JP2009286635A - エレベータ乗りかごの電力制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エレベータ乗りかごの電力制御装置が、エレベータ乗りかご内の各電気機器ごとに、蓄電池の充電残量に応じた閾値を設け、空調機、かご位置表示装置、照明装置、乗りかごドア駆動装置、インターフォン装置に電力を供給するか否かの指令を発し、電力供給を止める電気機器の順番を制御する。
【選択図】図12
Description
このテールコードは、高層ビルのエレベータでは数百m以上と長く、その重量増加が問題になっている。また、震度の非常に強い地震などでは、その揺れによってテールコードが昇降路内の器材に引っかかることも懸念される。
これらの技術は、テールコードレス化によって新たに追加される蓄電池の容量をいかに下げるか、また蓄電池の充電切れをいかに防ぐかを狙いとしている。例えば、エレベータの運動エネルギーをガイドレールに押し付けた駆動ローラを介して電気エネルギーに変換する発電機と、エレベータ停止階で乗りかごに対して非接触状態で電力を供給する非接触給電器と、蓄電池と、をそれぞれ乗りかごに搭載し、エレベータ走行中は発電機から乗りかごに電力を供給し、エレベータ停止中は非接触給電器から乗りかごに電力を供給するようにしたテールコードレスエレベータに関する技術が出願されている。この技術によれば、蓄電池の容量を小さくすることができる(例えば、特許文献1参照)。
例えば、乗りかごに搭載されて空調機へ電力を供給する蓄電池と、各階において建屋電源から乗りかごの空調機に電力を供給する手段と、蓄電池と建屋電源のいずれかに空調機に対する電力供給先を切り替える手段とを有する構成で、エレベータの乗りかごが階床間を移動中には蓄電池から空調機に電力を供給させた上で空調機の消費電力を最小値に制御し、乗りかごが各階に停止している間は、建屋電源から空調機に電力を供給させた上で空調機の消費電力が最大となるように制御するエレベータ空調機の制御に関する技術が出願されている。この技術によれば、乗りかごを動かす駆動系の電力を含めたエレベータ全体の最大消費電力を抑えることができる(例えば、特許文献3参照)。
更に、エレベータに乗り込もうとする人体を検出して、空調装置から乗りかご内に送風される風量を調整する技術も出願されている。具体的には、乗客がいない時には省エネのためにエレベータ乗りかごの空調機を停止させ、乗りかごに乗り込む乗客を検出した時は、空調機を停止モードから強風モードで作動させるものであり、この制御により、乗客はより涼しさを体感できる(例えば、特許文献5参照)。
この容量を削減するためには、発電機の発電量も大きくしなければならず、発電電力を上げるため、発電機を大きくしてかつ数を増やさざるを得ない。また、駆動ローラのすべりを減らすため、駆動ローラをレールに押し付ける力も強くしなければならず、駆動ローラの摩擦が増加して、乗りかごの速度が落ちる要因になる。これを回避するためには、乗りかごを動かすモータなどの巻き上げ機、インバータの定格電力を上げて出力電力を増加させる必要がある。結果として、巻き上げ機、インバータの規模が増加するため、エレベータシステム全体としての規模が大きくなるという課題が生じる。また、規模の大きな発電機が複数個付属するために、コストの増加や乗りかごの重量増加などの課題も生じる。さらに駆動ローラとレールの摩擦による騒音なども懸念される。したがって、蓄電池の容量を大きく低減させることは難しいと考えられる。
特に、高層ゾーン(例えば1階と30階から40階までの乗り場に停止する設定)のエレベータでは、ロビー階とその他の階の距離が長いため、この問題が深刻になると考えられる。また、これを回避するために、例えば、複数個の非接触給電器を複数階に配置すると、装置コストに加えて建屋の改造コストが増大することになる。前記した2つの課題を回避するためには、結果として蓄電池の容量を大きくせざるを得なくなる。
前記した蓄電池の課題以外にも、所定階に停止毎に空調機の出力を最大に設定するため、状況によっては不要に強い出力で空調機を運転させる可能性があり、乗りかごに乗り込んだ乗客が強い空調出力に対してかえって不快になることも懸念される。
これらの結果、蓄電池から空調機に電力供給する場合、蓄電池の充電量が途中で不足する可能性が生じる。また大きな会議の開始時や終了時のような一時的なイベントは利用が非常に混雑するが、学習では予測できないため、適切に空調機出力を制御できない可能性がある。
また、エレベータ乗りかごの空調機の消費電力抑制に関しても、エレベータ乗りかごの乗客の状況、要求に応じて適切に空調機を制御することと、この空調機の無駄な出力動作を省いて消費電力量を抑えるという2つの狙いを共に達成することが難しい。その結果、これらの技術をテールコードレス化したエレベータの空調機制御に適用しても、乗りかごに搭載された蓄電池の容量を低減することは難しい。したがって、いずれの技術についても、実質的に蓄電池容量を低減することは難しく、蓄電池の重量増加が回避できず、テールコードを無くした軽量化の効果が相殺されることになる。
このように制御することで、電力給電装置が設置された所定階では建屋電源を利用できるため、空調機の出力を増大させて最大限にこれを利用して乗りかご内の温度を短時間で調整し、一方でその時の蓄電池の放電電流を零にして蓄電池からの出力を抑えることができる。
