JP5158320B2

JP5158320B2 - 無電解ニッケルめっき方法、リンクチェーン及びその製造方法

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Publication number: JP5158320B2
Application number: JP2007090688A
Authority: JP
Inventors: 雅徳多田; 秀幸高見; 山田　　要; 賢一小谷; 賢吾河澄
Original assignee: C.UYEMURA&CO.,LTD.; Kito Corp
Current assignee: C.UYEMURA&CO.,LTD.; Kito Corp
Priority date: 2007-03-30
Filing date: 2007-03-30
Publication date: 2013-03-06
Anticipated expiration: 2027-03-30
Also published as: JP2008248318A; WO2008123176A1

Description

本発明は、鉄鋼材料表面に、耐食性、耐摩耗性及び疲労強度の良好なリンクチェーンを与える無電解ニッケルめっき皮膜を形成する無電解ニッケルめっき方法、及び表面に無電解ニッケルめっき皮膜を形成したリンクチェーン及びその製造方法に関する。

手動チェーンブロックや電動チェーンブロック等の揚重機、吊り具、コンベヤ等に使用されるリンクチェーンには耐食性向上のため亜鉛めっきが用いられることが多い。しかし、亜鉛めっき皮膜の場合、摺動部材（部分）においては、皮膜硬さが低く耐摩耗性が悪いという欠点を有している。

一方、無電解ニッケルめっき皮膜の場合、耐食性及び皮膜硬さが硬いことによる耐摩耗性は良好であるが、疲労強度に関しては、元のリンクチェーンなどの鉄鋼材料よりも劣っている。無電解ニッケルめっき皮膜中のリンの含有率が低い方が、疲労強度の劣化が少ないことが知られている（（社）日本材料学会，「材料」，第２６巻，第２８１号，Ｐ１６４−１７１（非特許文献１）、（社）日本材料学会，「材料」，第２４巻，第２５９号，Ｐ３２０−３２５（非特許文献２）参照）が、一般的にリンの含有率が低い無電解ニッケルめっき皮膜の方が、高い皮膜よりも耐食性が悪く、かつめっき浴のニッケル濃度を高くする必要があるためコストも高くなる。

特開昭６３−２９３１７２号公報特開平９−３１７８３２号公報特公昭５５−３９６２１号公報特公昭５１−２４９８５号公報（社）日本材料学会，「材料」，第２６巻，第２８１号，Ｐ１６４−１７１（社）日本材料学会，「材料」，第２４巻，第２５９号，Ｐ３２０−３２５

本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、鉄鋼材料表面に、耐食性、耐摩耗性及び疲労強度の良好なリンクチェーンを与える皮膜を形成する無電解ニッケルめっき方法、及び耐食性、耐摩耗性及び疲労強度の良好なリンクチェーン及びその製造方法を提供することを目的とする。

本発明者は、上記問題を解決するため鋭意検討を行なった結果、錯化剤としてＮｉに対する錯形成定数よりＦｅに対する錯形成定数が小さい錯化剤、特にグルタミン酸、グリシン、リンゴ酸又はそれらの化合物を単独で用いた無電解ニッケルめっき浴、又はＮｉに対する錯形成定数よりＦｅに対する錯形成定数が小さい錯化剤と共に、Ｎｉに対する錯形成定数よりＦｅに対する錯形成定数が大きい錯化剤を併用し、全錯化剤中、ニッケルに対する錯形成定数より鉄に対する錯形成定数が小さい錯化剤が５０質量％以上である無電解ニッケルめっき浴を用いてリン含有量が３〜９質量％である無電解ニッケルめっき皮膜を形成することで、鉄鋼材料表面に、耐食性及び耐摩耗性と共に、疲労強度も良好なリンクチェーンを与える無電解ニッケルめっき皮膜を形成でき、チェーンブロック等に用いられるリンクチェーンなどの耐食性、耐摩耗性及び疲労強度を要求される鉄鋼材料の表面処理として有効であることを見出し、本発明をなすに至った。

