JP5158252B2 - 押圧式伝動ベルト - Google Patents

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Description

この発明は、ベルト幅方向における中央部分にリングを嵌め込む凹部が形成された板片状の多数のエレメントを環状に配列し、それら多数のエレメントを帯状のリングに組み付けることにより環状に結束して構成した伝動ベルトに関し、特に各エレメントが先行するエレメントを順次押圧することにより2つのプーリ間で動力を伝達する押圧式伝動ベルトに関するものである。
ベルト式無段変速機などに用いられる動力伝達用のベルトとして、押圧式の伝動ベルトが知られている。一般に、この種の押圧式の伝動ベルトは、エレメントもしくはブロックなどと称される多数の板状の小片(以下、エレメント)を、それぞれ姿勢を揃えて整列させかつ環状に配列させて、リングもしくはフープもしくはバンドなどと称される環状体(以下、リング)で環状に結束することにより構成されている。そのエレメントの左右両側面は、プーリのV溝に対応してV字状に形成されたいわゆるフランク面となっている。そして、そのフランク面がプーリにおけるV溝の表面に接触し、その接触部分でトルクを伝達するように構成されている。
このように構成された伝動ベルトをプーリによって挟み付けると、エレメントに対してはこれを外周側に押し出す力が作用する。したがって、各エレメントを結束しているリングには張力が作用する。その状態で駆動プーリにトルクが作用して駆動プーリが回転すると、駆動プーリに挟み付けられているエレメントは、その駆動プーリと共に回転する。このとき、伝動ベルトは駆動プーリと従動プーリとの間に張られているので、それら各プーリの間のいわゆる直線部分では、エレメントは駆動プーリから押し出され、先行する他のエレメントを押圧する。こうして順次押圧されるエレメントは、従動プーリにおけるV溝に入り込むとともにそのV溝に挟み込まれ、その従動プーリと共に回転する。すなわち、後方の他のエレメントから順次押圧されてV溝に入り込んで来るエレメントにより、従動プーリが回転させられる。このようにして、駆動プーリから従動プーリにトルクが伝達される。
上記のような押圧式の伝動ベルトの一例が特許第3406283号公報に記載されている。この特許第3406283号公報に記載された無段変速機用ベルトは、無端状の金属リングを複数枚積層させた金属リング集合体(金属リング)と、その金属リングが嵌め込まれるリングスロットが形成された多数の金属エレメントとを備え、駆動プーリおよび従動プーリに巻き掛けられてそれら各プーリ間で駆動力の伝達を行う無段変速機用ベルトであって、金属リングと、最内層の金属リングを支承するリングスロットのサドル面とに、それぞれクラウニングが施されている。そして、金属リングのクラウニング半径がサドル面のクラウニング半径よりも小さく設定されている。
また、特開平1−312247号公報には、柔軟性を有しかつ縦方向にはほぼ伸張しない非金属製の少なくとも1本のエンドレス心線(リング)と、このリングが嵌め込まれる溝が形成された非金属製の横方向リンク(エレメント)とからなる押し出し式横方向リンク付き伝動装置(伝動ベルト)であって、非金属製のリングを摩擦係数の小さい樹脂等でコーティングすることにより、リングとサドル面の左右に形成されたエレメントの内壁面との間の摩擦を低減するように構成された伝動ベルトが記載されている。そしてこの特開平1−312247号公報には、上記の非金属製のリングが、エラストマーあるいはゴムなどをベースにして形成されることが記載されている。
なお、特開2001−317594号公報には、薄肉金属リングが厚さ方向に複数枚層状に重ねられ、多数のブロック(エレメント)と共に金属ベルト(伝動ベルト)を構成する薄肉金属リング複合体(リング)であって、最内周のリングがプーリと接触する部分に湾曲面を成形することにより、プーリとリングとの接触部分で発生する応力を低減するように構成された金属ベルトの薄肉金属リングが記載されている。
そして、特開2002−168305号公報には、板厚方向に重ね合わされて、帯状のリングと共に無段変速機用ベルトを構成する板状のエレメントであって、リングが当接するサドル面が形成されたボディ部と、サドル面から延びるように形成されたピラー部とを備え、サドル面に、ベルト幅方向に弧状に延びる曲面が形成された無段変速機用ベルトのエレメントが記載されている。そしてこのエレメントの曲面が、リングが主に当接する曲率半径Raの主面と、その主面よりピラー部側に設けられた曲率半径Raより小さい曲率半径Rbの端部面とから形成されることにより、リングとエレメントとの接触部分で発生する応力が分散させられる、と記載されている。
