JP5155965B2 - エレベータ乗りかごの電力制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エレベータ乗りかごの電力制御装置に係り、具体的には、エレベータの乗りかごに搭載された、空調機、照明、乗りかごドア駆動装置などの電気機器や、蓄電池などに対して、その使用電力や充放電電力を制御する、エレベータ乗りかごの電力制御装置に関するものである。
エレベータ乗りかごと制御盤間とを結ぶ電力給電用の電線ケーブルは、テールコードまたは移動ケーブル(トラベリングケーブル)などと呼ばれる。
このテールコードは、高層ビルのエレベータでは数百m以上と長く、その重量増加が問題になっている。また、震度の非常に強い地震などでは、その揺れによってテールコードが昇降路内の器材に引っかかることも懸念される。
このため、乗りかご側に蓄電池を搭載してテールコードを無くし、蓄電池から乗りかごに搭載された空調機、照明などの電気機器に電力を供給するテールコードレスエレベータに関する技術が多数出願されている。
これらの技術は、テールコードレス化によって新たに追加される蓄電池の容量をいかに下げるか、また蓄電池の充電切れをいかに防ぐかを狙いとしている。例えば、エレベータの運動エネルギーをガイドレールに押し付けた駆動ローラを介して電気エネルギーに変換する発電機と、エレベータ停止階で乗りかごに対して非接触状態で電力を供給する非接触給電器と、蓄電池と、をそれぞれ乗りかごに搭載し、エレベータ走行中は発電機から乗りかごに電力を供給し、エレベータ停止中は非接触給電器から乗りかごに電力を供給するようにしたテールコードレスエレベータに関する技術が出願されている。この技術によれば、蓄電池の容量を小さくすることができる(例えば、特許文献1参照)。
また、乗りかご、および釣合錘に蓄電池を搭載して、乗りかごが特定階に停止したときに蓄電池に非接触で電力を給電する非接触給電器を備え、蓄電池の残容量が所定値以下になったときに、乗りかごを非接触給電器のある特定階に移動させるテールコードレスエレベータに関する技術も出願されている。この技術によれば、電池切れになる可能性を小さくすることができる(例えば、特許文献2参照)。
さらに、空調機、照明などのエレベータ乗りかごに搭載された電気機器の消費電力を抑制するもので、特に、消費電力が大きい空調機に対して、その消費電力量を抑える技術についても多数出願されている。
例えば、乗りかごに搭載されて空調機へ電力を供給する蓄電池と、各階において建屋電源から乗りかごの空調機に電力を供給する手段と、蓄電池と建屋電源のいずれかに空調機に対する電力供給先を切り替える手段とを有する構成で、エレベータの乗りかごが階床間を移動中には蓄電池から空調機に電力を供給させた上で空調機の消費電力を最小値に制御し、乗りかごが各階に停止している間は、建屋電源から空調機に電力を供給させた上で空調機の消費電力が最大となるように制御するエレベータ空調機の制御に関する技術が出願されている。この技術によれば、乗りかごを動かす駆動系の電力を含めたエレベータ全体の最大消費電力を抑えることができる(例えば、特許文献3参照)。
また、乗りかご内と各階ホールにエレベータの利用者人数を検出する手段と、利用人数の多い階とその時間帯を分析学習する手段と、その時間帯での快適度を計算する手段とにより構成され、分析学習した結果に基づいて、時間帯によって計算された快適度にしたがってあらかじめエレベータ乗りかごの空調機の動作を制御する技術が出願されている。この技術により、利用者は不快な気分になることなく、過不足ない運転効率で空調機を制御できる(例えば、特許文献4参照)。
更に、エレベータに乗り込もうとする人体を検出して、空調装置から乗りかご内に送風される風量を調整する技術も出願されている。具体的には、乗客がいない時には省エネのためにエレベータ乗りかごの空調機を停止させ、乗りかごに乗り込む乗客を検出した時は、空調機を停止モードから強風モードで作動させるものであり、この制御により、乗客はより涼しさを体感できる(例えば、特許文献5参照)。
特開平5−294568号公報 国際公開2002/057171号公報 特開2002−211845号公報 特開平9−151042号公報 特開2001−328771号公報
しかしながら前記した特許文献1に開示された技術によれば、蓄電池の容量を削減するだけの発電量を得るにためは、発電機の駆動ローラを大きくし、かつ、複数個の発電機を設ける必要がある。例えば、かごの空調機は定格電力が数kWと大きく、したがって蓄電池の容量もkWhオーダとなり、したがって蓄電池の規模が大きくなる。
この容量を削減するためには、発電機の発電量も大きくしなければならず、発電電力を上げるため、発電機を大きくしてかつ数を増やさざるを得ない。また、駆動ローラのすべりを減らすため、駆動ローラをレールに押し付ける力も強くしなければならず、駆動ローラの摩擦が増加して、乗りかごの速度が落ちる要因になる。これを回避するためには、乗りかごを動かすモータなどの巻き上げ機、インバータの定格電力を上げて出力電力を増加させる必要がある。結果として、巻き上げ機、インバータの規模が増加するため、エレベータシステム全体としての規模が大きくなるという課題が生じる。また、規模の大きな発電機が複数個付属するために、コストの増加や乗りかごの重量増加などの課題も生じる。さらに駆動ローラとレールの摩擦による騒音なども懸念される。したがって、蓄電池の容量を大きく低減させることは難しいと考えられる。
また、特許文献2に開示された技術によれば、蓄電池の残量が少なくなる、または少なくなることが予測されると、結局は、充電装置のある階に乗りかごが待機することになる。例えば、1階などのロビー階に非接触給電器を設置した場合、昼食前半の時間帯や退勤時間帯のように、上方の各階で乗り場呼びが発生してロビー階へ向かうような交通流では、ロビー階に乗りかごが待機しているため、上方にある乗り場呼び発生階に到達するまでに時間がかかる。したがって、利用者の待ち時間が増大することが懸念される。
特に、高層ゾーン(例えば1階と30階から40階までの乗り場に停止する設定)のエレベータでは、ロビー階とその他の階の距離が長いため、この問題が深刻になると考えられる。また、これを回避するために、例えば、複数個の非接触給電器を複数階に配置すると、装置コストに加えて建屋の改造コストが増大することになる。前記した2つの課題を回避するためには、結果として蓄電池の容量を大きくせざるを得なくなる。
また、特許文献3に開示された技術によれば、乗りかごに搭載する蓄電池容量を減らすためには、相当数の給電装置を建屋側に設置する必要がある。特許文献3では、各階に設置することを述べているが、例えば、10階建てビルの各階にかごへの給電装置を設けるとすると、そのコスト(装置コストと建屋改造コスト)は相当に大きなものになる。また、給電装置のメンテナンスも各階を見なければならず、このため人的労力を要する。一方、給電装置の数を減らすと、充電できる機会が減るため、乗りかごに搭載する電池容量を大きくせざるを得ず、乗りかごの重量が増大して、エレベータシステム全体としての規模が増大することになる。
前記した蓄電池の課題以外にも、所定階に停止毎に空調機の出力を最大に設定するため、状況によっては不要に強い出力で空調機を運転させる可能性があり、乗りかごに乗り込んだ乗客が強い空調出力に対してかえって不快になることも懸念される。
また、特許文献4に開示された技術によれば、利用者が多い混雑した時間帯では快適性を保つ必要があり、常時、空調機の出力を上げねばならず、消費電力量が増大する可能性が高い。さらに学習データは統計的な推測であるため、その時点の利用者の状況には必ずしも適合していない場合がある。例えば、混雑時間帯でも常に乗りかごに乗客が多数乗っているわけではなく、上昇方向は混んでいても、下降方向では乗客がゼロのようなケースはよく発生する。この場合、混雑時間帯だからといって一律に空調機の出力を上げることは無駄といえる。
これらの結果、蓄電池から空調機に電力供給する場合、蓄電池の充電量が途中で不足する可能性が生じる。また大きな会議の開始時や終了時のような一時的なイベントは利用が非常に混雑するが、学習では予測できないため、適切に空調機出力を制御できない可能性がある。
また、特許文献5に開示された技術によれば、混雑時には乗客が常時乗降することになり、空調機が常に強風モードで作動される可能性がある。また平常時でも利用人数は少ないが、各階を移動する交通需要が生じているため、各階で常時乗客が乗降することになり、空調機は常に強風モードで作動しなければならない可能性がある。この結果、空調機の出力電力が増大するため、蓄電池から空調機に電力供給する場合、蓄電池の充電量が途中で不足する可能性が生じる。
以上説明したように、前記した特許文献1〜5に開示された技術によれば、テールコードレス化のために乗りかごに搭載する蓄電池の容量を低減できる代わりに、エレベータのシステム全体の装置構成が大きくなり、あるいは利用者の乗り場での待ち時間が増えるなどの問題が新たに生じる可能性がある。したがって、これらの方法では、他への悪影響が大きく実質的な蓄電池容量の低減は難しいと考えられる。
また、エレベータ乗りかごの空調機の消費電力抑制に関しても、エレベータ乗りかごの乗客の状況、要求に応じて適切に空調機を制御することと、この空調機の無駄な出力動作を省いて消費電力量を抑えるという2つの狙いを共に達成することが難しい。その結果、これらの技術をテールコードレス化したエレベータの空調機制御に適用しても、乗りかごに搭載された蓄電池の容量を低減することは難しい。したがって、いずれの技術についても、実質的に蓄電池容量を低減することは難しく、蓄電池の重量増加が回避できず、テールコードを無くした軽量化の効果が相殺されることになる。
本発明は前記した課題を解決するためになされたものであり、エレベータのテールコードレス化、あるいはテールコードの軽量化はもとより、そのための重要設計事項である乗りかごに搭載する蓄電池容量の低減を実現し、空調装置や照明などの電気機器の消費電力の無駄を省いて消費電力量を抑えることのできる、エレベータ乗りかごの電力制御装置を提供することを目的とする。
前記した課題を解決するために本発明の第1の観点に係るエレベータ乗りかごの電力制御装置は、エレベータ乗りかごに搭載された蓄電池と、蓄電池から電力が供給される空調機とを備えるエレベータの、蓄電池の充電残量が所定残量以下の時に、空調機の運転出力を乗客が乗り込む階に応じて調整する構成としたものである。このため、乗客の乗り込む階によって、要求される空調機の出力が異なる特性を利用して、乗り込む階に基づいて空調機出力を変えることができる。
また、本発明の第2の観点に係るエレベータ乗りかごの電力制御装置は、ビル建屋側の所定階に設置された電力給電装置と、エレベータ乗りかごがこれら所定階に停止中に電力給電装置から電力を供給されるかごに設置された蓄電池と、乗りかごに設置されて蓄電池から電力を供給される空調機で、エレベータ乗りかごが所定階に停止中には電力給電装置からも電力を供給できる空調機とを備えるエレベータにおいて、エレベータ乗りかごが所定階に停止中は、かごの空調機の運転出力を増大させて、かつ蓄電池からの放電電流を零となるように制御するものとしたものである。