即ち、本発明は、以下の無電解ニッケルめっき方法、リンクチェーン及びその製造方法を提供する。
［１］リンクチェーンの疲労強度を向上させるための無電解ニッケルめっき方法であって、鉄鋼材料表面に、水溶性ニッケル塩と、次亜リン酸又はその塩である還元剤と、錯化剤とを含有し、錯化剤として、Ｎｉに対する錯形成定数よりＦｅに対する錯形成定数が小さい錯化剤を単独で用いた無電解ニッケルめっき浴、又は上記Ｎｉに対する錯形成定数よりＦｅに対する錯形成定数が小さい錯化剤と共に、Ｎｉに対する錯形成定数よりＦｅに対する錯形成定数が大きい錯化剤を、全錯化剤中、上記ニッケルに対する錯形成定数より鉄に対する錯形成定数が小さい錯化剤を５０質量％以上として併用した無電解ニッケルめっき浴にて、リン含有量が３〜９質量％である無電解ニッケルめっき皮膜を形成することを特徴とする無電解ニッケルめっき方法。
［２］鉄鋼材料が低炭素ニッケルクロム合金鋼であることを特徴とする［１］記載の無電解ニッケルめっき方法。
［３］上記Ｎｉに対する錯形成定数よりＦｅに対する錯形成定数が小さい錯化剤がグルタミン酸、グリシン、リンゴ酸又はそれらの化合物であることを特徴とする［１］又は［２］記載の無電解ニッケルめっき方法。
［４］無電解ニッケルめっき皮膜中の硫黄含有量が０．０１質量％以下であることを特徴とする［１］乃至［３］のいずれかに記載の無電解ニッケルめっき方法。
［５］鉄鋼材料表面に、水溶性ニッケル塩と、次亜リン酸又はその塩である還元剤と、錯化剤とを含有し、錯化剤として、Ｎｉに対する錯形成定数よりＦｅに対する錯形成定数が小さい錯化剤を単独で用いた無電解ニッケルめっき浴、又は上記Ｎｉに対する錯形成定数よりＦｅに対する錯形成定数が小さい錯化剤と共に、Ｎｉに対する錯形成定数よりＦｅに対する錯形成定数が大きい錯化剤を、全錯化剤中、上記ニッケルに対する錯形成定数より鉄に対する錯形成定数が小さい錯化剤を５０質量％以上として併用した無電解ニッケルめっき浴にて無電解ニッケルめっきして形成したリン含有量が３〜９質量％である無電解ニッケルめっき皮膜を有することを特徴とするリンクチェーン。
［６］鉄鋼材料が低炭素ニッケルクロム合金鋼であることを特徴とする［５］記載のリンクチェーン。
［７］上記Ｎｉに対する錯形成定数よりＦｅに対する錯形成定数が小さい錯化剤がグルタミン酸、グリシン、リンゴ酸又はそれらの化合物であることを特徴とする［５］又は［６］記載のリンクチェーン。
［８］無電解ニッケルめっき皮膜中の硫黄含有量が０．０１質量％以下であることを特徴とする［５］乃至［７］のいずれかに記載のリンクチェーン。
［９］鉄鋼材料表面に、水溶性ニッケル塩と、次亜リン酸又はその塩である還元剤と、錯化剤とを含有し、錯化剤として、Ｎｉに対する錯形成定数よりＦｅに対する錯形成定数が小さい錯化剤を単独で用いた無電解ニッケルめっき浴、又は上記Ｎｉに対する錯形成定数よりＦｅに対する錯形成定数が小さい錯化剤と共に、Ｎｉに対する錯形成定数よりＦｅに対する錯形成定数が大きい錯化剤を、全錯化剤中、上記ニッケルに対する錯形成定数より鉄に対する錯形成定数が小さい錯化剤を５０質量％以上として併用した無電解ニッケルめっき浴にて、リン含有量が３〜９質量％である無電解ニッケルめっき皮膜を形成することを特徴とするリンクチェーンの製造方法。
［１０］鉄鋼材料が低炭素ニッケルクロム合金鋼であることを特徴とする［９］記載のリンクチェーンの製造方法。
［１１］上記Ｎｉに対する錯形成定数よりＦｅに対する錯形成定数が小さい錯化剤がグルタミン酸、グリシン、リンゴ酸又はそれらの化合物であることを特徴とする［９］又は［１０］記載のリンクチェーンの製造方法。
［１２］無電解ニッケルめっき皮膜中の硫黄含有量が０．０１質量％以下であることを特徴とする［９］乃至［１１］のいずれかに記載のリンクチェーンの製造方法。

