しかしながら、前述した二つの部材に設けられた切欠き内に工具を挿入して、これら二つの部材間の相対的な位置を調整する際に、切欠き内に挿入した工具が不意に一方の部材に衝突することがある。特に、二つの部材のうち一方を位置決めし(移動を規制し)た際に、前述した他方に工具が衝突すると、該他方の部材が意図しない方向に移動してしまうことがあった。特に、前述した切欠き内に工具を挿入して、部材間の相対的な位置を調整する方向と交差する方向に、前述した他方の部材が移動してしまうことがあった。この場合、再度、他方の部材が移動した方向(意図しない方向)の部材間の相対的な位置を調整する手間が生じることとなり、部材同士の相対的な位置を調整する際にかかる所要時間が長時間化することとなる。
また、前述した特許文献1乃至6などに記載された光学装置の部材間の位置組立方法では、互いに直交しかつ光軸に対して直交する第1の方向と第2の方向とのそれぞれの部材間の相対的な位置を調整してきた。前述した特許文献1乃至6などに記載された光学装置の部材間の位置組立方法では、第1の方向と第2の方向の部材間の位置調整を一度に行ってしまい、第1の方向と第2の方向とを独立させて部材間の位置調整を行うことが困難であった。このため、前述した部材間の位置組立方法では、例えば、第1の方向のみの部材間の相対的な位置調整を行えば良い場合であっても、位置調整時に第2の方向の部材間の相対的な位置調整を行ってしまい、せっかく、位置調整が完了した方向にも部材同士を不意に移動させてしまうことがあった。
そこで、本発明は、二つの部材間の相対的な位置を調整する際に、意図しない方向に部材が移動することを防止して、部材同士の相対的な位置の調整にかかる手間の増加を防止できる構造体、それを有する光学装置、それを有する画像読み取り装置、並びに、それを有する画像形成装置を提供することをその第1の目的とする。
本発明は、二つの部材間の相対的な位置を調整する際に、位置を調整する複数の方向を互いに独立させて位置調整することを可能として、部材同士の相対的な位置の調整にかかる手間の増加を防止できる構造体、それを有する光学装置、その光学装置の組立方法、その光学装置を有する画像読み取り装置、並びに、それを有する画像形成装置を提供することをその第2の目的とする。
上記第1の目的を達成するため、請求項1に記載の構造体は、第1の部材と第1の部材とねじ止め固定する第2部材を備えた構造体において、第1の部材及び第2部材は互いに当接する当接面を各々有しており、当接面を貫通するねじによりねじ止めされており、2つの当接面の端部には各々切り欠きが形成されており、第2部材の切り欠きにおける内部端は、第1の部材の切り欠きにおける内部端よりも、内部に形成されることを特徴としている。
請求項2に記載の構造体は、請求項1に記載の構造体において、第1の部材は設置面を有し、第2部材は第1の部材に支持されることを特徴としている。
請求項3に記載の構造体は、請求項1又は請求項2に記載の構造体において、前記第1の部材が平坦な前記当接面としての第1の平坦壁を有し、前記第2部材が前記第1の平坦壁に重ねられる前記当接面としての第2の平坦壁を有しかつ該第2の平坦壁が前記第1の平坦壁に重ねられて前記第1の部材と固定されるとともに、前記第1の平坦壁に設けられかつ前記第1の部材と前記第2部材との相対的な位置を調整するための工具が挿入されるとともに直線状に延びた前記切り欠きとしての第1の切欠きと、前記第2の平坦壁に設けられかつ前記第1の切欠きと連通するとともに該第1の切欠きより奥まで前記第1の切欠きと平行に延在して前記工具が挿入される前記切り欠きとしての第2の切欠きと、を備え、前記第1の部材の移動が規制された状態で、前記第1の切欠きと前記第2の切欠きとの双方に前記工具が挿入されて、前記第1の部材と前記第2部材とが、前記第1の切欠き及び前記第2の切欠きの双方と直交する方向に相対的に移動されて、該第1の部材と前記第2部材との相対的な位置が調整されたことを特徴としている。
請求項4に記載の光学装置は、請求項1ないし請求項3のうちいずれかに記載の構造体を備えた光学装置において、前記第1の部材が取り付けられた第1の光部品と、前記第2部材が取り付けられた第2の光部品とを備えたことを特徴としている。
請求項5に記載の光学装置は、請求項4に記載の光学装置において、前記第1の光部品が、原稿からの反射像を通すレンズであり、前記第2の光部品が、前記反射像を結像する光電変換素子であることを特徴としている。
請求項6に記載の光学装置は、請求項5に記載の光学装置において、前記第1の部材が、前記レンズを収容するレンズ鏡筒に取り付けられ、前記第2部材が、前記光電変換素子を収容するパッケージに取り付けられていることを特徴としている。
請求項7に記載の光学装置は、請求項6に記載の光学装置において、前記第2部材が、前記パッケージが取り付けられる印刷配線板に固定されたブラケットと、該ブラケットとの相対的な位置を変更可能に該ブラケットに取り付けられる中間部品と、を備え、前記第2の平坦壁と第2の切欠きとの双方が、前記中間部品に設けられていることを特徴としている。
請求項8に記載の固定構造は、請求項6又は請求項7に記載の光学装置において、前記第1の部材が、前記レンズ鏡筒が取り付けられる載置板と、該載置板から立設した前記第1の平坦壁とを備えたことを特徴としている。
請求項9に記載の固定構造は、請求項6又は請求項7に記載の光学装置において、前記第1の部材が、前記レンズ鏡筒の外周面から立設した前記第1の平坦壁を備えたことを特徴としている。
請求項10に記載の画像読み取り装置は、原稿からの反射像を光電変換素子によって読み取る画像読み取り装置において、請求項5ないし請求項9のうちいずれか一項に記載の光学装置が、備えられていることを特徴としている。
請求項11に記載の画像形成装置は、請求項10に記載の画像読み取り装置が備えられていることを特徴としている。
上記第2の目的を達成するため、請求項12に記載の構造体は、互いにねじ止めされる少なくとも二つの部材を備えた構造体において、少なくとも二つの部材の第1の方向の相対的な位置を調整しかつ少なくとも二つの部材それぞれの前記第1の方向と平行な面に設けられた第1調整部と、少なくとも二つの部材の前記第1の方向と交差する第2の方向の相対的な位置を調整しかつ少なくとも二つの部材それぞれの前記第2の方向と平行な面に設けられた第2調整部とを備えたことを特徴としている。
請求項13に記載の構造体は、請求項12に記載の構造体において、前記部材として、第1の部材と、この第1の部材にねじ止めされる第2の部材と、この第2の部材にねじ止めされる第3の部材とを備え、前記第1調整部は、前記第1の部材と前記第2の部材それぞれの前記第1の方向と平行な面に設けられ、かつ、前記第2調整部は、前記第2の部材と前記第3の部材それぞれの前記第2の方向と平行な面に設けられていることを特徴としている。
請求項14に記載の構造体は、請求項12又は請求項13に記載の構造体において、前記第1の部材と前記第2の部材とのそれぞれの前記第1の方向と平行な面に設けられて、前記第1の部材と前記第2の部材とをねじ止め固定する第1ねじ固定部と、前記第2の部材と前記第3の部材とのそれぞれの前記第2の方向と平行な面に設けられて、前記第2の部材と前記第3の部材とをねじ止め固定する第2ねじ固定部と、前記第1の部材を設置するベース部材と前記第1の部材とのそれぞれの前記第1の方向と前記第2の方向との双方に対し交差する第3の方向に沿って、前記第1の部材と前記ベース部材との相対的な位置を変更自在であるとともに、前記第1の部材と前記ベース部材とをねじ止め固定する第3ねじ固定部と、を備えたことを特徴としている。
請求項15に記載の光学装置は、請求項13に記載の構造体を備えた光学装置において、前記第1の部材が取り付けられた第1の光部品と、前記第3の部材が取り付けられた第2の光部品とを備え、前記第1の光部品が、原稿からの反射像を通すレンズであり、前記第2の光部品が、前記反射像を結像する光電変換素子であることを特徴としている。
請求項16に記載の光学装置は、請求項14に記載の構造体を備えた光学装置において、前記第1の部材が取り付けられた第1の光部品と、前記第3の部材が取り付けられた第2の光部品とを備え、前記第1の光部品が、原稿からの反射像を通すレンズであり、前記第2の光部品が、前記反射像を結像する光電変換素子であることを特徴としている。
請求項17に記載の光学装置は、請求項15又は請求項16に記載の光学装置において、前記第1調整部と第2調整部は、それぞれ、平面視において、前記レンズの光軸に関して対称となる位置に配置されていることを特徴としている。
請求項18に記載の光学装置は、請求項16に記載の光学装置において、前記第1ねじ固定部と第2ねじ固定部と第3ねじ固定部は、それぞれ、複数設けられ、かつ平面視において、前記レンズの光軸に関して対称となる位置に配置されていることを特徴としている。
請求項19に記載の光学装置は、請求項16又は請求項18に記載の光学装置において、前記第1ねじ固定部と第2ねじ固定部と第3ねじ固定部は、それぞれ、前記第1の部材と前記第2の部材と前記第3の部材のうちいずれかにねじ込まれるねじ部品と、前記ねじ部品の頭と前記第1の部材と前記第2の部材と前記第3の部材のうちいずれかとの間に設けられて該頭を前記第1の部材と前記第2の部材と第3の部材のうちいずれから離れる方向に付勢する付勢手段と、を備えたことを特徴としている。
請求項20に記載の光学装置の組立方法は、請求項16、18又は19記載の光学装置の組立方法において、前記第1ねじ固定部と第2ねじ固定部と第3ねじ固定部の全てを本固定した後に、前記第1の方向と第2の方向と第3の方向とのうち調整の必要な一つの方向に対応するねじ固定部を半固定して、前記一つの方向に前記ベース部材と前記第1の部材と前記第2の部材と前記第3の部材間の相対的な位置を調整した後に、当該一つの方向に対応するねじ固定部を本固定して、前記第1の方向と第2の方向と第3の方向との全ての方向の前記ベース部材と前記第1の部材と前記第2の部材と前記第3の部材との相対的な位置を調整することを特徴としている。
