JP5154090B2 - 活性エネルギー線硬化型インク及び印刷物 - Google Patents
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Description
本発明の他の目的は、さらに、密着性や強靱性、耐屈曲性等に優れた活性エネルギー線硬化型インクと、該インクを用いて作製された印刷物を提供することにある。
で表される3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル化合物であって、該3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル化合物の異性体の含有量が、3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル化合物とその異性体の総和に対して、ガスクロマトグラフィーによるピーク面積の割合として0%を超え20%以下である化合物(「脂環式ジエポキシ化合物(A)」と称する)が用いられている活性エネルギー線硬化型インクを提供する。
で表されるビシクロヘキシル−3,3′−ジエン化合物であって、該ビシクロヘキシル−3,3′−ジエン化合物の異性体の含有量が、ビシクロヘキシル−3,3′−ジエン化合物とその異性体の総和に対して、ガスクロマトグラフィーによるピーク面積の割合として0%を超え20%未満である脂環式ジエン化合物をエポキシ化することにより得られる3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル化合物(「脂環式ジエポキシ化合物(A′)」と称する)が用いられている活性エネルギー線硬化型インクを提供する。
前記式(1)中、R1〜R18におけるハロゲン原子には、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子が含まれる。「酸素原子若しくはハロゲン原子を有していてもよい炭化水素基」における炭化水素基には、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、これらが2以上結合した基が挙げられる。脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル基等の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基(例えば、炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜5程度のアルキル基);ビニル、アリル基等のアルケニル基(例えば、炭素数2〜10、好ましくは炭素数2〜5程度のアルケニル基);エチニル基等のアルキニル基(例えば、炭素数2〜10、好ましくは炭素数2〜5程度のアルキニル基)などが挙げられる。脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;シクロアルケニル基;橋架け環式基などが挙げられる。芳香族炭化水素基としては、フェニル、ナフチル基等が挙げられる。酸素原子を有する炭化水素基としては、例えば、前記炭化水素基の炭素鎖中に酸素原子が介在している基(例えば、メトキシメチル基、エトキシメチル基等のアルコキシアルキル基等)などが挙げられる。ハロゲン原子を有する炭化水素基としては、例えば、クロロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロフェニル基等の前記炭化水素基の有する水素原子の1又は2以上がハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素又はヨウ素原子)により置換された基が挙げられる。「置換基を有していてもよいアルコキシ基」におけるアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ブチルオキシ基等の炭素数1〜10(好ましくは炭素数1〜5)程度のアルコキシ基などが挙げられる。アルコキシ基の置換基としては、例えば、前記ハロゲン原子などが挙げられる。
測定装置:HP6890(ヒューレットパッカード社製)
カラム:HP−5、長さ30m、膜厚0.25μm、内径0.32mm
液相 5%−ジフェニル−95%−ジメチルポリシロキサン
キャリアガス:窒素
キャリアガス流量:1.0ml/分
検出器:FID
注入口温度:250℃
検出器温度:300℃
昇温パターン(カラム):100℃で2分保持、5℃/分で300℃まで昇温、30 0℃で10分保持
スプリット比:100
サンプル:1μl(エポキシ化合物:アセトン=1:40)
で表される4,4′−ジヒドロキシビシクロヘキシル化合物を、有機溶媒中、脱水触媒の存在下、副生する水を留去しながら脱水反応を行うことにより得られる。
測定装置:HP6890(ヒューレットパッカード社製)
カラム:HP−5、長さ60m、内径0.32mm
液相 5%−ジフェニル−95%−ジメチルポリシロキサン
キャリアガス:窒素
キャリアガス流量:2.6ml/分
検出器:FID
注入口温度:250℃
検出器温度:250℃
昇温パターン(カラム):60℃で5分保持、10℃/分で300℃まで昇温
スプリット比:100
サンプル:1μl
本発明では、前記脂環式ジエポキシ化合物(A)又は(A′)とともに、他のエポキシ化合物を用いてもよい。他のエポキシ化合物としては、芳香族エポキシ化合物、上記以外の脂環式エポキシ化合物及び脂肪族エポキシ化合物等が挙げられる。
