JP2005273806A - 組み立て式vベルト - Google Patents

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一浩 水宮
Takeshi Kawase
武司 川瀬
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Abstract

【課題】無終端バンドを掛ける平板エレメントの首部にくびれ部を設定することなく、バンドの摩耗を防止する。
【解決手段】(a)のエレメント11cの左側サドル面17と首部14との間に、一方のバンド12の一側縁12aをサドル面17から逃がす逃げ溝18を設け、この逃げ溝18とサドル面17とを連続に繋ぐ円弧部19とを形成する。他方のバンド12に係わる右側サドル面17は、17aで示すように延長させ、この延長に当たっては、他方のバンド12に近い首部14の側面から、エレメント中心までの幅をW3/2で示すように、反対側の幅W1/2よりも、首部14の全長に亘り細くする。(b)のエレメント11dは、一点鎖線で示すエレメント中心の周りにエレメント11cを反転させた構成とし、これらエレメントを(c)のように交互に重ねて無終端形状に連続配置し、これらエレメントのサドル面17にバンド12を掛けてVベルトを組み立る。
【選択図】図6

Description

本発明は、Vベルト式無段変速機などに用いるのに有用な組み立て式Vベルトの改良提案に関するものである。
組み立て式Vベルトとしては通常、特許文献1に記載のように、プーリV溝の対向円錐面にそれぞれ摩擦接触する傾斜側面を有した略V形の平板エレメントを多数個、無終端形状に連続配置し、これら平板エレメントのサドル面に無終端バンドを掛けて構成するのが普通である。
そして図7にも示すように、無終端バンドaの一側縁bに応力集中が起きるのを緩和するため、これをサドル面cから逃がす逃げ溝dを平板エレメントeに形成し、平板エレメントeには更に、これらサドル面cおよび逃げ溝d間を所定の曲率で連続させる円弧部fを形成する技術が特許文献1に示唆されている。
ところで図7の構成では、無終端バンドaの一側縁bがサドル面cと円弧部fとの間における境界部gから円弧部fを越えて逃げ溝dの上方まで大きく張り出していたため、以下の問題を生ずる。
つまり、サドル面cと接する無終端バンドaの領域は、サドル面cがバンド自動調心用に中高のクラウニング形状に形成されているため、これからの法線力を受けてサドル面cのクラウニング形状に沿うようバンド幅方向に大きく湾曲されるのに対し、上記の大きな張り出し部はサドル面cから外れていてこれからの法線力を受けないためさほどバンド幅方向に湾曲されない。
このため無終端バンドaが、サドル面cと接してバンド幅方向に大きく湾曲される領域と、バンド幅方向にさほど湾曲されることのない張り出し部との境界部において、サドル面cから局部的に大きな面圧を受け、ここでの摩耗の進行が他の部分よりも速くなるため、無終端バンドaに摩耗しにくい高価な材料を用いざるを得ないという問題があった。
そこで特許文献1には、図7につき前述したと同様な図8(a)に示す平板エレメントe1の他に、図8(b)に示すごとく無終端バンドaを常時支え続け得るようサドル面cを首部h(図7も参照)に向け延長させ、このように延長させたサドル面cと首部hとの交差隅角部に無終端バンドaの一側縁bが衝突して損傷されることのないよう、首部hの側面に無終端バンド一側縁b用の逃げ部iを形成した平板エレメントe2を用意し、これら平板エレメントe1,e2を図8(c)に示すように混在させる技術が提案されている。
この技術によれば、無終端バンドaが常時全幅に亘り平板エレメントe2のサドル面cにより支持されることとなって、無終端バンドaがバンド幅方向の湾曲量を急変される箇所を持たず、この湾曲量急変部がサドル面cから局部的に大きな面圧を受けて局部摩耗するという問題がないため、無終端バンドaに高価な材料を用いる必要がない。
特開2002−286099号公報
しかし、従来のように首部hの側面に無終端バンド一側縁b用の逃げ部iを形成した平板エレメントe2を用いるのでは、該平板エレメントe2の首部hが幅を本来のW1からW2へと急減されたくびれ部を持つこととなり、この幅狭くびれ部に応力が集中しても強度が低下しないようにするため平板エレメントe2の大型化を免れない。