請求項21に記載の光学装置の組立方法は、請求項16、18又は19記載の光学装置の組立方法において、前記ベース部材と前記第1の部材との相対的な位置を調整して前記第3ねじ固定部で前記ベース部材と前記第1の部材とを固定して、そして、前記第1の部材と前記第2の部材との相対的な位置を調整して前記第1ねじ固定部で前記第1の部材と前記第2の部材とを固定した後に、前記第2の部材と前記第3の部材との相対的な位置を調整して前記第2ねじ固定部で前記第2の部材と前記第3の部材とを固定することを特徴としている。
請求項22に記載の光学装置の組立方法は、請求項16、18又は19記載の光学装置の組立方法において、前記第1ねじ固定部と第2ねじ固定部と第3ねじ固定部の全てを半固定した後に、前記第1の方向と第2の方向と第3の方向とのうち調整の必要な一つの方向に前記ベース部材と前記第1の部材と前記第2の部材と前記第3の部材間の相対的な位置を調整した後に、当該一つの方向に対応するねじ固定部を本固定して、前記第1の方向と第2の方向と第3の方向との全ての方向の前記ベース部材と前記第1の部材と前記第2の部材と前記第3の部材との相対的な位置を調整することを特徴としている。
請求項23に記載の光学装置の組立方法は、請求項16、18又は19記載の光学装置の組立方法において、前記ベース部材と前記第1の部材と前記第2の部材と前記第3の部材とを互いに固定または仮固定し、前記ベース部材と前記第1の部材と前記第2の部材と前記第3の部材の相対的な位置を調整する際には、前記ベース部材に近い側から順に部材同士の相対的な位置を調整して固定することを特徴とする光学装置の組立方法。
請求項24に記載の画像読み取り装置は、原稿からの反射像を光電変換素子によって読み取る画像読み取り装置において、請求項15ないし請求項19のうちいずれか一項に記載の光学装置が、備えられていることを特徴としている。
請求項25に記載の画像形成装置は、請求項24に記載の画像読み取り装置が備えられていることを特徴としている。
請求項1に記載の構造体は、第2部材の切り欠きの内部端が、第1の部材の切り欠きの内部端より内部に形成されているので、工具を切り欠き内に挿入すると、該工具が第2部材に設けられた切り欠きの内部端に当接することがない。そのために、部材同士の相対的な位置を調整する際に、第2部材が不意に移動することを防止でき、よって、二つの部材間の相対的な位置を調整する際に、意図しない方向に特に第2部材が移動することを防止して、部材同士の相対的な位置の調整にかかる手間の増加を防止することができる。
請求項2に記載の構造体は、第1の部材が設置面を有し、第2部材が第1の部材に支持されるので、第1の部材を設置しながら調整を行うことができ、安定した調整を行うことができる。
請求項3に記載の構造体は、相対的な位置を調整される際に移動が規制されない第2部材に設けられた第2の切欠きが、移動が規制される第1の部材に設けられた第1の切欠きより奥まで延びているので、工具を第1及び第2の切欠き内に挿入すると、該工具が第2の切欠きの奥即ち第2部材に当接することがない。そのために、前述した切欠きの長手方向に対し直交する方向に沿って部材同士の相対的な位置を調整する際に、移動が規制されない第2部材が切欠きの長手方向に沿って不意に移動することを防止でき、よって、二つの部材間の相対的な位置を調整する際に、意図しない方向に特に第2部材が移動することを防止して、部材同士の相対的な位置の調整にかかる手間の増加を防止することができる。
また、第1の部材と第2部材との双方に設けられた切欠き内に工具を挿入して、部材同士の相対的な位置を調整するので、第1の部材と第2部材とを固定するねじなどを極力締めた状態であっても、部材間の位置調整を容易に行うことができ、部材同士が相対的に移動することなく位置調整を行うことができる。よって、部材同士の相対的な位置を高精度に保つことができる。
請求項4に記載の光学装置は、請求項1ないし請求項3に記載の構造体を備えているので、特に相対的な位置精度が高精度であることが求められる光部品同士の位置調整にかかる手間の増加を防止することができる。
請求項5に記載の光学装置は、第1の光部品がレンズであり、第2の光部品が光電変換素子であるので、レンズと光電変換素子との間の位置調整にかかる手間の増加を防止することができる。
請求項6に記載の光学装置は、第1の部材がレンズ鏡筒に取り付けられ、第2部材がパッケージに取り付けられているので、レンズと光電変換素子との相対的な位置を確実に調整することができる。
請求項7に記載の光学装置は、パッケージにブラケットなどを介して取り付けられる中間部品に第2の平坦壁と第2の切欠きとの双方が設けられているので、光電変換素子とレンズとの相対的な位置を確実に調整することができる。
請求項8に記載の光学装置は、レンズ鏡筒が取り付けられた載置板から第1の切欠きが設けられた第1の平坦壁が立設しているので、レンズと光電変換素子との相対的な位置を確実に調整することができる。
請求項9に記載の光学装置は、レンズ鏡筒の外周面から第1の切欠きが設けられた第1の平坦壁が立設しているので、レンズと光電変換素子との相対的な位置を確実に調整することができる。
請求項10に記載の画像読み取り装置は、前述した光学装置を備えているので、二つの部材間の相対的な位置を調整する際に、意図しない方向に特に第2部材が移動することを防止して、部材同士の相対的な位置の調整にかかる手間の増加を防止することができる。
請求項11に記載の画像形成装置は、前述した画像読み取り装置を備えているので、二つの部材間の相対的な位置を調整する際に、意図しない方向に特に第2部材が移動することを防止して、部材同士の相対的な位置の調整にかかる手間の増加を防止することができる。
請求項12に記載の構造体は、第1調整部が第1の方向と平行な面に設けられているので、第1調整部を用いると部材同士が第1の方向のみに相対的に移動して、第2の方向には相対的に移動しないとともに、第2調整部が第2の方向と平行な面に設けられているので、第2調整部を用いると部材同士が第2の方向のみに相対的に移動して、第1の方向には相対的に移動しない。
そのために、部材同士の第1の方向の相対的な位置を調整する際には、第1調整部のみを用いて、第2調整部を用いる必要が生じないとともに、第2の方向の相対的な位置を調整する際には、第2調整部のみ用いて、第1調整部を用いる必要が生じない。よって、第1の方向と第2の方向とを互いに独立させて、部材同士の相対的な位置を調整でき、調整をやり易くなるとともに、調整をやり直す際にかかる所要時間を短縮できる。したがって、部材間の相対的な位置を調整する際に、位置を調整する複数の方向を互いに独立させて位置調整することを可能として、部材同士の相対的な位置の調整にかかる手間の増加を防止できる。
請求項13に記載の構造体は、部材として第1乃至第3の部材を備え、第1調整部が第1の部材と第2の部材とに設けられ、第2調整部が第2の部材と第3の部材に設けられているので、第1の方向に調整する際には第1調整部のみ用いて第1の部材と第2の部材との相対的な位置を調整し、第2の方向に調整する際には第2調整部のみ用いて第2の部材と第3の部材との相対的な位置を調整する。そのために、互いに相対的な位置を調整される部材同士は、互いに一つの方向のみの相対的な位置が調整されるので、互いに相対的な位置を調整される部材同士を複数の方向に移動させることがなく、調整作業にかかる手間を削減できて、よって、光学装置の組立にかかる所要時間を短縮することができる。
請求項14に記載の構造体は、第1の方向に第1の部材と第2の部材とを固定する第1ねじ固定部と、第2の方向に第2の部材と第3の部材とを固定する第2ねじ固定部とを備えているので、第1調整部で第1の方向の第1の部材と第2の部材との相対的な位置を調整した後には、第1ねじ固定部で固定し、第2調整部で第2の方向の第2の部材と第3の部材との相対的な位置を調整した後には、第2ねじ固定部で固定することができる。
そのために、第1調整部のみを用いて第1の部材と第2の部材との相対的な位置を調整した際には、第1ねじ固定部のみを用いて、第2調整部のみを用いて第2の部材と第3の部材との相対的な位置を調整した際には、第2ねじ固定部のみを用いて、第2の部材と第3の部材とを固定できる。よって、第1の方向と第2の方向とを互いに独立させて、第1の部材と第2の部材とを固定でき、これらの部材間の相対的な位置の調整をやり易くなるとともに、調整をやり直す際にかかる所要時間を短縮できる。したがって、部材間の相対的な位置を調整する際に、位置を調整する複数の方向を互いに独立させて位置調整して固定することができ、部材同士の相対的な位置の調整にかかる手間の増加を防止できる。
請求項15に記載の光学装置は、請求項13に記載の構造体を備えているので、特に相対的な位置精度が高精度であることが求められるレンズや光電変換素子などの光部品同士の位置調整にかかる手間の増加を防止することができる。
請求項16に記載の光学装置は、請求項14に記載の構造体を備えているので、特に相対的な位置精度が高精度であることが求められるレンズや光電変換素子などの光部品同士の位置調整にかかる手間の増加を防止することができる。
請求項17に記載の光学装置は、複数の第1調整部がレンズの光軸に関して対称となる位置に設けられているので、第1調整部を用いて第1の部材と第2の部材との相対的な位置を調整する際に、これらの部材の移動量が光軸に関して対称となる。複数の第2調整部がレンズの光軸に関して対称となる位置に設けられているので、第2調整部を用いて第2の部材と第3の部材との相対的な位置を調整する際に、これらの部材の移動量が光軸に関して対称となる。よって、部材間の相対的な位置調整が容易となり、部材同士の相対的な位置の調整にかかる手間の増加を確実に防止できる。