本発明では、光重合性化合物として、前記脂環式ジエポキシ化合物(A)又は(A′)とともに、さらにオキセタン化合物を用いてもよい。オキセタン化合物としては、分子内にオキセタン環を有し、硬化可能な化合物であればよく、特に限定されないが、例えば、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、1,4−ビス{[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−{[3−(トリエトキシシリル)プロポキシ]メチル}オキセタン、オキセタニルシルセスキオキサン等が挙げられる。オキセタン化合物は、例えば、東亞合成(株)製「OXT−101、121、211、213、221、212、610;RSOX、HQOX、BPOX」などが市販品として入手可能である。オキセタン化合物は単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明では、光重合性化合物として、前記脂環式ジエポキシ化合物(A)又は(A′)とともに、さらにビニルエーテル化合物を用いることもできる。ビニルエーテル化合物としては、硬化可能なビニルエーテル化合物であればよく、特に限定されないが、例えばエチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジ又はトリビニルエーテル化合物、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−O−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物等が挙げられる。これらの化合物は、例えば、丸善石油化学(株)「HEVE、HBVE、DEGV」等市販品が入手可能である。これらのビニルエーテル化合物のうち、硬化性、密着性、表面硬度を考慮すると、ジ又はトリビニルエーテル化合物が好ましく、特にジビニルエーテル化合物が好ましい。上記ビニルエーテル化合物は単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明では、光重合性化合物として、前記脂環式ジエポキシ化合物(A)又は(A′)とともに、(メタ)アクリレート化合物を用いることができる。特に、ブラックインク、ホワイトインクには、(メタ)アクリレート化合物を用いるのが好ましい。(メタ)アクリレート化合物としては、公知の(メタ)アクリレートモノマー及び/又はオリゴマーを用いることができる。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクは、増感剤を含有するのが好ましい。増感剤としては、置換基として水酸基、置換されていてもよいアラルキルオキシ基又はアルコキシ基を少なくとも1つ有する多環芳香族化合物、カルバゾール誘導体、フェノチアジン誘導体、チオキサントン誘導体から選ばれる少なくとも1種の化合物を使用できる。これらを含有させることにより、環境(温度、湿度)変化による吐出性・硬化性の変動がより抑止され、安定に高精細な画像を形成できる。
光開始剤としては、「UV・EB硬化技術の応用と市場」(シーエムシー出版、田畑米穂監修/ラドテック研究会編集)などに掲載されている公知の光酸発生剤、光ラジカル発生剤を用いることができる。
顔料としては、例えば以下に挙げるものを用いることができるが、これらに限定されるものではない。
C.I.Pigment Yellow
1,2,3,12,13,14,16,17,73,74,75,81,83,87,93,95,97,98,109,114,120,128,129,138,150,151,154,180,185
C.I.Pigment Red
5,7,12,22,38,48:1,48:2,48:4,49:1,53:1,57:1,63:1,101,112,122,123,144,146,168,184,185,202
C.I.Pigment Violet
19,23
C.I.Pigment Blue
1,2,3,15:1,15:2,15:3,15:4,18,22,27,29,60C.I.Pigment Green
7,36
C.I.Pigment White
6,18,21
C.I.Pigment Black 7
本発明で用いることのできる記録材料としては、通常の非コート紙、コート紙などの他、いわゆる軟包装に用いられる各種非吸収性のプラスチックおよびそのフィルムを用いることができ、各種プラスチックフィルムとしては、例えば、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONyフィルム、PVCフィルム、PEフィルム、TACフィルムを挙げることができる。その他のプラスチックとしては、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ABS、ポリアセタール、PVA、ゴム類などが使用できる。また、金属類や、ガラス類にも適用可能である。これらの記録材料の中でも、特に熱でシュリンク可能な、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONyフィルム、PVCフィルムへ画像を形成する場合に本発明は特に有用となる。これらの基材は、インクの硬化収縮、硬化反応時の発熱などにより、フィルムのカール、変形が生じやすいばかりでなく、インク膜が基材の収縮に追従し難い。
