JP3275453B2 - 耐熱難燃耐油性樹脂組成物とそれからの絶縁電線および熱収縮チューブ - Google Patents

耐熱難燃耐油性樹脂組成物とそれからの絶縁電線および熱収縮チューブ

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エチレン−アクリル酸
エステル共重合ゴムと特定のポリエチレンの混合物に難
燃剤を含む組成物としたので、機械的強度が良好で、か
つ難燃性、耐熱老化性に優れ、耐油性の良い絶縁電線、
熱収縮チューブ等の成形体を提供する樹脂組成物に関す
る。また、本発明は、前記樹脂組成物を架橋することに
より、難燃性、耐熱老化性に優れ、耐油性の良い絶縁電
線、熱収縮チューブをも提供するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車等に使用される絶縁電線や熱収縮
チューブには機械的強度、難燃性、耐熱性、耐摩耗性、
耐油性、柔軟性、低温性等の各種の特性が要求されてお
り、例えば、JASO(日本自動車連盟)規格では、機
械的強度に関しては、絶縁体の初期の抗張力が1.05
kg/mm2 以上、難燃性に関しては、絶縁電線を水平
に設置し、バーナーの炎を10秒間当てて取り去った
後、30秒以内に消火することなどが定められている。
【0003】耐熱性があり、難燃性でかつ耐油性の被覆
材料としては、従来から、フッ化ビニリデン−ヘキサフ
ルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体の
ようなフッ素ゴムや、ポリテトラフルオロエチレン(P
TFE樹脂)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ
アルキルビニルエーテル共重合体(PFA樹脂)、テト
ラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合
体(FEP樹脂)のようなフッ素樹脂が知られている。
【0004】これらのフッ素系材料は常用200℃定格
の被覆材料として用いることができるが、材料価格が高
価であるため、汎用の耐油性かつ難燃性の被覆材料とし
ては使用できない欠点がある。これに対し、クロロプレ
ンゴムやアクリロニトリル−ブタジエンゴムやクロロス
ルホン化ポリエチレンゴムは比較的安価な耐油性材料と
して知られているが、常用使用温度は高々130℃止ま
りであるという欠点がある。
【0005】一方、アクリルゴムは、アクリル酸エステ
ルとクロロエチルビニルエーテルの共重合体ゴム(AC
M)が古くから耐油性材料として知られており、耐熱老
化性もクロロプレンゴムやアクリロニトリル−ブタジエ
ンゴムやクロロスルホン化ポリエチレンゴムに比べると
優れている。
【0006】また、ACMの耐熱老化性を改良したタイ
プとして、エチレンとメチルアクリレートのようなアク
リル酸エステルとを共重合したゴム、いわゆるエチレン
−アクリルゴムも開発されている。
【0007】エチレン−アクリルゴムは自動車のトラン
スミッションオイルクーラーのホースやエミッションオ
イルクーラーのホース材料として多用されているが、エ
チレン−アクリルゴム自身は難燃性材料ではないため、
絶縁電線や熱収縮チューブの材料として応用しようとし
た場合、ハロゲン系有機難燃剤や金属酸化物、金属水酸
化物のような無機難燃剤を配合するなどの方法で難燃化
する必要がある。
【0008】エチレン−アクリルゴムの加硫は、有機過
酸化物による熱加硫によって行なわれたり、エチレン−
アクリルゴムにカルボン酸基やエポキシ基のような加硫
サイトを導入し、ヘキサメチレンジアミンカーバメイト
のようなジアミンを配合して、アミン加硫するなどの方
法が採られる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、エチレン−
アクリル酸エステル共重合ゴム、いわゆるエチレン−ア
クリルゴムは、単独では、加硫後も抗張力などの機械的
強度が低い問題がある。そのため、カーボンブラックや
金属酸化物等の補強材を配合することによって強度の向
上が図られるが、金属酸化物を配合すると架橋阻害をひ
き起こす場合がよくあり、通常はMAFカーボンのよう
なカーボンブラックを補強材に選定するケースが一般的
である。しかし、当然のことながらカーボンブラックを
使用すると白色配合ができない問題があり、絶縁電線や
熱収縮チューブに応用する場合、非常に不都合である。
【0010】プラスチックやゴムの加硫方法としては、
加速電子線やガンマ線のような電離放射線を照射する方
法もあり、特に、加速電子線の照射による加硫は、加硫
