、有機化クレーが押出方向に配向しやすくなり、肉厚0.05mm以下では、押出条件の影響を実質的に受けることなく、有機化クレーを押出方向に配向させた成形品を得ることができる。そして得られる押出成形品は、有機化クレーが配向されていることに基づき、剛性が高く、機械的強度が高く、耐熱性、ガスバリア性の向上効果が得られやすい。
ここで、押出条件の影響を実質的影響を受けないとは、押出機のランド長や成形品の引取線速、引落率、吐出量などの設定に依存しないという意味で、成形条件を適宜設定することができる。押出条件の影響を実質的に受けないので、種々の条件を設定することができるが、通常、ランド長0.5〜10mm、成形品の引取線速は0.5〜250m/min、引落率が1〜200の範囲で適宜設定することが好ましい。
肉厚0.05mm超の押出成形品であっても、押出条件を適切に設定することによって、有機化クレーが配向した押出成形品を得ることができる。
具体的には、押出成形品の肉厚が0.05mm超、0.1mm未満の成形品の場合には、下記条件(A)、(B)、及び(C)の少なくとも1つ以上を充足する条件で押出すことが好ましい。
(A)ランド長が6mm以上であること
(B)成形品の引取線速が30m/min以上であること
(C)引落率が20以上であること
また、肉厚が0.1mm以上の成形品の場合には、上記条件(A)、(B)、及び(C)の少なくとも2つ以上を充足する条件で押出すことが好ましい。
ここで、ランド長とは、押出ダイス−ポイントの平行部分の長さをいう。チューブを押出成形する場合を例に、図1に基づいて説明する。図1は、押出成形機の押出ダイ部分の概略を示しており、1は押出機先端に取り付けられた押出ダイ、2は樹脂流路であり、3は押出機先端に取り付けられたポイントである。樹脂流路2を通って押し出された樹脂は、環状の押出成形品4として得られる。ランド長とは、押出成形品の形状が決定される部分(樹脂が平行(環状)に押し出される部分)の長さに該当する部分で、図1では「A」で示される長さである。引取線速とは、押し出された樹脂4を引張る速度である。引落率とは、ダイス−ポイントのサイズとチューブ形状の押出成形品との差に該当するもので、ダイ1先端部の外径(D)、ポイント3の外径(P)、チューブ状押出成形品4の外径(d)、チューブ状押出成形品4の内径(p)として、下式により算出される値である。引落率の値が大きいほど、ダイス−ポイントのサイズと得られるチューブ状成形品のサイズとの差が大きいことを意味する。なお、押出成形品4の肉厚は、図1中、「t」で示されている。
引落率=(D−P)/(d−p
本発明の押出成形品は、放射線架橋されたものでもよい。具体的には、押出成形により得られた物に電離線、放射線を照射して、架橋してもよい。電離放射線の照射を行なった押出成形物は耐熱性に優れ、高温にさらされた場合でも溶融することがない。また、長手方向の収縮が少なくなる、バリア性の向上という効果もある。
電離放射線源としては、加速電子線やγ線、X線、α線、紫外線などが挙げられる。線源利用の簡便さや電離放射線の透過厚み、架橋処理の速度等、工業的利用の観点から、加速電子線が最も好ましく利用できる。
加速電子線の加速電圧は、チューブの肉厚によって適宜設定すればよい。例えば、厚み50μm〜200μmのチューブでは、加速電圧は50〜300kVの間で選定される。照射線量としては、30〜500kGyで十分な架橋度が得られる。
本発明を実施すための最良の形態を実施例により説明する。以下の実施例は、本発明の範囲を限定するものではない。
〔測定、評価方法〕
(1)厚み(mm)
成形品の厚みは、マノメータで測定した。ランダムに5カ所測定し、その平均値が±0.005mm以内であることを確認した。
(2)弾性率
押出成形品、熱プレス成形品を10cm長さに切断し、引張り速度=100mm/分、標線間距離=20mmで引張り試験を行ない、応力−伸び曲線から弾性率(MPa)を求めた。
(3)機械的強度
押出成形品、熱プレス成形品を10cm長さに切断し、引張り速度=100mm/分、標線間距離=20mmで引張り試験を行ない、破断までの最大応力(MPa)を測定した。
(4)配向
作成したチューブ状成形品を長手方向(押出方向)に切断して切り開いてシート状とした。得られたシートを押出方向先端から終端までの3カ所をTEM観察し、有機化クレーの状態を観察した。観察を行なった3カ所全てにおいて視野範囲内(1.5μm×1.5μm)で有機化クレーが略同一方向を向いているものを「配向あり」とし、3カ所全てにおいて視野範囲内での有機化クレーがランダムな方向を向いていた場合を「配向なし」とし、3箇所のうち、一カ所又は2カ所の視野範囲内において、有機化クレーが略同一方向を向いている場合を「一部配向」とした。