このことにより、蓄電池の充電残量不足のために、やむを得ずかご内の各装置への電力供給を停止しなければならない場合に、乗りかご内の乗客の利便性を考えて、充電残量に基づいて前記の順番で停止させていくことができる。
このように制御することで、第1の蓄電池をかご内の各装置へ電力供給する主電源として用い、第2の蓄電池を第1の蓄電池の充電残量が不足した場合の補助として用いることができる。第2の蓄電池には容量は小さいが急速な充放電が可能な電池が選定されるため、乗りかごが所定階で停止している時に電力供給装置から急速充電しそれ以外では放電させることにより、第1の蓄電池の不足分を補うように働かせることができる。
このように制御することで、夜間などの充電時間帯には電力線を介して建屋電源から蓄電池に充電させ、日中などの電気機器が稼働する時間帯には蓄電池はかご内の電気機器へ放電し、建屋電源も電力線を介して電気機器に電力を供給させることが可能になる。
エレベータの乗りかごには、空調機、照明、乗りかごのドアを駆動するモータ、インバータ、かご位置表示器、乗りかごと外部との連絡に使われるインターフォンなどの電気機器が搭載されており、これらの電気機器に電力を供給する必要がある。従来のエレベータは、この電力供給を、乗りかごとビル最上部の機械室などに設置されている制御盤とを結ぶテールコードと呼ばれる電力および通信用のケーブルによって、制御盤(その元は建屋の電源)から直接的に電力を供給している。このテールコードは電線部分が鋼材のため、ケーブル長が長くなるほどその重量はエレベータ全体から見ても大きな比重を占めるようになる。例えば、行程が400〜500m程度のビルになると、乗りかご重量に匹敵するような重量になる可能性もある。また地震などによりテールコードが揺すられると、昇降路内の機材に引っかかる恐れもある。したがって、特に長行程のエレベータにおいて、テールコードを無くすこと、もしくは軽くすることが求められるようになっている。
蓄電池容量を低減するために、ここでは、乗りかご内の電気機器と蓄電池の電力を適切に管理、制御する制御装置である乗りかご電力制御装置を提供するものである。
このため、本発明の実施の形態1に係るエレベータ乗りかご電力制御装置は、空調機の出力電力を適正に抑制するように制御して蓄電池容量の低減をはかっている。図1〜図6にその詳細が示されている。なお、実施の形態1に係るエレベータ乗りかごの電力制御装置は、テールコード有りの従来からあるエレベータのシステム形態でも適用でき、このことにより、省エネ効果を得ることができる。
具体的には、夜間は建屋電源からかご搭載の蓄電池へテールコードを介して、小さい電流で充電して、日中は、蓄電池とテールコードの両方からかご電力機器へ電力を供給する方法となる。この場合、テールコードを軽くでき、かつ日中もテールコードからの電力も利用できるために、乗りかご搭載の蓄電池容量を小さくできる。本発明の実施の形態6に係るエレベータ乗りかごの電力制御装置が相当する。図17〜図20にその詳細が示されている。
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態1に係るエレベータシステムの全体構成を示す図である。
具体的には、蓄電池の直流電力をDC/DCコンバータ33(直流電力を直流電力に変換する装置、蓄電池の直流電圧を昇圧させる働きをもつ)を介して昇圧して、インバータ36により交流電力に変換して各電気機器11〜16に電力を供給する。ここで、DC/DCコンバータ33は、蓄電池制御装置35によって制御される。蓄電池制御装置35は、DC/DCコンバータ33の電圧、電流を制御することによって、蓄電池34の電力を放電させ、あるいは充電させたりすることができる。
建屋側電源20からの充電、各電気機器11〜16への放電、蓄電池34の充放電など、かごの電力給電は、コンバータ32、インバータ36、DC/DCコンバータ33、蓄電池34、蓄電池制御装置35によって実施されており、これらをまとめてかご給電装置3と称する。
かご電力制御装置2は、空調機11、照明装置12を含むかごの各電気機器11〜16や、蓄電池制御装置35へ制御指令を送ることができ、各電気機器11〜16の運転出力の調整や動作の停止、蓄電池34の充放電動作などを制御する。
かご電力制御装置2への入力には、後述するエレベータ制御装置44A(かご内乗り人数、位置、停止か走行中かなどの情報が入力される)、遠隔管理サーバ52(気象情報などが入力される)、群管理制御装置51(交通流などの情報が入力される)、各階の温度センサ601〜605から得られる情報がある。なお、前記した符号44A、52、51、601〜605は、後記する図7のシステム全体構成図に示されている。
空調機11の制御は、かご空調指令設定部201、空調指令調整部202、空調制御指令変換部203の順番で処理されることにより空調機制御指令が定められ、空調機11へと伝送される。かご空調指令設定部201では、従来の空調制御に基づいた制御指令が初期値として定められる。この指令としては、例えば、目標温度(目標とするかご内温度)や目標出力電力(目標とする空調機11の出力電力)などが挙げられる。空調指令調整部202では、かご空調指令設定部201で定められた指令をベースにして、空調指令調整量演算部205で求められた調整量にしたがって、空調指令の大きさを適切な値に調整する。