本発明は、首部の幅が全長に亘って同じであれば、上記のごとく無終端バンド一側縁の逃げを実現するための幅の減少程度なら、首部の強度低下がほとんど問題になることがないとの事実認識にもとづき、
この着想を実現して、首部に幅が急減するくびれ部を設定することなく、従って、応力集中箇所の発生なしに無終端バンド一側縁の逃げ部を設定し得るようにした組み立て式Vベルトを提案することを目的とする。
この目的のため、本発明による組み立て式Vベルトは、請求項1に記載のごとくに構成する。
先ず本発明の前提となる組み立て式Vベルトを説明するに、これは、
プーリV溝の対向円錐面にそれぞれ摩擦接触する傾斜側面を有して略V形を成す平板状のV形本体部と、該V形本体部の幅広側外側面の中程に突設した首部との一体結合に成る平板エレメントを多数個、無終端形状に連続配置して具え、
前記首部を挟んでその両側における前記V形本体部の幅広側外側面に設定したサドル面に無終端バンドを掛けて構成したものである。
そして、かかる組み立て式Vベルトにおける平板エレメントは、
前記サドル面と前記首部との間において前記V形本体部の幅広側外側面に、前記無終端バンドの一側縁を前記サドル面から逃がす逃げ溝と、これらサドル面および逃げ溝間を所定の曲率で連続させる円弧部とを形成した第1平板エレメント、および、
この第1平板エレメントの前記首部に前記無終端バンドの一側縁が接しても無終端バンドを全幅に亘り支え続けるよう前記首部を全長に亘り細くしてサドル面を延長させた第2平板エレメント
の2種類の平板エレメントよりなり、これら第1および第2平板エレメントを前記無終端形状に連続配置したことを特徴とするものである。
同じ目的のため、本発明による組み立て式Vベルトは、請求項2に記載のごとくに構成することもできる。
前提となる組み立て式Vベルトを請求項1におけると同じものとするが、
平板エレメントは、
一方の無終端バンドに係わる前記サドル面と前記首部との間において前記V形本体部の幅広側外側面に、該一方の無終端バンドの一側縁を前記サドル面から逃がす逃げ溝と、これらサドル面および逃げ溝間を所定の曲率で連続させる円弧部とを形成され、他方の無終端バンドが前記首部に最接近しても該他方の無終端バンドを全幅に亘り支え続けるよう前記首部を全長に亘り細くして該他方の無終端バンドに係わるサドル面を延長させた第3平板エレメント、および、
前記他方の無終端バンドに係わる前記サドル面と前記首部との間において前記V形本体部の幅広側外側面に、該他方の前記無終端バンドの一側縁を前記サドル面から逃がす逃げ溝と、これらサドル面および逃げ溝間を所定の曲率で連続させる円弧部とを形成され、前記一方の無終端バンドが前記首部に最接近しても該一方の無終端バンドを全幅に亘り支え続けるよう前記首部を全長に亘り細くして該一方の無終端バンドに係わるサドル面を延長させた第4平板エレメント
の2種類の平板エレメントよりなり、これら第3および第4平板エレメントを交互に配して前記無終端形状に連続配置したものである。
請求項1に記載の本発明による組み立て式Vベルトによれば、
第1平板エレメントの逃げ溝が、無終端バンドの一側縁をサドル面から逃がしてこの無終端バンド一側縁に応力集中が起きるのを防止し、
第1平板エレメントの円弧部が、サドル面および逃げ溝間を所定の曲率で連続させることにより、ここから無終端バンドに大きな応力が作用するのを防止して、
無終端バンドの摩耗を防止することができる。
他方で第2平板エレメントの延長させたサドル面は、第1平板エレメントの首部に無終端バンドの一側縁が接しても無終端バンドを全幅に亘り支え続けるため、
無終端バンドがバンド幅方向の湾曲量を急変される箇所を持たないこととなり、この湾曲量急変部がサドル面から局部的に大きな面圧を受けて局部摩耗するという前記の問題を解消することができる。
更に、上記サドル面の延長に際し、首部を全長に亘り細くして当該サドル面の延長を実現するから、
首部に幅が急減するくびれ部を設定することなく、サドル面の延長が実現されることとなり、首部に応力集中する箇所が存在せず、Vベルトの大型化を防止することができる。