上記の特許第3406283号公報に記載されている無段変速機用ベルトのように、押圧式の伝動ベルトは、例えば自動車用のベルト式無段変速機など、比較的大きな伝達トルク容量が要求される伝動装置に採用される。したがって、押圧式の伝動ベルトを構成する金属製のリングには、エレメントを環状に保持するための十分な強度や剛性と、プーリに滑らかに巻き掛かるための柔軟性や可撓性との相反する2つの性質が求められる。そのため、上記の特許第3406283号公報に記載されている伝動ベルトにおける金属リング集合体や、例えば図7に示すリングのように、金属製で薄い帯状の単層のリング101を複数枚積層させた積層リング100としてリングが構成されている。そうすることにより高強度でかつ適度な柔軟性を持ったリングを構成することができる。
そして、上記の特許第3406283号公報に記載されている伝動ベルトでは、エレメントのサドル面にクラウニングが施されることにより、伝動ベルトが走行する際に、サドル面とリングの最内周面との間の摩擦力の作用によってリングがエレメントのサドル面上でセンタリングされる。そのため、リングの側端面がエレメントの首部もしくは柱部やプーリのV溝面に当接してしまうことを回避して、偏摩耗が生じたり、耐久性が低下してしまうことを防止することができる、とされている。
しかしながら、上記のような金属リング集合体や積層リング100を用いた伝動ベルトは、動力伝達状態でその伝動ベルトが走行する際には、例えば、積層リング100内部の各単層リング101同士の間で不可避的な滑りが生じる。そのため、その滑りが損失となり、その分伝動ベルトの動力伝達効率が低下する要因となっていた。
それに対して、上記の特開平1−312247号公報に記載されている伝動ベルトのリングのように、例えばゴムや樹脂などの弾性体を材料としてリングを構成することにより、滑らかにプーリに巻き掛かるための柔軟性あるいは可撓性を備えたリングを、単層の一体構造で構成することができる。リングを単層の一体構造とすることによって、上記の金属製の積層リングのようなリング内部での不可避的な滑りが生じることがなくなるので、その滑りによる損失の発生を回避することができる。
しかしながら、例えばゴムや樹脂などの弾性体を材料として構成したリングは、適度な柔軟性や可撓性を有するものの、金属性のリングと比較すると相対的に剛性が低く、リングの張力などによりエレメントのサドル面に作用する荷重の分布が不均一になり易い。そのため、そのような相対的に剛性が低いゴム製あるいは樹脂製のリングを、例えば特許第3406283号公報に記載されているような、サドル面にクラウニングが施されたエレメントに組み合わせた場合には、エレメントのサドル面とリングの最内周面との間で作用する摩擦力が不安定になり、金属製のリングを用いた場合のような効果的なセンタリングもしくは位置決めを行うことができない可能性がある。
このように、金属製の多数のエレメントを環状に結束することにより構成され、相対的に大きな伝達トルク容量に対応可能な押圧式の伝動ベルトにおいて、リングの内部の滑りによる損失を回避し、かつエレメントに対するリングの位置決めを適正に行って偏摩耗の発生や耐久性の低下を防止するためには、未だ改良の余地があった。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、リングの内部における滑りによる損失を回避し、かつエレメントに対するリングの位置決めを適正に行い、偏摩耗の発生や耐久性の低下を防止することができる押圧式伝動ベルトを提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、この発明は、ベルト幅方向での中央部分にベルト径方向での外周側に開口する凹部が形成された多数の板片状のエレメントと、弾性材料により厚さ方向で単層に形成されるとともに前記エレメントを環状に整列させた状態で結束するために前記凹部に嵌め込まれる帯状のリングとを備えた押圧式伝動ベルトにおいて、前記リングの前記ベルト幅方向における左右の側端面に、前記ベルト幅方向での中心面に対して面対称となる左右の傾斜面が形成され、前記凹部の前記ベルト幅方向における左右の内壁面に、それぞれ、前記両傾斜面と傾きが等しくかつ前記両傾斜面よりも前記エレメントの板厚寸法当たりの平面積が小さい左右の接触平面もしくは前記両傾斜面を接面とする左右の接触曲面が形成されていることを特徴とする押圧式伝動ベルトである。
一方、この発明は、ベルト幅方向での中央部分にベルト径方向での外周側に開口する凹部が形成された多数の板片状のエレメントと、弾性材料により厚さ方向で単層に形成されるとともに前記エレメントを環状に整列させた状態で結束するために前記凹部に嵌め込まれる帯状のリングとを備えた押圧式伝動ベルトにおいて、前記凹部の前記ベルト幅方向における左右の内壁面に、前記ベルト幅方向での中心面に対して面対称となる左右の傾斜面が形成され、前記リングの前記ベルト幅方向における左右の側端面に、それぞれ、前記両傾斜面と傾きが等しくかつ前記両傾斜面よりも前記エレメントの板厚寸法当たりの平面積が小さい左右の接触平面もしくは前記両傾斜面を接面とする左右の接触曲面が形成されていることを特徴とする押圧式伝動ベルトである。