の処理速度が極めて早くて経済的であるので、絶縁電線
や熱収縮チューブの製造において非常によく利用されて
いる。ところが、エチレン−アクリル酸エステル共重合
ゴムは、電離放射線の照射による加硫によっても、抗張
力等の機械的強度の向上ができない問題があり、機械的
強度があり、難燃性で、耐熱老化性に優れ、かつ耐油性
の良い安価な材料の開発が望まれている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者はかかる問題に
ついて鋭意検討した結果、 エチレン−アクリル酸エ
ステル共重合ゴム30〜60重量部と融点が120℃以
上のポリエチレン70〜40重量部の混合物に難燃剤を
配合した樹脂組成物に電離放射線を照射すると、機械的
強度に優れ、難燃性で、耐熱老化性に優れ、かつ耐油性
の良い安価な材料が得られ、 該樹脂組成物にさらに
ハイドロタルサイト化合物を配合すると、さらに耐熱老
化性に優れる材料が得られ、 導体上に該樹脂組成物
を被覆し、電離放射線を照射して樹脂被覆層を架橋する
と、機械的強度に優れ、難燃性で、耐熱老化性に優れ、
かつ耐油性に優れる絶縁電線が得られ、また、 該樹
脂組成物をチューブ状に成形し、電離放射線を照射して
チューブ層を架橋し、拡径固定すれば、機械的強度に優
れ、難燃性で耐熱老化性に優れ、かつ耐油性に優れる熱
収縮チューブが得られることを見出し、かかる知見に基
づいて本発明に至った。
【0012】本発明をさらに詳細に説明する。本発明に
言うエチレン−アクリル酸エステル共重合ゴム、いわゆ
エチレン−アクリルゴムとは、エチレンとアクリル酸
メチルのようなアクリル酸エステルの二元系共重合体ゴ
ムのほか、これらに不飽和カルボン酸を含有するビニル
モノマーやエポキシ基を含有するビニルモノマー等を共
重合した三元系共重合体ゴムが例示でき、特に、二元系
のエチレン−アクリル酸エステル共重合ゴムが好ましく
使用できる。
【0013】また、融点が120℃以上のポリエチレン
としては、いわゆる高密度ポリエチレン、中密度ポリエ
チレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどが例示できる。
難燃剤としては、分子内に臭素原子や塩素原子を含有す
るポリブロモジフェニルエーテル、ポリブロモジフェニ
ルエタン、ポリブロモビスフェノール誘導体、臭素化エ
チレンビスフタルイミド誘導体、ビス臭素化フェニルテ
レフタルアミド誘導体、パークロロペンタシクロデカン
等の有機ハロゲン系難燃剤や三酸化アンチモン、酸化モ
リブデン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムの
ような無機系難燃剤が使用できる。
【0014】本発明の樹脂組成物に用いるエチレン−ア
クリル酸エステル共重合ゴムと融点が120℃以上のポ
リエチレンとの配合比は30/70〜60/40が好ま
しい。ハイドロタルサイト化合物としては、化学式でM
6 Al2 (OH)3 CO3・4H2 Oのようなマグネ
シウムとアルミニウムの塩基性炭酸塩類が例示できる。
本発明の樹脂組成物を構成する各成分の混合は、オープ
ンロールミキサー、バンバリーミキサー、加圧ニーダ
ー、ヘンシェルミキサー等の既存の混合装置を用いて行
なうことができる。
【0015】該樹脂組成物を絶縁電線や熱収縮チューブ
などの成形体へ成形加工するには、溶融押出機等を使用
する押出成形や射出成形、プレス成形のような既存の方
法が適用できる。上記樹脂組成物中には、エチレン−ア
クリル酸エステル共重合ゴムや融点が120℃以上のポ
リエチレンに相溶性のあるポリマーやゴム類のほか、通
常の配合剤、例えば酸化防止剤や着色剤、光安定剤、充
填剤(タルク、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシ
ウム、アルミニウムやマグネシウムの水和物など)、補
強剤、発泡剤、架橋助剤としての多官能性モノマー類
(例えばトリアリル(イソ)シアヌレート、トリメチロ
ールプロパントリメタクリレート等)も本発明の樹脂組
成物の特性を阻害しない範囲の量で、必要に応じて適宜
配合できることは言うまでもない。
【0016】本発明の樹脂組成物の架橋に用いる電離放
射線としては、電子線、ガンマ線、X線等が例示でき、
加硫処理の速度や線源の利便性等の工業利用の見地から
は電子線の利用が最も好ましく使用できる。もちろん、
前記架橋は、電離放射線照射の他に、ジクミルパーオキ
サイドなどの有機過酸化物の配合後の熱架橋も可能であ
る。
【0017】銅などの導体からなる単芯或いは複数本の
