JP2003327771A - 含フッ素エラストマー組成物 - Google Patents

含フッ素エラストマー組成物

Info

Publication number
JP2003327771A
JP2003327771A JP2002137879A JP2002137879A JP2003327771A JP 2003327771 A JP2003327771 A JP 2003327771A JP 2002137879 A JP2002137879 A JP 2002137879A JP 2002137879 A JP2002137879 A JP 2002137879A JP 2003327771 A JP2003327771 A JP 2003327771A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
copolymer
parts
ethylene
tetrafluoroethylene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002137879A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4070006B2 (ja
Inventor
Keiji Hirai
啓司 平井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kurabe Industrial Co Ltd
Original Assignee
Kurabe Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kurabe Industrial Co Ltd filed Critical Kurabe Industrial Co Ltd
Priority to JP2002137879A priority Critical patent/JP4070006B2/ja
Publication of JP2003327771A publication Critical patent/JP2003327771A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4070006B2 publication Critical patent/JP4070006B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】機械的強度、耐熱性、耐油性及び押出成形性に
優れ、例えば、外径が10φを超えるような大型機器用
リード線などの絶縁被覆材料又はシース材料として好適
な含フッ素エラストマー組成物を提供すること。 【解決手段】テトラフルオロエチレン−α−オレフィン
共重合体と、該共重合体100重量部に対し、フッ化ビ
ニリデン−6フッ化プロピレン共重合体系エラストマー
3重量部以上50重量部以下、エチレン−エチレン性不
飽和エステル共重合体3重量部以上20重量部以下、不
飽和カルボン酸で変性されたポリオレフィン樹脂3重量
部以上15重量部以下を少なくとも含有することを特徴
とする含フッ素エラストマー組成物。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、機械的強度、耐熱
性、耐油性及び押出成形性に優れた含フッ素エラストマ
ー組成物に係り、特に外径が10φを超えるような大型
機器用リード線などの絶縁被覆材料又はシース材料とし
て好適な含フッ素エラストマー組成物に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、含フッ素エラストマーは、耐熱
性、耐油性、耐薬品性に優れた柔軟で弾性を有する重合
体として、ガスケット、パッキン、ダイヤフラム、ホー
ス等の種々の用途に用いられていることが知られてい
る。含フッ素エラストマーの中でも、テトラフルオロエ
チレン−α−オレフィン共重合体は耐熱性と電気特性の
バランスに優れ、その特徴を保ったまま押出成形によっ
て電線、チューブといった用途に応用すべく近年種々の
検討がなされている。実際、当該出願人は、特開平2−
311548号公報でも詳しく述べたように、テトラフ
ルオロエチレン−α−オレフィン共重合体に、特定量の
フッ化ビニリデン−6フッ化プロピレン共重合体系エラ
