JP4766064B2 - 無段変速機用ベルトのエレメントおよび無段変速機用ベルト - Google Patents

無段変速機用ベルトのエレメントおよび無段変速機用ベルト Download PDF

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Description

この発明は、プーリの巻き掛け溝に挟み込まれてトルクを伝達するベルトおよびそのベルトを構成するエレメントに関するものである。
車両用の無段変速機に用いられるベルトとして、ブロックもしくはエレメントと称される金属片を、多数、環状に配列し、それらの金属片をリングもしくはフープと称される金属製の帯状材によって結束した構成のものが知られている。この種のベルトは、互いに接触して配列されている金属片同士の押圧力によってトルクを伝達するように構成されたものであり、駆動側のプーリにおける巻き掛け溝に挟み込まれた金属片が、そのプーリが回転することによりその巻き掛け溝から順次押し出されて先行する金属片を押圧し、こうして前進させられる金属片が従動側のプーリにおける巻き掛け溝に進入することにより、金属片の進行に伴って従動側のプーリにトルクが伝達される。
このようなベルトの一例が特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載されたベルトは、左右両側面をプーリに接触させてそのプーリに挟み込まれるエレメントに相当する横断素子をリングに相当するバンド・パッケージによって結束して構成されており、その横断素子は、プーリに挟み付けられかつバンド・パッケージが巻き掛けられる第1の部分と、その第1の部分の幅方向での中央部に上方に向けて突出した状態に形成された第2の部分と、その第2の部分の上端部に左右方向に延びて形成された第3の部分とを備えている。すなわち第1の部分は、リングを巻き掛けるサドル面を備えたいわゆる本体部に相当し、また第2の部分は、サドル面の上方に突出したいわゆる首部に相当し、さらに第3の部分は、サドル面の上方を一部覆ういわゆる抜け止め部に相当している。そして、特許文献1に記載されたベルトでは、首部の左右両側面をその中心側に窪ませた窪み部が形成されている。この窪み部は、内面が一定の曲率の凹円弧面をなすように形成されており、リングの側部が首部に干渉することを防止し、また応力ピークを予防するためのものとされている。
特開2002−39280号公報
上述した特許文献に記載されたベルトにおける窪み部は、応力ピークを予防する機能を果たすものであるから、その内面の曲率半径は、想定される応力に応じて大きい半径とすることになる。したがって確実に応力ピークを解消するためには大きい曲率半径の窪み部を形成することになるが、その窪み部は、首部の左右両側面とサドル面の一部ならびに抜け止め部の下面の一部をえぐり取って形成されているから、窪み部の曲率半径を大きくすると、首部が細くなってしまう。
そこで、首部の実質的な太さ(実質的な幅)を十分に確保した状態で窪み部の曲率半径を大きくすることが考えられるが、そのようにすると、サドル面の幅や抜け止め部の幅を確保するためにエレメントの全体の幅を大きくせざるを得なくなり、ひいてはベルト全体が大型化する可能性がある。すなわち、特許文献1に記載された構成では、ベルト全体の大型化を避けるために窪み部の曲率半径を小さくすれば、応力ピークを解消することが困難になり、大型化の回避と強度もしくは耐久性の向上とを両立させることが困難である。
また、特許文献1に記載されている第3の部分は、リングの上面(外周面)を接触させてリングが外れること、あるいはエレメントがリングから外れることを防止するための抜け止め部となっている。このようにリングが抜け止め部に強く接触する状態は、エレメントがプーリの巻き掛け溝から抜け出る際に生じることが多い。その場合、首部に相当する前記第2の部分に曲げ荷重が作用することがあるが、特許文献1に記載された発明では、そのような曲げ荷重に対する強度の向上や耐久性の向上についての対策は何ら施されていない。