絶縁電線の多芯撚り絶縁電線の外周に、本発明の樹脂組
成物を押出被覆などの成形手段により被覆し、更に電離
放射線を照射して架橋し、架橋絶縁電線とすれば良い。
また、熱収縮チューブとするには、本発明の樹脂組成物
から押出成形などによりチューブ状に成形し、更に電離
放射線を照射して架橋した後、加熱条件下でチューブの
内部に圧縮空気を送り込む等の方法により拡径し冷却固
定すれば良い。
【0018】
【作用】前述のように、エチレン−酸エステル共重合
ムは、単独では、加速電子線を照射することによって加
硫した場合においても、通常、自動車用の絶縁電線に要
求される抗張力の1.05kg/mm2 を満たすものが
得られず、これは、加硫を促進する多官能性モノマー等
を配合した場合も同様である。
【0019】ところが、エチレン−酸エステル共重合
ムといわゆる高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン
や直鎖状低密度ポリエチレンなどのような融点が120
℃以上のポリエチレンを混合し、難燃剤、特にハロゲン
系難燃剤と三酸化アンチモンを配合して難燃化した樹脂
組成物に電離放射線を照射して加硫した場合には、機械
的強度に優れ、難燃性で、耐熱老化性に優れ、かつ耐油
性に優れる樹脂組成物が得られる。
【0020】また、該樹脂組成物を銅などの導体上に被
覆し、電離放射線を照射すれば、機械的強度に優れ、耐
熱難燃耐油性の絶縁電線が得られる。また、該樹脂組成
物をチューブ状に成形し、電離放射線を照射後、拡径固
定すれば、初期の機械的強度に優れ、耐熱性、難燃性、
耐油性の熱収縮チューブが製造できる。
【0021】
【実施例】以下、実施例をもって、本発明をさらに具体
的に説明するが、これらは本発明の範囲を制限しない。
表1、表2に示した組成物をオープンロールミキサーを
用いて100〜140℃で混練し、混練物を150℃の
熱プレス装置で1mm厚みのシート状に成形し、加速電
圧2MVの電子線を200kGy照射して加硫した。加
硫したシートについて、初期の破断抗張力、伸び、18
0℃ギヤオーブン中で7日間および160℃ギヤオーブ
ン中で60日間熱老化した試料の破断抗張力、伸び、お
よび150℃のエンジンオイルに1000時間浸漬した
試料の破断抗張力、伸びをそれぞれ、n=3で測定し、
平均値を求めた。また、同様の方法で試料を作成し、加
硫した2mm厚みのシート状サンプルについて限界酸素
指数およびASTM D−876による低温脆化温度を
測定した。なお、表1、表2の組成物には、難燃剤とし
てデカブロモジフェニルエーテル25重量部および三酸
化アンチモン10重量部、トリメチロールプロパントリ
メタクリレートを2重量部を共通に配合した。
【0022】(実施例1〜4) エチレン−アクリル酸エステル共重合ゴムと融点が12
0℃以上のポリエチレンの混合物に難燃剤を配合して難
燃化した樹脂組成物である。その試料を測定した結果、
1.05kg/mm2 以上の初期抗張力が得られ、18
0℃7日間、160℃60日間の熱老化試験後の機械的
物性の変化が少なく、耐熱性に優れており、耐エンジン
オイル試験後の機械的強度の変化や体積変化が少なく、
耐油性に優れており、低温性にも優れていることが分か
る。
【0023】(実施例5) 実施例1の樹脂組成物にハイドロタルサイトを配合した
樹脂組成物であり、180℃7日間、160℃60日間
の熱老化試験後の機械的物性の変化が少なく、実施例1
に比べ、さらに、耐熱性が優れていることが分かる。
【0024】(実施例6) 実施例3の酸化防止剤に代えて、ハイドロタルサイトを
配合した樹脂組成物である。180℃7日間、160℃
60日間の熱老化試験後の機械的物性の変化が少なく、
実施例3に比べ、さらに、耐熱性が優れていることがわ
かる。なお、ハイドロタルサイトは、本実施例の樹脂組
成物において、デカブロモジフェニルエーテルと三酸化
アンチモンを配合しない場合においても、180℃7日
間、160℃60日間の熱老化試験後の機械的物性の変
化がハイドロタルサイトを配合しないものに比べて優れ
ていた。
【0025】(比較例1) エチレン−アクリル酸エステル共重合ゴム単体を難燃化
した樹脂組成物である。初期抗張力が1.05kg/m
2 を下回り、耐エンジンオイル試験後の試料でも、体
積変化は+18%と比較的小さいが、抗張力が0.4k
g/mm2 と小さく、初期値と比較しても半減している
ことが分かる。
【0026】(比較例2、3) 実施例1において、融点が120℃以上のポリエチレン
を単独で難燃化した樹脂組成物について、実施例1と同
様に行った。初期抗張力は1.05kg/mm2 を上回