請求項18に記載の光学装置は、第1ねじ固定部がレンズの光軸に関して対称となる位置に設けられているので、第1の方向に第1の部材と第2の部材とを固定する際に、ねじを締めたときの第1の部材と第2の部材の相対的な位置ずれが光軸に関して対称となる。第2ねじ固定部がレンズの光軸に関して対称となる位置に設けられているので、第2の方向に第2の部材と第3の部材とを固定する際に、ねじを締めたときの第2の部材と第3の部材の相対的な位置ずれが光軸に関して対称となる。第3ねじ固定部がレンズの光軸に関して対称となる位置に設けられているので、第3の方向にベース部材と第1の部材とを固定する際に、ねじを締めたときのベース部材と第1の部材の相対的な位置ずれが光軸に関して対称となる。よって、ねじを締めたときのベース部材と第1の部材の相対的な位置ずれを容易に予測することが可能となって、ベース部材と第1の部材との相対的な位置の調整にかかる所要時間を確実に短縮できる。
請求項19に記載の光学装置は、各ねじ固定部が頭を離れる方向に付勢した付勢手段を備えているので、各ねじ固定部が各部材同士を仮固定する際のねじの締め付けトルクを安定させることができ、仮固定か本固定に向かってねじを締め付けた際の部材同士の相対的な位置ずれを抑制できる。よって、部材間の相対的な位置を調整する回数を減らすことができ、部材間の相対的な位置の調整にかかる所要時間を確実に短縮できる。
請求項20に記載の光学装置の組立方法は、一旦全てのねじ固定部を本固定して、相対的な位置を調整する方向に対応したねじ固定部のみを緩めて、部材同士の相対的な位置を調整するので、調整中に、調整中の方向の他の方向に部材間の相対的な位置ずれを防止でき、調整後にねじを締め付ける際に部材間の相対的な位置ずれを防止できるので、調整回数を減らすことができて、光学装置の組立にかかる所要時間を短縮することができる。
請求項21に記載の光学装置の組立方法は、ベース部材から近い部材から順に位置を調整して固定するので、一旦調整した方向を再度調整する必要が生じなくなり、調整回数を減らすことができて、光学装置の組立にかかる所要時間を短縮することができる。
請求項22に記載の光学装置の組立方法は、一旦全てのねじ固定部を仮固定してから各方向の相対的な位置を調整して、各固定部を本固定するので、位置調整する際に、本固定したねじ固定部を仮固定する必要が生じなくなり、調整にかかる手間を減らすことができて、光学装置の組立にかかる所要時間を短縮することができる。
請求項23に記載の光学装置の組立方法は、ベース部材から離れた側の部材同士から順に相対的な位置を調整すると、当該調整の反動で、ベース部材に近い側の部材同士の相対的な位置がずれてしまうことを防止でき、調整しない部材同士以外の位置がずれることを防止でき、調整のやり直しが生じないので、調整にかかる時間を短くできる。
請求項24に記載の画像読み取り装置は、前述した光学装置を備えているので、部材間の相対的な位置を調整する際に、調整する方向とは他の意図しない方向に部材が移動することを防止して、部材同士の相対的な位置の調整にかかる手間の増加を防止することができる。
請求項25に記載の画像形成装置は、前述した画像読み取り装置を備えているので、部材間の相対的な位置を調整する際に、調整する方向とは他の意図しない方向に特に第2の部材が移動することを防止して、部材同士の相対的な位置の調整にかかる手間の増加を防止することができる。
以下、本発明の一実施形態にかかる画像形成装置、画像読み取り装置及び光学装置してのレンズブロックなどを、図1ないし図7、図9ないし図11、図14に基づいて説明する。
複写機、ファクシミリ等の画像形成装置1は、図1に示すように、装置本体2と、自動原稿送り装置3と、スキャナ装置4と、給紙ユニット5と、書込ユニット6とを備えている。
装置本体2は、例えば、箱状に形成され、フロア上などに設置される。装置本体2は、スキャナ装置4と、給紙ユニット5と、書込ユニット6と、を収容している。
自動原稿送り装置3は、装置本体2の上部に取り付けられている。自動原稿送り装置3は、原稿載置板7と、ベルト送り装置8とを備えている。原稿載置板7は、平板状に形成され、装置本体2の上部に取り付けられているとともに、表面上に複数枚の原稿9が載置される。ベルト送り装置8は、原稿載置板7上の原稿9を一枚ずつ後述するコンタクトガラス10上に送り出すとともに、後述の画像読み取り装置16により反射像が読み取られた原稿9をコンタクトガラス10上から装置本体2外に排出する。
スキャナ装置4は、装置本体2の上部でかつ前述した自動原稿送り装置3の下方に設けられ、原稿を載置するコンタクトガラス10と光学走査系11とを備えている。コンタクトガラス10は、両表面が水平方向と平行な状態で、装置本体2の上面に取り付けられている。光学走査系11は、露光ランプ12、第1ミラー13、第2ミラー14、第3ミラー15及び画像読み取り装置16などを備え、原稿9に光を照射して、該原稿9からの反射像を後述のライン型光電変換素子42で光電変換する。
露光ランプ12は、コンタクトガラス10上の原稿9に光を照射する。第1ミラー13、第2ミラー14及び第3ミラー15は、原稿9からの反射像を画像読み取り装置16に導く。露光ランプ12および第1ミラー13は、図示しない第1キャリッジ上に固定され、第2ミラー14および第3ミラー15は、図示しない第2キャリッジ上に固定されている。原稿を読み取る際には、光路長が変化しないように第1キャリッジと第2キャリッジとは2対1の相対速度で機械的に移動される。この光学走査系11の前述した第1キャリッジと第2キャリッジとは、図示しないスキャナ駆動モータによって移動される。
画像読み取り装置16は、結像レンズ系31と、イメージセンサ32などを備えている。なお、この画像読み取り装置16の詳細な構成は、後ほど説明する。画像読み取り装置16は、前述した原稿の反射像をイメージセンサ32によって読み取り、光信号から電気信号に変換して処理する。変換された電気信号は、図示しない画像処理部に向かって出力する。結像レンズ系31およびイメージセンサ32を図1おいて左右方向(水平方向)に移動させると画像倍率を変化させることができる。すなわち、指定された倍率に対応して結像レンズ系31およびイメージセンサ32の図1における左右方向の位置が設定される。
給紙ユニット5は、装置本体2の下部に設けられた複数の転写紙収容部19と、転写紙送り出しユニット20と、を備えている。転写紙収容部19は、複数の転写紙21を収容する。転写紙送り出しユニット20は、転写紙収容部19内の転写紙21を、後述するレジストローラ25間に送り出す。給紙ユニット5は、転写紙収容部19内の転写紙21を一枚ずつレジストローラ25間則ち書込ユニット6に向けて送り出す。
書込ユニット6は、レーザ出力ユニット22と、結像レンズ23と、ミラー24と、レジストローラ25と、感光体ドラム26と、現像装置27と、転写部材28と、定着装置29とを備えている。
レーザ出力ユニット22の内部には、レーザ光源であるレーザダイオードおよびモータによって高速で定速回転するポリゴンミラーが設けられている。レーザ出力ユニット22から照射されるレーザ光は、前記定速回転するポリゴンミラーによって偏向され、結像レンズ23を通ってミラー24で折り返され、感光体ドラム26の外周面上に集光されて結像する。偏向されたレーザ光は、感光体ドラム26が回転する方向と直交する所謂主走査方向に露光走査され、図示しない画像処理部から出力された画像信号のライン単位の記録を行う。そして、書込ユニット6は、感光体ドラム26の回転速度と記録密度に対応した所定の周期で主走査を繰り返すことによって感光体ドラム26の外周面上に画像、すなわち静電潜像を形成する。
このように書込ユニット6から出力されるレーザ光が、画像作像系の感光体ドラム26に照射されるが、感光体ドラム26の一端近傍のレーザ光の照射位置に主走査同期信号を発生する図示しないビームセンサが配されている。このビームセンサから出力される主走査同期信号に基づいて主走査方向の画像記録タイミングの制御、および後述する画像信号の入出力用の制御信号の生成が行われる。
レジストローラ25は、転写紙送り出しユニット20により転写紙収容部19から送り出されてきた転写紙21を転写部材28と感光体ドラム26との間に送り出す。感光体ドラム26は、軸芯を中心として回転自在な円柱状又は円筒状に形成されている。感光体ドラム26は、レーザ出力ユニット22により形成され且つ担持する静電潜像にトナーが付着して現像し、こうして得られたトナー像を転写部材28との間に位置付けられた転写紙21に転写する。
現像装置27は、トナーを感光体ドラム26の外周面に付着させて、該感光体ドラム26の外周面上の静電潜像を現像する。転写部材28は、転写紙21を感光体ドラム26の外周面に押し付けて、感光体ドラム26の外周面上のトナーを転写紙21に転写するとともに、該転写紙21を定着装置29に向けて送り出す。定着装置29は、感光体ドラム26などに形成されたトナー像を転写紙21に定着させ、転写紙21を装置本体2外に排出する。
画像読み取り装置16は、図2及び図3に示すように、光学装置としてのレンズブロック33を備えている。
レンズブロック33は、結像レンズ系31と、イメージセンサ32と、構造体35と、を備えている。なお、以下、結像レンズ系31の後述するレンズ40の光軸O(図2などに一点鎖線で示す)と平行な方向を図2に示す奥行き方向Z(Z軸方向ともいう)とし、光軸Oに直交しかつ後述のベース部材30の表面と平行な方向を図2に示す幅方向X(X軸方向ともいう)とし、光軸Oとベース部材30の表面との双方に直交する方向を図2に示す厚み方向Y(Y軸方向ともいう)とする。また、奥行き方向Zを中心とした回転方向をγ方向とし、幅方向Xを中心とした回転方向をα方向とし、厚み方向Yを中心とした回転方向をβ方向とする。さらに、厚み方向Yは、特許請求の範囲に記載された第1の方向をなしており、幅方向Xは、特許請求の範囲に記載された第2の方向をなしており、奥行き方向Zは、特許請求の範囲に記載された第3の方向をなしている。
結像レンズ系31は、レンズ鏡筒39と、このレンズ鏡筒39内に収容される複数の第1の光部品としてのレンズ40と、鏡筒用固定部材36と、を備えている。