ストマーとエチレン−エチレン性不飽和エステル共重合
体を添加することにより、テトラフルオロエチレン−α
−オレフィン共重合体が本来有する優れた特性を保持し
たまま押出成形性を向上させた含フッ素エラストマー組
成物の実現に成功している。 【0003】この組成物は、フッ素系エラストマー単体
に比べて安価であり、自動車、産業ロボット、熱機器等
の各種の用途で使用される電線、ケーブルの絶縁被覆材
料やシース材料などとして幅広く用いられている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
2−311548号公報に開示された組成物は、特に外
径が10φを超えるような大型機器用リード線などの絶
縁被覆材料として使用された場合に、機械的強度や押出
成形性が劣ることがあった。例えば、電気用品安全法で
要求される引張強度10MPa以上をクリアできないと
いった問題や、押出成形時に単位時間当たりに多くの吐
出量を必要とされつつも、生産速度を上げたいため、よ
り押出回転数を上げることにより生じるゴムのスコーチ
と言った問題などがあった。 【0005】本発明は、このような点に基づいてなされ
たもので、その目的とするところは、機械的強度、耐熱
性、耐油性及び押出成形性に優れ、例えば、外径が10
φを超えるような大型機器用リード線などの絶縁被覆材
料又はシース材料として好適な含フッ素エラストマー組
成物を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するべく
本発明による含フッ素エラストマー組成物は、テトラフ
ルオロエチレン−α−オレフィン共重合体100重量部
に対して、フッ化ビニリデン−6フッ化プロピレン共重
合体系エラストマー3重量部以上50重量部以下、エチ
レン−エチレン性不飽和エステル共重合体3重量部以上
20重量部以下、不飽和カルボン酸で変性されたポリオ
レフィン樹脂3重量部以上15重量部以下添加すること
を特徴とするものである。 【0007】 【発明の実施の形態】テトラフルオロエチレン−α−オ
レフィン共重合体は、テトラフルオロエチレンと、α−
オレフィンとを共重合させたものであり、α−オレフィ
ンとしてはプロピレンが好ましい。テトラフルオロエチ
レンと、α−オレフィンとを共重合させる場合には、そ
の他の成分として、例えば、アクリル酸エステル類、ヘ
キサフルオロプロピレン、フッ化ビニル、フッ化ビニリ
デン、パーフルオロアルキルビニルエーテル、クロロト
リフルオロエチレン、エチレン、ブテン−1、グリシジ
ル(メタ)アクリレートなどを一緒に共重合させても良
い。尚、テトラフルオロエチレン−プロピレン共重合体
としては、様々な共重合比率のものや、分子量のものが
市販されているのでそれらを用いても良い。 【0008】フッ化ビニリデン−6フッ化プロピレン共
重合体系エラストマーとしては、フッ化ビニリデン−6
フッ化プロピレン二元共重合体や、それに更にテトラフ
ルオロエチレンを共重合させた三元共重合体などが挙げ
られる。これらは、単独で使用しても良いし、混合した
ものを使用しても良い。 【0009】フッ化ビニリデン−6フッ化プロピレン共
重合体系エラストマーは、テトラフルオロエチレン−α
−オレフィン共重合体100重量部に対し、3重量部以
上50重量部以下添加することが好ましい。3重量部未
満では、後述するエチレン−エチレン性不飽和エステル
共重合体及び不飽和カルボン酸で変性されたポリオレフ
ィン樹脂の添加による耐熱性及び耐油性の低下を補完す
る効果が現れず、テトラフルオロエチレン−α−オレフ
ィン共重合体が本来有する優れた特性を保持することが
できない。又、50重量部を超えると、組成物が軟らか
くなり過ぎ、機械的強度(引張強度)の低下や、他の物
質に貼り付き易い性状となってしまうため、押出成形性
(作業性)の低下が見られるようになる。 【0010】エチレン−エチレン性不飽和エステル共重
合体としては、エチレンとエチレン性不飽和エステルを
公知の方法により共重合させたものが使用される。エチ
レン性不飽和エステルとしては、例えば、酢酸ビニル、
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸ブチルなどが挙げられるが、好
ましくは酢酸ビニル、アクリル酸エチル、メタクリル酸
メチルが挙げられ、更に好ましくはアクリル酸エチルが