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、大型を回避しつつ強度あるいは耐久性を向上させることを目的しており、特に首部の根本部分の応力集中を緩和して強度あるいは耐久性を向上させることのできる無段変速機用ベルトおよびそのエレメントを提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、姿勢を揃えて環状に配列された状態でサドル面に挿通させて配置したリングによって結束され、かつ前記サドル面上の前記リングの側縁部の一部を覆う抜け止め部が前記サドル面からその上方に延びた首部を介して一体に形成された無段変速機用ベルトのエレメントにおいて、前記サドル面と前記首部の側面とが交差するコーナ部に前記サドル面側に窪ませた凹部が形成され、その凹部の内面は、前記首部の側面に滑らかに繋がるとともに前記凹部の底面部分に到らない範囲に形成されかつ相対的に曲率半径が大きい第1内面と、該第1内面に滑らかに連続して前記凹部の底面部分を形成しかつ曲率半径が相対的に小さい第2内面とを備えていることを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、リングを挿通して配置させるサドル面と、そのサドル面から上方に延びた状態に一体に形成された首部と、その首部の先端部に前記サドル面上の前記リングの側縁部の一部を覆うように一体に形成された抜け止め部とを備えた多数のエレメントを、相互に姿勢を揃えて環状に配列した状態で前記サドル面に挿通させて配置したリングによって結束してなる無段変速機用ベルトにおいて、その凹部の内面は、前記首部の側面に滑らかに繋がるとともに前記凹部の底面部分に到らない範囲に形成されかつ相対的に曲率半径が大きい第1内面と、該第1内面に滑らかに連続して前記凹部の底面部分を形成しかつ曲率半径が相対的に小さい第2内面とを備えているエレメントであることを特徴とするものである。
この発明によるエレメントおよびそれを用いたベルトにおいては、エレメントを結束しているリングの側縁部がサドル面と抜け止め部との間に挿入されているので、エレメントがリングの外周側に相対移動することが阻止されるだけでなく、エレメントをリングの内周側に移動させる荷重が生じた場合には抜け止め部がリングに引っ掛かることによりそのような相対移動が阻止される。その場合、抜け止め部に対してこれをサドル面とは反対方向に押す荷重が生じ、それに伴って首部に曲げ荷重が作用する。それに伴う曲げ応力が最も大きくなるのは、首部の根本部分すなわちサドル面との間のコーナ部である。また、エレメントの左右両側面にはプーリとの間のトルク伝達に伴うベルト進行方向の荷重が作用し、これに対してリングが接触しているサドル面には、反対方向の荷重が作用する。その結果、エレメントに対して厚さ方向の曲げ応力が作用し、特に断面積が大きく変化するサドル面と首部との境界部分での曲げ応力が大きくなる。このような曲げ応力が作用する前記コーナ部に凹部が形成されており、その凹部の内面は、首部の側面に連続する部分の曲率半径が大きく、それに続く部分すなわちサドル面側の部分の曲率半径が相対的に小さくなっている。そのため、首部の根本部分での応力集中係数が相対的に小さくなり、首部を特に太くし、あるいは幅を広くするなどのことなく、その強度を向上させ、また耐久性を向上させることができる。
つぎに、この発明をより具体的に説明する。先ず、この発明で対象とするベルトについて説明すると、この発明で対象とするベルトは、無段変速機に使用されるものであり、プーリの外周部に形成された断面V字状の巻き掛け溝の内部に挟み込まれ、その結果、プーリとの間で生じる摩擦力でトルクを伝達するように構成されている。その一例を図4に模式的に示してあり、ベルト1は無段変速機を構成している駆動プーリ2と従動プーリ3とに巻き掛けられている。これらの各プーリ2,3は、テーパ面をそれぞれ備えた固定シーブと可動シーブとを対向させて配置することにより、これらのシーブの間に断面V字状の巻き掛け溝4が形成され、その可動シーブを油圧シリンダなどのアクチュエータ5によって固定シーブに対して前後動させることにより、巻き掛け溝4の幅を変化させるように構成されている。