また、この発明は、上記の発明において、前記両傾斜面が、いずれも前記中心面からの距離が前記ベルト径方向での外周側から内周側へ向かうにしたがい長くなる向きに傾いた平面を含む押圧式伝動ベルトである。
そして、この発明は、上記いずれかの発明において、前記両内壁面に、前記リングが前記ベルト幅方向に拡張する弾性変形をする際にその拡張部分を収容するための逃げスペースが更に形成されている押圧式伝動ベルトである。
さらに、この発明によれば、エレメントと共に伝動ベルトを構成するリングが、エレメントよりも剛性が低い弾性体を材料にして、その厚さ方向に単層で一体構造の環状部材として形成される。そのため、伝動ベルトとして走行する際に、例えば薄い帯状のリングを複数枚積層させて形成した積層リングを用いた場合と比較して、リング内部で積層されている薄いリング同士間の滑りによる損失が発生することがないので、その分、押圧式伝動ベルトの動力伝達効率を向上させることができる。
そして、この発明では、リングの断面形状がベルト幅方向で左右対称となるように、リングの左右両側端面が傾斜面として形成される。一方、そのリングを収容するエレメントの凹部の左右両内壁面に、リングの傾斜面に接触する接触平面もしくは接触曲面が形成される。同様に、この発明では、エレメントの凹部がベルト幅方向で左右対称となるように、凹部の左右両内壁面が傾斜面として形成される。一方、その凹部に収容されるリングの左右両側端面に、凹部の傾斜面に接触する接触平面もしくは接触曲面が形成される。したがって、この発明によれば、左右の傾斜面がテーパー面となるので、エレメントの凹部にリングが嵌め込まれることにより、その凹部内のベルト幅方向においてリングがセンタリングされる。さらに、上記の接触平面もしくは接触曲面と傾斜面とが互いに接触する部分の接触面積は、いずれも傾斜面の平面積よりも小さくなる。そのため、リングの左右両側端面とエレメントの凹部の左右両内壁面とがそれぞれ接触する部分での片当たりや偏荷重の発生を防止もしくは抑制することができ、その結果、リングの側端面とエレメントの凹部の内壁面との接触部分における摩擦による損失やリングの偏摩耗を防止もしくは抑制することができる。
また、この発明によれば、左右の傾斜面の間の間隔がベルト径方向の外周側よりも内周側の方が広くなるように、それら左右の傾斜面が形成される。したがって、エレメントの凹部内にリングが嵌め込まれた状態では、リング側から見た凹部の開口部の広さが、ベルト周方向での内周側よりも外周側の方が狭くなる。そのため、エレメントの凹部にリングを嵌め込んだ場合にその凹部からのリングの抜け出しを制限して、エレメントとリングとの組み付け状態を確実に保持することができる。すなわち、エレメントとリングとから伝動ベルトを確実に構成することができる。
そして、この発明によれば、例えば伝動ベルトの負荷運転時にリングに作用する荷重によってリングがベルト幅方向に拡張するように弾性変形した場合に、その拡張部分が、エレメントの凹部の両内壁面に形成された逃げスペースに収容される。そのため、リングが荷重を受けて変形した場合であっても、リングの側端面とエレメントの凹部の内壁面との接触荷重の増大を回避もしくは抑制することができる。その結果、リングの側端面とエレメントの凹部の内壁面との接触部分における摩擦による損失やリングの偏摩耗を防止もしくは抑制することができる。
この発明に係る押圧式伝動ベルトの構成例を示す模式図であって、エレメントの構成を示す正面図およびリングの構成を示す断面図である。 この発明に係る押圧式伝動ベルトの構成例を示す模式図であって、特にエレメントの構成を示す側面図(一部断面図)である。 この発明に係る押圧式伝動ベルトの構成例を示す模式図であって、特にこの発明における傾斜面および接触平面の詳細を示す拡大図である。 この発明に係る押圧式伝動ベルトにおいてエレメントとリングとを組み付ける際の状態を説明するための模式図である。 この発明に係る押圧式伝動ベルトの構成例を示す模式図であって、特にこの発明における逃げスペースの詳細を示す拡大図である。 この発明に係る押圧式伝動ベルトの他の構成例を示す模式図であって、特にこの発明における傾斜面および接触曲面の詳細を示す拡大図である。 従来の押圧式伝動ベルトに用いられるリング(積層リング)の構成例を示す模式図である。