例えば、空調機11が目標温度で受ける場合は、空調制御指令変換部203は、変換を係数1で実施して、調整された目標温度をそのまま制御指令として空調機に受け渡す。空調機11が出力電力指令で受ける場合で、調整された空調指令が目標温度の場合は、空調制御指令変換部203が、目標温度と現在の乗りかご内の温度との偏差に基づいて出力電力指令に変換する。空調機11がオン/オフの指令で受ける場合には、所定時間の平均値が調整された空調指令(空調指令調整部202の出力)と一致するように、オン/オフの時間パタンを設定して、その時間パタンに基づいてオン/オフを出力する指令に変換する。
ここで、通常動作とは、後記する空調機調整モード、建屋電源モードのいずれも実施されない動作であり、空調指令調整部202では、空調指令の調整は行われない。制御モード判定部204には、蓄電池の充電残量、予測充電残量、外気温度、乗りかごの位置と状態(停止しているか走行しているかなどの状態)などの情報が入力されて、これらの状態に基づいて適切な状態が選定される。例えば、蓄電池34の充電残量が少なくて、外気温度が所定値より高い場合には、充電残量不足となることを避けるため、空調機調整モードが選定される。
制御モード判定によって、建屋電源モードが選択された場合は、建屋電源モードの空調指令調整量演算部206によって、空調指令調整量が演算される。この場合の入力情報は、かご内温度、かご内乗り人数となる。ここで演算された空調指令調整量によって空調指令が調整されるのと同時に、蓄電池制御指令設定部207において、蓄電池制御指令が設定されて蓄電池制御装置(図1の35)へ伝送される。建屋電源モードについては、後記するが、乗りかご1が充電可能階で停止している場合に、蓄電池34ではなく、建屋側電源20からかご内の電気機器11〜16に直接電力を供給するもので、空調機11の出力をできるだけ強くして(したがって、調整量は元の指令を拡大する傾向となる)高速に目標温度に近づける一方で、蓄電池34の放電電力はゼロにして、蓄電池34の充電残量を維持させる働きをする。
まず、制御モード判定部204は、蓄電池34の充電残量が閾値1より小さいか否かを判定する(ステップST10)。ここで閾値1よりも大きいと判定された場合(ステップST10“No”)は、更に、充電残量の予測値が閾値2より小さいか否かを判定する(ステップST11)。ここでも閾値2より大きいと判定された場合(ステップST11“No”)、充電残量はまだ十分に残っていると見なすことができ、したがって空調指令調整は実施されない(ステップST12)。充電残量が閾値1より小さいか(ステップST10“Yes”)、あるいは、残量予測値が閾値2より小さい場合(ステップST11“Yes”)は、充電残量不足となる可能性があり、この場合、以下の判定処理がなされる。
乗りかご1が停止状態ではない、もしくは、乗りかご1の位置が、乗りかご1への給電装置の階に一致しない場合(ステップST13“No”)、制御モード判定部204は、外気温度が閾値3よりも小さいか否かを判定する(ステップST15)。ここで、外気温度が閾値よりも小さいと判定された場合は(ステップST15“Yes”)、空調機11の出力調整をしても乗客にそれほど不快感を与えないと判断され、このため、空調機調整モードと判定される(ステップST16)。外気温度が閾値よりも大きいと判定された場合は(ステップST15“No”)、乗客の温度調整への要望が高いとみなして、通常動作と判定される(ステップST17)。
図4(a)は、外気温度による空調機11の調整が無い場合の制御特性を示している。図4(a)のグラフについて、横軸は、乗りかご定員に対するある階からの乗込み人数の比を表しており、縦軸は、調整後(図2の空調指令調整部202による調整後)の空調機の出力量を表している。図4(a)のA1は、乗込み階がロビー階の場合の特性を示し、A2は、乗込み階がロビー階以外の場合の特性を示している。
図4(a)のA1、A2の2つの特性がこれを表したもので、乗込み階がロビー階の場合の特性(A1)に対して、ロビー階以外の場合の特性は空調機11の出力を低減させている。また、単に乗込み階だけで空調機11の出力を決めるだけではなく、乗込み階での人数も空調機11の出力を決める上で重要と考えられる。例えば、ロビー階から乗込む人がいてもその人数が少ない場合は空調機11の出力をあまり大きく上げる必要はない。これを反映させて、図4(a)のA1およびA2は、乗込み人数の増加に対して調整後の空調出力を増加させる特性となっている。
その結果、利用者を不快にさせることなく、全体として空調機11の出力電力量を下げることが可能となる。また、前記の調整を、ロビー階およびそれ以外の階での乗り込む人数に応じて調整することにより、人数に応じた適正な調整が可能となり、さらに空調機11の出力電力を抑えることが可能となる。したがって、蓄電池34の充電残量が小さい場合に、このような調整を行うことにより、空調機11による電力消費が抑制されて、充電残量の減りを下げることが可能になる。つまり、テールコードレスエレベータで蓄電池の必要容量を低減することが可能になる。