請求項2に記載の本発明による組み立て式Vベルトによれば、
第3平板エレメントおよび第4平板エレメントの逃げ溝がそれぞれ、対応する無終端バンドの一側縁をサドル面から逃がしてこれら無終端バンドの一側縁に応力集中が起きるのを防止し、
第3平板エレメントおよび第4平板エレメントの円弧部がそれぞれ、対応するサドル面および逃げ溝間を所定の曲率で連続させることにより、ここから対応する無終端バンドに大きな応力が作用するのを防止して、
Vベルトの耐久性を向上させることができる。
他方で、第3平板エレメントおよび第4平板エレメントの延長させたサドル面はそれぞれ、第4平板エレメントおよび第3平板エレメントの首部に、対応する無終端バンドの一側縁が接するよう無終端バンドが首部に最接近してもこの無終端バンドを全幅に亘り支え続けるため、
無終端バンドがバンド幅方向の湾曲量を急変される箇所を持たないこととなり、この湾曲量急変部がサドル面から局部的に大きな面圧を受けて局部摩耗するという前記の問題を解消することができる。
更に、上記サドル面の延長に際し、首部を全長に亘り細くして当該サドル面の延長を実現するから、
首部に幅が急減するくびれ部を設定することなく、サドル面の延長が実現されることとなり、首部に応力集中する箇所が存在せず、Vベルトの大型化を防止することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
図1および図2は、本発明の一実施例になる組み立て式Vベルト1を用いたVベルト式無段変速機の概略を示し、このVベルト式無段変速機はプライマリプーリ2およびセカンダリプーリ3を両者のV溝が整列するよう配して具え、これらプーリ2,3のV溝間に本実施例になる組み立て式Vベルト1を掛け渡す。
プライマリプーリ2には図1に矢印により示すごとく、図示せざる前後進切り替え機構を経てエンジン回転を入力し、プライマリプーリ2からVベルト1を経てセカンダリプーリ3に達した回転は図1に矢印で示すごとく、図示せざるファイナルドライブギヤ組およびディファレンシャルギヤ装置を経て車輪に至るものとする。
上記の動力伝達中にプライマリプーリ2およびセカンダリプーリ3間における回転伝動比(変速比)を変更可能にするために、プライマリプーリ2およびセカンダリプーリ3のV溝を形成するフランジのうち一方を固定フランジ2a,3aとし、他方のフランジ2b,3bを軸線方向へ変位可能な可動フランジとする。
これら可動フランジ2b,3bはそれぞれ、ライン圧を元圧として作り出したプライマリプーリ圧およびセカンダリプーリ圧をプライマリプーリ室2cおよびセカンダリプーリ室3cに供給することにより固定フランジ2a,3aに向け附勢し、これによりVベルト1をプーリフランジに摩擦係合させてプライマリプーリ2およびセカンダリプーリ3間での前記動力伝達を可能にする。
なお変速に際しては、目標変速比に対応させて発生させたプライマリプーリ圧およびセカンダリプーリ圧間の差圧により両プーリ2,3のV溝幅を変更して、これらプーリ2,3に対するVベルト1の巻き掛け円弧径を連続的に変化させることで目標変速比を実現することができる。
組み立て式Vベルト1は図2に示すように、多数の平板エレメント11と、これら平板エレメント11に掛けた無終端積層バンド12とで以下のごとくに構成する。
各平板エレメント11は図3に明示するように、
プライマリプーリ2およびセカンダリプーリ3のプーリV溝を形成する対向円錐面2d,3d(図1および図2参照)にそれぞれ摩擦接触する傾斜側面13a,13bを有して図3(b)に示すごとく略V形を成す平板状のV形本体部13と、
該V形本体部13のプーリ径方向外方における幅広側外側面13cの中程に突設した首部14と、
ベルト走行方向に見て図3(b)に示すごとく略三角形を成すよう首部14の先端に設けられた平板状の三角頭部15との一体結合により構成する。
上記の平板エレメント11は多数個を、図1および図2のごとく無終端形状に連続配置する。
そして、これら平板エレメント11の首部14を挟んでその両側に図3(a),(b)に示すごとく三角頭部15およびV形本体部13により形成されたスリット部16にそれぞれ、図1および図2のごとく上記の無終端積層バンド12を挿入し、無終端積層バンド12の内周面を、首部14の両側におけるV形本体部13の幅広側外側面13cに設定したバンド幅方向中高のクラウニング形状としたサドル面17に掛けて組み立て式Vベルト1を組み立てる。