つぎに、この発明を図面を参照して具体的に説明する。先ず、この発明に係る押圧式伝動ベルトの構成を、図1,図2に基づいて説明する。図1,図2において、押圧式の伝動ベルトBは、例えば、ベルト式無段変速機の駆動側(入力軸)プーリと従動側(出力軸)プーリとに巻き掛けられて、それらのプーリの間で動力を伝達するベルトの例を示している。そして、この発明におけるエレメント1は、例えば金属製の板片状の部材から構成されている。そのエレメント1の本体(基体)部2には、そのベルト幅方向(図1でのx軸方向)における左右の側面3,4が、テーパー状の傾斜した面として形成されている。それらテーパー状に傾斜した両側面3,4が、プーリ5のベルト巻き掛け溝(V形溝)5aに摩擦接触してトルクを伝達するようになっている。
本体部2のベルト幅方向における左右の両端部分に、エレメント1の上下方向(図1でのy軸方向)での上方に延びた左右の柱部6,7がそれぞれ形成されている。したがって、本体部2の図1での上側のエッジ部分である上端面2aと、両柱部6,7の本体部2のベルト幅方向における中央を向いた左右の内壁面6a,7aとによって、エレメント1の上側、すなわち伝動ベルトBとしての外周側に開口した開口凹部8が形成されている。
開口凹部8は、互いに密着して環状に配列されたエレメント1を環状に結束するための帯状のリング9を、その凹部内に嵌め込んで収容するための空間部分である。したがって、上記の上端面2aが、リング9の内周面9iを接触させて載せるサドル面2aとなっている。そして、この発明におけるリング9は、環状の帯状体であって、例えばゴムや樹脂などを材料とする弾性部材により、所定の柔軟性もしくは可撓性を有する単層の環状部材として形成されている。
前述したように、従来の押圧式の伝動ベルトでは、多数のエレメントと共に伝動ベルトを構成するリングとして、例えば図7に示すような金属製で環状の薄い帯状体(以下、単リング)101が径方向(もしくは厚さ方向)に複数層に重ねられて構成されたいわゆる積層リング100が使用されている。その各単リング101同士の積層状態は、各単リング101の張力や各単リング101同士の間の摩擦力等によって保持されている。そのため、薄い金属バンド状の単リング101が備えている柔軟性あるいは可撓性を維持しつつ、その単リング101を複数枚積層させた分だけ強度を増した高強度の積層リング100を構成することができる。
しかしながら、従来の積層リング100は、上記のように複数の単リング101をそれぞれ積層させただけの構成であるため、各単リング101の間では相対移動が可能な構成となっていて、動力伝達の際に各単リング101の間で滑りが発生する。すなわち、伝動ベルトとしてプーリに巻き掛けられて動力伝達を行う際に、積層リング100の内層側と外層側との間で摩擦力やモーメントの差が生じることなどにより、その内層側の単リング101と外層側の単リング101との間で不可避的な滑りが発生してしまう。そのため、そのような不可避的に発生する滑りが損失となり、伝動ベルトの動力伝達効率が不可避的に低下する要因となっていた。
そこで、この発明の伝動ベルトBは、ゴムや樹脂などの弾性材料によって形成されたリング9が採用されている。弾性材料を用いることにより、リング9を、上記のような積層リング100ではなく、その厚さ方向に単層で一体構造の環状部材として構成することができる。そのため、伝動ベルトBとして走行する際に、上記の積層リング100のようなリング内部の滑りによる損失が発生することがないので、その分、従来の積層リング100を使用した伝動ベルトと比較して、この伝動ベルトBの動力伝達効率を向上させることができる。
なお、リング9は、伝動ベルトBに要求される強度を達成するために必要な強度とプーリ5に滑らかに巻き掛かるために必要な柔軟性あるいは可撓性とを有する弾性部材によって、単層の環状部材として構成されたものであれば、上記のようなゴムや樹脂以外の材料で構成されてもよい。例えば、繊維や金属ワイヤなどを芯材として、それをゴムや樹脂などと合成した複合材料により構成されたものであってもよい。
上記のように、伝動ベルトBを構成する多数のエレメント1は、環状に配列された状態でリング9によって結束され、その状態で駆動側および従動側のそれぞれのプーリ5に巻き掛けられる。したがって、伝動ベルトBがプーリ5に巻き掛けられた状態では、各エレメント1は、切れ目なくトルクを伝達するために、プーリ5の中心に対して扇状に拡がり、かつ互いに密着する必要がある。そのために、各エレメント1は、その本体部2の図1,図2での下側の部分(環状に配列した状態での中心側の部分)が薄肉に形成されている。
すなわち、本体部2の前面2f(図2でのz軸方向における左側の面)での、エレメント1の上下方向(図1,図2でのy軸方向)におけるサドル面2aの位置から下側の部分が削り落とされた状態で薄肉化されている。したがって、各エレメント1が扇形に拡がって接触する状態、言い換えると、各エレメント1がプーリ5に巻き掛かかり円弧状に配列されて伝動ベルトBが湾曲するベルト湾曲状態で、上記のようにエレメント1の板厚が変化する境界部分で各エレメント1同士が互いに接触する。この境界部分のエッジが、いわゆるロッキングエッジ10となっている。