次に、インクジェット記録方式を例として、画像形成方法について説明する。画像形成方法としては、本発明の活性エネルギー線硬化型インクをインクジェット記録方式により記録材料上に吐出、描画し、次いで紫外線などの活性エネルギー線を照射してインクを硬化させる方法が好ましい。
(1)ビシクロヘキシル−3,3′−ジエン及びその異性体のガスクロマトグラフィー(GC分析)
測定装置:HP6890(ヒューレットパッカード社製)
カラム:HP−5、長さ60m、内径0.32mm
液相 5%−ジフェニル−95%−ジメチルポリシロキサン
キャリアガス:窒素
キャリアガス流量:2.6ml/分
検出器:FID
注入口温度:250℃
検出器温度:250℃
昇温パターン(カラム):60℃で5分保持、10℃/分で300℃まで昇温
スプリット比:100
サンプル:1μl
ビシクロヘキシル−3,3′−ジエンとその異性体との比は次のようにして求めた。すなわち、上記条件でGC分析を行い、保持時間20.97分付近に出る最大ピーク(ビシクロヘキシル−3,3′−ジエン)の面積と、その直前に現れる20.91分付近のピーク(異性体)の面積に基づいて、ビシクロヘキシル−3,3′−ジエンに対する異性体の含有比を求めた。すなわち、異性体比率(%)は、異性体面積÷(異性体面積+ビシクロヘキシル−3,3′−ジエン面積)×100で算出される。
測定装置:HP6890(ヒューレットパッカード社製)
カラム:HP−5、長さ30m、膜厚0.25μm、内径0.32mm
液相 5%−ジフェニル−95%−ジメチルポリシロキサン
キャリアガス:窒素
キャリアガス流量:1.0ml/分
検出器:FID
注入口温度:250℃
検出器温度:300℃
昇温パターン(カラム):100℃で2分保持、5℃/分で300℃まで昇温、30 0℃で10分保持
スプリット比:100
サンプル:1μl(エポキシ化合物:アセトン=1:40)
3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシルとその異性体との比は次のようにして求めた。すなわち、上記条件でGC分析を行い、保持時間19.8分から20.0分付近に出る最大ピーク2本[3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル(2本のピークは立体異性体の存在による)]の合計面積と、その直前に現れる19.1分から19.5分付近のピーク3本(異性体)の合計面積に基づいて、3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシルに対する異性体の含有比を求めた。すなわち、異性体比率(%)は、異性体合計面積÷(異性体合計面積+3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル合計面積)×100で算出される。
測定装置:ヒューレットパッカード社製、HP6890(GC部)、5973(MS 部)
カラム:HP−5MS、長さ30m、膜厚0.25μm、内径0.25mm
液相 5%−ジフェニル−95%−ジメチルポリシロキサン
昇温パターン(カラム):100℃で2分保持、5℃/分で300℃まで昇温、30 0℃で18分保持
注入口温度:250℃
MSDトランスファーライン温度:280℃
キャリアガス:ヘリウム
キャリアガス流量:0.7ml/分(コンスタントフロー)
スプリット比:スプリットレス
サンプル注入量:1.0μl
測定モード:EI
イオン源温度:230℃
四重極温度:106℃
MS範囲:m/z=25〜400
サンプル調製:サンプル0.1gをアセトン3.0gに溶解
合成例1で得られた脂環式ジエポキシ化合物をGC−MS分析に付した。その結果(ガスクロマトグラムと各成分のMSスペクトル)を図4〜13に示す。保持時間17.73分、17.91分、18.13分のピークが3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシルの異性体のピークであり、18.48分、18.69分のピークが3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシルのピークである。上記GC分析の場合と分析条件が若干異なるので各ピークの保持時間は異なるが、出現する順序は同じである。図4はガスクロマトグラムと保持時間17.73分のピークのMSスペクトルであり、図5はその拡大図である。図6はガスクロマトグラムと保持時間17.91分のピークのMSスペクトルであり、図7はその拡大図である。図8はガスクロマトグラムと保持時間18.13分のピークのMSスペクトルであり、図9はその拡大図である。図10はガスクロマトグラムと保持時間18.48分のピークのMSスペクトルであり、図11はその拡大図である。図12はガスクロマトグラムと保持時間18.69分のピークのMSスペクトルであり、図13はその拡大図である。MSスペクトルによれば、上記何れの成分もm/z=194の分子イオンピークを有している。
95重量%硫酸70g(0.68モル)と1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)55g(0.36モル)を撹拌混合して脱水触媒を調製した。