図4(b)の空調機調整モードの制御特性が、図4(a)の制御特性と異なるのは、乗込み階がロビー階の場合に、その時の外気温度によってその特性が変わる点にある。図4(b)の例では、外気温度が25度、28度、30度、32度と上がるにしたがって、空調機の出力量の特性がA11、A12、A13、A14と増加するようになっている。これは、ロビー階から乗り込む利用者に対して、その時の外気温度に応じてさらにきめ細かく空調出力を調整することにより、全体として出力を抑制することを狙っている。例えば、図4(a)では、外気温度によらずロビー階からの乗込み客には人数に応じた一律の特性で空調出力を決めているが、図4(b)では、外気温度があまり高くない場合には空調機11の出力も抑制させており、全体として空調機11の出力を抑制することが可能となる。
図5において、横軸は乗りかご定員に対するかご内乗り人数の比を表しており、縦軸は調整後(図2の空調指令調整部202による調整後)の空調機の出力を表している。図5のように、かご内人数が増えるほど調整後の空調機出力量を増加させる特性(グラフB1)となっている。またこの特性(グラフB1)は2乗関数のような特性を持っており、かご内の人数が増えるほど、空調機出力は急激に増加するようになっている。これは、かご内の乗り人数が少ない場合、それほど空調機出力は必要ないと考えられるが、人数が増えるほど、心理的に圧迫感を感じ、不快感を感じるため、より強い空調機出力が必要になると考えるためである。さらに人数が増えることにより体温による温度上昇もあり、より強い空調機出力が必要となると考えられる。
また、建屋電源モードでは、乗りかごの位置はかごへの給電装置のある階に限定されるため、乗込み階によって出力を調整する図4(a)(b)の方法では適用範囲が狭くなり、図5に示す制御特性の方がより適している。したがって、図2の建屋電源モードでの空調指令調整量演算(206)は、図5の特性に基づいて実行される。
まず、空調指令調整量演算部205は、乗客の乗込み階がロビー階であるか否かを判定する(ステップST20)。ここでロビー階とは、単に一つの階だけに限定せず、ビル外との出入りがあり、かつその出入りの利用人数が多い階(複数あってもよい)を指している。乗込み階がロビー階の場合は、空調指令調整係数Kを以下の演算式(1)に基づき算出する(ステップST21)。
K=FA(P、T) …(1)
ここで設定された空調指令調整係数Kに基づき、空調指令調整量演算部205により空調機制御指令が調整されて、図4(b)のA11〜A14の特性に従った空調機指令になる。この空調機指令の調整は、変更時点からエレベータ乗りかごの乗客が零になるまで(乗り込んだ乗客が全て降りるまで)、もしくはそのかごが方向反転するまで続けられる(ステップST22)。乗込み階がロビー階以外の場合は、空調指令調整係数Kを以下の演算式(2)に基づき算出する(ステップST23)。
K=FB(P) …(2)
このようにして乗客乗込み階、乗込み階での人数、外気温度に応じて、空調指令調整係数Kが設定されるため、必要に応じた空調出力が可能となり、その結果、不要な空調出力が抑制されるため、全体としての空調機の出力電力量が抑制される。したがって、テールコードレスエレベータを実現する場合に、かごに搭載する蓄電池34の必要容量を低減することが可能となる。
次に、図7から図9を参照して、建屋側電源20から給電装置を介して乗りかご1の電気機器11〜16(図中では11A〜16A、11B〜16Bで示す)に直接電力を供給させる、本発明の実施の形態2に係るエレベータ乗りかごの電力制御装置について説明する。
図7は、テールコードレス化したエレベータシステムの全体構成を示す図である。ここでは、エレベータ2台(50A、50B)の群管理(2台のエレベータを一つのグループとして統括管理する形態)している状況を表している。各要素に付加された番号中で末尾にAが付いたものは1号機の要素を表しており、Bが付いたものは2号機の要素を表している。ここでは1号機の要素のみについて説明して、2号機の要素については省略する。また1号機の要素中で、図1で既に説明済みの要素については同じ符号が付されており、ここでは説明を省略する。以下、1号機を主体にして、図7に示したエレベータシステムの全体構成について説明する。
綱車46Aはモータ45Aによって回転させられ、モータ45Aはエレベータ制御装置44A内のインバータによって可変速駆動される。エレベータ制御装置44A、モータ45Aなどはビルの最上階にある機械室に置かれている。
かご給電装置3A内の蓄電池34への充電は、乗りかご側のトランス31Aと昇降路側のトランス23Aの電磁結合によってエネルギーが伝えられる。昇降路側の電力変換装置24Aは、図1のコンバータ21とインバータ22をまとめたもので、建屋側電源を高周波の交流電力に変換する。またエレベータ制御装置44Aから乗りかごへの制御情報の伝送は無線通信装置43A(制御装置側)と42A(乗りかご側)によって行われる。昇降路の行程は長いもので400m以上あるため、無線通信装置にはこの程度の距離まで伝送可能な種類の無線が使われる。
また、図7には図示省略しているが、各階の乗り場には画像認識によって乗り場の待ち客の人数を計数できるホール待ち客センサが設置される場合もある。以上がエレベータ1号機の構成であり、エレベータ2号機も同様の構成をしている。