この種のエレメント1のサドル面2aは、多数のエレメント1を結束しているリング9が接触している。そのため、伝動ベルトBがトルクを伝達している状態では、その接触圧が大きくなるのに対して、エレメント1が直線状に配列されている状態からプーリ5に巻き掛かって扇状に開く場合には、リング9とサドル面2aとの間に摺動が生じ、それに伴って大きい摩擦力が生じる。このとき、エレメント1の上下方向における上記のサドル面2aとロッキングエッジ10との間隔が長くなると、リング9とサドル面2aとの間の摩擦力によるモーメントが大きくなり、リング9とサドル面2aとの間で一層摺動が生じ易くなる。その結果、伝動ベルトBの運転時における摩擦損失が増大して伝動ベルトBの伝動効率が低下してしまうおそれがある。
そのことに対して、この発明における伝動ベルトBでは、上記のように、エレメント1の上下方向におけるサドル面2aと同じかもしくはほぼ同じ位置にロッキングエッジ10を形成することによって、リング9とサドル面2aとの間の摩擦力によるモーメントを可及的に小さくすることができる。その結果、伝動ベルトBの運転時における摩擦損失を低減して伝動ベルトBの伝動効率を向上させることができる。
エレメント1の本体部2のベルト幅方向における中央部分には、各エレメント1がプーリ5に巻き掛からず直線状に配列されるベルト直線状態において、各エレメント1の相対的な位置を決めるためのボス11とホール12とが形成されている。具体的には、本体部2の前面2fに、外部に凸となる円錐台形状のボス11が形成されている。そして、このボス11とは反対側の後面2r(図2でのz軸方向における右側の面)に、内部に凹となって隣接するエレメント1におけるボス11を緩く嵌合させる有底の円筒形状のホール12が形成されている。
上記のように、エレメント1は、そのロッキングエッジ10よりも内周側(図1,図2では下側)にボス11およびホール12が形成され、かつこれらボス11およびホール12が形成されている部分の厚さが薄くなっており、そしてロッキングエッジ10よりも外周側(図1,図2では上側)の部分が厚くなっている。したがって、リング9が直線状に引っ張られている状態でエレメント1が直線状に配列されている状態では、各エレメント1は板厚の厚い部分で相互に接触するとともに、互いのボス11とホール12とが嵌合する。これに対して、リング9が湾曲した状態でそのリング9の湾曲状態に応じて各エレメント1が扇状に開いたように配列されている状態では、各エレメント1はそれぞれのロッキングエッジ10で互いに接触する。
したがって、ベルト直線状態でボス11とホール12とが嵌合することによって、その状態におけるエレメント1同士の図1での左右方向および上下方向における相対位置を決めることができる。そのため、プーリに巻き掛かった伝動ベルトBの走行時におけるがたつきを防止して、この伝動ベルトBによるベルト伝動装置を安定して運転することができる。
そして、この発明における伝動ベルトBは、エレメント1の開口凹部8内でのベルト幅方向におけるリング9の位置をセンタリングして、リング9の片当たりや偏摩耗を防止するために、リング9のベルト幅方向における左右の側端面9a,9b、もしくはエレメント1の開口凹部8のベルト幅方向における左右の内壁面6a,7aのいずれか一方に、左右の傾斜面13,14が形成されている。この図1に示す構成例では、リング9の左右の側端面9a,9bに、それぞれ、左右の傾斜面13,14が形成されている。
具体的には、リング9の両側端面9a,9bは、それぞれ、ベルト幅方向における中心面Cに対して面対称となる左右の傾斜面13,14として形成されている。そして、それら両傾斜面13,14は、それぞれ、中心面Cからの距離がベルト径方向での外周側から内周側へ向かうにしたがい長くなる向きに傾いた平面となっている。したがって、リング9は、図1に示すように、そのベルト周方向に垂直な断面の形状が、リング9の外周面を上底とし、リング9の内周面9iを下底とし、かつ上底よりも下底が長い等脚台形となるように形成されている。
一方、この発明における伝動ベルトBは、リング9のベルト幅方向における左右の側端面9a,9b、もしくはエレメント1の開口凹部8のベルト幅方向における左右の内壁面6a,7aのいずれか他方に、左右の接触平面15,16もしくは接触曲面19,20が形成されている。この図1に示す構成例では、開口凹部8の左右の内壁面6a,7aに、それぞれ、左右の接触平面15,16が形成されている。なお、上記の接触曲面19,20については、図6に示して後述する。
左右の接触平面15,16は、具体的には、上記のような両傾斜面13,14とそれぞれ傾きが等しくかつ両傾斜面13,14よりもエレメント1の厚さ寸法当たりの平面積が小さくなるように、開口凹部8の両内壁面6a,7aにそれぞれ形成されている。より具体的には、図3に拡大して示すように、リング9の傾斜面13,14におけるエレメント1の厚さ寸法当たりの平面積Aに対して、その平面積Aよりも小さい平面積Bの左右の接触平面15,16が、開口凹部8の両内壁面6a,7aにそれぞれ形成されている。