挙げられる。 【0011】エチレンとエチレン性不飽和エステルの共
重合比については特に指定はしないが、例えば、エチレ
ン性不飽和エステルが9重量%以上34重量%以下のも
のであれば、テトラフルオロエチレン−α−オレフィン
共重合体が本来有する優れた耐熱性や耐油性を保持した
まま押出成形性を向上させることができるため好まし
い。 【0012】エチレン−エチレン性不飽和エステル共重
合体は、テトラフルオロエチレン−α−オレフィン共重
合体100重量部に対して、好ましくは3重量部以上2
0重量部以下、更に好ましくは5重量以上20重量部以
下添加する。3重量部未満では、粘度を下げる効果が見
られずゴムのスコーチが発生したり、押出成形性(外観
及び作業性)が低下してしまう。又、20重量部を超え
ると高温下で放置された組成物の引張強度が低下すると
いった耐熱性の低下や、高温油中で放置された組成物の
引張強度及び伸びが低下するといった耐油性の低下が見
られ、テトラフルオロエチレン−α−オレフィン共重合
体が本来有する優れた特性を保持することができない。
特に、エチレン−エチレン性不飽和エステル共重合体と
して、エチレン−アクリル酸エチル共重合体を過剰に添
加した場合には、エチレン−アクリル酸エチル共重合体
が本来有している他の物質に貼り付き易いという性状が
顕著に現れてしまうため、押出成形性(外観及び作業
性)についても悪化してしまう。 【0013】不飽和カルボン酸で変性されたポリオレフ
ィン樹脂とは、直鎖状ポリエチレン、超低密度ポリエチ
レン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレンやエチレン
−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共
重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体などのエ
チレン系共重合体などからなるポリオレフィンが不飽和
カルボン酸や不飽和カルボン酸誘導体で変性されたもの
である。変性に用いられる不飽和カルボン酸としては、
例えば、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸などが挙げ
られる。不飽和カルボン酸誘導体としては、例えば、マ
レイン酸モノエステル、マレイン酸ジエステル、無水マ
レイン酸、イタコン酸モノエステル、イタコン酸ジエス
テル、無水イタコン酸、フマル酸モノエステル、フマル
酸ジエステル、無水フマル酸などが挙げられるが、好ま
しくは、無水マレイン酸で変性されたポリオレフィン樹
脂が挙げられ、更に好ましくは、エチレン−アクリル酸
エチル−無水マレイン酸の三元共重合体が挙げられる。 【0014】本発明においてエチレン−アクリル酸エチ
ル−無水マレイン酸三元共重合体を用いる場合、エチレ
ン、アクリル酸エチル、無水マレイン酸の共重合比につ
いては特に指定はしないが、例えば、アクリル酸エチル
が15重量%以上31重量%以下のものであり、無水マ
レイン酸が1.5重量%以上3.5重量%以下のもので
あれば、テトラフルオロエチレン−α−オレフィン共重
合体が本来有する優れた耐熱性や耐油性を保持したまま
機械的強度及び押出成形性を著しく向上させることがで
きるため好ましい。 【0015】不飽和カルボン酸で変性されたポリオレフ
ィン樹脂は、テトラフルオロエチレン−α−オレフィン
共重合体100重量部に対して、好ましくは3重量部以
上15重量部以下、更に好ましくは5重量部以上10重
量部以下添加する。3重量部未満では、ポリマー同士の
相溶化作用が得られないため、組成物の機械的強度や押
出成形性(外観及び作業性)の向上効果が見られない。
又、15重量部を超えると、高温下で放置された組成物
の引張強度が低下するといった耐熱性の低下や、高温油
中で放置された組成物の引張強度及び伸びが低下すると
いった耐油性の低下が見られる。特に、不飽和カルボン
酸で変性されたポリオレフィン樹脂として、エチレン−
アクリル酸エチル−無水マレイン酸三元共重合体を過剰
に添加した場合には、エチレン−アクリル酸エチル−無
水マレイン酸三元共重合体が本来有している他の物質に
貼り付き易いという性状が顕著に現れてしまうため、押
出成形性(作業性)がかえって悪化してしまう。 【0016】本発明においては、上記の成分に加えて、