このようにして使用されるこの発明で対象とするベルトは、全体として環状をなし、かつ両側面がV字状もしくはテーパ状をなすように、多数のエレメントをリングで環状に結束して構成されている。上記の図4に示すベルト1を構成しているエレメント6の例を図2に示してある。このエレメント6は、金属製の板片であり、同一の形状および寸法のものが、姿勢を揃えて円環状に配列される。したがって、各エレメント6が平行に並ばずにベルト1の曲率中心を中心として扇状(放射状)にいわゆる開いた状態に配列される箇所が必ず生じる。
各エレメント6を互いに接触させた状態で扇状に開いた配列を可能にするために、エレメント6にはロッキングエッジ7が形成されている。このロッキングエッジ7は、具体的には、エレメントの厚さが変化する境界線もしくは境界領域であり、エレメント6の高さ方向でのほぼ中央部に幅方向(プーリの回転中心軸線と平行な方向)に延びて形成されている。すなわち、ベルト1がプーリ2,3に巻き掛かった状態では、エレメント6の上側(ベルト1としては外周側)の周長が長くなるので、エレメント6同士の間隔が広くなり、これとは反対にエレメント6の下側(ベルト1としては内周側)の周長が短くなるので、エレメント6同士の間隔が狭くなる。そのため、エレメント6の下側の部分は、下端側で薄くなるように構成されており、このように板厚がエレメントの上側と下側とで変化する箇所がロッキングエッジ7となっている。したがって、各エレメント6は、ロッキングエッジ7を中心にして板厚方向に回転し、すなわちピッチングが生じて、上記のように扇状に開くようになっている。なお、このロッキングエッジ7は表裏両面のいずれか一方に形成されていればよい。
また、各エレメント6にはリング8を載せる(配置させる)サドル面9が形成されている。そのサドル面9には、多数のエレメント6を結束しているリング8が接触しているので、ベルト1がトルクを伝達している状態ではその接触圧が大きくなるのに対して、エレメント6が直線状に配列されている状態からプーリ2,3に巻き掛かって扇状に開く場合にはリング8とサドル面9との間に摺動が生じ、それに伴って大きい摩擦力が生じる。この摩擦力によるモーメントが大きくならないように、サドル面9は前述したロッキングエッジ7に可及的に近い位置に形成されている。より具体的にはサドル面9より図2での上側の板厚が厚く、下側が薄くなっているので、サドル面9を左右両方向に延長した位置もしくはこれより僅かに下側の位置がロッキングエッジ7となっている。したがって、サドル面9は各エレメント6の上下方向での中間部(あるいはほぼ中央部)に形成されている。
この発明で対象とするベルト1におけるリング8は、薄い金属帯を積層して構成され、前記サドル面9に配置されてエレメント6を結束するように構成されている。図2にはそのリング8を二条(二本)サドル面9上に並列に配置した例を示してあるが、この発明においてはリング8は一条(一本)であってもよく、その数は問わない。図2に示す例では、サドル面9は、並列させて配置した二条のリング8の幅以上の幅に形成されている。
この発明に係るベルトにおいても、リングは、サドル面に載っていて、各エレメントが環状の配列を維持するように各エレメントを結束し、各エレメントが半径方向で外側に離脱しないように作用するが、これだけでなく、エレメントがプーリの巻き掛け溝から送り出される際にエレメントを巻き掛け溝から引き抜く作用も行う。そのため、リングがエレメントから半径方向で外側に抜け出ないようにするために、リングをサドル面との間に挟んだ状態に保持するフック部が設けられている。
その例を説明すると、図2において、エレメント6の左右両側に、サドル面9から上方向に延びてサドル面9の上側の一部を覆うフック部10が設けられている。このフック部10は、図2に示すように、サドル面9から図2での上方に延び出ている首部10aとその首部10aから幅方向での中心側に向けて延びて前記サドル面9の両側部を覆う抜け止め部10bとから構成されている。したがって、フック部10は、サドル面9に並列に配置したリング8の左右の側縁部を、抜け止め部10bとサドル面9との間に緩く挟み込むようになっている。