り、機械的強度は優れるが、耐エンジンオイル試験後の
試料では抗張力が0.4〜0.5kg/mm2 に低下し
ており、耐油性が不十分であり、低温性も劣る。
【0027】(比較例4、5、6) エチレン−アクリル酸エステル共重合ゴムと融点が12
0℃未満のポリエチレンの混合物を難燃化した樹脂組成
物である。初期抗張力は1.05kg/mm2 を上回
り、機械的強度は優れるが、耐エンジンオイル試験後の
試料では抗張力が0.4〜0.6kg/mm2 に低下し
ており、耐油性が不十分である。
【0028】(比較例7) エチレン−アクリル酸エステル共重合ゴムとエチレン
メチルアクリレート共重合体樹脂の混合物を難燃化した
樹脂組成物である。耐エンジンオイル試験後の試料の体
積変化が大きく、抗張力も0.3kg/mm2 に低下し
ており、耐油性が不十分である。
【0029】(比較例8) エチレン−アクリル酸エステル共重合ゴムとエチレン−
エチルアクリレート共重合体樹脂の混合物を難燃化した
樹脂組成物である。耐エンジンオイル試験後の試料の体
積変化が大きく、抗張力も0.4kg/mm2 に低下し
ており、耐油性が不十分である。
【0030】以上のように、エチレン−アクリル酸エス
テル共重合ゴム30〜60重量部と融点が120℃以上
のポリエチレン70〜40重量部の混合物を難燃化した
樹脂組成物のみが、初期の機械的強度に優れ、しかも難
燃性で耐油性にも優れる樹脂組成物であることが分か
る。また、エチレン−アクリル酸エステル共重合ゴム単
体で難燃化した場合には、電子線照射による加硫後も初
期の機械的強度が不十分であり、耐エンジンオイル試験
後も体積変化は少ないが、抗張力は不十分であり、照射
線量をさらに増加させても抗張力の向上が見られず、逆
にエンジンオイル試験後の抗張力が低下してしまう結果
であった。耐油性に関しては、融点が120℃以上のポ
リエチレン単体を難燃化した樹脂組成物では不十分であ
る。エチレン−アクリル酸エステル共重合ゴムとの混合
物を用いた場合に限って向上しており、特有の効果を奏
していると考えられる。また、エチレン−アクリル酸エ
ステル共重合ゴムに関しては、カルボン酸等の架橋サイ
トを導入したタイプの共重合体を用いた場合もほぼ同様
の結果が得られた。
【0031】
【表1】
【0032】 (*1)エチレン−メチルアクリレート共重合ゴム〔メ
チルアクリレート含量59%、ムーニー粘度ML
1+4 (100℃):22〕 (*2)ノンフレックスRD(精工化学(株)製 商品
名) (*3)イルガノックス1010(チバガイギー製 商
品名) (*4)DHT−4A(協和化学工業(株)商品名)
【0033】
【表2】
【0034】 (*1)エチレン−メチルアクリレート共重合ゴム〔メ
チルアクリレート含量59%、ムーニー粘度ML
1+4 (100℃):22〕 (*2)エチレン−メチルアクリレート共重合体樹脂
〔メチルアクリレート含量19%、メルトフローレート
(190℃、2.16kg):5〕 (*3)エチレン−エチルアクリレート共重合体樹脂
〔エチルアクリレート含量15%、メルトフローレート
(190℃、2.16kg):0.5〕 (*4)ノンフレックスRD(精工化学(株)商品名)
【0035】(実施例7):絶縁電線 実施例3の樹脂組成物を溶融押出機(30mmφ、L/
D=22)を使用して、外径が0.8mmφの錫メッキ
軟銅線上に厚み0.5mmになるように押出被覆した
後、加速電圧が2MVの電子線を200kGy照射して
絶縁電線を得た。得られた絶縁体の特性を表3にまとめ
た。表3に示されるように、初期抗張力は1.2kg/
mm2 と機械的強度に優れており、水平燃焼試験にも合
格しており、180℃ギヤオーブン、160℃キヤオー
ブン中での熱老化試験後の物性変化も小さく、150℃
1000時間の耐エンジンオイル試験においても十分な
耐油性を示していることが分かる。
【0036】(実施例8):絶縁電線 実施例6の樹脂組成物を溶融押出機(30mmφ、L/
D=22)を使用して、外径が0.8mmφの錫メッキ
軟銅線上に厚み0.5mmになるように押出被覆した
後、加速電圧が2MVの電子線を200kGy照射して
絶縁電線を得た。得られた絶縁体の特性を表3にまとめ
た。下記表3に示されるように、初期抗張力は1.3k
g/mm2 と機械的強度に優れており、水平燃焼試験に
も合格しており、180℃ギヤオーブン、160℃キヤ
オーブン中での熱老化試験後の物性変化も実施例7に比
較してさらに小さく、150℃1000時間の耐エンジ
ンオイル試験においても十分な耐油性を示していること
が分かる。
【0037】(実施例9):熱収縮チューブ 実施例6の樹脂組成物を溶融押出機(30mmφ、L/