本発明によれば、鉄鋼材料表面に、耐食性、耐摩耗性及び疲労強度の良好なリンクチェーンを与える無電解ニッケルめっき皮膜を形成することができ、チェーンブロック等に用いられるリンクチェーンに良好な耐食性、耐摩耗性及び疲労強度を与えることができる。

以下、本発明について更に詳しく説明する。
本発明においては、水溶性ニッケル塩と、還元剤と、錯化剤としてＮｉに対する錯形成定数よりＦｅに対する錯形成定数が小さい錯化剤とを含有する無電解ニッケルめっき浴を用いて、無電解ニッケルめっきすることにより、鉄鋼材料表面に無電解ニッケルめっき皮膜を形成する。

本発明の無電解ニッケルめっき浴に含まれる水溶性ニッケル塩としては、塩化ニッケル、硫酸ニッケル、酢酸ニッケル等を用いることができ、めっき浴中の水溶性ニッケル塩の濃度は、ニッケル基準で２〜８ｇ／Ｌ、特に４〜６ｇ／Ｌであることが好ましい。

還元剤としては、次亜リン酸及びその塩（ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩など）が好適であり、その場合、無電解ニッケルリンめっき浴となる。めっき浴中の還元剤の濃度は１５〜４５ｇ／Ｌ、特に２０〜３０ｇ／Ｌであることが好ましい。

本発明の無電解ニッケルめっき浴には、錯化剤として、Ｎｉに対する錯形成定数よりＦｅに対する錯形成定数が小さい錯化剤が含まれる。このような錯化剤を配合することにより、形成される無電解ニッケルめっき皮膜によりリンクチェーンの疲労強度を向上又は維持しつつ、無電解ニッケルめっき皮膜特有の耐食性及び耐摩耗性を鉄鋼材料表面に与えることができる。

ニッケルに対する錯形成定数より鉄に対する錯形成定数が大きい錯化剤は、素材である鉄を溶解し易いためにめっきが付き難くなるが、ニッケルに対する錯形成定数より鉄に対する錯形成定数が小さい錯化剤は、素材である鉄を溶解し難くめっきが付き易い状態となっている（ニッケルが析出したところの鉄を掘らない）ため、密着性が良くなることで、疲労強度も良好となると考えられる。そのため、錯化剤として、ニッケルに対する錯形成定数より鉄に対する錯形成定数が小さい錯化剤が有効である。

ニッケルに対する錯形成定数より鉄に対する錯形成定数が小さい錯化剤を無電解ニッケルめっき浴に使用すると、得られる皮膜によりリンクチェーンの疲労強度が維持される又は疲労強度が向上する点において、特に有効であり、例えば、グルタミン酸、グリシン、マロン酸、アジピン酸、クエン酸、リンゴ酸又はそれらの化合物が好適であり、特にグルタミン酸又はその化合物が好適である。

一方、ニッケルに対する錯形成定数より鉄に対する錯形成定数が大きい錯化剤（例えば、乳酸、アスパラギン酸、コハク酸、酢酸又はそれらの化合物）、特に、鉄に対する錯形成定数が比較的大きい（例えば２以上）の錯化剤（例えば、乳酸、アスパラギン酸、コハク酸又はそれらの化合物）を無電解ニッケルめっき浴に使用すると、疲労強度が低下する点において、これらの単独使用は好ましくない。しかしながら、本発明の目的を損なわない程度であれば、前者のニッケルに対する錯形成定数より鉄に対する錯形成定数が小さい錯化剤と、後者のニッケルに対する錯形成定数より鉄に対する錯形成定数が大きい錯化剤とを併用してもよい。

また、ニッケルに対する錯形成定数より鉄に対する錯形成定数が小さい錯化剤は、めっき皮膜中のＰ（りん）共析量を下げる傾向があることから、必要に応じて、Ｐ共析量を上げる傾向のある錯化剤を併用することも有効である。本発明においては、各用途に適したＰ含有量を有するＮｉ−Ｐ合金めっき皮膜を形成することが可能である。

ニッケルに対する錯形成定数より鉄に対する錯形成定数が小さい錯化剤と、ニッケルに対する錯形成定数より鉄に対する錯形成定数が大きい錯化剤とを併用する場合、全錯化剤中、ニッケルに対する錯形成定数より鉄に対する錯形成定数が小さい錯化剤を５０質量％以上、特に７０質量％以上、とりわけ７５質量％以上とすることが好ましい。

上述した錯化剤の化合物としては、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩などの塩を挙げることができる。なおニッケルに対する錯形成定数より鉄に対する錯形成定数が小さい錯化剤のめっき浴中の濃度は１０〜５０ｇ／Ｌ、特に１５〜３０ｇ／Ｌであることが好ましい。

本発明の無電解ニッケルめっき浴には、無電解ニッケルめっき浴の添加剤として公知の酢酸鉛等のＰｂ化合物、酢酸ビスマス等のＢｉ化合物などの無機化合物安定剤、ブチンジオール等の有機化合物安定剤、ｐＨ調整剤、ｐＨ緩衝剤、ピット防止剤、界面活性剤などの添加剤を、本発明の効果を損なわない程度に添加することができるが、有機硫黄化合物（炭素と硫黄を含む化合物）の濃度は０．００１ｐｐｍ（ｍｇ／Ｌ）以下であることが好ましく、有機硫黄化合物を含んでいないことが特に好ましい。有機硫黄化合物が無電解ニッケルめっき浴に含まれていると疲労強度が低下する傾向にある。この有機硫黄化合物以外の添加物の濃度は、通常０．０００１〜３０ｇ／Ｌ、特に０．０００２〜２０ｇ／Ｌである。

本発明の無電解ニッケルめっき浴のｐＨは、通常４〜７、特に４．５〜６である。また、めっき処理の温度及び時間は、めっき速度及び形成するめっき皮膜の厚さによっても異なるが、めっき温度は、通常７０〜９５℃であり、めっき時間は、通常１０〜３０分程度である。

本発明において形成する無電解めっき皮膜中の硫黄含有量は、０．０１質量％以下、好ましくは０．００５質量％以下であることが好ましい。

本発明において、対象とする鉄鋼材料は、例えば純鉄、電解鉄、炭素鋼（低炭素鋼、高炭素鋼など）、合金鋼（低炭素ニッケルクロム合金鋼など）、超合金、リムド鋼、キャップド鋼、セミキルド鋼、キルド鋼などであるが、チェーンブロック等に用いられるリンクチェーンなどのように、使用中に表面に摺動による摩擦を受けるような鉄鋼部材の表面に良好な耐食性、耐摩耗性及び疲労強度を与えるから、本発明の無電解ニッケルめっき方法は、このような摺動部材、特にリンクチェーンの表面処理として好適である。

鉄鋼材料の表面に形成する無電解ニッケルめっき皮膜中のリン含有量は、３〜９質量％程度の範囲である。また、無電解ニッケルめっき皮膜の膜厚は３〜３０μｍ、特に５〜１０μｍが好適である。

以下、実施例、参考例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。

［実施例１〜３、参考例１、比較例１〜４］
表１に示される組成の無電解ニッケルリンめっき浴を用い、浸炭処理を施して表面硬化層を形成した低炭素ニッケルクロム合金鋼のリンクチェーンの表面に、膜厚８μｍの無電解ニッケルリンめっき皮膜を形成し、疲労強度を評価した。評価は、ＪＩＳＢ８８１２：２００４（チェーンブロック用リンクチェーン）の疲れ強さ試験に準拠して行った。結果を表１に示す。また、めっき皮膜中のリン含有量及びめっきの析出速度を表１に併記した。なお、めっきしていないチェーンの疲労強度は２９０Ｎ／ｍｍ²である。

Claims

リンクチェーンの疲労強度を向上させるための無電解ニッケルめっき方法であって、鉄鋼材料表面に、水溶性ニッケル塩と、次亜リン酸又はその塩である還元剤と、錯化剤とを含有し、錯化剤として、Ｎｉに対する錯形成定数よりＦｅに対する錯形成定数が小さい錯化剤を単独で用いた無電解ニッケルめっき浴、又は上記Ｎｉに対する錯形成定数よりＦｅに対する錯形成定数が小さい錯化剤と共に、Ｎｉに対する錯形成定数よりＦｅに対する錯形成定数が大きい錯化剤を、全錯化剤中、上記ニッケルに対する錯形成定数より鉄に対する錯形成定数が小さい錯化剤を５０質量％以上として併用した無電解ニッケルめっき浴にて、リン含有量が３〜９質量％である無電解ニッケルめっき皮膜を形成することを特徴とする無電解ニッケルめっき方法。
鉄鋼材料が低炭素ニッケルクロム合金鋼であることを特徴とする請求項１記載の無電解ニッケルめっき方法。
上記Ｎｉに対する錯形成定数よりＦｅに対する錯形成定数が小さい錯化剤がグルタミン酸、グリシン、リンゴ酸又はそれらの化合物であることを特徴とする請求項１又は２記載の無電解ニッケルめっき方法。
無電解ニッケルめっき皮膜中の硫黄含有量が０．０１質量％以下であることを特徴とする請求項１乃至３のいずれか１項記載の無電解ニッケルめっき方法。
鉄鋼材料表面に、水溶性ニッケル塩と、次亜リン酸又はその塩である還元剤と、錯化剤とを含有し、錯化剤として、Ｎｉに対する錯形成定数よりＦｅに対する錯形成定数が小さい錯化剤を単独で用いた無電解ニッケルめっき浴、又は上記Ｎｉに対する錯形成定数よりＦｅに対する錯形成定数が小さい錯化剤と共に、Ｎｉに対する錯形成定数よりＦｅに対する錯形成定数が大きい錯化剤を、全錯化剤中、上記ニッケルに対する錯形成定数より鉄に対する錯形成定数が小さい錯化剤を５０質量％以上として併用した無電解ニッケルめっき浴にて無電解ニッケルめっきして形成したリン含有量が３〜９質量％である無電解ニッケルめっき皮膜を有することを特徴とするリンクチェーン。
鉄鋼材料が低炭素ニッケルクロム合金鋼であることを特徴とする請求項５記載のリンクチェーン。
上記Ｎｉに対する錯形成定数よりＦｅに対する錯形成定数が小さい錯化剤がグルタミン酸、グリシン、リンゴ酸又はそれらの化合物であることを特徴とする請求項５又は６記載のリンクチェーン。
無電解ニッケルめっき皮膜中の硫黄含有量が０．０１質量％以下であることを特徴とする請求項５乃至７のいずれか１項記載のリンクチェーン。
鉄鋼材料表面に、水溶性ニッケル塩と、次亜リン酸又はその塩である還元剤と、錯化剤とを含有し、錯化剤として、Ｎｉに対する錯形成定数よりＦｅに対する錯形成定数が小さい錯化剤を単独で用いた無電解ニッケルめっき浴、又は上記Ｎｉに対する錯形成定数よりＦｅに対する錯形成定数が小さい錯化剤と共に、Ｎｉに対する錯形成定数よりＦｅに対する錯形成定数が大きい錯化剤を、全錯化剤中、上記ニッケルに対する錯形成定数より鉄に対する錯形成定数が小さい錯化剤を５０質量％以上として併用した無電解ニッケルめっき浴にて、リン含有量が３〜９質量％である無電解ニッケルめっき皮膜を形成することを特徴とするリンクチェーンの製造方法。
鉄鋼材料が低炭素ニッケルクロム合金鋼であることを特徴とする請求項９記載のリンクチェーンの製造方法。
上記Ｎｉに対する錯形成定数よりＦｅに対する錯形成定数が小さい錯化剤がグルタミン酸、グリシン、リンゴ酸又はそれらの化合物であることを特徴とする請求項９又は１０記載のリンクチェーンの製造方法。
無電解ニッケルめっき皮膜中の硫黄含有量が０．０１質量％以下であることを特徴とする請求項９乃至１１のいずれか１項記載のリンクチェーンの製造方法。