このように制御することで、電力給電装置が設置された所定階では建屋電源を利用できるため、空調機の出力を増大させて最大限にこれを利用して乗りかご内の温度を短時間で調整し、一方でその時の蓄電池の放電電流を零にして蓄電池からの出力を抑えることができる。
また、本発明の第3の観点に係るエレベータ乗りかごの電力制御装置は、エレベータ乗りかごに設置された蓄電池と、乗りかごに設置されて蓄電池から電力を供給される照明装置とを備えるエレベータにおいて、エレベータ乗りかご内の人数が零の場合に、エレベータ乗りかごの照明装置の出力を、蓄電池の充電残量に応じて調整するようにしたものである。このように制御することで、乗りかごの照明は乗りかご内に人がいない場合は必ずしも明るく照らす必要はないとみなし、蓄電池の充電残量に応じてその出力を調整させることができる。
また、本発明の第4の観点に係るエレベータ乗りかごの電力制御装置は、エレベータ乗りかごに設置された蓄電池と、エレベータ乗りかごに設置されて蓄電池から電力を供給される空調機、かご位置表示装置、照明装置、乗りかごドア駆動装置、乗りかごと外部との連絡に使用するインターフォン装置とを備えるエレベータにおいて、蓄電池の充電残量が所定値以下となった場合に、エレベータ乗りかごの電力制御装置が蓄電池の充電残量に応じて各装置に電力を供給するか否かの指令を発して、空調機、かご位置表示装置、照明装置、乗りかごドア駆動装置、インターフォン装置の順に各装置の電力供給を止めるように制御するようにしたものである。
このことにより、蓄電池の充電残量不足のために、やむを得ずかご内の各装置への電力供給を停止しなければならない場合に、乗りかご内の乗客の利便性を考えて、充電残量に基づいて前記の順番で停止させていくことができる。
また、本発明の第5の観点に係るエレベータ乗りかごの電力制御装置は、ビル建屋側の所定階に設置された電力給電装置と、エレベータ乗りかごがこの所定階に停止中に電力給電装置を介して電力を供給されるかごに設置された第1の蓄電池と、同じくかごが所定階に停止中に電力給電装置から電力を供給されるかごに設置された第2の蓄電池と、かごに設置されて第1の蓄電池および第2の蓄電池から電力を供給される空調機および照明装置で、かごが所定階に停止中には電力給電装置からも直接に電力を供給可能な空調機と照明装置とを備えるエレベータにおいて、第1の蓄電池の充電残量が所定残量以下の時に、第1の蓄電池の放電電流を所定電流以下に抑制して、エレベータ乗りかごが所定階に停止中以外の時には、第1の蓄電池および第2の蓄電池から空調機および照明装置に電力を供給するようにして、エレベータ乗りかごが所定階に停止中は、電力給電装置から第2の蓄電池に充電するように制御するようにしたものである。
このように制御することで、第1の蓄電池をかご内の各装置へ電力供給する主電源として用い、第2の蓄電池を第1の蓄電池の充電残量が不足した場合の補助として用いることができる。第2の蓄電池には容量は小さいが急速な充放電が可能な電池が選定されるため、乗りかごが所定階で停止している時に電力供給装置から急速充電しそれ以外では放電させることにより、第1の蓄電池の不足分を補うように働かせることができる。
また、本発明の第6の観点に係るエレベータ乗りかごの電力制御装置は、ビル建屋側の電源から電力線を通して電力を供給されるエレベータ乗りかごに設置された蓄電池と、エレベータ乗りかごに設置されて蓄電池から電力を供給される空調機、照明装置などの乗りかご搭載の電気機器で、ビル建屋側の電源からも電力線を通して常時電力を供給可能な電気機器とを備えるエレベータにおいて、蓄電池の充電時間帯では、ビル建屋側の電源から電力線を通して蓄電池に電力を充電し、それ以外の時間帯は、蓄電池と、電力線を通してビル建屋側の電源との両方から電気機器に電力を供給するように制御するようにしたものである。
このように制御することで、夜間などの充電時間帯には電力線を介して建屋電源から蓄電池に充電させ、日中などの電気機器が稼働する時間帯には蓄電池はかご内の電気機器へ放電し、建屋電源も電力線を介して電気機器に電力を供給させることが可能になる。
本発明によれば、エレベータのテールコードレス化、あるいはテールコードの軽量化はもとより、そのための重要設計事項である乗りかごに搭載する蓄電池容量の低減を実現し、空調装置や照明などの電気機器の消費電力の無駄を省いて消費電力量を抑えることのできる、エレベータ乗りかごの電力制御装置を提供することができる。
本発明の実施の形態1に係るエレベータ乗りかごの電力制御装置を説明するために引用した、エレベータシステムの全体構成図である。 図1に示すかご電力制御装置の内部構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1に係るエレベータ乗りかごの電力制御装置の動作を説明するために引用したフローチャートである。 本発明の実施の形態1に係るエレベータ乗りかごの電力制御装置の動作を説明するために引用した、空調機調整モードの入出力特性の一例を示す図である。 本発明の実施の形態1に係るエレベータ乗りかごの電力制御装置の動作を説明するために引用した、空調機調整モードの入出力特性の他の例を示す図である。 本発明の実施の形態1に係るエレベータ乗りかごの電力制御装置の動作を説明するために引用したフローチャートである。 本発明の実施の形態2に係るエレベータ乗りかごの電力制御装置を説明するために引用したテールコードレス化したエレベータシステムの全体構成図である。 本発明の実施の形態2に係るエレベータ乗りかごの電力制御装置の動作を説明するために引用したフローチャートである。 本発明の実施の形態2に係るエレベータ乗りかごの電力制御装置の動作を説明するために引用した、建屋電源モードでの空調機の調整係数の一例を示す図である。 本発明の実施の形態3に係るエレベータ乗りかごの電力制御装置(かご電力制御装置)の内部構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態3に係るエレベータ乗りかごの電力制御装置の動作を説明するために引用したフローチャートである。 本発明の実施の形態4に係るエレベータ乗りかごの電力制御装置の動作を説明するために引用したフローチャートである。 本発明の実施の形態4に係るエレベータ乗りかごの電力制御装置の動作を説明するために引用したフローチャートである。 本発明の実施の形態5に係るエレベータ乗りかごの電力制御装置を説明するために引用した、第2蓄電池を使用したエレベータシステムの全体構成図である。 本発明の実施の形態5に係るエレベータ乗りかごの電力制御装置の動作を説明するために引用したフローチャートである。 本発明の実施の形態5に係るエレベータ乗りかごの電力制御装置の動作を説明するために引用したフローチャートである。 本発明の実施の形態6に係るエレベータ乗りかごの電力制御装置を説明するために引用した、軽量テールコードによるエレベータシステムの全体構成図である。 本発明の実施の形態6に係るエレベータ乗りかごの電力制御に関わる部分の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態6に係るエレベータ乗りかごの電力制御装置の動作を説明するために引用したフローチャートである。 本発明の実施の形態5に係るエレベータ乗りかごの電力制御装置の動作を説明するために引用した状況グラフである。
以下、本発明の各実施の形態について説明するにあたり、エレベータシステムの全体構成と各実施の形態との関係について簡単に説明する。
エレベータの乗りかごには、空調機、照明、乗りかごのドアを駆動するモータ、インバータ、かご位置表示器、乗りかごと外部との連絡に使われるインターフォンなどの電気機器が搭載されており、これらの電気機器に電力を供給する必要がある。従来のエレベータは、この電力供給を、乗りかごとビル最上部の機械室などに設置されている制御盤とを結ぶテールコードと呼ばれる電力および通信用のケーブルによって、制御盤(その元は建屋の電源)から直接的に電力を供給している。このテールコードは電線部分が鋼材のため、ケーブル長が長くなるほどその重量はエレベータ全体から見ても大きな比重を占めるようになる。例えば、行程が400〜500m程度のビルになると、乗りかご重量に匹敵するような重量になる可能性もある。また地震などによりテールコードが揺すられると、昇降路内の機材に引っかかる恐れもある。したがって、特に長行程のエレベータにおいて、テールコードを無くすこと、もしくは軽くすることが求められるようになっている。
上記したテールコードを無くした場合、乗りかごに蓄電池を搭載させ、この蓄電池から電力を供給させる方法が考えられる。しかし、蓄電池は常時充電できるわけではなく、ある時間に充電して、その後は長時間放電するという使用形態を取るため、充電容量(蓄電量)を大きくする必要があり、重量が重くなる可能性がある。テールコードを無くしても、代替となる蓄電池の重量がそれを上回るようではシステム的な効果が得られないため、蓄電池容量をできるだけ低減することが必要となる。また蓄電池は容量当りのコストも高く、寿命による装置交換の可能性もあるため、容量はできる限り低減することが望ましい。
蓄電池容量を低減するために、ここでは、乗りかご内の電気機器と蓄電池の電力を適切に管理、制御する制御装置である乗りかご電力制御装置を提供するものである。
まず、乗りかごに搭載されている各電気機器の定格電力の比率を調べると、概算で空調機が75%、照明が15%、ドア駆動装置が5%、その他5%となり、空調機の比率が高いことがわかる。
このため、本発明の実施の形態1に係るエレベータ乗りかご電力制御装置は、空調機の出力電力を適正に抑制するように制御して蓄電池容量の低減をはかっている。図1〜図6にその詳細が示されている。なお、実施の形態1に係るエレベータ乗りかごの電力制御装置は、テールコード有りの従来からあるエレベータのシステム形態でも適用でき、このことにより、省エネ効果を得ることができる。
また、乗りかご内の電気機器への電力供給を蓄電池のみに限定せずに、建屋側の電源を利用できる場合は、建屋側の電源を優先的に利用することで、蓄電池の使用電力量を減らすことが可能となる。これが本発明の実施の形態2に係るエレベータ乗りかごの電力制御装置である。具体的には、ある階(例えば、ロビー階)に蓄電池への充電装置がある場合に、その階に乗りかごが停止した場合は充電装置を介して直接建屋電源からの電力をかご内の電気機器へ供給するように制御する。図1〜図3、および図7〜図9が実施の形態2に係るエレベータ乗りかごの電力制御装置を示している。
空調機以外の乗りかご内電気機器についても、例えば、照明装置や電気式ガイド装置(乗りかごを円滑に上下移動させる車輪に似た役目を果たす装置、磁気ガイドシューやアクティブガイドローラのような電気の供給を受けるガイド装置を総称してここでは電気式ガイド装置と呼んでいる)については、その状況によって運転出力を調整することが可能であり、これにより蓄電池容量を低減できる。これが本発明の実施の形態3に係るエレベータ乗りかごの電力制御装置である。図10〜図11にその詳細が示されている。