〔押出成形品の製造〕
表1に示す配合処方で、エチレン系アイオノマー樹脂、有機化クレーを溶融混合した。二軸混合機(30mmφ、L/D=30)を使用し、バレル温度160℃、スクリュー回転数100rpmで溶融混合した後、ストランドカットペレタイザで、ペレットを作成した。
上記で調製した樹脂組成物を、単軸溶融押出機(45mmφ、L/D=24)を用いて、表1に示す条件で、表1に示す肉厚を有する内径10mmφのチューブを押出成形した。
ここで、表1に示す押出条件は、以下の通りである。
(1)ランド長
図1に示す押出機において、成形品のチューブ形状が決定される部分の長さ、すなわち樹脂流路が押出方向と平行になっている部分の長さ(図1中、「A」で示す)の実測値(mm)を示した。
(2)引取線速
押出成形品の引取り時の速度(m/分)を示している。引取線速は、巻取り機側で調整した。
(3)引落率
ダイス−ポイントのサイズとチューブ形状の押出成形品との差に該当するもので、ダイス径(D)、ポイント外径(P)、チューブ状押出成形品の外径(d)、チューブ状押出成形品の内径(p)として、下式により算出した。
引落率=(D−P)/(d−p
また、表1で用いた化合物は、以下の通りである。
アイオノマー樹脂:三井デュポンポリケミカル株式会社製の「ハイミラン1706」(登録商標)
有機化クレー:Sud−Chemie社製の「Nanofil15」である(インターカレーション用有機化合物は塩化ジメチルジステアリルアンモニウムで粒径25μm)
〔熱プレス成形品の作製〕
樹脂組成物を熱プレス機にて、160℃、10分、200N/cmでプレス成形し、厚み0.12mmのシートを作成した。
上記で作成した押出成形品No.1〜12、プレス成形品No.13を、上記測定評価方法に基づいて、配向、弾性率、機械的強度を測定した結果を表1にまとめて示す。さらに、No.1〜12の押出成形品について、肉厚と弾性率の関係を図2に示す。図2中、黒丸は配向有りの押出成形品であり、白丸は配向が一部だけの押出成形品である。
また、No.1のTEM写真(倍率:100000)を図3に、No.13のTEM写真(倍率:100000)を図4にそれぞれ示す。図3及び4中、黒い筋状に見える部分が有機化クレーである。図3では有機化クレーが一定方向に配向していることがわかる。一方、図4では、有機化クレーがランダムな方向にむいていることがわかる。
図4から、弾性率は、肉厚に依存することがわかる。しかし、同じ肉厚であっても、配向している場合の方が弾性率が高いことがわかる。つまり、表1において、No6とNo.9〜12との比較からわかるように、同じ肉厚の押出成形品(肉厚0.12mm)であっても、No.6の押出条件(ランド長、引取線速、引落率)のいずれかを小さくしたNo.9〜12では、一部配向となり、弾性率、機械的強度がNo.6よりも劣っていた。
一方、肉厚が0.05mm以下の押出成形品No.1,2では、ランド長、引取線速、引落率のいずれも、No.6よりも小さくした押出条件であっても、有機化クレーが配向した押出成形品を得ることができた。
本発明のアイオノマー樹脂製の押出成形品は、高強度で、特に薄肉成形品において顕著である。従って、薄肉のフィルム、チューブ、被膜電線等に有用である。
押出成形条件を説明するための図である。 実施例の押出成形品の弾性率と肉厚の関係を示すグラフである。 押出成形品No.1のTEM写真(倍率100000倍)である。 プレス成形品No.13のTEM写真(倍率100000倍)である。
符号の説明
1 ダイ
2 樹脂流路
3 ポイント
4 成形品

Claims (4)

  1. アイオノマー樹脂に有機化クレーを配合してなる樹脂組成物のチューブ状押出成形品であって、
    前記有機化クレーが、押出方向に配向していることを特徴とする押出成形品。
  2. 前記樹脂組成物中における前記アイオノマー樹脂と前記有機化クレーの含有比率(アイオノマー樹脂:有機化クレー)は、98:2〜60:40である請求項1に記載の押出成形品。
  3. 肉厚が0.05mm以下である請求項1または2に記載の押出成形品。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の押出成形品から得られるフィルム。
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