レンズ鏡筒39は、図2に示すように、円筒状に形成されている。複数のレンズ40の光軸Oは、互いに同一線上に配されている。則ち、レンズ40同士は、互いに同軸に設けられている。レンズ40の光軸Oは、前述したレンズ鏡筒39の軸芯と同一線上に配されている。則ち、これらレンズ40と、レンズ鏡筒39とは、互いに同軸に設けられている。
鏡筒用固定部材36は、板金などで構成されて、帯状に形成されている。鏡筒用固定部材36は、中央部がレンズ鏡筒39の外周面に沿わされて、両端部がねじ37などによって構造体35の後述する受け台47の載置板52に固定される。鏡筒用固定部材36は、両端部が構造体35の受け台47の載置板52に固定され、該載置板52との間にレンズ鏡筒39を挟み込んで、該レンズ鏡筒39を構造体35に固定する。このとき、レンズ鏡筒39は、前述したベース部材30の孔と載置板52に設けられた後述する孔56内に通される。
前述した構成の結像レンズ系31則ちレンズ40は、原稿9からの反射像を通して、該反射像をイメージセンサ32の後述するライン型光電変換素子42に結像させる。即ち、レンズ40とライン型光電変換素子42とは、互いに光学的に接続する。
イメージセンサ32は、図3に示すように、パッケージ41と、光電変換素子としてのライン型光電変換素子42とを備えている。パッケージ41は、例えば、セラミックスからなるベース43と、セラミックスからなるウィンドフレーム44と、封止ガラス45とを備えている。ベース43は、平板状に形成されており、表面上にライン型光電変換素子42が取り付けられる。ウィンドフレーム44は、枠状に形成されており、ベース43の外縁部に重ねられた格好で該ベース43に接着剤で固定される。
封止ガラス45は、平板状に形成され、かつ外縁部がウィンドフレーム44に重ねられた格好で、該ウィンドフレーム44に接着剤で固定される。前述したパッケージ41は、ベース43とウィンドフレーム44と封止ガラス45とで、ライン型光電変換素子42を覆う。また、パッケージ41は、印刷配線板46などに取り付けられる。
ライン型光電変換素子42は、光電変換素子であるPD(Photo Diode)と電荷搬送素子であるCCD(Charge Coupled Device)が直線上に並べられて構成されている。ライン型光電変換素子42の長手方向は、主走査方向と平行になる。ライン型光電変換素子42は、特許請求の範囲などに記載された第2の光部品をなしている。
また、前述したイメージセンサ32は、印刷配線板46の導体パターンと、前述したライン型光電変換素子42の電極などとを互いに電気的に接続するための電極やリード線などを備えている。さらに、前述したイメージセンサ32は、封止ガラス45が結像レンズ系31のレンズ40と相対する状態で、後述する構造体35によって、ベース部材30と固定されている。
構造体35は、ベース部材30と、第1の部材としての受け台47と、第2部材48と、第3ねじ固定部90と、第1ねじ固定部91と、第2ねじ固定部92と、第1調整部としての第1位置調整機構49と、第2位置調整機構50と、第2調整部としての第3位置調整機構51とを備えている。
ベース部材30は、厚手の板金で構成され、平板状に形成されている。ベース部材30は、両表面が水平方向と平行な状態でスキャナ装置4内に収容される。ベース部材30は、スキャナ装置4内で図1中の左右方向に沿って、移動自在に設けられる。また、ベース部材30の中央には、孔が貫通している。孔の平面形状は、矩形状に形成されている。
受け台47は、厚手の板金を折り曲げるなどして得られ、載置板52と、立設板53と、一対の周板54と、当接面としての第1の平坦壁55とを備えている。載置板52は、平板状に形成されており、その中央に孔56が設けられている。孔56は、勿論、載置板52を貫通しており、その平面形状が矩形状に形成されている。載置板52は、孔56がベース部材30の孔に重なる位置に、前述したベース部材30に重ねられる。載置板52即ち受け台47は、第3ねじ固定部90などによって、ベース部材30に固定される。また、載置板52は、前述した鏡筒用固定部材36などによって、レンズ鏡筒39即ちレンズ40が取り付けられる。
また、載置板52には、長穴84と丸穴85とが設けられている。これらの長穴84と丸穴85とは、互いの間に結像レンズ系31を位置付ける位置に配置されている。長穴84と丸穴85とは、勿論、載置板52を貫通している。長穴84は、平面形状が小判型(楕円型)に形成され、丸穴85は、平面形状が丸型に形成されている。さらに、ベース部材30には、前述した長穴84及び丸穴85と連通する図示しない孔が貫通している。長穴84と丸穴85と前述した孔とは、ベース部材30に載置板52即ち受け台47を位置決めする際に、長穴84の短径と丸穴85の内径と外径が等しい図示しない位置決め用のピンが挿入される。長穴84と丸穴85と前述した孔とは、ベース部材30に載置板52即ち受け台47が幅方向Xに移動自在な状態で、位置決めする。また、載置板52の下面は、特許請求の範囲に記載された設置面をなしている。
立設板53は、載置板52の第3ミラー15寄りの縁から立設している。一対の周板54は、互いに平行に配置されているとともに、載置板52の幅方向Xの両縁から立設している。即ち、一対の周板54は、前述した結像レンズ系31のレンズ40の光軸Oと平行に配置されている。
第1の平坦壁55は、平坦な板状に形成されており、載置板52のミラー13,14,15から離れた側の縁から立設している。第1の平坦壁55の両表面は、前述した幅方向Xと厚み方向Yとの双方と平行な平面(以下、X−Y平面と呼ぶ)と平行である。また、前述した立設板53と第1の平坦壁55との双方には、前述した原稿からの反射像をイメージセンサ32まで通すためのスリット58,59が設けられている。
第2部材48は、ブラケット62(請求項13乃至24の記載の第3の部材に相当する)と、中間部品63(請求項13乃至24の記載の第2の部材に相当する)と、を備えている。ブラケット62は、受け台47と同様に、厚手の板金を折り曲げるなどして得られ、配線板固定部64と、平坦壁65とを備えている。配線板固定部64は、枠状に形成され、前述した印刷配線板46に重ねられて、該印刷配線板46に固定される。即ち、ブラケット62は、印刷配線板46に固定される。また、ブラケット62即ち第2部材48は、印刷配線板46を介して、パッケージ41に取り付けられている。配線板固定部64は、内側にパッケージ41を位置付けている。
平坦壁65は、平坦な板状に形成されており、配線板固定部64の厚み方向Yの上端からミラー13,14,15に向かって立設している。平坦壁65は、その両表面が、幅方向Xと奥行き方向Zとの双方と平行な平面(以下、X−Z平面と呼ぶ)と平行に配置される。
中間部品63は、ブラケット62及び受け台47と同様に、厚手の板金を折り曲げるなどして得られ、当接面としての第2の平坦壁67と、平坦壁68とを少なくとも備えている。なお、図2、図3及び図4などには、一対の縁壁69が示されている。これは、第2の平坦壁67と平坦壁68との曲げ強度を向上させるためのものであり、該一対の縁壁69が設けられているのが好ましい。しかしながら、本発明では、一対の縁壁69は、必ずしも必要ない。第2の平坦壁67は、平坦な板状に形成されている。第2の平坦壁67は、前述した第1の平坦壁55に重ねられて、第1ねじ固定部91によって、第1の平坦壁55に固定される。中間部品63即ち第2部材48は、第2の平坦壁67が第1の平坦壁55に重ねられて、受け台47と固定される。このように、第2の平坦壁67は、前述したX−Y平面と平行に配置される。
平坦壁68は、平坦な板状に形成されており、第2の平坦壁67の厚み方向Yの上端からミラー13,14,15から離れる方向に立設している。平坦壁68は、その両表面が、前述したX−Z平面と平行に配置される。平坦壁68は、前述したブラケット62の平坦壁65が重ねられて、第2ねじ固定部92によって、ブラケット62に固定される。こうして、中間部品63は、受け台47即ち結像レンズ系31と、ブラケット62即ちライン型光電変換素子42とを互いに固定する。
縁壁69は、平坦壁67,68の幅方向Xの両縁から立設しているとともに、両表面が前述した奥行き方向Zと厚み方向Yとの双方と平行な平面(以下、Y−Z平面と呼ぶ)と平行である。
第3ねじ固定部90は、ベース部材30と、受け台47とを固定するものであり、複数のねじ通し孔93と、ねじ孔94と、ねじ部品としてのねじ57と、付勢手段としてのスプリングワッシャ86(図11に示す)と、ワッシャ82(図11に示す)とを備えている。
ねじ通し孔93は、受け台47に設けられ、当該受け台47を貫通している。ねじ通し孔93は、長手方向が前述した奥行き方向Zと平行な長孔形状に形成されている。ねじ通し孔93は、互いの間に受け台47に設けられた孔56を位置付ける位置に配置されている。また、ねじ通し孔93は、奥行き方向Zに沿って、互いに間隔をあけて位置にも配置されている。図示例では、ねじ通し孔93は、四つ設けられている。即ち、第3ねじ固定部90は、図示例では、四つ設けられている。ねじ通し孔93は、内側にねじ57のねじ部95を通すことが可能である。また、ねじ通し孔93は、奥行き方向Zに沿って、ねじ57のねじ部95を通す位置を変更可能である。
ねじ孔94は、ベース部材30に設けられ、ねじ57のねじ部95がねじ込まれる。ねじ孔94は、ベース部材30上に受け台47が重ねられると、ねじ通し孔93と重なる位置に配置されている。
ねじ57は、図11に示すように、ねじ孔94にねじ込まれるねじ部95と、該ねじ部95の一端に連なった頭96とを備えている。ねじ57は、ねじ部95がねじ通し孔93内に通されてねじ孔94にねじ込まれる。
スプリングワッシャ86とワッシャ82とは、それぞれ、円環状に形成されており、内側にねじ57のねじ部95を順に通す。そして、スプリングワッシャ86とワッシャ82とは、受け台47の載置板52とねじ57の頭96との間に配置される。なお、スプリングワッシャ86は、ワッシャ82よりも頭96寄りに配置されている。スプリングワッシャ86は、ねじ95の頭96を受け台47の載置板52とベース部材30との双方から離れる方向に付勢する。