一方、蓄電池容量を低減させた場合、最悪事態に備えて充電残量が不足した場合の対処法についても定めておく必要がある。この場合、残りの充電残量に見合うように、かご内の電気機器を順次停止させる策が考えられるが、このときに各機器を適切な順序で停止させるように図ったものが、本発明の実施の形態4に係るエレベータ乗りかごの電力制御装置である。図12、13にその詳細が示されている。
また、蓄電池を主蓄電池と補助蓄電池に分けて設置して、常時のかご電気機器への電力供給は主蓄電池で賄い、万一、主蓄電池が充電不足となった場合には、救援役として補助蓄電池から電力供給を行うことで、電力供給不足となる事態を回避するのが本発明の実施の形態5に係るエレベータ乗りかごの電力制御装置である。ここで、補助蓄電池は高速な充放電が可能な蓄電池を使用することで、充電可能な階に停止した場合は高速充電、そうでない場合は主蓄電池を補助するための放電の動作を繰り返させて、ある時間の間、主蓄電池の不足を補うことが可能になる。図14〜図16にその詳細が示されている。
なお、テールコードレスでは無いが、電流を小さく制限することによってテールコード内の電力線を細くして、軽量のテールコードを実現させる例も考えられる。
具体的には、夜間は建屋電源からかご搭載の蓄電池へテールコードを介して、小さい電流で充電して、日中は、蓄電池とテールコードの両方からかご電力機器へ電力を供給する方法となる。この場合、テールコードを軽くでき、かつ日中もテールコードからの電力も利用できるために、乗りかご搭載の蓄電池容量を小さくできる。本発明の実施の形態6に係るエレベータ乗りかごの電力制御装置が相当する。図17〜図20にその詳細が示されている。
以下、本発明の実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3、実施の形態4、実施の形態5、実施の形態6毎に、その詳細な説明を行う。
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態1に係るエレベータシステムの全体構成を示す図である。
図1では、ビル建屋Y2と、エレベータの昇降路空間Y1が示されており、昇降路空間Y1内をエレベータの乗りかご1が上下方向に移動するようになっている。エレベータ乗りかご1には、空調機11、照明装置12、かご位置表示器13、電気式ガイド装置14(乗りかご1をレールに沿って円滑に上下移動させるための車輪に似た役目をする装置であって、電気の供給を受けて動作するガイドシュー、ガイドローラともいう)、ドアマシン15(乗りかごドアを駆動させるモータとインバータ)、インターフォン16などの電気機器が備え付けられている。
従来のエレベータは、これらの電気機器11〜16にテールコード内の電力線を介して建屋電源から直接に電力供給していたが、ここでは、蓄電池34から電力を供給する。蓄電池34は、充放電可能な2次電池であって、例えば、電気2重層コンデンサ、コンデンサなどにより構成される。
具体的には、蓄電池の直流電力をDC/DCコンバータ33(直流電力を直流電力に変換する装置、蓄電池の直流電圧を昇圧させる働きをもつ)を介して昇圧して、インバータ36により交流電力に変換して各電気機器11〜16に電力を供給する。ここで、DC/DCコンバータ33は、蓄電池制御装置35によって制御される。蓄電池制御装置35は、DC/DCコンバータ33の電圧、電流を制御することによって、蓄電池34の電力を放電させ、あるいは充電させたりすることができる。
蓄電池34への充電は、建屋側電源20が電力供給源となり、昇降路Y1内に設けられたコンバータ21(交流電力を直流電力に変換する)、インバータ22(直流電力を高周波の交流電力に変換、トランスの効率を上げるために高周波の電力に変換する)、給電用トランス23(Tr)を介して、乗りかご側に設けられた給電用トランス31、コンバータ32、DC/DCコンバータ33を通って蓄電池34に電力が充電される。
建屋側電源20からの充電、各電気機器11〜16への放電、蓄電池34の充放電など、かごの電力給電は、コンバータ32、インバータ36、DC/DCコンバータ33、蓄電池34、蓄電池制御装置35によって実施されており、これらをまとめてかご給電装置3と称する。
昇降路Y1側のトランス23と乗りかご側のトランス31とは磁気結合によって非接触で給電できる形態となっており、エレベータの乗りかご1が昇降路Y1内の充電装置(トランス23、インバータ22、コンバータ21をまとめて、以下、昇降路内の充電装置と呼ぶ)のある階で停止した時に、トランス31とトランス23が、例えば数cm以内の距離で近接した状態となり、非接触状態で建屋側から乗りかごへ給電できるようになる。充電装置が設置される階はエレベータが高頻度で停止する階が望ましく、例えば、ロビー階が適している。以上、乗りかご内の各電気機器11〜16と、各電器機器11〜16への蓄電池34による電力供給の仕掛け、および蓄電池34への充電の仕掛けについて説明した。
これら各電気機器11〜16と蓄電池34の電力の授受関係を制御するのが本発明の「かご電力制御手段」としてのかご電力制御装置2である。
かご電力制御装置2は、空調機11、照明装置12を含むかごの各電気機器11〜16や、蓄電池制御装置35へ制御指令を送ることができ、各電気機器11〜16の運転出力の調整や動作の停止、蓄電池34の充放電動作などを制御する。
具体的にかご電力制御装置2は、蓄電池34の充電残量状態、エレベータの利用状態、ビル外の気温、ビルの温度状況、かご内温度センサ17で検出される乗りかごの温度、かご内照度センサ18で検出される乗りかご内の明るさ、エレベータの位置などの入力情報等に基づいて、蓄電池34が適切な充放電動作を行うように制御し、かつ各電気機器11〜16が適切な運転動作を行うように制御する。
かご電力制御装置2への入力には、後述するエレベータ制御装置44A(かご内乗り人数、位置、停止か走行中かなどの情報が入力される)、遠隔管理サーバ52(気象情報などが入力される)、群管理制御装置51(交通流などの情報が入力される)、各階の温度センサ601〜605から得られる情報がある。なお、前記した符号44A、52、51、601〜605は、後記する図7のシステム全体構成図に示されている。
図2は、図1に示すかご電力制御装置2の内部構成を示すブロック図である。図2に示したかご電力制御装置2は、(1)空調機の出力を調整する制御モードと、(2)建屋電源を利用する制御モードのいずれを実行すべきかを判定して(どちらも実行しない選択肢もある)、判定した制御モードに対して適切な制御量を演算して、空調機11もしくは蓄電池34に制御指令を発する働きを有する。
図2に示されるように、かご電力制御装置2は、かご空調指令設定部201と、空調指令調整部202と、空調制御指令変換部203と、制御モード判定部204と、空調指令調整量演算部(空調機調整モード)205と、空調指令調整量演算部(建屋電源モード)206と、蓄電池制御指令設定部(建屋電源モード)207とにより構成される。前記した各構成ブロックが持つ機能については後記する。
空調機11の制御は、かご空調指令設定部201、空調指令調整部202、空調制御指令変換部203の順番で処理されることにより空調機制御指令が定められ、空調機11へと伝送される。かご空調指令設定部201では、従来の空調制御に基づいた制御指令が初期値として定められる。この指令としては、例えば、目標温度(目標とするかご内温度)や目標出力電力(目標とする空調機11の出力電力)などが挙げられる。空調指令調整部202では、かご空調指令設定部201で定められた指令をベースにして、空調指令調整量演算部205で求められた調整量にしたがって、空調指令の大きさを適切な値に調整する。
空調制御指令変換部203では、調整された空調指令を空調機11への制御指令の信号形式となるように、信号の単位もしくは形態を変換する。変換の仕方は空調機11の制御指令の受け方によって変わる。
例えば、空調機11が目標温度で受ける場合は、空調制御指令変換部203は、変換を係数1で実施して、調整された目標温度をそのまま制御指令として空調機に受け渡す。空調機11が出力電力指令で受ける場合で、調整された空調指令が目標温度の場合は、空調制御指令変換部203が、目標温度と現在の乗りかご内の温度との偏差に基づいて出力電力指令に変換する。空調機11がオン/オフの指令で受ける場合には、所定時間の平均値が調整された空調指令(空調指令調整部202の出力)と一致するように、オン/オフの時間パタンを設定して、その時間パタンに基づいてオン/オフを出力する指令に変換する。
空調指令調整部202での調整動作は、まず制御モード判定部204によって、(1)通常動作か、(2)空調機調整モードか、(3)建屋電源モードかのいずれの制御モードを実行するかを判定することによって、それぞれの制御モードに応じた調整量演算部205〜206に切り替えられる。具体的には、切替えスイッチ208によって切替えが実施される。
ここで、通常動作とは、後記する空調機調整モード、建屋電源モードのいずれも実施されない動作であり、空調指令調整部202では、空調指令の調整は行われない。制御モード判定部204には、蓄電池の充電残量、予測充電残量、外気温度、乗りかごの位置と状態(停止しているか走行しているかなどの状態)などの情報が入力されて、これらの状態に基づいて適切な状態が選定される。例えば、蓄電池34の充電残量が少なくて、外気温度が所定値より高い場合には、充電残量不足となることを避けるため、空調機調整モードが選定される。
空調指令調整量演算部205では、乗客のかごへの乗込み階、乗込み人数、外気温度、かご内乗り人数、かご内定員などの情報に基づいて、空調指令の調整量が演算される。各入力量と調整量との関係は、例えば、図4、図5に示される入出力特性をもつ。これらについては、図4、図5を参照しながら後記する。
制御モード判定によって、建屋電源モードが選択された場合は、建屋電源モードの空調指令調整量演算部206によって、空調指令調整量が演算される。この場合の入力情報は、かご内温度、かご内乗り人数となる。ここで演算された空調指令調整量によって空調指令が調整されるのと同時に、蓄電池制御指令設定部207において、蓄電池制御指令が設定されて蓄電池制御装置(図1の35)へ伝送される。建屋電源モードについては、後記するが、乗りかご1が充電可能階で停止している場合に、蓄電池34ではなく、建屋側電源20からかご内の電気機器11〜16に直接電力を供給するもので、空調機11の出力をできるだけ強くして(したがって、調整量は元の指令を拡大する傾向となる)高速に目標温度に近づける一方で、蓄電池34の放電電力はゼロにして、蓄電池34の充電残量を維持させる働きをする。
図3は、図2のかご電力制御装置2の制御モード判定部204の動作を示すフローチャートである。以下、図3のフローチャートを参照しながら制御モード判定部204による判定動作について詳細に説明する。