なお、エレメント1の厚さ寸法とは、図2において厚さTで示す寸法のことであり、ロッキングエッジ10よりも外周側の薄肉化されていない部分におけるエレメント1の最大板厚のことである。
そして、上記の両傾斜面13,14と両接触平面15,16とが、エレメント1の開口凹部8にリング9が嵌め込まれて収容された状態で、それぞれ互いに当接するようになっている。すなわち、上記のように両傾斜面13,14と両接触平面15,16とは、それぞれ対向する面同士の傾きが等しくなるように形成されているので、リング9の幅寸法、およびエレメント1の各部の形状・寸法を適宜調整して設定することにより、開口凹部8にリング9が嵌め込まれた状態で、それら両傾斜面13,14と両接触平面15,16とを、それぞれ互いに面接触させることができる。
具体的には、上記のように両傾斜面13,14と両接触平面15,16とがそれぞれ互いに面接触するように、リング9の全幅W、すなわちリング9の内周面9i側の最大幅寸法Wと、エレメント1の開口凹部8の開口幅D、すなわち開口凹部8の開口端側で対向する両内壁面6a,7aの間の最狭距離Dとが、それぞれ適宜に設定されている。
このように、リング9の両傾斜面13,14がテーパー面となるので、そのテーパー面のくさび作用により、開口凹部8内でのベルト幅方向におけるリング9の位置がセンタリングされる。そのため、リング9の両側端面9a,9bと凹部8の両内壁面6a,7aとがそれぞれ接触する部分での片当たりや偏荷重の発生を防止もしくは抑制することができる。
また、エレメント1の開口凹部8にリング9が嵌め込まれて収容された状態では、上記の両傾斜面13,14と両接触平面15,16とが互いに接触する部分の接触面積が、両傾斜面13,14におけるエレメント1の厚さ寸法当たりの平面積よりも小さくなる。その結果、それら両傾斜面13,14と両接触平面15,16とが互いに接触する部分、すなわちリング9の両側端面9a,9bと凹部8の両内壁面6a,7aとがそれぞれ接触する部分の接触面積が減少し、それらリング9とエレメント1との接触部分における摩擦抵抗が低下する。したがって、その摩擦による損失やリング9の摩耗を防止もしくは抑制することができる。
そして、上記の開口凹部8の開口幅Dは、リング9の全幅Wよりも狭くなっている。より具体的には、図3に拡大して示すように、開口凹部8の開口幅Dは、片側で距離d(すなわち、d=(W−D)/2)だけ短くなっている。ここで、リング9は、前述したように柔軟性もしくは可撓性を有する弾性材料によって構成されている。したがって、例えば図4に示すように、リング9のベルト幅方向での中央部分が外周側に凸となるようにリング9を湾曲させて、その湾曲させたリング9の外幅W’を開口凹部8の開口幅Dよりも狭くすることができる。
そのため、リング9とエレメント1とを組み付ける際には、上記のようにリング9を湾曲させることにより、そのリング9を開口凹部8の開口幅Dの個所を通過させて、開口凹部8内に嵌め込むことができる。そして、リング9を開口凹部8内に嵌め込んだ後に、リング9を当初の状態に戻すことにより、開口凹部8内において、開口凹部8の両内壁面6a,7aとリング9の両傾斜面13,14とをそれぞれ当接させ、同時にリング9を開口凹部8の両内壁面6a,7aに係止させて、開口凹部8からのリング9の離脱を防止することができる。すなわち、エレメント1とリング9とが組み付けられた状態を確実に維持することができる。
さらに、この発明における伝動ベルトBは、開口凹部8の左右の内壁面6a,7aに、それぞれ、左右の逃げスペース17,18が形成されている。この逃げスペース17,18は、開口凹部8に嵌め込まれたリング9が、ベルト幅方向に拡張する弾性変形をした場合に、その拡張部分を収容するための空間である。したがって、この逃げスペース17,18は、それぞれ、開口凹部8の両内壁面6a,7aの一部をベルト幅方向で側面3,4側に窪ませることにより形成されている。
例えば図5に示すように、開口凹部8に嵌め込まれて収容された状態のリング9に、厚さ方向で内周側を向いた荷重が作用してリング9が弾性変形すると、そのリング9が厚さ方向に偏平し、それに伴ってリング9の両側端面9a,9bがベルト幅方向に拡張する場合がある。通常時では、リング9は、その両側端面9a,9bすなわち両傾斜面13,14と、開口凹部8の両内壁面6a,7aとがそれぞれ当接した状態で開口凹部8に収容されている。そのため、開口凹部8に収容された状態のリング9がベルト幅方向に拡張するような弾性変形をすると、両傾斜面13,14と両内壁面6a,7aとの接触面圧が増大することになる。