ところで本実施例においては特に、平板エレメント11を図4(a)に示す第1平板エレメント11aおよび図4(b)に示す第2平板エレメント11bの2種類の平板エレメントとする。
そして、これら第1平板エレメント11aおよび第2平板エレメント11bを、好ましくは図3(b)および図4(c)のごとく交互に重ねて無終端形状に連続配置する。
図4(a)に示す第1平板エレメント11aは、首部14の両側におけるサドル面17と、首部14との間においてV形本体部13の幅広側外側面13cに、首部14に近い無終端積層バンド12の一側縁12aをサドル面17から逃がす逃げ溝18を形成し、この逃げ溝18により無終端積層バンド12の一側縁12aに応力集中が起きるのを緩和する。
V形本体部13の幅広側外側面13cには更に、サドル面17および逃げ溝18間を所定の曲率で連続させる円弧部19を形成する。
図4(b)に示す第2平板エレメント11bは、上記した第1平板エレメント11aの首部14に無終端積層バンド12の一側縁12aが接しても無終端積層バンド12を全幅に亘り支え続けるよう、首部14の幅を図4(a)のW1からW2へと全長に亘り細くしてサドル面17を17aで示すように延長させ、このサドル面延長部17aと首部14との間を図4(a)における逃げ部18および円弧部19と同様な逃げ部20および円弧部21により連続させて、無終端積層バンド12の一側縁12aが第2平板エレメント11bの首部14に接するのを防止する。
平板エレメント11として、上記の第1平板エレメント11aおよび第2平板エレメント11bを用意し、これらを交互に重ねて無終端形状に連続配置した本実施例の組み立て式Vベルト1によれば、
第1平板エレメント11aの逃げ溝18が、無終端積層バンド12の一側縁12aをサドル面17から逃がしてこの無終端バンド一側縁12aに応力集中が起きるのを防止し、
第1平板エレメント11aの円弧部19が、サドル面17および逃げ溝18間を所定の曲率で連続させることにより、ここから無終端バンド12に大きな応力が作用するのを防止して、
無終端バンド12の摩耗を防止することができる。
他方で第2平板エレメント11bの延長させたサドル面延長部17aは、第1平板エレメント11aの首部14に無終端バンド12の一側縁12aが接しても無終端バンド12を全幅に亘り支え続けるため、
無終端バンド12がバンド幅方向の湾曲量を急変される箇所を持たないこととなり、この湾曲量急変部がサドル面17から局部的に大きな面圧を受けて局部摩耗するという問題を解消することができる。
更に、第2平板エレメント11bに係わる上記サドル面17の延長(サドル面延長部17aの設定)に際し、第2平板エレメント11bの首部14を図4(b)にW2で示すごとく全長に亘り細くして当該サドル面の延長を実現したから、
首部14に幅が急減するくびれ部を設定することなく、サドル面の延長が実現されることとなり、首部14に応力集中する箇所が存在せず、Vベルトの大型化を防止することができる。
図5は本発明の他の実施例になる組み立て式Vベルトを示し、本実施例においては、図5(a)に示す第1平板エレメント11aを図4(a)に示すものと同様に構成するが、図5(b)に示す第2平板エレメント11bを以下のような構成となす。
つまりこの第2平板エレメント11bは、図5(a)に示す第1平板エレメント11aの首部14に無終端積層バンド12の一側縁12aが接しても無終端積層バンド12を全幅に亘り支え続けるよう、首部14の幅を図5(a)のW1からW3へと全長に亘り細くしてサドル面17を17aで示すように延長させ、このサドル面延長部17aと首部14との間を、図4(b)のような逃げ部20および円弧部21により連続させるのではなく、サドル面延長部17aと首部14との交差隅角部を、該交差隅角内に曲率中心が位置する円弧凹面22により構成し、無終端積層バンド12の一側縁12aが第2平板エレメント11bの首部14に接するのを防止する。