撹拌機、温度計、および脱水管を備え且つ保温された留出配管を具備した3リットルのフラスコに、下記式(3a)
得られたビシクロヘキシル−3,3′−ジエン(異性体を含む)243g、酢酸エチル730gを反応器に仕込み、窒素を気相部に吹き込みながら、かつ、反応系内の温度を37.5℃になるようにコントロールしながら約3時間かけて30重量%過酢酸の酢酸エチル溶液(水分率0.41重量%)274gを滴下した。過酢酸溶液滴下終了後、40℃で1時間熟成し反応を終了した。さらに30℃で反応終了時の粗液を水洗し、70℃/20mmHgで低沸点化合物の除去を行い、脂環式エポキシ化合物270gを得た。このときの収率は93%であった。粘度(25℃)を測定したところ、84mPa・sであった。得られた脂環式エポキシ化合物のオキシラン酸素濃度は15.0重量%であった。また1H−NMRの測定では、δ4.5〜5ppm付近の内部二重結合に由来するピークが消失し、δ3.1ppm付近にエポキシ基に由来するプロトンのピークの生成が確認され、下記式(1a)
異性体比率=(2262+1715+5702)÷(2262+1715+5702 +28514+74587)×100=9%
撹拌機、20段の蒸留塔、温度計を備えている10リットルの四つ口フラスコに、水添ビフェノール6kgと硫酸水素カリウム620gを加えた。続いて、フラスコを180℃に加熱し、水添ビフェノールを融解後、撹拌を開始した。蒸留塔の塔頂より副生水を留出させながら反応を続け、3時間経過後、反応系内を10Torr(1.33kPa)に減圧し、水とビシクロヘキシル−3,3′−ジエンを蒸留塔の最上段より連続的に系外に留出させた。系外に留去させた水とビシクロヘキシル−3,3′−ジエンはデカンターで二層に分離させ、上層液のみを取り出した。その後、4時間かけて反応温度を220℃まで上げ、水とビシクロヘキシル−3,3′−ジエンの留去が無くなった時点で反応終了とした。ビシクロヘキシル−3,3′−ジエンの留出粗液の収量は4507gであった。上記ビシクロヘキシル−3,3′−ジエンの留出粗液4500gを撹拌機、20段の蒸留塔、温度計を備えている5リットルの四つ口フラスコに入れ、オイルバスで180℃に昇温した。その後、反応系内を10Torr(1.33kPa)に減圧し、水を留去してから蒸留塔の最上段の温度を145℃に維持し、還流比1で5時間かけてビシクロヘキシル−3,3′−ジエンを蒸留精製し、無色透明の液体を得た。収量は4353gであった。前記液体についてGC分析を行った結果、得られたビシクロヘキシル−3,3′−ジエン中には異性体が含まれており、ビシクロヘキシル−3,3′−ジエンと異性体の含有比は80:20であった。
得られたビシクロヘキシル−3,3′−ジエン(異性体を含む)243g、酢酸エチル730gを反応器に仕込み、窒素を気相部に吹き込みながら、かつ、反応系内の温度を37.5℃になるようにコントロールしながら約3時間かけて30重量%過酢酸の酢酸エチル溶液(水分率0.41重量%)274gを滴下した。過酢酸溶液滴下終了後、40℃で1時間熟成し反応を終了した。さらに30℃で反応終了時の粗液を水洗し、70℃/20mmHgで低沸点化合物の除去を行い、脂環式エポキシ化合物267gを得た。このときの収率は92%であった。粘度(25℃)を測定したところ、63mPa・sであった。得られた脂環式エポキシ化合物のオキシラン酸素濃度は14.9重量%であった。また1H−NMRの測定では、δ4.5〜5ppm付近の内部二重結合に由来するピークが消失し、δ3.1ppm付近にエポキシ基に由来するプロトンのピークの生成が確認され、3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシルであることが確認された。GC分析の結果、得られた脂環式エポキシ化合物には3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシルとその異性体が含まれており、異性体比率は21%であった(図2参照)。異性体比率は次式により算出した。
異性体比率=(5404+3923+13067)÷(5404+3923+130 67+23563+60859)×100=21%
(顔料分散液の調製)
以下の組成で顔料を分散した。PB822(味の素ファインテクノ社製;分散剤)9部とOXT−221(東亞合成社製;二官能オキセタン化合物)71部をステンレスビーカーに入れ、65℃ホットプレート上で加熱しながら1時間加熱撹拌して溶解した。室温まで冷却した後、これに下記顔料20部を加え、直径0.5mmのジルコニアビーズ200gと共にガラス瓶に入れて密栓し、ペイントシェーカーにて下記時間分散処理した。その後、ジルコニアビーズを除去し、顔料分散液を得た。
顔料(1):Pigment Black 7(三菱化学社製、「#52」)10時間
顔料(2):Pigment Blue 15:4
(山陽色素株式会社製、「シアニンブルー4044」) 6時間
顔料(3):Pigment Yellow 150
(LANXESS社製、「E4GN−GT CH20003」) 10時間
顔料(4):Pigment Red 122(大日精化社製) 10時間
顔料(5):酸化チタン(アナターゼ型:粒径0.2μm) 10時間
表1〜表4に記載のインク組成でインク組成物を調製し、ロキテクノ社製「PP3μmディスクフィルター」で濾過を行った。なお、表中の各成分の数字は重量%である。