それに対して、この発明における伝動ベルトBでは、上記のように両内壁面6a,7aに逃げスペース17,18が設けられているので、リング9の両側端面9a,9bがベルト幅方向に拡張したとしても、その拡張部分を逃げスペース17,18に収容させて、両傾斜面13,14と両内壁面6a,7aとの接触面圧が過剰に増大してしまうことを回避もしくは抑制することができる。そのため、リング9の両側端面9a,9bと開口凹部8の両内壁面6a,7aとの接触部分における摩擦による損失やリング9の偏摩耗を防止もしくは抑制することができる。
なお、上記の両逃げスペース17,18の形状・寸法や両内壁面6a,7aにおける形成位置等は、例えば、リング9の形状・寸法や材料の硬度、開口凹部8の形状・寸法、想定される荷重や発生応力などを考慮して、設計的あるいは実験的に適宜設定することができる。
また、上述した構成例では、リング9の左右の側端面9a,9bに、それぞれ左右の傾斜面13,14が形成され、開口凹部8の左右の内壁面6a,7aに、それぞれ両傾斜面13,14と面接触する左右の接触平面15,16が形成された構成を説明しているが、それとは反対に、この発明における伝動ベルトBは、開口凹部8の左右の内壁面6a,7aに、それぞれ左右の傾斜面13,14が形成され、リング9の左右の側端面9a,9bに、それぞれ両傾斜面13,14と面接触する左右の接触平面15,16が形成された構成とすることもできる。
さらに、この発明における伝動ベルトBは、上述した左右の接触平面15,16に替えて、リング9の左右の側端面9a,9b、もしくは開口凹部8の左右の内壁面6a,7aに、左右の接触曲面19,20が形成された構成とすることもできる。例えば図6には、開口凹部8の左右の内壁面6a,7aに、それぞれ左右の傾斜面13,14が形成され、リング9の左右の側端面9a,9bに、それぞれ左右の接触曲面19,20が形成された構成が示してある。
具体的には、この図6に示す構成例における開口凹部8の両内壁面6a,7aは、それぞれ、ベルト幅方向における中心面に対して面対称となる左右の傾斜面13,14として形成されている。そして、それら両傾斜面13,14は、それぞれ、中心面からの距離がベルト径方向での外周側から内周側へ向かうにしたがい長くなる向きに傾いた平面となっている。
一方、この図6に示す構成例におけるリング9の両側端面9a,9bには、それぞれ、開口凹部8の両傾斜面13,14と平行な平面を接面とする左右の接触曲面19,20が形成されている。すなわち、この図6に示す構成例では、開口凹部8にリング9を嵌め込んで収容させた状態では、開口凹部8の両内壁面6a,7aに形成された両傾斜面13,14が、接面としてリング9の両接触曲面19,20にそれぞれ当接することになる。したがって、言い換えると、この図6に示す構成例におけるリング9の両側端面9a,9bには、それぞれ、開口凹部8の両傾斜面13,14を接面とする左右の接触曲面19,20が形成されている。
この図6に示す構成例においても、上記の両内壁面6a,7aに形成された両傾斜面13,14と、リング9の両接触曲面19,20とが、エレメント1の開口凹部8にリング9が嵌め込まれて収容された状態で、それぞれ互いに当接するようになっている。すなわち、上記のように両傾斜面13,14と両接触曲面19,20とは、両傾斜面13,14がそれぞれ両接触曲面19,20の接面となるように形成されているので、リング9の幅寸法、およびエレメント1の各部の形状・寸法を適宜調整して設定することにより、開口凹部8にリング9が嵌め込まれた状態で、それら両傾斜面13,14と両接触曲面19,20とを、それぞれ互いに線接触させること、もしくは、実質的に狭い範囲で面接触させることができる。
このように、この図6に示す構成例においても、開口凹部8に形成された両傾斜面13,14が、いわゆるテーパー状のガイド面となるので、その部分のくさび作用により、開口凹部8内でのベルト幅方向におけるリング9の位置がセンタリングされる。そのため、リング9の両側端面9a,9bと凹部8の両内壁面6a,7aとがそれぞれ接触する部分での片当たりや偏荷重の発生を防止もしくは抑制することができる。
また、エレメント1の開口凹部8にリング9が嵌め込まれて収容された状態では、上記の両傾斜面13,14と両接触曲面19,20とが互いに接触する部分は、理論上では線接触することになる。したがって、弾性材料により形成されるリング9の変形を考慮した場合でも、それら両傾斜面13,14と両接触曲面19,20とが互いに接触する部分の接触面積は、両傾斜面13,14におけるエレメント1の厚さ寸法当たりの平面積よりも十分に小さくなる。そのため、この図6に示す構成例においても、リング9とエレメント1との接触部分における摩擦による損失やリング9の摩耗を防止もしくは抑制することができる。