図5(a)の第1平板エレメント11aおよび図5(b)の第2平板エレメント11bは、図5(c)のように交互に重ねて無終端形状に連続配置し、両平板エレメント11aおよび11bのサドル面17に無終端積層バンド12を掛けて組み立て式Vベルトを構成するが、本実施例のVベルトによれば、前記した実施例によると同様な作用効果を奏し得るほかに、以下の作用効果が得られる。
つまり、前記実施例では、図4(b)に示す第2平板エレメント11bの首部14の幅W2を、図4(a)に示す第1平板エレメント11aの首部14の幅W1に対し、逃げ溝20の直径の2倍だけ細くする必要があるのに対し、
本実施例では、図5(b)に示す第2平板エレメント11bの首部14の幅W3を、図5(a)に示す第1平板エレメント11aの首部14の幅W1に対し、サドル面延長部17aと首部14との交差隅角部を成す円弧凹面22の曲率半径の2倍だけ細くすれば足り、第2平板エレメント11bの首部14の幅W3を前記した実施例よりも太くすることができ、強度上大いに有利である。
図6は、本発明の更に他の実施例になる組み立て式Vベルトを示し、本実施例においては平板エレメント11として、図6(a)に示すような第3平板エレメント11c、および、図6(b)に示すような第4平板エレメント11dを用意する。
図6(a)の第3平板エレメント11cは、図の左側に位置する一方の無終端積層バンド12に係わるサドル面17と首部14との間においてV形本体部13の幅広側外側面13cに、該一方の無終端バンド12の一側縁12aをサドル面17から逃がす逃げ溝18と、これらサドル面17および逃げ溝18間を所定の曲率で連続させる円弧部19とを形成されたものとする。
図6(a)の第3平板エレメント11cは更に、図の右側に位置する他方の無終端バンド12が首部14に最接近しても該他方の無終端バンド12を全幅に亘り支え続けるよう、該他方の無終端バンド12に係わるサドル面17を17aで示すように延長させたものとする。
このサドル面17の延長に当たっては、図の右側に位置する上記他方の無終端バンド12に近い首部14の側面から、第3平板エレメント11cの中心までの距離で表される幅をW3/2(W3は図5に示すと同じ)で示すように、反対側の幅W1/2(W1は図4、図5に示すと同じ)よりも、首部14の全長に亘り細くして上記のサドル面延長部17aを設定する。
図6(a)の第3平板エレメント11cにおいては更に、上記サドル面延長部17aと首部14との交差隅角部を図5(b)におけると同様、該交差隅角内に曲率中心が位置する円弧凹面22により構成し、無終端積層バンド12の一側縁12aが第3平板エレメント11cの首部14に接するのを防止する。
図6(b)の第4平板エレメント11dは、図の右側に位置する他方の無終端積層バンド12に係わるサドル面17と首部14との間においてV形本体部13の幅広側外側面13cに、該他方の無終端バンド12の一側縁12aをサドル面17から逃がす逃げ溝18と、これらサドル面17および逃げ溝18間を所定の曲率で連続させる円弧部19とを形成されたものとする。
図6(b)の第4平板エレメント11dは更に、図の左側に位置する一方の無終端バンド12が首部14に最接近しても該一方の無終端バンド12を全幅に亘り支え続けるよう、該一方の無終端バンド12に係わるサドル面17を17aで示すように延長させたものとする。
このサドル面17の延長に当たっては、図の左側に位置する上記一方の無終端バンド12に近い首部14の側面から、第4平板エレメント11dの中心までの距離で表される幅をW3/2(W3は図5に示すと同じ)で示すように、反対側の幅W1/2(W1は図4、図5に示すと同じ)よりも、首部14の全長に亘り細くして上記のサドル面延長部17aを設定する。
図6(b)の第4平板エレメント11dにおいては更に、上記サドル面延長部17aと首部14との交差隅角部を図5(b)におけると同様、該交差隅角内に曲率中心が位置する円弧凹面22により構成し、無終端積層バンド12の一側縁12aが第4平板エレメント11dの首部14に接するのを防止する。
図6(a)の第3平板エレメント11cおよび図6(b)の第4平板エレメント11dは、図6(c)のように交互に重ねて無終端形状に連続配置し、両平板エレメント11cおよび11dのサドル面17に無終端積層バンド12を掛けて組み立て式Vベルトを構成するが、本実施例のVベルトによれば以下の作用効果が得られる。