その抜け止め部10bに図2での上向きの荷重が作用した場合、抜け止め部10bと首部10aとの境界部分や首部10aの根本部分に曲げ応力が作用する。特に図2に示す形状のエレメント6では、首部10aの根本部分がトルク伝達面である左右両側面11,12とサドル面9との間の幅の狭い部分であり、ここに、リング8が抜け止め部10bを図2の上方向に押し上げることによる曲げ応力とプーリ2(もしくは3)およびリング8による面方向での相反する方向の荷重による曲げ応力とが作用する。さらに、首部10aの背面や抜け止め部10bの背面もトルク伝達面となっていて巻き掛け溝4の内面4Aに接触してエレメント6の幅方向での中央部に向けた曲げ荷重を受け、その結果、首部10aの根本部分に大きい曲げ応力が生じる。このような曲げ応力は、サドル面9と首部10aの側面とのコーナ部13に引っ張り応力あるいは圧縮応力として作用するので、その応力の集中を回避もしくは抑制して耐久性を向上させるために、図1に示す形状の凹部14が形成されている。
図1にはサドル面8と首部10aの側面15とのコーナ部13のうち図2での左側のコーナ部13を拡大して示してある。この凹部14は、首部10aの根本部分に隣接するサドル面9側の部分をサドル面9側に窪ませて形成されており、その内面は、首部10aの側面15とサドル面9とを滑らかに繋ぐ曲面となっている。そして特に、首部10a側の第1内面14aは、相対的に大きい曲率半径R1の凹曲面であって、平坦面である首部10aの側面15に滑らかに繋がっている。すなわち、第1内面14aの首部10a側の端部における接線が首部10aの側面15に一致している。また、第1曲面14aは凹部14の底面部分に到らない範囲で形成されている。
第1内面14aに続く第2内面14bは、第1内面14aより小さい曲率半径R2の凹曲面であって、凹部14の底面部分を形成している。これら第1内面14aと第2内面14bとは滑らかに繋がっており、それらの繋ぎ部分での接線が互いに一致している。第2内面14bのサドル面9側の端部は、直接サドル面9に繋がっていてもよいが、鋭利なエッジ部が生じないように、凸曲面16を介してサドル面9に繋がっている。なお、第2内面14bと凸曲面16との間に、曲率半径が更に小さい凹曲面を介在させてもよい。
なお、この発明において、前記凹部14の首部10a側の開始位置は、サドル面9を首部10a側に延長して首部10aの側面15に交差した位置もしくはその近傍であり、サドル面9にクラウニングが施されて凸曲面となっている場合には、その頂部を通る平面と首部10aの側面15との交差位置もしくはその近傍である。そして、この発明で第1内面14aの曲率半径R1は、第2内面14bの曲率半径R2より大きければよいので、曲率半径が連続的に変化する楕円の一部の形状と同様の曲面を含む。さらに、前記第1内面14aの範囲は、その曲率中心での中心角度として45°以上の範囲である。
前述したフック部10の先端部同士すなわち抜け止め部10b同士は離れていて、ここにサドル面9に対する開口部17が形成されている。そのフック部10同士の間隔、言い換えればサドル面9の開口幅は、一本のリング8の幅より広く、かつ二本のリング8の幅を合算した寸法より小さくなっている。
さらに、各エレメント6の左右両側面(すなわちフランク面)11,12は、プーリ2(または3)における巻き掛け溝4の内面4Aに接触してトルクの伝達を行う面であり、巻き掛け溝4の内面4Aと平行になっている。なお、図2で符号18はディンプルを示し、前記ロッキングエッジ7より下側の正面もしくは背面側に形成された凸部であり、これとは反対側には、ディンプル18が緩く嵌合する凹部としてのホール(図示せず)が形成されている。これらディンプル18とホールとが互いに嵌合することによりエレメント6の整列状態を維持するようになっている。
したがって、図1に示す多数のエレメント6をそれぞれの姿勢を揃えて環状に配列し、その状態でサドル面9に二条のリング8を開口部17から挿入して組み付けることにより、それらのエレメント6が環状に結束される。こうして構成されたベルト1は、図4に示すように、各プーリ2,3の巻き掛け溝4に巻き掛けられ、その状態で各エレメント6がプーリ2,3によって挟み付けられる。そして、駆動プーリ2が回転することにより、その巻き掛け溝4に挟み込まれているエレメント6にこれを前進させる推力が作用し、このようにして先行するエレメント6が後続のエレメント6に押されて前進する。また、従動プーリ3では、その巻き掛け溝4に挟み込まれているエレメント6が後続のエレメント6に押されるので、巻き掛け溝4に挟み込まれているエレメント6によって従動プーリ3が押されて回転する。