以上のように、この発明における伝動ベルトBによれば、エレメント1と共にこの伝動ベルトBを構成するリング9が、例えば金属製のエレメント1よりも剛性が低いゴムや樹脂などの弾性材料により、その厚さ方向に単層で一体構造の環状部材として形成される。そのため、伝動ベルトBとして走行する際に、リング9の内部で滑りなどによる損失が発生することがないので、その分、伝動ベルトBの動力伝達効率を向上させることができる。
そして、この発明における伝動ベルトBでは、例えば、リング9の断面形状がベルト幅方向で左右対称となるように、リング9の両側端面9a,9bが傾斜面13,14として形成される。また、そのリング9を収容するエレメント1の開口凹部8の両内壁面6a,7aに、上記のリング9の両傾斜面13,14にそれぞれ接触する接触平面15,16もしくは接触曲面19,20が形成される。あるいは、エレメント1の開口凹部8がベルト幅方向で左右対称となるように、その開口凹部8の両内壁面6a,7aが傾斜面13,14として形成される。また、その開口凹部8に収容されるリング9の両側端面9a,9bに、開口凹部8の傾斜面13,14に接触する接触平面15,16もしくは接触曲面19,20が形成される。
したがって、この発明における伝動ベルトBによれば、リング9もしくはエレメント1に形成される左右の傾斜面13,14がテーパー面もしくはテーパー状のガイド面となる。そのため、開口凹部8にリング9が嵌め込まれると、両傾斜面13,14のテーパー部分のいわゆるくさび作用により、その開口凹部8内のベルト幅方向においてリング9がセンタリングされる。
さらに、開口凹部8にリング9が嵌め込まれた状態で両傾斜面13,14にそれぞれ対向する部分には、両傾斜面13,14よりもエレメントの板厚寸法当たりの平面積が小さい接触平面15,16もしくは接触曲面19,20が形成される。したがって、それら両接触平面15,16もしくは両接触曲面19,20と両傾斜面13,14とがそれぞれ互いに接触する部分の接触面積は、いずれも両傾斜面13,14のエレメントの板厚寸法当たりの平面積よりも小さくなる。そのため、リング9の両側端面9a,9bと開口凹部8の両内壁面6a,7aとがそれぞれ接触する部分での片当たりや偏荷重の発生を防止もしくは抑制することができ、その結果、それらリング9とエレメント1との接触部分における摩擦による損失やリング9の偏摩耗を防止もしくは抑制することができる。
なお、この発明は上述した具体例に限定されない。例えば上述した具体例では、この発明に係る押圧式伝動ベルトがベルト式無段変速機に適用された構成を例に挙げて説明しているが、この発明に係る押圧式伝動ベルトは、ベルト式無段変速機に限らず、ベルトとプーリとによって構成される他の巻き掛け伝動装置(ベルト伝動装置)における動力伝達用の押圧式の伝動ベルトとして適用することができる。

Claims (4)

  1. ベルト幅方向での中央部分にベルト径方向での外周側に開口する凹部が形成された多数の板片状のエレメントと、弾性材料により厚さ方向で単層に形成されるとともに前記エレメントを環状に整列させた状態で結束するために前記凹部に嵌め込まれる帯状のリングとを備えた押圧式伝動ベルトにおいて、
    前記リングの前記ベルト幅方向における左右の側端面に、前記ベルト幅方向での中心面に対して面対称となる左右の傾斜面が形成され、
    前記凹部の前記ベルト幅方向における左右の内壁面に、それぞれ、前記両傾斜面と傾きが等しくかつ前記両傾斜面よりも前記エレメントの板厚寸法当たりの平面積が小さい左右の接触平面もしくは前記両傾斜面を接面とする左右の接触曲面が形成されている
    ことを特徴とする押圧式伝動ベルト。
  2. ベルト幅方向での中央部分にベルト径方向での外周側に開口する凹部が形成された多数の板片状のエレメントと、弾性材料により厚さ方向で単層に形成されるとともに前記エレメントを環状に整列させた状態で結束するために前記凹部に嵌め込まれる帯状のリングとを備えた押圧式伝動ベルトにおいて、
    前記凹部の前記ベルト幅方向における左右の内壁面に、前記ベルト幅方向での中心面に対して面対称となる左右の傾斜面が形成され、
    前記リングの前記ベルト幅方向における左右の側端面に、それぞれ、前記両傾斜面と傾きが等しくかつ前記両傾斜面よりも前記エレメントの板厚寸法当たりの平面積が小さい左右の接触平面もしくは前記両傾斜面を接面とする左右の接触曲面が形成されている
    ことを特徴とする押圧式伝動ベルト。
  3. 前記両傾斜面は、いずれも前記中心面からの距離が前記ベルト径方向での外周側から内周側へ向かうにしたがい長くなる向きに傾いた平面を含む請求項1または2に記載の押圧式伝動ベルト。
  4. 前記両内壁面に、前記リングが前記ベルト幅方向に拡張する弾性変形をする際にその拡張部分を収容するための逃げスペースが更に形成されている請求項1ないし3のいずれかに記載の押圧式伝動ベルト。
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