まず、制御モード判定部204は、蓄電池34の充電残量が閾値1より小さいか否かを判定する(ステップST10)。ここで閾値1よりも大きいと判定された場合(ステップST10“No”)は、更に、充電残量の予測値が閾値2より小さいか否かを判定する(ステップST11)。ここでも閾値2より大きいと判定された場合(ステップST11“No”)、充電残量はまだ十分に残っていると見なすことができ、したがって空調指令調整は実施されない(ステップST12)。充電残量が閾値1より小さいか(ステップST10“Yes”)、あるいは、残量予測値が閾値2より小さい場合(ステップST11“Yes”)は、充電残量不足となる可能性があり、この場合、以下の判定処理がなされる。
すなわち、まず、乗りかご1が停止状態で、かつ、乗りかご1の位置が、乗りかご1への給電装置(図1の給電用トランス23、インバータ22、コンバータ21の装置がある階)のある階と一致する場合(ステップST13“Yes”)、制御モード判定部204は、建屋側電源(図1の20)の電力を、昇降路23側の給電装置21、22、23、乗りかごの給電装置3を介して、乗りかご1の電気機器11〜16に対して供給可能であり、ここで、建屋電源モードの実施が判定される(ステップST14)。
乗りかご1が停止状態ではない、もしくは、乗りかご1の位置が、乗りかご1への給電装置の階に一致しない場合(ステップST13“No”)、制御モード判定部204は、外気温度が閾値3よりも小さいか否かを判定する(ステップST15)。ここで、外気温度が閾値よりも小さいと判定された場合は(ステップST15“Yes”)、空調機11の出力調整をしても乗客にそれほど不快感を与えないと判断され、このため、空調機調整モードと判定される(ステップST16)。外気温度が閾値よりも大きいと判定された場合は(ステップST15“No”)、乗客の温度調整への要望が高いとみなして、通常動作と判定される(ステップST17)。
前記した図3に示す制御モードの判定例では、制御モード判定部204は、空調機調整モードの実施判定に、乗りかご1の位置の条件や、外気温度の条件を加えたが、これらの条件無しで、例えば、蓄電池34の充電残量か、その予測値が閾値より低い場合は、直に空調機調整モードと判定するようにしてもよい。この場合、より蓄電池34の充電残量を維持させる方向に制御を働かせることができる。
図4(a)(b)は、空調機調整モードにおける制御の入出力特性を表すグラフである。具体的にこのグラフ(特性)は、空調指令調整量演算部205で空調指令の調整量を決めるために使用される。
図4(a)は、外気温度による空調機11の調整が無い場合の制御特性を示している。図4(a)のグラフについて、横軸は、乗りかご定員に対するある階からの乗込み人数の比を表しており、縦軸は、調整後(図2の空調指令調整部202による調整後)の空調機の出力量を表している。図4(a)のA1は、乗込み階がロビー階の場合の特性を示し、A2は、乗込み階がロビー階以外の場合の特性を示している。
通常、ビル内部では、空調設備が適正に働いているため、それまでビル内に居て移動のためエレベータを利用しようとする人は乗りかごの中での空調の必要性をそれほど感じていないと考えられる。逆に、外部からビルに入ってきてビル内を移動するためにエレベータを利用する人は、それまで外気温度の環境にいたために、乗りかごの中でも空調の必要性を強く感じていると考えられる。
したがって、両者のニーズに沿って、空調機11の出力を調整すれば、全体として空調の出力を抑制することが可能となる。ビル外部からやってくる人はロビー階に入って、そこでエレベータを利用するため、乗込み階がロビー階か否かで空調の必要性を判断することができる。
図4(a)のA1、A2の2つの特性がこれを表したもので、乗込み階がロビー階の場合の特性(A1)に対して、ロビー階以外の場合の特性は空調機11の出力を低減させている。また、単に乗込み階だけで空調機11の出力を決めるだけではなく、乗込み階での人数も空調機11の出力を決める上で重要と考えられる。例えば、ロビー階から乗込む人がいてもその人数が少ない場合は空調機11の出力をあまり大きく上げる必要はない。これを反映させて、図4(a)のA1およびA2は、乗込み人数の増加に対して調整後の空調出力を増加させる特性となっている。
図4(a)のような特性にしたがって、空調機11の出力を調整することによって、温度調整を望んでいるロビー階から乗り込むエレベータ利用者には重点的に空調出力を配分することができ、特に温度調整を望まないと考えられるロビー階以外から乗り込む利用者には空調出力を抑えることができる。
その結果、利用者を不快にさせることなく、全体として空調機11の出力電力量を下げることが可能となる。また、前記の調整を、ロビー階およびそれ以外の階での乗り込む人数に応じて調整することにより、人数に応じた適正な調整が可能となり、さらに空調機11の出力電力を抑えることが可能となる。したがって、蓄電池34の充電残量が小さい場合に、このような調整を行うことにより、空調機11による電力消費が抑制されて、充電残量の減りを下げることが可能になる。つまり、テールコードレスエレベータで蓄電池の必要容量を低減することが可能になる。
なお、乗込み人数は乗りかご床下に設置された不図示の荷重センサで検出された荷重データ値の時間的な変化を1人当りの平均体重で割ることより、概算値として求めることが可能である。また、補足として、空調機11が出力を変えても乗りかご内の温度が変わるまでに時間がかかることが懸念されるが、人は空調機11からの冷風(単に送風だけではなく冷気を伴った風)によって涼しさを感じるため、このような制御で実質的に十分であり、また、かご内の空気全体を冷やすよりも空調機の出力は小さく済み、その点でも必要電力量を抑えることができる。
図4(b)は、外気温度による空調機の調整がある場合の制御特性を示している。乗込み階がロビー階か否かによる特性の差、乗込み人数と共に調整量が増大する特性は図4(a)と同じである。
図4(b)の空調機調整モードの制御特性が、図4(a)の制御特性と異なるのは、乗込み階がロビー階の場合に、その時の外気温度によってその特性が変わる点にある。図4(b)の例では、外気温度が25度、28度、30度、32度と上がるにしたがって、空調機の出力量の特性がA11、A12、A13、A14と増加するようになっている。これは、ロビー階から乗り込む利用者に対して、その時の外気温度に応じてさらにきめ細かく空調出力を調整することにより、全体として出力を抑制することを狙っている。例えば、図4(a)では、外気温度によらずロビー階からの乗込み客には人数に応じた一律の特性で空調出力を決めているが、図4(b)では、外気温度があまり高くない場合には空調機11の出力も抑制させており、全体として空調機11の出力を抑制することが可能となる。
図5は、図4(a)(b)に示した制御特性例とは異なる空調機調整モードにおける制御特性を表している。また、図5は、図2に示した建屋電源モードでの空調指令調整量演算部206で使用される調整制御の入出力特性にも対応している。
図5において、横軸は乗りかご定員に対するかご内乗り人数の比を表しており、縦軸は調整後(図2の空調指令調整部202による調整後)の空調機の出力を表している。図5のように、かご内人数が増えるほど調整後の空調機出力量を増加させる特性(グラフB1)となっている。またこの特性(グラフB1)は2乗関数のような特性を持っており、かご内の人数が増えるほど、空調機出力は急激に増加するようになっている。これは、かご内の乗り人数が少ない場合、それほど空調機出力は必要ないと考えられるが、人数が増えるほど、心理的に圧迫感を感じ、不快感を感じるため、より強い空調機出力が必要になると考えるためである。さらに人数が増えることにより体温による温度上昇もあり、より強い空調機出力が必要となると考えられる。
図5の特性にしたがって空調機出力を制御することにより、かご内が混んで本当に空調が必要な時に集中的に空調出力させるようにしたため、それ以外では空調機出力を抑制することができ、全体として空調機出力を抑制することができる。
また、建屋電源モードでは、乗りかごの位置はかごへの給電装置のある階に限定されるため、乗込み階によって出力を調整する図4(a)(b)の方法では適用範囲が狭くなり、図5に示す制御特性の方がより適している。したがって、図2の建屋電源モードでの空調指令調整量演算(206)は、図5の特性に基づいて実行される。
なお、かご内乗り人数についても、乗りかご1の床下に設置された荷重センサの荷重データ値を1人当りの平均体重で割ることにより、概算値として求めることが可能である。
図6は、空調指令調整量演算部205による空調機調整モードでの処理フローチャートを示している。以下、図6に示すフローチャートを参照しながら空調指令調整量演算部205の動作について詳細に説明する。
まず、空調指令調整量演算部205は、乗客の乗込み階がロビー階であるか否かを判定する(ステップST20)。ここでロビー階とは、単に一つの階だけに限定せず、ビル外との出入りがあり、かつその出入りの利用人数が多い階(複数あってもよい)を指している。乗込み階がロビー階の場合は、空調指令調整係数Kを以下の演算式(1)に基づき算出する(ステップST21)。
K=FA(P、T) …(1)
ここで、FAは乗客の乗込み階がロビー階である場合の空調指令調整係数Kの値を決める関数で、図4(b)のA11〜A14に対応した入出力特性となる。Pは乗込み階での乗り人数とかご定員の比、Tは外気温度を表している。
ここで設定された空調指令調整係数Kに基づき、空調指令調整量演算部205により空調機制御指令が調整されて、図4(b)のA11〜A14の特性に従った空調機指令になる。この空調機指令の調整は、変更時点からエレベータ乗りかごの乗客が零になるまで(乗り込んだ乗客が全て降りるまで)、もしくはそのかごが方向反転するまで続けられる(ステップST22)。乗込み階がロビー階以外の場合は、空調指令調整係数Kを以下の演算式(2)に基づき算出する(ステップST23)。
K=FB(P) …(2)
ここで、FBは乗客の乗込み階がロビー階以外である場合のKの値を決める関数で、図4(b)のA2に対応した入出力特性となる。Pは乗込み階での乗り人数とかご定員の比を表している。ここで、設定された空調指令調整係数Kに基づいて、空調機制御指令が調整されて、図4(b)のA2の特性に従った空調機指令になる。このKの設定値は乗込み階毎に更新されて、空調指令調整量演算部205は、エレベータ乗りかごの乗客が零になるか、もしくは乗りかごが方向反転するまで設定されたKにより空調指令調整を実施する(ステップST24)。
このようにして乗客乗込み階、乗込み階での人数、外気温度に応じて、空調指令調整係数Kが設定されるため、必要に応じた空調出力が可能となり、その結果、不要な空調出力が抑制されるため、全体としての空調機の出力電力量が抑制される。したがって、テールコードレスエレベータを実現する場合に、かごに搭載する蓄電池34の必要容量を低減することが可能となる。
[実施の形態2]
次に、図7から図9を参照して、建屋側電源20から給電装置を介して乗りかご1の電気機器11〜16(図中では11A〜16A、11B〜16Bで示す)に直接電力を供給させる、本発明の実施の形態2に係るエレベータ乗りかごの電力制御装置について説明する。