上記のようにしてベルト1を介して駆動プーリ2から従動プーリ3にトルクを伝達している状態では、プーリ2,3とエレメント6の左右両側面11,12との間に作用するエレメント6の厚さ方向(面方向)の荷重と、サドル面9とリング8との間に作用するエレメント6の厚さ方向(面方向)の荷重との方向が反対になっているので、エレメント6にはこれを面方向に曲げる応力が作用する。また、各エレメント6は各プーリ2,3の巻き掛け溝4に強く挟み込まれているから、首部10aにはこれを内側(エレメント6の幅方向での中心側)に倒す向きの荷重が作用し、それに伴って首部10aの根本部分に大きい曲げ応力が作用する。
また、ベルト1がプーリ2,3の接線方向に走行する位置すなわちエレメント6がプーリ2,3の巻き掛け溝4から抜け出る位置では、エレメント6がプーリ2,3の巻き掛け溝4に挟み込まれてプーリ2,3と共に回転し続けようとするのに対して、リング8がプーリ2,3の接線方向に延びているので、各エレメント6におけるフック部10がリング8の外周面に引っ掛かり、エレメント6はリング8によって巻き掛け溝4から引き抜かれる。したがって、この状態では、フック部10に対して図2の上方向に荷重が作用し、それに伴って前記首部10aの根本部分に大きい曲げ応力が作用する。
その首部10aの根本部分のコーナ部13には、首部10aの側面15とサドル面9とを滑らかな曲面で繋ぐ凹部14が形成されているので、上述のようにして生じる応力の集中が緩和されている。特に、フック部10を押し上げるように作用する荷重によって生じる曲げ応力や首部10aを内側に倒す方向の荷重で生じる曲げ応力は、首部10aの根本部分(例えば図1に符号aで示す範囲の部分)で大きくなるのに対して、その部分における凹部14の内面は、曲率半径R1が相対的に大きい第1内面14aであるから、応力集中が効果的に緩和もしくは防止される。したがってこの発明に係るエレメント6あるいはこれを使用した無段変速機用のベルト1によれば、首部10aの太さあるいは幅を大きくすることなくその実質的な強度を増大させることができるので、エレメント6あるいはベルト1の大型化を防止もしくは抑制しつつその耐久性を向上させることができる。
また、凹部14の内面の全体を大きい曲率半径の曲面にせずに、首部10a側の一部を大きい曲率半径の曲面とし、サドル面9側を曲率半径の小さい曲面としたので、凹部14の全体が大きいものとならず、したがってエレメント6の幅を大きくすることなく、サドル面9の広さを確保できる。特に曲率半径が相対的に大きい第1内面14aを、凹部14の底面部分に到らない範囲で形成すれば、凹部14が特には深くならず、したがってエレメント6がプーリ2,3によって挟み付けられる挟圧力に対する強度が低下することを防止もしくは抑制することができる。
なお、この発明は図2に示す形状のエレメント6あるいはこれを使用したベルト1に限られないのであって、前述した特許文献1に記載されているように首部を幅方向での中央部に形成したエレメントおよびこれを使用したベルトにも適用することができる。図3はこの発明を適用することのできるエレメントの他の例を示しており、ここに示すエレメント20は、プーリの巻き掛け溝に挟み込まれる基体部21を備え、その両側面(フランク面)22は巻き掛け溝の内面と平行な傾斜面もしくはテーパ面となっている。その基体部21の幅方向での中央部に、図3での上側に突出した首部23が形成され、基体部21の上面のうちその首部23を挟んだ両側の部分が、リングを載せるサドル面24となっている。
そのサドル面24と首部23の側面23aとのコーナ部25に、前述した図1に示す形状と同様の凹部14が基体部21と一体に形成されている。すなわち、首部23の側面23aに滑らかに繋がっている、曲率半径R1が相対的に大きい凹曲面である第1内面14aと、その第1内面14aに滑らかに繋がりかつ曲率半径R2が相対的に小さい第2内面14bとを備えた凹部14が形成されている。その首部23の上部には、図3での左右方向に突出してサドル面24の一部を覆っている頂部26が一体に形成されている。したがって、この頂部がこの発明における抜け止め部に相当している。そして、ディンプル27が頂部26のほぼ中央部に形成され、その背面側に図示しないホールが形成されている。
図3に示す形状のエレメント20を使用したベルトであっても、そのエレメント20がプーリの巻き掛け溝から抜け出る際にリングが頂部26に引っ掛かってエレメント20を巻き掛け溝から引き抜く作用が生じるので、その際に首部23に曲げ荷重が作用し、その根本部分の曲げ応力が大きくなる。その場合であっても、凹部14における首部23の第1内面14aの曲率半径を大きくしてあることにより、曲げ応力が大きくなる部分での応力集中を緩和もしくは防止できる。その結果、図3に示す形状のエレメント20あるいはこれを使用したベルトにこの発明を適用すれば、首部23の太さあるいは幅を大きくすることなくその実質的な強度を増大させることができるので、エレメント20あるいはベルトの大型化を防止もしくは抑制しつつその耐久性を向上させることができる。
なお、この発明は上述した各具体例に限定されないのであって、エレメントを結束するリングは一条(一本)あるいは三条(三本)以上のいずれであってもよい。また、そのリングは特許文献1に記載されているように薄い金属製帯状材を積層したものが好ましいが、単層のリングであってもよい。さらに、この発明における凹部を形成する凹曲面は、前述した第1内面と第2内面との二面である必要はなく、滑らかに繋いだ、曲率半径の異なる三つ以上の凹曲面で形成されたいわゆる複合R部として構成してもよい。
この発明による凹部の形状の一例を拡大して示す部分図である。 この発明に係るエレメントの一例を示す正面図である。 この発明を適用できる他の形状のエレメントを示す正面図である。 この発明で対象とするベルトを用いた無段変速機の模式図である。
符号の説明
1…ベルト、 2…駆動プーリ、 3…従動プーリ、 4…巻き掛け溝、 6,20…エレメント、 8…リング、 9,24…サドル面、 10…フック部、 10a,23…首部、 10b…抜け止め部、 13,25…コーナ部、 14…凹部、 14a…第1内面、 14b…第2内面、 15…側面、 21…基体部、 26…頂部。

Claims (2)

  1. 姿勢を揃えて環状に配列された状態でサドル面に挿通させて配置したリングによって結束され、かつ前記サドル面上の前記リングの側縁部の一部を覆う抜け止め部が前記サドル面からその上方に延びた首部を介して一体に形成された無段変速機用ベルトのエレメントにおいて、
    前記サドル面と前記首部の側面とが交差するコーナ部に前記サドル面側に窪ませた凹部が形成され、
    その凹部の内面は、前記首部の側面に滑らかに繋がるとともに前記凹部の底面部分に到らない範囲に形成されかつ相対的に曲率半径が大きい第1内面と、該第1内面に滑らかに連続して前記凹部の底面部分を形成しかつ曲率半径が相対的に小さい第2内面とを備えていることを特徴とする無段変速機用ベルトのエレメント。
  2. リングを挿通して配置させるサドル面と、そのサドル面から上方に延びた状態に一体に形成された首部と、その首部の先端部に前記サドル面上の前記リングの側縁部の一部を覆うように一体に形成された抜け止め部とを備えた多数のエレメントを、相互に姿勢を揃えて環状に配列した状態で前記サドル面に挿通させて配置したリングによって結束してなる無段変速機用ベルトにおいて、
    前記エレメントは、前記サドル面と前記首部の側面とが交差するコーナ部に前記サドル面側に窪ませた凹部が形成され、かつその凹部の内面は、前記首部の側面に滑らかに繋がるとともに前記凹部の底面部分に到らない範囲に形成されかつ相対的に曲率半径が大きい第1内面と、該第1内面に滑らかに連続して前記凹部の底面部分を形成しかつ曲率半径が相対的に小さい第2内面とを備えているエレメントであることを特徴とする無段変速機用ベルト。
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