遠隔管理サーバ52は、例えば、そのビルの設備管理室やエレベータの保守事業者の所に設置されており、気象予測情報などの情報を、通信線を介して各エレベータの制御装置44A、44Bに配信することができる。以上が、本発明によるエレベータ乗りかごの電力制御装置を備えた、テールコードレス化されたエレベータシステムの概略構成となる。
具体的には、図1において、建屋電源20から昇降路側のコンバータ21、インバータ22、トランス23、乗りかご側のトランス31、コンバータ32、インバータ36を介して、空調機11や照明装置12などの電気機器に直接電力を供給する。またこのときの蓄電池34の放電電力は零とする。このように、かご給電装置3Aのある階では建屋側の電源を利用することにより、蓄電池の充電残量を減らすことなく、乗りかごの各電気機器11〜16に電力を供給できる。これが建屋電源モードとなるが、建屋側の電源から乗りかごへ給電できる階は限られており、またその時間(その階での停止時間)も限られている。したがって、限定された機会・時間でいかに適切にかごの電気機器を動かすかが実運用での課題になる。
以下、図8のフローチャートを参照しながら、空調指令調整量演算部206(図2)による建屋電源モードでの空調機11の制御状態決定処理について説明する。
K1=F1(TC) …(3)
K2=F2(PC) …(4)
K3=F3(NR、NRP) …(5)
K4=F4(PH) …(6)
以上の処理により、図2に示す蓄電池制御指令設定部207は、かご内温度、かご内乗り人数、利用人数と予測利用人数、各乗り場のホール合計待ち人数の各要因に対する空調機の調整係数を求めた後、各調整係数の合計によって空調指令調整係数を求める(ステップST36)。また、同時に蓄電池放電電流指令は零値として、蓄電池の制御は定電流制御に切り替える(通常時、蓄電池は定電圧制御で制御されている)(ステップST36)。この結果、空調機はその時の状況(温度、乗り人数、利用人数、待ち人数)に見合った適切な出力に制御され、蓄電池は放電出力をしないため、充電残量が保存される。さらに、空調機の出力は調整係数により、先の状況の予測を含めて決められているため、乗りかごが給電装置のある階を出発した後も、蓄電池から放電出力を適正に抑制することができる。
横軸と縦軸の交点のマス目は、かご内温度と利用人数の組合せに対する空調機出力の調整係数を表している。例えば、かご内温度が28度、エレベータ利用人数がx3人の場合、調整係数はP11となる。この調整係数は、現在のかご内温度とエレベータ利用人数に基づいて現在およびその後しばらくの時間において必要と推定した空調機の出力調整量を表している。なお、図8に示す調整係数の求め方では、かご内温度と利用人数を分け、それぞれ独立の関数で各要因の調整係数を求めたが、図9のように組み合わせてもよい。
図10、図11は、本発明の実施の形態3に係るエレベータ乗りかごの電力制御装置による、空調機以外のかごの電気機器(照明装置と電気式ガイド装置)の出力調整方法を説明するために示した図である。
照明装置12と電気式ガイド装置14の両者を調整する制御は、本発明の「かご電力制御手段」としてのかご電力制御装置2内で実施される。以下、図10、図11を参照して、照明装置と電気式ガイド装置の出力調整方法について説明する(適宜図1等参照)。
照明出力指令調整モード判定部223は、蓄電池の充電残量、充電残量の予測値、かご内乗り人数、かご内外光量(図1のかご内照度センサ18によって検出)によって、照明出力指令の調整を実施するか否かを判定する。照明出力指令調整モード判定部223による判定処理の詳細については、図11のフローチャートを参照しながら後記する。照明出力指令調整モード判定部223での判定結果は、照明出力指令調整量演算部224に伝えられる。照明出力指令調整量演算部224では、出力調整を実施する場合は充電残量とその予測値に基づいて、空調機の場合と同様に調整係数もしくは調整量が計算されて、照明出力指令調整部221にその結果が送られる。出力調整を実施しない場合は、調整係数もしくは調整量が零として、照明出力指令調整部221にその結果が送られる。
まず、出力指令設定部225は、電気式ガイド装置14の出力指令を設定して、調整が必要な場合は、出力指令調整部226が出力指令の調整を行う。制御指令変換部227は、調整後の出力指令を制御指令に変換して、制御指令を電気式ガイド装置14へ送る。電気式ガイド装置14の出力調整を実施するか否かは、出力指令調整モード判定部228が判定して、調整を実施する場合は、出力指令調整量演算部229にて調整係数もしくは調整量が演算される。演算された調整係数もしくは調整量は、出力指令調整部226に送られ、出力指令調整部226は、その値にしたがって出力指令を調整する。電気式ガイド装置14の出力指令調整モード判定部228の入力は、蓄電池の充電残量、その予測値、かご内乗り人数、かご走行状態情報になる。出力指令調整量演算部229の入力は、蓄電池の充電残量とその予測値になる。
一方、蓄電池の充電残量が閾値3より小さいか(ステップST40“Yes”)、その予測値が閾値4よりも小さいと判定された場合(ステップST41“Yes”)、照明出力指令調整モード判定部223は、乗りかご1内の乗り人数が零か否かを荷重センサで検出された値に基づき判定する(ステップST43)。かご内乗り人数が零の場合は(ステップST43“Yes”)、かご内照明の出力を蓄電池34の充電残量またはその予測値に応じて低減させる(ステップST44)。
