JP2757672B2 - 無電解Ni−P−Moめっき方法 - Google Patents
無電解Ni−P−Moめっき方法Info
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Description
た場合でも非磁性を維持するめっき皮膜を得ることがで
きる無電解Ni−P−Moめっき方法に関する。
非磁性めっき皮膜としては、Ni−P皮膜がよく知られ
ている。このNi−P皮膜は、水溶性ニッケル塩、錯化
剤、次亜リン酸又はその塩を主成分とする無電解Ni−
Pめっき浴を用いて得られ、均一析出性、高耐食性、高
硬度、高耐摩耗性等の利点を有するが、200℃以上の
温度で熱処理されると容易に磁性を帯びるという問題が
ある。このため、無電解Ni−Pめっき浴中の次亜リン
酸イオン濃度を高めるなどしてNi−P皮膜中のP含量
を高めることが行われているが、非磁性維持の点でなお
改善の余地がある。
き浴及びNi−P−Moめっき皮膜については種々の提
案がある(特公昭57−54545号公報、特開昭62
−60878号及び特開平3−97835号公報)。し
かし、これらのNi−P−Mo皮膜は、Mo含量が高
く、通常Mo含量を10%以上として使用するもので、
このようにMo含量が高いと、逆に皮膜中のリン含有量
が低くなり、皮膜が非晶質から結晶質に変化し、また浴
の安定性が悪くなるという問題がある。
高温で長時間熱処理しても非磁性を維持し得るNi−P
−Mo皮膜を高析出速度でつきまわりよく形成すること
ができる無電解Ni−P−Moめっき方法を提供するこ
とを目的とする。
上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、硫酸ニ
ッケル塩と、水溶性モリブデン酸塩と、次亜リン酸又は
その塩とを含む無電解Ni−P−Moめっき浴の錯化剤
として、特定のオキシジカルボン酸又はその塩とOH基
を有さない特定のジカルボン酸又はその塩とを併用した
酸性の無電解Ni−P−Moめっき浴を用いてめっきを
行うことにより、300℃で3時間熱処理した場合でも
非磁性が維持されるNi−P−Moめっき皮膜が高析出
速度でつきまわりよく得られることを見い出した。
明らかなように、オキシジカルボン酸/塩やOH基を含
まないカルボン酸/塩を単独使用したり、これにモノカ
ルボン酸/塩やトリカルボン酸/塩を添加しても浴安定
性、析出速度、非磁性特性等の点で問題があるのに対
し、特定のオキシジカルボン酸又はその塩とOH基を有
さない特定のジカルボン酸又はその塩とを併用した場
合、析出速度が低下したり、つきまわり不良が生じるこ
となく、良好なNi−P−Mo皮膜がめっきされると共
に、このめっき皮膜は高温で長時間熱処理しても非磁性
が維持されることを知見し、本発明をなすに至ったもの
である。
ルとして2〜10g/l、水溶性モリブデン酸塩を0.
01〜5g/l、次亜リン酸又はその塩を10〜50g
/l、酒石酸、リンゴ酸及びそれらの塩から選ばれるオ
キシジカルボン酸類とコハク酸、マロン酸、ジグリコー
ル酸及びそれらの塩から選ばれるジカルボン酸類を1
0:1〜0.5:1のモル比で併用してなる錯化剤を硫
酸ニッケル1モルに対し1〜7モルを含み、pHが4〜
5である無電解Ni−P−Moめっき浴に被めっき物を
浸漬し、70〜95℃の温度でめっきしてP量が10.
7〜13重量%、Mo量が0.2〜1.8重量%の非晶
質Ni−P−Moめっき皮膜を形成することを特徴とす
る無電解Ni−P−Moめっき方法を提供する。
と、本発明の無電解Ni−P−Moめっき浴は、硫酸ニ
ッケルとモリブデン酸塩と還元剤として次亜リン酸又は
その塩とを含む。
は、ニッケルとして2〜10g/l、特に4〜8g/l
とすることが好ましい。
リブデン酸ナトリウム、モリブデン酸アンモニウム、モ
リブデン酸カリウム、モリブデン酸カルシウム、リンモ
リブデン酸、リンモリブデン酸アンモニウム等が用いら
れ、めっき浴中の濃度は0.01〜5g/l、特に0.