つまり、第3平板エレメント11cおよび第4平板エレメント11dの逃げ溝18がそれぞれ、対応する無終端積層バンド12の一側縁12aをサドル面17から逃がしてこれら無終端積層バンド12の一側縁12aに応力集中が起きるのを防止し、
第3平板エレメント11cおよび第4平板エレメント11dの円弧部19がそれぞれ、対応するサドル面17および逃げ溝間18を所定の曲率で連続させることにより、ここから対応する無終端積層バンド12に大きな応力が作用するのを防止して、
無終端積層バンド12の摩耗を防止することができる。
他方で、第3平板エレメント11cおよび第4平板エレメント11dの延長させたサドル面17aはそれぞれ、第4平板エレメント11dおよび第3平板エレメント11cの首部14に、対応する無終端積層バンド12の一側縁12aが接するよう無終端積層バンド12が首部14に最接近してもこの無終端積層バンド12を全幅に亘り支え続けるため、
無終端積層バンド12がバンド幅方向の湾曲量を急変される箇所を持たないこととなり、この湾曲量急変部がサドル面17から局部的に大きな面圧を受けて局部摩耗するという問題を解消することができる。
更に、上記サドル面17の延長(サドル面延長部17aの設定)に際し、首部14の幅をW3/2で示すごとく全長に亘り細くして当該サドル面の延長を実現するから、
首部14に幅が急減するくびれ部を設定することなく、サドル面17の延長が実現されることとなり、首部14に応力集中する箇所が存在せず、Vベルトの大型化を防止することができる。
本実施例においては更に、図6(a)および図6(b)の比較から明らかなように、第3平板エレメント11cおよび第4平板エレメント11dが、これらエレメントのバンド幅方向中央線(図6に一点鎖線で示す)の周りに一方を反転させた時、同じ形状ととなり、この反転状態で第3平板エレメント11cおよび第4平板エレメント11dを同仕様に構成することができる。
この場合、第3平板エレメント11cおよび第4平板エレメント11dを交互に平板エレメントの中央線周りに反転させて無終端形状に連続配置し、これら平板エレメント11cおよび11dのサドル面17に無終端積層バンド12を掛けることでVベルトを組み立てることが可能となり、
第3平板エレメント11cおよび第4平板エレメント11dとして1種類の平板エレメントを用意するだけで組み立て式Vベルトを完成させることができ、部品の種類が減ってコスト上大いに有利である。
本発明の一実施例になる組み立て式Vベルトを具えたVベルト式無段変速機の要部を示す縦断側面図である。 図1に示すVベルト式無段変速機のプーリに対する組み立て式Vベルトの巻き掛け状態を示す側面図である。 同組み立て式Vベルトの詳細を示し、 (a)は、その一部側面図、 (b)は、その平板エレメントと、これに掛けた無終端積層バンドとの関係を示す断面図である。 同組み立て式Vベルトの要部を更に拡大してその詳細を示し、 (a)は、その第1平板エレメントの首部周辺に係わる拡大詳細正面図、 (b)は、その第2平板エレメントの首部周辺に係わる拡大詳細正面図、 (c)は、第1および第2平板エレメントを重ねて組み合わせた状態を示す拡大詳細正面図である。 本発明の他の例になる組み立て式Vベルトの要部を拡大してその詳細を示し、 (a)は、その第1平板エレメントの首部周辺に係わる拡大詳細正面図、 (b)は、その第2平板エレメントの首部周辺に係わる拡大詳細正面図、 (c)は、第1および第2平板エレメントを重ねて組み合わせた状態を示す拡大詳細正面図である。 本発明の更に他の例になる組み立て式Vベルトの要部を拡大してその詳細を示し、 (a)は、その第3平板エレメントの首部周辺に係わる拡大詳細正面図、 (b)は、その第4平板エレメントの首部周辺に係わる拡大詳細正面図、 (c)は、第3および第4平板エレメントを重ねて組み合わせた状態を示す拡大詳細正面図である。 従来の組み立て式Vベルトを、横断面としバンド方向方向に見て示す断面図である。 従来の組み立て式Vベルトの他の例を示し、 (a)は、一方の平板エレメントの首部周辺に関する拡大正面図、 (b)は、他方の平板エレメントの首部周辺に関する拡大正面図、 (c)は、これら平板エレメントを重ねて組み合わせた状態を示す拡大正面図である。
符号の説明