第3ねじ固定部90は、ねじ部95がスプリングワッシャ86とワッシャ82とねじ通し孔93に順に通されてねじ孔94にねじ込まれて、頭96とベース部材30との間に受け台47の載置板52を挟み込むことで、受け台47とベース部材30とを互いに固定する。また、第3ねじ固定部90は、ねじ部95のねじ通し孔93内を通る位置を適宜変更することで、奥行き方向Zに沿って、ベース部材30と受け台47の載置板52との相対的な位置を変更自在とする。また、前述した複数の第3ねじ固定部90は、図3に示すように、レンズブロック33の平面視において、レンズ40などの光軸Oに関して互いに対称となる位置に配置されている。
第1ねじ固定部91は、受け台47と、中間部品63とを固定するものであり、複数のねじ通し孔61と、ねじ孔70と、ねじ部品としてのねじ60と、付勢手段としてのスプリングワッシャ86と、ワッシャ82とを備えている。
ねじ通し孔61は、第1の平坦壁55の幅方向Xの両端部に設けられて、当該第1の平坦壁55を貫通している。ねじ通し孔61は、長手方向が前述した厚み方向Yと平行な長孔形状に形成されている。図示例では、ねじ通し孔61は、二つ設けられている。即ち、第1ねじ固定部91は、図示例では、二つ設けられている。ねじ通し孔61は、内側にねじ60のねじ部95を通すことが可能である。また、ねじ通し孔61は、厚み方向Yに沿って、ねじ60のねじ部95を通す位置を変更可能である。
ねじ孔70は、中間部品63の第2の平坦壁67の幅方向Xの両端部に設けられ、ねじ60のねじ部95がねじ込まれる。ねじ孔70は、第2の平坦壁67上に第1の平坦壁55が重ねられると、ねじ通し孔61と重なる位置に配置されている。
前述したねじ60とスプリングワッシャ86とワッシャ82は、前述した第3ねじ固定部90のものと構成が実施的に等しいので、同一部分には同一符号を付して説明を省略する。第1ねじ固定部91では、スプリングワッシャ86は、ねじ60の頭96を、第2の平坦壁67と第1の平坦壁55との双方から離れる方向に付勢する。
第1ねじ固定部91は、ねじ部95がスプリングワッシャ86とワッシャ82とねじ通し孔61に順に通されてねじ孔70にねじ込まれて、頭96と第2の平坦壁67との間に第1の平坦壁55を挟み込むことで、受け台47と中間部品63とを互いに固定する。また、第1ねじ固定部91は、ねじ部95のねじ通し孔61内を通る位置を適宜変更することで、厚み方向Yに沿って、受け台47の第1の平坦壁55と中間部品63の第2の平坦壁67との相対的な位置を変更自在とする。
また、前述した複数の第1ねじ固定部91は、図3に示すように、レンズブロック33の平面視において、レンズ40などの光軸Oに関して互いに対称となる位置に配置されている。なお、ねじ通し孔61が第1の平坦壁55に設けられ、ねじ孔70が第2の平坦壁67に設けられていることで、第1ねじ固定部91は、光軸Oに対して交差(直交)しかつ第1の方向としての厚み方向Yと平行な平面としての第1の平坦壁55及び第2の平坦壁67に設けられている。
第2ねじ固定部92は、中間部品63と、ブラケット62とを固定するものであり、複数のねじ通し孔97と、ねじ孔98と、ねじ部品としてのねじ66と、付勢手段としてのスプリングワッシャ86と、ワッシャ82とを備えている。
ねじ通し孔97は、ブラケット62の平坦壁65の幅方向Xの両端部に設けられて、当該平坦壁65を貫通している。ねじ通し孔97は、長手方向が前述した幅方向Xと平行な長孔形状に形成されている。図示例では、ねじ通し孔97は、二つ設けられている。即ち、第2ねじ固定部92は、図示例では、二つ設けられている。ねじ通し孔97は、内側にねじ66のねじ部95を通すことが可能である。また、ねじ通し孔97は、幅方向Xに沿って、ねじ66のねじ部95を通す位置を変更可能である。
ねじ孔98は、中間部品63の平坦壁68の幅方向Xの両端部に設けられ、ねじ66のねじ部95がねじ込まれる。ねじ孔98は、平坦壁68上にブラケット62の平坦壁65が重ねられると、ねじ通し孔97と重なる位置に配置されている。
前述したねじ66とスプリングワッシャ86とワッシャ82は、前述した第3ねじ固定部90及び第1ねじ固定部91のものと構成が実施的に等しいので、同一部分には同一符号を付して説明を省略する。第2ねじ固定部92では、スプリングワッシャ86は、ねじ66の頭96を、平坦壁65,68の双方から離れる方向に付勢する。
第2ねじ固定部92は、ねじ部95がスプリングワッシャ86とワッシャ82とねじ通し孔97に順に通されてねじ孔98にねじ込まれて、頭96と平坦壁68との間に平坦壁65を挟み込むことで、中間部品63とブラケット62とを互いに固定する。また、第2ねじ固定部92は、ねじ部95のねじ通し孔97内を通る位置を適宜変更することで、幅方向Xに沿って、中間部品63の平坦壁68とブラケット62の平坦壁65との相対的な位置を変更自在とする。
また、前述した複数の第2ねじ固定部92は、図3に示すように、レンズブロック33の平面視において、レンズ40などの光軸Oに関して互いに対称となる位置に配置されている。なお、ねじ通し孔97が平坦壁65に設けられ、ねじ孔98が平坦壁68に設けられていることで、第2ねじ固定部92は、光軸Oに対して交差(直交)しかつ第2の方向としての幅方向Xと平行な平面としての平坦壁65,68に設けられている。
第1位置調整機構49は、図4に示すように、切り欠きとしての第1の切欠き71と、切り欠きとしての第2の切欠き72とを備えている。第1の切欠き71は、第1の平坦壁55の幅方向Xの両端部に設けられている。第1の切欠き71は、第1の平坦壁55の幅方向Xの両端部を切り欠いている。第1の切欠き71は、第1の平坦壁55の幅方向Xの両端から該幅方向Xの中央に向かって該幅方向Xに沿って直線状に延びている。
第2の切欠き72は、中間部品63の幅方向Xの両端部に設けられている。第2の切欠き72は、第2の平坦壁67の幅方向Xの両端部を切り欠いているとともに、一対の縁壁69それぞれを切り欠いている。なお、縁壁69が設けられていない場合には、第2の切欠き72は、勿論、第2の平坦壁67の幅方向Xの両端部のみを切り欠いている。
第2の切欠き72は、第2の平坦壁67の幅方向Xの両端から該幅方向Xの中央に向かって該幅方向Xに沿って直線状に延びている。即ち、第2の切欠き72は、前述した第1の切欠き71と平行に形成されている。また、第2の切欠き72は、第1の平坦壁55と第2の平坦壁67とが互いに固定されると、前述した第1の切欠き71と連通する。また、第2の切欠き72の縁壁69と該縁壁69から最も離れた内部端としての奥部72aまでの距離は、第1の切欠き71の縁壁69と該縁壁69から最も離れた内部端としての奥部71aまでの距離より長い。即ち、第2の切欠き72の奥部72aは、第1の切欠き71の奥部71aよりも、内部に形成されている。
前述した第1位置調整機構49は、切欠き71,72内に受け台47と中間部品63即ち第2部材48との相対的な位置を調整するための工具としてのドライバ73(図5及び図6に示す)の先端が挿入される。そして、第1位置調整機構49は、切欠き71,72内が前述したドライバ73の先端によってこじられて、前述した厚み方向Yに沿って、第1の平坦壁55即ち受け台47と、第2の平坦壁67即ち第2部材48とを、相対的に移動するために用いられる。こうして、第1位置調整機構49は、第1の平坦壁55即ち受け台47と、第2の平坦壁67即ち第2部材48との、前述した切欠き71,72の長手方向に直交する厚み方向Yの相対的な位置を調整するために用いられる。
また、第1位置調整機構49は、前述した切欠き71,72が幅方向Xの両端部に設けられているので、両端部のドライバ73のこじり方を適宜調整することで、前述したγ方向の受け台47即ち結像レンズ系31と中間部品63即ちライン型光電変換素子42との相対的な位置を調整するために用いられる。
また、前述した複数の第1位置調整機構49は、図3に示すように、レンズブロック33の平面視において、レンズ40などの光軸Oに関して互いに対称となる位置に配置されている。なお、切欠き71が第1の平坦壁55に設けられ、切欠き72が第2の平坦壁67に設けられていることで、第1位置調整機構49は、光軸Oに対して交差(直交)しかつ第1の方向としての厚み方向Yと平行な平面としての第1の平坦壁55及び第2の平坦壁67に設けられている。
第2位置調整機構50は、図3に示すように、互いに重なるブラケット62の平坦壁65の幅方向Xの中央に設けられた凸型孔74と、中間部品63の平坦壁68の幅方向Xの中央に設けられた凸型孔75とを備えている。凸型孔74,75は、図9及び図10に示すように、それぞれ、平坦壁65,68を貫通しており、矩形状の本体部74a,75aと、該本体部74a,75aから直線状に延びた直線部74b,75bとを備えている。直線部74b,75bは、本体部74a,75aから互いに逆向きに延びている。直線部74b,75bの長手方向は、前述した奥行き方向Zと平行である。また、凸型孔74,75の直線部74b,75bは、外部から露出する。
前述した第2位置調整機構50は、凸型孔74,75の直線部74b,75b内にドライバの先端が挿入されて、該ドライバの先端によってこじられることで、前述した幅方向Xに沿って、中間部品63即ち受け台47と、ブラケット62即ちライン型光電変換素子42とを、相対的に移動するために用いられる。こうして、第2位置調整機構50は、幅方向Xの結像レンズ系31とライン型光電変換素子42との相対的な位置を調整するために用いられる。
なお、凸型孔74が平坦壁65に設けられ、凸型孔75が平坦壁68に設けられていることで、第2位置調整機構50は、光軸Oに対して交差(直交)しかつ第2の方向としての幅方向Xと平行な平面としての平坦壁65,68に設けられている。