なお、蓄電池34の充電残量が不足状態の場合、乗りかご1内の乗客が零にも関わらずかご内照明を付けているのは電力を不要に消費しており、出力を充電残量に応じて適度に抑制した方がよい。同じく乗客がいないにも関わらず電気式ガイド装置14を動作させて、かごの振動を過度に抑制させても電力を不要に消費していることになり、出力を充電残量に応じて適度に抑制した方がよい。
この場合も外光の大きさに応じてかご内照明を抑制できるため、蓄電池の充電残量の減少を抑えることができる。なお、かご内に外光が入るケースは、乗りかごの壁がガラスで構成された場合で、かつ、昇降路がビル外(屋外)にある場合を想定している。展望用のエレベータなどがこれに該当する。
図12、図13は、本発明の実施の形態4に係るエレベータ乗りかごの電力制御装置による、蓄電池34からの電力供給停止制御の流れを示す図であり、蓄電池34の充電残量不足時の蓄電池34から各電機機器11〜16(図1等参照)への電力供給停止(図12)、非常停止時の蓄電池からの電力供給停止制御(図13)のそれぞれを示す。
図12、図13は、いずれも、かご電気機器の出力調整や建屋電源の利用だけでは間に合わないような場合に、やむを得ず、電気機器11〜16を停止させる場合の、乗客にとってより適切(この場合、安全面から適切)と考えられる電気機器停止の順序制御を示しており、かご電力制御装置2内で実施される。
ここで、閾値Aは、電気機器の出力調整の閾値に比べてさらに小さい値となる。厳しい充電残量不足になって始めてこの停止処理シーケンスが実施される。充電残量が閾値Aより小さい場合(ステップSTA01“Yes”)、すなわち、厳しい充電残量不足の場合は、蓄電池34から乗りかご1内の空調機11への電力供給を最優先で停止させるか、もしくは空調機11の動作を停止させる(ステップSTA03)。
次に、蓄電池34の充電残量が閾値Cよりも小さいか否かを判定する(ステップSTA07)。ここで大きいと判定された場合は(ステップSTA07“No”)、次回の判定処理まで待って(ステップSTA08)、再度、ステップSTA07の処理に戻って閾値との比較を行う。ここで閾値Cよりも小さいと判定された場合は(ステップSTA07“Yes”)、蓄電池34から乗りかご1内の照明装置12の電力供給を停止させる、もしくは照明装置12の動作を停止させる(ステップSTA09)。
最後に残すのは、外部と乗りかご1内の連絡に使うかご内インターフォン16で、どのような状況でも安全確認のため、乗りかご内の状況を確認する必要があり、かご内インターフォン16は、最後まで電力供給を継続させる必要がある。
次に、蓄電池34の充電残量が閾値Hより小さいか否かを判定して(ステップSTC07)、大きいと判定された場合は(ステップSTC07“No”)、次回判定時まで処理待ちとして(ステップSTC08)、再度、ステップSTC07の処理に戻り閾値比較を行う。ここで、小さいと判定された場合は(ステップSTC07“Yes”)、蓄電池34から乗りかご1内の空調機11への電力供給を停止させるか、もしくは空調機11の動作を停止させる(ステップSTC09)。
図14〜図16は、蓄電池34を、第1蓄電池としての主蓄電池と、第2蓄電池の2段構成として、主蓄電池の充電残量が不足した場合、救援役として第2の蓄電池を使う、本発明の実施の形態5に係るエレベータ乗りかごの電力制御装置を説明するために示した図である。図14は、このための乗りかごの電力制御に関わる構成を示したブロック図である。
図14において、図1に示す実施の形態1と同じ番号が付されたブロックは図1に示すブロックと同じ名称、および機能を有するものとする。実施の形態1との差異は、第2蓄電池34Sと、第2蓄電池34Sの制御装置35S、そして、第2蓄電池34Sに対するDC/DCコンバータ33Sが追加されたことにある。
かご電力制御装置2は、主蓄電池34の主蓄電池制御装置35、第2蓄電池34Sの第2蓄電池制御装置35Sと通信線でつながっており、それぞれに対して制御指令を送り、あるいは制御状況をモニタリングすることができる。
第2蓄電池34Sは、充電を行いながらできるだけ長い時間放電させるようにして、主蓄電池34の充電残量の減少を抑えるように働かせる。高速充放電が必要な第2蓄電池34Sとしては、電気二重層コンデンサ、リチウムイオン電池などが適している。なお、主蓄電池34は、所定の長い時間充電した後に、所定の長い時間放電させる使い方(サイクル用途とも呼ばれる)となり、第2蓄電池34Sとは異なる特性が求められる。また、一般にこのようなサイクル用途タイプの蓄電池は放電途中での一時的な充電動作、特に、大電流による充電動作は寿命を短くし、あるいは装置を傷める可能性があるため、避けることが望ましいとされている。
まず、かご電力制御装置2は、主蓄電池34の充電残量が閾値5より小さいか否かを判定し(ステップST61)、次に、主蓄電池34の充電残量予測値が閾値6より小さいか否かを判定する(ステップST62)。両者を共に満たさない場合は(ステップST61“No”、ST62“No”)、主蓄電池34の充電残量に余裕があるとみなすことができ、このため、第2蓄電池34Sは動作させないようにする(ステップST63)。前記した判定のいずれかを満たす場合は(ステップST61“Yes”、またはステップST62“Yes)、第2蓄電池34Sを動作させる第2蓄電池動作モードに入る(ステップST64で示す一点鎖線で示す領域)。