05〜1g/lとすることが好ましい。モリブデン酸塩
の濃度が0.01g/lより低いとめっき皮膜中のモリ
ブデン含量が少なくなり、耐熱非磁性の効果が十分得ら
れなくなり、一方5g/lを越えると、析出速度が低下
したり、つきまわり不良が発生したりする場合が生じ
る。
酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム等が好適に使用さ
れ、めっき浴中の濃度は10〜50g/l、特に20〜
40g/lとすることが好ましい。
及びそれらの塩から選ばれるオキシジカルボン酸類と、
コハク酸、マロン酸、ジグリコール酸及びそれらの塩か
ら選ばれるジカルボン酸類とを併用する。塩としては、
ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩などが挙げ
られる。この場合、前者と後者の併用比率はモル比とし
て10:1〜0.5:1、特に8:1〜1:1であるこ
とが、その併用効果をより有効に発揮させることができ
る点から推奨される。
ボン酸又はその塩に加え、グリコール酸、乳酸、グルコ
ン酸、クエン酸やその塩等のモノカルボン酸類、トリカ
ルボン酸類などを本発明の効果を損なわない範囲で添加
しても差し支えない。
水溶性ニッケル塩1モルに対し1〜7モル、特に2〜6
モルとすることが好ましい。
の安定剤、pH調整剤などの成分を添加することがで
き、またそのpHは4〜5の範囲とする。pHが低すぎ
ると析出速度が低下する場合があり、pHが高すぎると
めっき皮膜の応力が高くなったり、浴が不安定になる場
合がある。
めっき皮膜を得る場合は、被めっき物を該めっき浴に浸
漬すればよいが、この場合、めっき温度は70〜95℃
で行う。なお、めっき速度は、90℃のめっき温度にお
いて通常5〜10μm/hrである。また、めっきに際
しては、スターラーによる撹拌、ポンプによる撹拌、被
めっき物を揺動させるなどの方法でめっき浴を適度に撹
拌することが好ましく、撹拌により確実に良好な耐熱非
磁性のめっき皮膜を得ることができる。これに対し、撹
拌を行わないと、めっき皮膜の非磁性特性が低下する場
合が生じる。
P10.7〜13重量%、Mo0.2〜1.8重量%の
組成を有するNi−P−Moめっき皮膜を得るものであ
る。このNi−P−Moめっき皮膜は高温(例えば30
0℃)で長時間(例えば3時間)熱処理しても非磁性が
維持されるものである。また、このNi−P−Moめっ
き皮膜は、Mo含量が少ないので、Ni−Pめっき皮膜
の特長、即ち均一析出性、高耐食性、高硬度、高耐摩耗
性という利点を有効に発揮するものである。
的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるも
のではない。
として亜鉛置換処理を施したアルミニウム板(95mm
のハードディスク用Al基板)上にスターラー撹拌下に
おいて90℃で120分間めっきを行い、約15μm厚
さのめっき皮膜を得た。
95mmのハードディスク用Al基板を5リットルのめ
っき浴でめっきした場合において、基板全体のめっき後
の表面、特に内周、外周部を目視にて下記のように評価
した。 ○:全面にめっきが析出した。 △:一部無めっき部分が発生した。 ×:内外周部全体が無めっきとなった。 また、浴安定性は、めっき終了後のめっき液を目視にて
観察し、下記のように評価した。 ○:ニッケル粉が見られない。 △:ニッケル粉が少し見られる。 ×:ニッケル粉が多量に見られ、浴分解の可能性があ
る。
様にしてめっきを行い、約15μm厚さのめっき皮膜を
得た。次に、このめっき皮膜を電気オーブンを使用し、
300℃,2時間の条件で空気中において熱処理し、飽
和磁束密度を測定した。結果を図1〜3に示す。なお、
モリブデン酸ナトリウム量を0〜1g/l変化させた場
合の皮膜組成を表2に示す。浴組成 硫酸ニッケル(ニッケルとして) 6 g/l 次亜リン酸ナトリウム 30 〃 モリブデン酸ナトリウム 0〜1 〃 リンゴ酸 18 〃 コハク酸 16 〃 安定剤 微 量 pH 4.5 なお、磁性測定条件は下記の通りである。磁性測定条件 :振動試料型磁力計(理研電子製BHV−
50型) 印加磁場2500Oe 感度0.005EMU 試料 1×1cm 測定回数n=2
よれば、めっき浴の安定性もよく、また高温で長時間熱
処理しても非磁性を維持し得るNi−P−Mo皮膜を高
析出速度でつきまわりよく形成することができる。
ら得られためっき皮膜を300℃で2時間熱処理した場
合におけるNa2MoO4濃度と飽和磁束密度との関係
を示すグラフである。
むめっき浴から得られためっき皮膜を種々の温度で2時
間熱処理した場合における熱処理温度と飽和磁束密度と
の関係を示すグラフである。
むめっき浴から得られためっき皮膜を300℃で熱処理
した場合における熱処理時間と飽和磁束密度との関係を
示すグラフである。
Claims (1)
- 【請求項1】 硫酸ニッケルをニッケルとして2〜10
g/l、水溶性モリブデン酸塩を0.01〜5g/l、
次亜リン酸又はその塩を10〜50g/l、酒石酸、リ
ンゴ酸及びそれらの塩から選ばれるオキシジカルボン酸
類とコハク酸、マロン酸、ジグリコール酸及びそれらの
塩から選ばれるジカルボン酸類を10:1〜0.5:1
のモル比で併用してなる錯化剤を硫酸ニッケル1モルに
対し1〜7モルを含み、pHが4〜5である無電解Ni
−P−Moめっき浴に被めっき物を浸漬し、70〜95
℃の温度でめっきしてP量が10.7〜13重量%、M
o量が0.2〜1.8重量%の非晶質Ni−P−Moめ
っき皮膜を形成することを特徴とする無電解Ni−P−
Moめっき方法。
Priority Applications (1)
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JP4093889A JP2757672B2 (ja) | 1992-03-19 | 1992-03-19 | 無電解Ni−P−Moめっき方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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1992
- 1992-03-19 JP JP4093889A patent/JP2757672B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
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旭硝子工業技術奨励会研究報告,52(1988)第53頁−第62頁 |
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