第3位置調整機構51は、互いに重なるブラケット62の平坦壁65の幅方向Xの両端部に設けられた凸型孔76と、中間部品63の平坦壁68の幅方向Xの両端部に設けられた凸型孔77とを備えている。凸型孔76,77は、図9及び図10に示すように、それぞれ、平坦壁65,68を貫通しており、矩形状の本体部76a,77aと、該本体部76a,77aから直線状に延びた直線部76b,77bとを備えている。直線部76b,77bは、本体部76a,77aから互いに逆向きに延びている。直線部76b,77bの長手方向は、前述した幅行き方向Xと平行である。また、凸型孔76,77の直線部76b,77bは、外部から露出する。
前述した第3位置調整機構51は、凸型孔76,77の直線部76b,77b内にドライバの先端が挿入されて、該ドライバの先端によってこじられることで、前述した奥行き方向Z及びβ方向に沿って、中間部品63即ち受け台47と、ブラケット62即ちライン型光電変換素子42とを、相対的に移動するために用いられる。こうして、第3位置調整機構51は、奥行き方向Z及びβ方向の結像レンズ系31とライン型光電変換素子42との相対的な位置を調整するために用いられる。
また、前述した複数の第3位置調整機構51は、図3に示すように、レンズブロック33の平面視において、レンズ40などの光軸Oに関して互いに対称となる位置に配置されている。なお、凸型孔76が平坦壁65に設けられ、凸型孔77が平坦壁68に設けられていることで、第3位置調整機構51は、光軸Oに対して交差(直交)しかつ第2の方向としての幅方向Xと平行な平面としての平坦壁65,68に設けられている。
前述した構成の画像読み取り装置16は、ミラー13,14,15により導かれた原稿9からの反射像を、結像レンズ系31によりイメージセンサ32のライン型光電変換素子42に結像する。画像読み取り装置16は、ライン型光電変換素子42で光信号を電気信号に変換し、この電気信号を画像処理部に向けて出力する。
前述した画像読み取り装置16は、図7に示された調整装置78で、図14に示されたフローチャートにしたがって、各部の位置調整が行われる。調整装置78は、図7に示すように、図示しない装置本体と、基準光源部81と、制御手段としての図示しない制御装置と、を備えている。
装置本体は、工場のフロア上などに設置される。装置本体は、ベース部材30即ち受け台47を位置決めする。即ち、装置本体は、ベース部材30即ち受け台47の移動を規制する。
基準光源部81は、装置本体に取り付けられている。基準光源部81は、図7に示すように、基準チャート紙79と、ハロゲンランプなどを備えた光源80と、を備えている。基準光源部81は、基準チャート紙79を透過した光源80からの光を装置本体に位置決めされた画像読み取り装置16のイメージセンサ32に向けて出射する。
制御装置は、周知のRAM、ROM及びCPUなどを備えたコンピュータである。制御装置は、基準光源部81と、装置本体に位置決めされた画像読み取り装置16に接続して、これらの動作を制御して、調整装置78全体の制御をつかさどる。また、制御装置には、前述したイメージセンサ32が結像して得た画像を表示する表示装置が取り付けられている。
前述した調整装置78を用いて、画像読み取り装置16の各部の位置調整を以下のように行う。まず、ベース部材30に受け台47を重ねて長穴84と丸穴85などに前述した位置決め用のピンを通してベース部材30と受け台47とを仮に位置決めする。図14中のステップS1において、前述したねじ57,60,66を極力締め付けて(本締め(又は本固定ともいう)して)、ベース部材30と受け台47と中間部品63とブラケット62とを互いに本固定した画像読み取り装置16を装置本体に位置決めする。本実施形態では、図11に示すように、ねじ57の頭96と受け台47の載置板52との間に付勢手段としてのスプリングワッシャ86とワッシャ82を設け、ねじ60の頭96と第1の平坦壁55との間に付勢手段としてのスプリングワッシャ86とワッシャ82を設け、ねじ66の頭96と平坦壁65との間に付勢手段としてのスプリングワッシャ86とワッシャ82を設けている。
さらに、前述したねじ57,60,66を完全に締め付ける時の力で締め付けて、前述した本固定(本締め)を行う。この状態では、ねじ57,60,66のねじ部95の外径より前述したねじ通し孔93,61,97が大きいので、ベース部材30と、受け台47と、中間部品63と、ブラケット62とは、相対的に若干移動可能である。さらに、ねじ57,60,66の頭96は、図11などに示すように、六角柱状に形成されている。
そして、ベース部材30即ち受け台47の移動を規制した状態で、基準光源部81の光源80から光を出射して、この光を結像レンズ系31のレンズ40を通して、イメージセンサ32のライン型光電変換素子42に受光させる。そして、ステップS2において、ライン型光電変換素子42から所望の信号が得られるか否かを判定する。得られた場合には、調整作業を終了し、得られていない場合には、ステップS3に進む。
ステップS3では、幅方向Xと厚み方向Yと奥行き方向Zとのうちのライン型光電変換素子42から所望の信号が得られるような調整対象となる一つの方向を選択して、ステップS4に進む。そして、ステップS4では、調整する方向X,Y,Zに対応したねじ固定部90,91,92のねじ57,60,66を若干緩め(本固定(本締め)時の約30%程度のトルクを緩め)て、ステップS5に進む。ステップS5では、前述した表示装置で作業員が確認しながら、前述した位置調整機構49,50,51にドライバ73の先端を挿入してこじって、前述した方向X,Y,Z,β,γに沿って、ベース部材30と、受け台47と、中間部品63と、ブラケット62とを相対的に移動させる。
調整した方向X,Y,Zにおいて前述した部材同士が正規の位置に位置付けられたことを示す信号をライン型光電変換素子42から得られると、ステップS6において、ステップS4にて緩めたねじ固定部90,91,92のねじ57,60,66を本締めして、ステップS7に進む。ステップS7では、再度、調整した方向X,Y,Zにおいて前述した部材同士が正規の位置に位置付けられたことを示す信号をライン型光電変換素子42から得られるか否かを判定する。得られた場合には、ステップS8に進み、得られていない場合には、ステップS4に戻って、再度ステップS4からステップS7を繰り返す。
ステップS8では、ライン型光電変換素子42から所望の信号が得られるか否かを判定する。得られた場合には、調整作業を終了し、得られていない場合には、ステップS3に戻り、調整前の方向X,Y,Zのなかから調整する一つの方向X,Y,Zを選択して、先程と同様に、ステップS3からステップS8を繰り返す。こうして、ライン型光電変換素子42から所望の信号が得られるまで、全ての方向X,Y,Zにおいて、ベース部材30と、受け台47と、中間部品63と、ブラケット62との相対的な位置を調整する。このとき、本実施形態では、勿論、調整する方向X,Y,Zに対応した一つのねじ固定部90,91,92のねじ57,60,66を仮締めして、他の調整しない方向X,Y,Zに対応した一つのねじ固定部90,91,92のねじ57,60,66を本締めしておく。このように、ライン型光電変換素子42から所望の信号が得られる位置で、ベース部材30と、受け台47と、中間部品63と、ブラケット62との相対的な位置の調整を終了して、前述したねじ57,60,66を締め付けて(本締めして)、ベース部材30と、受け台47と、中間部品63と、ブラケット62とを互いに固定する。
前述した画像形成装置1は、自動原稿送り装置3が、原稿9をスキャナ装置4のコンタクトガラス10上に自動的に給送し、読み取りが終了した原稿9を自動的に排出する。画像形成装置1は、スキャナ装置4が、コンタクトガラス10上にセットされた原稿9に光を照射し、この原稿9からの反射像を光電変換素子としてのライン型光電変換素子42によって読み取る。
画像形成装置1は、書込ユニット6が、スキャナ装置4が光電変換した原稿9からの反射像の画像信号に基づいて、感光体ドラム26上に画像を形成し、給紙ユニット5から給紙された転写紙21上に画像を転写して定着する。画像形成装置1は、定着が完了した転写紙21を装置本体2外に排出する。
本実施形態によれば、第2部材48の第2の切欠き72の奥部72aが、受け台47の第1の切欠き71の奥部71aより内部に形成されているので、工具73を切欠き71,72内に挿入すると、該工具73が第2部材48に設けられた第2の切欠き72の奥部72aに当接することがない。そのために、部材47,48同士の相対的な位置を調整する際に、第2部材48が不意に移動することを防止でき、よって、二つの部材47,48間の相対的な位置を調整する際に、意図しない方向に特に第2部材48が移動することを防止して、部材47,48同士の相対的な位置の調整にかかる手間の増加を防止することができる。
受け台47が設置面を有し、第2部材48が受け台47に支持されるので、受け台47をベース部材30に設置しながら調整を行うことができ、安定した調整を行うことができる。
相対的な位置を調整される際に移動が規制されない第2部材48の中間部品63に設けられた第2の切欠き72が、移動が規制される第1の部材としての受け台47に設けられた第1の切欠き71より縁壁69から奥まで延びているので、ドライバ73を第1及び第2の切欠き71,72内に挿入すると、該ドライバ73の先端が第2の切欠き72の奥72a即ち第2部材48の中間部品63に当接することがない。そのために、前述した切欠き71,72の長手方向に対し直交する厚み方向Yに沿って、受け台47と中間部品63との相対的な位置を調整する際に、移動が規制されない中間部品63が切欠き71,72の長手方向に沿って不意に移動することを防止できる。よって、受け台47と中間部品63との相対的な位置を調整する際に、意図しない方向に特に第2部材48の中間部品63が移動することを防止して、受け台47と中間部品63との相対的な位置の調整にかかる手間の増加を防止することができる。
また、受け台47と第2部材48の中間部品63との双方に設けられた切欠き71,72内にドライバ73の先端を挿入して、これらの相対的な位置を調整するので、受け台47と第2部材48の中間部品63とを固定するねじ60などを極力締めた状態であっても、これらの間の位置調整を容易に行うことができる。よって、受け台47と第2部材48の中間部品63との相対的な位置を高精度に保つことができる。