図7は、テールコードレス化したエレベータシステムの全体構成を示す図である。ここでは、エレベータ2台(50A、50B)の群管理(2台のエレベータを一つのグループとして統括管理する形態)している状況を表している。各要素に付加された番号中で末尾にAが付いたものは1号機の要素を表しており、Bが付いたものは2号機の要素を表している。ここでは1号機の要素のみについて説明して、2号機の要素については省略する。また1号機の要素中で、図1で既に説明済みの要素については同じ符号が付されており、ここでは説明を省略する。以下、1号機を主体にして、図7に示したエレベータシステムの全体構成について説明する。
エレベータシステム(1号機について)は、乗りかご1Aと釣合錘48Aが主ロープ47Aによって結ばれた構成をしており、主ロープ47Aを綱車(シーブ)46Aと滑車(プーリ)48Aとによって動かすことにより、乗りかごと釣合錘を上下に移動させる仕組みになっている。
綱車46Aはモータ45Aによって回転させられ、モータ45Aはエレベータ制御装置44A内のインバータによって可変速駆動される。エレベータ制御装置44A、モータ45Aなどはビルの最上階にある機械室に置かれている。
乗りかご1Aの各電気機器へは、図1で既に説明したように、かご給電装置3A(蓄電池34と電力変換器32、33、36、蓄電池制御装置35で構成されている)から電力が供給されている。空調機11Aなどの電気機器と、かご給電装置3Aは、「かご電力制御手段」としてのかご電力制御装置2Aによって適切に動作するように制御される。
かご給電装置3A内の蓄電池34への充電は、乗りかご側のトランス31Aと昇降路側のトランス23Aの電磁結合によってエネルギーが伝えられる。昇降路側の電力変換装置24Aは、図1のコンバータ21とインバータ22をまとめたもので、建屋側電源を高周波の交流電力に変換する。またエレベータ制御装置44Aから乗りかごへの制御情報の伝送は無線通信装置43A(制御装置側)と42A(乗りかご側)によって行われる。昇降路の行程は長いもので400m以上あるため、無線通信装置にはこの程度の距離まで伝送可能な種類の無線が使われる。
前記した無線通信に、例えば、マルチホップ無線通信システムを採用してもよい。マルチホップ無線通信システムは、IEEE802.15.4に代表される、基地局と、複数の中継局、またはセンサ等に接続された複数の端局から構成される無線ネットワークであり、これら複数の無線局をエレベータの昇降路Y1の壁面等に設置しておくことで自立的に無線通信を行い、データ転送を可能とする。また、昇降路Y1の行程によっては昇降路Y1と各階の乗り場に設置されるセンサによる近距離無線通信で代替してもよい。
なお、各階のエレベータ乗り場には温度センサ601、602、…、605が設置されており、各階の温度が計測されている。この各階の温度データは、図示していない各階乗り場を結ぶLAN(Local Area Network)等の有線通信ネットワークによってエレベータ制御装置44Aに送られて、さらに無線を介してかご電力制御装置2Aに送られる。
また、図7には図示省略しているが、各階の乗り場には画像認識によって乗り場の待ち客の人数を計数できるホール待ち客センサが設置される場合もある。以上がエレベータ1号機の構成であり、エレベータ2号機も同様の構成をしている。
エレベータ1号機と2号機はエレベータ群管理装置51によって、1つのグループとして統括管理されている。この群管理装置51では、各エレベータの各階の乗降人数とその時刻を統計的に集計しており、その時刻における利用人数や過去のデータに基づいて先の時点の利用人数の予測値を求めることができる。またこれらの情報は通信線を介して、各エレベータの制御装置44A、44Bに配信することができる。
遠隔管理サーバ52は、例えば、そのビルの設備管理室やエレベータの保守事業者の所に設置されており、気象予測情報などの情報を、通信線を介して各エレベータの制御装置44A、44Bに配信することができる。以上が、本発明によるエレベータ乗りかごの電力制御装置を備えた、テールコードレス化されたエレベータシステムの概略構成となる。
建屋電源モードは、蓄電池の充電残量が不足状態の時に(図3のステップST10、ST11)、かごが停止状態で、かつ、かごの位置が、かごへの給電装置のある階に一致している場合(図2のステップST13)、昇降路Y1側にある給電装置から乗りかご側の給電装置に直接電力を供給できる場合に実行される。
具体的には、図1において、建屋電源20から昇降路側のコンバータ21、インバータ22、トランス23、乗りかご側のトランス31、コンバータ32、インバータ36を介して、空調機11や照明装置12などの電気機器に直接電力を供給する。またこのときの蓄電池34の放電電力は零とする。このように、かご給電装置3Aのある階では建屋側の電源を利用することにより、蓄電池の充電残量を減らすことなく、乗りかごの各電気機器11〜16に電力を供給できる。これが建屋電源モードとなるが、建屋側の電源から乗りかごへ給電できる階は限られており、またその時間(その階での停止時間)も限られている。したがって、限定された機会・時間でいかに適切にかごの電気機器を動かすかが実運用での課題になる。
ここでは、空調機11に着目し、具体的には空調で調整した乗りかご1内の温度はその後暫く継続される(空気が温度=熱エネルギーを保存する)という特性に着目して、かご内の温度、乗りかご内の乗り人数、その時間帯のエレベータの利用人数、各階の乗り場(ホール)の待ち人数などの情報から、必要な空調機の出力、もしくはかご内温度を予測して、建屋電源モード期間中にその必要条件を満たすように空調機の出力を制御するようにしている。
図8は、建屋電源モードにおける空調機の制御状態決定処理についてフローチャートで示した図である。
以下、図8のフローチャートを参照しながら、空調指令調整量演算部206(図2)による建屋電源モードでの空調機11の制御状態決定処理について説明する。
まず、空調指令調整量演算部206は、乗りかご1内の温度センサ(図7の17A)で検出したかご内温度TC(度)を基に、乗りかご内温度による調整係数K1を以下の演算式(3)より算出する(ステップST30)。ここで、調整係数は空調機の出力調整(図2の空調指令調整部202に該当)を行うための調整ゲインを意味している。
K1=F1(TC) …(3)
ここで、F1はかご内温度によって調整係数K1を決める関数を表している。調整係数K1は現在のかご内温度から電源モード期間中にどの程度の空調機調整が必要かを推測した調整量を表している。次に、空調指令調整量演算部206は、乗りかご床下に設置された荷重センサの荷重検出値に基づいて算出したかご内乗り人数PC(人)を基に、かご内乗り人数による調整係数K2を以下の演算式(4)に基づき算出する(ステップST31)。
K2=F2(PC) …(4)
ここで、F2はかご内乗り人数によって調整係数K2を決める関数を表している。調整係数K2は現在のかご内乗り人数から電源モード期間中にどの程度の空調機調整が必要かを推測した調整量を表している。さらに、空調指令調整量演算部206は、現時間帯におけるエレベータの利用人数NR(人)と予測利用人数NRP(人)を群管理装置51から得て、これらを基に利用人数、予測利用人数による調整係数K3を以下に示す演算式(5)に基づき算出する(ステップST32)。
K3=F3(NR、NRP) …(5)
ここで、F3は現時間帯における利用人数と予測利用人数によって調整係数K3を決める関数を表している。調整係数K3は現時間帯における利用人数と予測利用人数から電源モード期間中にどの程度の空調機調整が必要かを推測した調整量を表している。各階(もしくはある特定階でもよい)の乗り場にホール待ち客センサがある場合は(ステップST33)、各乗り場のホール待ち人数の合計PH(人)による調整係数K4を、以下の演算式(6)に基づき算出する(ステップST35)。
K4=F4(PH) …(6)
ここで、F4は各乗り場のホール合計待ち人数によって調整係数K4を決める関数を表している。調整係数K4は現在の各乗り場のホール合計待ち人数から電源モード期間中にどの程度の空調機調整が必要かを推測した調整量を表している。ホール待ち客センサが無い場合は、K4は零値となる(ステップST34)。
以上の処理により、図2に示す蓄電池制御指令設定部207は、かご内温度、かご内乗り人数、利用人数と予測利用人数、各乗り場のホール合計待ち人数の各要因に対する空調機の調整係数を求めた後、各調整係数の合計によって空調指令調整係数を求める(ステップST36)。また、同時に蓄電池放電電流指令は零値として、蓄電池の制御は定電流制御に切り替える(通常時、蓄電池は定電圧制御で制御されている)(ステップST36)。この結果、空調機はその時の状況(温度、乗り人数、利用人数、待ち人数)に見合った適切な出力に制御され、蓄電池は放電出力をしないため、充電残量が保存される。さらに、空調機の出力は調整係数により、先の状況の予測を含めて決められているため、乗りかごが給電装置のある階を出発した後も、蓄電池から放電出力を適正に抑制することができる。
なお、図8に示した空調機の出力調整量を決める処理(ステップST30〜ST35)は、図2の建屋電源モードにおける空調指令調整量演算部206にて実行され、蓄電池の制御条件を定める処理(ステップST36)は、図2の建屋電源モードにおける蓄電池制御指令設定部207にて実行される。
図9は、建屋電源モードでの空調機の調整係数の具体例を表している。図9において、横軸(C1)はかご内温度を表しており、縦軸(C2)はエレベータの利用人数を表している。
横軸と縦軸の交点のマス目は、かご内温度と利用人数の組合せに対する空調機出力の調整係数を表している。例えば、かご内温度が28度、エレベータ利用人数がx3人の場合、調整係数はP11となる。この調整係数は、現在のかご内温度とエレベータ利用人数に基づいて現在およびその後しばらくの時間において必要と推定した空調機の出力調整量を表している。なお、図8に示す調整係数の求め方では、かご内温度と利用人数を分け、それぞれ独立の関数で各要因の調整係数を求めたが、図9のように組み合わせてもよい。
[実施の形態3]
図10、図11は、本発明の実施の形態3に係るエレベータ乗りかごの電力制御装置による、空調機以外のかごの電気機器(照明装置と電気式ガイド装置)の出力調整方法を説明するために示した図である。
照明装置12と電気式ガイド装置14の両者を調整する制御は、本発明の「かご電力制御手段」としてのかご電力制御装置2内で実施される。以下、図10、図11を参照して、照明装置と電気式ガイド装置の出力調整方法について説明する(適宜図1等参照)。
図10は、照明装置と電気式ガイド装置の出力を調整するかご電力制御装置2の構成を示す。基本構成は、図2の実施の形態1で示した空調機11の出力調整と同じである。すなわち、かご照明出力指令設定部220で、かご照明に対する出力指令が設定され、照明出力指令調整部221で、出力指令が調整される。ここで、出力指令の調整は、照明出力指令調整量演算部224で算出された調整量に基づいて調整される。照明制御指令変換部222は、調整された照明出力指令を照明制御指令に変換する。照明制御指令は、かご内の照明装置の制御部へ伝送されて、その制御指令(その元は調整された出力指令)にしたがって照明装置の出力が制御される。