表1〜表4中のインクの記号は下記の通りである。
K:濃ブラック、C:濃シアンインク、M:濃マゼンタインク、Y:濃イエローインク、W:ホワイトインク
図14に記載のラインヘッド記録方式のインクジェット記録装置に、上記調製した各インク組成物セット1〜4を装填し、表5に記載の巾600mm、長さ500mの長尺の各記録材料[PET(ポリエチレンテレフタレート)、PVC(ポリ塩化ビニル)、又はアート紙]へ、下記の画像記録を連続して行った。画像データとしては「高精細カラーデジタル標準画像データ『N5・自転車』(財団法人 日本規格協会 1995年12月発行)」を用いた。インク供給系は、インクタンク、供給パイプ、ヘッド直前の前室インクタンク、フィルター付き配管、ピエゾヘッドからなり、前室タンクからヘッド部分まで断熱して50℃の加温を行った。ピエゾヘッドは、2〜15plのマルチサイズドットを720×720dpiの解像度で吐出できるよう駆動して、各インクを連続吐出した。着弾した後、キャリッジ脇のランプユニットにより瞬時(着弾後1秒未満)に硬化される。
照射条件は以下の通りである。
照射光源:120W/cm メタルハライドランプ(日本電池製MAL400NL)
照射のタイミング:着弾後0.1秒
照射の仕方(面積):記録材料搬送方向下流に線光源照射(図14)
記録材料面上の照度:400mW/cm2
記録後、トータルインク膜厚を測定したところ、2.3〜13μmの範囲であった。本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。なお、インクジェット画像の形成は、上記方法に従って、10℃、20%RHの環境下、25℃、50%RHの環境下及び27℃、80%RHの環境下でそれぞれ行った。
上記画像形成方法で記録した各画像について、1m、100m出力時に下記の各評価を行った。各評価結果を表6及び表7に示す。
Y、M、C、K各色インクを用いて、目標濃度で6ポイントMS明朝体文字を印字し、文字のガサツキをルーペで拡大評価し、下記の基準により文字品質の評価を行った。
◎:ガサツキなし
○:僅かにガサツキが見える
△:ガサツキが見えるが、文字として判別でき、ギリギリ使えるレベル
×:ガサツキがひどく、文字がかすれていて使えないレベル
720dpiで、Y、M、C、K各色1ドットが隣り合うように印字し、隣り合う各色ドットをルーペで拡大し、滲み具合を目視観察し、下記の基準に則り色混じりの評価を行った。
◎:隣り合うドット形状が真円を保ち、滲みがない
○:隣り合うドット形状はほぼ真円を保ち、ほとんど滲みがない
△:隣り合うドットが少し滲んでいてドット形状が少しくずれているが、ギリギリ使えるレベル
×:隣り合うドットが滲んで混じりあっており、また、重なり部に皺の発生があり、使えないレベル
2 ヘッドキャリッジ
3 記録ヘッド
4 照射手段
P 記録材料
Claims (8)
- 光重合性化合物、光開始剤及び顔料で構成された活性エネルギー線硬化型インクであって、前記光重合性化合物として、下記式(1)
で表される3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル化合物であって、該3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル化合物の異性体の含有量が、3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル化合物とその異性体の総和に対して、ガスクロマトグラフィーによるピーク面積の割合として0%を超え20%以下である化合物(「脂環式ジエポキシ化合物(A)」と称する)が用いられている活性エネルギー線硬化型インク。 - 光重合性化合物、光開始剤及び顔料で構成された活性エネルギー線硬化型インクであって、前記光重合性化合物として、下記式(2)
で表されるビシクロヘキシル−3,3′−ジエン化合物であって、該ビシクロヘキシル−3,3′−ジエン化合物の異性体の含有量が、ビシクロヘキシル−3,3′−ジエン化合物とその異性体の総和に対して、ガスクロマトグラフィーによるピーク面積の割合として0%を超え20%未満である脂環式ジエン化合物をエポキシ化することにより得られる3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル化合物(「脂環式ジエポキシ化合物(A′)」と称する)が用いられている活性エネルギー線硬化型インク。 - 光重合性化合物として、さらに(メタ)アクリレート化合物が用いられている請求項1又は2記載の活性エネルギー線硬化型インク。
- 光重合性化合物として、さらにオキセタン化合物が用いられている請求項1〜3の何れかの項に記載の活性エネルギー線硬化型インク。
- エポキシ化合物の配合量が、光重合性化合物全体に対して5〜100重量%である請求項1〜4の何れかの項に記載の活性エネルギー線硬化型インク。
- エポキシ化合物全体に占める前記脂環式ジエポキシ化合物(A)又は(A′)の割合が20重量%以上である請求項1〜5の何れかの項に記載の活性エネルギー線硬化型インク。
- インクジェット用に用いられる請求項1〜6の何れかの項に記載の活性エネルギー線硬化型インク。
- 請求項1〜7の何れかの項に記載の活性エネルギー線硬化型インクを用いて作製された印刷物。
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