さらに、ねじ60の頭と第1の平坦壁55との間にスプリングワッシャ86を設けているので、該スプリングワッシャ86が常に平坦壁55,67同士を互いに近づく方向に付勢する。このため、ねじ60を締め付ける際に、該ねじ60の回転角度に対する該ねじ60の締め付け力の変化が小さくなり、該ねじ60の締め付けトルクの管理が容易になる。
光学装置としてのレンズブロック33は、前述した構造体35を備えているので、特に相対的な位置精度が高精度であることが求められるレンズ40とライン型光電変換素子42との位置調整にかかる手間の増加を防止することができる。
さらに、第1の部材としての受け台47がレンズ鏡筒39に取り付けられ、第2部材48のブラケット62が印刷配線板46を介してパッケージ41に取り付けれているので、レンズ40とライン型光電変換素子42との相対的な位置を確実に調整することができる。
パッケージ41にブラケット62などを介して取り付けられる中間部品63に第2の平坦壁67と第2の切欠き72との双方が設けられているので、ライン型光電変換素子42とレンズ40との相対的な位置を確実に調整することができる。
レンズ鏡筒39が取り付けられた載置板52から第1の切欠き71が設けられた第1の平坦壁55が立設しているので、レンズ40とライン型光電変換素子42との相対的な位置を確実に調整することができる。
また、ねじ37,57,60,66の頭が六角柱状に形成されているので、該ねじ37,57,60,66の締付時に軸方向に力を加えることなく、ねじ締めを行うことができるので、ねじ締め時の変動量を減らすことができるという効果を奏でる。また、スプリングワッシャ86を設けているので、調整時のねじ60,66の仮締め力が安定して、ねじ締め時の変動量を減らすことができるという効果を奏でる。
また、画像読み取り装置16及び画像形成装置1は、前述したレンズブロック33を備えているので、受け台47と中間部品63との相対的な位置を調整する際に、意図しない方向に特に第2部材48の中間部品63が移動することを防止して、受け台47と中間部品63との相対的な位置の調整にかかる手間の増加を防止することができる。
第1位置調整機構49が厚み方向Yと平行な面としての第1の平坦壁55と第2の平坦壁67に設けられているので、第1位置調整機構49を用いると受け台47と中間部品63とが厚み方向Yのみに相対的に移動して、例えば第3の方向としての奥行き方向Zには相対的に移動しないとともに、第3位置調整機構51が奥行き方向Zと平行な面としての平坦壁65,68に設けられているので、第3位置調整機構51を用いるとブラケット62と中間部品63とが奥行き方向Zのみに相対的に移動して、例えば第1の方向としての厚み方向Yには相対的に移動しない。
そのために、受け台47と中間部品63とブラケット62との厚み方向Yの相対的な位置を調整する際には、第1位置調整機構49のみを用いて、第3位置調整機構51を用いる必要が生じないとともに、奥行き方向Zの相対的な位置を調整する際には、第3位置調整機構51のみ用いて、第1位置調整機構49を用いる必要が生じない。よって、厚み方向Yと奥行き方向Zとを互いに独立させて、受け台47と中間部品63とブラケット62との相対的な位置を調整でき、調整がやり易くなるとともに、調整をやり直す際にかかる所要時間を短縮できる。したがって、受け台47と中間部品63とブラケット62との相対的な位置を調整する際に、位置を調整する方向Y,Zを互いに独立させて位置調整することを可能として、受け台47と中間部品63とブラケット62同士の相対的な位置の調整にかかる手間の増加を防止できる。
受け台47と中間部品63とブラケット62とを備え、第1位置調整機構49が受け台47と中間部品63とに設けられ、第3位置調整機構51が中間部品63とブラケット62とに設けられているので、厚み方向Yに調整する際には第1位置調整機構49のみ用いて受け台47と中間部品63との相対的な位置のみを調整し、奥行き方向Zに調整する際には第3位置調整機構51のみ用いて中間部品63とブラケット62との相対的な位置のみを調整する。そのために、互いに相対的な位置を調整される受け台47と中間部品63とブラケット62とは、互いに一つの方向のみの相対的な位置が調整されるので、互いに相対的な位置を調整される受け台47と中間部品63とブラケット62とを複数の方向に移動させることがなく、調整作業にかかる手間を削減できて、よって、レンズブロック33の組立にかかる所要時間を短縮することができる。
受け台47と中間部品63とを固定する第1ねじ固定部91と、中間部品63とブラケット62とを固定する第2ねじ固定部92とを備えているので、第1位置調整機構49で厚み方向Yの受け台47と中間部品63との相対的な位置を調整した後には、第1ねじ固定部91でこれらを固定し、第3位置調整機構51で奥行き方向Zの中間部品63とブラケット62との相対的な位置を調整した後には、第2ねじ固定部92でこれらを固定することができる。
そのために、第1位置調整機構49のみを用いて受け台47と中間部品63との相対的な位置を調整した際には、第1ねじ固定部91のみを用いて調整後の受け台47と中間部品63とを固定でき、第3位置調整機構51のみを用いて中間部品63とブラケット62との相対的な位置を調整した際には、第2ねじ固定部92のみを用いて調整後の中間部品63とブラケット62とを固定できる。よって、厚み方向Yと奥行き方向Zとを互いに独立させて、受け台47と中間部品63とブラケット62とを固定でき、これらの相対的な位置の調整がやり易くなるとともに、調整をやり直す際にかかる所要時間を短縮できる。したがって、受け台47と中間部品63とブラケット62との相対的な位置を調整する際に、位置を調整する複数の方向を互いに独立させて位置調整して固定することができ、受け台47と中間部品63とブラケット62との相対的な位置の調整にかかる手間の増加を防止できる。
また、レンズブロック33は、前述した構造体35を備えているので、特に相対的な位置精度が高精度であることが求められるレンズ40やライン型光電変換素子42などの光部品同士の位置調整にかかる手間の増加を防止することができる。
複数の第1位置調整機構49がレンズ40の光軸Oに関して対称となる位置に設けられているので、第1位置調整機構49を用いて受け台47と中間部品63との相対的な位置を調整する際に、これらの移動量が光軸Oに関して対称となる。複数の第3位置調整機構51がレンズ40の光軸Oに関して対称となる位置に設けられているので、第3位置調整機構51を用いて中間部品63とブラケット62との相対的な位置を調整する際に、これらの移動量が光軸Oに関して対称となる。よって、受け台47と中間部品63とブラケット62との相対的な位置調整が容易となり、受け台47と中間部品63とブラケット62との相対的な位置の調整にかかる手間の増加を確実に防止できる。
第1ねじ固定部91がレンズ40の光軸Oに関して対称となる位置に設けられているので、受け台47と中間部品63とを固定する際に、ねじ60を締めたときの受け台47と中間部品63との相対的な位置ずれが光軸Oに関して対称となる。第2ねじ固定部92がレンズ40の光軸Oに関して対称となる位置に設けられているので、中間部品63とブラケット62とを固定する際に、ねじ66を締めたときの中間部品63とブラケット62との相対的な位置ずれが光軸Oに関して対称となる。第3ねじ固定部90がレンズ40の光軸Oに関して対称となる位置に設けられているので、ベース部材30と受け台47とを固定する際に、ねじ57を締めたときのベース部材30と受け台47との相対的な位置ずれが光軸Oに関して対称となる。よって、ねじ57,60,66を締めたときのベース部材30と受け台47と中間部品63とブラケット62との相対的な位置ずれを容易に予測することが可能となって、ベース部材30と受け台47と中間部品63とブラケット62との相対的な位置の調整にかかる所要時間を確実に短縮できる。
各ねじ固定部90,91,92が頭96を離れる方向に付勢したスプリングワッシャ86を備えているので、各ねじ固定部90,91,92がベース部材30と受け台47と中間部品63とブラケット62とを仮固定する際のねじ57,60,66の締め付けトルクを安定させることができ、仮固定から本固定に向かってねじ57,60,66を締め付けた際のベース部材30と受け台47と中間部品63とブラケット62との相対的な位置ずれを抑制できる。よって、ベース部材30と受け台47と中間部品63とブラケット62との相対的な位置を調整する回数を減らすことができ、ベース部材30と受け台47と中間部品63とブラケット62との相対的な位置の調整にかかる所要時間を確実に短縮できる。
一旦全てのねじ固定部90,91,92を本固定して、相対的な位置を調整する方向X,Y,Zに対応したねじ固定部90,91,92のみを緩めて、ベース部材30と受け台47と中間部品63とブラケット62との相対的な位置を調整するので、調整中に、調整中の方向の他の方向にベース部材30と受け台47と中間部品63とブラケット62とが相対的な位置ずれすることを防止でき、調整後にねじ57,60,66を締め付ける際に、ベース部材30と受け台47と中間部品63とブラケット62とが相対的に位置ずれすることを防止できるので、調整回数を減らすことができて、レンズブロック33の組立にかかる所要時間を短縮することができる。
画像形成装置1及び画像読み取り装置16は、前述したレンズブロック33を備えているので、ベース部材30と受け台47と中間部品63とブラケット62との相対的な位置を調整する際に、調整する方向とは他の意図しない方向にベース部材30と受け台47と中間部品63とブラケット62が移動することを防止して、ベース部材30と受け台47と中間部品63とブラケット62との相対的な位置の調整にかかる手間の増加を防止することができる。
また、前述した実施形態では、一旦、全てのねじ固定部90,91,92を本固定してから、各位置調整機構49,50,51を用いて、ベース部材30と受け台47と中間部品63とブラケット62との相対的な位置を調整してきた。しかしながら、本発明では、図15に示すように、一旦、全てのねじ固定部90,91,92を仮固定してから、各位置調整機構49,50,51を用いて、ベース部材30と受け台47と中間部品63とブラケット62との相対的な位置を調整しても良い。なお、図15において、前述した実施形態と同一部分には、同一符号を付して説明する。
図15に示された場合では、まず、ステップS1aにおいて、前述したねじ57,60,66を本締め時の約30%のトルクで仮締め(仮固定ともいう)して、ベース部材30と受け台47と中間部品63とブラケット62とを互いに仮固定した画像読み取り装置16を装置本体に位置決めする。この状態では、ねじ57,60,66のねじ部95の外径より前述した通し孔93,61,97が大きいので、ベース部材30と、受け台47と、中間部品63と、ブラケット62とは、相対的に移動可能である。
そして、ベース部材30即ち受け台47の移動を規制した状態で、基準光源部81の光源80から光を出射して、この光を結像レンズ系31のレンズ40を通して、イメージセンサ32のライン型光電変換素子42に受光させる。そして、ステップS2において、ライン型光電変換素子42から所望の信号が得られるか否かを判定する。得られた場合には、調整作業を終了し、得られていない場合には、ステップS3に進む。
ステップS3では、幅方向Xと厚み方向Yと奥行き方向Zとのうちのライン型光電変換素子42から所望の信号が得られるような調整対象となる一つの方向を選択して、ステップS5に進む。ステップS5では、前述した表示装置で作業員が確認しながら、前述した位置調整機構49,50,51にドライバ73の先端を挿入してこじって、前述した方向X,Y,Z,β,γに沿って、ベース部材30と、受け台47と、中間部品63と、ブラケット62とを相対的に移動させる。
調整した方向X,Y,Zにおいて前述した部材同士が正規の位置に位置付けられたことを示す信号をライン型光電変換素子42から得られると、ステップS6において、調整した方向に対応したねじ固定部90,91,92のねじ57,60,66を本締めして、ステップS7に進む。ステップS7では、再度、調整した方向X,Y,Zにおいて前述した部材同士が正規の位置に位置付けられたことを示す信号をライン型光電変換素子42から得られるか否かを判定する。得られた場合には、ステップS8に進み、得られていない場合には、ステップS4を介して、再度ステップS7までを繰り返す。
ステップS4では、調整する方向X,Y,Zに対応したねじ固定部90,91,92のねじ57,60,66を若干緩め(本固定(本締め)時の約30%程度のトルクを緩め)て、ステップS5に進む。
ステップS8では、ライン型光電変換素子42から所望の信号が得られるか否かを判定する。得られた場合には、ステップS9に進んで、全てのねじ固定部90,91,92のねじ57,60,66を本締めして、ステップS2aに進む。得られていない場合には、ステップS3に戻り、調整前の方向X,Y,Zのなかから調整する一つの方向X,Y,Zを選択して、先程と同様に、ステップS3からステップS8を繰り返す。
また、ステップS2aでは、ライン型光電変換素子42から所望の信号が得られるか否かを判定する。得られた場合には、調整作業を終了するとともに、得られない場合には、ステップS3に戻り、調整前の方向X,Y,Zのなかから調整する一つの方向X,Y,Zを選択して、先程と同様に、ステップS3からステップS8を繰り返す。こうして、ライン型光電変換素子42から所望の信号が得られるまで、全ての方向X,Y,Zにおいて、ベース部材30と、受け台47と、中間部品63と、ブラケット62との相対的な位置を調整する。このように、ライン型光電変換素子42から所望の信号が得られる位置で、ベース部材30と、受け台47と、中間部品63と、ブラケット62との相対的な位置の調整を終了して、前述したねじ57,60,66を締め付けて(本締めして)、ベース部材30と、受け台47と、中間部品63と、ブラケット62とを互いに固定して、前述した構成のレンズブロック33を組み立てる。
図15に示された場合では、一旦全てのねじ固定部90,91,92を仮固定してから各方向X,Y,Zのベース部材30と受け台47と中間部品63とブラケット62との相対的な位置を調整して、各ねじ固定部90,91,92を本固定するので、位置調整する際に、本固定したねじ固定部90,91,92を仮固定する必要が生じなくなり、調整にかかる手間を減らすことができて、レンズブロック33の組立にかかる所要時間を短縮することができる。
また、前述したレンズブロック33のベース部材30受け台47と中間部品63とブラケット62とを、図16に示すように、順に固定するようにして、ベース部材30から順に位置調整を行うようにしても良い。なお、図16において、前述した実施形態と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
この図16に示された場合には、ベース部材30から近い部材から順に位置を調整して固定するので、一旦調整した方向を再度調整する必要が生じなくなり、調整回数を減らすことができて、レンズブロック33の組立にかかる所要時間を短縮することができる。
このように、本発明では、ベース部材30と、第1の部材としての受け台47と、第2の部材としての中間部品63と、第3の部材としてのブラケット62とを互いに固定または仮固定し、ベース部材30と受け台47と中間部品63とブラケット62の相対的な位置を調整する際には、前記ベース部材30に近い側から順に部材同士の相対的な位置を調整して固定して、レンズブロック33を組み立てる。こうすることで、ベース部材30から離れた側の部材同士から順に相対的な位置を調整すると、当該調整の反動で、ベース部材30に近い側の部材同士の相対的な位置がずれてしまうことを防止でき、調整しない部材同士以外の位置がずれることを防止でき、調整のやり直しが生じないので、調整にかかる時間を短くできる。
本発明では、図8に示すように、第1の部材83がレンズ鏡筒39の外周面から該レンズ鏡筒39の外周方向に向かって立設した一対の第1の平坦壁55を備えても良い。この図8において、前述した実施形態と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。この図8に示される場合には、レンズ鏡筒39の外周面から第1の切欠き71が設けられた第1の平坦壁55が立設しているので、レンズ40とライン型光電変換素子42との相対的な位置を確実に調整することができる。なお、図8に示す場合においても、図示しないが前述した長穴84と丸穴85を設けるのが望ましい。この場合、長穴84と丸穴85を、ねじ37より内側に配置しても良く、外側に配置しても良い。
また、本発明では、前述したねじ60,66の頭96と平坦壁55,65などとの間には、付勢手段としてのウェーブワッシャを設けても良い。さらに、本発明では、ねじ57,60,66を仮締めする際には、ねじ57,60,66の大きさや受け台47や中間部品63の大きさによって、仮締めする度合いを種々調整するのが望ましい。また、ねじ57,60,66を締め付けて、受け台47と中間部品63とブラケット62とを相対的に移動することで、これらの間に残留応力が発生するので、ねじ57,60,66を仮締めする際には、本締めした際の位置ずれが許容できる範囲内で極力小さくするのが望ましい。
前述した実施形態では、ブラケット62と中間部品63とを貫通させて凸型孔74,75,76,77を形成している。しかしながら、本発明では、直線部74b,75b,76b,77bと該直線部74b,75b,76b,77bにドライバなどの工具の先端を挿入可能とする空間を設けていれば良い。例えば、図12及び図13に示すように、ブラケット62と中間部品63とを切り欠いて、凸型孔74,75,76,77の本体部74a,75a,76a,77aを形成しても良い。なお、図12及び図13において、前述した実施形態と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。また、凸型孔74,75,76,77の直線部74b,75b,76b,77bは、前述した図示例の逆向きで合っても良い。
また、前述した図示例では、ブラケット62が中間部品63の上に重なっている。しかしながら、本発明では、この逆(中間部品63がブラケット62の上)でも良い。その際、ねじ66が通るねじ通し孔97は中間部品63に設けられ、ねじ66と螺合するねじ孔98はブラケット62に設けられる。
さらに、前述した実施形態では、光を基準チャート紙79を透過させているが、本発明では、反射光を使ってライン型光電変換素子42を位置決めしても良い。
前述した実施形態では、受け台47、ブラケット62及び中間部品63は、それぞれ、板金で構成されていると説明したが、本発明では、受け台47、ブラケット62及び中間部品63は、それぞれ、プラスチックなどの合成樹脂で構成されたモールド成型品であっても構わない。ただし、ライン型光電変換素子42からの熱を放熱する意味では、受け台47、ブラケット62及び中間部品63は、それぞれ、板金で構成されている方が好ましい。
さらに、前述した実施形態では、第1の光部品としてレンズ40と、第2の光部品としてライン型光電変換素子42との相対的な位置が調整されるレンズブロック33を示している。しかしながら、本発明では、偏光素子、分散素子、発光素子などの種々の光部品同士の位置調整がなされる物品に適用しても良い。さらに、本発明は、光部品に限ることなく種々の部品同士の位置調整がなされる物品に適用しても良い。
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、位置調整機構49,50,51を種々の位置に配置してもよく、勿論、切欠き71,72を種々の位置に配置しても良い。さらに、第1位置調整機構49の切欠き71,72が厚み方向Y以外の方向の位置調整に用いられても良い。さらに、位置調整機構49,50,51を設ける位置を種々の部材に設けても良い。