D=22)を使用して、外径が5.0mmφ、肉厚が
0.7mmφのチューブ状に成形した後、加速電圧2M
Vの電子線を200kGy照射した。照射後のチューブ
状成形物を160℃のキアオーブンに設置して、3分間
予熱の後、チューブ状成形物の内部に圧搾空気を送り込
む方法で内径が10mmφになるように拡径し、すぐに
水冷して形状を保持させることにより、熱収縮チューブ
を得た。この熱収縮チューブを外径が7.0mmφのア
ルミ棒に被せ、150℃のギヤオーブン中に10分間放
置して取り出したところ、アルミ棒の周囲にフィットし
て旨く熱収縮することが分かった。この熱収縮チューブ
を単独で150℃のギヤオーブン中に10分間放置して
収縮させた試料の特性を下記表3にまとめた。
【0038】表3に示されるように、初期抗張力は1.
3kg/mm2 と機械的強度に優れており、水平燃焼試
験(チューブ状成形物を0.8mmφのステンレス線を
通すことによりチューブを支持した)にも合格してお
り、180℃ギヤオーブン、160℃ギヤオーブン中で
の熱老化試験後の物性変化も小さく、150℃1000
時間の耐エンジンオイル試験においても十分な耐油性を
示していることが分かる。
【0039】
【表3】
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、エチレン−アクリル酸
エステル共重合ゴム30〜60重量部と特定のポリエチ
レン70〜40重量部の混合物に難燃剤を含む組成物
、初期の機械的強度に優れ、難燃性で、耐熱老化性と
耐油性に優れる樹脂組成物が得られる。しかも、特に電
子線等の電離放射線による加硫に適した樹脂組成物であ
るので、絶縁電線や熱収縮チューブの製造分野において
利用価値は非常に大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01B 3/44 H01B 3/44 F (56)参考文献 特開 平5−2927(JP,A) 特開 昭60−118724(JP,A) 特開 昭61−228052(JP,A) 特開 昭57−144716(JP,A) 特開 昭63−198212(JP,A) 特開 平5−262932(JP,A) 特開 平6−306214(JP,A) 社団法人 日本ゴム協会編,「新版 ゴム技術の基礎」,社団法人 日本ゴム 協会,1999年 4月30日,pp.123− 124 製品パンフレット「住友化学工業株式 会社のエチレン系接着剤原料のご案 内」,住友化学工業株式会社,pp. 3,20 製品パンフレット「デュポン ベイマ ック」,昭和電工・デュポン株式会社 製品パンフレット「ジェイレクスEE A」,日本ポリオレフィン株式会社,p p.1−5 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 19/00 C08L 23/04 - 23/08 C08L 33/06 - 33/12 C08K 3/26 H01B 3/44

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン−アクリル酸エステル共重合
    30〜60重量部と融点が120℃以上のポリエチレ
    70〜40重量部の混合物に難燃剤が配合されたこと
    を特徴とする、耐熱性、難燃性、耐油性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 さらにハイドロタルサイト化合物が配合
    されたことを特徴とする、請求項1記載の耐熱性、難燃
    性、耐油性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 導体上に請求項1又は2記載の樹脂組成
    物からなる樹脂被覆層が形成されており、該樹脂被覆層
    が電離放射線の照射により架橋されていることを特徴と
    する、耐熱性、難燃性、耐油性絶縁電線。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載の樹脂組成物のチュ
    ーブ状成形物であって、該チューブ層が電離放射線の照
    射による架橋後に、拡径固定されていることを特徴とす
    る、耐熱性、難燃性、耐油性熱収縮チューブ。
JP12776593A 1993-05-06 1993-05-06 耐熱難燃耐油性樹脂組成物とそれからの絶縁電線および熱収縮チューブ Expired - Fee Related JP3275453B2 (ja)

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