含ハロゲン難燃剤、難燃助剤や無機充填剤を更に添加し
ても良い。含ハロゲン難燃剤は、公知のもの、例えば、
デカブロモフェノキシベンゼン、エチレンビス(ペンタ
ブロモベンゼン)等の臭素系、パークロルペンタシクロ
デカン等の塩素系のものが用いられる。難燃助剤として
は、公知の三酸化アンチモン、亜鉛華、ホウ酸亜鉛など
が用いられる。これらを添加することにより、組成物の
難燃性を更に高めることができる。又、無機充填剤を添
加することによって、耐熱性を更に向上させることがで
きる。無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、
ケイ酸マグネシウム系鉱物、ケイ酸アルミニウム系鉱
物、シリカ、カーボン、金属水酸化物、又は、これらに
表面処理を施したものなどを挙げることができる。これ
らの無機充填剤は、単独で使用しても良いし、2種以上
を併用しても良い。無機充填剤の添加量については、得
られる組成物の機械的強度などを考慮して適宜に定めれ
ば良い。 【0017】上記の各構成材料に、架橋剤、架橋助剤、
酸化防止剤、加工助剤、安定剤、難燃剤、顔料等の従来
公知の各種添加剤を必要に応じて適宜に配合したもの
を、インターナルミキサー、一軸混練機、二軸混練機等
の公知の混練機を使用して充分に混練りすることによっ
て本発明の組成物が完成する。 【0018】このようにして得られた本発明の組成物を
公知の方法によって押出成形し、その後、適宜に架橋を
施すことにより電線、チューブ等の製品を得ることがで
きる。この際、導体外径が0.3mm以上であり、且
つ、被覆の厚さが0.2mm以上である電線や、呼び径
が1.0mm以上であり、且つ、厚さが0.3mm以上
であるチューブなどに本発明の組成物を適用できるが、
中でも導体外径が10φ以上であり、被覆の厚さが1.
0mm以上である電線や、呼び径10φ以上であり、且
つ厚さが1.0mm以上であるチューブにおいては、特
に本発明の組成物の有する優れた特徴が顕著に発現する
ことになる。 【0019】架橋方法は特に限定されず、例えば、1,
3−ビス(第三ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼ
ン、1,1−ビス(第三ブチルペルオキシ)−3,3,
5−トリメチルシクロヘキサン、ジクミルパーオキサイ
ド等の有機過酸化物を架橋剤として使用した化学架橋
法、X線、γ線、電子線、陽子線、重陽子線、α線、β
線等の電離性放射線を使用した照射架橋法などが挙げら
れる。 【0020】 【実施例】以下に本発明の実施例を比較例と併せて説明
する。この実施例で使用した各配合材料の詳細は表4に
示す通りである。 【0021】表1乃至表3に示した配合材料を二軸混練
機で充分に混練りし、得られた組成物をリボン化した
後、90mmφベント型押出機に供給して、シリンダー
60℃、ヘッド80℃の温度条件にて、素線径0.45
mmの錫メッキ軟銅線2035本を撚り合わせた外径2
7.0mmの導体周上に3.3mmの肉厚で押出被覆
し、直ちに溶融塩加硫装置(LCM)により仕上外径3
4mmの架橋電線を製造した。 【0022】ここで、このようにして得られた合計25
種類の架橋電線を試料として、機械的強度(引張強度、
伸び)、耐熱性、耐油性及び押出成形性(外観、作業
性、80℃における組成物の粘度)について、それぞれ
評価を行った。結果は表1乃至表3に併せて示した。 【0023】評価方法は以下の通りである。 機械的強度 引張強度と伸びは、JIS C 3005(2000)に
準拠して測定した。各々の要求特性は、電気用品安全法
の絶縁体要求特性から引用し、引張強度10MPa以
上、伸び200%以上とした。 【0024】耐熱性 250℃に保持された恒温槽内に96時間放置した後取
り出し、JIS C3005(2000)に準拠して、
引張強度残率、伸び残率をそれぞれ測定した。各々の要
求特性は、電気用品安全法の絶縁体要求特性から引用
し、ともに80%をクリアしたものを合格とした。 【0025】耐油性 120℃に保持されたIRM902油中に18時間放置
した後取り出し、JIS C3005(2000)に準
拠して、引張強度残率、伸び残率をそれぞれ測定した。
各々の要求特性は、実用性を考慮してともに60%をク
リアしたものを合格とした。 【0026】押出成形性 押出成形性を電線の外観、成形時の作業性、組成物の粘