ここで、照明装置12は、基本的にLED(発光ダイオード)照明を想定している。LED照明は、電力の調整により照度の調整や入/切が容易にできる。インバータ式の蛍光灯でも寿命を損なう可能性があるが、電力の調整によりある程度照度を調整することは可能となる。
照明出力指令調整モード判定部223は、蓄電池の充電残量、充電残量の予測値、かご内乗り人数、かご内外光量(図1のかご内照度センサ18によって検出)によって、照明出力指令の調整を実施するか否かを判定する。照明出力指令調整モード判定部223による判定処理の詳細については、図11のフローチャートを参照しながら後記する。照明出力指令調整モード判定部223での判定結果は、照明出力指令調整量演算部224に伝えられる。照明出力指令調整量演算部224では、出力調整を実施する場合は充電残量とその予測値に基づいて、空調機の場合と同様に調整係数もしくは調整量が計算されて、照明出力指令調整部221にその結果が送られる。出力調整を実施しない場合は、調整係数もしくは調整量が零として、照明出力指令調整部221にその結果が送られる。
電気式ガイド装置14は、乗りかご1をレールに案内(ガイド)するための装置で、乗りかご1のかご枠に取り付けられている(図7のシステム全体構成図の符号14Aが模式的にこれを表している)。電気式ガイド装置14にはガイドシュー(レールの間をスライドするもの)とガイドローラ(レールの間にローラを設けるもの)の2タイプがあるが、電気を供給した電気式のものとしては、前者については磁気的な力で浮上させるようにしたもの、後者についてはアクチュエータを使って電動構造にしてレールとローラの押圧力を調整するものがある。いずれも振動・騒音を小さくできる効果がある。
電気式ガイド装置14の出力調整についてもその構成は照明の場合と全く同じとなる。以下、簡単に制御構成の流れだけを説明する。
まず、出力指令設定部225は、電気式ガイド装置14の出力指令を設定して、調整が必要な場合は、出力指令調整部226が出力指令の調整を行う。制御指令変換部227は、調整後の出力指令を制御指令に変換して、制御指令を電気式ガイド装置14へ送る。電気式ガイド装置14の出力調整を実施するか否かは、出力指令調整モード判定部228が判定して、調整を実施する場合は、出力指令調整量演算部229にて調整係数もしくは調整量が演算される。演算された調整係数もしくは調整量は、出力指令調整部226に送られ、出力指令調整部226は、その値にしたがって出力指令を調整する。電気式ガイド装置14の出力指令調整モード判定部228の入力は、蓄電池の充電残量、その予測値、かご内乗り人数、かご走行状態情報になる。出力指令調整量演算部229の入力は、蓄電池の充電残量とその予測値になる。
図11は、図10に示す照明出力指令調整モード判定部223、および電気式ガイド装置出力指令調整モード判定部228により実行される、照明装置12、および電気式ガイド装置14の出力調整を実施するか否かを判定する処理フローチャートである。以下、図11のフローチャートを参照しながら、図10に示す照明出力指令調整モード判定部223、および電気式ガイド装置出力指令調整モード判定部228による処理の流れを説明する。
図11のフローチャートにおいて、照明出力指令調整モード判定部223(電気式ガイド装置出力指令調整モード判定部228)は、まず、蓄電池の充電残量が閾値3より小さいか否かを判定する(ステップST40)。閾値よりも大きいと判定された場合は、更に、充電残量予測値が閾値4より小さいか否かを判定する(ステップST41)。ここで、予測値も閾値より大きいと判定された場合は(ステップST41“No”)、照明装置12や電気式ガイド装置14の出力調整は実施しないと判定される(ステップST42)。
一方、蓄電池の充電残量が閾値3より小さいか(ステップST40“Yes”)、その予測値が閾値4よりも小さいと判定された場合(ステップST41“Yes”)、照明出力指令調整モード判定部223は、乗りかご1内の乗り人数が零か否かを荷重センサで検出された値に基づき判定する(ステップST43)。かご内乗り人数が零の場合は(ステップST43“Yes”)、かご内照明の出力を蓄電池34の充電残量またはその予測値に応じて低減させる(ステップST44)。
一方、電気式ガイド装置出力指令調整モード判定部228は、さらに、乗りかご1が走行中か否かを判定して(ステップST45)、走行中の場合は(ステップST45“Yes”)、電気式ガイド装置14の出力を蓄電池の充電残量、またはその予測値に応じて低減させる(ステップST46)。停止中の場合は、電気式ガイド装置14の出力調整は実施しない(ステップST47)。
なお、蓄電池34の充電残量が不足状態の場合、乗りかご1内の乗客が零にも関わらずかご内照明を付けているのは電力を不要に消費しており、出力を充電残量に応じて適度に抑制した方がよい。同じく乗客がいないにも関わらず電気式ガイド装置14を動作させて、かごの振動を過度に抑制させても電力を不要に消費していることになり、出力を充電残量に応じて適度に抑制した方がよい。
乗りかご内の人数を検出して、零の場合は照明および電気式ガイド装置の出力を充電残量に応じて抑制することにより、利用者へ影響を与えることなく、充電残量の減少を抑えることが可能となる。つまり充電切れを起こしにくくできる。このような制御を実施することにより、乗りかごに搭載する蓄電池の容量をさらに低減することが可能となる。
かご内の乗り人数が零で無い場合は(ステップST43“No”)、図1のかご内照度センサ18で検出されるかご内の外光量が閾値10よりも大きいか否かを判定する(ステップST48)。外光量が大きい場合は(ステップST48“Yes”)、かご内照明の出力を絞ることができ、その出力を蓄電池の充電残量またはその予測値に基づいて低減させる(ステップST49)。外光量が小さい場合は(ステップST48“No”)、機器の出力調整は実施しない(ステップST50)。
この場合も外光の大きさに応じてかご内照明を抑制できるため、蓄電池の充電残量の減少を抑えることができる。なお、かご内に外光が入るケースは、乗りかごの壁がガラスで構成された場合で、かつ、昇降路がビル外(屋外)にある場合を想定している。展望用のエレベータなどがこれに該当する。
[実施の形態4]
図12、図13は、本発明の実施の形態4に係るエレベータ乗りかごの電力制御装置による、蓄電池34からの電力供給停止制御の流れを示す図であり、蓄電池34の充電残量不足時の蓄電池34から各電機機器11〜16(図1等参照)への電力供給停止(図12)、非常停止時の蓄電池からの電力供給停止制御(図13)のそれぞれを示す。
図12、図13は、いずれも、かご電気機器の出力調整や建屋電源の利用だけでは間に合わないような場合に、やむを得ず、電気機器11〜16を停止させる場合の、乗客にとってより適切(この場合、安全面から適切)と考えられる電気機器停止の順序制御を示しており、かご電力制御装置2内で実施される。
図12のフローチャートにおいて、かご電力制御装置2は、まず、蓄電池34の充電残量が閾値Aよりも小さいか否かを判定する(ステップSTA01)。ここで大きいと判定された場合は(ステップSTA01“No”)、次回の判定処理まで待って(ステップSTA02)、再度、ステップSTA01の処理に戻って閾値比較を行う。
ここで、閾値Aは、電気機器の出力調整の閾値に比べてさらに小さい値となる。厳しい充電残量不足になって始めてこの停止処理シーケンスが実施される。充電残量が閾値Aより小さい場合(ステップSTA01“Yes”)、すなわち、厳しい充電残量不足の場合は、蓄電池34から乗りかご1内の空調機11への電力供給を最優先で停止させるか、もしくは空調機11の動作を停止させる(ステップSTA03)。
次に、かご電力制御装置2は、蓄電池34の充電残量が閾値Bよりも小さいか否かを判定する(ステップSTA04)。大きいと判定された場合は(ステップSTA04“No”)、次回の判定処理まで待って(ステップSTA05)、再度、ステップSTA04の処理に戻って閾値比較を実行する。閾値Bよりも小さいと判定された場合は(ステップSTA04“Yes”)、蓄電池から乗りかご内のかご位置表示器13(インジケータ)の電力供給を停止させる、もしくはかご位置表示器13の動作を停止させる(ステップSTA06)。
次に、蓄電池34の充電残量が閾値Cよりも小さいか否かを判定する(ステップSTA07)。ここで大きいと判定された場合は(ステップSTA07“No”)、次回の判定処理まで待って(ステップSTA08)、再度、ステップSTA07の処理に戻って閾値との比較を行う。ここで閾値Cよりも小さいと判定された場合は(ステップSTA07“Yes”)、蓄電池34から乗りかご1内の照明装置12の電力供給を停止させる、もしくは照明装置12の動作を停止させる(ステップSTA09)。
次に、蓄電池34の充電残量が閾値Dよりも小さいか否かを判定する(ステップSTA10)。ここで大きいと判定された場合は(ステップSTA10“No”)、次回の判定処理まで待って(ステップSTA11)、再度、ステップSTA10の処理に戻って閾値との比較を行う。ここで、閾値Dよりも小さいと判定された場合は(ステップSTA10“Yes”)、蓄電池34から乗りかごドア駆動装置の電力供給を停止させる、もしくは乗りかごドア駆動装置の動作を停止させる(ステップSTA12)。
以上の手順にしたがい段階的に各電気機器11〜16への電力供給を停止させる、もしくはその動作を停止させるが、充電残量が零になるまで、インターフォン16への電力供給は継続させるものとする。乗りかご1内の空調機11やかご位置表示は必ずしも必要というわけではなく、快適性は損なわれても、他との比較で許容範囲と考えられるため、まずこの順序で停止させる。照明装置12はかご内の安全(防犯的意味の安全)を保つために必要なため、充電残量がやむを得ない状況となるまで継続させる。また、乗りかごドアの駆動装置はさらに重要で、ドアの開閉ができない場合は、乗客は乗りかごに閉じ込められるため、最終段階の1つ前まで電力供給を継続させるようにする。
最後に残すのは、外部と乗りかご1内の連絡に使うかご内インターフォン16で、どのような状況でも安全確認のため、乗りかご内の状況を確認する必要があり、かご内インターフォン16は、最後まで電力供給を継続させる必要がある。
以上、図12に示した停止シーケンスにしたがって各電気機器11〜16を停止させることにより、最悪状況として充電残量不足が厳しい状況になっても、乗客の安全を確保することが可能になる。
図13は、図12と同じ、厳しい充電残量不足になった場合の電気機器の停止シーケンスを示したものであるが、図12のシーケンスが通常時(エレベータが運行している状況)を想定しているのに対して、図13のシーケンスは、例えば、地震などでエレベータが非常停止した場合など非常停止時を想定した場合のシーケンスを表している。以下、図13のフローチャートを参照しながら説明する。