条件を満たさない場合は(ステップST66“No”)、第2蓄電池34Sを放電させるモードに入る。まず、空調機11と照明装置12の消費電力を抑制する(ステップST68、ST69)。その上で、第2蓄電池34Sを定電圧制御で放電させる(ステップST70)。主蓄電池34に対しては、放電電流の上限値を設けて、放電電流を制限させる(ステップST71)。
第2蓄電池34Sの放電出力が不足している場合(基本的に、第2蓄電池34Sは容量・出力電力はそれほど大きくない仕様で選定されている)は、直流母線電圧が低下したままとなるため、それを検知して(ステップST72)、電力がバランスするように、空調機11、照明装置12の消費電力を再抑制させる(機器運転出力を出力調整係数によってさらに抑制させる。空調機の場合、図2の空調指令調整部202で実施すされる)(ステップST74)。直流母線電圧が低下していない場合は、現在の状況を維持させる(ステップST73)。
図16において、図15と同じ処理については同じ符号を付しており、重複を回避する意味で説明を省略する。図15のフローチャートと異なる処理についてのみ以下に説明する。
図17〜図20は、テールコードレスではなく、テールコードで送電する電流を低減させることで、電力線の径または本数を小さくすることのできる、本発明の実施の形態6に係るエレベータ乗りかごの電力制御装置を説明するために示した図である。
以下、図17〜図20を参照しながら、軽量テールコードによるエレベータシステムの構成動作について説明する。
なお、以下に説明する実施の形態6は、テールコード有りの従来におけるエレベータと、本発明のテールコードレスのエレベータとの中間に位置し、テールコードを無くすことはできないが、テールコードを軽くし、かつ、乗りかご1に搭載する蓄電池34の容量も小さくできるため、システム全体として軽量化を図ることが可能となる。
差異は、軽量テールコード70A、70Bが追加されたことと、昇降路側にあったかごへの給電装置(図7の23A、24A)が無くなったことにある。
なお、図17において、建屋電源20はエレベータ制御装置44Aに電力を供給しており、エレベータ制御装置44Aは軽量テールコード70Aを介してかご給電装置3Aに繋がっており、建屋電源20から、エレベータ制御装置44A、軽量テールコード70A、かご給電装置3Aを通って乗りかごへ電力が供給される形態となっている。
差異は、軽量テールコード70が追加されたことと、昇降路側にあったかごへの給電装置(図1の23、22、21)が無くなったことにある。建屋電源から軽量テールコード70を介した蓄電池34への充電はかご電力制御装置2によって実施される。
ここでは、まず、現在の時刻が蓄電池34の充電時間帯か否かが判定される(ステップST90)。蓄電池34の充電時間帯は、基本的には夜間、エレベータの使用頻度が低い時間帯となり、例えば、23時から7時の時間帯に設定される。現在の時刻が蓄電池34の充電時間帯の場合は、蓄電池34はテールコードからの充電モードとなる。かご電力制御装置2が充電モードと判定して(ステップST91)、テールコードを介して所定値以下の電流で蓄電池に充電がなされる(ステップST92)。テールコードを軽量化するために、電力線の径を小さく、または電力線の本数を少なくしているため、小さい電流で蓄電池に充電する必要がある。電流を抑える所定値は、電力線の電流容量を基準に決められる。蓄電池34が満充電になるまで充電が続けられ(ステップST93)、満充電になると充電を終了させて待機させる(ステップST94)。
乗りかご1内の電気機器11〜16の消費電力が大きい場合は、建屋側電源20の電力供給に上限があるため、蓄電池34がメインの電力供給先となるが、消費電力が小さい場合は、蓄電池34の充電残量を温存するため、建屋側電源の電力をメインの供給先とすることが望ましい。したがって、建屋側電源20からは常に一定の電力を供給させるようにして(上限値一杯の電力を一定で供給)、残りの不足分を蓄電池34からの電力供給で補う形がよい。建屋側電源の方が電力供給の応答が速い場合は(通常は速いと考えられる)、蓄電池34を定電圧制御することによって、このような動作が実現できる。
図20(a)は、テールコード内の電力線に流れる電流の1日幅での変化を表している。図20(a)のグラフは、横軸が時間で1日分の時間長を取っている。縦軸は、テールコード内の電力線を流れる電流値(複数の電力線を使用する場合は各電流の合計値)を表している。電流値が正の場合は制御盤からかごへ電流が流れていることを意味している。
図20(a)中の点線は空調機の定格電流値を表している。通常のテールコードの場合は、かごの電気機器の消費電流に合わせてテールコードに流れる電流も決まるため、点線以上の電流が流れる可能性があり、径の太い電力線もしくは複数本の電力線を使う必要があるが、本発明の実施の形態6によれば、蓄電池を併用することにより、実際の電流値を図20(a)のように下げることができ、テールコード内の電力線を削減することができる。したがって、テールコードを軽量化できる。