度により評価した。尚、組成物の粘度は80℃における
二枚円盤型粘度計の直読値で示した。 外観 ○:表面平滑性が良好、ダイスカスの発生無し。 ×:表面が悪い、もしくはダイスカスの発生がある場
合。 作業性 ○:押出機内の金属面への張り付きが無く、取り扱いが
容易である。 ×:押出機内の金属面への張り付きがあり、取り扱いが
困難である。 粘度 測定値15以下では生産速度を上げてもゴムの発熱によ
るスコーチの危険性が無い。測定値17以上ではゴムの
発熱によるスコーチの危険性がある。 【0027】 【表1】【0028】 【表2】 【0029】 【表3】【0030】 【表4】 【0031】表1乃至表3の結果から次のことが判る。
即ち、各成分の添加量が本発明の好ましい範囲内である
実施例1乃至実施例17は、いずれもテトラフルオロエ
チレン−プロピレン共重合体が本来有する高度な耐熱性
及び耐油性を保持したまま、押出成形性が著しく向上し
ているとともに、引張強度10MPa以上、伸び200
%という機械的強度の要求特性を満たしている。 【0032】これらの中でも特に、エチレン−アクリル
酸エチル共重合体の添加量が本発明の最も好ましい範囲
(5重量部以上20重量部以下)である実施例6、実施
例7及び実施例8については、押出成形性(粘度)が1
5以下という優れた数値を示している。そのため、生産
速度を上げた場合でもゴムのスコーチの発生が起こら
ず、生産性を高めることができると言える。 【0033】又、エチレン−アクリル酸エチル−無水マ
レイン酸三元共重合体の添加量が本発明の最も好ましい
範囲(5重量部以上10重量部以下)である実施例7及
び実施例1については、押出成形性(粘度)と機械的強
度(引張強度及び伸び)のバランスの取れた組成物であ
ることが判る。 【0034】これらに対して、フッ化ビニリデン−6フ
ッ化プロピレン共重合体系エラストマーを全く添加して
いない比較例1は、実施例2と比較しても明らかなよう
に、耐熱性及び耐油性が不合格となっている。フッ化ビ
ニリデン−6フッ化プロピレン共重合体系エラストマー
を添加しているものの、その添加量が本発明の好ましい
範囲の上限値(50重量部)を超える比較例2は、押出
成形性(作業性)と機械的強度(引張強度)が劣ってい
る。 【0035】又、エチレン−アクリル酸エチル共重合体
を全く添加していない比較例3は、実施例4と比較して
も明らかなように、押出成形性(外観及び作業性)が不
合格となっており、且つ、押出成形性(粘度)が17.
0と特に高い数値を示している。このような組成物を実
施例と同様の生産速度で押出すると、スコーチが発生し
てしまうため、生産性を高めることができない。エチレ
ン−アクリル酸エチル共重合体を添加しているものの、
その添加量が本発明の好ましい範囲の上限値(20重量
部)を超える比較例4は、実施例8と比較しても明らか
なように耐熱性及び耐油性が不合格となっている。特に
エチレン−アクリル酸エチル共重合体の添加量が多過す
ぎる比較例5は、耐熱性、耐油性に加えて、更に、押出
成形性(外観及び作業性)も悪化していることが判る。
これは、エチレン−アクリル酸エチル共重合体を過剰に
添加すると、エチレン−アクリル酸エチル共重合体が本
来有している他の物質に貼り付き易いという性状が顕著
に現れてしまうためである。 【0036】又、エチレン−アクリル酸エチル−無水マ
レイン酸三元共重合体を全く添加していない比較例6
は、実施例10と比較しても明らかなように、機械的強
度(引張強度)が9.4MPaと要求特性を下回ってお
り、且つ、押出成形性(外観、作業性及び粘度)がとも
に不合格となっている。特に、押出成形性(粘度)が1
8.3と高い数値を示していることから、このような組
成物を実施例と同様の生産速度で押出すると、スコーチ
が発生してしまうため、生産性を高めることができな
い。エチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸三元
共重合体を添加しているものの、その添加量が本発明の
好ましい範囲の下限値(3重量部)に満たない比較例7
は、実施例9と比較しても明らかなように、機械的強度
(引張強度)が9.8MPaと要求特性を下回ってお
り、且つ、押出成形性(外観及び作業性)がともに不合
格となっている。又、その添加量が本発明の好ましい範