図13のフローチャートにおいて、かご電力制御装置2は、まず、エレベータ乗りかご1が非常停止中か否かを判定する(ステップSTB01)。非常停止中でないと判定された場合は(ステップSTB01“No”)、図12に示したフローチャートにしたがって処理される。非常停止中と判定された場合は(ステップSTB01“Yes”)、蓄電池34の充電残量が閾値Fより小さいか否かを判定して(ステップSTC01)、大きいと判定された場合は(ステップSTC01“No”)、次回判定時まで処理待ちとして(ステップSTC02)、再度、ステップSTC01の処理に戻り閾値比較を行う。ここで、小さいと判定された場合は(ステップSTC01“Yes”)、蓄電池34から乗りかご1内のかご位置表示器13(インジケータ)への電力供給を停止させるか、もしくはかご位置表示器13の動作を停止させる(ステップSTC03)。
次に、蓄電池34の充電残量が閾値Gより小さいか否か判定して(ステップSTC04)、大きいと判定された場合は(ステップSTC04“No”)、次回判定時まで処理待ちとして(ステップSTC05)、再度、ステップSTC04処理に戻って閾値比較を行う。ここで、小さいと判定された場合は(ステップSTC04“Yes”)、蓄電池34から乗りかごドア駆動装置への電力供給を停止させるか、もしくは乗りかごドア駆動装置の動作を停止させる(ステップSTC06)。
次に、蓄電池34の充電残量が閾値Hより小さいか否かを判定して(ステップSTC07)、大きいと判定された場合は(ステップSTC07“No”)、次回判定時まで処理待ちとして(ステップSTC08)、再度、ステップSTC07の処理に戻り閾値比較を行う。ここで、小さいと判定された場合は(ステップSTC07“Yes”)、蓄電池34から乗りかご1内の空調機11への電力供給を停止させるか、もしくは空調機11の動作を停止させる(ステップSTC09)。
次に、蓄電池34の充電残量が閾値Iより小さいか否かを判定して(ステップSTC10)、大きいと判定された場合は(ステップSTC10“No”)、次回判定時まで処理待ちとして(ステップSTC11)、再度、ステップSTC10の処理に戻り閾値比較を行う。ここで、小さいと判定された場合は(ステップSTC10“Yes”)、蓄電池34から乗りかご1内の照明装置12への電力供給を停止させるか、もしくは乗りかご1内の照明装置12の動作を停止させる(ステップSTC12)。
上記した図13のフローチャートにおいても、蓄電池34からかご内インターフォン16への電力供給は蓄電池34の残量が零になるまで継続させる。つまり、乗りかご1内インターフォン16は停止させずに最後まで動作させるようにする。非常停止中(途中階で非常停止中の場合)は、乗りかご1内に乗客がしばらくの時間残される可能性があり、乗りかご1内の温度を適切に保つために、空調機11を停止させる順番を後ろにずらす方がよい。また、しばらくは乗りかご1のドアを動作させることが無いため、ドアの電力供給は早い段階で停止させてもよい。なお、乗りかご1は、ドアが閉じているときも電力を消費しているため、電力供給を止めることにより、充電残量の低減を抑えるのに効果がある。このように、非常停止中は状況が変わるため、常時とは異なる停止シーケンスで処理することにより、乗客に対してより適切な順で機器停止を進めることが可能となる。
[実施の形態5]
図14〜図16は、蓄電池34を、第1蓄電池としての主蓄電池と、第2蓄電池の2段構成として、主蓄電池の充電残量が不足した場合、救援役として第2の蓄電池を使う、本発明の実施の形態5に係るエレベータ乗りかごの電力制御装置を説明するために示した図である。図14は、このための乗りかごの電力制御に関わる構成を示したブロック図である。
図14において、図1に示す実施の形態1と同じ番号が付されたブロックは図1に示すブロックと同じ名称、および機能を有するものとする。実施の形態1との差異は、第2蓄電池34Sと、第2蓄電池34Sの制御装置35S、そして、第2蓄電池34Sに対するDC/DCコンバータ33Sが追加されたことにある。
第2蓄電池34Sの出力電力は、DC/DCコンバータ33Sを介して、主蓄電池34と同じく、空調機11などのかご電気機器へ供給される。また、主蓄電池34の出力と第2蓄電池34Sの出力は、DC/DCコンバータ33Sと、インバータ36間の直流母線に共に接続されているため、乗りかご側のトランス31からDC/DCコンバータ32を介して、第2蓄電池34Sへも建屋電源の電力を充電できるようになっている。
かご電力制御装置2は、主蓄電池34の主蓄電池制御装置35、第2蓄電池34Sの第2蓄電池制御装置35Sと通信線でつながっており、それぞれに対して制御指令を送り、あるいは制御状況をモニタリングすることができる。
第2蓄電池34Sは、主蓄電池34が充電残量不足となった場合の救援役の役割を果たす。規模の増加を抑えるために、第2蓄電池34Sの容量は主蓄電池34の容量よりもできるだけ小さくする。その代わりに第2蓄電池34Sとして、高速な充放電が可能な特性をもつ蓄電池を選定する。第2蓄電池34Sは、充電可能な階に停止すると高速充電して充電量を増やし、走行中や他の階に停止中は放電させる。
第2蓄電池34Sは、充電を行いながらできるだけ長い時間放電させるようにして、主蓄電池34の充電残量の減少を抑えるように働かせる。高速充放電が必要な第2蓄電池34Sとしては、電気二重層コンデンサ、リチウムイオン電池などが適している。なお、主蓄電池34は、所定の長い時間充電した後に、所定の長い時間放電させる使い方(サイクル用途とも呼ばれる)となり、第2蓄電池34Sとは異なる特性が求められる。また、一般にこのようなサイクル用途タイプの蓄電池は放電途中での一時的な充電動作、特に、大電流による充電動作は寿命を短くし、あるいは装置を傷める可能性があるため、避けることが望ましいとされている。
前記したように、救援役の第2蓄電池34Sを備えることによって、マージンを持って容量を定められる主蓄電池34に対して、さらに容量低減を図ることが可能となる。第2蓄電池34Sは、途中での高速充放電が可能なため、主蓄電池34で削減した容量よりもさらに小さい容量とすることが可能で、全体として、電池規模、重量を低減することが可能になる。
図15は、第2蓄電池34Sによる制御シーケンスを示すフローチャートである。以下、図15に示すフローチャートを参照しながら、第2蓄電池を使用した場合の動作モードについて説明する。
まず、かご電力制御装置2は、主蓄電池34の充電残量が閾値5より小さいか否かを判定し(ステップST61)、次に、主蓄電池34の充電残量予測値が閾値6より小さいか否かを判定する(ステップST62)。両者を共に満たさない場合は(ステップST61“No”、ST62“No”)、主蓄電池34の充電残量に余裕があるとみなすことができ、このため、第2蓄電池34Sは動作させないようにする(ステップST63)。前記した判定のいずれかを満たす場合は(ステップST61“Yes”、またはステップST62“Yes)、第2蓄電池34Sを動作させる第2蓄電池動作モードに入る(ステップST64で示す一点鎖線で示す領域)。
ここでは、まず、待機階(サービスを完了した乗りかごが待機する階)をかごへの給電装置のある階に設定する(ステップST65)。したがって、サービスを完了して待機状態にあるかごは常に給電装置のある階に待機することになり、待機中は第2蓄電池34Sへの充電が可能となる。次に、かごが停止状態でかつかご位置がかごへの給電装置のある階と一致するかどうかが判定される(ステップST66)。条件を満たす場合は(ステップST66“Yes”)、第2蓄電池34Sへの充電が可能であり、建屋側電源20から第2蓄電池34Sへ高速充電する(ステップST67)。
条件を満たさない場合は(ステップST66“No”)、第2蓄電池34Sを放電させるモードに入る。まず、空調機11と照明装置12の消費電力を抑制する(ステップST68、ST69)。その上で、第2蓄電池34Sを定電圧制御で放電させる(ステップST70)。主蓄電池34に対しては、放電電流の上限値を設けて、放電電流を制限させる(ステップST71)。
この結果、主蓄電池34の放電電力と、かご電力機器11〜16の消費電力の差分が第2蓄電池34Sから供給されることになる。具体的には、主蓄電池34の放電電力よりもかご電力機器11〜16の消費電力が大きい場合は、そのアンバランスにより直流母線(DC/DCコンバータ33Sとインバータ36間の直流母線)の電圧が下降する。第2蓄電池34Sは定電圧制御で制御されているため、この下降を補うように放電動作することになり、電力の需給バランスが一致するようになる。
第2蓄電池34Sの放電出力が不足している場合(基本的に、第2蓄電池34Sは容量・出力電力はそれほど大きくない仕様で選定されている)は、直流母線電圧が低下したままとなるため、それを検知して(ステップST72)、電力がバランスするように、空調機11、照明装置12の消費電力を再抑制させる(機器運転出力を出力調整係数によってさらに抑制させる。空調機の場合、図2の空調指令調整部202で実施すされる)(ステップST74)。直流母線電圧が低下していない場合は、現在の状況を維持させる(ステップST73)。
以上説明のように、主蓄電池34の充電残量の不足が生じた場合に、第2蓄電池34Sを頻繁に充放電させ、かつ、空調機11、照明装置12の電気機器側も消費電力を抑えるように制御することで、主蓄電池34の充電残量減少を抑制することが可能になる。その結果、蓄電池全体の容量と重量を低減することが可能になる。
図16は、第2蓄電池34Sを動作させている状況において、動作途中で第2蓄電池34Sの容量が不足した場合の処理シーケンスを示すフローチャートである。
図16において、図15と同じ処理については同じ符号を付しており、重複を回避する意味で説明を省略する。図15のフローチャートと異なる処理についてのみ以下に説明する。
第2蓄電池34Sを定電圧制御で放電、主蓄電池34を放電電流上限値に設定して放電している状況で(ステップST70、ST71)、途中で第2蓄電池34Sの充電残量が不足した場合(ステップST82)、かご電力制御装置2は、主蓄電池34の放電電流上限値を解除して、定電圧制御で制御させる(ステップST84)。この結果、空調機11、照明装置12などの電気機器への電力供給は主蓄電池34が担当することになる。その後、エレベータの乗りかご1が待機状態になると、乗りかご1への給電装置のある階に移動するため、第2蓄電池34Sへの高速充電を実施でき、再び、第2蓄電池34Sを放電させて、主蓄電池34を救援することが可能になる。
[実施の形態6]
図17〜図20は、テールコードレスではなく、テールコードで送電する電流を低減させることで、電力線の径または本数を小さくすることのできる、本発明の実施の形態6に係るエレベータ乗りかごの電力制御装置を説明するために示した図である。
以下、図17〜図20を参照しながら、軽量テールコードによるエレベータシステムの構成動作について説明する。
このエレベータシステムの長所は、軽量化したテールコードを介して、建屋電源から常時電力(但し、電力線を小さくしたため、上限がある)を供給できるため、テールコードレスの場合と比べて蓄電池容量を低減できることにある。
なお、以下に説明する実施の形態6は、テールコード有りの従来におけるエレベータと、本発明のテールコードレスのエレベータとの中間に位置し、テールコードを無くすことはできないが、テールコードを軽くし、かつ、乗りかご1に搭載する蓄電池34の容量も小さくできるため、システム全体として軽量化を図ることが可能となる。
図17は、軽量テールコードによるエレベータシステムの全体構成を示す図である。図17は、図7に示す実施の形態2と基本的な構成とほとんど変わらないため、同じブロックについては同じ符号を付し、同じ名称、および機能を有するものとする。
差異は、軽量テールコード70A、70Bが追加されたことと、昇降路側にあったかごへの給電装置(図7の23A、24A)が無くなったことにある。
図17の軽量テールコードによるエレベータシステムは、テールコードを介して建屋側電源の電力供給を常時受けることが可能であり、昇降路側にあったかごへの給電装置は不要となる。
なお、図17において、建屋電源20はエレベータ制御装置44Aに電力を供給しており、エレベータ制御装置44Aは軽量テールコード70Aを介してかご給電装置3Aに繋がっており、建屋電源20から、エレベータ制御装置44A、軽量テールコード70A、かご給電装置3Aを通って乗りかごへ電力が供給される形態となっている。
図18は、軽量テールコードによるエレベータシステムの乗りかごの電力制御に関わる部分を示すブロック図である。その構成は、図1に示した実施の形態1とほとんど変わらないため、同じブロックについては同じ符号を付し、同じ名称、および機能を有するものとする。
差異は、軽量テールコード70が追加されたことと、昇降路側にあったかごへの給電装置(図1の23、22、21)が無くなったことにある。建屋電源から軽量テールコード70を介した蓄電池34への充電はかご電力制御装置2によって実施される。
図19は、軽量テールコードによるエレベータシステムの蓄電池34の電力制御の流れを示すフローチャートである。以下、図19のフローチャートを参照しながら、図18に示すかご電力制御装置2の動作について説明する。
ここでは、まず、現在の時刻が蓄電池34の充電時間帯か否かが判定される(ステップST90)。蓄電池34の充電時間帯は、基本的には夜間、エレベータの使用頻度が低い時間帯となり、例えば、23時から7時の時間帯に設定される。現在の時刻が蓄電池34の充電時間帯の場合は、蓄電池34はテールコードからの充電モードとなる。かご電力制御装置2が充電モードと判定して(ステップST91)、テールコードを介して所定値以下の電流で蓄電池に充電がなされる(ステップST92)。テールコードを軽量化するために、電力線の径を小さく、または電力線の本数を少なくしているため、小さい電流で蓄電池に充電する必要がある。電流を抑える所定値は、電力線の電流容量を基準に決められる。蓄電池34が満充電になるまで充電が続けられ(ステップST93)、満充電になると充電を終了させて待機させる(ステップST94)。
現在時刻が蓄電池の充電時間帯以外の場合は、蓄電池34は放電モードとなる。かご電力制御装置2が放電モードと判定して(ステップST95)、蓄電池34を定電圧制御で制御させる(ステップST96)。この時、かご電気機器11〜16への電力供給先は、蓄電池34が主となり、テールコードを介した建屋電源が従となる。建屋電源側が従となるのは、テールコード内の電力線を縮小化したことによる電流容量の制約による。
乗りかご1内の電気機器11〜16の消費電力が大きい場合は、建屋側電源20の電力供給に上限があるため、蓄電池34がメインの電力供給先となるが、消費電力が小さい場合は、蓄電池34の充電残量を温存するため、建屋側電源の電力をメインの供給先とすることが望ましい。したがって、建屋側電源20からは常に一定の電力を供給させるようにして(上限値一杯の電力を一定で供給)、残りの不足分を蓄電池34からの電力供給で補う形がよい。建屋側電源の方が電力供給の応答が速い場合は(通常は速いと考えられる)、蓄電池34を定電圧制御することによって、このような動作が実現できる。
蓄電池34の容量を低減するためには、前記したテールコードレスエレベータシステム向けの電気機器の出力調整法を適用すればよい。このため、蓄電池34の充電残量に応じて、テールコードレスエレベータシステム向けの電気機器の出力調整法(図3〜図6、図10〜図13)を実施する。
図20は、図19に示した軽量テールコードによるエレベータシステムにおける蓄電池の制御フローチャートに基づく蓄電池の充放電の状況を示している。
図20(a)は、テールコード内の電力線に流れる電流の1日幅での変化を表している。図20(a)のグラフは、横軸が時間で1日分の時間長を取っている。縦軸は、テールコード内の電力線を流れる電流値(複数の電力線を使用する場合は各電流の合計値)を表している。電流値が正の場合は制御盤からかごへ電流が流れていることを意味している。
図20(a)中の実線が実際に流れる電流の特性を表しており、基本的に一定値となっている。この一定値はテールコード内の電力線の電流容量で決まる上限値に対応している。つまり、蓄電池が充電時も放電時も、建屋電源から上限一杯の電流を流して、蓄電池の放電電力量を低減させるようにしている。
図20(a)中の点線は空調機の定格電流値を表している。通常のテールコードの場合は、かごの電気機器の消費電流に合わせてテールコードに流れる電流も決まるため、点線以上の電流が流れる可能性があり、径の太い電力線もしくは複数本の電力線を使う必要があるが、本発明の実施の形態6によれば、蓄電池を併用することにより、実際の電流値を図20(a)のように下げることができ、テールコード内の電力線を削減することができる。したがって、テールコードを軽量化できる。
図20(b)は、乗りかごに搭載した蓄電池の電流の1日幅で変化を表している。横軸は時間軸で1日分の時間長となっており、縦軸は蓄電池の電流を表している。電流の正値は放電していることを表し、負値は充電を表している。夜間23時から朝7時までは充電状態となっており、朝7時から夜23時までは放電状態となっている。
図20(c)はかご電気機器の消費電流の1日幅での変化を表している。夜間閑散時はかご電気機器の消費電力は小さいが(図では簡単のため、零値としている。実際の場合も平均すると非常に小さい値になると推測される。)、日中になるにつれて利用者が増えて、気温も上がるため、空調機などの消費電力が上がり、特に昼間から午後の時間帯に消費電流が増大する特性となる。従来のエレベータシステムでは、図20(c)に示されているかご電気機器の消費電流を直接テールコードに流していたため、太い電力線(または複数本の電力線)が必要で、テールコードの重量が問題となっていた。図20(a)と比較すれば、テールコードの電流が減少しており、テールコードを軽量化できることが分かる。
蓄電池34の放電電流についても、テールコードレス方式では、図20(c)の乗りかご1内の電気機器11〜16の消費電流を同じ電流を蓄電池34から放電しなければならなかったが、前記した実施の形態6によれば、テールコードからも電力供給がなされるため、図20(b)のように小さくすることができる。したがって、必要な蓄電池容量も低減することができる。
以上説明のように本発明のエレベータ乗りかごの電力制御装置によれば、エレベータのテールコードレス化、あるいはテールコードの軽量化はもとより、そのための重要設計事項である乗りかごに搭載する蓄電池容量の低減を実現し、空調装置や照明などの電気機器の消費電力の無駄を省いて消費電力量を抑えることができる。
なお、前記したかご電力制御装置2が有する各構成ブロックの機能は、全てをソフトウェアにより実現しても、あるいは少なくともその一部をハードウェアで実現してもよい。例えば、電力制御装置2を構成するかご空調指令設定部201と、空調指令調整部202と、空調制御指令変換部203と、制御モード判定部204と、空調指令調整量演算部(空調機調整モード)205と、空調指令調整量演算部(建屋電源モード)206と、蓄電池制御指令設定部(建屋電源モード)207におけるデータ処理は、1または複数のプログラムによりコンピュータ上で実現してもよく、また、その少なくとも一部をハードウェアで実現してもよい。
1 エレベータ乗りかご
2 かご電力制御装置
3 かご給電装置
11 空調機
12 照明装置
13 かご位置表示装置
14 電気式ガイド装置
15 ドアマシン
16 インターフォン
17 かご内温度センサ
18 かご内照度センサ
20 建屋側電源
34 蓄電池
34S 第2蓄電池
35 蓄電池制御装置
35S 第2蓄電池制御装置
70 軽量テールコード
201 かご空調指令設定部
202 空調指令調整部
203 空調制御指令変換部
204 制御モード判定部
205 空調指令調整量演算部(空調機調整モード)
206 空調指令調整量演算部(建屋電源モード)
207 蓄電池制御指令設定部

Claims (5)

  1. エレベータ乗りかごに設置された蓄電装置と、前記エレベータ乗りかごに設置され、前記蓄電装置から電力が供給される空調装置を含む電気装置とを備えるエレベータの、各電気装置に対して電力の供給制御を行うエレベータ乗りかごの電力制御装置において、
    前記エレベータ乗りかごの運行時に前記蓄電装置の蓄電量が所定値以下となった場合、前記蓄電量に応じて、前記空調装置を最優先に前記各電気装置の電力供給を停止するかご電力制御手段、
    を有することを特徴とするエレベータ乗りかごの電力制御装置。
  2. 前記かご電力制御手段は、
    前記各電気装置への電力供給を停止した後も、乗りかごと外部との連絡に使用する前記各電気装置としてのインターフォン装置への電力供給を継続するように制御することを特徴とする請求項1に記載のエレベータ乗りかごの電力制御装置。
  3. 前記かご電力制御手段は、
    前記各電気装置への電力供給を停止する順番を、前記エレベータ乗りかごが非常停止している場合と、前記エレベータ乗りかごの運行時に前記蓄電装置の蓄電量が所定値以下となった場合とにおいて、異なるように制御することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエレベータ乗りかごの電力制御装置。
  4. 前記電気装置として乗りかごドア駆動装置を含み、
    前記かご電力制御手段は、
    前記エレベータ乗りかごが非常停止している場合は、前記空調装置への電力供給の停止よりも先に前記乗りかごドア駆動装置への電力供給を停止することを特徴とする請求項3に記載のエレベータ乗りかごの電力制御装置。
  5. 前記電気装置としてかご位置表示器を含み、
    前記かご電力制御手段は、
    前記エレベータ乗りかごが非常停止している場合は、前記空調装置への電力供給の停止よりも先に前記かご位置表示器への電力供給を停止することを特徴とする請求項3または請求項4に記載のエレベータ乗りかごの電力制御装置。
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