図20(c)はかご電気機器の消費電流の1日幅での変化を表している。夜間閑散時はかご電気機器の消費電力は小さいが(図では簡単のため、零値としている。実際の場合も平均すると非常に小さい値になると推測される。)、日中になるにつれて利用者が増えて、気温も上がるため、空調機などの消費電力が上がり、特に昼間から午後の時間帯に消費電流が増大する特性となる。従来のエレベータシステムでは、図20(c)に示されているかご電気機器の消費電流を直接テールコードに流していたため、太い電力線(または複数本の電力線)が必要で、テールコードの重量が問題となっていた。図20(a)と比較すれば、テールコードの電流が減少しており、テールコードを軽量化できることが分かる。
なお、前記したかご電力制御装置2が有する各構成ブロックの機能は、全てをソフトウェアにより実現しても、あるいは少なくともその一部をハードウェアで実現してもよい。例えば、電力制御装置2を構成するかご空調指令設定部201と、空調指令調整部202と、空調制御指令変換部203と、制御モード判定部204と、空調指令調整量演算部(空調機調整モード)205と、空調指令調整量演算部(建屋電源モード)206と、蓄電池制御指令設定部(建屋電源モード)207におけるデータ処理は、1または複数のプログラムによりコンピュータ上で実現してもよく、また、その少なくとも一部をハードウェアで実現してもよい。
2 かご電力制御装置
3 かご給電装置
11 空調機
12 照明装置
13 かご位置表示装置
14 電気式ガイド装置
15 ドアマシン
16 インターフォン
17 かご内温度センサ
18 かご内照度センサ
20 建屋側電源
34 蓄電池
34S 第2蓄電池
35 蓄電池制御装置
35S 第2蓄電池制御装置
70 軽量テールコード
201 かご空調指令設定部
202 空調指令調整部
203 空調制御指令変換部
204 制御モード判定部
205 空調指令調整量演算部(空調機調整モード)
206 空調指令調整量演算部(建屋電源モード)
207 蓄電池制御指令設定部
Claims (9)
- エレベータ乗りかごに設置された蓄電装置と、前記エレベータ乗りかごに設置され、前記蓄電装置から電力が供給される空調装置を含む電気装置とを備えるエレベータの、各電気装置に対して電力の供給制御を行うエレベータ乗りかごの電力制御装置において、
前記蓄電装置の蓄電量が所定値以下となった場合、前記蓄電量に応じて、前記空調装置を最優先に前記各電気装置の電力供給を停止するかご電力制御手段、
を有することを特徴とするエレベータ乗りかごの電力制御装置。 - 前記かご電力制御手段は、
前記各電気装置への電力供給を停止した後も、乗りかごと外部との連絡に使用する前記各電気装置としてのインターフォン装置への電力供給を継続するように制御することを特徴とする請求項1に記載のエレベータ乗りかごの電力制御装置。 - 前記かご電力制御手段は、
前記各電気装置への電力供給を停止した後も、前記各電気装置としての電気式ガイド装置に電力供給を継続するように制御することを特徴とする請求項1に記載のエレベータ乗りかごの電力制御装置。 - 前記かご電力制御手段は、
前記各電気装置への電力供給を停止する順番を、前記エレベータ乗りかごが非常停止している場合とそれ以外の場合とにおいて、異なるように制御することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のエレベータ乗りかごの電力制御装置。 - ビル建屋側の電源から電力線を通して電力が供給可能なエレベータ乗りかごに設置された蓄電装置と、前記エレベータ乗りかごに設置され、前記蓄電装置から電力が供給されるとともに、前記ビル建屋側の電源からも前記電力線を通して電力が供給可能な空調装置、照明装置を含む電気機器と、を備えるエレベータにおける、エレベータ乗りかごの電力制御装置であって、
前記蓄電装置の充電時間帯は、前記ビル建屋側の電源から前記電力線を通して前記蓄電装置に電力を供給し、前記以外の時間帯は、前記蓄電装置と、前記電力線を通して前記ビル建屋側の電源とから前記電気機器に電力を供給するように制御するかご電力制御手段、
を有することを特徴とするエレベータ乗りかごの電力制御装置。 - 前記かご電力制御手段は、
前記電力線を通して前記蓄電装置に供給される電力の電流値を、前記空調装置の定格電流よりも小さい電流となるように制御することを特徴とする請求項5に記載のエレベータ乗りかごの電力制御装置。 - 前記かご電力制御手段は、
前記電力線を通して前記電気機器に供給される電力の電流値を一定の値として制御することを特徴とする請求項5に記載のエレベータ乗りかごの電力制御装置。 - 前記かご電力制御手段は、
前記充電時間帯以外の時間帯における前記電気機器の消費電力が小さい時間帯において、前記ビル建屋側の電源から前記電力線を通して前記電気機器に供給される電流を、前記蓄電装置から前記電気機器に供給される電流よりも大きな値になるように制御することを特徴とする請求項5に記載のエレベータ乗りかごの電力制御装置。 - 前記かご電力制御手段は、
エレベータの利用が比較的少ない夜間を含む時間帯を前記充電時間帯として制御することを特徴とする請求項5に記載のエレベータ乗りかごの電力制御装置。
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