囲の上限値(15重量部)を超える比較例8は、実施例
11と比較しても明らかなように耐熱性、耐油性に加え
て、押出成形性(作業性)が不合格となっている。これ
は、エチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸三元
共重合体を過剰に添加すると、エチレン−アクリル酸エ
チル−無水マレイン酸三元共重合体が本来有している他
の物質に貼り付き易いという性状が顕著に現れてしまう
ためである。 【0037】尚、実施例12乃至実施例15は、エチレ
ン−アクリル酸エチル共重合体のアクリル酸エチル含量
(EA含量)を変更した場合の例である。EA含量が本
発明の好ましい範囲の下限値である実施例12(EA9
重量%)から上限値である実施例14(EA含量34
%)に至るまで、テトラフルオロエチレン−プロピレン
共重合体が本来有する優れた耐熱性及び耐油性を保持し
たまま、押出成形性が著しく向上しているとともに、引
張強度10MPa以上、伸び200%という機械的強度
の要求特性を満たしている。 【0038】又、実施例16及び実施例17は、エチレ
ン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸三元共重合体の
アクリル酸エチル含量(EA含量)と無水マレイン酸含
量(MAH含量)を変更した場合の例である。実施例1
6及び実施例17はともに本発明の好ましい範囲である
ため(アクリル酸エチルが15重量%以上31重量%以
下で、且つ、無水マレイン酸が1.5重量%以上3.5
重量%以下)、テトラフルオロエチレン−プロピレン共
重合体が本来有する優れた耐熱性及び耐油性を保持した
まま、押出成形性が著しく向上しているとともに、引張
強度10MPa以上、伸び200%という機械的強度の
要求特性を満たしている。 【0039】本発明は上記の実施例に限定されるもので
はない。上記の実施例では本発明に係る組成物を電線の
絶縁被覆材料として使用したが、複数の電線を組み合わ
せたケーブルのシース材料、コード状ヒータの絶縁被覆
材料、チューブの構成材料などとしても使用可能であ
る。 【0040】 【発明の効果】以上詳述したように本発明は、テトラフ
ルオロエチレン−α−オレフィン共重合体に対し、フッ
化ビニリデン−6フッ化プロピレン共重合体系エラスト
マー、エチレン−エチレン性不飽和エステル共重合体及
び不飽和カルボン酸で変性されたポリオレフィン樹脂を
好ましい範囲で添加することにより、機械的強度、耐熱
性、耐油性及び押出成形性に優れた含フッ素エラストマ
ー組成物を得ることができた。これは、特に外径が10
φを超えるような大型機器用リード線などの絶縁被覆材
料又はシース材料として好適と言える。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 テトラフルオロエチレン−α−オレフィ
    ン共重合体と、該共重合体100重量部に対し、フッ化
    ビニリデン−6フッ化プロピレン共重合体系エラストマ
    ー3重量部以上50重量部以下、エチレン−エチレン性
    不飽和エステル共重合体3重量部以上20重量部以下、
    不飽和カルボン酸で変性されたポリオレフィン樹脂3重
    量部以上15重量部以下を少なくとも含有することを特
    徴とする含フッ素エラストマー組成物。
JP2002137879A 2002-05-14 2002-05-14 含フッ素エラストマー組成物 Expired - Fee Related JP4070006B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002137879A JP4070006B2 (ja) 2002-05-14 2002-05-14 含フッ素エラストマー組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002137879A JP4070006B2 (ja) 2002-05-14 2002-05-14 含フッ素エラストマー組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003327771A true JP2003327771A (ja) 2003-11-19
JP4070006B2 JP4070006B2 (ja) 2008-04-02