1 組み立て式Vベルト
2 プライマリプーリ
3 セカンダリプーリ
2a,3a 固定フランジ
2b,3b 可動フランジ
11 平板エレメント
11a 第1平板エレメント
11b 第2平板エレメント
11c 第3平板エレメント
11d 第4平板エレメント
12 無終端積層バンド
12a 無終端積層バンドの一側縁
13 平板状V形本体部、
13c 幅広側外側面
14 首部
15 平板状三角頭部
16 スリット部
17 サドル面
17a サドル面延長部
18 逃げ溝
19 円弧部
20 逃げ溝
21 円弧部
22 円弧曲面

Claims (4)

  1. プーリV溝の対向円錐面にそれぞれ摩擦接触する傾斜側面を有して略V形を成す平板状のV形本体部と、該V形本体部の幅広側外側面の中程に突設した首部との一体結合に成る平板エレメントを多数個、無終端形状に連続配置して具え、
    前記首部を挟んでその両側における前記V形本体部の幅広側外側面に設定したサドル面に無終端バンドを掛けて構成した組み立て式Vベルトにおいて、
    前記平板エレメントは、
    前記サドル面と前記首部との間において前記V形本体部の幅広側外側面に、前記無終端バンドの一側縁を前記サドル面から逃がす逃げ溝と、これらサドル面および逃げ溝間を所定の曲率で連続させる円弧部とを形成した第1平板エレメント、および、
    この第1平板エレメントの前記首部に前記無終端バンドの一側縁が接しても無終端バンドを全幅に亘り支え続けるよう前記首部を全長に亘り細くしてサドル面を延長させた第2平板エレメント
    の2種類の平板エレメントよりなり、これら第1および第2平板エレメントを前記無終端形状に連続配置したことを特徴とする組み立て式Vベルト。
  2. プーリV溝の対向円錐面にそれぞれ摩擦接触する傾斜側面を有して略V形を成す平板状のV形本体部と、該V形本体部の幅広側外側面の中程に突設した首部との一体結合に成る平板エレメントを多数個、無終端形状に連続配置して具え、
    前記首部を挟んでその両側における前記V形本体部の幅広側外側面に設定したサドル面に無終端バンドを掛けて構成した組み立て式Vベルトにおいて、
    前記平板エレメントは、
    一方の無終端バンドに係わる前記サドル面と前記首部との間において前記V形本体部の幅広側外側面に、該一方の無終端バンドの一側縁を前記サドル面から逃がす逃げ溝と、これらサドル面および逃げ溝間を所定の曲率で連続させる円弧部とを形成され、他方の無終端バンドが前記首部に最接近しても該他方の無終端バンドを全幅に亘り支え続けるよう前記首部を全長に亘り細くして該他方の無終端バンドに係わるサドル面を延長させた第3平板エレメント、および、
    前記他方の無終端バンドに係わる前記サドル面と前記首部との間において前記V形本体部の幅広側外側面に、該他方の前記無終端バンドの一側縁を前記サドル面から逃がす逃げ溝と、これらサドル面および逃げ溝間を所定の曲率で連続させる円弧部とを形成され、前記一方の無終端バンドが前記首部に最接近しても該一方の無終端バンドを全幅に亘り支え続けるよう前記首部を全長に亘り細くして該一方の無終端バンドに係わるサドル面を延長させた第4平板エレメント
    の2種類の平板エレメントよりなり、これら第3および第4平板エレメントを交互に配して前記無終端形状に連続配置したことを特徴とする組み立て式Vベルト。
  3. 請求項2に記載の組み立て式Vベルトにおいて、
    前記第4平板エレメントを前記第3平板エレメントに対しバンド幅方向中央線の周りに反転させた時、第3平板エレメントと同仕様になるよう構成し、
    第3平板エレメントおよび第4平板エレメントを交互に反転させて前記無終端形状に連続配置したことを特徴とする組み立て式Vベルト。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の組み立て式Vベルトにおいて、
    前記無終端バンドを全幅に亘り支え続けるよう延長させたサドル面と、前記首部との交差隅角部を、該交差隅角内に曲率中心が位置する円弧凹面により構成したことを特徴とする組み立て式Vベルト。
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