Family

ID=29699476

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002137879A Expired - Fee Related JP4070006B2 (ja) 2002-05-14 2002-05-14 含フッ素エラストマー組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4070006B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103890084A (zh) * 2012-07-09 2014-06-25 住友电气工业株式会社 耐热阻燃树脂组合物、绝缘电线和管
JPWO2015132930A1 (ja) * 2014-03-06 2017-03-30 日立金属株式会社 含フッ素エラストマー組成物、並びにこれを用いた絶縁電線及びケーブル
CN113683850A (zh) * 2020-05-18 2021-11-23 日立金属株式会社 绝缘电线的制造方法
CN114736474A (zh) * 2022-04-11 2022-07-12 浙江元通线缆制造有限公司 一种绝缘隔离护套不粘材料及其制备方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102408660B (zh) * 2011-09-23 2013-03-13 无锡市华安橡塑五金冲压件厂 高压油缸使用往复运动密封圈材料及其生产方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103890084A (zh) * 2012-07-09 2014-06-25 住友电气工业株式会社 耐热阻燃树脂组合物、绝缘电线和管
JPWO2015132930A1 (ja) * 2014-03-06 2017-03-30 日立金属株式会社 含フッ素エラストマー組成物、並びにこれを用いた絶縁電線及びケーブル
CN113683850A (zh) * 2020-05-18 2021-11-23 日立金属株式会社 绝缘电线的制造方法
CN114736474A (zh) * 2022-04-11 2022-07-12 浙江元通线缆制造有限公司 一种绝缘隔离护套不粘材料及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4070006B2 (ja) 2008-04-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11192984B2 (en) Heat-resistant crosslinked fluorocarbon rubber formed body and method for producing the same, silane master batch, master batch mixture and formed body thereof, and heat-resistant product
KR102212538B1 (ko) 함불소 엘라스토머 조성물, 그 제조 방법, 성형체, 가교물, 및 피복 전선
JP2010254883A (ja) 非ハロゲン難燃性樹脂組成物及びその製造方法並びにこれを用いた電線・ケーブル
JP6810888B2 (ja) 含ふっ素エラストマ被覆絶縁電線の製造方法
US11643487B2 (en) Heat-resistant crosslinked fluororubber formed body and method of producing the same, and heat-resistant product
KR20030028572A (ko) 염화 폴리올레핀 탄성체의 경화성 조성물
JPH0578539A (ja) 放射線照射架橋用含ふつ素エラストマ組成物
JP4070006B2 (ja) 含フッ素エラストマー組成物
JPH07126468A (ja) フッ素樹脂組成物およびそれからの絶縁電線と熱収縮チューブ
JP6766569B2 (ja) 絶縁電線
JP3812064B2 (ja) 含フッ素エラストマー組成物
JP2015199806A (ja) 含フッ素エラストマー組成物、並びにこれを用いた絶縁電線及びケーブル
KR102240636B1 (ko) 유연성이 우수한 불소수지 조성물 및 이로부터 형성된 절연층을 포함하는 케이블
JP3321969B2 (ja) ふっ素樹脂被覆電線およびふっ素樹脂被覆シールド電線
JP2011111567A (ja) 難燃性樹脂組成物、成形体、および絶縁電線
JPH0812767A (ja) 熱収縮性電気絶縁チューブ
JP2852524B2 (ja) 含フッ素エラストマー組成物
JPS6116932A (ja) 含フツ素エラストマ架橋成形体の製造方法
JP2012074182A (ja) 絶縁電線
JPH052922A (ja) 含ふつ素弾性体被覆電線
JPH0551128B2 (ja)
JPH02216704A (ja) 含ふっ素エラストマ被覆絶縁電線
JP2009132760A (ja) 含フッ素エラストマー組成物
JP2611458B2 (ja) 含ふっ素エラストマ被覆絶縁電線
JPH09176426A (ja) 含フッ素樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050330

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070207

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070306

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070427

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070605

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070705

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20070921

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071106

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071126

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071225

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080109

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4070006

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110125

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120125

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130125

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130125

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140125

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees